記事公開日:2022.07.25
最終更新日:2023.01.20

溶接ロボット活用!!国際ウェルディングショーからみられる今後の溶接業界の自動化

1.今後の溶接業界の自動化はどうなるか?

2022年7月東京ビッグサイトで開催された国際ウェルディングショーに行ってきました。
ロボットメーカーや老舗Sier様やスタートアッ等様々な企業様が溶接に関連するソリューションや機器・部品を展示しており見どころ沢山な展示会でした。

中でも特に目を引いたのは、協働ロボットを活用した溶接システムでした。
FUNAC・安川・PANASONIC・ダイヘン等各社ロボットメーカーは自社の協働ロボットにMIGやTIGの溶接電源を組み込んだソリューションを展示していました。
ロボットメーカー以外でも多くのSier様が協働ロボットのソリューションを展示しており、溶接業界への協働ロボット活用が期待されている事を肌感覚で感じる事が出来ました。

従来の産業用ロボットの溶接への活用については、技術的にかなり成熟されてきておりますが、現場での活用に対しては未だに課題が多く、ロボットユーザも多くの場合低い稼働率とエラー修正(ティーチング修正)等に頭を悩ませています。

対して協働ロボットを溶接に活用する事で得られるメリットは非常に多く、これまでの生産現場での活用とは一線画した活用が見込める為、メーカーやSierはもちろん、エンドユーザの注目度も非常に高まっています。
今後10年の溶接業界は協働ロボット活用が主流になりそうな予感がしますね。

それでは展示されていたソリューションを例に協働ロボットを活用するメリットを解説していこうと思います。

2.溶接の自動化における協働ロボット活用のメリット

まずは、協働ロボットを活用するメリットとして

  • 初心者でもティーチングが簡単
  • 省スペースでの設置が可能
  • 低価格で導入しやすい

があります。

協働ロボットは、ダイレクトティーチングという手でロボットハンドを動かして教示させる方法が用いられており、初心者でも簡単にティーチングが可能です。
タッチパネルでの直観的な操作でロボット動作フローを作成する事も出来ますし、溶接電源とリンクさせて溶接電流やパルス等の設定もすべてタッチパネル内で調整する事が可能です。
次に協働ロボットは軽量で場所を取らないため、生産設備内のレイアウトを変更することなくさまざまな用途に応じて配置できます。
展示会でもほとんどのソリューションにはキャスタ付の作業台とロボットがアッセンブリされており、キャスターにてどこにでも移動できる様になっておりました。
短時間で簡単に段替えを行えるため、多品種少量生産の生産ラインでも大いに活躍できます。
そして、協働ロボットは人と同じ環境で作業ができることを目的としたロボットのため、安全柵がなくても使用できます。
産業用ロボットと協働ロボット単体で価格を比較すると協働ロボットの方が価格は高い事が多いですが、安全策や周辺機器が不要なので、システム全体の価格を抑制する事が可能です
最近では性能が良く価格が安い台湾製の協働ロボットも人気でこれまでの産業用ロボットと変わらない金額で購入する事も可能になってきております。

次に溶接加工を協働ロボットにさせるメリットを述べていきたいと思います。

  • 小物かつ個数を要する部品(リピート性があり、細かな溶接が多く手間が掛かるが沢山作る)
  • 試作品(リピート性が無く専用の治具製作が出来ない)
  • 1品1様な製品の製作(リピート性が無く専用の治具製作が出来ない)

まず上記の様な場合での活用が期待出来ます。
多くの現場では子部品を製作する場合、ほとんど人手で単純作業を繰り返して製作している事がほとんどです。
しかし、子部品の多くは溶接も点付けやピッチ溶接等簡単なものが多く、ほとんど付加価値を生んでいない加工に対して、貴重な溶接職人さんの工数を大幅に掛けてしまっていますので、協働ロボットで溶接する事で職人さんをもっと価値の高い業務に集中してもらう事が出来ます。
そして試作や1個単位での受注品などの場合、従来のロボットでは、治具作成やロボットティーチングに掛かる工数や費用を考えるととても採算が合わず、手作業で対応している事と思います。
協働ロボットの長所であるティーチングの簡易さを最大限に発揮し、試作や一品物の現物合わせでティーチングを行い溶接してしまえば良いですし、何より溶接技能や資格を持っていない人でも協働ロボットを扱えれば製作が出来てしまう事でしょう。

このように、多品種少量生産が当たり前の溶接加工業にはとてもマッチしており、活用の幅は今後もどんどん広がっていく事が予想されます。

また従来のロボット溶接から常にある課題として、治具や現物の位置ずれ・歪みによる溶接の狙い位置ずれによる溶接不良やロボットエラーがありますが、これは協働ロボットでも同じ事が言えます。
しかし、今回の展示会では、3Dスキャナーによる現物確認と自動補正や、レーザーセンサーによるリアルタイムトラッキング機能(溶接しながら溶接線へのトーチの位置を修正していく)機能を協働ロボットに組み合わせて活用している事例もありました。
協働ロボットとこのようなロボット補正する機器やソフトウェアと連動して活用する事が出来れば、だれでも使えるほど簡単で品質が良い溶説を実現する事が可能です。

高度な技能が必要な溶接は淑人さんが実施し、簡単な溶接は協働ロボットでさせる。
こんな時代はそう遠く無いでしょうね。

もちろん溶接だけでなく、研磨や塗装・組み立てにも活用する事が出来ますので、極端な話協働ロボット1台あれば、ハンドツールを交換して、今日は研磨、明日は溶接みたいな使い方も可能ですね。

今回の記事で記載した内容はほんのごく一部でまだまだ協働ロボットを活用するメリットはあります。
そしてどんどんと新しい機器やソフトウェアが生まれつつあり、今後の成長が楽しみな分野でもありますので今後も注視して協働ロボット業界をチェックしていきたいと思います。

 

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