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船井総研サステナグロースアワード2025 DXインパクト賞受賞!!~5年で売上10倍と「女性が輝く」製造業の秘密  株式会社テルミックの挑戦~

2026.03.19

1.    社長の想いが動かした改革ドラマ 鉄工所という職場には、長年変わらない“空気”がありました。 業務が属人化、紙に埋もれ、残業は常態化。 そんな日常の中で、テルミックの田中社長が抱いていたのは、たったひとつの願い。 「社員が、もっとワクワク、楽しく、長く安心して働ける会社にしたい」 最初は女性活躍のことは意識していませんでした。 ただ、社員が笑顔で働ける環境、全く新しい鉄工所をつくりたかった——それだけでした。 2. 3K労働の鉄工所からの脱却 2008年、テルミックは「キツイ・汚い・危険」の3K労働で知られる男性メインの鉄工所でした。 工場内は重い部品を扱い、油や粉塵にまみれる作業が日常。 業務の属人化により、情報共有がうまくいかず、残業も多く、業務は紙ベースで管理され、確認作業や集計作業に追われる毎日でした。 従業員が働き続ける環境はほとんど整っていません。 育児休業や時短勤務の制度も未整備で、情報は現場に散らばり、営業や製造部門間の連携もスムーズとは言えませんでした。 このままでは会社の未来も、社員の働きがいも変えられない——。 田中社長はこの現状を直視し、 「社員が快適に働ける環境を作らなければ、会社の未来は変えられない——」 改革の第一歩がはじまりました。 3.    DXと働き方改革の挑戦の物語 改革の第一歩は、基幹システムの刷新でした。 案件情報や見積、出荷データを一元管理できるようにしたことで、社員は社内のどこからでも情報を確認可能にしました。 紙や個別管理で発生していた「確認作業」や「情報の取りこぼし」がなくなり、社内の連携は劇的にスムーズになりました。 ルーティンがあれば自動化する。 RPAやBIツール、VBAを活用して定型業務を自動化していくことで、DXに拍車がかかりました。 毎日何時間も費やしていた確認・集計作業やルーティン業務が減り、社員は本当に価値ある仕事に集中できるようになりました。  現場には、余裕が生まれ、改善提案や新しいアイデアに挑戦する社員も現れました。 さらに、業務自動化を軸に、物流効率化にも着手。 自動倉庫や無人搬送用ロボット(AGV)を導入し、部品管理や出荷作業のスピードを向上。 デジタル化と現場効率化が連動することで、会社全体の働きやすさが一気に高まりました。 改革が進む中で社長は、ある気づきを得ます。 「働きやすさを追求すると、誰もが自然に力を発揮できる環境になる」 DXが基盤となり、営業が外回りしない内勤営業スタイルが確立され、見積回答は最短45分、平均24時間以内に。 育児休業取得率・復職率100%、有給取得率83%。 女性比率65.6%、管理職比率46.2%。 数字にも、改革の成果がしっかりと表れました。 社員が自分の働き方に誇りを持ち、チームが力を発揮できる会社へ——。 改革は現場に生き生きとした変化をもたらしました。 4.    成果:改革がもたらした変化 売上高:2025年1月期には過去最高売上を更新 利益率:業界平均4%に対し9%を達成 時間外労働:41%削減 紙使用量:4年間で87%削減 女性活躍:従業員の6%が女性、管理職比率46.2% 営業効率:見積回答最短45分、平均24時間以内 DXと働き方改革により、高収益化と社員満足、女性活躍の両立が実現しました。 まとめ:社長のビジョンと未来像 田中社長の目指すのは、単なる効率化や売上向上ではありません。 その中心にあるのは、「日本の製造業の未来を変えたい」 という強いビジョンです。 「私たちのゴールは、数字や制度ではなく、 ものづくりに携わる人たちすべてを楽しくワクワクできる未来を作ることです。」 社員が誇りを持って働ける会社、 業界全体に新しいスタンダードを示すスマート工場 未来の製造業を担う次世代が輝ける舞台——。 社長のビジョンを起点にした挑戦は、会社全体を動かし、製造業の未来を切り拓く物語として、これからも続いていきます   1.    社長の想いが動かした改革ドラマ 鉄工所という職場には、長年変わらない“空気”がありました。 業務が属人化、紙に埋もれ、残業は常態化。 そんな日常の中で、テルミックの田中社長が抱いていたのは、たったひとつの願い。 「社員が、もっとワクワク、楽しく、長く安心して働ける会社にしたい」 最初は女性活躍のことは意識していませんでした。 ただ、社員が笑顔で働ける環境、全く新しい鉄工所をつくりたかった——それだけでした。 2. 3K労働の鉄工所からの脱却 2008年、テルミックは「キツイ・汚い・危険」の3K労働で知られる男性メインの鉄工所でした。 工場内は重い部品を扱い、油や粉塵にまみれる作業が日常。 業務の属人化により、情報共有がうまくいかず、残業も多く、業務は紙ベースで管理され、確認作業や集計作業に追われる毎日でした。 従業員が働き続ける環境はほとんど整っていません。 育児休業や時短勤務の制度も未整備で、情報は現場に散らばり、営業や製造部門間の連携もスムーズとは言えませんでした。 このままでは会社の未来も、社員の働きがいも変えられない——。 田中社長はこの現状を直視し、 「社員が快適に働ける環境を作らなければ、会社の未来は変えられない——」 改革の第一歩がはじまりました。 3.    DXと働き方改革の挑戦の物語 改革の第一歩は、基幹システムの刷新でした。 案件情報や見積、出荷データを一元管理できるようにしたことで、社員は社内のどこからでも情報を確認可能にしました。 紙や個別管理で発生していた「確認作業」や「情報の取りこぼし」がなくなり、社内の連携は劇的にスムーズになりました。 ルーティンがあれば自動化する。 RPAやBIツール、VBAを活用して定型業務を自動化していくことで、DXに拍車がかかりました。 毎日何時間も費やしていた確認・集計作業やルーティン業務が減り、社員は本当に価値ある仕事に集中できるようになりました。  現場には、余裕が生まれ、改善提案や新しいアイデアに挑戦する社員も現れました。 さらに、業務自動化を軸に、物流効率化にも着手。 自動倉庫や無人搬送用ロボット(AGV)を導入し、部品管理や出荷作業のスピードを向上。 デジタル化と現場効率化が連動することで、会社全体の働きやすさが一気に高まりました。 改革が進む中で社長は、ある気づきを得ます。 「働きやすさを追求すると、誰もが自然に力を発揮できる環境になる」 DXが基盤となり、営業が外回りしない内勤営業スタイルが確立され、見積回答は最短45分、平均24時間以内に。 育児休業取得率・復職率100%、有給取得率83%。 女性比率65.6%、管理職比率46.2%。 数字にも、改革の成果がしっかりと表れました。 社員が自分の働き方に誇りを持ち、チームが力を発揮できる会社へ——。 改革は現場に生き生きとした変化をもたらしました。 4.    成果:改革がもたらした変化 売上高:2025年1月期には過去最高売上を更新 利益率:業界平均4%に対し9%を達成 時間外労働:41%削減 紙使用量:4年間で87%削減 女性活躍:従業員の6%が女性、管理職比率46.2% 営業効率:見積回答最短45分、平均24時間以内 DXと働き方改革により、高収益化と社員満足、女性活躍の両立が実現しました。 まとめ:社長のビジョンと未来像 田中社長の目指すのは、単なる効率化や売上向上ではありません。 その中心にあるのは、「日本の製造業の未来を変えたい」 という強いビジョンです。 「私たちのゴールは、数字や制度ではなく、 ものづくりに携わる人たちすべてを楽しくワクワクできる未来を作ることです。」 社員が誇りを持って働ける会社、 業界全体に新しいスタンダードを示すスマート工場 未来の製造業を担う次世代が輝ける舞台——。 社長のビジョンを起点にした挑戦は、会社全体を動かし、製造業の未来を切り拓く物語として、これからも続いていきます  

【完全版】製造業の事業承継を成功に導く「社長100日プラン」:見積もりの引き継ぎから自走する組織づくりまで

2026.03.16

【第1章】製造業の事業承継を成功に導く「社長就任100日プラン」:全体像と就任前の心構え 中小・中堅製造業において、社長交代は企業にとって最も大きな転換期の一つです。特に、創業者や長年会社を引っ張ってきたカリスマ的な現社長からバトンを受け取る次期社長にとって、そのプレッシャーは計り知れないものがあるのではないでしょうか。 「先代の頭の中にしかない見積もりのノウハウを、どうやって引き継げばいいのか」 「現場の古参社員たちが、新しい体制についてきてくれるだろうか」 「社長と現場の間に立つ『中間管理職』が不在のまま、どう組織を回せばいいのか」 こうした悩みは、製造業の代替わりにおいて非常に多く聞かれるリアルな声です。本連載では、これらの悩みに寄り添いながら、経営のバトンタッチをスムーズに行い、新たな組織のスタートダッシュを成功させるための具体的なロードマップを数回に分けて紐解いていきます。 第1章となる本記事では、すべての土台となる「100日プランの全体像」と「就任前に持っておきたい心構え」について解説します。 1. なぜ製造業の代替わりに「100日プラン」が有効なのか? 事業承継は、単に代表者の印鑑を引き継ぐことではありません。組織の風土、従業員の意識、そして取引先からの信頼を、新しいリーダーの元へ移行していくデリケートなプロセスです。 「100日」という期間が持つ特別な意味 歴史的に見ても、新しいリーダーが就任してからの「最初の100日」は特別な意味を持っています。企業経営においても、新しいトップが就任してからの最初の四半期(約100日)は、組織の方向性を決定づける重要な期間と考えられています。 この期間に時間が経ちすぎてしまうと、従業員は「新しい社長になったけれど、結局どう変わるのだろう?」と不安や不信感を抱いてしまう傾向があります。そのため、組織を変革する際のマイルストーンとして「100日」を設定し、段階的に手を打っていくアプローチが効果的とされています。 製造業特有の「見えない壁」 製造業の代替わりにおいて特有の難しさとなるのが、「業務の属人化」と「職人文化」です。 ・社長の頭の中にあるブラックボックス: 現社長がトップセールスであり、工場の生産管理から複雑な見積もり、チャージの計算まで全てを一人で把握しているケースは珍しくありません。 ・中間管理職の不在: 現場の優秀な職人を「工場長」に抜擢したものの、プレイングマネージャーとしてキャパオーバーになり機能しなかった、という過去の失敗経験を持つ企業も多いのではないでしょうか。 こうした複雑な背景がある中で、就任直後から闇雲に動くことは大きなリスクを伴います。「100日プラン」は、このリスクを最小限に抑え、着実に地盤を固めるための道しるべとなります。 2. 失敗しないための心構え:最初の100日で「やらないこと」を決める 具体的なプランの作成に入る前に、まずは新任リーダーが陥りがちな落とし穴を知り、「やらないこと」を明確にしておくことが大切です。 華々しいビジョンを急いで語らない 新体制のスタートとなると、つい大きな目標や新しいビジョンを全社に向けて語りたくなるものです。しかし、現場の状況や細かな課題を完全に把握していない段階で立派な約束をしてしまうと、後々「現場の現実を見ていない」と信頼を失うリスクがあります。 株主や従業員に対して「これからはこう変わる!」と宣言しても、長年培われた現場の心はすぐには動きません。まずは「何もしない」くらいの気持ちで立ち止まり、現場の聞き役に徹する姿勢が求められます。 現場の意見を聞かずにシステムやルールを変えない 製造現場には、長年の経験から培われてきた「暗黙のルール」や「職人の勘」が存在します。これらをデータ化・システム化して効率を上げることは今後の重要なテーマですが、現場の当事者を巻き込まずに、経営陣の視点だけで新しいルールを押し付けてしまうと、強い反発を生む原因となります。 「前職ではこうだった」「一般的にはこれが正しい」というロジックは、少なくとも最初の数ヶ月は胸の内に留めておくのが安全です。 自由裁量の支出を一旦ストップし、現状を見極める 経営の再建や立て直しを伴う交代の場合、優先すべきプロジェクトが決定するまでは、自由裁量の支出を一旦ストップさせるというアプローチも有効視されています。なんとなくこれまでの慣習で続けている発注やシステム維持費がないかを見極め、戦略に基づいた資金投下を行う準備を整えます。 3. 「社長就任100日プラン」の全体像(4つのフェーズ) では、就任日(Day 1)から100日間にわたるロードマップは、どのようなステップで描いていけばよいのでしょうか。ここでは全体像となる4つのフェーズをご紹介します。 フェーズ1:徹底的な「ヒアリング」と現状把握(Day 1 〜 Day 30) 最初の1ヶ月は、自分が「学習者」となり、耳と目と足を動かす期間です。ベテランの職人や若手スタッフの声に耳を傾け、彼らが何に不満を持ち、何に誇りを持っているのかを把握します。 フェーズ2:顧客・取引先との対話と「負の遺産」の確認(Day 31 〜 Day 60) 社内の状況が見えてきたら、次は外に目を向けます。主要な顧客を訪問し、外部から見た自社の強みと弱みを探ります。同時に、長年利益が出ていない取引や、使われていないシステムなどの「負の遺産」がないかを洗い出します。 フェーズ3:クイック・ヒット(小さな成功)の創出(Day 61 〜 Day 90) ヒアリングで見えてきた課題に対し、即効性のある改善策を実行します。たとえば「面倒な事務作業を少しだけデジタル化する」「現場の備品を新調する」など、従業員が変化のメリットをすぐに実感できる施策を行い、新体制への信頼を獲得します。 フェーズ4:ビジョンの共有と次のステップへの移行(Day 91 〜 Day 100) 100日間の終盤で、これまでのヒアリングと小さな成功を踏まえ、いよいよ中長期的な方向性を示します。ここで初めて、現場の納得感を伴った「新しい会社のビジョン」を共有することが可能になります。 4. 就任前に「手帳」に書き込んでおくべきこと 社長就任の日は、あっという間にやってきます。その日に向けて、今から手帳やスケジュール帳に書き込んでおくことをおすすめします。 100日プランを作成する際は、「現場の不満をなくす」「利益率を上げる」といった抽象的な目標ではなく、まるで日記のように具体的に行動を落とし込むことが大切です。 ・「就任10日目のランチは、現場で一番発言力のある〇〇さんと行く」 ・「最初の1ヶ月は、誰よりも早く朝7時半に出社して工場を回る」 ・「就任45日目に、見積もりの作成フローについて現社長とすり合わせの会議を入れる」 このように、誰といつ会うか、どのような行動をとるかを具体的に設計しておくことで、就任後の激務の中でも迷わずにスタートダッシュを切ることができます。 【第2章】製造業の事業承継を成功に導く「社長就任100日プラン」:ブラックボックス化した「見積もり・原価計算」の引き継ぎ方 前回の第1章では、社長交代という大きな転換期において、現場の反発を招かずに着実に地盤を固めるための「社長100日プラン」の全体像と心構えをお伝えしました。 続く第2章では、中小・中堅製造業の次期社長が、事業承継のプロセスにおいて最も大きな壁として直面しやすい「見積もり・原価計算ノウハウの引き継ぎ」に焦点を当てていきます。 「原材料や部品の価格改定があるたびに修正はしているものの、製品ごとの原価がどう積算されているか、可視化ができていない」 「見積もりが現社長一本になっており、どのようなチャージを乗せているのか、社長の頭の中だけで計算されている」 もしあなたが今、こうした状況に直面し、交代までの期間で一番の困りごととして不安を抱えているのであれば 、本記事のステップがその解決の糸口になるかもしれません。 1. なぜ「見積もり」は社長の頭の中でブラックボックス化するのか? 製造業において、見積もりは単なる数字の羅列ではありません。過去の取引先との関係性、図面から読み取る加工の難易度、工場の稼働状況、そして「この価格なら受注できるだろう」という長年の経験に基づく職人的な勘が複雑に絡み合っています。 そのため、システムが導入されていたとしても、「結局自分で計算した方が早いし正確だ」という理由から、見積もりソフトが入っていても使用率が0になっているケースも少なくありません 。 しかし、社長と数名の事務スタッフだけでバックオフィス業務全般を抱え込んでいる状態のままでは 、新しいトップが就任した後の組織の成長には限界が訪れてしまいます。将来的には、社長や特定の役員だけでなく、従業員の誰かが一つの業務として見積もりを補っていける体制づくりが不可欠です 。 2. 「社長100日プラン」に組み込む、見積もり引き継ぎの3ステップ 属人化の極みとも言える見積もり業務を、社長就任の前後(あるいは就任後の100日間)でどのように紐解いていけばよいのでしょうか。焦らず、段階を踏んで移行していくための実践的なステップをご紹介します Step 1: 「使用率ゼロ」のシステムを復活させ、パラメータを可視化する 最初のステップは、現社長の頭の中にある計算ロジックを「会社の共有言語」に翻訳することです。 いきなり全ての見積もり業務を次期社長やスタッフが巻き取るのは現実的ではありません。まずは、社内に眠っている見積もりソフトの画面を開き、「どの加工に、どれくらいのチャージ(単価や時間あたりの費用)を設定しているのか」というパラメータを少しでも見ておくことから始めるとスムーズです 。 ・具体的なアクション: 過去に受注した代表的な製品をいくつかピックアップし、現社長と一緒に見積もりソフトに数値を入力してみます。ここで重要なのは、ソフトの計算結果と現社長の頭の中の数字の「ズレ」がなぜ起きるのかをヒアリングし、その調整ロジック(パラメータ)を言語化していくことです。 Step 2: 「横の連携」による並走期間を設ける パラメータの基準が見えてきたら、次は実際の業務フローの中で並走(シャドーイング)を行います。 次期社長が完全に一人で見積もりを出すのではなく、見積もりの依頼が来た際に、まずは新しい基準(ソフトのパラメータなど)をベースに概算を出します。その上で、社長との横の連携を通じて詳細を詰めていくというアプローチが効果的です 。 ・具体的なアクション: 「自分(または生産管理スタッフ)が一次見積もりを作成する」→「現社長がチェックし、微調整を加える」というフローを定着させます。この並走期間を通じて、マニュアル化できない微妙な「勘所」を少しずつ吸収していきます。 Step 3: 中長期ビジョンに向けた業務の切り出し 就任後の100日プランが後半に差し掛かる頃には、社長自身が見積もり業務から少しずつ手を引き、他の社員に業務を移譲していく準備を始めます。 現社長からのノウハウ継承が進めば、長期的には次期社長自身でなくても、従業員の誰もが対応できる体制へと移行することが可能になります 。例えば、生産管理のスタッフに見積もりの一次作成を兼任してもらうなど、業務を一つのプロセスとして補い合える組織づくりを見据えていきます 。 3. 「任せる不安」を払拭するための評価と仕組みづくり 見積もりや生産管理といった重要業務を従業員に任せていく過程では、「本当にこの人に任せて大丈夫だろうか?」という不安がつきものです。 こうした定性的な不安や、数値化できない部分を測りながら従業員に役割を伝えていく局面は、今後社長として何度も直面することになります。 ここで大切になるのが、業務を任せる理由と期待する役割を、感情論ではなく客観的に伝えてあげる仕組みです。 「これだけの領域ができるから、この役割(見積もり作成など)を与えている」と、従業員本人や周囲のスタッフに理解してもらうためのツールとして、透明性の高い評価制度が役立ちます。 見積もりのロジックを可視化することと、人を評価する基準を可視化することは、実は「ブラックボックスをなくし、組織をチームとして機能させる」という点で共通しています。 4. 見積もりの脱・属人化は、工場DXの「クイック・ヒット」になる 「社長100日プラン」を成功させるためには、就任初期に小さな成功体験(クイック・ヒット)を生み出し、社内に「変わることのメリット」を実感してもらうことが重要です。 使用されていなかった見積もりソフトを再稼働させたり、Excelで属人的に管理されていた原価データを一覧化したりすることは、まさに「工場DX(デジタルトランスフォーメーション)」の第一歩です。 長年、社長の頭の中にしかなかった情報がデータとして共有されるようになれば、生産管理や営業のスタッフも「この製品はどれくらい利益が出ているのか」を意識して動けるようになります。これは、組織の風土を変えるための非常に強力なクイック・ヒットとなります。 「社長の頭の中」をシステムに落とし込む方法、一緒に考えませんか? 「頭では分かっているけれど、何十年も社長の勘でやってきた見積もりを、どうやってデータに置き換えればいいのか分からない」 「導入したままホコリを被っているシステムを、社長就任のタイミングでなんとか復活させたい」 このようなお悩みを抱える次期社長様、あるいはスムーズな引き継ぎを模索されている現社長様は、ぜひ一度工場DX.com(https://smart-factory.funaisoken.co.jp/)にご相談ください。 貴社に眠っているノウハウを丁寧にヒアリングし、現場に無理なく定着する形での「見積もりの標準化」と「システム活用」をサポートいたします。事業承継という大きな転換期を、工場DXで確実な前進へと変えていきましょう。 【第3章】製造業の事業承継を成功に導く「社長就任100日プラン」:若手の抜擢と古参社員の反発を乗り越える組織づくり これまでの連載では、社長就任における100日プランの全体像(第1章)と、ブラックボックス化しやすい見積もり・原価計算の引き継ぎ方(第2章)についてお伝えしてきました。 続く第3章では、業務の引き継ぎと並行して必ず直面する「人間関係と組織づくり」の壁に切り込んでいきます。 「社長と自分の下には、部長や課長といった中間管理職が誰一人いないフラットな組織になっている」 「将来を見据えて20代の優秀な右腕候補をリーダーに引き上げたいが、40代・50代のベテラン社員から反発されないか心配だ」 事業承継を目前に控え、このような組織体制の不安を抱えている次期社長の方は非常に多くいらっしゃいます 。社長が現場の全責任を負う「トップダウン型の組織」から、中間層が自走する「ピラミッド型の組織」へと移行していくための実践的なアプローチを見ていきましょう。 1. 過去の失敗から学ぶ「プレイングマネージャー」の罠 組織に中間管理職を置こうと考えたとき、製造業で最も陥りやすいのが「現場で一番スキルの高い職人を、そのまま工場長(または製造部長)に任命してしまう」というケースです 。 確かに、技術力が突出している人は現場からの信頼も厚く、一見すると適任に思えます。しかし、直接的な製造作業を抱えたまま管理職の役割を担わせると、高い確率でキャパシティオーバーを引き起こしてしまいます。 結果として、現場の判断がその新工場長に集中し、「工場長に相談したけれど、忙しそうで回答がもらえない」といったボトルネックが発生し、かえって現場の不満を溜め込んでしまう歴史を持つ企業も少なくありません 。 プレイヤーとマネージャーを切り離す勇気 この失敗を繰り返さないためのカギは、管理職という重責を与える人材を「作業従事者」から思い切って外すことです 。 「彼の手が現場から離れるのはもったいない」と感じるかもしれませんが、マネジメントや部下の育成、全体最適化といった業務は、片手間でできるほど甘いものではありません。新しい役職者には、管理業務に専念できる環境と権限を与えることが、組織を円滑に回すための第一歩となります 。 2. 若手抜擢に伴う「ベテラン層の反発」をどう乗り越えるか 組織を若返らせ、次世代の体制を作っていく上で、入社数年目の20代の若手を思い切ってリーダーや工場長クラスに引き上げたいと考える場面もあるでしょう 。本人の能力や処理能力に申し分がなくても、一番の懸念材料となるのが「周囲の反応」です。 何十年も会社を支えてきた40代・50代のベテラン層からすれば、「こんな若造の下で働けるか」という感情的なしこりが生まれるのは、ある意味で自然なことです。 このデリケートな問題に対し、新社長が取るべきアクションは大きく2つあります。 新社長自身の「覚悟」と「全責任を負う姿勢」を示す 最も重要なのは、社長自身が矢面に立ち、その決定を言い切る姿勢です 。「彼をリーダーにするのは私の決断であり、その結果に対する責任はすべて私が負う」という強いメッセージを、現場のベテラン層に直接伝えることが求められます。 「社長がそこまで言うなら、一度信じて任せてみよう」。ベテラン社員にそう思ってもらえるだけの誠実な対話と、逃げない姿勢を見せることが、新しいリーダーを守る最大の盾となります。 「感情論」を排除し、「客観的な役割」で説明する もう一つのアプローチは、抜擢の理由を「なんとなく優秀だから」という曖昧な評価ではなく、明確な「会社が求める役割」として説明することです。 「これだけのマネジメント領域をカバーできる能力があるから、彼にこの役割を与えている。皆さんもぜひ理解して協力してほしい」と、客観的な事実に基づいて伝えることが大切です。 3. 「評価制度」を組織の共通言語にする 若手の抜擢や、新しい役職の設置を現場に納得してもらうために、非常に強力なツールとなるのが「透明性の高い人事評価制度」です。 製造業の現場スタッフに対する評価は、どの機械を操作できるか、どの加工技術を持っているかといった「スキルマップ」が中心になる傾向があります。しかし、管理職に求められる評価基準はそれとはまったく異なります。 「部下を育成できているか」「現場のトラブルを未然に防ぐ仕組みを作れているか」といったマネジメントの領域ができているかどうかが、管理職の評価軸となります。 この「評価軸の違い」を全社で共有しておくことで、ベテラン社員に対しても「あなたは現場のプロフェッショナルとして最高ランクの評価と待遇を用意している。一方で、彼はマネジメントのプロとしての役割を担っている」と、それぞれを尊重したコミュニケーションが可能になります。 評価制度は、単に給与を決めるためのものではなく、「会社が誰に、何を求めているか」を示すメッセージそのものなのです。 4. 新たな管理職を支える「工場DX」という強力な武器 社長就任100日プランの中で、組織体制の変革を進める際、新しく任命された中間管理職が「やっぱり忙しすぎてマネジメントに手が回らない」とパンクしてしまっては元も子もありません。 彼らが「人」と向き合う時間を作るために不可欠なのが、工場DX(デジタルトランスフォーメーション)による業務効率化です。 ・日報や報告業務のデジタル化: 紙の集計に時間を取られるのではなく、タブレット入力などで即座にデータ化することで、管理職は「状況の把握」ではなく「改善の思考」に時間を使えます。 ・不良やトラブルの蓄積: 現場の不良トラブル会議の議事録をデータとして蓄積し、システムに入れておくだけでも、品質不良の傾向分析が容易になり、管理職の負担を大幅に軽減できます。 新しい管理職に対して、「君にこの部署を任せる。その代わり、このデジタルツールを使って、これまで時間を奪われていた事務作業はどんどん自動化してほしい」とセットで提案することが、彼らの成功を後押しする最大のサポートとなります。 【第4章】製造業の事業承継を成功に導く「社長就任100日プラン」:属人化からの脱却と自走する組織の総仕上げ これまでの連載では、社長就任における100日プランの全体像(第1章)、見積もり・原価計算の引き継ぎ(第2章)、そして若手抜擢と古参社員の反発を乗り越える組織づくり(第3章)についてお伝えしてきました。 いよいよ本連載の最終章となる第4章では、100日プランの後半戦(Day 61〜100)に焦点を当てます。 現状、社長と専務(あるいは数名の事務員)だけで、営業から見積もりまでバックオフィス系の業務を全て抱え込んでいるという製造業は決して珍しくありません 。しかし、企業が次のステージへ進むためには、この「トップ依存」の状態から抜け出し、従業員がひとつの業務としてお互いを補い合える体制づくりが不可欠となります。 新しい中間管理職を定着させ、評価制度を組織の共通言語として機能させながら、100日間の総仕上げを行うための具体的なステップを詳しく見ていきましょう。 1. 脱・トップ依存:バックオフィス業務の分散と「任せる」技術 社長や専務が現場の最前線に立ち続け、あらゆる判断を下すスタイルは、創業期や成長期においては非常に強力な武器でした。しかし、組織の規模が大きくなり、代替わりの時期を迎えると、そのスタイル自体がボトルネックへと変化してしまいます。 これまでは社長と専務の2トップ体制で、事務員1名を交えてバックオフィス業務のすべてを回していたとします。この状態から、営業や見積もりといった重要業務を少しずつ従業員へ移譲していくためには、計画的なアプローチが求められます。 業務を「切り分け可能なプロセス」に分解する いきなり「明日からこの業務を全て任せる」と伝えても、現場は混乱するばかりです。まずは、属人化している業務をプロセスごとに分解します。 例えば、見積もり業務であれば、以下のように分けられます。 ・ 図面の読み込みと必要な加工工程のピックアップ ・システムへのパラメータ入力と一次概算の算出 ・過去の取引実績や市況を考慮した最終価格の調整 このうち、「1」と「2」のプロセスを生産管理スタッフなどの従業員に任せ、社長や専務は「3」の最終チェックと承認に専念するという体制を作ります 。業務全体ではなく、プロセスの一部を切り出して任せることで、従業員も心理的なハードルを下げて取り組むことが可能になります。 2. 新体制の要となる「中間管理職」へのフォローアップ 第3章で触れたように、フラットな組織から脱却し、部長や課長といった中間管理職を育てていくことは、中長期的な組織の安定において極めて重要です。 しかし、新たに役職に就いた人材(例えば、入社から育て上げてきた20代の若手右腕候補など)が、初めから完璧にマネジメントをこなせるわけではありません 。100日プランの後半では、彼らが壁にぶつかっていないか、キャパシティオーバーになっていないかを注意深く観察し、フォローアップを行う期間となります。 過去の教訓を活かし、「判断の滞留」を防ぐ かつて、スキルの高い職人を工場長に据えた結果、現場の作業と管理業務の板挟みになり、現場からの相談に対して回答が滞ってしまったという苦い経験を持つ企業もあるのではないでしょうか。 こうした事態を防ぐため、新社長は定期的に新任の管理職と1on1(個別面談)の時間を設けることをおすすめします。「現場からの相談事項で、判断に迷って止まっているものはないか」「直接的な製造作業に引っ張られすぎていないか」を確認し、必要であれば業務量の調整や、社長自身の判断でサポートに入ります。 矢面に立ち、新しいリーダーを守る 特に若い人材を抜擢した場合、年上のベテラン社員から冷ややかな視線を向けられたり、指示がうまく通らなかったりする場面も想定されます。 ここで大切なのは、社長がしっかりと矢面に立ち、「彼にこの役割を与えたのは自分であり、その結果責任も自分が負う」という姿勢を見せ続けることです 。社長が本気で新しいリーダーを支え、信頼している姿を見せることで、現場の空気は少しずつ、しかし確実に変化していきます。 3. 評価制度の運用開始:感情論を排除し「納得感」を醸成する 新しい体制や役職者の抜擢に対して、周囲の従業員に理解してもらうための最も有効なツールが、評価制度の適切な運用です。 組織の中で役割が変われば、当然ながら評価の基準も変わります。この違いを明確に言語化し、全社で共有しておくことが、不要な摩擦を防ぐカギとなります。 現場スタッフとマネジメント層での「評価軸の違い」 実際に制度を運用していく上では、現場で働くスタッフと、部下を持つマネジメント層とで、評価の基準が全く異なってくることを伝える必要があります。 ・現場スタッフの評価軸: どのような機械を操作できるか、図面をどこまで読み込めるかといった「スキルマップ」が評価の中心となります。 ・マネジメント層の評価軸: 個人の作業スキルではなく、「チームの生産性を上げているか」「部下を育成できているか」といったマネジメント領域ができているかが問われます。 「なぜ彼が評価されているのか」を客観的に伝える もし、ベテラン社員から「なぜあんな若い社員がリーダーなんだ」と不満の声が上がった場合、感情論で反論するのではなく、この評価制度をベースに説明することが効果的です。 「彼はマネジメントという領域において、これだけの基準を満たしているからこの役割をお願いしている。皆さんもこのマネジメント領域を目指すのであれば、こういうステップがある」と、客観的な事実に基づいたコミュニケーションをとることで、周囲の納得感は大きく向上します。 4. 第4フェーズ(Day 61〜100)のアクションプラン詳細 それでは、100日プランの最終フェーズとなるDay 61〜100の具体的なアクションプランを時系列で整理してみましょう。 ・Day 61〜75:新体制のモニタリングと微調整 ○ 新しく任命した中間管理職や、業務を引き継いだスタッフの稼働状況を確認します。 ○ 過去の失敗(プレイングマネージャー化によるキャパオーバー)を繰り返していないか、現場のヒアリングを通じて検証し、無理があれば業務配分をただちに見直します。 ・Day 76〜90:バックオフィス業務の本格移譲と定着化 ○ これまで社長と専務だけで抱えていた見積もり作成や営業対応の一部を、従業員に本格的に移譲する運用をテストします。 ○ 評価制度の基準に沿って、各従業員に「今、会社から何を期待されているか」をフィードバックする面談を実施します。 ・Day 91〜100:100日目の総括と、未来へ向けたビジョン共有 ○ 就任からの100日間で得られた小さな成功(クイック・ヒット)を全社で共有します。例えば「見積もりの一次出しがスムーズになった」「新しいリーダーの元で、不良報告の会議が効率化された」といった成果です。 ○ その上で、次期社長の口から「これからの会社が目指す方向性(ビジョン)」を改めて全社員に向けて力強く発信します。 5. 100日目以降の未来:工場DXで「自走する組織」へ 100日間という期間は、あくまで新しい船出のための助走期間に過ぎません。社長就任100日プランを完走した後に目指すのは、社長がいなくても中間管理職が的確な判断を下し、現場のスタッフが誇りを持って働き、バックオフィス業務が滞りなく回る「自走する組織」です。 そして、この自走する組織を根底から支え、さらに加速させるための強力なエンジンとなるのが「工場DX(デジタルトランスフォーメーション)」です。 ・社長の頭の中にしかなかった見積もりノウハウを、誰もが使えるシステムへと落とし込む。 ・現場の紙の日報をデジタル化し、新任の管理職がマネジメントに集中できる時間を作り出す。 ・不良トラブルのデータを蓄積し、属人的な勘ではなく、データに基づいた品質改善の議論を可能にする。 これらはすべて、工場DXがもたらす具体的なメリットです。DXは決して目的ではなく、貴社が抱える「人の問題」や「組織の壁」を突破するための手段に他なりません。 自走する次世代の工場づくり、私たちにお任せください 「評価制度を導入して中間層を育てたいが、自社に合った設計方法がわからない」 「バックオフィス業務を従業員に分散させるために、最適なデジタルツールを知りたい」 「社長交代のこの機に、長年のアナログな体質を根本から見直したい」 事業承継という大きな節目は、企業が生まれ変わるための最大のチャンスです。 工場DX.com(https://smart-factory.funaisoken.co.jp/)では、単なるツールの導入支援にとどまらず、製造業特有の人間関係や組織風土に深く寄り添い、貴社にとって本当に必要な改革を二人三脚で伴走いたします。 先代が築き上げた確かな技術と信頼を受け継ぎながら、次の世代へと力強くバトンを繋ぐために。 まずは、貴社が抱える現状のお悩みをお聞かせください。未来の「自走する工場」に向けた第一歩を、私たちと一緒に踏み出してみませんか? 相談はこちらから https://www.funaisoken.co.jp/form/consulting?siteno=S045 【第1章】製造業の事業承継を成功に導く「社長就任100日プラン」:全体像と就任前の心構え 中小・中堅製造業において、社長交代は企業にとって最も大きな転換期の一つです。特に、創業者や長年会社を引っ張ってきたカリスマ的な現社長からバトンを受け取る次期社長にとって、そのプレッシャーは計り知れないものがあるのではないでしょうか。 「先代の頭の中にしかない見積もりのノウハウを、どうやって引き継げばいいのか」 「現場の古参社員たちが、新しい体制についてきてくれるだろうか」 「社長と現場の間に立つ『中間管理職』が不在のまま、どう組織を回せばいいのか」 こうした悩みは、製造業の代替わりにおいて非常に多く聞かれるリアルな声です。本連載では、これらの悩みに寄り添いながら、経営のバトンタッチをスムーズに行い、新たな組織のスタートダッシュを成功させるための具体的なロードマップを数回に分けて紐解いていきます。 第1章となる本記事では、すべての土台となる「100日プランの全体像」と「就任前に持っておきたい心構え」について解説します。 1. なぜ製造業の代替わりに「100日プラン」が有効なのか? 事業承継は、単に代表者の印鑑を引き継ぐことではありません。組織の風土、従業員の意識、そして取引先からの信頼を、新しいリーダーの元へ移行していくデリケートなプロセスです。 「100日」という期間が持つ特別な意味 歴史的に見ても、新しいリーダーが就任してからの「最初の100日」は特別な意味を持っています。企業経営においても、新しいトップが就任してからの最初の四半期(約100日)は、組織の方向性を決定づける重要な期間と考えられています。 この期間に時間が経ちすぎてしまうと、従業員は「新しい社長になったけれど、結局どう変わるのだろう?」と不安や不信感を抱いてしまう傾向があります。そのため、組織を変革する際のマイルストーンとして「100日」を設定し、段階的に手を打っていくアプローチが効果的とされています。 製造業特有の「見えない壁」 製造業の代替わりにおいて特有の難しさとなるのが、「業務の属人化」と「職人文化」です。 ・社長の頭の中にあるブラックボックス: 現社長がトップセールスであり、工場の生産管理から複雑な見積もり、チャージの計算まで全てを一人で把握しているケースは珍しくありません。 ・中間管理職の不在: 現場の優秀な職人を「工場長」に抜擢したものの、プレイングマネージャーとしてキャパオーバーになり機能しなかった、という過去の失敗経験を持つ企業も多いのではないでしょうか。 こうした複雑な背景がある中で、就任直後から闇雲に動くことは大きなリスクを伴います。「100日プラン」は、このリスクを最小限に抑え、着実に地盤を固めるための道しるべとなります。 2. 失敗しないための心構え:最初の100日で「やらないこと」を決める 具体的なプランの作成に入る前に、まずは新任リーダーが陥りがちな落とし穴を知り、「やらないこと」を明確にしておくことが大切です。 華々しいビジョンを急いで語らない 新体制のスタートとなると、つい大きな目標や新しいビジョンを全社に向けて語りたくなるものです。しかし、現場の状況や細かな課題を完全に把握していない段階で立派な約束をしてしまうと、後々「現場の現実を見ていない」と信頼を失うリスクがあります。 株主や従業員に対して「これからはこう変わる!」と宣言しても、長年培われた現場の心はすぐには動きません。まずは「何もしない」くらいの気持ちで立ち止まり、現場の聞き役に徹する姿勢が求められます。 現場の意見を聞かずにシステムやルールを変えない 製造現場には、長年の経験から培われてきた「暗黙のルール」や「職人の勘」が存在します。これらをデータ化・システム化して効率を上げることは今後の重要なテーマですが、現場の当事者を巻き込まずに、経営陣の視点だけで新しいルールを押し付けてしまうと、強い反発を生む原因となります。 「前職ではこうだった」「一般的にはこれが正しい」というロジックは、少なくとも最初の数ヶ月は胸の内に留めておくのが安全です。 自由裁量の支出を一旦ストップし、現状を見極める 経営の再建や立て直しを伴う交代の場合、優先すべきプロジェクトが決定するまでは、自由裁量の支出を一旦ストップさせるというアプローチも有効視されています。なんとなくこれまでの慣習で続けている発注やシステム維持費がないかを見極め、戦略に基づいた資金投下を行う準備を整えます。 3. 「社長就任100日プラン」の全体像(4つのフェーズ) では、就任日(Day 1)から100日間にわたるロードマップは、どのようなステップで描いていけばよいのでしょうか。ここでは全体像となる4つのフェーズをご紹介します。 フェーズ1:徹底的な「ヒアリング」と現状把握(Day 1 〜 Day 30) 最初の1ヶ月は、自分が「学習者」となり、耳と目と足を動かす期間です。ベテランの職人や若手スタッフの声に耳を傾け、彼らが何に不満を持ち、何に誇りを持っているのかを把握します。 フェーズ2:顧客・取引先との対話と「負の遺産」の確認(Day 31 〜 Day 60) 社内の状況が見えてきたら、次は外に目を向けます。主要な顧客を訪問し、外部から見た自社の強みと弱みを探ります。同時に、長年利益が出ていない取引や、使われていないシステムなどの「負の遺産」がないかを洗い出します。 フェーズ3:クイック・ヒット(小さな成功)の創出(Day 61 〜 Day 90) ヒアリングで見えてきた課題に対し、即効性のある改善策を実行します。たとえば「面倒な事務作業を少しだけデジタル化する」「現場の備品を新調する」など、従業員が変化のメリットをすぐに実感できる施策を行い、新体制への信頼を獲得します。 フェーズ4:ビジョンの共有と次のステップへの移行(Day 91 〜 Day 100) 100日間の終盤で、これまでのヒアリングと小さな成功を踏まえ、いよいよ中長期的な方向性を示します。ここで初めて、現場の納得感を伴った「新しい会社のビジョン」を共有することが可能になります。 4. 就任前に「手帳」に書き込んでおくべきこと 社長就任の日は、あっという間にやってきます。その日に向けて、今から手帳やスケジュール帳に書き込んでおくことをおすすめします。 100日プランを作成する際は、「現場の不満をなくす」「利益率を上げる」といった抽象的な目標ではなく、まるで日記のように具体的に行動を落とし込むことが大切です。 ・「就任10日目のランチは、現場で一番発言力のある〇〇さんと行く」 ・「最初の1ヶ月は、誰よりも早く朝7時半に出社して工場を回る」 ・「就任45日目に、見積もりの作成フローについて現社長とすり合わせの会議を入れる」 このように、誰といつ会うか、どのような行動をとるかを具体的に設計しておくことで、就任後の激務の中でも迷わずにスタートダッシュを切ることができます。 【第2章】製造業の事業承継を成功に導く「社長就任100日プラン」:ブラックボックス化した「見積もり・原価計算」の引き継ぎ方 前回の第1章では、社長交代という大きな転換期において、現場の反発を招かずに着実に地盤を固めるための「社長100日プラン」の全体像と心構えをお伝えしました。 続く第2章では、中小・中堅製造業の次期社長が、事業承継のプロセスにおいて最も大きな壁として直面しやすい「見積もり・原価計算ノウハウの引き継ぎ」に焦点を当てていきます。 「原材料や部品の価格改定があるたびに修正はしているものの、製品ごとの原価がどう積算されているか、可視化ができていない」 「見積もりが現社長一本になっており、どのようなチャージを乗せているのか、社長の頭の中だけで計算されている」 もしあなたが今、こうした状況に直面し、交代までの期間で一番の困りごととして不安を抱えているのであれば 、本記事のステップがその解決の糸口になるかもしれません。 1. なぜ「見積もり」は社長の頭の中でブラックボックス化するのか? 製造業において、見積もりは単なる数字の羅列ではありません。過去の取引先との関係性、図面から読み取る加工の難易度、工場の稼働状況、そして「この価格なら受注できるだろう」という長年の経験に基づく職人的な勘が複雑に絡み合っています。 そのため、システムが導入されていたとしても、「結局自分で計算した方が早いし正確だ」という理由から、見積もりソフトが入っていても使用率が0になっているケースも少なくありません 。 しかし、社長と数名の事務スタッフだけでバックオフィス業務全般を抱え込んでいる状態のままでは 、新しいトップが就任した後の組織の成長には限界が訪れてしまいます。将来的には、社長や特定の役員だけでなく、従業員の誰かが一つの業務として見積もりを補っていける体制づくりが不可欠です 。 2. 「社長100日プラン」に組み込む、見積もり引き継ぎの3ステップ 属人化の極みとも言える見積もり業務を、社長就任の前後(あるいは就任後の100日間)でどのように紐解いていけばよいのでしょうか。焦らず、段階を踏んで移行していくための実践的なステップをご紹介します Step 1: 「使用率ゼロ」のシステムを復活させ、パラメータを可視化する 最初のステップは、現社長の頭の中にある計算ロジックを「会社の共有言語」に翻訳することです。 いきなり全ての見積もり業務を次期社長やスタッフが巻き取るのは現実的ではありません。まずは、社内に眠っている見積もりソフトの画面を開き、「どの加工に、どれくらいのチャージ(単価や時間あたりの費用)を設定しているのか」というパラメータを少しでも見ておくことから始めるとスムーズです 。 ・具体的なアクション: 過去に受注した代表的な製品をいくつかピックアップし、現社長と一緒に見積もりソフトに数値を入力してみます。ここで重要なのは、ソフトの計算結果と現社長の頭の中の数字の「ズレ」がなぜ起きるのかをヒアリングし、その調整ロジック(パラメータ)を言語化していくことです。 Step 2: 「横の連携」による並走期間を設ける パラメータの基準が見えてきたら、次は実際の業務フローの中で並走(シャドーイング)を行います。 次期社長が完全に一人で見積もりを出すのではなく、見積もりの依頼が来た際に、まずは新しい基準(ソフトのパラメータなど)をベースに概算を出します。その上で、社長との横の連携を通じて詳細を詰めていくというアプローチが効果的です 。 ・具体的なアクション: 「自分(または生産管理スタッフ)が一次見積もりを作成する」→「現社長がチェックし、微調整を加える」というフローを定着させます。この並走期間を通じて、マニュアル化できない微妙な「勘所」を少しずつ吸収していきます。 Step 3: 中長期ビジョンに向けた業務の切り出し 就任後の100日プランが後半に差し掛かる頃には、社長自身が見積もり業務から少しずつ手を引き、他の社員に業務を移譲していく準備を始めます。 現社長からのノウハウ継承が進めば、長期的には次期社長自身でなくても、従業員の誰もが対応できる体制へと移行することが可能になります 。例えば、生産管理のスタッフに見積もりの一次作成を兼任してもらうなど、業務を一つのプロセスとして補い合える組織づくりを見据えていきます 。 3. 「任せる不安」を払拭するための評価と仕組みづくり 見積もりや生産管理といった重要業務を従業員に任せていく過程では、「本当にこの人に任せて大丈夫だろうか?」という不安がつきものです。 こうした定性的な不安や、数値化できない部分を測りながら従業員に役割を伝えていく局面は、今後社長として何度も直面することになります。 ここで大切になるのが、業務を任せる理由と期待する役割を、感情論ではなく客観的に伝えてあげる仕組みです。 「これだけの領域ができるから、この役割(見積もり作成など)を与えている」と、従業員本人や周囲のスタッフに理解してもらうためのツールとして、透明性の高い評価制度が役立ちます。 見積もりのロジックを可視化することと、人を評価する基準を可視化することは、実は「ブラックボックスをなくし、組織をチームとして機能させる」という点で共通しています。 4. 見積もりの脱・属人化は、工場DXの「クイック・ヒット」になる 「社長100日プラン」を成功させるためには、就任初期に小さな成功体験(クイック・ヒット)を生み出し、社内に「変わることのメリット」を実感してもらうことが重要です。 使用されていなかった見積もりソフトを再稼働させたり、Excelで属人的に管理されていた原価データを一覧化したりすることは、まさに「工場DX(デジタルトランスフォーメーション)」の第一歩です。 長年、社長の頭の中にしかなかった情報がデータとして共有されるようになれば、生産管理や営業のスタッフも「この製品はどれくらい利益が出ているのか」を意識して動けるようになります。これは、組織の風土を変えるための非常に強力なクイック・ヒットとなります。 「社長の頭の中」をシステムに落とし込む方法、一緒に考えませんか? 「頭では分かっているけれど、何十年も社長の勘でやってきた見積もりを、どうやってデータに置き換えればいいのか分からない」 「導入したままホコリを被っているシステムを、社長就任のタイミングでなんとか復活させたい」 このようなお悩みを抱える次期社長様、あるいはスムーズな引き継ぎを模索されている現社長様は、ぜひ一度工場DX.com(https://smart-factory.funaisoken.co.jp/)にご相談ください。 貴社に眠っているノウハウを丁寧にヒアリングし、現場に無理なく定着する形での「見積もりの標準化」と「システム活用」をサポートいたします。事業承継という大きな転換期を、工場DXで確実な前進へと変えていきましょう。 【第3章】製造業の事業承継を成功に導く「社長就任100日プラン」:若手の抜擢と古参社員の反発を乗り越える組織づくり これまでの連載では、社長就任における100日プランの全体像(第1章)と、ブラックボックス化しやすい見積もり・原価計算の引き継ぎ方(第2章)についてお伝えしてきました。 続く第3章では、業務の引き継ぎと並行して必ず直面する「人間関係と組織づくり」の壁に切り込んでいきます。 「社長と自分の下には、部長や課長といった中間管理職が誰一人いないフラットな組織になっている」 「将来を見据えて20代の優秀な右腕候補をリーダーに引き上げたいが、40代・50代のベテラン社員から反発されないか心配だ」 事業承継を目前に控え、このような組織体制の不安を抱えている次期社長の方は非常に多くいらっしゃいます 。社長が現場の全責任を負う「トップダウン型の組織」から、中間層が自走する「ピラミッド型の組織」へと移行していくための実践的なアプローチを見ていきましょう。 1. 過去の失敗から学ぶ「プレイングマネージャー」の罠 組織に中間管理職を置こうと考えたとき、製造業で最も陥りやすいのが「現場で一番スキルの高い職人を、そのまま工場長(または製造部長)に任命してしまう」というケースです 。 確かに、技術力が突出している人は現場からの信頼も厚く、一見すると適任に思えます。しかし、直接的な製造作業を抱えたまま管理職の役割を担わせると、高い確率でキャパシティオーバーを引き起こしてしまいます。 結果として、現場の判断がその新工場長に集中し、「工場長に相談したけれど、忙しそうで回答がもらえない」といったボトルネックが発生し、かえって現場の不満を溜め込んでしまう歴史を持つ企業も少なくありません 。 プレイヤーとマネージャーを切り離す勇気 この失敗を繰り返さないためのカギは、管理職という重責を与える人材を「作業従事者」から思い切って外すことです 。 「彼の手が現場から離れるのはもったいない」と感じるかもしれませんが、マネジメントや部下の育成、全体最適化といった業務は、片手間でできるほど甘いものではありません。新しい役職者には、管理業務に専念できる環境と権限を与えることが、組織を円滑に回すための第一歩となります 。 2. 若手抜擢に伴う「ベテラン層の反発」をどう乗り越えるか 組織を若返らせ、次世代の体制を作っていく上で、入社数年目の20代の若手を思い切ってリーダーや工場長クラスに引き上げたいと考える場面もあるでしょう 。本人の能力や処理能力に申し分がなくても、一番の懸念材料となるのが「周囲の反応」です。 何十年も会社を支えてきた40代・50代のベテラン層からすれば、「こんな若造の下で働けるか」という感情的なしこりが生まれるのは、ある意味で自然なことです。 このデリケートな問題に対し、新社長が取るべきアクションは大きく2つあります。 新社長自身の「覚悟」と「全責任を負う姿勢」を示す 最も重要なのは、社長自身が矢面に立ち、その決定を言い切る姿勢です 。「彼をリーダーにするのは私の決断であり、その結果に対する責任はすべて私が負う」という強いメッセージを、現場のベテラン層に直接伝えることが求められます。 「社長がそこまで言うなら、一度信じて任せてみよう」。ベテラン社員にそう思ってもらえるだけの誠実な対話と、逃げない姿勢を見せることが、新しいリーダーを守る最大の盾となります。 「感情論」を排除し、「客観的な役割」で説明する もう一つのアプローチは、抜擢の理由を「なんとなく優秀だから」という曖昧な評価ではなく、明確な「会社が求める役割」として説明することです。 「これだけのマネジメント領域をカバーできる能力があるから、彼にこの役割を与えている。皆さんもぜひ理解して協力してほしい」と、客観的な事実に基づいて伝えることが大切です。 3. 「評価制度」を組織の共通言語にする 若手の抜擢や、新しい役職の設置を現場に納得してもらうために、非常に強力なツールとなるのが「透明性の高い人事評価制度」です。 製造業の現場スタッフに対する評価は、どの機械を操作できるか、どの加工技術を持っているかといった「スキルマップ」が中心になる傾向があります。しかし、管理職に求められる評価基準はそれとはまったく異なります。 「部下を育成できているか」「現場のトラブルを未然に防ぐ仕組みを作れているか」といったマネジメントの領域ができているかどうかが、管理職の評価軸となります。 この「評価軸の違い」を全社で共有しておくことで、ベテラン社員に対しても「あなたは現場のプロフェッショナルとして最高ランクの評価と待遇を用意している。一方で、彼はマネジメントのプロとしての役割を担っている」と、それぞれを尊重したコミュニケーションが可能になります。 評価制度は、単に給与を決めるためのものではなく、「会社が誰に、何を求めているか」を示すメッセージそのものなのです。 4. 新たな管理職を支える「工場DX」という強力な武器 社長就任100日プランの中で、組織体制の変革を進める際、新しく任命された中間管理職が「やっぱり忙しすぎてマネジメントに手が回らない」とパンクしてしまっては元も子もありません。 彼らが「人」と向き合う時間を作るために不可欠なのが、工場DX(デジタルトランスフォーメーション)による業務効率化です。 ・日報や報告業務のデジタル化: 紙の集計に時間を取られるのではなく、タブレット入力などで即座にデータ化することで、管理職は「状況の把握」ではなく「改善の思考」に時間を使えます。 ・不良やトラブルの蓄積: 現場の不良トラブル会議の議事録をデータとして蓄積し、システムに入れておくだけでも、品質不良の傾向分析が容易になり、管理職の負担を大幅に軽減できます。 新しい管理職に対して、「君にこの部署を任せる。その代わり、このデジタルツールを使って、これまで時間を奪われていた事務作業はどんどん自動化してほしい」とセットで提案することが、彼らの成功を後押しする最大のサポートとなります。 【第4章】製造業の事業承継を成功に導く「社長就任100日プラン」:属人化からの脱却と自走する組織の総仕上げ これまでの連載では、社長就任における100日プランの全体像(第1章)、見積もり・原価計算の引き継ぎ(第2章)、そして若手抜擢と古参社員の反発を乗り越える組織づくり(第3章)についてお伝えしてきました。 いよいよ本連載の最終章となる第4章では、100日プランの後半戦(Day 61〜100)に焦点を当てます。 現状、社長と専務(あるいは数名の事務員)だけで、営業から見積もりまでバックオフィス系の業務を全て抱え込んでいるという製造業は決して珍しくありません 。しかし、企業が次のステージへ進むためには、この「トップ依存」の状態から抜け出し、従業員がひとつの業務としてお互いを補い合える体制づくりが不可欠となります。 新しい中間管理職を定着させ、評価制度を組織の共通言語として機能させながら、100日間の総仕上げを行うための具体的なステップを詳しく見ていきましょう。 1. 脱・トップ依存:バックオフィス業務の分散と「任せる」技術 社長や専務が現場の最前線に立ち続け、あらゆる判断を下すスタイルは、創業期や成長期においては非常に強力な武器でした。しかし、組織の規模が大きくなり、代替わりの時期を迎えると、そのスタイル自体がボトルネックへと変化してしまいます。 これまでは社長と専務の2トップ体制で、事務員1名を交えてバックオフィス業務のすべてを回していたとします。この状態から、営業や見積もりといった重要業務を少しずつ従業員へ移譲していくためには、計画的なアプローチが求められます。 業務を「切り分け可能なプロセス」に分解する いきなり「明日からこの業務を全て任せる」と伝えても、現場は混乱するばかりです。まずは、属人化している業務をプロセスごとに分解します。 例えば、見積もり業務であれば、以下のように分けられます。 ・ 図面の読み込みと必要な加工工程のピックアップ ・システムへのパラメータ入力と一次概算の算出 ・過去の取引実績や市況を考慮した最終価格の調整 このうち、「1」と「2」のプロセスを生産管理スタッフなどの従業員に任せ、社長や専務は「3」の最終チェックと承認に専念するという体制を作ります 。業務全体ではなく、プロセスの一部を切り出して任せることで、従業員も心理的なハードルを下げて取り組むことが可能になります。 2. 新体制の要となる「中間管理職」へのフォローアップ 第3章で触れたように、フラットな組織から脱却し、部長や課長といった中間管理職を育てていくことは、中長期的な組織の安定において極めて重要です。 しかし、新たに役職に就いた人材(例えば、入社から育て上げてきた20代の若手右腕候補など)が、初めから完璧にマネジメントをこなせるわけではありません 。100日プランの後半では、彼らが壁にぶつかっていないか、キャパシティオーバーになっていないかを注意深く観察し、フォローアップを行う期間となります。 過去の教訓を活かし、「判断の滞留」を防ぐ かつて、スキルの高い職人を工場長に据えた結果、現場の作業と管理業務の板挟みになり、現場からの相談に対して回答が滞ってしまったという苦い経験を持つ企業もあるのではないでしょうか。 こうした事態を防ぐため、新社長は定期的に新任の管理職と1on1(個別面談)の時間を設けることをおすすめします。「現場からの相談事項で、判断に迷って止まっているものはないか」「直接的な製造作業に引っ張られすぎていないか」を確認し、必要であれば業務量の調整や、社長自身の判断でサポートに入ります。 矢面に立ち、新しいリーダーを守る 特に若い人材を抜擢した場合、年上のベテラン社員から冷ややかな視線を向けられたり、指示がうまく通らなかったりする場面も想定されます。 ここで大切なのは、社長がしっかりと矢面に立ち、「彼にこの役割を与えたのは自分であり、その結果責任も自分が負う」という姿勢を見せ続けることです 。社長が本気で新しいリーダーを支え、信頼している姿を見せることで、現場の空気は少しずつ、しかし確実に変化していきます。 3. 評価制度の運用開始:感情論を排除し「納得感」を醸成する 新しい体制や役職者の抜擢に対して、周囲の従業員に理解してもらうための最も有効なツールが、評価制度の適切な運用です。 組織の中で役割が変われば、当然ながら評価の基準も変わります。この違いを明確に言語化し、全社で共有しておくことが、不要な摩擦を防ぐカギとなります。 現場スタッフとマネジメント層での「評価軸の違い」 実際に制度を運用していく上では、現場で働くスタッフと、部下を持つマネジメント層とで、評価の基準が全く異なってくることを伝える必要があります。 ・現場スタッフの評価軸: どのような機械を操作できるか、図面をどこまで読み込めるかといった「スキルマップ」が評価の中心となります。 ・マネジメント層の評価軸: 個人の作業スキルではなく、「チームの生産性を上げているか」「部下を育成できているか」といったマネジメント領域ができているかが問われます。 「なぜ彼が評価されているのか」を客観的に伝える もし、ベテラン社員から「なぜあんな若い社員がリーダーなんだ」と不満の声が上がった場合、感情論で反論するのではなく、この評価制度をベースに説明することが効果的です。 「彼はマネジメントという領域において、これだけの基準を満たしているからこの役割をお願いしている。皆さんもこのマネジメント領域を目指すのであれば、こういうステップがある」と、客観的な事実に基づいたコミュニケーションをとることで、周囲の納得感は大きく向上します。 4. 第4フェーズ(Day 61〜100)のアクションプラン詳細 それでは、100日プランの最終フェーズとなるDay 61〜100の具体的なアクションプランを時系列で整理してみましょう。 ・Day 61〜75:新体制のモニタリングと微調整 ○ 新しく任命した中間管理職や、業務を引き継いだスタッフの稼働状況を確認します。 ○ 過去の失敗(プレイングマネージャー化によるキャパオーバー)を繰り返していないか、現場のヒアリングを通じて検証し、無理があれば業務配分をただちに見直します。 ・Day 76〜90:バックオフィス業務の本格移譲と定着化 ○ これまで社長と専務だけで抱えていた見積もり作成や営業対応の一部を、従業員に本格的に移譲する運用をテストします。 ○ 評価制度の基準に沿って、各従業員に「今、会社から何を期待されているか」をフィードバックする面談を実施します。 ・Day 91〜100:100日目の総括と、未来へ向けたビジョン共有 ○ 就任からの100日間で得られた小さな成功(クイック・ヒット)を全社で共有します。例えば「見積もりの一次出しがスムーズになった」「新しいリーダーの元で、不良報告の会議が効率化された」といった成果です。 ○ その上で、次期社長の口から「これからの会社が目指す方向性(ビジョン)」を改めて全社員に向けて力強く発信します。 5. 100日目以降の未来:工場DXで「自走する組織」へ 100日間という期間は、あくまで新しい船出のための助走期間に過ぎません。社長就任100日プランを完走した後に目指すのは、社長がいなくても中間管理職が的確な判断を下し、現場のスタッフが誇りを持って働き、バックオフィス業務が滞りなく回る「自走する組織」です。 そして、この自走する組織を根底から支え、さらに加速させるための強力なエンジンとなるのが「工場DX(デジタルトランスフォーメーション)」です。 ・社長の頭の中にしかなかった見積もりノウハウを、誰もが使えるシステムへと落とし込む。 ・現場の紙の日報をデジタル化し、新任の管理職がマネジメントに集中できる時間を作り出す。 ・不良トラブルのデータを蓄積し、属人的な勘ではなく、データに基づいた品質改善の議論を可能にする。 これらはすべて、工場DXがもたらす具体的なメリットです。DXは決して目的ではなく、貴社が抱える「人の問題」や「組織の壁」を突破するための手段に他なりません。 自走する次世代の工場づくり、私たちにお任せください 「評価制度を導入して中間層を育てたいが、自社に合った設計方法がわからない」 「バックオフィス業務を従業員に分散させるために、最適なデジタルツールを知りたい」 「社長交代のこの機に、長年のアナログな体質を根本から見直したい」 事業承継という大きな節目は、企業が生まれ変わるための最大のチャンスです。 工場DX.com(https://smart-factory.funaisoken.co.jp/)では、単なるツールの導入支援にとどまらず、製造業特有の人間関係や組織風土に深く寄り添い、貴社にとって本当に必要な改革を二人三脚で伴走いたします。 先代が築き上げた確かな技術と信頼を受け継ぎながら、次の世代へと力強くバトンを繋ぐために。 まずは、貴社が抱える現状のお悩みをお聞かせください。未来の「自走する工場」に向けた第一歩を、私たちと一緒に踏み出してみませんか? 相談はこちらから https://www.funaisoken.co.jp/form/consulting?siteno=S045

売上2.5倍・生産性174%向上の舞台裏!多品種少量現場を救う「IoT×人づくり」の極意

2026.03.11

はじめに:製造現場を停滞させる「DXの誤解」 「DX(デジタルトランスフォーメーション)には多額の投資が必要だ」「うちは多品種少量生産だから自動化は無理だ」。そんな思い込みが、日本の製造現場の進化を止めています。しかし、福岡県の株式会社SANMATSUは、既存の設備を活かした「身の丈に合ったデジタル化」と「徹底した人づくり」で、驚異的な成長を遂げました。本記事では、その舞台裏にある戦略を解き明かします。 1. 現場を蝕む「隠れ赤字」と「属人化」の正体 見積段階では黒字のはずが、終わってみると利益が残っていない。こうした「隠れ赤字」に悩む経営者は少なくありません。 1-1. 見積もりと実績の乖離:なぜ利益が残らないのか 特に多品種少量生産の現場では、段取りや工程管理がベテラン職人の「経験と勘」に依存しがちです。作業時間のバラツキがブラックボックス化しているため、正確な原価が把握できず、結果として利益を削る「ドンブリ勘定」が常態化してしまいます。 1-2. 「変種変量だからIoTは無理」という思い込みの壁 「ウチは毎日作るものが違うから、データの収集なんて手間が増えるだけだ」と諦めていては、属人化による事業継続リスクを抱え続けることになります。紙やエクセルに眠る日報データを「利益とコスト」の視点で可視化し直すことが、DXの第一歩です。 2. リーマンショックの窮地から売上41億円、100億企業への挑戦 株式会社SANMATSUは、まさにこの「経験と勘」の限界を自らの手で突破してきた企業です。 2-1. 株式会社SANMATSUが直面した売上激減の危機 2008年に売上高20億円を突破するも、リーマンショックのあおりを受け、売上は12億円まで減少。経営の危機に直面した同社が選択したのは、設備への過度な投資ではなく、「現場の徹底的な見える化」でした。 2-2. 高額投資に頼らない「現状の見える化」からの再出発 そこから事業戦略を抜本的に見直し、現在は売上高41億円を達成。2030年には「100億企業」を目指す部品加工業のモデル経営者として注目されています。この復活劇の核心は、高収益体質へと転換するための「攻めのDX」にありました。 3. 1個作りが7割の現場を変えた「リアルタイム原価管理」 同社の現場は、1個作りが全体の7割を占めるという、 データ化が極めて困難な環境です。 3-1. 日報のデジタル化で曖昧な「労務費」を浮き彫りにする この過酷な現場を支えているのが、自社で構築したデジタル生産管理基盤です。日報をデジタル化し、設備の稼働状況をリアルタイムで監視することで、曖昧だった「労務費」を正確に把握する仕組みを構築しました。 3-2. 最短1日発送を実現したデータ駆動型サプライチェーン その結果、生産性は174%向上し、残業時間は3割削減、売上は2.5倍という驚異的な成果を叩き出しています。さらにデータ活用によって最短1日発送を実現する「Super Express サービス」を確立し、自社の技術を武器にした高収益体質へと転換しました。 【図解:SANMATSUが実現したデータ駆動型経営の全体像】 4. 職人の勘を「形式知」へ。社内教育機関「三松大学」の衝撃 SANMATSUの強みはシステムだけではありません。最大の特徴は、デジタルツールを使いこなす「人」を育てる仕組みにあります。 4-1. デジタルを「職人の敵」から「現場の味方」に変える組織文化 職人の頭の中にある「勘」を形式知化し、社内教育機関「三松大学」を通じて若手へと継承しています。「デジタルは職人を縛るものではなく、職人技を伝承し、現場を楽にするための味方である」という組織文化の醸成こそが成功の鍵でした。 4-2. 属人化解消がもたらした新事業への進出 属人化を解消したことで、現場の余裕が生まれ、自社のDXノウハウを外販する「ロボットSIer事業」を確立するまでに至りました。 5. 最小限の投資で「攻めのDX」を開始するために 多くの経営者が抱く「DX=巨額投資」という壁をどう乗り越えるべきでしょうか。 5-1. 既存設備を使い倒す「投資判断」の基準 重要なのは、既存の設備やシステムを使い倒し、最小限の投資で最大の効果を得るための「投資判断の基準」を持つことです。 5-2. 明日から着手すべき「データの見える化」の第一歩 まずは現場の作業時間を「1分単位」で可視化することから始めてください。それができない限り、どんな最新鋭の設備を入れても利益は改善されません。 【比較表:従来の管理 vs 攻めのDX管理】 比較項目 従来の管理(ドンブリ勘定) SANMATSU流「攻めのDX」 原価把握 見積時の予測値のみ リアルタイムの実績原価 工程管理 ベテランの頭の中(属人化) デジタル基盤での共有(形式知) 教育体制 背中を見て覚えろ(数年) 三松大学による体系的教育(短期間) リードタイム 現場の状況次第 データに基づく最短1日発送 利益率 終わってみるまで不明 工程ごとに黒字・赤字を即座に判断 まとめ:次世代の工場経営へ舵を切る 「1個作りが7割」という極めてアナログな現場でも、デジタルと人を融合させれば、売上2.5倍という未来を掴み取ることができます。大切なのは、ツールを導入することではなく、現場の数字を直視し、人を育てる決意をすることです。 【セミナー案内】生産性174%向上を実現する工場のIoT化と組織変革 本記事で紹介した株式会社SANMATSUの田名部社長が登壇し、月産12万点の多品種少量現場をどう変革したのか、その全軌跡を語る特別セミナーを開催します。 装置製造業の分岐点:紙・Excelデータから利益を掘り起こす「利益・コスト」の可視化 IoT×人づくりの舞台裏:生産性174%、売上2,5倍を実現させた工場のIoT化と組織改革の実録 投資判断とロードマップ:最小限の投資で最大効果を出すスマートファクトリー化のプロセス 明日から現場ですぐに着手すべき「データの見える化」の具体策を持ち帰ってください。 [ ➡ セミナーへの申し込みはこちら ] はじめに:製造現場を停滞させる「DXの誤解」 「DX(デジタルトランスフォーメーション)には多額の投資が必要だ」「うちは多品種少量生産だから自動化は無理だ」。そんな思い込みが、日本の製造現場の進化を止めています。しかし、福岡県の株式会社SANMATSUは、既存の設備を活かした「身の丈に合ったデジタル化」と「徹底した人づくり」で、驚異的な成長を遂げました。本記事では、その舞台裏にある戦略を解き明かします。 1. 現場を蝕む「隠れ赤字」と「属人化」の正体 見積段階では黒字のはずが、終わってみると利益が残っていない。こうした「隠れ赤字」に悩む経営者は少なくありません。 1-1. 見積もりと実績の乖離:なぜ利益が残らないのか 特に多品種少量生産の現場では、段取りや工程管理がベテラン職人の「経験と勘」に依存しがちです。作業時間のバラツキがブラックボックス化しているため、正確な原価が把握できず、結果として利益を削る「ドンブリ勘定」が常態化してしまいます。 1-2. 「変種変量だからIoTは無理」という思い込みの壁 「ウチは毎日作るものが違うから、データの収集なんて手間が増えるだけだ」と諦めていては、属人化による事業継続リスクを抱え続けることになります。紙やエクセルに眠る日報データを「利益とコスト」の視点で可視化し直すことが、DXの第一歩です。 2. リーマンショックの窮地から売上41億円、100億企業への挑戦 株式会社SANMATSUは、まさにこの「経験と勘」の限界を自らの手で突破してきた企業です。 2-1. 株式会社SANMATSUが直面した売上激減の危機 2008年に売上高20億円を突破するも、リーマンショックのあおりを受け、売上は12億円まで減少。経営の危機に直面した同社が選択したのは、設備への過度な投資ではなく、「現場の徹底的な見える化」でした。 2-2. 高額投資に頼らない「現状の見える化」からの再出発 そこから事業戦略を抜本的に見直し、現在は売上高41億円を達成。2030年には「100億企業」を目指す部品加工業のモデル経営者として注目されています。この復活劇の核心は、高収益体質へと転換するための「攻めのDX」にありました。 3. 1個作りが7割の現場を変えた「リアルタイム原価管理」 同社の現場は、1個作りが全体の7割を占めるという、 データ化が極めて困難な環境です。 3-1. 日報のデジタル化で曖昧な「労務費」を浮き彫りにする この過酷な現場を支えているのが、自社で構築したデジタル生産管理基盤です。日報をデジタル化し、設備の稼働状況をリアルタイムで監視することで、曖昧だった「労務費」を正確に把握する仕組みを構築しました。 3-2. 最短1日発送を実現したデータ駆動型サプライチェーン その結果、生産性は174%向上し、残業時間は3割削減、売上は2.5倍という驚異的な成果を叩き出しています。さらにデータ活用によって最短1日発送を実現する「Super Express サービス」を確立し、自社の技術を武器にした高収益体質へと転換しました。 【図解:SANMATSUが実現したデータ駆動型経営の全体像】 4. 職人の勘を「形式知」へ。社内教育機関「三松大学」の衝撃 SANMATSUの強みはシステムだけではありません。最大の特徴は、デジタルツールを使いこなす「人」を育てる仕組みにあります。 4-1. デジタルを「職人の敵」から「現場の味方」に変える組織文化 職人の頭の中にある「勘」を形式知化し、社内教育機関「三松大学」を通じて若手へと継承しています。「デジタルは職人を縛るものではなく、職人技を伝承し、現場を楽にするための味方である」という組織文化の醸成こそが成功の鍵でした。 4-2. 属人化解消がもたらした新事業への進出 属人化を解消したことで、現場の余裕が生まれ、自社のDXノウハウを外販する「ロボットSIer事業」を確立するまでに至りました。 5. 最小限の投資で「攻めのDX」を開始するために 多くの経営者が抱く「DX=巨額投資」という壁をどう乗り越えるべきでしょうか。 5-1. 既存設備を使い倒す「投資判断」の基準 重要なのは、既存の設備やシステムを使い倒し、最小限の投資で最大の効果を得るための「投資判断の基準」を持つことです。 5-2. 明日から着手すべき「データの見える化」の第一歩 まずは現場の作業時間を「1分単位」で可視化することから始めてください。それができない限り、どんな最新鋭の設備を入れても利益は改善されません。 【比較表:従来の管理 vs 攻めのDX管理】 比較項目 従来の管理(ドンブリ勘定) SANMATSU流「攻めのDX」 原価把握 見積時の予測値のみ リアルタイムの実績原価 工程管理 ベテランの頭の中(属人化) デジタル基盤での共有(形式知) 教育体制 背中を見て覚えろ(数年) 三松大学による体系的教育(短期間) リードタイム 現場の状況次第 データに基づく最短1日発送 利益率 終わってみるまで不明 工程ごとに黒字・赤字を即座に判断 まとめ:次世代の工場経営へ舵を切る 「1個作りが7割」という極めてアナログな現場でも、デジタルと人を融合させれば、売上2.5倍という未来を掴み取ることができます。大切なのは、ツールを導入することではなく、現場の数字を直視し、人を育てる決意をすることです。 【セミナー案内】生産性174%向上を実現する工場のIoT化と組織変革 本記事で紹介した株式会社SANMATSUの田名部社長が登壇し、月産12万点の多品種少量現場をどう変革したのか、その全軌跡を語る特別セミナーを開催します。 装置製造業の分岐点:紙・Excelデータから利益を掘り起こす「利益・コスト」の可視化 IoT×人づくりの舞台裏:生産性174%、売上2,5倍を実現させた工場のIoT化と組織改革の実録 投資判断とロードマップ:最小限の投資で最大効果を出すスマートファクトリー化のプロセス 明日から現場ですぐに着手すべき「データの見える化」の具体策を持ち帰ってください。 [ ➡ セミナーへの申し込みはこちら ]

弊社飯塚が、「町工場見本市2026」にて講演いたしました

2026.03.11

お世話になっております。船井総研の塩田です。 東京国際フォーラムで開催された「町工場見本市 2026」にて、 『人手不足の町工場こそ武器になる中小製造業の“身の丈 DX”』というテーマで講演いたしました。 延べ 55 名の方がご参加くださり、「うちはデジタル苦手だけど、これならできそう」といった声も。 どの工場にも、まだまだ“眠る強み”があります。 今後も、“身の丈 DX”をキーワードに、 現場が主役のデジタル活用を伝えていきます。 同じ課題に向き 合う仲間と、またご一緒できたら嬉しいです。   お世話になっております。船井総研の塩田です。 東京国際フォーラムで開催された「町工場見本市 2026」にて、 『人手不足の町工場こそ武器になる中小製造業の“身の丈 DX”』というテーマで講演いたしました。 延べ 55 名の方がご参加くださり、「うちはデジタル苦手だけど、これならできそう」といった声も。 どの工場にも、まだまだ“眠る強み”があります。 今後も、“身の丈 DX”をキーワードに、 現場が主役のデジタル活用を伝えていきます。 同じ課題に向き 合う仲間と、またご一緒できたら嬉しいです。  
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