記事公開日:2019.08.07
最終更新日:2022.12.14
検査で品質の向上!従業員50名の会社が挑んだ品質の向上
この事例におけるロボット化によるメリット
□ ロボット導入による生産性の向上
□ 品質の安定化
課題
射出成型品は大きいものが少なく、その検査は目が疲れる上、
数を裁かなければいけません。
この事例では、製品のバリ、傷の外観検査を目視で行っていました。
また、ロット単位での外観検査を実施していたため、
製造後しばらくたってから外観検査が行われ、その間に製造した製品が
全て不良となったこともあり、その最大数は50万個にも登ったようです。
もちろんその場合は廃棄となりますし、かなりの損失となったはずです。
ロボットを導入した工程
製品の外観検査と箱詰め
ポイント
自動外観検査装置としては、
成形後のワークを遮光カバーに覆われた暗室内に搬送し、
2台のカメラにて撮影・解析を行い、不良の場合は排出するシステムとしています。
製品の箱詰め工程においては、人間の箱詰め作業を分析し、その動作をプログラム化
することで自動化を実現しました。
ロボットは直行型ロボットです。
結果、検査工程及び箱詰め工程においては、作業者が箱詰めの箱の準備のみとなり、
1名の作業者が1日4時間程度の作業で済むようになりました。
コンサルタントの視点
射出成型品は品質の安定化が難しいようです。
材料の配合によっては黒点と呼ばれるちょっとした色むらが現れたりしますし、
品質の安定化の為、工場の温度は常に一定にされています。
本事例ではバリ、汚れ、傷の外観検査で、その安定化の為、暗室にて検査をしています。
画像処理では100%は難しいといわれています。
画像処理は光の影響を受けやすいもので、安定した環境を与えてあげるのがベストです。
暗室だと、傷などを際立たせる照明の光以外が入らず、安定した検出が可能になります。
外観検査が可能だというところが分かるといざ導入となります。
検査以外の項目も押さえておかないとなかなか投資効果は現れません。
自動化したい工程を見ていると、人は色々なことをする多能工だと痛感します。
外観検査装置+ロボット(製品の外観検査装置への供給排出+箱詰め)=人間
といった感じでしょう。
単一動作の繰り返しは圧倒的にロボットやカメラ等の機械が有利です。
組み合わせをしていくことで人間に近づけ、その生産性を超えていく。
外観検査装置+ロボット(製品の外観検査装置への供給排出+箱詰め)≧イコール人間
といった感じにしていくのがベターです。
自動化出来た余剰人員は他工程に回すことができます。
上記ロボットシステムには組立はできません。
省人化は工程化にとどめておき、工場全体では増人化を目指す。
中小企業の自動化のあるべき姿を提案しますので是非お声がけを頂戴できればと思います。
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