A.製造業が特定顧客への依存・下請けを脱却するには「取引先の分散」と「付加価値向上」が不可欠です。まずはデジタルマーケティングで広域から優良顧客を開拓し、設計など上流工程から入り込む「提案型企業」へ転換すること。さらに受託加工業の場合は、自社技術を活かした「メーカー」として見せ方を変えることも重要です。
1. デジタルマーケティングによる「上流工程」への入り込み
特定顧客への依存から脱却する最初の一手は、デジタルマーケティングを駆使して、効率的に引き合い・ニーズを収集する仕組みづくりを行うことです。
引き合い獲得と優良顧客の効率的な開拓
既存顧客だけでは、商圏が限られ、価格競争に巻き込まれがちです。しかし、自社の加工技術やサービスを専門サイトで「見える化」することで、全国から問い合わせを獲得し、新たな顧客と接点を持つことができます。 ここで重要なのは、単に顧客を増やすことではなく、訴求している技術を必要としている優良顧客(開発部門)をピンポイントで集めることです。デジタルマーケティングを活用すれば、下請け構造に縛られず、自社を高く評価してくれる新規顧客を効率的に開拓することが可能になります。
上流工程への入り込み
専門サイトを通じて、自社の技術を訴求することで明確なニーズがある顧客と接点を持つことができます。こうした顧客は、「新製品の耐久性を上げたい」「コストダウンのための形状変更を相談したい」といった技術的な課題を抱えており、「設計・開発段階」や「試作段階」といった上流工程から相談を受けるケースが増えます。 この段階で入り込むことができれば、単に図面通りに作るのではなく、例えば「この形状ならコストを抑えられる」「この材質なら耐久性が上がる」といったVA/VE提案が可能になります。 設計段階からパートナーとして関わることで、競合他社への代替が難しい存在となることができます。
2. 受託加工業の「メーカー化」戦略
メーカー化とは、金属加工業などの受託型企業が、単なる加工請負業から脱却し、自社の技術やノウハウを活かした独自の価値を持つ製品やサービスを展開することを指します。受託加工業の場合は、「メーカー」としての立ち位置を確立することが、下請け脱却に繋がります。
「技術」を商品化し、メーカーとしての見せ方に変える
受託加工業でありがちな「何でもできる」といった訴求は、自社の強みが見えづらく、下請け構造に陥りがちです。そこで、自社の強みや既存技術を活かした、自社が一番をとれる領域に狙いを定めて、特注メーカー「的」な立ち位置をとることが下請け脱却のポイントです。メーカー化戦略をとることで、同業他社と差別化した自社の強みの""見せ方""ができます。
例えば、
- 板金加工業が産業機械専用カバーや筐体の特注メーカーとして見せ方を変える
- 冷間鍛造品の加工を行う企業が特殊ねじの特注メーカーとして見背方を変える
こうしたビジネスモデルの変革によって、新規顧客との取引にもつながり、また価格決定権を持ち、安定した収益を確保することにつながります。
まとめ
製造業が特定顧客への依存を減らし、下請けを脱却するためには、デジタルマーケティングによる新規顧客の開拓と、上流工程への入り込みが重要です。また受託加工業はメーカーとして新たな自社の見せ方をすることも重要です。
こうした製造業が取るべきビジネスモデルの戦略を下記レポートでまとめています。

