記事公開日:2022.05.25
最終更新日:2023.01.20

中堅・中小製造業企業の業務基盤DX~AI・ロボットとの連携~

1.はじめに

本コラムでは、中堅・中小製造業において、DX(デジタル トランスフォーメーション)を推進する中で、取組対象のひとつである「文章作成・表計算・Eメール・スケジュールといった社員共通で使用する基本ツール類」を業務基盤の一部と定義し、AIやロボットといった最先端技術を導入するにあわせて、全社で業務基盤とAI・ロボットを連携し活用する際の考え方について説明いたします。
本コラムのポイントは、以下の3つです。
(1)最新基本ツール類がもつ業務効率化に有用な機能
(2)AIやロボットの導入効果を全社で活用検討する際の考え方
(3)業務基盤のDXで目指すゴール設定について

2.業務基盤DXについて

上記で3つのポイントを上げさせていただきました。以降で、それらについて説明をさせていただきます。

(1)最新基本ツール類がもつ業務効率化に有用な機能
表的な基本ツール類としては、マイクロソフト社の「Microsoft365」があります。近年では、マイクロソフト社を含めた各メーカーが提供するツール類は、販売形態が物理的な記憶媒体を利用しないWebからのダウンロードに切り替わり、売り切りからSaaSが主流に変わっています。これらによって今後は、常に最新バージョンが使えるようになり、システム管理面でも管理の効率化が見込めます。
有用な機能の一つに、文章作成・表計算の同時編集機能があります。これは一つのファイルを複数人が同時にアクセスし作成・編集することが可能です。そのため、ファイルを順番に開いて、データを入力してもらうために発生する待ち時間が省略できます。それによって資料の完成までにかかる時間の短縮が可能です。
複数人が同時に一か所に集まって作業するには、一つのデータファイルを共有する必要があります。その手段としては、OnedriveやSharepoint、GoogleDrive、Box等のファイル共有クラウドサービスまた、オンプレミスのファイルサーバーが必要になります。外部データの取り込み機能もあるため、共有ファイル機能と併用することでBI(ビジネスインテリジェンス)を構築することが可能です。
このファイルを共有して同時に作業する機能を活用する方法を検討することが業務基盤DXの肝の一つです。
(2)AIやロボットの導入効果を全社で活用検討する際の考え方
蓄積したデータ分析にAIを活用し、現場の業務改善にロボットを導入して効率化を図ることは、皆様が日頃から思案していることだと思います。AIやロボットに共通していることは、プログラミングや電子回路に手を加えることでデータを取り出すことが基本可能なところです。(抽出できるデータの種類・難易度はシステムにより異なります。)
これらの技術は、単体や限定された環境で稼働させることが多いですが、抽出したデータを活用できる箇所はないか、全社的に考えることが重要です。例えば、稼働状況を把握するために取っているデータを現場でなく、事務所のPCから見られるようにする、品質検査記録を分析して傾向・トレンドを設備メンテナンス計画に反映するといったことです。
考え方のポイントは、現状の業務で、採取したデータが、次にどこにつながって、どのように加工されて使われるかを考え、つながりと加工を業務基盤のツールを使って自動化・簡略化できないかを検討することです。その作業を自動化・簡略化することで、仕事の品質向上と業務効率化を実現することができます。
(3)業務基盤のDXで目指すゴール設定について
ここで目指したい業務基盤DXのゴールは、「すべての社内情報、ツールへのアクセス起点を一か所にまとめること」です。具体的には、社内の情報ポータル(Portal:扉、入口)を作り、すべての業務の起点をそのポータルサイトに集約します。メリットは、社内の情報を一か所に集約するので、社内通知などの社内情報の共有効率化、利用者は必要な情報へのアクセス方法がわかりやすくなり利便性が向上します。
また、上記(1)(2)をあわせて活用することで、一般的なポータルサイトよりも情報・機能が充実した環境を作ることが可能です。自社で使用している業務基盤と親和性がたかいポータルを導入する、または、ゼロから業務基盤を刷新して、全社的な視点でツールを検討・選択することも選択肢です。
重要なのは、自社の業務の仕組みを理解して、どのようなアウトプット・インプットが存在するか把握し、無駄な工程を省いて効率的な業務設計になるように見直しをすることです。そのために、基盤業務ツールの最新機能を活用していただきたいです。

3.まとめ

今回のコラムでは、業務基盤DXと題して、社内の情報をすべてつなげて集約する・業務効率を改善する際の考え方について、概要を説明させていただきました。本内容を自社の業務改善、成長発展のお役に立てていただきたいです。また、上記内容は抽象的・概念的な要素が多いので、実際に実行する際は、弊社にご相談いただければ幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。

 
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