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決定木

決定木またディシジョン・ツリー(decision tree)とは意思決定の際にすべての選択に対して起こりえる事件の分岐をツリーのように書き出すことを指しています。
経営や投資などの際に、各分岐それぞれの結果の確率と期待値を検討し、意思決定の参考に用いられます。機械学習の分野において、決定木というアルゴリズムもあります。
これからそれぞれについて紹介します。

~目次~
1.決定木とは
2.機械学習における決定木
3.メリットとデメリット

1.決定木とは

前で述べたように、決定木は意思決定を判断する手法の一つです。ここでは意思決定において、簡単な例を紹介します。
例えば今現在は以下二つの投資プロジェクトがあるとします。

プロジェクト 成功確率 成功利益 失敗損失
A 80% 1,000,000円 -200,000円
B 30% 5,000,000円 -2,000,000円

二つのプロジェクトは成功したら利益がもたらしますが、その一方失敗したら損失も出てきます。
でも二つプロジェクトの成功確率は異なります。
この条件に従って、デシジョン・ツリーを作成しますと、以下のようになります。

このようにすべての選択肢を羅列しました。そして、各プロジェクトの期待値を計算します。
プロジェクトごとの期待値はそのプロジェクトが成功した期待値(成功確率×成功利益)と失敗した期待値(失敗確率×失敗損失)の合計となります。

プロジェクトA:期待値=80%×1,000,000円+(100%-80%)×-200,000円=760,000円
プロジェクトB:期待値=30%×5,000,000円+(100%-30%)×-2,000,000円=100,000円

このように期待値に従って、意思決定の判断ができます。

2.機械学習における決定木

機械学習の分野においての決定木は予測モデルの一つです。
決定木モデルは分類のモデルであるため、分類木にも呼ばれます。
そいうモデルは簡単に言えば、今もっている変数と結果のデータを学習し、新しい変数が来たら、結果の予測が可能となります。
例えば、変数は「天候」、「気温」、「湿度」と「風の強さ」。結果は「行動」(出かける、出かけない)。学習データとして、日ごとの「天候」、「気温」、「湿度」、「風の強さ」と結果の「行動」。
こちらの学習によって、どんな天候条件では出かけるか、どんな天候条件で出かけないのかを決定木(分岐、分岐条件)のように分析結果が出ます。
こうすれば新しい変数データが取得しても、元分析結果の決定木(分岐、分岐条件)に従って、この変数条件の下での行動が推測できるようになります。

3.メリットとデメリット

メリット:
ビジネスにおいて幅広い業界で活用できます。
例えば小売、EC業界において、顧客の購買行動を推測、分析することができます。製造業では、不良品出現の条件の分析にも使えます。
デメリット:
分類精度を向上するため、大量データが必要です。データが少ない場合は精度が非常に悪い場合もあります。

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