ドロス・スパッタ
溶接業に携わる方々であれば誰もが「削減したいロス・課題」として挙げるドロスやスパッタ。
今回はドロスやスパッタについて解説しつつ、その対策までお伝えいたします。
- ~目次~
- 1.ドロスやスパッタとは
- 2.ドロスやスパッタへの対応策
1.ドロスやスパッタとは
まず初めに、ドロスやスパッタとは何かをご説明いたします。
ドロス
レーザーにて金属板を切断する際に裏面に生じる溶解金属を指します。
ドロスの除去(主に研磨)に手間をかけてしまうと生産効率が低下してしまいます。
ドロスの主な発生要因として、レーザー加工機の出力設定や照射方法を誤っていることが挙げられます。
板厚などの考慮はもちろん、材質によってドロスの出やすさや対応策も変化いたします。
スパッタ
溶接の際に飛び散るかす(スラグ)がワークに付着したものをスパッタと称します。
鏨(たがね)やジェットタガネなどで除去するのが一般的です。
取れにくいものは除去に時間がかかり、ドロスと同様に生産効率の低下を招きます。
2.ドロスやスパッタへの対応策
次に、ドロス・スパッタへの対応策をご紹介いたします。
- ドロス
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ドロス除去剤・付着防止剤:レーザーで加工する前に、あらかじめワークへドロス除去剤・付着防止剤を塗布することで、ドロスの発生を抑えることが期待されます。
ただし、塗布する工数・コストがかかる為、品質の向上が急務の場合を除いて慎重に考える必要があります。 -
アシストガス:専用のガスを吹き付けることで、ドロスを吹き飛ばしながら加工することができます。
また、製品の仕上がりも綺麗になります。
ただし、アシストガスの種類やワークの種類によって適正が分かれますのでご注意ください。 -
焦点の位置条件の見直し:ドロスの発生条件として、ワークに対する適切な加工条件設定ができていないということが挙げられます。
レーザーの焦点設定や強さなど、条件の見直しを行ってみるのも一つの手段です。 - スパッタ
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スパッタ対策へのロボットでの取り組みとして、従来の 90%以上をカットする特殊な工法がございます。
溶接の際に送り出すワイヤの長さをロボット自体が管理・調整することで自動的に最適な溶接条件を実現させます。
その為、スパッタの飛び散る量が減少するという工法になります。
さらにメリットとして溶け込み量の向上(50%以上 UP)もございます。
300A までのロボットで上記の効果が期待されており、強い電流での効果も期待されています。
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