DX CONSULTING COLUMN 工場DXコンサルティングコラム

専門コンサルタントが執筆するAI・ロボットコラム
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製造業品質管理の改善活動とDX化事例

2023.08.18

今回は、製造業における品質管理の重要性とDX化による品質改善活動というテーマについてお伝えさせていただきます。 1.製造業における品質管理の重要性 まず品質の定義として、社内で設計された製品を設計通りに製造しお客様に提供される製品の品質のことで、要求品質を満足する必要があります。 つまりは「設計品質」=「製造品質」と定義できます。 この品質においては不適合の製品を万が一流出してしまった場合、単なる不良品として再製作だけにとどまらず、不具合内容によっては事故や訴訟問題に発展してしまう可能性があります。 そうなった場合、会社にとって大きな信頼と売上と顧客を失うことになり得る可能性があります。 こうした事態を回避し顧客満足度を高めるには、商品・サービスの品質向上に勤めることが非常に大切です。 そのための品質の改善ポイントを列記します。 (ポイント1)5Sの運用・活動維持 ⇒整理・整頓・清掃・清潔・しつけ (ポイント2)4Mの管理・メンテナンス ⇒人(Man)、機械(Machine)、材料(Material)、方法(Method) (ポイント3)DX化(デジタルトランスフォーメーション)による実績収集・分析・活動記録 (ポイント4)手順書の整備・業務標準化 ⇒作業標準、教育、社内会議による情報共有 今回はポイントの3つ目品質管理における「DX化」について詳しくお伝えいたします。 2.品質管理における改善活動 品質管理においてDX化を進めるのにあたり、まずは社内の仕組みや体制つくりが重要となります。 いきなりDX化で改善とはなりませんので、まずは基礎を固めてからスタートすることが良いでしょう。 そのポイントを列記します。 ①品質マネジメントシステム(QMS)の構築 QMSを導入し、品質保証体制を整備することが重要です。 社内の品質方針や手順、KPIを策定し、品質管理の方向性を明確にして全社に周知させます。 ②プロセス改善 改善活動におけるプロセスを見直し、改善を行うことが必要です。 例えば不良率が多い工程を特定し、原因を分析して改善方針を策定します。 ③品質情報の収集と分析 生産現場や顧客からの不適合品発生情報やクレーム情報を収集し、品質データを解析します。 各種品質データを分析し、課題を特定し、実行計画を策定します。 ④トレーニング・教育の実施 生産ラインでの品質管理の観点を徹底し、従業員の教育を実施します。 また、社内教育の記録を取り、訓練後に評価することで、意識の向上を図ります。 ⑤顧客満足度の向上 顧客満足度を向上させるための再発防止策の徹底に努めます。 発生した不適合品の原因には様々な改善ヒントがありますので、顧客とのコミュニケーションを密にし、 クレーム対応から製品の特性や設備や作業等の見直しを行い顧客ニーズの理解に繋げます。 ⑥PDCAサイクルの徹底 PDCAサイクルを活用し、改善計画を実施します。 目標の設定、プランニング、実行、評価の順序で改善計画を進め、定期的な改善を行います。 まとめとして、製造業において品質管理は、顧客からの信頼性を高めるために重要なポイントになりますので 以上の点を考慮し地道な品質活動を維持継続していくことが大切です。 ここからは、品質管理のDX化における事例を見ていきましょう。 3.品質管理のDX化事例 ①工場IoTの導入 生産ラインの設備にセンサーを設置し、生産データをリアルタイムで可視化することで、機器トラブルや生産ラインの停止を事前に予測することができます。 ②AIの活用 製造プロセスにAI技術を導入することで、不良品の自動検査や品質管理の徹底など、品質レベルの向上が可能になります。 ③ビッグデータの活用 多種多様な品質情報を収集し、データを分析することで、プロセスや機器の改善点を特定することができ ます。 ④プロセスの可視化 製造プロセスを可視化することで、製品の品質管理、在庫管理、納期管理、販売管理など、様々なビジネスプロセスの改善につなげることができます。 4.品質管理のデータ分析とプロセス 前述の様々な手法がある中で、品質管理におけるデータ分析は、生産プロセスや製品の品質に関する情報を数値化、分析し、品質レベルの向上に繋げるための取り組みで最も重要な施策になります。 以下に、データ分析を活用した品質管理の事例をいくつか紹介します。 ①品質改善に役立つデータの収集と解析 生産ラインのスピード、不良数、不良原因などのデータを収集し、何らかのパターンを発見し、その原因を追究することができます。 このデータを分析するとどの生産過程やどの機械がどの程度の不良を生産しているかを把握し、品質改善計画を策定することができます。 一般的にはExcel等で台帳管理を行っている企業も見受けられますが、各種パッケージによるシステム化も有効な手段と言えます。 ②ビッグデータ分析による予測と改善 複数の製造バッチや機器のデータを使用して、不良品の要因を特定すると同時に、将来の製品欠陥の予測ができます。 予測された品質欠陥に対処するため、製造プロセスを改善することができます。 ③AIによる検査とデータ分析 非破壊検査やビジョンセンサーを使用して、データを収集し、AIによって不良品を検出することができます。 不良品の原因を特定し、各生産プロセスを改善することで、品質の向上に繋げます。 ④SPC(統計的工程管理)による品質管理の追跡 SPCでは、生産前及び生産後のサンプリングを行い、データを抽出、統計解析することで品質改善を追跡することができます。また、プロセスの制御限界を把握し、品質レベルを維持・改善するために必要な製造プロセスを革新することができます。 以上のように、データ分析を組み合わせた品質管理では、生産ラインの品質を確保するための正確かつ迅速な試験を行い、不良品の発生を防止することが可能となります。 5.まとめ 最後に、まとめとして品質改善活動は、企業の売上や信頼と言った重要な要素の他に、品質管理を実施することで、不良数を削減し、生産コストを削減することができます。 昨今は様々なDX化による改善活動ができますので、ぜひ取り組んでみてはいかがでしょうか。 このコラムが皆様の工場にお役に立てれば幸いです。 最後までお読みいただきありがとうございました。   製造業経営者向け“基幹システム再構築戦略”解説レポート ▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼ 多くの製造業は、全体としての原価・利益は見えているが、個別の実際原価は、属人化している業務で運用されている事で見えにくくなっています。製品別個別、取引先個別、工程別個別の実際原価を把握することで実際の利益が見えてきます。 見える化、DX化により、適切なアクションを取ることが重要です。 本レポートでは見える化とDX化のポイントを解説します! https://www.funaisoken.co.jp/dl-contents/smart-factory__02003_S045   ■関連するセミナーのご案内 製造業の為のAI・IoT活用戦略!経営者セミナー https://www.funaisoken.co.jp/seminar/102603 職人技術に依存している製造現場でAI化・IoT化・ロボット化・デジタル化できる取組事例が学べる! ■開催日程 全てオンライン開催となります 以下の日程よりご都合の良い日程をお選び下さい ※内容は全て一緒です 2023/09/07 (木) 13:00~15:00 2023/09/12 (火) 13:00~15:00 2023/09/14 (木) 13:00~15:00 ■講座内容 ゲスト講師講座「協働ロボット成功事例講座!ロボドリル工程の工数を年間1,200時間削減!」 AI・IoT取組事例講座編 「全国各地で見られる製造業でのAI・IoT取組事例」 AI・IoT活用戦略講座編 「製造業経営者が取り組むべきAI・IoT活用戦略」 セミナー詳細・申込はこちらから⇒ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/102603 いつも当コラムをご愛読いただきありがとうございます。 今回は、製造業における品質管理の重要性とDX化による品質改善活動というテーマについてお伝えさせていただきます。 1.製造業における品質管理の重要性 まず品質の定義として、社内で設計された製品を設計通りに製造しお客様に提供される製品の品質のことで、要求品質を満足する必要があります。 つまりは「設計品質」=「製造品質」と定義できます。 この品質においては不適合の製品を万が一流出してしまった場合、単なる不良品として再製作だけにとどまらず、不具合内容によっては事故や訴訟問題に発展してしまう可能性があります。 そうなった場合、会社にとって大きな信頼と売上と顧客を失うことになり得る可能性があります。 こうした事態を回避し顧客満足度を高めるには、商品・サービスの品質向上に勤めることが非常に大切です。 そのための品質の改善ポイントを列記します。 (ポイント1)5Sの運用・活動維持 ⇒整理・整頓・清掃・清潔・しつけ (ポイント2)4Mの管理・メンテナンス ⇒人(Man)、機械(Machine)、材料(Material)、方法(Method) (ポイント3)DX化(デジタルトランスフォーメーション)による実績収集・分析・活動記録 (ポイント4)手順書の整備・業務標準化 ⇒作業標準、教育、社内会議による情報共有 今回はポイントの3つ目品質管理における「DX化」について詳しくお伝えいたします。 2.品質管理における改善活動 品質管理においてDX化を進めるのにあたり、まずは社内の仕組みや体制つくりが重要となります。 いきなりDX化で改善とはなりませんので、まずは基礎を固めてからスタートすることが良いでしょう。 そのポイントを列記します。 ①品質マネジメントシステム(QMS)の構築 QMSを導入し、品質保証体制を整備することが重要です。 社内の品質方針や手順、KPIを策定し、品質管理の方向性を明確にして全社に周知させます。 ②プロセス改善 改善活動におけるプロセスを見直し、改善を行うことが必要です。 例えば不良率が多い工程を特定し、原因を分析して改善方針を策定します。 ③品質情報の収集と分析 生産現場や顧客からの不適合品発生情報やクレーム情報を収集し、品質データを解析します。 各種品質データを分析し、課題を特定し、実行計画を策定します。 ④トレーニング・教育の実施 生産ラインでの品質管理の観点を徹底し、従業員の教育を実施します。 また、社内教育の記録を取り、訓練後に評価することで、意識の向上を図ります。 ⑤顧客満足度の向上 顧客満足度を向上させるための再発防止策の徹底に努めます。 発生した不適合品の原因には様々な改善ヒントがありますので、顧客とのコミュニケーションを密にし、 クレーム対応から製品の特性や設備や作業等の見直しを行い顧客ニーズの理解に繋げます。 ⑥PDCAサイクルの徹底 PDCAサイクルを活用し、改善計画を実施します。 目標の設定、プランニング、実行、評価の順序で改善計画を進め、定期的な改善を行います。 まとめとして、製造業において品質管理は、顧客からの信頼性を高めるために重要なポイントになりますので 以上の点を考慮し地道な品質活動を維持継続していくことが大切です。 ここからは、品質管理のDX化における事例を見ていきましょう。 3.品質管理のDX化事例 ①工場IoTの導入 生産ラインの設備にセンサーを設置し、生産データをリアルタイムで可視化することで、機器トラブルや生産ラインの停止を事前に予測することができます。 ②AIの活用 製造プロセスにAI技術を導入することで、不良品の自動検査や品質管理の徹底など、品質レベルの向上が可能になります。 ③ビッグデータの活用 多種多様な品質情報を収集し、データを分析することで、プロセスや機器の改善点を特定することができ ます。 ④プロセスの可視化 製造プロセスを可視化することで、製品の品質管理、在庫管理、納期管理、販売管理など、様々なビジネスプロセスの改善につなげることができます。 4.品質管理のデータ分析とプロセス 前述の様々な手法がある中で、品質管理におけるデータ分析は、生産プロセスや製品の品質に関する情報を数値化、分析し、品質レベルの向上に繋げるための取り組みで最も重要な施策になります。 以下に、データ分析を活用した品質管理の事例をいくつか紹介します。 ①品質改善に役立つデータの収集と解析 生産ラインのスピード、不良数、不良原因などのデータを収集し、何らかのパターンを発見し、その原因を追究することができます。 このデータを分析するとどの生産過程やどの機械がどの程度の不良を生産しているかを把握し、品質改善計画を策定することができます。 一般的にはExcel等で台帳管理を行っている企業も見受けられますが、各種パッケージによるシステム化も有効な手段と言えます。 ②ビッグデータ分析による予測と改善 複数の製造バッチや機器のデータを使用して、不良品の要因を特定すると同時に、将来の製品欠陥の予測ができます。 予測された品質欠陥に対処するため、製造プロセスを改善することができます。 ③AIによる検査とデータ分析 非破壊検査やビジョンセンサーを使用して、データを収集し、AIによって不良品を検出することができます。 不良品の原因を特定し、各生産プロセスを改善することで、品質の向上に繋げます。 ④SPC(統計的工程管理)による品質管理の追跡 SPCでは、生産前及び生産後のサンプリングを行い、データを抽出、統計解析することで品質改善を追跡することができます。また、プロセスの制御限界を把握し、品質レベルを維持・改善するために必要な製造プロセスを革新することができます。 以上のように、データ分析を組み合わせた品質管理では、生産ラインの品質を確保するための正確かつ迅速な試験を行い、不良品の発生を防止することが可能となります。 5.まとめ 最後に、まとめとして品質改善活動は、企業の売上や信頼と言った重要な要素の他に、品質管理を実施することで、不良数を削減し、生産コストを削減することができます。 昨今は様々なDX化による改善活動ができますので、ぜひ取り組んでみてはいかがでしょうか。 このコラムが皆様の工場にお役に立てれば幸いです。 最後までお読みいただきありがとうございました。   製造業経営者向け“基幹システム再構築戦略”解説レポート ▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼ 多くの製造業は、全体としての原価・利益は見えているが、個別の実際原価は、属人化している業務で運用されている事で見えにくくなっています。製品別個別、取引先個別、工程別個別の実際原価を把握することで実際の利益が見えてきます。 見える化、DX化により、適切なアクションを取ることが重要です。 本レポートでは見える化とDX化のポイントを解説します! 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製造業のDX・IoT活用のコツ

2023.08.18

本コラムでは、中堅・中小製造業の企業におけるDX・IoT活用について、まずはどこからどの様にDX・IoTを導入していくべきか、わかりやすく説明させていただきます。 1.はじめに 前回のコラムで具体的にDXやIoT、AIを活用した業務の革新や改善を実施したいと考えたとき、まず『製造現場』へ導入すべきと提案しました。 なぜなら、『製造現場』の革新や改善が会社の売上や利益の向上に最も直結する業務だからです。 製造業は『モノを作る企業』です。 IoTを活用して製造現場を管理するには、まずは製造現場をIoT化する必要があります。 IoTを構成する主な要素は3つです。 ・デバイス:各種データを取得 ・ネットワーク:インターネットや社内システムへ接続 ・プラットフォーム・アプリケーション:データを蓄積・分析 そこで、今回は、その中の“ネットワーク:インターネットや社内システムへ接続”に関して具体的な手順を説明させていただきます。 2.IoTネットワーク基本構成 製造工程のIoT化を行う際のネットワーク基本構成例を示します。 ①センサーレベルネットワーク 生産ライン内のセンサーや工作機器を接続するためのネットワーク。 ここでは、センサーデバイスが収集したデータを集約し、ゲートウェイやコントローラーに送信します。センサーデバイス間の通信は、ワイヤレス(例:Bluetooth、Zigbee)または有線(例:RS-485/イーサーネット)通信を使用します。 ②ゲートウェイ/エッジデバイス センサーレベルから収集したデータを処理し、必要に応じて集計や解析を行うデバイス。 エッジコンピューティングを活用して、重要なデータの事前処理や処理を行うことで、クラウド上のサーバーやデータベースへのデータ転送量を削減できます。 ③ローカルネットワーク ゲートウェイやエッジデバイスと生産ライン内のシステムやコントローラーとの間の通信を可能にするネットワーク。 通信プロトコルは、イーサネット(Ethernet)を使用することが一般的です。 ④クラウドネットワーク(インターネット) ゲートウェイやエッジデバイスから収集したデータをクラウド上のサーバーやデータベースに転送するネットワーク。 通信はインターネットを介して行われます。このネットワークを構築する為に社内ネットワークに接続するか、専用回線(公衆回線など)を準備することになります。 ⑤クラウドプラットフォーム クラウド上のプラットフォームを使用して、データの保存、可視化、解析、予測などの処理を行います。 プラットフォームは通常、IoTデータを管理するためのAPIやダッシュボードを提供します。 物理的には各センサーや工作機器とゲートウェイをイーサーネットケーブルで接続(ローカルネットワーク)、 ゲートウェイを社内ネットワークとイーサーネットケーブルやWi-Fiで接続(インターネット)するケースが一般的です。(ゲートウェイは異なる2つのネットワークにそれぞれ接続します) 3.ゲートウェイ ゲートウェイはIoTネットワークを構成するうえで最も重要な機器です。 ゲートウェイとは、異なるネットワークを接続するコンピューター機器を意味します。 IoTゲートウェイは、センサーやデバイスから収集されるデータを収集・処理し、必要な情報をクラウド上のサーバーやデータベース、ローカルネットワークに送信するデバイスです。 以下に一般的なIoTゲートウェイの機能を示します。 ①データ収集 ゲートウェイは、接続されたセンサーやデバイスからデータを収集します。 このデータは、温度、湿度、振動、圧力などのセンサーからの情報や工作機器の制御情報などです。 ②データプリプロセッシング ゲートウェイは、必要にエッジコンピューティング(データを事前処理)を行います。 データの平滑化、平均化、異常検出、フォーマット変換などを行い、クラウド上のサーバーやデータベースへのデータ転送の最適化や遅延の削減を図ります。 リアルタイム処理が必要な予知保全などでは、AI機能を搭載したゲートウェイでエッジ処理を行うケースが多いです。 ③ローカルデータストレージ 一部のIoTゲートウェイは、収集したデータを一時的にローカルに保存することができます。これにより、ネットワークの断続性がある場合や、一時的なデータ保存が必要な場合に備えることができます。 ④通信管理 センサーやデバイスと通信するための通信プロトコルや通信方式を管理します。 必要に応じて有線(Ethernet、RS-485など)やワイヤレス(Wi-Fi、Bluetooth、Zigbeeなど)通信など、様々なプロトコルをサポートします。 ⑤セキュリティ機能 ゲートウェイは、データのセキュリティを確保するための機能を提供します。データの暗号化、認証、アクセス制御などのセキュリティ対策を実施し、外部からの不正アクセスを防ぎます。 ⑥プロトコル変換 異なるデバイスが異なる通信プロトコルを使用する場合、ゲートウェイはプロトコル変換を行って、デバイス間の通信を可能にします。 ⑦クラウドへのデータ転送 ゲートウェイは収集されたデータをクラウド上のサーバーやデータベースに転送します。このデータを活用し、クラウド上のアプリケーションで可視化、解析を行います。 ⑧リモート管理 ゲートウェイはリモートから制御可能な場合があり、リモートでのファームウェア更新や設定変更などを行う様にすることが可能です。 ⑨デバイスの管理 ゲートウェイは、接続されているデバイスやセンサーの状態を監視し、必要に応じてアラート発信、工程・機器停止、障害対処を行います。 IoTゲートウェイはクラウド上のサーバーやデータベースと通信する為インターネット網へ接続するケースが多いです。 その主な接続方法下記2つです。通信費用や設置環境に応じて選択します。 ①ワイヤレス接続 - セルラー(3G/4G/5G) セルラーネットワーク(公衆回線)を使用してIoTゲートウェイをインターネットに接続します。 セルラー(公衆回線)接続は広い範囲で利用可能で、移動性も有します。 リモートエリアや移動するデバイスに適していますが、データ通信料がかかる可能性があります。 ②有線接続 - DSL/Cable/光ファイバー 一般的な家庭やオフィス環境では、DSLやケーブル、光ファイバーなどの有線ブロードバンド接続を使用してIoTゲートウェイをインターネットに接続することが可能です。 4.まとめ 今回のコラムでは、“中堅・中小製造業のDX・IoT活用のコツ~製造工程のIoT化手順(ネットワーク構築)~”につきまして簡単ではありますが説明させていただきました。 次回は、“製造工程のIoT化手順(クラウドプラットフォーム・アプリケーション)“につきまして詳しく説明していく予定です。 今回の紹介した内容をご検討頂き、自社での製造工程のIoT化導入検討や、過去に断念されたIoT化を再度進めていただければ幸いです。また、上記内容について、より具体的に詳細をお知りになりたい場合や導入支援が必要といった場合は、お気軽に弊社にご相談いただければ幸いです。 最後までお読みいただきありがとうございました。 前回のコラムはこちら https://smart-factory.funaisoken.co.jp/230704/   製造業経営者向け“基幹システム再構築戦略”解説レポート ▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼ 多くの製造業は、全体としての原価・利益は見えているが、個別の実際原価は、属人化している業務で運用されている事で見えにくくなっています。製品別個別、取引先個別、工程別個別の実際原価を把握することで実際の利益が見えてきます。 見える化、DX化により、適切なアクションを取ることが重要です。 本レポートでは見える化とDX化のポイントを解説します! 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生産管理のQCD

2023.08.07

1.はじめに 皆さんが会計数値を目にすることはよくあることだと思います。しかし、これだけで生産活動の管理は十分でしょうか? 会計数値は生産活動の結果から発生するコスト項目を集計した数値です。会計上把握された数値からでは発生源を把握しきれず、数字から類推しかねません。 また、集計するのに時間が掛かるため迅速な行動ができません。会計数値になる前に、現場の生産活動に直結した指標で目標や基準値を設定・管理してはじめて迅速な行動が取れます。 会計数値に影響を与える現場指標を導き出し、管理指標にする必要があります。主にQCDと在庫などの資産に関連する指標を作る必要があるでしょう。 2.品質力(Q)の指標 製品の品質を維持し、ムダを生み出さないような品質管理指標を設定します。 良品率(不良率) 収率 歩留率 これらの指標は実績投入と産出との差異の比率をとることで測定されます。品質指標        を管理して品質の向上に努めることは重要です。 3.生産効率(C)の指標 生産効率の指標はいろいろあります。現場に合った生産性指標を設定します。 出来高(計画対・昨年対・人当・機械当) 稼働率(人員・設備) 時間(実作業・残業) 作業効率(標準対実作業) このほかにもありますが、生産性は製造業では重要な指標です。正しく測定し、改善していくことが重要です。 4.納期(D)の指標工場の納期達成力を示す納期遵守指標を設定します。 計画遵守率 納期遵守率 緊急受注数 まとめ(先行)生産数・受注残数 納期変更回数 このような指標を管理することは緊急生産やキャンセル対応などの現場の混乱を解消するために重要です。 5.資産効率の指標 資産効率を測定する指標には⑴在庫効率と⑵固定資産効率があります。 ⑴在庫効率 棚卸資産額 在庫回転率 滞留在庫(数・金額) ⑵固定資産効率 設備稼働率 減価償却実施率 残存耐用年数 設備使用年数 いかがでしたか?皆さんの工場では上記のような管理指標はありますか?実際、管理指標が不明確な会社はたくさんあります。ただ、たくさんの管理指標があるからといてレベルが高いかといえばそうでもありません。過去にあった事象で指標をとることにしたが解決して必要なくなったのに指標をとり続けており実際は誰も使っていないといったこともあります。組織別に多くの指標を設定し、お互いの定義が共通化してない中で、お互いが基準と違うという議論をしたり、自部門の指標をよくしようと部分最適に陥ったりすることもあります。 工場を改善するうえで指標を設定するには指標を構造化して優先順位を決めて管理することが必要となります。バランススコアカードで整理するのもよいでしょう。 また、指標の数字は正確でなければなりません。今、IoTやAIなどの新しいテクノロジーの出現によって、必要な情報が必要な時に正確に取得でき活用することが可能になってきました。 いかがでしょう? 上記内容について、より具体的に詳細をお知りになりたい場合はお気軽に弊社にご相談ください。 このコラムが皆様の工場にお役に立てれば幸いです。 最後までお読みいただきありがとうございました。   ■関連するセミナーのご案内 製造業の為のAI・IoT活用戦略!経営者セミナー https://www.funaisoken.co.jp/seminar/102603 職人技術に依存している製造現場でAI化・IoT化・ロボット化・デジタル化できる取組事例が学べる! ■開催日程 全てオンライン開催となります 以下の日程よりご都合の良い日程をお選び下さい ※内容は全て一緒です 2023/09/07 (木) 13:00~15:00 2023/09/12 (火) 13:00~15:00 2023/09/14 (木) 13:00~15:00 ■講座内容 ゲスト講師講座「協働ロボット成功事例講座!ロボドリル工程の工数を年間1,200時間削減!」 AI・IoT取組事例講座編 「全国各地で見られる製造業でのAI・IoT取組事例」 AI・IoT活用戦略講座編 「製造業経営者が取り組むべきAI・IoT活用戦略」 セミナー詳細・申込はこちらから⇒ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/102603   見積業務にAI導入して受注率UP&利益率UP! 特注・一品一様生産 機械加工業の為の見積AI 社長セミナー セミナー詳細・申込はこちらから https://www.funaisoken.co.jp/seminar/101882 ■開催日程 全てオンライン開催となります 以下の日程よりご都合の良い日程をお選び下さい ※内容は全て一緒です 2023/08/24 (木) 13:00~15:00 2023/08/28 (月) 13:00~15:00 2023/08/29 (火) 13:00~15:00 セミナー詳細・申込はこちらから⇒ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/101882 1.はじめに 皆さんが会計数値を目にすることはよくあることだと思います。しかし、これだけで生産活動の管理は十分でしょうか? 会計数値は生産活動の結果から発生するコスト項目を集計した数値です。会計上把握された数値からでは発生源を把握しきれず、数字から類推しかねません。 また、集計するのに時間が掛かるため迅速な行動ができません。会計数値になる前に、現場の生産活動に直結した指標で目標や基準値を設定・管理してはじめて迅速な行動が取れます。 会計数値に影響を与える現場指標を導き出し、管理指標にする必要があります。主にQCDと在庫などの資産に関連する指標を作る必要があるでしょう。 2.品質力(Q)の指標 製品の品質を維持し、ムダを生み出さないような品質管理指標を設定します。 良品率(不良率) 収率 歩留率 これらの指標は実績投入と産出との差異の比率をとることで測定されます。品質指標        を管理して品質の向上に努めることは重要です。 3.生産効率(C)の指標 生産効率の指標はいろいろあります。現場に合った生産性指標を設定します。 出来高(計画対・昨年対・人当・機械当) 稼働率(人員・設備) 時間(実作業・残業) 作業効率(標準対実作業) このほかにもありますが、生産性は製造業では重要な指標です。正しく測定し、改善していくことが重要です。 4.納期(D)の指標工場の納期達成力を示す納期遵守指標を設定します。 計画遵守率 納期遵守率 緊急受注数 まとめ(先行)生産数・受注残数 納期変更回数 このような指標を管理することは緊急生産やキャンセル対応などの現場の混乱を解消するために重要です。 5.資産効率の指標 資産効率を測定する指標には⑴在庫効率と⑵固定資産効率があります。 ⑴在庫効率 棚卸資産額 在庫回転率 滞留在庫(数・金額) ⑵固定資産効率 設備稼働率 減価償却実施率 残存耐用年数 設備使用年数 いかがでしたか?皆さんの工場では上記のような管理指標はありますか?実際、管理指標が不明確な会社はたくさんあります。ただ、たくさんの管理指標があるからといてレベルが高いかといえばそうでもありません。過去にあった事象で指標をとることにしたが解決して必要なくなったのに指標をとり続けており実際は誰も使っていないといったこともあります。組織別に多くの指標を設定し、お互いの定義が共通化してない中で、お互いが基準と違うという議論をしたり、自部門の指標をよくしようと部分最適に陥ったりすることもあります。 工場を改善するうえで指標を設定するには指標を構造化して優先順位を決めて管理することが必要となります。バランススコアカードで整理するのもよいでしょう。 また、指標の数字は正確でなければなりません。今、IoTやAIなどの新しいテクノロジーの出現によって、必要な情報が必要な時に正確に取得でき活用することが可能になってきました。 いかがでしょう? 上記内容について、より具体的に詳細をお知りになりたい場合はお気軽に弊社にご相談ください。 このコラムが皆様の工場にお役に立てれば幸いです。 最後までお読みいただきありがとうございました。   ■関連するセミナーのご案内 製造業の為のAI・IoT活用戦略!経営者セミナー https://www.funaisoken.co.jp/seminar/102603 職人技術に依存している製造現場でAI化・IoT化・ロボット化・デジタル化できる取組事例が学べる! ■開催日程 全てオンライン開催となります 以下の日程よりご都合の良い日程をお選び下さい ※内容は全て一緒です 2023/09/07 (木) 13:00~15:00 2023/09/12 (火) 13:00~15:00 2023/09/14 (木) 13:00~15:00 ■講座内容 ゲスト講師講座「協働ロボット成功事例講座!ロボドリル工程の工数を年間1,200時間削減!」 AI・IoT取組事例講座編 「全国各地で見られる製造業でのAI・IoT取組事例」 AI・IoT活用戦略講座編 「製造業経営者が取り組むべきAI・IoT活用戦略」 セミナー詳細・申込はこちらから⇒ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/102603   見積業務にAI導入して受注率UP&利益率UP! 特注・一品一様生産 機械加工業の為の見積AI 社長セミナー セミナー詳細・申込はこちらから https://www.funaisoken.co.jp/seminar/101882 ■開催日程 全てオンライン開催となります 以下の日程よりご都合の良い日程をお選び下さい ※内容は全て一緒です 2023/08/24 (木) 13:00~15:00 2023/08/28 (月) 13:00~15:00 2023/08/29 (火) 13:00~15:00 セミナー詳細・申込はこちらから⇒ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/101882

製造業で補助金活用をお薦めする理由

2023.07.31

1.製造業をさらなる成功に導くための補助金活用 本コラムでは、御社の製造業をさらなる成功に導くために、補助金を活用すべき理由について説明させていただきます。新たな設備購入(増設、更新)、人財の確保(増員、賃上げ、プロ人財)、自社の技術革新(長所進展)を追求することは、企業にとって大きな財務的負担を伴います。しかし、返済不要な公的補助金で一部分でも賄うことはこれらの負担を軽減し、事業を新たな段階へと進展させる強力な手段となるのです。 以下で具体的に補助金を活用することで実現来る可能性があることについて説明します。是非、ご一読いただき、補助金を活用して発展した自社を想像し、具体的に検討するきっかけにしていただきたいです。 2.補助金活用をおすすめする理由 (1)技術開発と革新の推進 製造業は、技術の進歩に伴って変革を余儀なくされています。AI活用、IoT、ロボット化・自動化といった最先端の技術は、競争力を高めるため、維持するための必須項目です。しかしこれらの導入は高額なコストを必要とします。ここで補助金が役立ちます。これらを活用することで、新たな研究開発、技術、またはプロセスの開発を促進することができ、製品の品質を改善し、効率を向上させ、競争力を強化することが可能となるのです。 (2)資本投資を活性化 製造業にとって、新しい設備や機器の導入、あるいは新たな工場施設の設立は、生産能力を拡大し、生産効率を向上させ、長期的にはコストを削減する絶好の機会となります。しかし、これらには大きな初期投資が必要です。補助金はこれらの財政負担を軽減し、計画を現実のものにするための資金源となるのです。もちろん、補助金は補助事業が完了したのちに、資金を受け取ることが出来るので、それまでの間は自己資本、または金融機関から融資を受ける必要があります。しかし、補助金を受けるレベルの事業計画をもっている企業であれば、金融機関側でも融資をしたいはすです。 (3)地域雇用の創出 補助金を利用することで、新たな雇用機会を創出し、地域経済を強化することも可能です。地方自治体や政府はしばしば、地元の雇用を増やすために製造業に補助金を提供します。これにより、新たな人財を確保し、会社の成長を後押しすることができます。 (4)ビジネスリスクの軽減 新製品の開発や新市場への進出は、必ずしも成功するとは限らず、リスクが伴います。補助金はそのリスクを軽減し、企業が新しい機会を追求するのを助けます。補助金により、大胆な試みを支援し、失敗した場合の影響を緩和することができます。 しかし、補助金の申請プロセスや要件は複雑であり、しっかりと内容を理解し、適切な計画を立て、事業計画書を作成する必要があります。補助金を活用するためには、まず補助金の存在を知り、その要件を理解し、申請手続きを進めることが必要です。そして、適用可能な補助金を見つけるためには、自治体や業界団体、専門家とのコミュニケーションが重要となります。 補助金は、新たな事業展開や成長の機会を追求するための強力な道具となります。しかし、その活用は計画と準備を必要とします。補助金をうまく活用し、ビジネスを次のレベルへと進めるために、今すぐその準備を始めましょう。 3.まとめ 今回のコラムでは、製造業が補助金を活用する理由について、具体的に説明をさせていただきました。今回の紹介した内容を参考に、自社の成長戦略・事業計画のなかで、補助金を活用することも視野に入れていただければ幸いです。 上記内容について、より具体的に詳細をお知りになりたい場合、補助金紹介や補助金申請に必要な事業計画の立案、補助事業の計画立案・実行支援・アドバイスが必要といった場合は、お気軽に弊社にご相談いただければ幸いです。 私どもは、企業の中に入り込み、企業に寄り添い、計画を立案実行し定着・継続的な改善まで支援させて頂き、経営指標を改善することがゴールですので、最後まで伴走させていただきます。 最後までお読みいただきありがとうございました。   ■関連するセミナーのご案内 「補助金を活用したDX化工場の新設・増設!」製造業社長セミナー セミナー詳細・申込はこちらから https://www.funaisoken.co.jp/seminar/103485 ■開催日程 全てオンライン開催となります 以下の日程よりご都合の良い日程をお選び下さい ※内容は全て一緒です 2023/08/25 (金) 13:00~15:00 2023/08/30 (水) 13:00~15:00 2023/09/04 (月) 13:00~15:00 お申し込みはこちらから⇒ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/103485   ■関連するセミナーのご案内 都内補助金最大1億円で工場をDX!製造業社長セミナー セミナー詳細・申込はこちらから https://www.funaisoken.co.jp/seminar/103684 ■開催日程 全てオンライン開催となります 以下の日程よりご都合の良い日程をお選び下さい ※内容は全て一緒です 2023/09/20 (水) 13:00~15:00 2023/09/27 (水) 13:00~15:00 2023/09/28 (木) 13:00~15:00 お申し込みはこちらから⇒ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/103684 いつも当コラムをご愛読いただきありがとうございます。 1.製造業をさらなる成功に導くための補助金活用 本コラムでは、御社の製造業をさらなる成功に導くために、補助金を活用すべき理由について説明させていただきます。新たな設備購入(増設、更新)、人財の確保(増員、賃上げ、プロ人財)、自社の技術革新(長所進展)を追求することは、企業にとって大きな財務的負担を伴います。しかし、返済不要な公的補助金で一部分でも賄うことはこれらの負担を軽減し、事業を新たな段階へと進展させる強力な手段となるのです。 以下で具体的に補助金を活用することで実現来る可能性があることについて説明します。是非、ご一読いただき、補助金を活用して発展した自社を想像し、具体的に検討するきっかけにしていただきたいです。 2.補助金活用をおすすめする理由 (1)技術開発と革新の推進 製造業は、技術の進歩に伴って変革を余儀なくされています。AI活用、IoT、ロボット化・自動化といった最先端の技術は、競争力を高めるため、維持するための必須項目です。しかしこれらの導入は高額なコストを必要とします。ここで補助金が役立ちます。これらを活用することで、新たな研究開発、技術、またはプロセスの開発を促進することができ、製品の品質を改善し、効率を向上させ、競争力を強化することが可能となるのです。 (2)資本投資を活性化 製造業にとって、新しい設備や機器の導入、あるいは新たな工場施設の設立は、生産能力を拡大し、生産効率を向上させ、長期的にはコストを削減する絶好の機会となります。しかし、これらには大きな初期投資が必要です。補助金はこれらの財政負担を軽減し、計画を現実のものにするための資金源となるのです。もちろん、補助金は補助事業が完了したのちに、資金を受け取ることが出来るので、それまでの間は自己資本、または金融機関から融資を受ける必要があります。しかし、補助金を受けるレベルの事業計画をもっている企業であれば、金融機関側でも融資をしたいはすです。 (3)地域雇用の創出 補助金を利用することで、新たな雇用機会を創出し、地域経済を強化することも可能です。地方自治体や政府はしばしば、地元の雇用を増やすために製造業に補助金を提供します。これにより、新たな人財を確保し、会社の成長を後押しすることができます。 (4)ビジネスリスクの軽減 新製品の開発や新市場への進出は、必ずしも成功するとは限らず、リスクが伴います。補助金はそのリスクを軽減し、企業が新しい機会を追求するのを助けます。補助金により、大胆な試みを支援し、失敗した場合の影響を緩和することができます。 しかし、補助金の申請プロセスや要件は複雑であり、しっかりと内容を理解し、適切な計画を立て、事業計画書を作成する必要があります。補助金を活用するためには、まず補助金の存在を知り、その要件を理解し、申請手続きを進めることが必要です。そして、適用可能な補助金を見つけるためには、自治体や業界団体、専門家とのコミュニケーションが重要となります。 補助金は、新たな事業展開や成長の機会を追求するための強力な道具となります。しかし、その活用は計画と準備を必要とします。補助金をうまく活用し、ビジネスを次のレベルへと進めるために、今すぐその準備を始めましょう。 3.まとめ 今回のコラムでは、製造業が補助金を活用する理由について、具体的に説明をさせていただきました。今回の紹介した内容を参考に、自社の成長戦略・事業計画のなかで、補助金を活用することも視野に入れていただければ幸いです。 上記内容について、より具体的に詳細をお知りになりたい場合、補助金紹介や補助金申請に必要な事業計画の立案、補助事業の計画立案・実行支援・アドバイスが必要といった場合は、お気軽に弊社にご相談いただければ幸いです。 私どもは、企業の中に入り込み、企業に寄り添い、計画を立案実行し定着・継続的な改善まで支援させて頂き、経営指標を改善することがゴールですので、最後まで伴走させていただきます。 最後までお読みいただきありがとうございました。   ■関連するセミナーのご案内 「補助金を活用したDX化工場の新設・増設!」製造業社長セミナー セミナー詳細・申込はこちらから https://www.funaisoken.co.jp/seminar/103485 ■開催日程 全てオンライン開催となります 以下の日程よりご都合の良い日程をお選び下さい ※内容は全て一緒です 2023/08/25 (金) 13:00~15:00 2023/08/30 (水) 13:00~15:00 2023/09/04 (月) 13:00~15:00 お申し込みはこちらから⇒ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/103485   ■関連するセミナーのご案内 都内補助金最大1億円で工場をDX!製造業社長セミナー セミナー詳細・申込はこちらから https://www.funaisoken.co.jp/seminar/103684 ■開催日程 全てオンライン開催となります 以下の日程よりご都合の良い日程をお選び下さい ※内容は全て一緒です 2023/09/20 (水) 13:00~15:00 2023/09/27 (水) 13:00~15:00 2023/09/28 (木) 13:00~15:00 お申し込みはこちらから⇒ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/103684

製造業の原価改善3ステップ

2023.07.28

1.「原価管理の最適化」に関する基本的な考え方 以下①~⑥は、「原価管理の最適化」に関する基本的な考え方です。 ①現状、製品ごとに「市場価格」がある程度決まっており、原材料費高騰分の補うための価格転嫁も難しいため、製品の売価設定については、現場の要望が反映されにくい(売価を上げにくい)状況にある。 ②そのため、利益確保のために自社でコントロールできるのは「原価低減」に関するアプローチ。 ③「市場価格(売上)」は自社の力だけではコントロールできないが、「原価低減」なら自社の中でコントロール可能である。 ④利益を生み出すための「原価低減」に不可欠なデータとして、製品別の原価が必要。 ⑤製品別の原価が現状どうなっているかを知らなければ、目の前の仕事と原価の繋がりが見えてこないため、現場改善のしようがない。 ⑥製品別の原価が常にオープンになっている状態を作ることで、初めて目の前の仕事と原価の繋がりが見えてくる。 上記①~⑥の考え方をもとに、今回は「原価管理の最適化」のうち、「加工原価の改善」に向けた実際の取り組みのステップをご紹介いたします。 大きくは以下3つのステップに分かれます。 2.「データをもとにした原価改善」の3ステップとは? Step1)製品別×工程別工数データの“正確な”把握 上図は加工原価把握のためのフォーマット例です。 ・縦軸に自社の製品名 ・横軸に製品別の工程名(各工程名に段取り工数・加工工数・工賃が紐づく) を並べています。 ここでのポイントは、各製品の工数について、「段取り時間」と「加工時間」を一纏めにして記録するのではなく、「段取り時間」と「加工時間」をそれぞれ分けて記録することです。 「段取り時間」と「加工時間」を一纏めにして記録してしまうと、後々の加工原価改善に向けた現場改善を実施するにあたって、「段取り工程」と「加工工程」のどちらに問題があるのかを正確に追及することが難しくなり、結果として加工原価の改善が進みません。 一方、「段取り時間」と「加工時間」をそれぞれ分けて記録することで、「段取り工程」と「加工工程」のどちらに問題があるのかを明確に分析することが可能となるため、結果として改善対象となる工程を具体的に突き止めることができます。 ところで、多くの中堅・中小製造業の企業様では、実行加工原価(実際の加工原価)を厳密には把握しきれていません。 「段取り時間」と「加工時間」をそれぞれ正確に分けて記録することが加工原価の改善に向けた最大のポイントですが、多くの中堅・中小製造業の企業様は、「段取り時間」と「加工時間」をそれぞれ正確に分けて記録することを手間に感じる製造現場側からの強い反発がネックとなり、このStep1でつまずきます。 「段取り時間」と「加工時間」をそれぞれ分けて記録することが、巡り巡って加工原価の改善と利益の確保へと繋がり、ひいては工場経営全体にインパクトを与える取り組みであることをいかに製造現場側に理解してもらうか。 この点、Step1をクリアするための最大のポイントとなります。 Step2)製品別の原価・利益データのリストアップ 上図は製品別の原価・利益データのリストアップ例です。 前述のStep1で記録した製品別の加工原価データや製品別の売価データ等を整理した上で、各製品を利益の高い順に並べた後に、 ・上側にベスト10 ・下側にワースト10 をピックアップしています。 このようにリスト化を進めていくことで、「なんとなく儲かっている」「なんとなく儲かっていない」といった“勘や経験”に依存することなく、実際のデータに基づいて次の現場改善策を打ち出すことが可能となります。 現場の実態に即したデータを活用することで、経営層・現場の工場長・現場作業者の間で共通の改善基準を持つことができます。 「もっと頑張れ」と精神論で改善活動を指示しても現場作業者はなかなか思うように動いてくれませんが、データをもとにした共通の改善基準が見えてくることで、現場作業者も納得感を持ってより精度の高い改善活動を行うことができます。 Step3)加工原価の改善に向けた対策の実行 前述のStep2で「製品別利益ベスト10&ワースト10」を把握することで、優先的にテコ入れが必要な製品が明らかになります。 テコ入れ対象の製品を絞り込んだ後に、 「その製品のどの工程がネックになっているか」 「段取りのしかたに問題があるのか」 「加工工程に問題があるのか」 「担当するヒトのスキルに問題があるのか」 等の観点から、データをもとに過去の現場の状況の振り返りを進めていくことで、その後の加工原価改善に向けて何から手を付けていけばよいかが整理されていきます。 このように、まずは“現場の事実・データ”をもとに現状を正しく把握し、分析を進めていくことで、より精度高くポイントを絞り込みながら改善活動を行うことが可能となります。 敢えて別な表現をするならば、「勘や経験に頼った経営」から「データをもとにした経営」へと会社の体質を変えていくことこそが、「工場の原価改善」の本質であると言っても過言ではないでしょう。 以上、「データをもとにした原価改善」の3ステップとは? というテーマでお伝えさせていただきました。   【原価管理改善で収益UP】原価管理の方法と成功事例紹介レポート ▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼ 個別原価を「見える化」で現場からの原価改善!! 最新事例解説レポート! 従業員30名金属加工業の原価改善事例!! 工程毎の作業時間を可視化する事で現場からの原価改善が促進 生産管理、原価管理システムを導入 手書き日報からリアルタイム日報に運用を改善 https://www.funaisoken.co.jp/dl-contents/smart-factory__00950   ■関連するセミナーのご案内 「多品種少量生産機械加工業の為の原価改善!」 社長セミナー 生産管理&原価管理を徹底見直し!原価率削減!粗利改善!儲け改善! セミナー詳細・申込はこちらから https://www.funaisoken.co.jp/seminar/103833 ■開催日程 全てオンライン開催となります 以下の日程よりご都合の良い日程をお選び下さい ※内容は全て一緒です 2023/10/04 (水) 13:00~15:00 2023/10/06 (金) 13:00~15:00 2023/10/11 (水) 13:00~15:00 お申し込みはこちらから⇒ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/103833 いつも当コラムをご愛読いただきありがとうございます。 1.「原価管理の最適化」に関する基本的な考え方 以下①~⑥は、「原価管理の最適化」に関する基本的な考え方です。 ①現状、製品ごとに「市場価格」がある程度決まっており、原材料費高騰分の補うための価格転嫁も難しいため、製品の売価設定については、現場の要望が反映されにくい(売価を上げにくい)状況にある。 ②そのため、利益確保のために自社でコントロールできるのは「原価低減」に関するアプローチ。 ③「市場価格(売上)」は自社の力だけではコントロールできないが、「原価低減」なら自社の中でコントロール可能である。 ④利益を生み出すための「原価低減」に不可欠なデータとして、製品別の原価が必要。 ⑤製品別の原価が現状どうなっているかを知らなければ、目の前の仕事と原価の繋がりが見えてこないため、現場改善のしようがない。 ⑥製品別の原価が常にオープンになっている状態を作ることで、初めて目の前の仕事と原価の繋がりが見えてくる。 上記①~⑥の考え方をもとに、今回は「原価管理の最適化」のうち、「加工原価の改善」に向けた実際の取り組みのステップをご紹介いたします。 大きくは以下3つのステップに分かれます。 2.「データをもとにした原価改善」の3ステップとは? Step1)製品別×工程別工数データの“正確な”把握 上図は加工原価把握のためのフォーマット例です。 ・縦軸に自社の製品名 ・横軸に製品別の工程名(各工程名に段取り工数・加工工数・工賃が紐づく) を並べています。 ここでのポイントは、各製品の工数について、「段取り時間」と「加工時間」を一纏めにして記録するのではなく、「段取り時間」と「加工時間」をそれぞれ分けて記録することです。 「段取り時間」と「加工時間」を一纏めにして記録してしまうと、後々の加工原価改善に向けた現場改善を実施するにあたって、「段取り工程」と「加工工程」のどちらに問題があるのかを正確に追及することが難しくなり、結果として加工原価の改善が進みません。 一方、「段取り時間」と「加工時間」をそれぞれ分けて記録することで、「段取り工程」と「加工工程」のどちらに問題があるのかを明確に分析することが可能となるため、結果として改善対象となる工程を具体的に突き止めることができます。 ところで、多くの中堅・中小製造業の企業様では、実行加工原価(実際の加工原価)を厳密には把握しきれていません。 「段取り時間」と「加工時間」をそれぞれ正確に分けて記録することが加工原価の改善に向けた最大のポイントですが、多くの中堅・中小製造業の企業様は、「段取り時間」と「加工時間」をそれぞれ正確に分けて記録することを手間に感じる製造現場側からの強い反発がネックとなり、このStep1でつまずきます。 「段取り時間」と「加工時間」をそれぞれ分けて記録することが、巡り巡って加工原価の改善と利益の確保へと繋がり、ひいては工場経営全体にインパクトを与える取り組みであることをいかに製造現場側に理解してもらうか。 この点、Step1をクリアするための最大のポイントとなります。 Step2)製品別の原価・利益データのリストアップ 上図は製品別の原価・利益データのリストアップ例です。 前述のStep1で記録した製品別の加工原価データや製品別の売価データ等を整理した上で、各製品を利益の高い順に並べた後に、 ・上側にベスト10 ・下側にワースト10 をピックアップしています。 このようにリスト化を進めていくことで、「なんとなく儲かっている」「なんとなく儲かっていない」といった“勘や経験”に依存することなく、実際のデータに基づいて次の現場改善策を打ち出すことが可能となります。 現場の実態に即したデータを活用することで、経営層・現場の工場長・現場作業者の間で共通の改善基準を持つことができます。 「もっと頑張れ」と精神論で改善活動を指示しても現場作業者はなかなか思うように動いてくれませんが、データをもとにした共通の改善基準が見えてくることで、現場作業者も納得感を持ってより精度の高い改善活動を行うことができます。 Step3)加工原価の改善に向けた対策の実行 前述のStep2で「製品別利益ベスト10&ワースト10」を把握することで、優先的にテコ入れが必要な製品が明らかになります。 テコ入れ対象の製品を絞り込んだ後に、 「その製品のどの工程がネックになっているか」 「段取りのしかたに問題があるのか」 「加工工程に問題があるのか」 「担当するヒトのスキルに問題があるのか」 等の観点から、データをもとに過去の現場の状況の振り返りを進めていくことで、その後の加工原価改善に向けて何から手を付けていけばよいかが整理されていきます。 このように、まずは“現場の事実・データ”をもとに現状を正しく把握し、分析を進めていくことで、より精度高くポイントを絞り込みながら改善活動を行うことが可能となります。 敢えて別な表現をするならば、「勘や経験に頼った経営」から「データをもとにした経営」へと会社の体質を変えていくことこそが、「工場の原価改善」の本質であると言っても過言ではないでしょう。 以上、「データをもとにした原価改善」の3ステップとは? というテーマでお伝えさせていただきました。   【原価管理改善で収益UP】原価管理の方法と成功事例紹介レポート ▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼ 個別原価を「見える化」で現場からの原価改善!! 最新事例解説レポート! 従業員30名金属加工業の原価改善事例!! 工程毎の作業時間を可視化する事で現場からの原価改善が促進 生産管理、原価管理システムを導入 手書き日報からリアルタイム日報に運用を改善 https://www.funaisoken.co.jp/dl-contents/smart-factory__00950   ■関連するセミナーのご案内 「多品種少量生産機械加工業の為の原価改善!」 社長セミナー 生産管理&原価管理を徹底見直し!原価率削減!粗利改善!儲け改善! セミナー詳細・申込はこちらから https://www.funaisoken.co.jp/seminar/103833 ■開催日程 全てオンライン開催となります 以下の日程よりご都合の良い日程をお選び下さい ※内容は全て一緒です 2023/10/04 (水) 13:00~15:00 2023/10/06 (金) 13:00~15:00 2023/10/11 (水) 13:00~15:00 お申し込みはこちらから⇒ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/103833

中堅・中小製造業の画像検査装置導入のコツ
~製造業におけるAI画像処理検査の活用事例と成功要因~

2023.07.11

本コラムでは、中堅・中小製造業の企業様にご活用頂きたい製造業におけるAI画像処理検査の活用事例と成功要因について、分かりやすく説明をさせて頂きます。 1.製造業におけるAI画像処理検査の活用事例 品質管理: AI画像処理検査は製品の外観や仕上がりに対して高速かつ正確な検査を行うことができます。例えば、製品の表面の傷や欠陥、色の一貫性などを検出することができます。 組立検査: 製品の組み立て工程において、AI画像処理検査は部品の位置、方向、正確さなどを検査することができます。これにより、組み立ての正確性と一貫性を確保することができます。 パッケージング検査: 製品の包装やラベルの正確性、完全性、位置などを検査するためにAI画像処理を活用することができます。 欠陥検出: 製品や部品の表面における欠陥や異常なパターンを検出するために、AI画像処理検査を使用することができます。例えば、溶接部や金型表面のクラック、ひずみ、欠けなどを検出することができます。 これらは一部の事例であり、AI画像処理検査は製造業において品質向上や効率化に大きな貢献をすることができます。具体的な用途は業界や製品によって異なります。 今までの目視検査に近く、昔ながらのAIが入っていない画像検査装置(ルールベース)には難しかった判定要素や感覚に近い要素をAI画像処理検査は学習する事によって、実際の検査に活かしていきます。 難しく考える必要は全くありません。御社で今まで培ってきた技術的要素、経験要素、長年の熟練技術こそ、AIに学ばせて活用する事です。我々はお客様に最善の活用方法をご提案いたします。 上記の4つの列挙項目から分かる様にAI画像処理検査は主に4つの活用事例がある事が分かります。本コラムでは4つ活用事例からAI画像処理検査の成功要因を説明させて頂きます。 2.実際の活用事例 2.1 品質管理:AI画像処理検査は製品の外観や仕上がりに対して高速かつ正確な検査を行うことができます。例えば、製品の表面の傷や欠陥、色の一貫性などを検出することができます。 (活用事例) 2.1.1 成形品不良品の再検査:大手K社画像検査装置ではNGと判定されてしまう、不良品をK社画像検査装置で撮影した画像をAI画像処理で再検査し、不良品と判定された成形品から良品を検出する。 2.1.2 漢方薬の材料不良品検査:漢方薬の材料は様々な乾燥物が使われている事が多く、同じ材料でも形やサイズ、色も若干異なっていたりします。そのため今までは目視でも検査でしか難しかったですが、AIに形やサイズ、色を学習させて、不良品や異物を検出出来る事ができます。 2.2 組立検査: 製品の組み立て工程において、AI画像処理検査は部品の位置、方向、正確さなどを検査することができます。これにより、組み立ての正確性と一貫性を確保することができます。 (活用事例) 2.2.1 ボルト締結検査: 自動車の各部品やボディパネルの組み立てにおいて、AI画像処理検査はボルトの位置、締結の正確さ、欠陥などを検査します。正確な位置や締結力の確保は、車体の強度や安全性に直結する重要な要素です。 2.2.2 部品の位置検査: 自動車の部品の位置や方向が正しいかどうかを検査するために、AI画像処理検査が使用されます。例えば、ドアやパネルの位置や隙間の一貫性を確認することができます。 2.2.3 ワイヤーハーネス検査: 自動車の配線やワイヤーハーネスの組み立てにおいて、AI画像処理検査は配線の接続や絶縁状態を検査します。異常や接触不良を早期に検出し、トラブルや故障を未然に防ぐことができます。 2.3 パッケージング検査: 製品の包装やラベルの正確性、完全性、位置などを検査するためにAI画像処理を活用することができます。 (活用事例) 2.3.1 ゼリー容器 胴部の製品フィルム検査:製品フィルにあるゼリー内容物の柄などが邪魔になり、フィルムの皺や汚れ、ズレなどが今までの検査装置では困難でした。AIに柄を学習させる事で、柄と皺や傷、汚れなどの区別が出来る様になり、ズレなども今まで以上に精度よく判定する事が出来るようになりました。 2.3.2 お惣菜の具材配置検査:食品工場(お惣菜)において、盛り付けられた具材を今までは目視検査で量や盛り付け位置、盛り付け方、異物などを検査していました。そこでAIに盛り付け方の正解画像を複数パターン覚えさせる事で、今までの検査装置では困難だった目視検査に近い検査が可能となりました。 2.4 欠陥検出: 製品や部品の表面における欠陥や異常なパターンを検出するために、AI画像処理検査を使用することができます。例えば、溶接部や金型表面のクラック、ひずみ、欠けなどを検出することができます。 (活用事例) 2.4.1 溶接不良検査:AIに溶接不良画像と正常な溶接画像を学習させる事により、目視検査でも非常に難しい「スパッタ付着」、「溶接忘れ」、「溶接の長さ不良」、「溶接位置不良」、「焼け跡一部処理忘れ」、「溶接サイズはみ出し」、「溶接かじり」、「溶接穴有」などカメラを使った画像検査で自動検出する事が出来るようになりました。 2.4.2 メッキ不良検査:「メッキ色」、「傷」「打痕」、「異物付着」、「肌荒れ」、「ゆず肌」、「メッキ無し」などの不良画像と良品画像をAIに学習する事で、これらの不良が自動検出する事が可能になりました。 上記を正しく理解した上で、先の4つの項目のうち「品質管理」、「組立検査」、「パッケージング検査」、「欠陥検出」について、どの様な事が重要かを簡単にご説明いたします。 3.重要なポイント 3.1 品質管理: 製品の外観や仕上がりに対して、AI画像処理検査を使用して欠陥や異常を検出することができます。例えば、製品の表面における傷や汚れ、色の一貫性、パターンの正確性などを検査することができます。 傷や汚れのサイズや程度から良品としても大丈夫な場合や不良品と判別すべき物を人間の感覚に近い判別で検査する事が可能です。 重要なるのは、正しい良品、不良品画像をAIに学習させる事です。では、正しい良品画像とは何か?正しい不良品画像とは何か?という事ですが、良品においても若干のばらつきがあるという事を考慮し、ばらつきも含めて良品画像としてAIに学習させる事です。また、不良品画像においては、色々な種類の不良品があると思います。それらの不良品画像を出来る限り集めて頂き、AIに学習させる事が必要です。 3.2 組立検査: 組立検査におけるAI画像検査の重要事項は、組立品の良品と不良品が分かりやすい画像が撮影出来ている事です。つまり、不良品と判別が難しい撮影画像を幾らAIに学習させても判定する事は人間同様に難しいという事です。AI画像検査は万能ではなく、あくまでも目視検査員を教育する様に、どこを見て、不良を判別するか?をAIに対しても同じようにどの撮影画像で何をどの様な判定とするかを学習させる必要があります。 3.3 パッケージング検査: パッケージ検査におけるAI画像検査の重要事項は、不良品を検出する際に背景が邪魔になったり、良品要素が様々であったりと昔ながらの画像検査装置では出来なかった検査をどうやってAIに学習させて不良品を判別させていくかを検討する事です。 例えば、ゼリーにフィルム検査ではフィルムに印刷されている内容が不良品判別の邪魔になったり、中の具材が映り込んで邪魔になったりして、従来の画像検査装置では検査が難しかったのですが、不良画像の不良を教える(教示有)学習方法でAIに学習させる事で、不良個所の特徴を学習し判定できるようになります。 もう1例、簡単な事例で猫と犬を判別するAI画像処理でAI画像処理の得意とする事をお伝えします。犬や猫は個々様々です。この時、犬の特徴、猫の特徴をAIは画像から抽出し、犬の特徴の重みづけ(数値化)を行います。猫も同様に行います。学習後、犬の画像をAIに読み込ませて犬か猫か?を判別させてみると、例えば犬の確立が8割、猫の確立が2割と数値として算出され、犬である。と判定結果が出ます。つまり、犬、猫の特徴を数値化して、どちらの特徴量が多く持ち合わせているか?を導き出します。 このパッケージ検査においては、このような教示有のAI学習方法が有効的に使われます。 3.4 欠陥検出: 欠陥検出検査におけるAI画像検査の重要事項は、AI画像検査に学習させる前に、撮影した画像を人が見て、不良個所や欠陥部分を判別、検出出来るかどうかです。 そもそも人が撮影画像を見ても不良個所、欠陥画像が分からない物をAIに学習させるのは非常に難しいです。 人が見ても分からない画像を使用する方法もある事はあります。正常画像を多数AIに学習させて、正常画像以外は全てNGとする手法です。 しかし、この場合は判定後にNG判定された画像を人が確認し、本当に不良か、欠陥があるか?を確認する必要があります。 よって、検出精度を上げたいなら、AI画像検査に学習させる前に、撮影した画像を人が見て、不良個所や欠陥部分を判別、検出出来るという事が重要になります。 4.まとめ 今回のコラムでは、コラムでは、中堅・中小製造業の企業様にご活用頂きたい製造業におけるAI画像処理検査の活用事例と成功要因について、分かりやすく説明をさせて頂きました。今回の紹介した内容をご検討頂き、自社での画像検査装置の導入検討や、過去に断念された画像検査装置の導入を再度進めていただければ幸いです。また、上記内容について、より具体的に詳細をお知りになりたい場合や導入支援が必要といった場合は、お気軽に弊社にご相談いただければ幸いです。 最後までお読みいただきありがとうございました。   ■関連するセミナーのご案内 検査工程でのAI活用&自動化人手に依存している多品種小ロットの外観検査をAI活用して自動化! https://www.funaisoken.co.jp/seminar/103258 ■このような方にオススメ 多品種小ロット生産の検査工程を人手に依存している製造業社長様 検査工程の省人化・効率化に取り組みたい製造業社長様 検査工程での精度UPや技術標準化に取り組みたい製造業社長様 検査工程にAI活用して自動化に取り組みたい製造業社長様 検査工程の自動化に過去チャレンジしたが上手くいかなかった製造業社長様 ■開催日程 全てオンライン開催となります 以下の日程よりご都合の良い日程をお選び下さい ※内容は全て一緒です 2023/10/16 (月) 13:00~15:00 2023/10/24 (火) 13:00~15:00 2023/10/26 (木) 13:00~15:00 お申し込みはこちらから⇒ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/103258   ■AI画像検査導入事例解説レポート AIを活用し「積算・見積もりのドンブリ勘定」からの脱却を実現! AI活用を通じて“ベテラン社員の働き方改革”を推進! 積算・見積もり業務の“標準化・脱属人化・技術継承”実践事例とは? ▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼ https://lp.funaisoken.co.jp/mt/smart-factory/dltext06-01-dl.html 収録内容 「人手に頼った目視検査で工数がかかっているので検査を自動化して工数を削減したい!」 「画像検査装置を導入したことが無いがやってみたい!」 「小さな不良なので画像検査が可能なのか分からないからテストしてみたい!」 「人による目視検査で不良品が流出しているので検査精度を上げて不良流出を防ぎたい!」 「検査業務が属人化しているので標準化して誰でも検査が行えるようにしたい!」 本レポートでは、「AI画像検査」にテーマを絞り、具体的な導入方法と成功事例をご紹介いたします。 【①】AI画像検査導入の進め方 ~業務分析、データ収集、作業分析、コスト効果分析、、、~ 【②】AI画像検査導入の具体的手法 ~透明な樹脂成型品の傷、異物を画像検査装置で検出~ 導入の具体的手法を徹底解説!! 【③】補助金を活用した画像検査装置導入成功事例 ●自動車用部品の最終検査工程に検査装置を導入  カメラ・力覚・レーザー変位センサーをロボットハンドに取り付け、検査の自動化を実現 ●ボールペン部品射出成形の検査及び箱詰め工程に検査装置を導入  目視での外観検査工程を、カメラで撮影した画像から検査を行うことで、判定を行う ●AI技術とロボットを用いた多品種油圧機器外観検査の自動化  ロボットで画像センサと照明を操作し、取得した画像をAI技術で判別し、外観検査を自動化 本コラムでは、中堅・中小製造業の企業様にご活用頂きたい製造業におけるAI画像処理検査の活用事例と成功要因について、分かりやすく説明をさせて頂きます。 1.製造業におけるAI画像処理検査の活用事例 品質管理: AI画像処理検査は製品の外観や仕上がりに対して高速かつ正確な検査を行うことができます。例えば、製品の表面の傷や欠陥、色の一貫性などを検出することができます。 組立検査: 製品の組み立て工程において、AI画像処理検査は部品の位置、方向、正確さなどを検査することができます。これにより、組み立ての正確性と一貫性を確保することができます。 パッケージング検査: 製品の包装やラベルの正確性、完全性、位置などを検査するためにAI画像処理を活用することができます。 欠陥検出: 製品や部品の表面における欠陥や異常なパターンを検出するために、AI画像処理検査を使用することができます。例えば、溶接部や金型表面のクラック、ひずみ、欠けなどを検出することができます。 これらは一部の事例であり、AI画像処理検査は製造業において品質向上や効率化に大きな貢献をすることができます。具体的な用途は業界や製品によって異なります。 今までの目視検査に近く、昔ながらのAIが入っていない画像検査装置(ルールベース)には難しかった判定要素や感覚に近い要素をAI画像処理検査は学習する事によって、実際の検査に活かしていきます。 難しく考える必要は全くありません。御社で今まで培ってきた技術的要素、経験要素、長年の熟練技術こそ、AIに学ばせて活用する事です。我々はお客様に最善の活用方法をご提案いたします。 上記の4つの列挙項目から分かる様にAI画像処理検査は主に4つの活用事例がある事が分かります。本コラムでは4つ活用事例からAI画像処理検査の成功要因を説明させて頂きます。 2.実際の活用事例 2.1 品質管理:AI画像処理検査は製品の外観や仕上がりに対して高速かつ正確な検査を行うことができます。例えば、製品の表面の傷や欠陥、色の一貫性などを検出することができます。 (活用事例) 2.1.1 成形品不良品の再検査:大手K社画像検査装置ではNGと判定されてしまう、不良品をK社画像検査装置で撮影した画像をAI画像処理で再検査し、不良品と判定された成形品から良品を検出する。 2.1.2 漢方薬の材料不良品検査:漢方薬の材料は様々な乾燥物が使われている事が多く、同じ材料でも形やサイズ、色も若干異なっていたりします。そのため今までは目視でも検査でしか難しかったですが、AIに形やサイズ、色を学習させて、不良品や異物を検出出来る事ができます。 2.2 組立検査: 製品の組み立て工程において、AI画像処理検査は部品の位置、方向、正確さなどを検査することができます。これにより、組み立ての正確性と一貫性を確保することができます。 (活用事例) 2.2.1 ボルト締結検査: 自動車の各部品やボディパネルの組み立てにおいて、AI画像処理検査はボルトの位置、締結の正確さ、欠陥などを検査します。正確な位置や締結力の確保は、車体の強度や安全性に直結する重要な要素です。 2.2.2 部品の位置検査: 自動車の部品の位置や方向が正しいかどうかを検査するために、AI画像処理検査が使用されます。例えば、ドアやパネルの位置や隙間の一貫性を確認することができます。 2.2.3 ワイヤーハーネス検査: 自動車の配線やワイヤーハーネスの組み立てにおいて、AI画像処理検査は配線の接続や絶縁状態を検査します。異常や接触不良を早期に検出し、トラブルや故障を未然に防ぐことができます。 2.3 パッケージング検査: 製品の包装やラベルの正確性、完全性、位置などを検査するためにAI画像処理を活用することができます。 (活用事例) 2.3.1 ゼリー容器 胴部の製品フィルム検査:製品フィルにあるゼリー内容物の柄などが邪魔になり、フィルムの皺や汚れ、ズレなどが今までの検査装置では困難でした。AIに柄を学習させる事で、柄と皺や傷、汚れなどの区別が出来る様になり、ズレなども今まで以上に精度よく判定する事が出来るようになりました。 2.3.2 お惣菜の具材配置検査:食品工場(お惣菜)において、盛り付けられた具材を今までは目視検査で量や盛り付け位置、盛り付け方、異物などを検査していました。そこでAIに盛り付け方の正解画像を複数パターン覚えさせる事で、今までの検査装置では困難だった目視検査に近い検査が可能となりました。 2.4 欠陥検出: 製品や部品の表面における欠陥や異常なパターンを検出するために、AI画像処理検査を使用することができます。例えば、溶接部や金型表面のクラック、ひずみ、欠けなどを検出することができます。 (活用事例) 2.4.1 溶接不良検査:AIに溶接不良画像と正常な溶接画像を学習させる事により、目視検査でも非常に難しい「スパッタ付着」、「溶接忘れ」、「溶接の長さ不良」、「溶接位置不良」、「焼け跡一部処理忘れ」、「溶接サイズはみ出し」、「溶接かじり」、「溶接穴有」などカメラを使った画像検査で自動検出する事が出来るようになりました。 2.4.2 メッキ不良検査:「メッキ色」、「傷」「打痕」、「異物付着」、「肌荒れ」、「ゆず肌」、「メッキ無し」などの不良画像と良品画像をAIに学習する事で、これらの不良が自動検出する事が可能になりました。 上記を正しく理解した上で、先の4つの項目のうち「品質管理」、「組立検査」、「パッケージング検査」、「欠陥検出」について、どの様な事が重要かを簡単にご説明いたします。 3.重要なポイント 3.1 品質管理: 製品の外観や仕上がりに対して、AI画像処理検査を使用して欠陥や異常を検出することができます。例えば、製品の表面における傷や汚れ、色の一貫性、パターンの正確性などを検査することができます。 傷や汚れのサイズや程度から良品としても大丈夫な場合や不良品と判別すべき物を人間の感覚に近い判別で検査する事が可能です。 重要なるのは、正しい良品、不良品画像をAIに学習させる事です。では、正しい良品画像とは何か?正しい不良品画像とは何か?という事ですが、良品においても若干のばらつきがあるという事を考慮し、ばらつきも含めて良品画像としてAIに学習させる事です。また、不良品画像においては、色々な種類の不良品があると思います。それらの不良品画像を出来る限り集めて頂き、AIに学習させる事が必要です。 3.2 組立検査: 組立検査におけるAI画像検査の重要事項は、組立品の良品と不良品が分かりやすい画像が撮影出来ている事です。つまり、不良品と判別が難しい撮影画像を幾らAIに学習させても判定する事は人間同様に難しいという事です。AI画像検査は万能ではなく、あくまでも目視検査員を教育する様に、どこを見て、不良を判別するか?をAIに対しても同じようにどの撮影画像で何をどの様な判定とするかを学習させる必要があります。 3.3 パッケージング検査: パッケージ検査におけるAI画像検査の重要事項は、不良品を検出する際に背景が邪魔になったり、良品要素が様々であったりと昔ながらの画像検査装置では出来なかった検査をどうやってAIに学習させて不良品を判別させていくかを検討する事です。 例えば、ゼリーにフィルム検査ではフィルムに印刷されている内容が不良品判別の邪魔になったり、中の具材が映り込んで邪魔になったりして、従来の画像検査装置では検査が難しかったのですが、不良画像の不良を教える(教示有)学習方法でAIに学習させる事で、不良個所の特徴を学習し判定できるようになります。 もう1例、簡単な事例で猫と犬を判別するAI画像処理でAI画像処理の得意とする事をお伝えします。犬や猫は個々様々です。この時、犬の特徴、猫の特徴をAIは画像から抽出し、犬の特徴の重みづけ(数値化)を行います。猫も同様に行います。学習後、犬の画像をAIに読み込ませて犬か猫か?を判別させてみると、例えば犬の確立が8割、猫の確立が2割と数値として算出され、犬である。と判定結果が出ます。つまり、犬、猫の特徴を数値化して、どちらの特徴量が多く持ち合わせているか?を導き出します。 このパッケージ検査においては、このような教示有のAI学習方法が有効的に使われます。 3.4 欠陥検出: 欠陥検出検査におけるAI画像検査の重要事項は、AI画像検査に学習させる前に、撮影した画像を人が見て、不良個所や欠陥部分を判別、検出出来るかどうかです。 そもそも人が撮影画像を見ても不良個所、欠陥画像が分からない物をAIに学習させるのは非常に難しいです。 人が見ても分からない画像を使用する方法もある事はあります。正常画像を多数AIに学習させて、正常画像以外は全てNGとする手法です。 しかし、この場合は判定後にNG判定された画像を人が確認し、本当に不良か、欠陥があるか?を確認する必要があります。 よって、検出精度を上げたいなら、AI画像検査に学習させる前に、撮影した画像を人が見て、不良個所や欠陥部分を判別、検出出来るという事が重要になります。 4.まとめ 今回のコラムでは、コラムでは、中堅・中小製造業の企業様にご活用頂きたい製造業におけるAI画像処理検査の活用事例と成功要因について、分かりやすく説明をさせて頂きました。今回の紹介した内容をご検討頂き、自社での画像検査装置の導入検討や、過去に断念された画像検査装置の導入を再度進めていただければ幸いです。また、上記内容について、より具体的に詳細をお知りになりたい場合や導入支援が必要といった場合は、お気軽に弊社にご相談いただければ幸いです。 最後までお読みいただきありがとうございました。   ■関連するセミナーのご案内 検査工程でのAI活用&自動化人手に依存している多品種小ロットの外観検査をAI活用して自動化! https://www.funaisoken.co.jp/seminar/103258 ■このような方にオススメ 多品種小ロット生産の検査工程を人手に依存している製造業社長様 検査工程の省人化・効率化に取り組みたい製造業社長様 検査工程での精度UPや技術標準化に取り組みたい製造業社長様 検査工程にAI活用して自動化に取り組みたい製造業社長様 検査工程の自動化に過去チャレンジしたが上手くいかなかった製造業社長様 ■開催日程 全てオンライン開催となります 以下の日程よりご都合の良い日程をお選び下さい ※内容は全て一緒です 2023/10/16 (月) 13:00~15:00 2023/10/24 (火) 13:00~15:00 2023/10/26 (木) 13:00~15:00 お申し込みはこちらから⇒ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/103258   ■AI画像検査導入事例解説レポート AIを活用し「積算・見積もりのドンブリ勘定」からの脱却を実現! AI活用を通じて“ベテラン社員の働き方改革”を推進! 積算・見積もり業務の“標準化・脱属人化・技術継承”実践事例とは? ▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼ https://lp.funaisoken.co.jp/mt/smart-factory/dltext06-01-dl.html 収録内容 「人手に頼った目視検査で工数がかかっているので検査を自動化して工数を削減したい!」 「画像検査装置を導入したことが無いがやってみたい!」 「小さな不良なので画像検査が可能なのか分からないからテストしてみたい!」 「人による目視検査で不良品が流出しているので検査精度を上げて不良流出を防ぎたい!」 「検査業務が属人化しているので標準化して誰でも検査が行えるようにしたい!」 本レポートでは、「AI画像検査」にテーマを絞り、具体的な導入方法と成功事例をご紹介いたします。 【①】AI画像検査導入の進め方 ~業務分析、データ収集、作業分析、コスト効果分析、、、~ 【②】AI画像検査導入の具体的手法 ~透明な樹脂成型品の傷、異物を画像検査装置で検出~ 導入の具体的手法を徹底解説!! 【③】補助金を活用した画像検査装置導入成功事例 ●自動車用部品の最終検査工程に検査装置を導入  カメラ・力覚・レーザー変位センサーをロボットハンドに取り付け、検査の自動化を実現 ●ボールペン部品射出成形の検査及び箱詰め工程に検査装置を導入  目視での外観検査工程を、カメラで撮影した画像から検査を行うことで、判定を行う ●AI技術とロボットを用いた多品種油圧機器外観検査の自動化  ロボットで画像センサと照明を操作し、取得した画像をAI技術で判別し、外観検査を自動化

川端 信貴

製造業の人材不足とデジタル化

2023.07.19

1.製造業の求人に応募が少ない理由 厚生労働省の雇用関係指標で製造業が該当する「生産工程の職業」(常用・パート含)を確認すると、2021年の月間有効求職者数は全体で152万人(男性:101万人、女性:51万人)、就職件数は全体で14万件となっており、製造業の求職者や就職者は多数存在しております。つまり、製造業の求人で人材が集まりにくい理由のひとつに、求職者数以上に求人数が多いからだと考えられます。 同じく2021年「生産工程の職業」の月間有効求人数を確認すると258万人で、比較すると求職者数が106万人不足することから、製造業の求人は求人側にとって非常に難しい状態であるとわかります。引用:厚生労働省 雇用関係指標 業界全体から見ても製造業は特に人手不足が深刻化しており、この状況は今後悪化の一途を辿ると言われています。しかし、定着率、求人への応募者数がともに低下している原因は意外にも明白です。 ■ 労働人口の減少 ■ 労働環境の悪化 ■ 3Kイメージの定着 少子高齢化による労働人口の減少はもちろんですが、このほかの大きな理由として3Kのイメージがあることが挙げられます。つまり「きつい」「汚い」「危険」という労働環境のイメージが定着しているために製造業を希望する人材が減少、求人を出しても求職者が集まらないのです。 2.製造業を魅力的にするためにできることとは? 製造業を魅力的にするために、ここでは以下の2つのことについて説明します。 ■ 労働環境を整備する ■ デジタルツールを導入する 要は3Kイメージの払拭に繋がる対策を行い、そのことを広めていくことで応募者の増加が期待できるようになります。 <労働環境を整備する> 製造業で人手不足に陥る大きな要因である「きつい」「汚い」「危険」という労働環境の改善を図り、求職者に「変わった」ことをアピールできれば応募者増加に期待が持てるようになります。わかりやすい内容では以下となります。 ■ 短時間労働を導入する ■ 残業の削減 ■ 深夜労働の削減 ■ 職務内容に対して適正な給与かどうかの見直し これらはどれも「やりたいことだか出来ないこと」だと思います。しかし、これまでの製造業の常識を盾にしては、いつまでも求職者からの応募は来ません。求職者の考え方が変わることは絶対にないのです。つまりは、ワークライフバランスの方に軸足を移すことが出来るかが重要になります。  <デジタルツールを導入する> 当然のことですが、誰でも意義のある仕事をしたいと思っています。右から左に流すような仕事を誰も積極的にはやりたくないのです。要は意味のないアナログ作業が多い職場は求職者にとって魅力ある職場ではありません。ロボットやIoTやAIツールを導入して定型業務や軽作業、単純作業などのインコア業務を自動化することで、職場としても魅力ができ、現場の作業効率も当然上げることが出来ます。デジタル化により会社の魅力も上がり、既存社員の作業負担が軽減されれば3Kのうち「きつい」と「危険」が減ります。 デジタルツールにより作業が自動化できれば、コア業務に人手と時間を割けるようになるため、売上アップにも期待が持てるでしょう。 3.人材不足とデジタル化 全国各地どこの製造現場でも人手不足の話を聞きます。人が多く集まる都市でも人材不足の話を聞きます。ベテラン(職人)の退職、製造業の人気低迷、期待人材の途中退職者が あいまって、人材不足に拍車がかかっています。企業にとっては、これはどれも痛いことですが、「期待人材の途中退職者」が一番きついことだと私は思っています。製造業の現場はいわゆる一人前になるまでには長い時間がかかります。1年程度では必要なレベルまでは簡単には到達してくれません。「優秀な人材ほどよく辞める」とはよく聞くことですが、時間をかけて育てた人材が離れていくのは、企業にとって影響は小さくはないでしょう。 では、どうすればよいのでしょうか。最近の市場動向が考えるに「時間をかけて人を育てる=職人を育てる」ということ自体がそもそも難しい時代になっているのではないでしょうか。 いくら情熱をかけて育てても、その人の都合で退職してしまえば、それまでかけた時間が全くの無駄になってしまいます。職人を育てるのではなく、今いるベテラン(職人)のスキルをデータ(デジタル化)にして、企業の資産として持ち、誰もがそのスキルを使えるようにしておくことが、今後製造業に必要になってくることだと思います。それには、ロボット、AIなどにスキルをドンドン蓄積していくことが大事です。 ロボットは、職人のような動きを半永久的に模倣することができます。AIは職人やベテランが導きだすような判断を、瞬時に安定して導き出すことができます。 ロボットやAIは高額になる場合が多いです。費用対効果も大事ですが、スキルの資産化という観点から投資を検討することが今後必要になってくるのではないでしょうか。今いるスキルや技能はその人がいるうちにしか、データ化(蓄積)できません。退職してしまっては、その方が優秀であればあるほど、同じレベルで品質を担保するのが難しくなってしまいます。「長年かけて築き上げた技術がその人だけのモノにならないよう」に、スキルの資産化を検討されてはいかがでしょうか。   ■関連するセミナーのご案内 製造業の為のAI・IoT活用戦略!経営者セミナー https://www.funaisoken.co.jp/seminar/102603 職人技術に依存している製造現場でAI化・IoT化・ロボット化・デジタル化できる取組事例が学べる! ■開催日程 全てオンライン開催となります 以下の日程よりご都合の良い日程をお選び下さい ※内容は全て一緒です 2023/09/07 (木) 13:00~15:00 2023/09/12 (火) 13:00~15:00 2023/09/14 (木) 13:00~15:00 ■講座内容 ゲスト講師講座「協働ロボット成功事例講座!ロボドリル工程の工数を年間1,200時間削減!」 AI・IoT取組事例講座編 「全国各地で見られる製造業でのAI・IoT取組事例」 AI・IoT活用戦略講座編 「製造業経営者が取り組むべきAI・IoT活用戦略」 セミナー詳細・申込はこちらから⇒ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/102603   無料ダウンロード!!2024年AI活用時流予測レポート ~今後の業界動向・トレンドを予測~ ▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼ 目次 1、製造業AI業界の現状 2、2023年製造業AI業界はこうなる! 3、2023年実践していただきたいこと 4、どの業務・工程でもAIは活用できる「業務別・工程別のAI活用」 5、国内中小製造業におけるAI導入事例 中小製造業のAI活用の最新事例と導入事例この1冊にまとめました。 AI活用術について「考え方」と「具体的な方法」を例を出して解説し、さらに導入事例を掲載することでAI活用の具体的な取り組み方が分かる資料になっております。 https://www.funaisoken.co.jp/dl-contents/jy-ai_S045 1.製造業の求人に応募が少ない理由 厚生労働省の雇用関係指標で製造業が該当する「生産工程の職業」(常用・パート含)を確認すると、2021年の月間有効求職者数は全体で152万人(男性:101万人、女性:51万人)、就職件数は全体で14万件となっており、製造業の求職者や就職者は多数存在しております。つまり、製造業の求人で人材が集まりにくい理由のひとつに、求職者数以上に求人数が多いからだと考えられます。 同じく2021年「生産工程の職業」の月間有効求人数を確認すると258万人で、比較すると求職者数が106万人不足することから、製造業の求人は求人側にとって非常に難しい状態であるとわかります。引用:厚生労働省 雇用関係指標 業界全体から見ても製造業は特に人手不足が深刻化しており、この状況は今後悪化の一途を辿ると言われています。しかし、定着率、求人への応募者数がともに低下している原因は意外にも明白です。 ■ 労働人口の減少 ■ 労働環境の悪化 ■ 3Kイメージの定着 少子高齢化による労働人口の減少はもちろんですが、このほかの大きな理由として3Kのイメージがあることが挙げられます。つまり「きつい」「汚い」「危険」という労働環境のイメージが定着しているために製造業を希望する人材が減少、求人を出しても求職者が集まらないのです。 2.製造業を魅力的にするためにできることとは? 製造業を魅力的にするために、ここでは以下の2つのことについて説明します。 ■ 労働環境を整備する ■ デジタルツールを導入する 要は3Kイメージの払拭に繋がる対策を行い、そのことを広めていくことで応募者の増加が期待できるようになります。 <労働環境を整備する> 製造業で人手不足に陥る大きな要因である「きつい」「汚い」「危険」という労働環境の改善を図り、求職者に「変わった」ことをアピールできれば応募者増加に期待が持てるようになります。わかりやすい内容では以下となります。 ■ 短時間労働を導入する ■ 残業の削減 ■ 深夜労働の削減 ■ 職務内容に対して適正な給与かどうかの見直し これらはどれも「やりたいことだか出来ないこと」だと思います。しかし、これまでの製造業の常識を盾にしては、いつまでも求職者からの応募は来ません。求職者の考え方が変わることは絶対にないのです。つまりは、ワークライフバランスの方に軸足を移すことが出来るかが重要になります。  <デジタルツールを導入する> 当然のことですが、誰でも意義のある仕事をしたいと思っています。右から左に流すような仕事を誰も積極的にはやりたくないのです。要は意味のないアナログ作業が多い職場は求職者にとって魅力ある職場ではありません。ロボットやIoTやAIツールを導入して定型業務や軽作業、単純作業などのインコア業務を自動化することで、職場としても魅力ができ、現場の作業効率も当然上げることが出来ます。デジタル化により会社の魅力も上がり、既存社員の作業負担が軽減されれば3Kのうち「きつい」と「危険」が減ります。 デジタルツールにより作業が自動化できれば、コア業務に人手と時間を割けるようになるため、売上アップにも期待が持てるでしょう。 3.人材不足とデジタル化 全国各地どこの製造現場でも人手不足の話を聞きます。人が多く集まる都市でも人材不足の話を聞きます。ベテラン(職人)の退職、製造業の人気低迷、期待人材の途中退職者が あいまって、人材不足に拍車がかかっています。企業にとっては、これはどれも痛いことですが、「期待人材の途中退職者」が一番きついことだと私は思っています。製造業の現場はいわゆる一人前になるまでには長い時間がかかります。1年程度では必要なレベルまでは簡単には到達してくれません。「優秀な人材ほどよく辞める」とはよく聞くことですが、時間をかけて育てた人材が離れていくのは、企業にとって影響は小さくはないでしょう。 では、どうすればよいのでしょうか。最近の市場動向が考えるに「時間をかけて人を育てる=職人を育てる」ということ自体がそもそも難しい時代になっているのではないでしょうか。 いくら情熱をかけて育てても、その人の都合で退職してしまえば、それまでかけた時間が全くの無駄になってしまいます。職人を育てるのではなく、今いるベテラン(職人)のスキルをデータ(デジタル化)にして、企業の資産として持ち、誰もがそのスキルを使えるようにしておくことが、今後製造業に必要になってくることだと思います。それには、ロボット、AIなどにスキルをドンドン蓄積していくことが大事です。 ロボットは、職人のような動きを半永久的に模倣することができます。AIは職人やベテランが導きだすような判断を、瞬時に安定して導き出すことができます。 ロボットやAIは高額になる場合が多いです。費用対効果も大事ですが、スキルの資産化という観点から投資を検討することが今後必要になってくるのではないでしょうか。今いるスキルや技能はその人がいるうちにしか、データ化(蓄積)できません。退職してしまっては、その方が優秀であればあるほど、同じレベルで品質を担保するのが難しくなってしまいます。「長年かけて築き上げた技術がその人だけのモノにならないよう」に、スキルの資産化を検討されてはいかがでしょうか。   ■関連するセミナーのご案内 製造業の為のAI・IoT活用戦略!経営者セミナー https://www.funaisoken.co.jp/seminar/102603 職人技術に依存している製造現場でAI化・IoT化・ロボット化・デジタル化できる取組事例が学べる! ■開催日程 全てオンライン開催となります 以下の日程よりご都合の良い日程をお選び下さい ※内容は全て一緒です 2023/09/07 (木) 13:00~15:00 2023/09/12 (火) 13:00~15:00 2023/09/14 (木) 13:00~15:00 ■講座内容 ゲスト講師講座「協働ロボット成功事例講座!ロボドリル工程の工数を年間1,200時間削減!」 AI・IoT取組事例講座編 「全国各地で見られる製造業でのAI・IoT取組事例」 AI・IoT活用戦略講座編 「製造業経営者が取り組むべきAI・IoT活用戦略」 セミナー詳細・申込はこちらから⇒ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/102603   無料ダウンロード!!2024年AI活用時流予測レポート ~今後の業界動向・トレンドを予測~ ▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼ 目次 1、製造業AI業界の現状 2、2023年製造業AI業界はこうなる! 3、2023年実践していただきたいこと 4、どの業務・工程でもAIは活用できる「業務別・工程別のAI活用」 5、国内中小製造業におけるAI導入事例 中小製造業のAI活用の最新事例と導入事例この1冊にまとめました。 AI活用術について「考え方」と「具体的な方法」を例を出して解説し、さらに導入事例を掲載することでAI活用の具体的な取り組み方が分かる資料になっております。 https://www.funaisoken.co.jp/dl-contents/jy-ai_S045

製造業におけるシステム導入・刷新プロジェクトの取り組み方

2023.07.10

今回は、製造業において、各種システム導入・刷新を成功に導くプロジェクトの取り組み方についてお伝えします。 1.製造業でシステム導入・刷新プロジェクトが上手くいかない理由 製造業の皆様においては、DX推進や、基幹システム導入・活用、IoT・ロボット・AI導入・活用等、IT化、デジタル化、自動化といったテーマでプロジェクトに取り組まれている方が多いかと思います。 しかしながら、多くの企業でプロジェクトを上手く推進することが出来ず、特に、システム導入・刷新プロジェクトにおいては、以下のような問題や課題が発生しているようです。 ・責任者が曖昧で、判断・決断が出来ず、プロジェクトが止まってしまう ・声の大きいメンバー・現場からの意見・要望が優先されてしまう ・現場からの要望を全てシステムに反映しようとし、システム費用が高額になってしまう ・システムを導入・刷新することが目的になり、導入後に使い難い機能や使わない機能があることが判明してしまう ・プロジェクトメンバーが兼務で参加するため、本来の職務が忙しく、プロジェクトに割く時間がない etc.. 通常、プロジェクトに専念できるメンバーを配置することは難しく、本来の職務との兼務で参画するメンバーがほとんどのため、時間や人といったリソース面に問題があるケースが多いようです。 2.システム導入・刷新プロジェクトを成功に導くプロジェクトの取り組み方 では、どのようにシステム導入・刷新プロジェクトに取り組めば良いのでしょうか。 ▼製造業におけるシステム導入・刷新プロジェクトの取り組み手順 ①プロジェクトメンバーの時間の確保(現状業務状況の把握と改善) プロジェクトメンバーがプロジェクト活動に時間を割けるよう、現状の業務状況を把握し、必要に応じ、業務における役割や担当範囲、手順を変更する等してプロジェクト活動に割ける時間を創出します。 ②プロジェクト計画の策定と共有 プロジェクトの目的・ゴール、取り組み範囲・内容、各メンバーの役割、スケジュール等、計画を策定し、プロジェクトメンバー全員がプロジェクトの目的・ゴール含めた計画について、認識を共有した上でプロジェクトに望みます。 ③プロジェクト推進 プロジェクト計画に沿ってプロジェクトを推進します。 メンバーは自身の担当するタスクを出来るだけ細分化しておくことで、プロジェクトが進め易くなり、問題や課題の早期発見にも繋がります。 ④進捗確認・管理 定期的に会議体を設ける等し、プロジェクト責任者を中心に、プロジェクトの進捗状況の報告・確認を行います。 遅延等の問題が発生した際は、その対策を検討・実施する等、プロジェクトを推進します。 まずは、プロジェクトメンバーの選定時に各メンバーの業務状況を確認しておく事をお勧めします。 3.製造業がシステム導入・刷新プロジェクに取り組む上でのポイント 製造業がシステム導入・刷新プロジェクに取り組む上で特に注意いただきたいポイントは以下の通りです。 ・プロジェクトメンバーの時間の確保が出来ているか ・プロジェクトの目的・ゴールを明確に設定しているか ・プロジェクトの推進状況を随時把握できているか 現在、システム導入・刷新プロジェクトに取り組もうとされている方、既に取り組んでいるが上手くいっていない方は、今回ご紹介した手順に沿って進められているか、今一度、確認してみてください。   ■関連するセミナーのご案内 設計開発型メーカーの為の基幹システム再構築戦略!社長セミナー セミナー詳細・申込はこちらから https://www.funaisoken.co.jp/seminar/101452 ■開催内容 設計開発型メーカー及び修理メンテサービスをされている社長が知っておくべき原価管理システムがわかる! 製品別・取引先別・工程別・メンテナンス部品別データ化したものを経営や現場が活用できるように分析する方法がわかる! 職人・属人化している生産管理・個別原価管理・工程管理・修理メンテナンス業務を改善する為のシステムを導入する方法がわかる! 基礎知識や導入経験がない社長でもデータ化してデータ経営する方法がわかります。 ~設計連携・開発・営業・生産管理・原価管理・工程管理・修理メンテサービスをシステムで統合的する方法が良くわからない… 設計工数、製造工程工数、メンテナンス原価を可視化する事で何が儲かっているのか?儲かっていないのか?が明確になりその具体的な 対策がわかる! ■開催日程 全てオンライン開催となります 以下の日程よりご都合の良い日程をお選び下さい ※内容は全て一緒です 2023/08/03 (木) 13:00~15:00 2023/08/04 (金) 13:00~15:00 2023/08/08 (火) 13:00~15:00 お申し込みはこちらから⇒ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/101452   基幹システム活用2024年時流予測レポート ~今後の業界動向・トレンドを予測~ ▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼ 中堅中小製造業におけるBI活用の位置づけと実際のBI活用事例をこの1冊にまとめました。 1、製造業AI業界の現状 2、2023年製造業AI業界はこうなる! 3、2023年実践していただきたいこと 4、どの業務・工程でもAIは活用できる「業務別・工程別のAI活用」 5、国内中小製造業におけるAI導入事例 https://www.funaisoken.co.jp/dl-contents/jy-core-system_S045 いつも当コラムをご愛読いただきありがとうございます。 今回は、製造業において、各種システム導入・刷新を成功に導くプロジェクトの取り組み方についてお伝えします。 1.製造業でシステム導入・刷新プロジェクトが上手くいかない理由 製造業の皆様においては、DX推進や、基幹システム導入・活用、IoT・ロボット・AI導入・活用等、IT化、デジタル化、自動化といったテーマでプロジェクトに取り組まれている方が多いかと思います。 しかしながら、多くの企業でプロジェクトを上手く推進することが出来ず、特に、システム導入・刷新プロジェクトにおいては、以下のような問題や課題が発生しているようです。 ・責任者が曖昧で、判断・決断が出来ず、プロジェクトが止まってしまう ・声の大きいメンバー・現場からの意見・要望が優先されてしまう ・現場からの要望を全てシステムに反映しようとし、システム費用が高額になってしまう ・システムを導入・刷新することが目的になり、導入後に使い難い機能や使わない機能があることが判明してしまう ・プロジェクトメンバーが兼務で参加するため、本来の職務が忙しく、プロジェクトに割く時間がない etc.. 通常、プロジェクトに専念できるメンバーを配置することは難しく、本来の職務との兼務で参画するメンバーがほとんどのため、時間や人といったリソース面に問題があるケースが多いようです。 2.システム導入・刷新プロジェクトを成功に導くプロジェクトの取り組み方 では、どのようにシステム導入・刷新プロジェクトに取り組めば良いのでしょうか。 ▼製造業におけるシステム導入・刷新プロジェクトの取り組み手順 ①プロジェクトメンバーの時間の確保(現状業務状況の把握と改善) プロジェクトメンバーがプロジェクト活動に時間を割けるよう、現状の業務状況を把握し、必要に応じ、業務における役割や担当範囲、手順を変更する等してプロジェクト活動に割ける時間を創出します。 ②プロジェクト計画の策定と共有 プロジェクトの目的・ゴール、取り組み範囲・内容、各メンバーの役割、スケジュール等、計画を策定し、プロジェクトメンバー全員がプロジェクトの目的・ゴール含めた計画について、認識を共有した上でプロジェクトに望みます。 ③プロジェクト推進 プロジェクト計画に沿ってプロジェクトを推進します。 メンバーは自身の担当するタスクを出来るだけ細分化しておくことで、プロジェクトが進め易くなり、問題や課題の早期発見にも繋がります。 ④進捗確認・管理 定期的に会議体を設ける等し、プロジェクト責任者を中心に、プロジェクトの進捗状況の報告・確認を行います。 遅延等の問題が発生した際は、その対策を検討・実施する等、プロジェクトを推進します。 まずは、プロジェクトメンバーの選定時に各メンバーの業務状況を確認しておく事をお勧めします。 3.製造業がシステム導入・刷新プロジェクに取り組む上でのポイント 製造業がシステム導入・刷新プロジェクに取り組む上で特に注意いただきたいポイントは以下の通りです。 ・プロジェクトメンバーの時間の確保が出来ているか ・プロジェクトの目的・ゴールを明確に設定しているか ・プロジェクトの推進状況を随時把握できているか 現在、システム導入・刷新プロジェクトに取り組もうとされている方、既に取り組んでいるが上手くいっていない方は、今回ご紹介した手順に沿って進められているか、今一度、確認してみてください。   ■関連するセミナーのご案内 設計開発型メーカーの為の基幹システム再構築戦略!社長セミナー セミナー詳細・申込はこちらから https://www.funaisoken.co.jp/seminar/101452 ■開催内容 設計開発型メーカー及び修理メンテサービスをされている社長が知っておくべき原価管理システムがわかる! 製品別・取引先別・工程別・メンテナンス部品別データ化したものを経営や現場が活用できるように分析する方法がわかる! 職人・属人化している生産管理・個別原価管理・工程管理・修理メンテナンス業務を改善する為のシステムを導入する方法がわかる! 基礎知識や導入経験がない社長でもデータ化してデータ経営する方法がわかります。 ~設計連携・開発・営業・生産管理・原価管理・工程管理・修理メンテサービスをシステムで統合的する方法が良くわからない… 設計工数、製造工程工数、メンテナンス原価を可視化する事で何が儲かっているのか?儲かっていないのか?が明確になりその具体的な 対策がわかる! ■開催日程 全てオンライン開催となります 以下の日程よりご都合の良い日程をお選び下さい ※内容は全て一緒です 2023/08/03 (木) 13:00~15:00 2023/08/04 (金) 13:00~15:00 2023/08/08 (火) 13:00~15:00 お申し込みはこちらから⇒ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/101452   基幹システム活用2024年時流予測レポート ~今後の業界動向・トレンドを予測~ ▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼ 中堅中小製造業におけるBI活用の位置づけと実際のBI活用事例をこの1冊にまとめました。 1、製造業AI業界の現状 2、2023年製造業AI業界はこうなる! 3、2023年実践していただきたいこと 4、どの業務・工程でもAIは活用できる「業務別・工程別のAI活用」 5、国内中小製造業におけるAI導入事例 https://www.funaisoken.co.jp/dl-contents/jy-core-system_S045

製造業の生産性を向上させる現場リーダーの5つの業務

2023.07.05

1.現場リーダーの5つの業務 生産性は現場リーダーの業務遂行次第で決まるといっても過言ではありません。現場リーダーが5つの業務をしっかり遂行した場合は、納期(D)、品質(Q)、原価(C)の付加価値が最大値で確定し、その結果、当該現場の生産性を最大にしていきます。 主に現場リーダーの業務は下記の5つの業務であると言えます。 ①計画と指示の業務 ②生産準備の業務 ③監視と異常対応の業務 ④報告と反省の業務 ⑤現場改善の業務 2.現場リーダー業務の情報支援を考える 上記にもあるように現場リーダーは多忙です。多く現場リーダーは仕事ができる方が担当されており実務も抱えています。ですから5つの業務を行う上で必要となる情報が必要な時に提供(情報支援)されれば、現場リーダーの意思決定の精度と速度が増します。それではどのように考えればよいのでしょう。 ①計画と指示の業務の情報支援 まだまだ一般的な例として、現場のリーダーが当日の仕事を機械や作業者に割付け、機械や作業者ごとに仕事の順序を決めます。この計画によって機械や作業者に作業指示が出せるようになります。この計画に必要な情報は①『仕事にかかる時間』、②『機械や作業者の生産能力』、③『作業進捗情報』です。現場リーダーが持っている経験と知識でパソコンの画面上で作成していることが多いのではないでしょうか。 現在では詳細な生産計画をある程度自動で立てるスケジューラーも出ています。現場に合ったスケジューラーを導入してはいかがでしょうか。 ②生産準備の業務の情報支援 現場リーダーの行う生産準備の材料や部品のチェックは、現場に払い出された現物の数と実在箇所(棚番)というところまでの管理精度が必要です。生産管理システムが持っているデータでは、厳密な点で合わないこともあります。このような場合、材料や部品のみならず治具や工具にもRFIDタグを使ったIoT化を進めてはいかがでしょうか? ③監視と異常対応の業務の情報支援 この業務では生産ラインや施設の設備を監視し、異常やトラブルの早期発見に努め、また発見すれば即断即決で対応(指示、連絡、相談)しなければなりません。早期発見が重要な異常対応にはIoTによるリアルタイム・モニタを使って監視できるような情報支援が必要です。 ④報告と反省の業務の情報支援 生産実績や異常発生を報告し、当日の計画に対して生産実績が得られたかを確認するこの業務では、生産実績の集計や日報の自動作成は必須です。また、異常の報告についても実態データや製造履歴情報などを添付して報告できるように配慮されていなければなりません。 また異常の発生があった時には、原因を追究するために異常の前後の製造履歴情報が役に立つので、いつでもこの情報を引き出してみられるようにする必要があります。 生産管理システムではこのようなことができなければなりません。 ⑤現場改善の業務の情報支援 異常などで判明した課題はできるだけ早期に対策を立て、現場に反映しなければなりません。課題解決に必要なことは、改善のPDCAのサイクルを回すことです。この時、『C』すなわち評価のサイクルでは、『P』の目標値に対して、『D』の結果の実態データと比較して評価することになります。この実態データが必要な時に提供されれば、PDCAのサイクルは速く回すことができ、改善のスピードアップにつながります。 3.まとめ 現場リーダーの5つの業務とその情報支援についてご説明してきましたが、実際にこのようなことができている現場リーダーは少ないと感じています。冒頭にも述べましたが、現場リーダーの業務遂行次第では生産性を左右する重要事項ですので、これへの情報支援は必須です。 今、IoTやAIなどの新しいテクノロジーの出現によって、現場リーダーに必要な情報が必要な時に取得でき活用することが可能になってきました。このコラムが皆様の現場にお役に立てれば幸いです。 また、上記内容について、より具体的に詳細をお知りになりたい場合はお気軽に弊社にご相談ください。 最後までお読みいただきありがとうございました。   ■製造業の為のAI・IoT活用戦略!経営者セミナー 無料ダウンロードはこちらから https://www.funaisoken.co.jp/seminar/102603 ■開催日程 全てオンライン開催となります 以下の日程よりご都合の良い日程をお選び下さい ※内容は全て一緒です 2023/09/07 (木) 13:00~15:00 2023/09/12 (火) 13:00~15:00 2023/09/14 (木) 13:00~15:00 ■講座内容 ゲスト講師講座「協働ロボット成功事例講座!ロボドリル工程の工数を年間1,200時間削減!」 AI・IoT取組事例講座編 「全国各地で見られる製造業でのAI・IoT取組事例」 AI・IoT活用戦略講座編 「製造業経営者が取り組むべきAI・IoT活用戦略」 お申し込みはこちらから⇒ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/102603   【無料ダウンロード】中小製造業 2024年ロボット活用時流予測レポート ~今後の業界動向・トレンドを予測~   【製造業】経営者向け!!工場の協働ロボット活用成功事例集 ▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼ 中小製造業のロボット活用は協働ロボットが主流になる! 中小製造業が実践すべき協働ロボット活用のポイントと具体的な方法を解説! さらに、実際の中小製造業における協働ロボット活用成功事例をこの1冊にまとめました! https://www.funaisoken.co.jp/dl-contents/smart-factory_smart-factory_01539 いつも当コラムをご愛読いただきありがとうございます。 1.現場リーダーの5つの業務 生産性は現場リーダーの業務遂行次第で決まるといっても過言ではありません。現場リーダーが5つの業務をしっかり遂行した場合は、納期(D)、品質(Q)、原価(C)の付加価値が最大値で確定し、その結果、当該現場の生産性を最大にしていきます。 主に現場リーダーの業務は下記の5つの業務であると言えます。 ①計画と指示の業務 ②生産準備の業務 ③監視と異常対応の業務 ④報告と反省の業務 ⑤現場改善の業務 2.現場リーダー業務の情報支援を考える 上記にもあるように現場リーダーは多忙です。多く現場リーダーは仕事ができる方が担当されており実務も抱えています。ですから5つの業務を行う上で必要となる情報が必要な時に提供(情報支援)されれば、現場リーダーの意思決定の精度と速度が増します。それではどのように考えればよいのでしょう。 ①計画と指示の業務の情報支援 まだまだ一般的な例として、現場のリーダーが当日の仕事を機械や作業者に割付け、機械や作業者ごとに仕事の順序を決めます。この計画によって機械や作業者に作業指示が出せるようになります。この計画に必要な情報は①『仕事にかかる時間』、②『機械や作業者の生産能力』、③『作業進捗情報』です。現場リーダーが持っている経験と知識でパソコンの画面上で作成していることが多いのではないでしょうか。 現在では詳細な生産計画をある程度自動で立てるスケジューラーも出ています。現場に合ったスケジューラーを導入してはいかがでしょうか。 ②生産準備の業務の情報支援 現場リーダーの行う生産準備の材料や部品のチェックは、現場に払い出された現物の数と実在箇所(棚番)というところまでの管理精度が必要です。生産管理システムが持っているデータでは、厳密な点で合わないこともあります。このような場合、材料や部品のみならず治具や工具にもRFIDタグを使ったIoT化を進めてはいかがでしょうか? ③監視と異常対応の業務の情報支援 この業務では生産ラインや施設の設備を監視し、異常やトラブルの早期発見に努め、また発見すれば即断即決で対応(指示、連絡、相談)しなければなりません。早期発見が重要な異常対応にはIoTによるリアルタイム・モニタを使って監視できるような情報支援が必要です。 ④報告と反省の業務の情報支援 生産実績や異常発生を報告し、当日の計画に対して生産実績が得られたかを確認するこの業務では、生産実績の集計や日報の自動作成は必須です。また、異常の報告についても実態データや製造履歴情報などを添付して報告できるように配慮されていなければなりません。 また異常の発生があった時には、原因を追究するために異常の前後の製造履歴情報が役に立つので、いつでもこの情報を引き出してみられるようにする必要があります。 生産管理システムではこのようなことができなければなりません。 ⑤現場改善の業務の情報支援 異常などで判明した課題はできるだけ早期に対策を立て、現場に反映しなければなりません。課題解決に必要なことは、改善のPDCAのサイクルを回すことです。この時、『C』すなわち評価のサイクルでは、『P』の目標値に対して、『D』の結果の実態データと比較して評価することになります。この実態データが必要な時に提供されれば、PDCAのサイクルは速く回すことができ、改善のスピードアップにつながります。 3.まとめ 現場リーダーの5つの業務とその情報支援についてご説明してきましたが、実際にこのようなことができている現場リーダーは少ないと感じています。冒頭にも述べましたが、現場リーダーの業務遂行次第では生産性を左右する重要事項ですので、これへの情報支援は必須です。 今、IoTやAIなどの新しいテクノロジーの出現によって、現場リーダーに必要な情報が必要な時に取得でき活用することが可能になってきました。このコラムが皆様の現場にお役に立てれば幸いです。 また、上記内容について、より具体的に詳細をお知りになりたい場合はお気軽に弊社にご相談ください。 最後までお読みいただきありがとうございました。   ■製造業の為のAI・IoT活用戦略!経営者セミナー 無料ダウンロードはこちらから https://www.funaisoken.co.jp/seminar/102603 ■開催日程 全てオンライン開催となります 以下の日程よりご都合の良い日程をお選び下さい ※内容は全て一緒です 2023/09/07 (木) 13:00~15:00 2023/09/12 (火) 13:00~15:00 2023/09/14 (木) 13:00~15:00 ■講座内容 ゲスト講師講座「協働ロボット成功事例講座!ロボドリル工程の工数を年間1,200時間削減!」 AI・IoT取組事例講座編 「全国各地で見られる製造業でのAI・IoT取組事例」 AI・IoT活用戦略講座編 「製造業経営者が取り組むべきAI・IoT活用戦略」 お申し込みはこちらから⇒ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/102603   【無料ダウンロード】中小製造業 2024年ロボット活用時流予測レポート ~今後の業界動向・トレンドを予測~   【製造業】経営者向け!!工場の協働ロボット活用成功事例集 ▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼ 中小製造業のロボット活用は協働ロボットが主流になる! 中小製造業が実践すべき協働ロボット活用のポイントと具体的な方法を解説! さらに、実際の中小製造業における協働ロボット活用成功事例をこの1冊にまとめました! https://www.funaisoken.co.jp/dl-contents/smart-factory_smart-factory_01539

製造業のIoT化の手順

2023.07.04

本コラムでは、中堅・中小製造業の企業におけるDX・IoT活用について、まずはどこからどの様にDX・IoTを導入していくべきか、わかりやすく説明させていただきます。 1.はじめに 前回のコラムで具体的にDXやIoT、AIを活用した業務の革新や改善を実施したいと考えたとき、まず『製造現場』へ導入すべきと提案しました。 なぜなら、『製造現場』の革新や改善が会社の売上や利益の向上に最も直結する業務だからです。 製造業は『モノを作る企業』です。 IoTを活用して製造現場を管理するには、まずは製造現場をIoT化する必要があります。 IoTを構成する主な要素は3つです。 デバイス:各種データを取得 ネットワーク:インターネットや社内システムへ接続 プラットフォーム・アプリケーション:データを蓄積・分析 そこで、今回は、その中の“デバイス:各種データを取得”に関して具体的な手順を説明させていただきます。 2.製造工程のIoT化手順 ①IoTセンサー選定 以下に一般的なセンサーの種類とその用途をいくつか挙げます。 温度センサー 製造プロセスや機械の温度監視に使用されます。異常な温度上昇や変動を検知し、製造工程での問題を早期に発見します。 圧力センサー 液体やガスの圧力を監視するために使用されます。圧力の変動や漏れを検知し、安全性や品質の向上に貢献します。 加速度センサー 機械や製品の振動や衝撃を測定するために使用されます。機械の異常振動や製品の取り扱いミスを検知し、トラブルを防ぎます。 光センサー 製品の位置検出、透明度の測定、光の強度の監視など、光に関する情報を取得するために使用されます。 湿度センサー 湿度の変化や結露の検知に使用されます。湿度が製品や製造プロセスに影響を与える場合に重要な要素になります。 カメラセンサー 製品やプロセスの視覚的な監視や品質管理に使用されます。画像や動画データの収集、異常検出、製品の外観検査などに役立ちます。 音響センサー 機械の異常な音や振動、環境の音量などを検知するために使用されます。異常音の早期検出や予防メンテナンスに役立ちます。 ガスセンサー 有害ガスや気体の検知に使用されます。安全性や環境への影響を監視し、必要な対策を講じることができます。 距離センサー オブジェクトの距離や位置の測定に使用されます。製品の位置検出や自動ガイドシステムに活用されます。 製造現場のIoT化におけるセンサー選定は、製造工程の具体的なニーズや要件、監視したいパラメーターを考慮する必要があります。 それぞれのセンサーの特徴を理解し最適なセンサーを選定してください。 ②センサーデータの活用例 ①センサー選定”で説明したそれぞれのセンサーを用い製造工程で取得したデータの具体的な活用例(シナリオ)をいくつか挙げて説明いたします。 品質管理 センサーを使用して製品の品質を監視します。 例えば、光センサーを使用して製品の外観や色を検査することで、不良品の検知が可能となります。 また、温度センサーや湿度センサーを使用することで、製品の環境条件に関するデータを収集し品質に影響を与える要因を把握することが可能となります。 生産効率向上 センサーを使用して生産ラインの効率を向上させます。 例えば加速度センサーや振動センサーを使用して機械の動作を監視し、適切なタイミングでメンテナンスや調整を行うことで、機械の故障や停止時間を最小限に抑えることが出来ます。 これにより、生産プロセスのボトルネックや改善の余地を特定し、生産ラインの最適化を図ることが可能となります。 安全性確保 センサーを使用して作業環境や機械の安全性を確保します。 例えばガスセンサーや煙センサーを使用して有害ガスや火災の発生を検知し早期警告を出す、またカメラセンサーや距離センサーを使用して、作業員の安全な位置や障害物を監視することが出来ます。 これにより、事故や衝突のリスクを低減することが可能となります。 リアルタイムモニタリング センサーを使用して製造プロセスをリアルタイムでモニタリングします。 例えば温度センサーや圧力センサーを使用して機械や設備の状態を監視し、異常を検知します。 データのリアルタイム収集と分析により、予知保全や即時対応が可能となります。 備品管理 センサーを使用して備品や資材の管理を効率化します。 例えばRFIDタグやバーコードスキャナーを使用して在庫管理を自動化し、在庫の追跡や補充のタイミングを正確に把握します。 これにより、在庫切れやロスを最小限に抑え、生産計画の円滑な遂行支援が可能となります。 3.まとめ 今回のコラムでは、“中堅・中小製造業のDX・IoT活用のコツ~製造工程のIoT化手順(センサー選定)~”につきまして簡単ではありますが説明させていただきました。 次回は、“製造工程のIoT化手順(ネットワーク)“につきまして詳しく説明していく予定です。 今回の紹介した内容をご検討頂き、自社での製造工程のIoT化導入検討や、過去に断念されたIoT化を再度進めていただければ幸いです。また、上記内容について、より具体的に詳細をお知りになりたい場合や導入支援が必要といった場合は、お気軽に弊社にご相談いただければ幸いです。 最後までお読みいただきありがとうございました。   ■製造業の為のAI・IoT活用戦略!経営者セミナー 無料ダウンロードはこちらから https://www.funaisoken.co.jp/seminar/102603 ■開催日程 全てオンライン開催となります 以下の日程よりご都合の良い日程をお選び下さい ※内容は全て一緒です 2023/09/07 (木) 13:00~15:00 2023/09/12 (火) 13:00~15:00 2023/09/14 (木) 13:00~15:00 ■講座内容 ゲスト講師講座「協働ロボット成功事例講座!ロボドリル工程の工数を年間1,200時間削減!」 AI・IoT取組事例講座編 「全国各地で見られる製造業でのAI・IoT取組事例」 AI・IoT活用戦略講座編 「製造業経営者が取り組むべきAI・IoT活用戦略」 お申し込みはこちらから⇒ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/102603   【無料ダウンロード】中小製造業 2024年ロボット活用時流予測レポート ~今後の業界動向・トレンドを予測~ ▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼ https://www.funaisoken.co.jp/dl-contents/jy-robot_S045 ■製造業の経営者様限定でダウンロード可能な特別なレポートです! ■目次 1、中小製造業における課題とロボット活用の現状 2、2023年 中小製造業のロボット活用は協働ロボットが主流になる! 3、2023年 中小製造業が実践すべき協働ロボット活用 4、具体的な取組み方 5、協働ロボット活用成功事例 ■レポートの内容 中小製造業のロボット活用のトレンドと成功事例この1冊にまとめました。特に「何から始めればよいのか」と、その「具体的な方法」を例を出して解説し、さらに成功事例を掲載することでロボット活用の具体的な取り組み方が分かる資料になっております。 ■このレポートを読むメリット 中小製造業における協働ロボット活用の具体的な進め方と成功事例が分かります。 具体的な進め方と成功事例から自社でのロボット活用が可能な工程のヒントが見つかります。 https://www.funaisoken.co.jp/dl-contents/jy-robot_S045 いつも当コラムをご愛読いただきありがとうございます。 本コラムでは、中堅・中小製造業の企業におけるDX・IoT活用について、まずはどこからどの様にDX・IoTを導入していくべきか、わかりやすく説明させていただきます。 1.はじめに 前回のコラムで具体的にDXやIoT、AIを活用した業務の革新や改善を実施したいと考えたとき、まず『製造現場』へ導入すべきと提案しました。 なぜなら、『製造現場』の革新や改善が会社の売上や利益の向上に最も直結する業務だからです。 製造業は『モノを作る企業』です。 IoTを活用して製造現場を管理するには、まずは製造現場をIoT化する必要があります。 IoTを構成する主な要素は3つです。 デバイス:各種データを取得 ネットワーク:インターネットや社内システムへ接続 プラットフォーム・アプリケーション:データを蓄積・分析 そこで、今回は、その中の“デバイス:各種データを取得”に関して具体的な手順を説明させていただきます。 2.製造工程のIoT化手順 ①IoTセンサー選定 以下に一般的なセンサーの種類とその用途をいくつか挙げます。 温度センサー 製造プロセスや機械の温度監視に使用されます。異常な温度上昇や変動を検知し、製造工程での問題を早期に発見します。 圧力センサー 液体やガスの圧力を監視するために使用されます。圧力の変動や漏れを検知し、安全性や品質の向上に貢献します。 加速度センサー 機械や製品の振動や衝撃を測定するために使用されます。機械の異常振動や製品の取り扱いミスを検知し、トラブルを防ぎます。 光センサー 製品の位置検出、透明度の測定、光の強度の監視など、光に関する情報を取得するために使用されます。 湿度センサー 湿度の変化や結露の検知に使用されます。湿度が製品や製造プロセスに影響を与える場合に重要な要素になります。 カメラセンサー 製品やプロセスの視覚的な監視や品質管理に使用されます。画像や動画データの収集、異常検出、製品の外観検査などに役立ちます。 音響センサー 機械の異常な音や振動、環境の音量などを検知するために使用されます。異常音の早期検出や予防メンテナンスに役立ちます。 ガスセンサー 有害ガスや気体の検知に使用されます。安全性や環境への影響を監視し、必要な対策を講じることができます。 距離センサー オブジェクトの距離や位置の測定に使用されます。製品の位置検出や自動ガイドシステムに活用されます。 製造現場のIoT化におけるセンサー選定は、製造工程の具体的なニーズや要件、監視したいパラメーターを考慮する必要があります。 それぞれのセンサーの特徴を理解し最適なセンサーを選定してください。 ②センサーデータの活用例 ①センサー選定”で説明したそれぞれのセンサーを用い製造工程で取得したデータの具体的な活用例(シナリオ)をいくつか挙げて説明いたします。 品質管理 センサーを使用して製品の品質を監視します。 例えば、光センサーを使用して製品の外観や色を検査することで、不良品の検知が可能となります。 また、温度センサーや湿度センサーを使用することで、製品の環境条件に関するデータを収集し品質に影響を与える要因を把握することが可能となります。 生産効率向上 センサーを使用して生産ラインの効率を向上させます。 例えば加速度センサーや振動センサーを使用して機械の動作を監視し、適切なタイミングでメンテナンスや調整を行うことで、機械の故障や停止時間を最小限に抑えることが出来ます。 これにより、生産プロセスのボトルネックや改善の余地を特定し、生産ラインの最適化を図ることが可能となります。 安全性確保 センサーを使用して作業環境や機械の安全性を確保します。 例えばガスセンサーや煙センサーを使用して有害ガスや火災の発生を検知し早期警告を出す、またカメラセンサーや距離センサーを使用して、作業員の安全な位置や障害物を監視することが出来ます。 これにより、事故や衝突のリスクを低減することが可能となります。 リアルタイムモニタリング センサーを使用して製造プロセスをリアルタイムでモニタリングします。 例えば温度センサーや圧力センサーを使用して機械や設備の状態を監視し、異常を検知します。 データのリアルタイム収集と分析により、予知保全や即時対応が可能となります。 備品管理 センサーを使用して備品や資材の管理を効率化します。 例えばRFIDタグやバーコードスキャナーを使用して在庫管理を自動化し、在庫の追跡や補充のタイミングを正確に把握します。 これにより、在庫切れやロスを最小限に抑え、生産計画の円滑な遂行支援が可能となります。 3.まとめ 今回のコラムでは、“中堅・中小製造業のDX・IoT活用のコツ~製造工程のIoT化手順(センサー選定)~”につきまして簡単ではありますが説明させていただきました。 次回は、“製造工程のIoT化手順(ネットワーク)“につきまして詳しく説明していく予定です。 今回の紹介した内容をご検討頂き、自社での製造工程のIoT化導入検討や、過去に断念されたIoT化を再度進めていただければ幸いです。また、上記内容について、より具体的に詳細をお知りになりたい場合や導入支援が必要といった場合は、お気軽に弊社にご相談いただければ幸いです。 最後までお読みいただきありがとうございました。   ■製造業の為のAI・IoT活用戦略!経営者セミナー 無料ダウンロードはこちらから https://www.funaisoken.co.jp/seminar/102603 ■開催日程 全てオンライン開催となります 以下の日程よりご都合の良い日程をお選び下さい ※内容は全て一緒です 2023/09/07 (木) 13:00~15:00 2023/09/12 (火) 13:00~15:00 2023/09/14 (木) 13:00~15:00 ■講座内容 ゲスト講師講座「協働ロボット成功事例講座!ロボドリル工程の工数を年間1,200時間削減!」 AI・IoT取組事例講座編 「全国各地で見られる製造業でのAI・IoT取組事例」 AI・IoT活用戦略講座編 「製造業経営者が取り組むべきAI・IoT活用戦略」 お申し込みはこちらから⇒ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/102603   【無料ダウンロード】中小製造業 2024年ロボット活用時流予測レポート ~今後の業界動向・トレンドを予測~ ▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼ https://www.funaisoken.co.jp/dl-contents/jy-robot_S045 ■製造業の経営者様限定でダウンロード可能な特別なレポートです! ■目次 1、中小製造業における課題とロボット活用の現状 2、2023年 中小製造業のロボット活用は協働ロボットが主流になる! 3、2023年 中小製造業が実践すべき協働ロボット活用 4、具体的な取組み方 5、協働ロボット活用成功事例 ■レポートの内容 中小製造業のロボット活用のトレンドと成功事例この1冊にまとめました。特に「何から始めればよいのか」と、その「具体的な方法」を例を出して解説し、さらに成功事例を掲載することでロボット活用の具体的な取り組み方が分かる資料になっております。 ■このレポートを読むメリット 中小製造業における協働ロボット活用の具体的な進め方と成功事例が分かります。 具体的な進め方と成功事例から自社でのロボット活用が可能な工程のヒントが見つかります。 https://www.funaisoken.co.jp/dl-contents/jy-robot_S045

脱属人化の実現へ!システム導入の重要ポイントを解説

2023.06.29

「脱属人化」の実現について、システム導入は有効的な方法の1つと言えます。 しかし既存の業務をシステムに置き換えるだけでは、脱属人化に繋がらないと言えます。もしかしたらさらに属人化を進めてしまう可能性もあります。そこで今回はシステム導入における脱属人化の実現についてポイントを幾つかお伝えいたします。 1.システム仕様は基本標準に合わせる システム導入の際に、まずは現状業務のヒアリングを行い、その作業をシステムで行うといった導入ケースはよく見られます。 しかしよく考えてみると、現状業務というのは既に組織の一部のメンバーしか内容を理解していなく、システム化しても何かあったときには、その職人レベルのメンバーしか解決できない、といった同じ属人的業務が続いてしまいます。 これではせっかくシステムを導入しても本来の自動化標準化業務には近づけていません。 解決策としては、システム導入設計時に、そのシステムの標準的機能に現状業務を合わせていくことが挙げられます。 よくパッケージシステムに業務を合わせるといった話がありますが、同様の内容です。 なぜ合わせるかというと、それが一番誰でも理解しやすく、誰でも操作出来て、誰でも間違いに気付けるからです。 実際の導入シーンでよく言われることが、「この標準機能では現状業務よりパフォーマンスが悪いから、カスタマイズして既存に合わせたい」といった意見です。 これはせっかくシステム導入するのだから、120点を目指すのが当たり前の理論ですが、カスタマイズしたロジックというのは、その時のメンバーは理解できていても、もし退職されたり、新規のメンバーが入ってきたときにどうしてもパフォーマンスを落とす危険性があります。 標準でシンプルなフローを誰でも動かせるということが重要ですので、120点の成果となるが、人員の関係で50点、40点に下がってしまうより、80点の稼働がずっと落ちることなく出し続けられるということが標準フローだと考えます。 2.運用業務フローを必ずマニュアル化する 前項で、システム標準機能に合わせてシンプルな業務に変えていくことをお伝えしましたが、次に重要なのはそのマニュアル化です。 よく現場ではシステムの使い方に関して、ベテランAさんは「他部署間の伝達に有効なので、入力項目の1、2、3を入力している」が新人Bさんは「入力項目の1,2だけ入力している」というケースがよくあります。 これでは業務が自動では回らなく、人のスキルに左右されてしまいます。 入力する項目は、1,2なのか、1,2,3なのかきちんとマニュアルで決めて、誰でも同じアウトプットにすることが重要です。 入力者による個人差を無くして誰でも同じ結果を出せるよう業務マニュアルを作成し、徹底的に順守していくことが重要です。 こちらも80点を永久継続していく流れに沿う形です。 結果的には自動で流れる業務というのは人のスキルや経験に左右されにくい安定した形にて、100点という評価と等しいと考えられます。 3.資料作成もシステム標準アウトプットを利用する 前項までで、システム標準仕様を利用し、運用マニュアルに沿って行くという話をしましたが、最後に重要なのは分析資料です。 例えば基幹システムを導入すると、売上集計等様々なデータ分析を行っていきます。 このときによく使われる手法が、CSVで掃き出してエクセルで集計するといった内容ですが、ここにも属人化の危険が潜んでいます。 せっかくシステムを標準にしても集計をエキスパートスタッフに任せてしまうと、難解な集計ロジックをエクセルにため込んでしまい、その内容がブラックボックス化します。 より深くなっていくとどこかで元データに修正をいれている可能性もあり、この数字が本当に正しいのかさえ分からなくなっていきます。 これでは他者は誰も触れなくなります。 これを避ける為には、システムから自動で算出される集計アウトプット等を使用していくことです。 もしかしたら少し不足する項目はあるかもしれませんが、最低限必要な集計が自動で誰の補正も無しに即座に出てきます。 もちろん誰が操作しても同じ結果です。 もしどうしても見た目が悪いから外で集計したいということであれば、元データをCSVなどの出力でなく、システムからの自動連携にてデータが反映される仕組みを利用することが推奨です。 これは元データの整合性がはっきり確定されるので、結果として間違いが無くなる為です。 4.まとめ 今回のまとめでございますが、脱属人化の実現に向けて重要なポイントは、「システム標準のシンプルな機能に業務を合わせる」、「運用業務フローをマニュアル化する」、「分析資料もシステム標準に沿う」の3点となります。 第一印象としてはどうしても現場の同意を得るのが難しい内容ではと捉えられがちですが、本来のシステム導入の目的を達成するのに不可欠であると言えます。 当初は不安を抱くメンバーも結果的に導入後にスムーズにストレスなく回り始めるシステムフローを振り返ると、自動化してよかったと思えるはずです。 なぜならば個人個人の今までの余分な業務が取り除かれているからです。 常にベテランスタッフにダブルチェックで行っていた業務が新人でも1人でこなせるのですから。 このように人員リソースの不安を出来るだけ取り去り、日々の業務を回し続けることが迅速で安定した「脱属人化」の実現に向けて不可欠な要素となってきます。   ■関連するセミナーのご案内 設計開発型メーカーの為の基幹システム再構築戦略!社長セミナー セミナー詳細・申込はこちらから https://www.funaisoken.co.jp/seminar/101452 ■開催内容 設計開発型メーカー及び修理メンテサービスをされている社長が知っておくべき原価管理システムがわかる! 製品別・取引先別・工程別・メンテナンス部品別データ化したものを経営や現場が活用できるように分析する方法がわかる! 職人・属人化している生産管理・個別原価管理・工程管理・修理メンテナンス業務を改善する為のシステムを導入する方法がわかる! 基礎知識や導入経験がない社長でもデータ化してデータ経営する方法がわかります。 ~設計連携・開発・営業・生産管理・原価管理・工程管理・修理メンテサービスをシステムで統合的する方法が良くわからない… 設計工数、製造工程工数、メンテナンス原価を可視化する事で何が儲かっているのか?儲かっていないのか?が明確になりその具体的な 対策がわかる! ■開催日程 全てオンライン開催となります 以下の日程よりご都合の良い日程をお選び下さい ※内容は全て一緒です 2023/08/03 (木) 13:00~15:00 2023/08/04 (金) 13:00~15:00 2023/08/08 (火) 13:00~15:00 お申し込みはこちらから⇒ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/101452   基幹システム活用2024年時流予測レポート ~今後の業界動向・トレンドを予測~ ▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼ 中堅中小製造業におけるBI活用の位置づけと実際のBI活用事例をこの1冊にまとめました。 経済産業省のDXレポートによると製造業でのDX推進の意識はまだまだ低い傾向にあります。 「未着手」や「一部のみ実施」の企業が約95%を占めています。 DXを推進するには社員全体のデジタルスキルの底上げとより専門的な人材の育成が必要となりますが、製造業において人手不足は深刻な状況です。 では、このような深刻な人手不足の中、どのようにしてDXを推進すれば良いのでしょうか。 2023年、製造業の経営者が基幹システム活用に関して取り組むべき具体的な内容を本レポートにて解説しております。 この機会に是非、ダウンロード頂き貴社の経営にお役立て下さい。 1、製造業AI業界の現状 2、2023年製造業AI業界はこうなる! 3、2023年実践していただきたいこと 4、どの業務・工程でもAIは活用できる「業務別・工程別のAI活用」 5、国内中小製造業におけるAI導入事例 https://www.funaisoken.co.jp/dl-contents/jy-core-system_S045 いつも当コラムをご愛読いただきありがとうございます。 「脱属人化」の実現について、システム導入は有効的な方法の1つと言えます。 しかし既存の業務をシステムに置き換えるだけでは、脱属人化に繋がらないと言えます。もしかしたらさらに属人化を進めてしまう可能性もあります。そこで今回はシステム導入における脱属人化の実現についてポイントを幾つかお伝えいたします。 1.システム仕様は基本標準に合わせる システム導入の際に、まずは現状業務のヒアリングを行い、その作業をシステムで行うといった導入ケースはよく見られます。 しかしよく考えてみると、現状業務というのは既に組織の一部のメンバーしか内容を理解していなく、システム化しても何かあったときには、その職人レベルのメンバーしか解決できない、といった同じ属人的業務が続いてしまいます。 これではせっかくシステムを導入しても本来の自動化標準化業務には近づけていません。 解決策としては、システム導入設計時に、そのシステムの標準的機能に現状業務を合わせていくことが挙げられます。 よくパッケージシステムに業務を合わせるといった話がありますが、同様の内容です。 なぜ合わせるかというと、それが一番誰でも理解しやすく、誰でも操作出来て、誰でも間違いに気付けるからです。 実際の導入シーンでよく言われることが、「この標準機能では現状業務よりパフォーマンスが悪いから、カスタマイズして既存に合わせたい」といった意見です。 これはせっかくシステム導入するのだから、120点を目指すのが当たり前の理論ですが、カスタマイズしたロジックというのは、その時のメンバーは理解できていても、もし退職されたり、新規のメンバーが入ってきたときにどうしてもパフォーマンスを落とす危険性があります。 標準でシンプルなフローを誰でも動かせるということが重要ですので、120点の成果となるが、人員の関係で50点、40点に下がってしまうより、80点の稼働がずっと落ちることなく出し続けられるということが標準フローだと考えます。 2.運用業務フローを必ずマニュアル化する 前項で、システム標準機能に合わせてシンプルな業務に変えていくことをお伝えしましたが、次に重要なのはそのマニュアル化です。 よく現場ではシステムの使い方に関して、ベテランAさんは「他部署間の伝達に有効なので、入力項目の1、2、3を入力している」が新人Bさんは「入力項目の1,2だけ入力している」というケースがよくあります。 これでは業務が自動では回らなく、人のスキルに左右されてしまいます。 入力する項目は、1,2なのか、1,2,3なのかきちんとマニュアルで決めて、誰でも同じアウトプットにすることが重要です。 入力者による個人差を無くして誰でも同じ結果を出せるよう業務マニュアルを作成し、徹底的に順守していくことが重要です。 こちらも80点を永久継続していく流れに沿う形です。 結果的には自動で流れる業務というのは人のスキルや経験に左右されにくい安定した形にて、100点という評価と等しいと考えられます。 3.資料作成もシステム標準アウトプットを利用する 前項までで、システム標準仕様を利用し、運用マニュアルに沿って行くという話をしましたが、最後に重要なのは分析資料です。 例えば基幹システムを導入すると、売上集計等様々なデータ分析を行っていきます。 このときによく使われる手法が、CSVで掃き出してエクセルで集計するといった内容ですが、ここにも属人化の危険が潜んでいます。 せっかくシステムを標準にしても集計をエキスパートスタッフに任せてしまうと、難解な集計ロジックをエクセルにため込んでしまい、その内容がブラックボックス化します。 より深くなっていくとどこかで元データに修正をいれている可能性もあり、この数字が本当に正しいのかさえ分からなくなっていきます。 これでは他者は誰も触れなくなります。 これを避ける為には、システムから自動で算出される集計アウトプット等を使用していくことです。 もしかしたら少し不足する項目はあるかもしれませんが、最低限必要な集計が自動で誰の補正も無しに即座に出てきます。 もちろん誰が操作しても同じ結果です。 もしどうしても見た目が悪いから外で集計したいということであれば、元データをCSVなどの出力でなく、システムからの自動連携にてデータが反映される仕組みを利用することが推奨です。 これは元データの整合性がはっきり確定されるので、結果として間違いが無くなる為です。 4.まとめ 今回のまとめでございますが、脱属人化の実現に向けて重要なポイントは、「システム標準のシンプルな機能に業務を合わせる」、「運用業務フローをマニュアル化する」、「分析資料もシステム標準に沿う」の3点となります。 第一印象としてはどうしても現場の同意を得るのが難しい内容ではと捉えられがちですが、本来のシステム導入の目的を達成するのに不可欠であると言えます。 当初は不安を抱くメンバーも結果的に導入後にスムーズにストレスなく回り始めるシステムフローを振り返ると、自動化してよかったと思えるはずです。 なぜならば個人個人の今までの余分な業務が取り除かれているからです。 常にベテランスタッフにダブルチェックで行っていた業務が新人でも1人でこなせるのですから。 このように人員リソースの不安を出来るだけ取り去り、日々の業務を回し続けることが迅速で安定した「脱属人化」の実現に向けて不可欠な要素となってきます。   ■関連するセミナーのご案内 設計開発型メーカーの為の基幹システム再構築戦略!社長セミナー セミナー詳細・申込はこちらから https://www.funaisoken.co.jp/seminar/101452 ■開催内容 設計開発型メーカー及び修理メンテサービスをされている社長が知っておくべき原価管理システムがわかる! 製品別・取引先別・工程別・メンテナンス部品別データ化したものを経営や現場が活用できるように分析する方法がわかる! 職人・属人化している生産管理・個別原価管理・工程管理・修理メンテナンス業務を改善する為のシステムを導入する方法がわかる! 基礎知識や導入経験がない社長でもデータ化してデータ経営する方法がわかります。 ~設計連携・開発・営業・生産管理・原価管理・工程管理・修理メンテサービスをシステムで統合的する方法が良くわからない… 設計工数、製造工程工数、メンテナンス原価を可視化する事で何が儲かっているのか?儲かっていないのか?が明確になりその具体的な 対策がわかる! ■開催日程 全てオンライン開催となります 以下の日程よりご都合の良い日程をお選び下さい ※内容は全て一緒です 2023/08/03 (木) 13:00~15:00 2023/08/04 (金) 13:00~15:00 2023/08/08 (火) 13:00~15:00 お申し込みはこちらから⇒ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/101452   基幹システム活用2024年時流予測レポート ~今後の業界動向・トレンドを予測~ ▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼ 中堅中小製造業におけるBI活用の位置づけと実際のBI活用事例をこの1冊にまとめました。 経済産業省のDXレポートによると製造業でのDX推進の意識はまだまだ低い傾向にあります。 「未着手」や「一部のみ実施」の企業が約95%を占めています。 DXを推進するには社員全体のデジタルスキルの底上げとより専門的な人材の育成が必要となりますが、製造業において人手不足は深刻な状況です。 では、このような深刻な人手不足の中、どのようにしてDXを推進すれば良いのでしょうか。 2023年、製造業の経営者が基幹システム活用に関して取り組むべき具体的な内容を本レポートにて解説しております。 この機会に是非、ダウンロード頂き貴社の経営にお役立て下さい。 1、製造業AI業界の現状 2、2023年製造業AI業界はこうなる! 3、2023年実践していただきたいこと 4、どの業務・工程でもAIは活用できる「業務別・工程別のAI活用」 5、国内中小製造業におけるAI導入事例 https://www.funaisoken.co.jp/dl-contents/jy-core-system_S045

製造業のDXを成功させるコツ

2023.06.26

1.DX成功のコツは「AX」にあり! 「DX(デジタルトランスフォーメーション)」の成功は 「AX(アナログトランスフォーメーション)」にあることは間違いありません。 ちなみに、「AX」とは造語であり、一般的な用語ではありません。 これを使ってDXの意味を因数分解すると以下です。 「DX」=「AX」+「デジタルツール」 この意味は、 ・DXは単なるデジタルツールの導入ではない ・まずはアナログでのトランスフォーメーションありき ・その効果を最大限にするためにデジタルツールを活用する となります。 2.「DX」=「AX」+「デジタルツール」の実践事例 ここで、実践事例として従業員80名程度の製造業A社の営業部門でのDX事例を取り上げます。 A社の主力製品は、小さければバイク1台、大きければ大型トラック1台が入るくらいの金属製コンテナBOXで、中には電気系統の精密機材が納められています。 営業マンは5名程度で、当然ながら製品知識がないと売れません。 第一の課題は営業の属人化で、どうしても営業ノウハウに個人差が出ることでした。 もちろん、営業マニュアル等はありますが、それだけでは限界でした。 第二の課題は、営業支援として設計者が必要だったことです。 営業の最終段階ではCADによる図面提案が必要なので、設計者の協力が欠かせません。 スムーズに受注できれば良いですが、設計者を動員したのに失注となると、営業コストだけではなく、設計コストもマイナスとなってかかります。 それ以上に、営業段階で設計者の工数が取られて、設計者不足の中で本来の設計業務に集中できないことの方が問題でした。 つまり、営業の課題以上に、実は設計側の課題でもありました。 そこで、設計スキルのない営業マンでも活用できる「図面設計自動化DX」の仕組みを作りました。 その仕組みとは、営業の初期段階において、まずは顧客からの要望を営業マンがヒアリングする訳ですが、 その時に「顧客ニーズ仕様書」を標準フォーマット化します。 (病院に例えるならば、患者カルテ) その「顧客ニーズ仕様書」にデータ入力して、A社が構築した図面設計自動化システムにインプットすると、自動で図面が作成できるのです。 顧客にヒアリングをして、タブレットを使いその場で必要データを入力すると、その場で図面がアウトプットされて、提案が非常にスムーズになります。 これまでは、営業マンがヒアリングしたら、一度、会社に持ち帰り、設計者とミーティングして、設計者が図面を製作して、その後に営業マンが顧客に提出するという流れでした。 早くても1週間、遅ければ1か月もかかっていました。 それが何とたったの1~2時間で顧客の目の前で図面が出来てしまうというものです。このシステムはパッケージソフトではなく、A社オリジナルでオーダーメイドしたものです。 最大のポイントは、図面提案を設計者依存にせずに、営業マンが行うという発想であり、まず営業業務の改善をして、その結果、設計業務の改善に繋がったことです。まさに、「AX(アナログトランスフォーメーション)」の実践ということになります。 紙の帳票をデジタル化したとか、リアルをリモートにしたというのは「デジタルチェンジ」であって、厳密には「DX」とは言えません。 まずは、現状業務の改善(アナログでのトランスフォーメーション)が先で、その効果を最大限にするためにデジタルツールを活用する、このような発想が必要です。 「DX」=「AX」+「デジタルツール」という考え方を、是非皆様の日々の業務にもご活用いただければと思います。 今回ご紹介した事例の詳細についてご興味のある方は、以下のURLから是非お気軽にお問い合わせください。   ▼本コラムの内容に関するお問い合わせはこちら https://lp.funaisoken.co.jp/mt/form01/inquiry-S045.html?siteno=S045   積算・見積業務を効率化!AI活用で働き方改革 ▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼ AIを活用し「積算・見積もりのドンブリ勘定」からの脱却を実現! 1、AI活用を通じた「積算・見積もり業務」の標準化・脱属人化・技術継承最新事例サマリー 2、積算・見積もりAIシステムのポイント① 3、積算・見積もりAIシステムのポイント② 4、積算・見積もりAIシステムのポイント③ https://www.funaisoken.co.jp/dl-contents/smart-factory_smart-factory_00702   ■関連するセミナーのご案内 見積業務にAI導入して受注率UP&利益率UP! 特注・一品一様生産 機械加工業の為の見積AI 社長セミナー セミナー詳細・申込はこちらから https://www.funaisoken.co.jp/seminar/101882 ■開催日程 全てオンライン開催となります 以下の日程よりご都合の良い日程をお選び下さい ※内容は全て一緒です 2023/08/24 (木) 13:00~15:00 2023/08/28 (月) 13:00~15:00 2023/08/29 (火) 13:00~15:00 お申し込みはこちらから⇒ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/101882 いつも当コラムをご愛読いただきありがとうございます。 1.DX成功のコツは「AX」にあり! 「DX(デジタルトランスフォーメーション)」の成功は 「AX(アナログトランスフォーメーション)」にあることは間違いありません。 ちなみに、「AX」とは造語であり、一般的な用語ではありません。 これを使ってDXの意味を因数分解すると以下です。 「DX」=「AX」+「デジタルツール」 この意味は、 ・DXは単なるデジタルツールの導入ではない ・まずはアナログでのトランスフォーメーションありき ・その効果を最大限にするためにデジタルツールを活用する となります。 2.「DX」=「AX」+「デジタルツール」の実践事例 ここで、実践事例として従業員80名程度の製造業A社の営業部門でのDX事例を取り上げます。 A社の主力製品は、小さければバイク1台、大きければ大型トラック1台が入るくらいの金属製コンテナBOXで、中には電気系統の精密機材が納められています。 営業マンは5名程度で、当然ながら製品知識がないと売れません。 第一の課題は営業の属人化で、どうしても営業ノウハウに個人差が出ることでした。 もちろん、営業マニュアル等はありますが、それだけでは限界でした。 第二の課題は、営業支援として設計者が必要だったことです。 営業の最終段階ではCADによる図面提案が必要なので、設計者の協力が欠かせません。 スムーズに受注できれば良いですが、設計者を動員したのに失注となると、営業コストだけではなく、設計コストもマイナスとなってかかります。 それ以上に、営業段階で設計者の工数が取られて、設計者不足の中で本来の設計業務に集中できないことの方が問題でした。 つまり、営業の課題以上に、実は設計側の課題でもありました。 そこで、設計スキルのない営業マンでも活用できる「図面設計自動化DX」の仕組みを作りました。 その仕組みとは、営業の初期段階において、まずは顧客からの要望を営業マンがヒアリングする訳ですが、 その時に「顧客ニーズ仕様書」を標準フォーマット化します。 (病院に例えるならば、患者カルテ) その「顧客ニーズ仕様書」にデータ入力して、A社が構築した図面設計自動化システムにインプットすると、自動で図面が作成できるのです。 顧客にヒアリングをして、タブレットを使いその場で必要データを入力すると、その場で図面がアウトプットされて、提案が非常にスムーズになります。 これまでは、営業マンがヒアリングしたら、一度、会社に持ち帰り、設計者とミーティングして、設計者が図面を製作して、その後に営業マンが顧客に提出するという流れでした。 早くても1週間、遅ければ1か月もかかっていました。 それが何とたったの1~2時間で顧客の目の前で図面が出来てしまうというものです。このシステムはパッケージソフトではなく、A社オリジナルでオーダーメイドしたものです。 最大のポイントは、図面提案を設計者依存にせずに、営業マンが行うという発想であり、まず営業業務の改善をして、その結果、設計業務の改善に繋がったことです。まさに、「AX(アナログトランスフォーメーション)」の実践ということになります。 紙の帳票をデジタル化したとか、リアルをリモートにしたというのは「デジタルチェンジ」であって、厳密には「DX」とは言えません。 まずは、現状業務の改善(アナログでのトランスフォーメーション)が先で、その効果を最大限にするためにデジタルツールを活用する、このような発想が必要です。 「DX」=「AX」+「デジタルツール」という考え方を、是非皆様の日々の業務にもご活用いただければと思います。 今回ご紹介した事例の詳細についてご興味のある方は、以下のURLから是非お気軽にお問い合わせください。   ▼本コラムの内容に関するお問い合わせはこちら https://lp.funaisoken.co.jp/mt/form01/inquiry-S045.html?siteno=S045   積算・見積業務を効率化!AI活用で働き方改革 ▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼ AIを活用し「積算・見積もりのドンブリ勘定」からの脱却を実現! 1、AI活用を通じた「積算・見積もり業務」の標準化・脱属人化・技術継承最新事例サマリー 2、積算・見積もりAIシステムのポイント① 3、積算・見積もりAIシステムのポイント② 4、積算・見積もりAIシステムのポイント③ https://www.funaisoken.co.jp/dl-contents/smart-factory_smart-factory_00702   ■関連するセミナーのご案内 見積業務にAI導入して受注率UP&利益率UP! 特注・一品一様生産 機械加工業の為の見積AI 社長セミナー セミナー詳細・申込はこちらから https://www.funaisoken.co.jp/seminar/101882 ■開催日程 全てオンライン開催となります 以下の日程よりご都合の良い日程をお選び下さい ※内容は全て一緒です 2023/08/24 (木) 13:00~15:00 2023/08/28 (月) 13:00~15:00 2023/08/29 (火) 13:00~15:00 お申し込みはこちらから⇒ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/101882