記事公開日:2022.04.11
最終更新日:2023.01.20

中堅・中小企業の属人化業務解消方法~DX化と業務刷新~_後編

1.はじめに

本コラムでは、中堅・中小製造業の現場業務の属人化業務解消方法について、前編に引き続き後編を説明させていただきます。前編では属人化している業務の解決策の概要について説明させていただいていますので、まだお読みになられていない方はそちらから見ていただければと思います。

創業当時は、少人数で、一人が多様な業務を担当していた状況が、企業規模の拡大に伴い、社員数、業務の種類と量の増加に伴い、業務の細分化・専任化が進みます。その結果、部分的な業務の最適化が行われ、時間が経つと共に属人化が進行します。
その対策として、「業務標準化」プロジェクトを行い、マニュアル(業務手順書)等を作成します。しかし、実際は、「業務標準化」しようにも、同じ業務でも部門や人によって違っていたり、特定の人しか出来ない状態になっていることがあります。そのため、マニュアル作成を誰に依頼すれば正解か判断に迷ったり、特定の人に依頼が集中することになります。また、現業務もあるため、なかなか作成が進まないといったことがあります。他の人が製作を手伝おうにも、結局、作成している人に聞かないとわからないので、なかなか進みません。では、どうすればいいのか。
大企業などであれば、標準化活動として業務時間を割いたり、一時的に人員を当てたりすることが可能ですが、中堅・中小企業では、そうはいきません。日々の忙しい業務の中で作成していくことになります。それなのに得られる成果物がマニュアルだけでは、物足りない気もします。
今回の後編では前編の続きとして、業務刷新で属人化業務を解消するための考え方について具体的に以下の章で説明をします。

2.DXと業務刷新による業務属人化の解消方法の具体的ポイント

業務を刷新するということは現在の課題を解決して、かつ、新しい方法を設計構築することです。また、再度の属人化を防ぐために、属人化の要素である人の手作業・人の判断の介入を無くしたものにする必要があります。この場合のポイントは3つあります。(この3つのポイントは前編で紹介させていただいたものと同じです。)
①アウトプットを意識して、業務自体の必要性を考慮すること
②従来業務内容にとらわれず、仕組化をゼロから構築すること
③人の介入を減らし、自動化・機械化し、属人化する要素を減らすこと

これら3つのポイントを押さえて、業務の刷新を行う上で重要なことは、現状の業務・手順・担当者にこだわらず、ゼロから設計することです。以下に具体的に説明します。

以前より続いている業務であれば、業務が設計された当時とは異なるデジタルツールがありますし、わざわざ人の手足を使わなくてもできることが増えています。例えば、手書き記録を解読しながらエクセルに入力したり、書類をレターケースに入れて運んだりすることは、それぞれ解決できるデジタルツールが存在します。また、それらの使い勝手も改善されており、使いやすくなっています。
では、デジタルツールを導入すれば属人化が解消されるかというとそうではなくて、ベンダーが提供してくれるシステムの操作マニュアルの他に、自社用の業務マニュアルを自社で作成する必要があります。これは、操作方法を統一することで属人化を防ぐことを目的としています。
次に、今の業務を単純にシステムに移行すればいいかといえばそうではありません。それでは、システム導入が目的になってしまい、現場には業務が増えただけとみなされ、定着せずにシステム導入自体が失敗になってしまいます。どのシステムを入れるかの前に業務の課題を洗い出し、システムを導入せずに改善できるところは改善をする必要があります。そうすることで、今の自社にとって不必要な部分をそぎ落として、自社の発展と将来に必要な部分を補強することが可能になります。そうしたうえで、作り直した業務フローを基に更に改善するためにシステムを入れるならどれがいいかを検討することが、より良い業務フローにつながります。
また、業務刷新することで、今まであった業務が無くなり、新しい業務が誕生します。そうすると、現場担当者から業務内容が変わることへの不安、新しい業務ができるかの不安といった様々な不安の声が上がります。この声は意外とプロジェクトメンバーの心理面に影響を与え、現場担当者に極力、迷惑をかけないようにといった思考になってしまい、十分な成果を得られない結末にベクトルが向かいます。こういった事態に陥らないように経営者・管理者はプロジェクトの進行状況を把握し、本質からブレないようにフォローをする必要があります。例えば、属人化の解消は、省人化が目的ではなく、より付加価値が高い業務をしてもらうためであることをコンセプトとして掲げ、現場担当者、会社両方にメリットがあることを都度、伝えましょう。

3.まとめ

今回のコラムでは、属人化業務の解消方法について具体的に説明させていただきました。本内容を自社の業務改善、成長発展のお役に立てていただきたいです。また、上記内容の実現に支援が必要な場合は、弊社にお声がけいただければ幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。

前編はこちら
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