DX GLOSSARY DX用語集

デジタルやAI、ロボットに関する技術用語集

インダストリー4.0

~目次~
1.インダストリー4.0とは
2.インダストリー4.0によって見込まれる効果
3.インダストリー4.0は浸透しているのか?

1.インダストリー4.0とは

インダストリー4.0は、第4次産業革命を象徴する概念であり、製造業におけるデジタル技術の進化と統合を指しています。
この概念は、2011年にドイツ政府が提唱したもので、製造プロセス全体を革新し、効率を向上させることを目的としています。

第1次産業革命では水力や蒸気機関が、第2次産業革命では石油や電力が、第3次産業革命では情報技術が導入され、それぞれの時代において生産性や効率が向上してきました。
そして、現在のインダストリー4.0では、IoT(モノのインターネット)、AI(人工知能)、クラウドコンピューティングなどのテクノロジーが融合し、製造業のさらなる飛躍を目指しています。

2.インダストリー4.0によって見込まれる効果

インダストリー4.0の導入には、以下のような効果が期待されています。

・生産効率の向上
IoTやAIの活用により生産プロセスが最適化され、生産効率が飛躍的に向上します。

・カスタマイズ生産
顧客一人一人に対して、オーダーメイド製品をシステマチックの造ることができます。

・予知保全
センサーとデータ解析の組み合わせにより、機械の異常や故障を事前に検知。
機械の寿命を延ばし、生産の中断を最小限に抑えることができます。

・リアルタイムデータの活用
生産ラインから得られる大量のデータがリアルタイムで分析することで、迅速且つ的確な経営判断を行うことができます。

また、インダストリー4.0では、新しいビジネスモデルの構築をすることができます。
新しいビジネスモデルとは、“製造ノウハウをソフトウェア化し、世界中の顧客に売る“というものです。

具体的にフローを説明をします。

  1. 各製造業社が、デジタルプラットフォームに製造ノウハウをアップロードする。
  2. ある製品を作成したい会社がプラットフォームからその製品の作成方法を購入
  3. 購入した製造ノウハウに沿って、NC装置や3Dプリンターで作製
  4. 完成

このビジネスモデルで特筆している点は、従来と比較してマーケットサイズが各段に広がることです。
中小企業であっても、世界中の企業にアプローチすることができます。
また、実際に製品が移動することはないので、コストの削減にもつながります。

3.インダストリー4.0は浸透しているのか?

現在、世界中の多くの製造企業がインダストリー4.0を取り入れる動きを見せていますが、各国や業界ごとに進捗が異なります。
特に、先進国や大手企業が積極的に導入している一方で、中小企業や新興国においては導入が進んでいないケースも見られます。

導入の障害としては、高額な投資が必要であることや、既存の生産ラインとの統合における課題などが挙げられますが、最も参入障壁と考えられているのは、データセキュリティへの懸念です。

例えば、先ほど説明したビジネスモデルは素晴らしいものですが、同時に製造ノウハウ流出の危険性を孕んでいます。
技術力に長けている企業にとっては、虎の子を差し出すことになりかねません。
ドイツ情報技術通信・ニューメディア産業連合会が2016年に実施したアンケートでは、「あなたの会社にとってインダストリー4.0の技術を導入する上で最大の障壁は何ですか?」との質問に対し、回答企業の64%が「安全性」と回答しています。

技術を安全に活用できるのかどうかが、インダストリー4.0を真に実現する上で重要な論点になっています。

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