人が帰った後も稼ぐ工場へ。NC旋盤・マシニングの脱着をFAIRINOで自動化する3つのステップ

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執筆者徳竹 勇兵
コラムテーマ自動化・ロボット
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工作機械の稼働率を落とす「夜間の人手不足」と「ロボットの待ち時間」

NC旋盤やマシニングセンタ(CNC)といった工作機械を保有する金属加工現場において、機械の稼働率は工場の利益に直結します。しかし、多くの現場が稼働率を最大化できずに苦しんでいます。

NC旋盤・マシニングセンタの「夜間無人稼働」という悲願

加工現場の経営者にとって、「人が帰った後の夜間も、機械が自動で動き続けて製品を作り出してくれること」は長年の悲願です。しかし現実は、機械に材料(ワーク)をセットし、加工が終わった製品を取り出す「マシンテンディング(ワーク脱着)」を行う作業員がいなければ、機械は止まってしまいます。夜勤スタッフの採用は極めて困難であり、多くの工場が夕方には機械の電源を落とさざるを得ない機会損失に直面しています。

専用のオートローダーシステムが高額で多品種に合わない理由

夜間稼働を実現するため、機械メーカー純正のガントリーローダーや専用の自動搬送システムを検討する企業もあります。しかし、これらは数千万円規模の莫大な投資が必要になる上、「特定の製品を大量に作り続ける」ことには向いていても、日によって加工する部品が変わる「多品種少量生産」の現場には柔軟に対応できないという弱点があります。

「機械1台にロボット1台」が招く、投資対効果(ROI)悪化のジレンマ

そこで汎用性の高い産業用ロボットの導入が検討されますが、ここでも問題が発生します。「機械1台につきロボット1台」を固定配置すると、機械の加工時間が長い場合(例えば1個削るのに10分かかる場合)、ロボットはワークをセットした後の9分以上を「ただ待っているだけ」になってしまいます。これではロボットの稼働率が極端に低くなり、高額なロボットの投資回収(ROI)が全く合わなくなってしまうのです。

稼働率を極限まで引き上げる「多台持ち」レイアウトの威力

この「ロボットの待ち時間」のムダをなくし、投資対効果を劇的に改善する賢いアプローチが、協働ロボットを活用した「多台持ち」というレイアウト戦略です。

1台の協働ロボットが複数の機械を渡り歩く高効率な配置

「多台持ち」とは、1台のロボットが2台以上の工作機械へのワーク脱着を兼任する仕組みです。Aの機械で加工が始まってロボットの手が空いている間に、隣のBの機械へワークをセットしに行く。このようにロボットを「休ませずフル稼働」させることで、1台のロボットが生み出す価値を2倍、3倍へと引き上げます。

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2台の機械の間にFAIRINOを置く「省スペースな後付け」の強み

多台持ちを実現するには、複数の機械にアームが届く位置にロボットを設置しなければなりません。FAIRINOのような協働ロボットは安全柵が不要であるため、既存の機械と機械の間の狭い通路や空きスペースに、レイアウトを大きく変えることなく「後付け」でコンパクトに配置することが可能です。

加工タクトタイムの差を吸収する、中間バッファ(仮置き場)の活用

Aの機械とBの機械で加工にかかる時間(タクトタイム)が異なる場合、ロボットの動きがバッティングしてしまうことがあります。これを防ぐために、ロボットの可動域内に「中間バッファ(ワークの仮置き場)」を設けます。第1工程が終わったワークを一度バッファに置き、第2工程の機械が空いたタイミングで投入するといった柔軟な運用により、機械を極力止めないスムーズな流れを構築します。

圧倒的コスパの「FAIRINO」が夜間無人化の投資回収を早める

多台持ちのメリットは明確ですが、ここで協働ロボットに「FAIRINO」を選ぶことで、財務的なインパクトはさらに大きなものになります。

大手メーカーの約半額。初期投資を抑え、稟議を通す価格競争力

FAIRINOの本体価格は、一般的な他社製協働ロボットの半額〜2/3程度です。「FAIRINOの圧倒的な安さ」と「多台持ちによる高稼働率」を掛け合わせることで、システム総額を抑えつつ最大の利益を生み出すことができます。「これなら1年半で投資回収できる」という現実的な数字が、経営層の決断(稟議)を強力に後押しします。

油や切削液が舞う過酷な環境でも安定稼働する防塵・防滴性能

工作機械の周辺は、切削油(クーラント)の飛沫や微細な金属粉(切粉)が舞う過酷な環境です。FAIRINOは高い防塵・防滴性能(IP等級)を備えたモデルをラインナップしており、油まみれの加工現場でも故障のリスクを抑え、夜間も安定して稼働し続けるタフさを持っています。

プログラム変更(段取り替え)が容易で、多品種少量生産に即対応

日中の有人稼働時はAという部品を作り、夜間の無人稼働時はBという部品を大量に作るといった運用も、FAIRINOなら簡単です。タブレットを使った直感的な操作やダイレクトティーチングにより、現場の作業員自身が数分でプログラムを切り替え(段取り替え)できるため、多品種少量生産の足を引っ張りません。

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NC旋盤・マシニングの脱着を自動化する3つのステップ

夜間の完全無人化を成功させるためには、加工現場特有のトラブルを未然に防ぐ緻密な設計が必要です。導入を成功に導く3つのステップを解説します。

STEP1 タクトタイムの計算】機械の加工時間とロボットの搬送時間の同期

多台持ちを成功させる最大の鍵は「時間の計算」です。機械の扉が開き、ロボットが加工済みワークを取り出し、未加工ワークをセットして扉が閉まるまでの「搬送時間」と、機械が削っている「加工時間」を緻密に計算し、ロボットが複数台を回っても機械の待ち時間が発生しない(あるいは最小限になる)最適なフローを設計します。

STEP2 確実な把持とエアブロー】切粉(きりこ)を飛ばし、ワークを正確に掴むハンド設計

ワークをセットする際、チャック(固定具)にわずかでも切粉が挟まっていると、加工不良や機械の破損に直結します。ロボットのハンド部分にエアブローのノズルを取り付け、セットする直前に強力な空気で切粉や油を吹き飛ばす機構を組み込むことが、無人稼働における品質安定の絶対条件です。また、油で滑らないよう確実なクランプ力を持つ金属製のロボットハンド(グリッパー)を選定します。

STEP3 確実なI/O連携】「扉の開閉」と「加工完了」の安全な信号のやり取り

ロボットが機械の中に手を入れている時に、誤って扉が閉まったり主軸が回転したりすれば大事故になります。工作機械とロボットの間で「加工が終わった」「扉が全開になった」「ロボットの手が完全に外に出た」といった信号(I/O)を確実にやり取りするインターフェースの構築が必須です。

導入ステップ

実施内容

失敗を防ぐためのポイント

1. タクト計算

複数機械の加工時間とロボットの移動時間のシミュレーション

ロボットの移動速度は安全規格(協働モード)の上限を考慮して計算する。

2. ハンド&エア設計

油や重量に耐えるグリッパーと、切粉除去用エアブローの選定

加工前と加工後でワークの寸法が変わることを前提にハンドを設計する(ダブルハンドの活用など)。

3. 信号連携(I/O

工作機械側の自動化インターフェース(自動扉など)との接続

古い機械の場合は、メーカーに自動扉の追加や基板改造(Mコード追加など)を依頼する必要があるか確認する。

まとめ:人が帰った後も稼ぎ続ける工場へ。まずは無料レイアウトシミュレーションから

「夜も機械を動かしたいが、夜勤スタッフが集まらない」

「ロボットを入れたいけれど、高すぎて投資回収できる気がしない」

もし貴社がこのようなジレンマを抱えているなら、FAIRINOによる「多台持ち」でのマシンテンディングは、現状を打破する最高の経営戦略となります。FAIRINOの圧倒的なコストパフォーマンスと、賢いレイアウト設計を組み合わせることで、これまで大企業しかできなかった「人が帰った後も稼ぎ続ける夜間無人化ライン」を、中小企業でも現実的な予算で構築できるのです。

しかし、記事の中で触れた通り、多台持ちは「タクトタイムの計算」や「工作機械との確実な信号連携」など、事前の緻密な設計が成功の9割を握ります。

「今の機械の配置で、本当にロボットの多台持ちは可能なのか?」

「自動扉の改造やハンドの設計を含めて、総額いくらで実現できるのか?」

そうお考えの経営者様、工場長様。まずは、その疑問を具体的な図面と数字に落とし込んでみませんか?

当社では、貴社の工場レイアウト図面や対象ワークの情報をお預かりし、FAIRINOを用いた最適な多台持ちレイアウトのご提案と、タクトタイム・投資回収期間のシミュレーションを無料で実施するオンライン相談を受け付けております。

機会損失をなくし、利益を生み出し続ける次世代の加工現場への第一歩として、ぜひお気軽にご活用ください。

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執筆者 : 徳竹 勇兵

大学卒業後、製造メーカーの生産技術関連部署にて12年間従事。生産設備導入を中心に、ロボットシステムの導人を手掛ける。 船井総合研究所へ入社後は全国各地の中小製造業向けのロポット活用、DX推進コンサルティングを実施。中小製造業向けのロポット活用及びDX診断を行っておりその数は100社を超える。 また、自治体主催のDX人材育成セミナーや大学での中小企業経営論講義などを行う。