要求仕様書と要件定義書
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システム開発やロボット導入を成功に導くためには、要求仕様書と要件定義書の違いを明確に理解することが非常に重要です。
- ~目次~
- 1.要求仕様書と要件定義書の違い
- 2.要求仕様書/要件定義書を作らずにシステム開発を行った場合のリスク
- 3.要求仕様書/要件定義書に盛り込むべき内容
1.要求仕様書と要件定義書の違い
要求仕様書と、要件定義書はそれぞれ意味合いが異なります。
要求仕様書
事業主の視点からシステム開発やロボット導入に対する期待や目標を整理したものです。具体的な技術的詳細は重視されず、なぜその機能が必要で、それが事業にどのような影響を与えるのかに焦点を当てます。
要件定義書
要求仕様書にまとめられた情報に基づき、依頼された開発会社がこれらの要望を具体的な技術的手法に変換し、実現するためにどのような仕事を行い何をゴールとするのかを取り決めたものを指します。
要求仕様書は依頼者で策定し被依頼者に提示するものが要求仕様書で、開発を依頼された被依頼者(開発会社)が開発要件を定義したものが要件定義書にあたります。
2.要求仕様書/要件定義書を作らずにシステム開発を行った場合のリスク
要求仕様書や要件定義書を作成せずにシステム開発を進めることは、非常に大きなリスクを伴います。
要求仕様書がないと、事業の目的や要望が不透明なままで、開発会社は方針を見失いやすくなります。
同様に、要件定義書がないと、技術者は具体的な方針なしで作業を進めなければなりません。
結果として、プロジェクトの進捗が遅れ、望ましくない成果物が生まれる可能性が高まります。
要求仕様書や要件定義書を作成せずにシステムやロボットを導入する傾向は、特に中小企業において顕著です。
決して安くない投資を行い、全く使えない設備を作ってしまった、というトラブルは近年非常に多くなっています。
3.要求仕様書/要件定義書に盛り込むべき内容
要求仕様書には、最低限下記の内容を盛り込みましょう。
①事業の目的と背景
なぜこのシステム導入/ロボット導入が必要なのか、導入の目標は何かを示す明確な定義。
②期待される成果
システム導入/ロボット導入を通じて達成したい具体的な成果や効果の列挙。
要件定義書では、技術的な側面に焦点を当て、具体的な実現方法や進捗管理のポイントを明示しましょう。
①技術的要件
システム導入/ロボット導入に必要な技術やプラットフォーム、開発言語などを具体的に指定。
②機能仕様
システムやロボットが持つべき具体的な機能やモジュールを明確に定義。
③進捗管理と品質管理
プロジェクト進捗を管理する方法や品質を確保する手段を具体的に記載。
これらの情報は、スムーズなプロジェクト進行に不可欠です。各文書の作成に充分な時間をかけ、関係者間での意見の一致を確認することがプロジェクト成功の鍵です。
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