MRP
1.MRPとは
生産管理手法の1つであるMRPはMaterial Requirements Planningの略で、日本語では「資材所要量計画」と訳されます。
MRPでは、コンピューターシステムの活用を前提として、部品や半製品・原材料(=資材)がどれだけ必要となるか(=所要量)ということに関する計画を立てます。その起源は1960年代~1970年代のアメリカにあるとされており、日本でも1970年代後半以降用いられるようになりました。
2.MRPの目的・メリット
製造業がMRPを行う目的は、資材調達の最適化、です。
MRPを行うことで、どんぶり勘定で適当に資材を調達するのではなく、必要となる資材を考慮した効率的な調達を目指すことができるためです。
具体的に、MRPによって得られるメリットは3点あります。
- ①品質の安定
- MRPによって資材を計画的に準備することが出来るので、資材不足により短期間で急いで生産することがなくなり品質が安定します。
- ②コストの低下
- MRPでは必要な分を必要なだけ調達することができるため、余分な資材調達によるコストが減少します。
- ③納期の厳守
- MRPによって必要な資材を常に確保することができるため、資材不足による納期遅れがなくなり納期の厳守も実現できます。
3.MRPのやり方
MRPを行うにあたっては「生産計画」「部品表」が不可欠です。
下記では、生産計画と部品表を基に行うMRPのやり方を簡単にまとめました。
- ①生産計画の立案
- まず、過去の受注情報を基にした需要予測や今ある注文情報を活用して、製品の「生産計画」を立てます。
- ②部品の所要量を算出
- 計画で決めた生産数を実現するために必要となる部品などの所要量について、「部品表(=BOM)」を参照して計算します。
部品表には、1つの製品を生産するために必要な部品の種類や個数が記録されています。 - ③正味所要量を算出
- ②で算出した所要量に対して、今持っている在庫量を差し引きして正味所要量、つまり発注する必要がある量を割り出し、部品を調達します。
4.MRPのポイント
MRPを精度高く行うためには、3つのポイントがあります。
- ①部門間の情報共有
- 過去の受注情報や今ある発注情報を基にたてる生産計画は変更が生じることもあるため、営業部門と生産部門などが常に情報共有しておくことが重要です。
- ②部品表の整理
- 部品表が整理されていないと適正な所要量を計算することができないため、定期的にメンテナンスする必要があります。
- ③在庫管理
- MRPでは生産計画・部品表を基に算出した正味所要量と今ある在庫量との差分を所要量とするため、今ある在庫量を正確に管理できていなければなりません。
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