記事公開日:2022.10.03
最終更新日:2024.07.17

DX事例研究会8月開催レポート!本コラムにて講座内容を一部公開!

DX事例研究会8月開催レポート!本コラムにて講座内容を一部公開!

製造業におけるDX事例研究会を8月に開催しました!
今回はその一部をご紹介致します。

1.AIを活用した樹脂成型品の外観検査成功事例

■事例企業様概要
今回の事例企業であるS社様が検査工程の自動化を行った背景として、多品種の製品を5名体制で検査しており対象ワークの数が多く、常時3名体制で検査を行っているという状態で人手がかかっていたということや、人を雇うにも人手不足によって新たに人員が集まらないという点、人によって検査基準が異なる為一人前になるまでに時間がかかること、
検査基準が一定で無いことによる製品の品質にばらつき、等の問題を解消したいという背景がありました。

■AIを活用した外観検査装置完成までのステップ
今回船井総研とS社様ではAIを活用した外観検査装置の完成までに4つのSTEPを踏んでいきました。

STEP1:検査を行えるかという課題
今回の対象ワークは多くの検査装置メーカーが見ただけでお断りする製品でした。その理由として

  • 透明である
  • 乳白色、白色で反射が強い
  • 不良のパターンが多く全てを不良パターンとして設定することが難しい

という点が挙げられました。
船井総研では「検査カメラメーカー」・「SIer」・「AIベンダー」と話し合い、不良検出自体が可能か、検出された不良を不良として認識させることは可能か、といった点を詰めていきました。

STEP2:装置構想
装置構想については画像検査に必要な条件がわからず、全体設計が難航していました。
その理由として、検出までの時間や検出するためのハンドリング方法が定まっていなかったほか、検査装置の構築においてSIerは責任を取りたがらないことが挙げられます。
解決策として責任範囲を分ける為に、船井総研とS社様で検査部分の要件定義を行い、装置のみをSIerに依頼するという形をとりました。
今回は画像処理装置にAIを組み込む必要があったため、AIに強いSIerが必要となり、候補を3社に絞り、検討しました。

STEP3:AI検査のPoC
そもそもAIが必要となった背景には検査カメラメーカーのコントローラーでの登録が不可能(今回検出したい不良を認識不可能)ということから、機械の認識機能を人に近づける為にAIを導入する必要があった為です。

今回はAIベンダーとの検討を行い、
「安定して不良を見つけだせる照明機器と撮影方法はなにか」
「不良認識の可否」
という2つの段階に分けてPoCを進めました。

STEP4:SIer各社の比較
要件が固まってきたことから検査装置の見積を依頼しました。
使用条件や金額、装置の大きさや間に入る商社との兼ね合いなど総合的に判断を行い決定します。
商社にSIerとAIベンダー両方の責任を負担してもらう形をとることで、装置化をスムーズに進めることができました。

・まとめ
検査メーカーも匙を投げた難しい検査装置の導入という今回の事例ですが、
成功したポイントは、

  • どうすれば不良を検知できるようになるかテストを繰り返す
  • SIer、AIベンダー、商社を適切にハンドリングする

です。
難しい要件であるときこそ、最初の要件定義とテストが大切になってきます。

2.基幹システム導入による経営管理数字の見える化成功事例

■事例企業の概要
業種: 蒸気だめ・熱交換器等圧力容器の製缶品製造
従業員:175名
エリア:神奈川県

■改善まで至った経緯と改善前の課題
グループ会社への編入とともに、四半期決算の公表が必須となりました。
そのために月次単位で決算情報を把握しないといけません。
しかし月次決算をしておらず、どんぶり勘定の状態でした。
会社の原価、受注、利益などの数値を把握できる仕組みが必要になります。

今回は、業務をシステムに合わせようとの考えで、最終的にパッケージシステムの導入を決定しました。
またパッケージの導入ではより簡単的に入られることで、より効率的でもあります。
改善前において、会社の受注、ものづくり、調達などの業務の管理は、部署ごとで紙の伝票と古いシステムで管理されていました。
それに各部署でのやり方もそれぞれ違いました。
例えば、部署ごとにExcel、アクセス、Basicなどで管理していたとのことで、仕組みは個人に依存していました。
運用する上では改善や保守も行わないといけないので、個人がいなくなるとシステムが動けなくなるという課題がありました。
またこのような管理方法では会社全体の業務間連携もできていなかったことで、
決算の際に2重3重入力が発生するだけではなく、データ上の乖離もよく発生していました。
そのために経営上において、案件ごとや製品ごとのデータもリアルタイムで反映できないことで経営の状況が把握できていませんでした。

課題点のポイント

  • 紙の伝票と古いシステムで運用していることで、経営者が把握したい数字がデータから取れない
  • 十数年前に当時の社員がBasic(古いプログラム言語)で原価管理システムを作成し、運用しているが、だれも改修できない
  • 案件ごと、製品ごとに収支(儲かっているかどうか)がわからない
  • 受注残が営業と管理部門、経営者で乖離(バラバラ)が発生している。営業が管理している営業システムとの乖離も発生
  • 紙の伝票を中心に古いシステムやExcel等を使って業務を回していることで二重三重入力が発生している

■プロジェクトの立ち上げとベンダーの選定
プロジェクト立ち上げにはまず、今回の目的を設定しました。
目的として、先程挙げられた課題の解決です。
具体的に言いうと、現在の業務はそれぞれで管理されているため、業務運用と数値の見える化になります。
また紙の伝票が多く使われていることで手作業オペレーションの低減(伝票の低減)も必要になります。
それらを通じて、最終的にシステム全体の整合性を維持することを達成し、現場の利便性の向上へも繋がります。

そして二つ目は方針の確定です。
今回の改善プロジェクトにおいて、主に4つの方針が確定されました。

①部門ごとで管理している仕組みを、全社統一の仕組みに変更すること。
②どこからアプローチしても数字が変わらない仕組み作ること。
③二重三重入力を排除し、業務負担を軽減する仕組み作ること。
④既存システムを精査し、使用できるものは今後も使用していくこと。

目的と方針を確定した後に、業務とシステム機能の検討を行いました。
まず新しい業務フローを可視化できるような図を作りました。
そうすれば業務フローに当てはまるパッケージはどういうものかを明確にすることが可能です。

また業務フローの可視化に伴い、機能のアレンジの手がかりが見えてきました。
社内で業務フローと必要な機能について徹底的に議論し、部署ごとの適性などを検討しました。
最終に確定されたものに基づいて、新システムで必要機能の一覧を作成し、システムベンダーに依頼しました。
この時点でシステム必要機能一覧を作成することで、ベンダーが必要機能を理解しやすくなるため必要性があると考えています。

このような流れで、新しい運用の定義ができ、各ベンダーへRFIの提示を始めました。このような現状調査とRFI作成はかなり重要です。
意思決定のプロセスにも繋がります。

ベンダー選定のためのポイントはいくつかあります。
まず求める機能は網羅できるかどうかは大前提として、システムの機能には網羅性があるとしたら、カスタマイズが最小限になり、概算の予算ベース前後に納めることができます。
また評価項目を設定することです。
ベンダーから提案した内容を客観的に評価する必要があります。
いくつかの要求事項の中で、機能の優先順位を明確にする必要もあります。
例えば優先順位が低い項目を運用でカバーすることもできます。
最後にメイン担当の人間性を見ることです。
導入時と運用時の担当者や先方の組織体制などを見ます。
例えば担当者はスキルと推進性を持っているかどうか、本当に信用できてプロジェクトを実行できるかどうかを判断します。
これらのポイントを見て、最終的にベンダーを決定します。

ポイントまとめ

  • パッケージ機能として、自社が実現したいことを網羅しているか
    →カスタマイズが最小限になる
  • 導入までのメイン担当者が業務及びプロダクトの知見があり、信頼できるか
  • 自社の課題を解決するソリューションを保持しているか
  • 稼働後の保守(サポート)体制ができているか
  • カスタマイズも含め、予算をオーバーしていないか

■基幹システム刷新による導入の効果(原価・利益見える化)
これらの流れを通じて、今の課題を解決できて、目的と方針も達成できました。
元々の各部署独自の管理が無くなり、データが発生した部署で一度入力すれば一気通貫でそのまま流れてくるという一元管理が達成できました。

もちろん月次決算の問題も解決しています。
経営面では、元々経営の状態を把握できていなかったで、現在は各部門に管理帳票が出せるようになって、システムを通じて各部門のデータ活用ができるようになりました。
案件ごとの情報は聞かないとわかりませんでしたが、現在経営層には案件ごとの収支と原価の数値がリアルタイム見えるようになりました。

■導入効果のまとめ

  • 基幹システムで受注情報一元管理
  • 営業支援システムとも受注情報自動連携
  • 入荷、生産実績を基幹システムで管理する事で理論在庫管理が実現
  • 基幹システム上に入力されている完成工事日の期日到来ベースで自動売上計上
  • 現場ごと、案件ごと、原価項目ごとに原価が明確になったことで、案件毎に収支及びネックになっている項目が明確になった

■基幹システム刷新成功のポイント
システム刷新の成功には過去のやり方に固執し過ぎないことが重要です。
例え独自のやり方であっても、細かい部分だけは違うかもしれません。
基幹システムを入れるとしたらそこまで細かく合わせる必要もありません。
そのためにあまり過去のやり方に固執せず、パッケージを自分の部門に合わせることが大事です。

またグループ会社から経験豊富なメンバーを投入して、キーマンとして全体プロジェクトの推進をコントロールしていました。
そして方向性は早めに決めて方向性を決めたことで、順調にプロジェクトを推進できるようになりました。
最後にプロジェクトはステップを分けていることも大事ではあります。
全体的の仕組みを一括に変えようとすればインパクトが非常に大きいです。
今、会社がないものを入れるのは別に、あるものから繋いで一緒に変えて行くのは経営に対してインパクトが非常に大きいです。

■成功ポイントまとめ

  • 基幹システム刷新に伴い、現状の課題を洗い出し、単なるシステム導入では無い、業務・運用・ルールを見直しながら「業務改革」として実施した
  • 現場に一斉にすべての機能を導入するのでは無く、3つのステップに分けて段階を踏んだ導入・活用を行った。
  • 経営者及び経営幹部との早めの方向性コミット
  • 月島機械様からの経験豊富なメンバー投入(プロジェクトのキーマンを投入)

■成功事例のポイントまとめ

  • 基幹システム刷新の成功のポイントの1つとして現状の課題を洗い出し、業務・運用・ルールを見直しながら「業務改革」を前提とした導入
  • プロジェクトを成功させるために経営や現場との対等にコミュニケーションが円滑に取れるキーマンを立てる
  • 経営者が目的と信念をもってプロジェクトの最高責任者となり進める
  • パッケージの選定としては機能として、当社が実現したいことを網羅しているかがカスタマイズが最小限になりコストも抑制される
  • 導入までのメイン担当者が業務及びプロダクトの知見があり、信頼できるかが成功のポイント

 
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