PoCとは

AIを搭載したシステムを導入する際には、PoCと呼ばれる段階を経る必要があります。では、PoCとは一体何のことでしょうか?
今回の技術用語集では、PoCについてまとめます。

1.PoCの定義

PoCとは、proofofconceptの略で、日本語では概念実証などと訳されます。
呼び方は「ピーオーシー」や、「ポック」と呼びます。
多くの方にとって聞きなれない言葉かもしれませんが、医薬品開発や映画撮影においては比較的昔から使われてきました。
実際に製品や作品などを完成させる前段階として、PoCが存在しています。
新しいものの導入・製造を行う際、本格的な導入に進む前の検証を行うことができます。近年では、製造業における大規模なITシステムの導入やIoT、AIの導入の際に、このPoCが行われます。
新しいアイデアや概念を、現実に一度落とし込んでみるというような認識がわかりやすいかもしれません。

2.PoCの目的

PoCは、全く新しいシステムやサービスを導入する際に必要となります。
PoCの目的としては、AIなどのシステムを導入することによって得られる、実現性、効果、懸念点を導き出すことがあります。
ここでいう実現性、効果、懸念点とは具体的に以下のことを示します。

実現性・・・システムの導入を検討した際に掲げた目的を達成する仕組みになっているか
効果・・・システムを導入することによって得られる効果は十分なものであるか
懸念点・・・システムを導入することによって、他の工程にネガティブな影響をおよぼすことはないか

これらを明確にするためにPoCを行う必要性があります。
構想の段階では見落としていた条件や問題点の洗い出が目的となります。

そのために実際の作業環境を想定した環境を構築し、実験を行います。

具体的な例として、画像検査におけるAIのシステム導入を考えます。

画像検査におけるAIの導入は実用が進んでいる例も存在します。
つまり、画像検査におけるAIのシステム自体は世の中に存在することを意味します。
しかし、既存のAIシステムをそのまま現場に導入するだけでは、想定していた効果を得ることはできません。
なぜなら、AIのシステムが、ワーク表面の状態や、作業環境の条件など多くの要因によって、正しく認識をすることができなくなるためです。

同じ検査という工程であったとしても、対象となるワークの原材料や形状の違い、作業環境の違いなどによって同じシステムが正しく活用できるとは言えません。

机上の空論では想定できなかった懸念点をクリアし、実際の環境に落とし込んでいくことがPoCの目的です。

3.PoCの必要性

PoCがなぜ必要であるのか。
もしPoCという工程を経ずにシステムを導入するとどうなるのでしょうか。

そもそもAIなどのシステム導入は大きく分けると、

要件定義→PoC→導入→運用

という流れで現場への導入を図ります。
要件定義においては、正確かつ綿密な情報共有を行います。
しかし、システムベンダーと導入企業の間において、必ずしも完全な意思疎通が図られるとも限りません。
もし、システム導入において何らかの重大な事実が見逃されていた場合。
多大な費用と時間をかけたものの、上手く現場で活用できないシステムを導入してしまいます。
本格的な導入の前に、PoCという段階を挟むことで、使えないシステムを導入してしまうというリスクを回避することが期待できます。

また、PoCの段階を挟むことで開発期間を短縮する効果も期待できます。
これは、アジャイル型開発の考え方でシステム導入を進めることができるからです。

アジャイル型開発とは、比較的、早い段階でシステムのテストを行い、テストの結果を踏まえて、システムの仕様を明確化していくという開発方法です。
完全に仕様を決定してからシステム開発を進める方法(ウォーターフォール型開発)に比べると、システムを導入による問題が発生した場合の手戻りが少ないため、特にAIなどの際維新設備の導入の場合においては導入期間の短縮につながるとされています。

ただし、アジャイル型開発には問題点も存在します。
アジャイル型開発では、プロジェクト全体のスケジュールがスタート段階では設定されていません。
場当たり的に進めてしまうと最終的に目指すべき目的が曖昧になる導入が進まないなどの状況を招いてしまいます。

したがって、アジャイル型開発にあたっては、個々の課題や要件に対処しながらプロジェクト全体を進めていくというプロジェクトマネジメントスキルを持った人材が必要となります。
取引先企業との連携を図りながら、必要とするシステムを明確化していくことが導入を進めるにあたって必要となるのです。

4.PoCの費用

実際のシステム導入前ではありますが、PoCには費用が掛かります。

かかる費用としては、システムの簡易版を製作する費用、テスト実施に必要な人件費などとなります。
費用の多寡については導入するシステムの規模によって大きく差があります。
金額の目安としては、小規模なもので100万~となる事が多く、案件の“大きさ”で決まります。

PoCを実際の製造現場において行う必要性が出てくる可能性もあり、その期間の間は製造を調整する必要性も出てきます。

PoCにおいてはこうした費用や手間も発生するということを予め、考慮しておく必要があります。
また、PoC費用を適切に見極めていかないといけません。仮にPoCが失敗した場合費用だけが掛かる結果となります。
実現性があるのか、身の丈に合ったコスト感なのか、依頼する企業も色々な情報を下に適切な判断を下す必要があります。

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