Q.生産工程に潜む目に見えない無駄を徹底的に省く改善策は?

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執筆者船井総研 製造業・工場DX経営コンサルグループ
コラムテーマ経営課題FAQ
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A.生産工程の「目に見えない無駄」を省くには、現場の可視化が不可欠です。IoTやカメラを活用し、設備の待機時間や作業者の無駄な動線をデータとして抽出しましょう。そこから付加価値を生まない工程を特定し、作業の標準化を図ります。勘に頼らない客観的なデータによる現状把握こそが、徹底した改善の第一歩です。

製造業の現場において、不良品の廃棄や機械の故障といった「目に見える無駄」は誰もが気づきやすく、対策も打ちやすいものです。しかし、真に利益を圧迫しているのは、日常の当たり前の作業風景に溶け込んでしまっている「目に見えない無駄」です。

例えば、前工程からの部品到着を待っている「手待ちの無駄」、工具を探すために歩き回る「動作の無駄」、必要以上の在庫を抱える「作りすぎの無駄」などがこれに該当します。こうした現場に潜む見えない無駄を徹底的に洗い出し、利益を生み出す筋肉質な生産体制へと改善していくための具体的なアプローチを解説します。

1. データとカメラで現場の真実を「可視化」する

目に見えない無駄を省くための第一歩は、現状を客観的なデータとして「可視化」することです。長年の経験や勘に頼った管理では、どうしても見落としや「昔からこうやっているから」というバイアスが生じてしまいます。

ここで有効なのが、IoTセンサーやネットワークカメラの活用です。設備にセンサーを取り付けることで、正味の稼働時間やチョコ停(一時的な停止)の頻度を秒単位で正確に把握できます。また、カメラで作業者の動きを録画・分析することで、作業標準とのズレや、工具を取りに行くための不要な動線が明らかになります。

「機械が実際に動いていない時間」や「付加価値を生んでいない作業」をデータとして抽出し、まずは無駄の存在を現場全体で共有することが重要です。

2. 付加価値を生まない工程の特定と「作業の標準化」

無駄が可視化されたら、次はその無駄を排除するための改善策を実行します。作業プロセスを一つひとつ分解し、「この動きは本当にお客様への付加価値を生んでいるか?」という厳しい視点で評価を行います。

例えば、部品を探す時間は製品の価値を少しも高めません。部品の配置を見直し、必要なものがすぐ手に取れるように整理整頓(5Sの徹底)を行います。また、熟練技能者と新人作業員で作業時間に大きな差がある場合、そこには必ず無駄が潜んでいます。熟練者の効率的な動きを分析し、誰もが同じ手順で無駄なく作業できるよう「作業手順書」を改訂して、徹底した標準化を図りましょう。

3. 小さな改善を回し続ける「PDCA」と組織風土

無駄の排除は一度行えば終わりではありません。改善策を実行した後は、必ずその効果(作業時間の短縮や稼働率の向上)を測定し、さらなる無駄が見つかれば再び改善を行うというPDCAサイクルを回し続けることが不可欠です。

また、目に見えない無駄に最も気づきやすいのは、実際に毎日現場で作業にあたっているメンバーです。「どうすればもっと楽に作業できるか」「待ち時間を減らせるか」を現場自らが考え、提案できるボトムアップ型の組織風土を醸成することも大切です。デジタルツールによる客観的なデータと、現場の気づきを掛け合わせることで、継続的かつ徹底的な無駄の排除が可能になります。

まとめ

客観的なデータで無駄を可視化し、現場主導の継続的な改善を生産工程に潜む目に見えない無駄を排除するには、IoTやカメラを用いた客観的なデータによる現状の可視化が不可欠です。そこから付加価値を生まない作業を特定し、標準化を図りましょう。一度の改善で終わらせず、現場主導のPDCAサイクルを回し続けることで、利益を生み出す筋肉質な生産体制を構築していきましょう。

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執筆者 : 船井総研 製造業・工場DX経営コンサルグループ

船井総研の製造業・工場DX経営コンサルグループは、中堅・中小製造業に特化した工場DXコンサルティングを提供しています。現場で培った「利益を生む自動化」の成功モデルを軸に、IoT活用、ロボット導入、基幹システム刷新など、生産性向上から人手不足解消まで幅広く対応。工場経営の課題をトータルに解決します。