ROBOT CONSULTING COLUMN 自動化・ロボットコンサルティングコラム

専門コンサルタントが執筆するAI・ロボットコラム
最新のAI・ロボット技術に精通したコンサルタントによる定期コラム

組み立てロボットとは?メリットや3つの成功事例を解説!

2024.07.26

製造業においては、労働生産性の向上やコスト削減、品質の一貫性確保といった課題に直面している企業様も多いのではないでしょうか。 本記事では、組み立てロボットの基本概念、導入のメリット、そして成功事例について解説します。貴社の情報収取の一助になれば幸いでございます。 1.組み立てロボットとは 組み立て工程におけるロボットは、製造分野で使用される自動化機械の一種です。 このロボットは、精密な作業を迅速かつ正確に行う能力があり、製造業における作業効率と生産性の向上に大きく貢献しています。主に自動車、電子機器、家電製品の製造など、複雑な組み立て作業が求められる産業で活用されており、人間の作業員が行うには時間がかかる作業や危険を伴う作業を代行することで、安全性の向上とコスト削減を実現しています。 2.組み立てロボット導入のメリットとは 組み立てロボットの導入による主なメリットは、以下の3つに集約されます。 2-1.組み立てロボット導入のメリット①:ヒューマンエラーの防止 組み立てロボットは教示された命令に従って作業をおこないます。 これにより、人間の操作による間違いや誤動作の発生頻度を極めて少なくすることができます。 人間がおこなう作業は、疲労や注意散漫、経験の不足によるミスが発生しやすいですが、ロボットはこれらの要因に影響されることなく、一定品質の作業を実行することができます。 よって、ロボット導入をおこなうことで製造過程でのヒューマンエラーを大幅に削減することが可能となり、さらには製品の不良率減少、包括的な品質保証、顧客満足度の向上を見込むことができます。 2-2.組み立てロボット導入のメリット②:生産性の向上 自動化効果の出る構想設計をおこなうことを前提にすれば、組み立てロボットは効率的且つ正確に作業をおこなう能力を持っています。 これにより、製造ラインのスループットが大幅に向上し、より多くの製品を短時間で生産することが可能になります。 また、ロボットは人間と異なり、疲労や休憩の必要がないため、24時間体制での連続運転を実現することも可能です。 需要の高い業種や大量生産が求められる業種において、企業の収益性を大きく向上させる要因となります。 2-3.組み立てロボット導入のメリット③:人的コストの削減 ロボット導入をおこなうことで、人件費の大幅な削減を見込むことができます。 さらに、ロボットによる自動化が進むと、人間はより専門的で創造的な業務に集中することができます。 特に単調で繰り返しの多い作業や物理的に負担の大きい作業をロボットが担うことができれば、労働力を効率的に配分し、企業全体の生産性の向上を図ることができます。 また、労働災害のリスクが減少することで、関連する保険料や健康管理コストの削減にも繋がります。 これらのメリットにより、組み立てロボットは製造業のコスト効率の向上、生産性の向上、そして製品品質の一貫性と信頼性の強化に大きく寄与します。 これにより、企業は競争力を維持し、市場での優位性を確保するための重要な手段を得ることができます。 3.組み立てロボット導入成功事例3選 続いて、組み立てロボットの導入に成功した3社の事例についてご紹介します。 3-1.組み立てロボット導入成功事例①:グローリー株式会社 グローリー株式会社では、レジ釣銭機用部品の組立・検査工程にロボット導入し、自動化に成功しました。 従来は人手による柔軟な作業方式で生産をおこなっていましたが、労働力不足・競争力の確保を背景として、ロボット導入に踏み切りました。 結果として5名の省人化に成功し、労働生産性を2倍に引き上げました。 自動化効果は以下のようになっています。 (引用 ロボット活用ナビ レジ釣銭機用部品の組立・検査工程にロボット導入) 3-2.組み立てロボット導入成功事例②:コーセーエンジニアリング株式会社 コーセーエンジニアリング株式会社では、ワイヤーハーネスの製造工程において自動化に成功しました。 具体的には、電線へのリング取付―マークチューブ取付―被覆を剥ぐ―端子取付―圧着までを全て人手作業からロボットによる作業に置き換えました。 結果的に、3名の省人化に成功しています。 さらに、属人性を排除することが可能となったため、品質不良の削減もおこおなうことができました。 自動化効果は以下のようになっています。 (引用 ロボット活用ナビ ワイヤーハーネスの製造工程にロボット導入) 3-3.組み立てロボット導入成功事例③:株式会社山本電機製作所 山本電機製作所株式会社では、MEMSセンサ基盤のアッセンブリ工程において、ロボット導入に成功しました。具体的には、人手でおこなっていたワークの供給・排出作業や、接着材塗布のスイッチ操作を自動化しました。 自動化効果は以下のようになっています。 (引用 ロボット活用ナビ MEMSセンサ基板のアッセンブリ工程のロボット化による量産化実現) 4.まとめ いかがでしたでしょうか?ここまで組み立てロボットの概要とメリット、そして成功事例を紹介いたしました。組み立てロボットをうまく活用することができれば、その導入は労働生産性の向上、品質の安定化、そして人的コストの削減といった複数の面で顕著な効果をもたらします。 組み立てロボットの導入は、単に作業を自動化すること以上の価値を持っています。 それは、企業が市場での競争力を維持し、経済的な持続可能性を実現するための戦略的な選択と言えるでしょう。 さらに組み立てロボットについて情報収集をご希望の方は以下のセミナーページ、レポートページをご参照ください。 最後までお読みいただきありがとうございました。 ■関連するセミナーのご案内 多品種少量生産製造業のための組立・組付け工程の自動化セミナー セミナー詳細・申込はこちらから↓↓↓ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/117937 ■組立工程のロボット活用成功事例解説レポート ▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼ https://www.funaisoken.co.jp/dl-contents/smart-factory__00794 目次 1、多品種な複数部品の組み合わせによるパネル生産の自動化! 2、形状も材質も違う複数材料を一つのロボットでハンドリング! 3、部品形状に合わせた接着材を塗工し自動で貼り付け! レポートの内容 従来では特定の人員が手作業で行っていたパネルの組立作業の自動化に成功。 多品種かつ部品点数多い・更に接着材の塗布と正確な位置への部品貼り付け等、様々な難題をクリアして構築したシステム。 本レポートではこれらの一部をご紹介致します。 製造業においては、労働生産性の向上やコスト削減、品質の一貫性確保といった課題に直面している企業様も多いのではないでしょうか。 本記事では、組み立てロボットの基本概念、導入のメリット、そして成功事例について解説します。貴社の情報収取の一助になれば幸いでございます。 1.組み立てロボットとは 組み立て工程におけるロボットは、製造分野で使用される自動化機械の一種です。 このロボットは、精密な作業を迅速かつ正確に行う能力があり、製造業における作業効率と生産性の向上に大きく貢献しています。主に自動車、電子機器、家電製品の製造など、複雑な組み立て作業が求められる産業で活用されており、人間の作業員が行うには時間がかかる作業や危険を伴う作業を代行することで、安全性の向上とコスト削減を実現しています。 2.組み立てロボット導入のメリットとは 組み立てロボットの導入による主なメリットは、以下の3つに集約されます。 2-1.組み立てロボット導入のメリット①:ヒューマンエラーの防止 組み立てロボットは教示された命令に従って作業をおこないます。 これにより、人間の操作による間違いや誤動作の発生頻度を極めて少なくすることができます。 人間がおこなう作業は、疲労や注意散漫、経験の不足によるミスが発生しやすいですが、ロボットはこれらの要因に影響されることなく、一定品質の作業を実行することができます。 よって、ロボット導入をおこなうことで製造過程でのヒューマンエラーを大幅に削減することが可能となり、さらには製品の不良率減少、包括的な品質保証、顧客満足度の向上を見込むことができます。 2-2.組み立てロボット導入のメリット②:生産性の向上 自動化効果の出る構想設計をおこなうことを前提にすれば、組み立てロボットは効率的且つ正確に作業をおこなう能力を持っています。 これにより、製造ラインのスループットが大幅に向上し、より多くの製品を短時間で生産することが可能になります。 また、ロボットは人間と異なり、疲労や休憩の必要がないため、24時間体制での連続運転を実現することも可能です。 需要の高い業種や大量生産が求められる業種において、企業の収益性を大きく向上させる要因となります。 2-3.組み立てロボット導入のメリット③:人的コストの削減 ロボット導入をおこなうことで、人件費の大幅な削減を見込むことができます。 さらに、ロボットによる自動化が進むと、人間はより専門的で創造的な業務に集中することができます。 特に単調で繰り返しの多い作業や物理的に負担の大きい作業をロボットが担うことができれば、労働力を効率的に配分し、企業全体の生産性の向上を図ることができます。 また、労働災害のリスクが減少することで、関連する保険料や健康管理コストの削減にも繋がります。 これらのメリットにより、組み立てロボットは製造業のコスト効率の向上、生産性の向上、そして製品品質の一貫性と信頼性の強化に大きく寄与します。 これにより、企業は競争力を維持し、市場での優位性を確保するための重要な手段を得ることができます。 3.組み立てロボット導入成功事例3選 続いて、組み立てロボットの導入に成功した3社の事例についてご紹介します。 3-1.組み立てロボット導入成功事例①:グローリー株式会社 グローリー株式会社では、レジ釣銭機用部品の組立・検査工程にロボット導入し、自動化に成功しました。 従来は人手による柔軟な作業方式で生産をおこなっていましたが、労働力不足・競争力の確保を背景として、ロボット導入に踏み切りました。 結果として5名の省人化に成功し、労働生産性を2倍に引き上げました。 自動化効果は以下のようになっています。 (引用 ロボット活用ナビ レジ釣銭機用部品の組立・検査工程にロボット導入) 3-2.組み立てロボット導入成功事例②:コーセーエンジニアリング株式会社 コーセーエンジニアリング株式会社では、ワイヤーハーネスの製造工程において自動化に成功しました。 具体的には、電線へのリング取付―マークチューブ取付―被覆を剥ぐ―端子取付―圧着までを全て人手作業からロボットによる作業に置き換えました。 結果的に、3名の省人化に成功しています。 さらに、属人性を排除することが可能となったため、品質不良の削減もおこおなうことができました。 自動化効果は以下のようになっています。 (引用 ロボット活用ナビ ワイヤーハーネスの製造工程にロボット導入) 3-3.組み立てロボット導入成功事例③:株式会社山本電機製作所 山本電機製作所株式会社では、MEMSセンサ基盤のアッセンブリ工程において、ロボット導入に成功しました。具体的には、人手でおこなっていたワークの供給・排出作業や、接着材塗布のスイッチ操作を自動化しました。 自動化効果は以下のようになっています。 (引用 ロボット活用ナビ MEMSセンサ基板のアッセンブリ工程のロボット化による量産化実現) 4.まとめ いかがでしたでしょうか?ここまで組み立てロボットの概要とメリット、そして成功事例を紹介いたしました。組み立てロボットをうまく活用することができれば、その導入は労働生産性の向上、品質の安定化、そして人的コストの削減といった複数の面で顕著な効果をもたらします。 組み立てロボットの導入は、単に作業を自動化すること以上の価値を持っています。 それは、企業が市場での競争力を維持し、経済的な持続可能性を実現するための戦略的な選択と言えるでしょう。 さらに組み立てロボットについて情報収集をご希望の方は以下のセミナーページ、レポートページをご参照ください。 最後までお読みいただきありがとうございました。 ■関連するセミナーのご案内 多品種少量生産製造業のための組立・組付け工程の自動化セミナー セミナー詳細・申込はこちらから↓↓↓ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/117937 ■組立工程のロボット活用成功事例解説レポート ▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼ https://www.funaisoken.co.jp/dl-contents/smart-factory__00794 目次 1、多品種な複数部品の組み合わせによるパネル生産の自動化! 2、形状も材質も違う複数材料を一つのロボットでハンドリング! 3、部品形状に合わせた接着材を塗工し自動で貼り付け! レポートの内容 従来では特定の人員が手作業で行っていたパネルの組立作業の自動化に成功。 多品種かつ部品点数多い・更に接着材の塗布と正確な位置への部品貼り付け等、様々な難題をクリアして構築したシステム。 本レポートではこれらの一部をご紹介致します。

AI外観検査とは?従来の画像検査との違い、導入のメリットや注意点とは?

2024.07.04

いつもご愛読いただきありがとうございます。 製造業における、製品の品質管理は企業の信頼性を担保する重要な要素ですが、従来の手作業による検査は効率面や品質の均一性において課題が残されているケースが多くあります。 本記事では、AIを活用した外観検査の自動化について、その効果を最大限に引き出す方法をご紹介いたします。 AI外観検査の基本的な概要から導入メリット、よくある誤解、導入プロセスやよくあるFAQまで詳しく解説いたします。 本記事をお読みいただくことで、AI外観検査の基礎から導入方法までを包括的に理解することができます。外観検査の効率化を検討中の企業様は、ぜひ最後までご一読ください。 1.AI外観検査とは? 外観検査は、製品が仕様通りの外観を保っているかを確認する工程です。品質管理において、外観検査は非常に重要です。まずは、AIを活用した外観検査について解説していきます。 1-1.AIとは AI(人工知能)とは、人間の知能を模倣し、データ解析や学習を行うシステムです。AIはディープラーニングなどの技術を活用して、大量のデータを解析し、人間と同等、あるいはそれ以上の精度で判断を行います。AI技術は医療、金融、製造業などさまざまな分野で利用されており、特に画像認識や不良検知の分野で高い精度を誇ります。 AIの歴史は1950年代にさかのぼります。当初は理論的な研究が主でしたが、現在では実用的な応用が進んでいます。2022年11月30日にはChatGPTがリリースされ、AIの実用性は加速的に高まっています。画像認識、音声認識、自然言語処理などの分野で大きな成果を上げており、製造業でもその適用範囲が広がっています。 1-2.AI外観検査とは AI外観検査は、製品の外観をAI技術を用いて自動的に検査する方法です。具体的には、カメラで撮影された画像をAIが解析し、不良箇所や不良を検出します。AIの学習方法にもよりますが、従来の目視検査やルールベースの画像検査と異なり、AI自体に不良データを学習させ、製品の良否判定をおこなわせることもできます。 AI外観検査は、特に大量生産をおこなっている工場で非常に有効です。例えば、自動車部品の製造ラインでは、毎分数百個の部品が生産されますが、このすべてを人間が目視で検査することは現実的ではありません。AI外観検査を導入することで、即時に大量の部品を検査することができ、生産性が大幅に向上します。 1-3.AI外観検査と従来の外観検査⼿法との違い 従来の目視検査は、人間の経験や勘に頼る部分が大きく、検査をおこなう人や、その人の状態などによって検査結果にばらつきが生じやすいという欠点があります。特に検査員が疲労している場合や、スキルにばらつきがある場合、不良品を見逃すリスクが高まります。これに対し、AI外観検査は一定の基準に従って一貫した検査を行うため、信頼性が高いと言えます。 また、従来の画像検査システムでは、あらかじめ決められたルールに基づいて不良を検知します。しかし、作業員の経験に頼るような、難易度の高い外観検査を自動化する場合は、不良のモデル化が困難であるという欠点がありました。AI外観検査は、機械学習アルゴリズムを使用してデータから学習をおこなうため、不良のモデル化が難しい、曖昧な不良パターンの自動化にも対応することができます。 AI外観検査の導入には初期コストがかかりますが、長期的に見れば検査の効率が向上し、不良品の減少によるコスト削減効果が期待できます。AI外観検査を導入することで、品質管理のレベルが向上し、製品の信頼性を高めることができます。 2.AI外観検査の2つのメリット AI外観検査には、以下の2つのメリットがあります。 ・省人化によるコスト削減と生産性向上 ・検査品質の向上と均一化 それぞれ詳しく見ていきましょう。 2-1.AI外観検査のメリット①:省人化によるコスト削減と生産性向上 AI外観検査を導入することで、人手による検査が不要となり、人件費の大幅な削減が可能です。時間や人手のかかっている作業を選定し、自動化することができれば、浮かせた工数分、人件費を削減することができます。また、製造ラインを24時間稼働させることもできるようになるため、さらなる生産性向上が期待できます。 さらに検査を自動化することで、検査員をより付加価値の高い業務に配置することが可能になります。例えば、生産ラインの監視や機械の保守、オペレーションの最適化など、より付加価値の高い業務に集中することができます。これにより、工場全体の生産性向上と効率化を図ることができます。 2-2.AI外観検査のメリット②:検査品質の向上と均一化 AI外観検査は、設定された基準に基づいて検査をおこないます。人間の疲労や主観によるばらつきを防ぎ、精度高く検査をおこなうことができます。 AI外観検査では、微細な不良や目に見えない欠陥を検出することができます。例えば、プリント基板の微細なクラックや汚れ、半導体チップの微細な不良など、人間の目では見逃しがちな不良を検出することができます。 3.AI外観検査の2つのデメリット AI外観検査には既存の検査方法にはないメリットがありますが、いくつかのデメリットや課題も存在します。 ・高コストの初期導入費用 ・データの質と量に依存 それぞれ詳しく見ていきましょう。 3-1.AI外観検査のデメリット①:高コストの初期導入費用 AI外観検査システムの導入に際しては、ハードウェア、ソフトウェア、AIモデルの開発費用などの初期投資が必要になります。特に、高度なAIモデルを構築するためには、大量のデータや専門的な知識が必要であり、その開発のためのリソースが求められます。中小企業にとっては、この初期投資が高額であり、導入をためらう要因になるケースがあります。 3-2.AI外観検査のデメリット②:データの質と量に依存 AI外観検査の精度は、学習に使用するデータの質と量に大きく依存します。適切なデータを収集し、正確にラベル付けすることが求められます。例えば、不良対象が上手く撮像できていない場合や、撮像データが数十データしかない場合、AIモデルの検査精度は低下し、誤検出や見逃しが発生するリスクが高まります。どんなに質の高いAIを活用しても、適切なデータを収集できていなければ、理想的な外観検査の自動化を実現することは難しいです。 4.「AIによる外観検査」でよくある誤解 AI外観検査の導入提案をしていく中で、残念ながらAIに対する誤解が見られることがあります。よくある例として、「AIは完全無欠であり、人間の介入なしで検査を自動化できる」と考えがちですが、これは誤りです。先ほど記載した通り、AIの精度は学習データに依存しているため、データの質や量が検査結果に影響します。また、環境の変化や新たな不良パターンに対応するための継続的な学習が必要です。さらに、重要な判断には人間の確認が求められることもあります。 例えば、ある自動車メーカーにおいて、学習データが偏っていたり、学習事項を適切に更新していなかったことから、AIが誤った不良検出を多発させた事例があります。AI外観検査システムは常に最新のデータに更新しながら、運用していくことが求められます。また、すべての不良をAIで検出できるわけではないため、特に複雑な検査結果には人間による最終確認が必要です。 5.よくある質問 次に、外観検査AIを導入する際によくある質問についてご紹介いたします。 5-1.AI外観検査の導入にはどのくらいのコストがかかりますか? 初期投資としては数百万円から数千万円が一般的です。具体的な費用は、検査対象の規模や求める精度、必要な機能、自動化によって削減できる人件費によっても異なります。費用対効果を考慮し、適切なシステムを選定することが重要です。 5-2.AI外観検査はどのような業界で導入されていますか? AI外観検査は製造業、自動車産業、食品産業、医薬品産業など、多岐にわたる業界で導入されています。特に製造業では、部品の表面検査や組み立て製品の最終検査などで使用され、高精度な検査結果と効率化が期待されています。 6.AIで外観検査をおこなうかどうか?以外の検討事項 6-1.AI以外の検討事項 検査工程を自動化する際は、AIで外観検査をおこなうかどうか?以外にもさまざまな検討事項があります。 例えば、 ・照射光:製品に赤/青/緑/白い光を当てるのか?紫外線を当てるのか? ・装置の位置:どの角度から光を照射するのか?どの位置から製品を撮像するのか? ・画像ソフト:機械学習をさせるのか?ルールベースで画像認識をさせるのか?AIを使う のか? ・カメラのスペック:どの程度の解像度のカメラが必要なのか ・タクトタイム:どのような仕様にすれば理想のタクトタイムが実現できるのか。カメラ の台数を増やすのか?より高速処理できる画像ソフトを使うのか?etc… 示した通り、画像検査を自動化する手法は非常に多岐に渡ります。一つ一つを精査し、自 社に合った適切な手法を検討することが重要です。 6-2.費用対効果の検討 技術的な部分と合わせて検討すべきは、費用対効果の検討です。 自動化といっても、うちは多品種過ぎて費用対効果が出ないのではないか…と考えている企業様もいらっしゃるかと思います。 これらは、自動化品種や検査ラインの組み方、画像処理の方法を工夫することで、多品種でも費用対効果の出る自動化を実現できる可能性があります。 ロボットなどでワーク投入などを自動化させる際は、原則一つのティーチングにおいて一 つの製品のみを自動化させることができます。 一つ一つの品種に対してそれぞれティーチングを行う必要があるので、品種追加をしよう とすると非常に工数がかかってしまいます。 しかし、外観検査においては、厳密には異なる品種でも、同じ製造ラインにて自動化をお こなうことができます。 これは、外観検査の際に製品に対しておこなう動作が“撮像”であることに起因していま す。 製品がカメラの画角に収まっていれば、さまざまな不良データを学習させたり、照射する 光の角度や種類を変えることで、同一ラインにて多品種製品の自動化をおこなうことがで きます。 品種選定、検査ラインの組み方、画像処理方法などをしっかりと精査することで、費用対効果の出る自動化を実現しましょう。 7.まとめ AI外観検査は、外観検査の自動化と品質向上に大きく寄与する技術です。 省人化によるコスト削減、検査品質の向上など、多くのメリットがあります。 一方で、導入前には詳細な検討をおこない、実際に費用対効果が出る形で導入を進めていく必要があります。 船井総研では、AI外観検査の自動化コンサルティングをおこなっております。要件定義から機器選定、補助金活用~導入後の運用支援まで、一貫して導入のお手伝いをさせていただいております。 ご興味のある方は以下の無料経営相談をご活用ください。画像検査専門のコンサルタントが対応させていただきます。 ⇒経営相談はこちら いつもご愛読いただきありがとうございます。 製造業における、製品の品質管理は企業の信頼性を担保する重要な要素ですが、従来の手作業による検査は効率面や品質の均一性において課題が残されているケースが多くあります。 本記事では、AIを活用した外観検査の自動化について、その効果を最大限に引き出す方法をご紹介いたします。 AI外観検査の基本的な概要から導入メリット、よくある誤解、導入プロセスやよくあるFAQまで詳しく解説いたします。 本記事をお読みいただくことで、AI外観検査の基礎から導入方法までを包括的に理解することができます。外観検査の効率化を検討中の企業様は、ぜひ最後までご一読ください。 1.AI外観検査とは? 外観検査は、製品が仕様通りの外観を保っているかを確認する工程です。品質管理において、外観検査は非常に重要です。まずは、AIを活用した外観検査について解説していきます。 1-1.AIとは AI(人工知能)とは、人間の知能を模倣し、データ解析や学習を行うシステムです。AIはディープラーニングなどの技術を活用して、大量のデータを解析し、人間と同等、あるいはそれ以上の精度で判断を行います。AI技術は医療、金融、製造業などさまざまな分野で利用されており、特に画像認識や不良検知の分野で高い精度を誇ります。 AIの歴史は1950年代にさかのぼります。当初は理論的な研究が主でしたが、現在では実用的な応用が進んでいます。2022年11月30日にはChatGPTがリリースされ、AIの実用性は加速的に高まっています。画像認識、音声認識、自然言語処理などの分野で大きな成果を上げており、製造業でもその適用範囲が広がっています。 1-2.AI外観検査とは AI外観検査は、製品の外観をAI技術を用いて自動的に検査する方法です。具体的には、カメラで撮影された画像をAIが解析し、不良箇所や不良を検出します。AIの学習方法にもよりますが、従来の目視検査やルールベースの画像検査と異なり、AI自体に不良データを学習させ、製品の良否判定をおこなわせることもできます。 AI外観検査は、特に大量生産をおこなっている工場で非常に有効です。例えば、自動車部品の製造ラインでは、毎分数百個の部品が生産されますが、このすべてを人間が目視で検査することは現実的ではありません。AI外観検査を導入することで、即時に大量の部品を検査することができ、生産性が大幅に向上します。 1-3.AI外観検査と従来の外観検査⼿法との違い 従来の目視検査は、人間の経験や勘に頼る部分が大きく、検査をおこなう人や、その人の状態などによって検査結果にばらつきが生じやすいという欠点があります。特に検査員が疲労している場合や、スキルにばらつきがある場合、不良品を見逃すリスクが高まります。これに対し、AI外観検査は一定の基準に従って一貫した検査を行うため、信頼性が高いと言えます。 また、従来の画像検査システムでは、あらかじめ決められたルールに基づいて不良を検知します。しかし、作業員の経験に頼るような、難易度の高い外観検査を自動化する場合は、不良のモデル化が困難であるという欠点がありました。AI外観検査は、機械学習アルゴリズムを使用してデータから学習をおこなうため、不良のモデル化が難しい、曖昧な不良パターンの自動化にも対応することができます。 AI外観検査の導入には初期コストがかかりますが、長期的に見れば検査の効率が向上し、不良品の減少によるコスト削減効果が期待できます。AI外観検査を導入することで、品質管理のレベルが向上し、製品の信頼性を高めることができます。 2.AI外観検査の2つのメリット AI外観検査には、以下の2つのメリットがあります。 ・省人化によるコスト削減と生産性向上 ・検査品質の向上と均一化 それぞれ詳しく見ていきましょう。 2-1.AI外観検査のメリット①:省人化によるコスト削減と生産性向上 AI外観検査を導入することで、人手による検査が不要となり、人件費の大幅な削減が可能です。時間や人手のかかっている作業を選定し、自動化することができれば、浮かせた工数分、人件費を削減することができます。また、製造ラインを24時間稼働させることもできるようになるため、さらなる生産性向上が期待できます。 さらに検査を自動化することで、検査員をより付加価値の高い業務に配置することが可能になります。例えば、生産ラインの監視や機械の保守、オペレーションの最適化など、より付加価値の高い業務に集中することができます。これにより、工場全体の生産性向上と効率化を図ることができます。 2-2.AI外観検査のメリット②:検査品質の向上と均一化 AI外観検査は、設定された基準に基づいて検査をおこないます。人間の疲労や主観によるばらつきを防ぎ、精度高く検査をおこなうことができます。 AI外観検査では、微細な不良や目に見えない欠陥を検出することができます。例えば、プリント基板の微細なクラックや汚れ、半導体チップの微細な不良など、人間の目では見逃しがちな不良を検出することができます。 3.AI外観検査の2つのデメリット AI外観検査には既存の検査方法にはないメリットがありますが、いくつかのデメリットや課題も存在します。 ・高コストの初期導入費用 ・データの質と量に依存 それぞれ詳しく見ていきましょう。 3-1.AI外観検査のデメリット①:高コストの初期導入費用 AI外観検査システムの導入に際しては、ハードウェア、ソフトウェア、AIモデルの開発費用などの初期投資が必要になります。特に、高度なAIモデルを構築するためには、大量のデータや専門的な知識が必要であり、その開発のためのリソースが求められます。中小企業にとっては、この初期投資が高額であり、導入をためらう要因になるケースがあります。 3-2.AI外観検査のデメリット②:データの質と量に依存 AI外観検査の精度は、学習に使用するデータの質と量に大きく依存します。適切なデータを収集し、正確にラベル付けすることが求められます。例えば、不良対象が上手く撮像できていない場合や、撮像データが数十データしかない場合、AIモデルの検査精度は低下し、誤検出や見逃しが発生するリスクが高まります。どんなに質の高いAIを活用しても、適切なデータを収集できていなければ、理想的な外観検査の自動化を実現することは難しいです。 4.「AIによる外観検査」でよくある誤解 AI外観検査の導入提案をしていく中で、残念ながらAIに対する誤解が見られることがあります。よくある例として、「AIは完全無欠であり、人間の介入なしで検査を自動化できる」と考えがちですが、これは誤りです。先ほど記載した通り、AIの精度は学習データに依存しているため、データの質や量が検査結果に影響します。また、環境の変化や新たな不良パターンに対応するための継続的な学習が必要です。さらに、重要な判断には人間の確認が求められることもあります。 例えば、ある自動車メーカーにおいて、学習データが偏っていたり、学習事項を適切に更新していなかったことから、AIが誤った不良検出を多発させた事例があります。AI外観検査システムは常に最新のデータに更新しながら、運用していくことが求められます。また、すべての不良をAIで検出できるわけではないため、特に複雑な検査結果には人間による最終確認が必要です。 5.よくある質問 次に、外観検査AIを導入する際によくある質問についてご紹介いたします。 5-1.AI外観検査の導入にはどのくらいのコストがかかりますか? 初期投資としては数百万円から数千万円が一般的です。具体的な費用は、検査対象の規模や求める精度、必要な機能、自動化によって削減できる人件費によっても異なります。費用対効果を考慮し、適切なシステムを選定することが重要です。 5-2.AI外観検査はどのような業界で導入されていますか? AI外観検査は製造業、自動車産業、食品産業、医薬品産業など、多岐にわたる業界で導入されています。特に製造業では、部品の表面検査や組み立て製品の最終検査などで使用され、高精度な検査結果と効率化が期待されています。 6.AIで外観検査をおこなうかどうか?以外の検討事項 6-1.AI以外の検討事項 検査工程を自動化する際は、AIで外観検査をおこなうかどうか?以外にもさまざまな検討事項があります。 例えば、 ・照射光:製品に赤/青/緑/白い光を当てるのか?紫外線を当てるのか? ・装置の位置:どの角度から光を照射するのか?どの位置から製品を撮像するのか? ・画像ソフト:機械学習をさせるのか?ルールベースで画像認識をさせるのか?AIを使う のか? ・カメラのスペック:どの程度の解像度のカメラが必要なのか ・タクトタイム:どのような仕様にすれば理想のタクトタイムが実現できるのか。カメラ の台数を増やすのか?より高速処理できる画像ソフトを使うのか?etc… 示した通り、画像検査を自動化する手法は非常に多岐に渡ります。一つ一つを精査し、自 社に合った適切な手法を検討することが重要です。 6-2.費用対効果の検討 技術的な部分と合わせて検討すべきは、費用対効果の検討です。 自動化といっても、うちは多品種過ぎて費用対効果が出ないのではないか…と考えている企業様もいらっしゃるかと思います。 これらは、自動化品種や検査ラインの組み方、画像処理の方法を工夫することで、多品種でも費用対効果の出る自動化を実現できる可能性があります。 ロボットなどでワーク投入などを自動化させる際は、原則一つのティーチングにおいて一 つの製品のみを自動化させることができます。 一つ一つの品種に対してそれぞれティーチングを行う必要があるので、品種追加をしよう とすると非常に工数がかかってしまいます。 しかし、外観検査においては、厳密には異なる品種でも、同じ製造ラインにて自動化をお こなうことができます。 これは、外観検査の際に製品に対しておこなう動作が“撮像”であることに起因していま す。 製品がカメラの画角に収まっていれば、さまざまな不良データを学習させたり、照射する 光の角度や種類を変えることで、同一ラインにて多品種製品の自動化をおこなうことがで きます。 品種選定、検査ラインの組み方、画像処理方法などをしっかりと精査することで、費用対効果の出る自動化を実現しましょう。 7.まとめ AI外観検査は、外観検査の自動化と品質向上に大きく寄与する技術です。 省人化によるコスト削減、検査品質の向上など、多くのメリットがあります。 一方で、導入前には詳細な検討をおこない、実際に費用対効果が出る形で導入を進めていく必要があります。 船井総研では、AI外観検査の自動化コンサルティングをおこなっております。要件定義から機器選定、補助金活用~導入後の運用支援まで、一貫して導入のお手伝いをさせていただいております。 ご興味のある方は以下の無料経営相談をご活用ください。画像検査専門のコンサルタントが対応させていただきます。 ⇒経営相談はこちら

工場の自動化 (ファクトリーオートメーション) とは?成功事例5選やメリット、実現までの流れを一挙解説!】

2024.06.05

いつもご愛読いただきありがとうございます。 人件費高騰や人手不足、さらには生産性向上の必要性から、製造業における自動化の重要性が年々高まっています。 本記事では、工場の自動化とは何か、自動化を行う意義や具体的な事例、メリット・課題、そして自動化を実現するための適切な進め方を詳しく解説します。 工場の生産現場で働く方、自動化を検討されている経営者の皆様は、ぜひ最後までお読みください。 工場の自動化とは 工場の自動化とは、製造工程の一部または全工程において、人手に頼る作業を機械化・システム化することで、生産性の向上と品質の安定化を実現する取り組みのことを指します。 自動化の対象は、部品の搬送や組立て、溶接、塗装、検査など、あらゆる工程が含まれます。 また、生産の直接工程だけでなく、在庫管理や製造指示の発行などの間接工程についても、自動化をおこなうことが可能です。 なぜ工場の自動化が必要なのか? 工場における自動化のメリットは大きく、そのニーズは年々高まっています。主な理由は以下の通りです。 まず人件費の高騰です。製造業の人件費は上昇を続けており、自動化による省人化が、人件費削減のカギとなります。 例えば 2024 年の春闘における、組合員数 300 名以下の中小企業 (2123 社)の賃上げ率は、4.75%と、過去最高の賃上げ率を記録しています。(2024 年 4 月 18 日時点) 引用:https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/QCKCLLTJ6ZNWZOSLFMNJ5VP7FE-2024-04-18/ また、日系企業の海外拠点においても、平均賃金の上昇傾向が見られます。 図 A は、2020 年 1 月~2022 年 11 月における、在アメリカ日系製造業の平均時給の推移を示しています。 図 B では 2013 年~2023 年における、アジア各国の製造業の基本月給を比較しています。 図 A:2020 年 1 月~2022 年 11 月における、在米日系製造業の平均時給の推移 引用:https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/2023/ab437b35a1ad87e0.html 図 B:2013 年~2023 年における、アジア各国の製造業の基本月給の比較 引用:https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/2024/37977922f57e157a.html これらの内容を鑑みると、海外拠点においても人件費の高騰が見られることがわかります。 次に労働人口の減少と人手不足の課題があります。生産年齢人口の減少が深刻化する中、作業員の確保が困難になっており、足りない人手を自動化で補う必要があります。 日本の人口は、2005 年をピークに減少傾向にあります。総務省が出しているデータによると、2005 年~2050 年の間で、総人口は 3,300 万人減少、若年人口 (15 歳未満の者の人口)は約 900 万人減少、生産年齢人口は約 3,500 万人減少、高齢人口(65 歳以上の者の人口)は約 1,200 万人増加すると見込まれています。 図 日本における総人口の推移と予測 引用:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_21481.html 製造業においても、同様に人口減少の影響を受けています。総務省の労働力調査によると、2000 年~2019 年間において、若年層の就業者数割合が減少し、高齢者層の就業者数割合が増加しています。 現状でも人手不足を感じている企業様は多いかと思いますが、これからさらに人手不足が加速していくことが懸念されています。 図 就業者に占める若年者・高齢者の割合の推移 引用:総務省「労働力調査」 このように、工場の自動化は企業の根幹を左右する重要な経営課題となっているため、自動化を計画的に進めていく必要があります。 工場の自動化成功事例 5 選 次に、工場自動化の実際の成功事例をいくつかご紹介します。 工場の自動化成功事例①:A社 自動バリ取りロボット A 社ではロボットを使うことによって、工数がかかっていたバリ取り作業の自動化に成功しました。業種と自動化効果、投資金額は以下のようになっています。 業種 セラミック製品製造 自動化効果 年間工数 1019 時間削減・生産性 167%増 投資金額 1800 万円+6 軸ロボット費用 A 社の成功事例の特徴は、画像認識によりバリ取りパスを自動で生成している点です。自動生成されたパスに沿ってロボットが動作するため、品種ごとにティーチングプログラムを作成する必要がなく、超多品種少量生産に対応することができます。 本来ロボットを稼働させる際は、ティーチングと呼ばれるロボットのプログラムを人が作成する必要があります。そのためロボットでさまざまな製品の加工をおこなおうとすると、その数だけティーチングをおこなう必要があります。 A 社では、画像認識による自動プログラム作成を採用しているため、作業員が治具に製品を置けば、ロボットが自動でバリ取りをおこなってくれます。 工場の自動化成功事例②:S社 協働ロボット S 社では、協働ロボットを使うことによって、加工機へのワーク投入作業の自動化に成功しました。 業種 樹脂切削加工品製造 自動化効果 年間工数 1200 時間削減 投資金額 500 万円 S社の成功事例の特徴は、SIer なしでロボット導入を行った点です。ロボット導入のネックになりがちな費用として、SIer 費用があげられます。 (S社でロボット導入を検討した際は、ロボット本体代金のほかに SIer 費用が 1000 万円近く見積もられていました。) S社では、自社で内製化することで、SIer 費用を押さえながらロボット活用を行うことに成功しました。 内製化の利点は、自動化品種の追加や、製造ラインの変更に比較的容易に対応できることです。ロボット立ち上げ時に、技術的な開発部分を SIer に任せてしまうと、新たに品種追加を行う際はさらに SIer に費用を払わなくてはなりません。内製化は時間も工数もかかりますが、中長期的に見れば経営効果は高いでしょう。 また、この会社様は従業員数 10 名以下の会社様のため、1 日数時間だけ単純作業を自動化するだけでも、高い自動化効果を発揮することができます。従業員数が少なくなればなるほど捻出される時間の価値が高まるため、ロボット活用は事業規模が小さい会社様ほど効果を発揮できるといえます。 工場の自動化成功事例③:C 社 溶接ロボット・研磨ロボット C社では、高い品質が求められる製品において、溶接工程と研磨工程の自動化に成功しました。 業種 鈑金溶接品製造 自動化効果 溶接・研磨の熟練技術の継承に成功 投資金額 7700 万円 (うち 4000 万円は補助金) C社の成功事例の特徴は、非常に難易度の高い薄板ステンレスの TIG 溶接と鏡面研磨を最新技術を活用して自動化した点です。さらに投資金額 7700 万円のうち 4000 万円は事業再構築補助金を活用することにより投資コストを抑えています。 薄板の TIG 溶接は非常に熟練度が要求される作業であり、早い人でも製品として出荷できるレベルに達するまでには 5 年はかかる職人技術と言われています。また、C社の製品における研磨工程は鏡面仕上げとなっており相当の工数がかかっている状態でした。 これら難易度の高い職人技術を 6 軸力覚、加速度、位置センサー、アクティブ・コンプライアンス制御技術を用いて自動化に成功しました。 工場の自動化成功事例④:S社 AI 外観検査 S社では、樹脂成形製品の目視検査をAI外観検査で自動化に成功しました。 業種 樹脂成型品製造 自動化効果 検査人員 2 名削減・1400 万円/年のコスト削減 投資金額 2400 万円 S社の成功事例の特徴は、製品自体を回転させながら撮像をおこない、AIに不良品判定を行わせている点です。 S社では、通常では検査が難しい透明の円筒形製品検査の自動化に取り組みました。製品自体を回転させ、且つ撮像した製品画像をAIで処理することで、不良品判定の自動化を成功させました。 明確な金額は記載しませんが、S社も補助金を活用することで投資費用を抑えています。 工場の自動化成功事例⑤:A社 協働ロボット A社では、100 台の協働ロボットを導入し、ワーク投入やエアブロー、検査などの自動化に成功しました。 業種 金属部品加工 自動化効果 人員 60名削減・2.5億/年のコスト削減 投資金額 協働ロボット 100台分 A社の成功事例の特徴は、S社と同様SIerレスで自動化に成功した点です。PLCが扱える人材を採用し、徹底してロボット活用の社内教育を行うことで、コストを抑えた圧倒的な自動化を実現しました。 総額では大きい投資となっていますが、それに見合うだけの費用対効果を実現しています。 さらに事例の詳細について気になる方は、1時間程度の無料相談会を活用ください。 HP 上には記載しきれていない、成功事例の詳細や、自動化に関する情報を余すことなくご提供させていただきます。 工場の自動化を行う3つのメリット 工場の自動化には大きなメリットがあります。主なものとして以下の3点が挙げられます。 工場の自動化を行うメリット①: 飛躍的な生産性の向上 自動化ラインでは 24 時間無休の連続稼働が可能で、機械の動作スピードと精度の高さから人手を遥かに上回る生産性が見込めます。動作速度の遅い協働ロボットを使ったとしても、夜間稼働や休日稼働を行うことで、生産性を向上させることができます。 工場の自動化を行うメリット②: 製品品質の均一化と不良率低減 人手作業では熟練度の差により品質のばらつきが避けられませんが、自動化ラインは完全にプログラムに基づいて動作するため、均一で高い品質を実現できます。また、検査工程の自動化も相まってさらなる不良低減も期待できます。近年では AI の技術が進歩し、従来では自動検査が難しかった製品においても、自動化・不良率の低減を行うことが可能になっています。 工場の自動化を行うメリット③: 安全性と労働環境の改善 危険度や負荷が高い作業を従業員におこなわせてしまっている…そんな企業様は一定数存在しているのではないでしょうか。 自動化をすることができれば、危険な作業や重労働から作業員を解放できるため、安全性が大きく向上します。特に、溶接や有害物質を扱う工程などでの恩恵は計り知れません。作業環境を整えることで、人材採用や人が辞めない環境づくりを行うことができます。 工場の自動化における3つの課題 工場の自動化にはたくさんの良い面がありますが、同時に課題も存在します。自動化における課題は、以下の3つに集約されます。 工場の自動化における課題①:初期投資コストの高さ 先述の事例紹介をご覧になるとおわかりかと思いますが、工場の自動化に必要な設備やシステムの導入には多額の初期投資が必要となります。 ロボットや制御システムの購入費用に加え、既存設備との統合や作業環境の改修費用も発生します。正直なところ、中小企業にとっては負担が大きく、自動化を見送らざるを得ないケースも一定数存在します。ただ、近年では“補助金バブル”と呼ばれるほど、国の補助金制度が充実しています。補助金を活用することで、通常よりも安価に自動化をおこなうことができます。 ⇒2024 年補助金動向予測はこちら 工場の自動化における課題②:熟練した技術者の確保の難しさ 自動化された設備を正しく運用し、メンテナンスできる専門技術者の確保が課題となります。特にロボット制御やシステムインテグレーションに精通した人材は不足しており、また技術者の育成には時間と費用がかかります。 工場の自動化における課題③:柔軟性の欠如 自動化された工程は非常に効率的ですが、製品の仕様変更や異種製品の生産には不向きです。 設備をカスタマイズするための工事が必要になるなど、柔軟性に欠ける傾向にあります。失敗しないためには、上流工程における自社に即した要件定義が非常に重要です。また、協働ロボットであれば、ロボット自体を移動させることが可能なため、比較的柔軟に品種追加や仕様変更に対応することができます。 ⇒協働ロボットの特徴と導入事例 工場の自動化を実現するための流れ 工場の自動化を実現するためには、以下のような流れが一般的です。 図 工場の自動化フロー 特に重要なのは、「7.要求仕様書の作成」です。要求仕様書とは、自動化のために必要な仕様をSIerに要求する仕様書のことを指します。 適切な要求仕様書を作ることができなければ、要件が曖昧になり、トラブルが発生する可能性が高まります。 作成難易度が非常に高い要求仕様書ですが、適切な要求仕様書が作成できなければ、思い描くような自動化をおこなうことはできません。 工場の自動化を実現する際の3つのポイント 最後に、工場の自動化を成功させる際におさえておくべき3つのポイントについて紹介します。 工場の自動化を実現する際のポイント①:全社を挙げて自動化に取り組む 工場の自動化は、時間・工数・お金などのさまざまな労力をかけることで達成されます。生産現場だけ、経営層だけでプロジェクトを推進しても、思い描く自動化を実現することは非常に難しいです。“経営層の強力なリーダーシップ”、“現場スタッフの理解と協力”この両輪があって初めて、自動化プロジェクトは成しえます。自動化への意識改革を促し、スムーズな移行を図るためにも全社一丸となった体制作りが重要です。 工場の自動化を実現する際のポイント②:段階的なアプローチ “自動化したい“という思いや構想が先行し、一気に自動化を進めてしまうと、失敗する可能性が高まります。寧ろ急激に自動化を進めてしまうと、現場の作業員が変化を許容することができなくなり、自動化に対して苦手意識をもってしまう懸念があります。 そのため、最初は一部の工程から自動化を始め、その効果を確認しながら、徐々に自動化範囲を広げていくアプローチが望ましいでしょう。トライ&エラーを重ねながら自動化ノウハウを蓄積し、リスクを最小限に抑えることができます。また、現場の作業員の方の成功体験を少しずつ積んでいくことで、社内の自動化推進をさらに進めることができます。 工場の自動化を実現する際のポイント③:外部企業の利用 自社内に自動化に関する知見を持っている社員がいれば、その社員を主導にしてプロジェクトを推進していくのが良いでしょう。しかし、そんな知見を持っている社員が在籍していない企業様もいらっしゃるかと思います。そんな企業様は、外部企業を頼ることを強くおすすめします。 コンサルを利用する 工場の自動化をおこなう際は、コンサルティング会社を利用することを強くおすすめします。 さまざまある課題のうち、どこから自動化をおこなえば良いのか? どんどん新しい技術が出てきているが、どんなサービスが自社に合っているのか? 目の前の仕事もおこないながら、自動化プロジェクトを完遂することができるのか? など、自動化に関するお悩みは多岐に渡ります。 コンサルティング会社を活用することで、自社内のみで取り組むよりも速く、かつ精度高くプロジェクトを成功させることができます。 船井総研では、以下を強みとしながらコンサルティングをおこなっております。 製造業専門×自動化専門のコンサルタントがおこなう要件定義 作成難易度が高い、要求仕様書の作成代行 SIer 選定/設備の価格交渉 設備導入後の運用面もサポート ご相談をご希望の方は以下のフォームよりお問い合わせください。 まとめ 工場の自動化は生産性向上や人手不足対策、品質向上など、さまざまなメリットが期待できる一方で、初期コストの高さや技術者の確保、柔軟性の欠如といった課題もあります。 しかし、適切な手順と対策を講じることで、これらの課題を乗り越え、自動化を着実に実現できるはずです。 経営層の強力なリーダーシップと、全社員の理解と協力の下、段階的な取り組みと人材育成を行うことが成功の鍵となります。 船井総研では、工場における自動化コンサルティングをおこなっております。 ご興味をお持ちの方は 1 時間程度の、無料相談会を活用ください。 自動化専門のコンサルタントが、対応させていただきます。 いつもご愛読いただきありがとうございます。 人件費高騰や人手不足、さらには生産性向上の必要性から、製造業における自動化の重要性が年々高まっています。 本記事では、工場の自動化とは何か、自動化を行う意義や具体的な事例、メリット・課題、そして自動化を実現するための適切な進め方を詳しく解説します。 工場の生産現場で働く方、自動化を検討されている経営者の皆様は、ぜひ最後までお読みください。 工場の自動化とは 工場の自動化とは、製造工程の一部または全工程において、人手に頼る作業を機械化・システム化することで、生産性の向上と品質の安定化を実現する取り組みのことを指します。 自動化の対象は、部品の搬送や組立て、溶接、塗装、検査など、あらゆる工程が含まれます。 また、生産の直接工程だけでなく、在庫管理や製造指示の発行などの間接工程についても、自動化をおこなうことが可能です。 なぜ工場の自動化が必要なのか? 工場における自動化のメリットは大きく、そのニーズは年々高まっています。主な理由は以下の通りです。 まず人件費の高騰です。製造業の人件費は上昇を続けており、自動化による省人化が、人件費削減のカギとなります。 例えば 2024 年の春闘における、組合員数 300 名以下の中小企業 (2123 社)の賃上げ率は、4.75%と、過去最高の賃上げ率を記録しています。(2024 年 4 月 18 日時点) 引用:https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/QCKCLLTJ6ZNWZOSLFMNJ5VP7FE-2024-04-18/ また、日系企業の海外拠点においても、平均賃金の上昇傾向が見られます。 図 A は、2020 年 1 月~2022 年 11 月における、在アメリカ日系製造業の平均時給の推移を示しています。 図 B では 2013 年~2023 年における、アジア各国の製造業の基本月給を比較しています。 図 A:2020 年 1 月~2022 年 11 月における、在米日系製造業の平均時給の推移 引用:https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/2023/ab437b35a1ad87e0.html 図 B:2013 年~2023 年における、アジア各国の製造業の基本月給の比較 引用:https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/2024/37977922f57e157a.html これらの内容を鑑みると、海外拠点においても人件費の高騰が見られることがわかります。 次に労働人口の減少と人手不足の課題があります。生産年齢人口の減少が深刻化する中、作業員の確保が困難になっており、足りない人手を自動化で補う必要があります。 日本の人口は、2005 年をピークに減少傾向にあります。総務省が出しているデータによると、2005 年~2050 年の間で、総人口は 3,300 万人減少、若年人口 (15 歳未満の者の人口)は約 900 万人減少、生産年齢人口は約 3,500 万人減少、高齢人口(65 歳以上の者の人口)は約 1,200 万人増加すると見込まれています。 図 日本における総人口の推移と予測 引用:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_21481.html 製造業においても、同様に人口減少の影響を受けています。総務省の労働力調査によると、2000 年~2019 年間において、若年層の就業者数割合が減少し、高齢者層の就業者数割合が増加しています。 現状でも人手不足を感じている企業様は多いかと思いますが、これからさらに人手不足が加速していくことが懸念されています。 図 就業者に占める若年者・高齢者の割合の推移 引用:総務省「労働力調査」 このように、工場の自動化は企業の根幹を左右する重要な経営課題となっているため、自動化を計画的に進めていく必要があります。 工場の自動化成功事例 5 選 次に、工場自動化の実際の成功事例をいくつかご紹介します。 工場の自動化成功事例①:A社 自動バリ取りロボット A 社ではロボットを使うことによって、工数がかかっていたバリ取り作業の自動化に成功しました。業種と自動化効果、投資金額は以下のようになっています。 業種 セラミック製品製造 自動化効果 年間工数 1019 時間削減・生産性 167%増 投資金額 1800 万円+6 軸ロボット費用 A 社の成功事例の特徴は、画像認識によりバリ取りパスを自動で生成している点です。自動生成されたパスに沿ってロボットが動作するため、品種ごとにティーチングプログラムを作成する必要がなく、超多品種少量生産に対応することができます。 本来ロボットを稼働させる際は、ティーチングと呼ばれるロボットのプログラムを人が作成する必要があります。そのためロボットでさまざまな製品の加工をおこなおうとすると、その数だけティーチングをおこなう必要があります。 A 社では、画像認識による自動プログラム作成を採用しているため、作業員が治具に製品を置けば、ロボットが自動でバリ取りをおこなってくれます。 工場の自動化成功事例②:S社 協働ロボット S 社では、協働ロボットを使うことによって、加工機へのワーク投入作業の自動化に成功しました。 業種 樹脂切削加工品製造 自動化効果 年間工数 1200 時間削減 投資金額 500 万円 S社の成功事例の特徴は、SIer なしでロボット導入を行った点です。ロボット導入のネックになりがちな費用として、SIer 費用があげられます。 (S社でロボット導入を検討した際は、ロボット本体代金のほかに SIer 費用が 1000 万円近く見積もられていました。) S社では、自社で内製化することで、SIer 費用を押さえながらロボット活用を行うことに成功しました。 内製化の利点は、自動化品種の追加や、製造ラインの変更に比較的容易に対応できることです。ロボット立ち上げ時に、技術的な開発部分を SIer に任せてしまうと、新たに品種追加を行う際はさらに SIer に費用を払わなくてはなりません。内製化は時間も工数もかかりますが、中長期的に見れば経営効果は高いでしょう。 また、この会社様は従業員数 10 名以下の会社様のため、1 日数時間だけ単純作業を自動化するだけでも、高い自動化効果を発揮することができます。従業員数が少なくなればなるほど捻出される時間の価値が高まるため、ロボット活用は事業規模が小さい会社様ほど効果を発揮できるといえます。 工場の自動化成功事例③:C 社 溶接ロボット・研磨ロボット C社では、高い品質が求められる製品において、溶接工程と研磨工程の自動化に成功しました。 業種 鈑金溶接品製造 自動化効果 溶接・研磨の熟練技術の継承に成功 投資金額 7700 万円 (うち 4000 万円は補助金) C社の成功事例の特徴は、非常に難易度の高い薄板ステンレスの TIG 溶接と鏡面研磨を最新技術を活用して自動化した点です。さらに投資金額 7700 万円のうち 4000 万円は事業再構築補助金を活用することにより投資コストを抑えています。 薄板の TIG 溶接は非常に熟練度が要求される作業であり、早い人でも製品として出荷できるレベルに達するまでには 5 年はかかる職人技術と言われています。また、C社の製品における研磨工程は鏡面仕上げとなっており相当の工数がかかっている状態でした。 これら難易度の高い職人技術を 6 軸力覚、加速度、位置センサー、アクティブ・コンプライアンス制御技術を用いて自動化に成功しました。 工場の自動化成功事例④:S社 AI 外観検査 S社では、樹脂成形製品の目視検査をAI外観検査で自動化に成功しました。 業種 樹脂成型品製造 自動化効果 検査人員 2 名削減・1400 万円/年のコスト削減 投資金額 2400 万円 S社の成功事例の特徴は、製品自体を回転させながら撮像をおこない、AIに不良品判定を行わせている点です。 S社では、通常では検査が難しい透明の円筒形製品検査の自動化に取り組みました。製品自体を回転させ、且つ撮像した製品画像をAIで処理することで、不良品判定の自動化を成功させました。 明確な金額は記載しませんが、S社も補助金を活用することで投資費用を抑えています。 工場の自動化成功事例⑤:A社 協働ロボット A社では、100 台の協働ロボットを導入し、ワーク投入やエアブロー、検査などの自動化に成功しました。 業種 金属部品加工 自動化効果 人員 60名削減・2.5億/年のコスト削減 投資金額 協働ロボット 100台分 A社の成功事例の特徴は、S社と同様SIerレスで自動化に成功した点です。PLCが扱える人材を採用し、徹底してロボット活用の社内教育を行うことで、コストを抑えた圧倒的な自動化を実現しました。 総額では大きい投資となっていますが、それに見合うだけの費用対効果を実現しています。 さらに事例の詳細について気になる方は、1時間程度の無料相談会を活用ください。 HP 上には記載しきれていない、成功事例の詳細や、自動化に関する情報を余すことなくご提供させていただきます。 工場の自動化を行う3つのメリット 工場の自動化には大きなメリットがあります。主なものとして以下の3点が挙げられます。 工場の自動化を行うメリット①: 飛躍的な生産性の向上 自動化ラインでは 24 時間無休の連続稼働が可能で、機械の動作スピードと精度の高さから人手を遥かに上回る生産性が見込めます。動作速度の遅い協働ロボットを使ったとしても、夜間稼働や休日稼働を行うことで、生産性を向上させることができます。 工場の自動化を行うメリット②: 製品品質の均一化と不良率低減 人手作業では熟練度の差により品質のばらつきが避けられませんが、自動化ラインは完全にプログラムに基づいて動作するため、均一で高い品質を実現できます。また、検査工程の自動化も相まってさらなる不良低減も期待できます。近年では AI の技術が進歩し、従来では自動検査が難しかった製品においても、自動化・不良率の低減を行うことが可能になっています。 工場の自動化を行うメリット③: 安全性と労働環境の改善 危険度や負荷が高い作業を従業員におこなわせてしまっている…そんな企業様は一定数存在しているのではないでしょうか。 自動化をすることができれば、危険な作業や重労働から作業員を解放できるため、安全性が大きく向上します。特に、溶接や有害物質を扱う工程などでの恩恵は計り知れません。作業環境を整えることで、人材採用や人が辞めない環境づくりを行うことができます。 工場の自動化における3つの課題 工場の自動化にはたくさんの良い面がありますが、同時に課題も存在します。自動化における課題は、以下の3つに集約されます。 工場の自動化における課題①:初期投資コストの高さ 先述の事例紹介をご覧になるとおわかりかと思いますが、工場の自動化に必要な設備やシステムの導入には多額の初期投資が必要となります。 ロボットや制御システムの購入費用に加え、既存設備との統合や作業環境の改修費用も発生します。正直なところ、中小企業にとっては負担が大きく、自動化を見送らざるを得ないケースも一定数存在します。ただ、近年では“補助金バブル”と呼ばれるほど、国の補助金制度が充実しています。補助金を活用することで、通常よりも安価に自動化をおこなうことができます。 ⇒2024 年補助金動向予測はこちら 工場の自動化における課題②:熟練した技術者の確保の難しさ 自動化された設備を正しく運用し、メンテナンスできる専門技術者の確保が課題となります。特にロボット制御やシステムインテグレーションに精通した人材は不足しており、また技術者の育成には時間と費用がかかります。 工場の自動化における課題③:柔軟性の欠如 自動化された工程は非常に効率的ですが、製品の仕様変更や異種製品の生産には不向きです。 設備をカスタマイズするための工事が必要になるなど、柔軟性に欠ける傾向にあります。失敗しないためには、上流工程における自社に即した要件定義が非常に重要です。また、協働ロボットであれば、ロボット自体を移動させることが可能なため、比較的柔軟に品種追加や仕様変更に対応することができます。 ⇒協働ロボットの特徴と導入事例 工場の自動化を実現するための流れ 工場の自動化を実現するためには、以下のような流れが一般的です。 図 工場の自動化フロー 特に重要なのは、「7.要求仕様書の作成」です。要求仕様書とは、自動化のために必要な仕様をSIerに要求する仕様書のことを指します。 適切な要求仕様書を作ることができなければ、要件が曖昧になり、トラブルが発生する可能性が高まります。 作成難易度が非常に高い要求仕様書ですが、適切な要求仕様書が作成できなければ、思い描くような自動化をおこなうことはできません。 工場の自動化を実現する際の3つのポイント 最後に、工場の自動化を成功させる際におさえておくべき3つのポイントについて紹介します。 工場の自動化を実現する際のポイント①:全社を挙げて自動化に取り組む 工場の自動化は、時間・工数・お金などのさまざまな労力をかけることで達成されます。生産現場だけ、経営層だけでプロジェクトを推進しても、思い描く自動化を実現することは非常に難しいです。“経営層の強力なリーダーシップ”、“現場スタッフの理解と協力”この両輪があって初めて、自動化プロジェクトは成しえます。自動化への意識改革を促し、スムーズな移行を図るためにも全社一丸となった体制作りが重要です。 工場の自動化を実現する際のポイント②:段階的なアプローチ “自動化したい“という思いや構想が先行し、一気に自動化を進めてしまうと、失敗する可能性が高まります。寧ろ急激に自動化を進めてしまうと、現場の作業員が変化を許容することができなくなり、自動化に対して苦手意識をもってしまう懸念があります。 そのため、最初は一部の工程から自動化を始め、その効果を確認しながら、徐々に自動化範囲を広げていくアプローチが望ましいでしょう。トライ&エラーを重ねながら自動化ノウハウを蓄積し、リスクを最小限に抑えることができます。また、現場の作業員の方の成功体験を少しずつ積んでいくことで、社内の自動化推進をさらに進めることができます。 工場の自動化を実現する際のポイント③:外部企業の利用 自社内に自動化に関する知見を持っている社員がいれば、その社員を主導にしてプロジェクトを推進していくのが良いでしょう。しかし、そんな知見を持っている社員が在籍していない企業様もいらっしゃるかと思います。そんな企業様は、外部企業を頼ることを強くおすすめします。 コンサルを利用する 工場の自動化をおこなう際は、コンサルティング会社を利用することを強くおすすめします。 さまざまある課題のうち、どこから自動化をおこなえば良いのか? どんどん新しい技術が出てきているが、どんなサービスが自社に合っているのか? 目の前の仕事もおこないながら、自動化プロジェクトを完遂することができるのか? など、自動化に関するお悩みは多岐に渡ります。 コンサルティング会社を活用することで、自社内のみで取り組むよりも速く、かつ精度高くプロジェクトを成功させることができます。 船井総研では、以下を強みとしながらコンサルティングをおこなっております。 製造業専門×自動化専門のコンサルタントがおこなう要件定義 作成難易度が高い、要求仕様書の作成代行 SIer 選定/設備の価格交渉 設備導入後の運用面もサポート ご相談をご希望の方は以下のフォームよりお問い合わせください。 まとめ 工場の自動化は生産性向上や人手不足対策、品質向上など、さまざまなメリットが期待できる一方で、初期コストの高さや技術者の確保、柔軟性の欠如といった課題もあります。 しかし、適切な手順と対策を講じることで、これらの課題を乗り越え、自動化を着実に実現できるはずです。 経営層の強力なリーダーシップと、全社員の理解と協力の下、段階的な取り組みと人材育成を行うことが成功の鍵となります。 船井総研では、工場における自動化コンサルティングをおこなっております。 ご興味をお持ちの方は 1 時間程度の、無料相談会を活用ください。 自動化専門のコンサルタントが、対応させていただきます。

溶接ロボットの特徴とメリット、溶接ロボット導入成功事例

2024.04.03

1.溶接ロボット導入のメリット 溶接現場においては、TIGやCO2溶接などの伝統的な手作業には職人の技術や属人化が強く関わっており、熟練技術が要求されています。たとえば、TIG溶接では作業者の高度な技術や熟練した技量が求められ、その技術によって溶接の品質が左右されることがあります。同様に、CO2溶接でも作業者の熟練した技能が品質に直結します。 しかしながら、このような職人の技術や属人化による作業は、作業者間での品質のばらつきや疲労による労働者の品質低下、さらには事故リスクなどを招く可能性があります。このような課題を解決するために、溶接ロボットの導入は非常に有益です。溶接ロボットは、職人の技術や熟練した技量に依存することなく、プログラムに基づいて高速かつ正確な溶接を行うことができ、作業者間での品質のばらつきをなくし、生産性向上にもつながります。 溶接ロボットの導入により、職人の技術による属人化が低減され、作業者の負担が軽減されます。また、熟練技術に依存することなく、溶接作業の品質の向上と生産性の向上が実現されることから、中小製造業における溶接作業の効率化が期待できます。 2.人による溶接のメリットとデメリット 人による溶接のメリットとデメリットには以下のような点が挙げられます。 【メリット】 柔軟性:人による溶接は、複雑な形状や特殊な溶接部位にも対応できる柔軟性があります。作業者の技術や経験によって臨機応変な対応が可能です。 費用面:小規模な溶接作業や簡易な修理作業において、機械化よりもコストが低く済む場合があります。 開始コスト:溶接機器やロボットの導入に比べ、人による溶接のための開始コストが低い場合があります。 【デメリット】 人的要因:作業者の技能や集中力に依存するため、品質や効率に作業者個々のスキルやコンディションが影響します。 作業環境:危険物の取り扱いや有害物質の発生など、溶接には作業環境面でのリスクが伴います。 一貫性の問題:作業者の技能や疲労により、品質のばらつきや一貫性の確保が難しい場合があります。 次に溶接ロボットの特徴と選定ポイントについて解説します。 3.溶接ロボットの特徴と選定ポイント 溶接ロボットの特徴と選定ポイントは、溶接作業の自動化によって生産性向上と品質管理の確保を可能にします。溶接ロボットは高い精度と一貫性を持ち、人手による溶接と比べて作業効率が向上します。さらに、定常的な作業や大量の溶接作業においても、疲労やヒューマンエラーのリスクが低減されます。また、多くの溶接ロボットは柔軟な運用が可能であり、多様な溶接方法に対応しています。 溶接ロボットを選定する際には、溶接範囲、溶接速度、精度、および自動化の程度などの機能面だけでなく、設置スペースや作業環境などの環境面も考慮する必要があります。また、溶接ロボットシステムは他の製造設備との連携や統合が求められるため、適切なロボットシステムとの統合も重要な選定ポイントです。操作性や保守性、さらにセーフティ機能なども検討すべき要素であり、これらの選定ポイントを踏まえたうえで、最適な溶接ロボットを導入することが適切な選択となります。 4.溶接ロボット導入における補助金制度と活用方法 溶接ロボットの導入においては、補助金制度を活用することで導入コストを軽減することが可能です。補助金制度は地域や産業によって異なりますが、一般的には製造業において省人化や生産性向上を促進するための補助金が設けられています。 補助金の活用方法としては、まず溶接ロボットの導入計画を具体化し、補助金の申請資格や条件を確認することが重要です。補助金は多くの場合、導入する機器の性能や省エネ効果、労働環境の改善などに基づいて支給されるため、溶接ロボット導入による効果や効能を明確に示すことが求められます。 また、地域の助成金や補助金、国の産業支援策などの補助金制度を活用するためには、補助金の申請手続きや提出書類の準備なども正確に行う必要があります。地域の商工会や製造業支援機関などからの情報収集などを通じて、最新の補助金情報を入手し、適切な補助金を活用することが重要です。 5.溶接ロボット導入成功事例 ■大阪府A社の事例 ・概要 電気設備や空調設備向けの筐体を製造する工程に溶接ロボットを導入。 産業用ロボット2台を設置し、1台が溶接、もう1台がワークハンドリングと溶接後の研磨を行う ・導入に至った経緯 職人に頼った溶接品質であり、かつ人による品質の差が発生していた ・導入による効果 溶接職人に頼っていた溶接作業をロボット化することで若手でも同様の品質の製品を製造することが可能となった。 溶接と同時に溶接後の研磨もロボット化することで生産性が向上した。 ・成功のポイント 多品種少量生産に適した溶接ロボットを導入し、製品の形状の多様性に対応できるようにした。この溶接ロボットは、製品の形状の多様性に対応できるように設計されており、生産ライン全体の効率を向上させることができた。 成功のポイントは、製品の形状が多様である中で、作業分析を行い、ロボット化が困難な部分を見極め、その部分のみをロボット化することで、生産効率を向上させた点。このアプローチにより、製品の多様性に対応しつつ、生産ライン全体の効率を最大化することができた。 ■長野県B社 ・概要 ステンレス薄板のTIG溶接をロボット化。 さらに溶接後の鏡面研磨もロボット化に成功した事例。 ・導入に至った経緯 TIG溶接の難易度はもちろんのこと、溶接後の鏡面研磨は非常に工数がかかる工程で生産性の低下原因となっていた。 ・導入による効果 通常の手溶接では5年ほどかかる難易度の高いステンレス薄板のTIG溶接をロボット化することで職人依存体制から脱却した。 さらに、工数のかかる鏡面研磨を自動化することで生産性が大幅に向上した。 ・成功のポイント 成功のポイントは、補助金を最大限活用してコストを抑えることや、多品種対応のためのシンプルなシステムと治具構想によって、多品種少量生産の板金加工業における職人技術のTIG溶接と研磨をロボット化したことである。この取り組みにより、工数削減と脱職人依存を実現し、さらに、外観部分のバフ研磨をロボットで実現するための方法についても詳細に取り組みを行った。また、補助金の獲得額としては4000万円の補助金を獲得し、この補助金の獲得額が成功につながった要因の一つとなっている。 ■茨城県C社 ・概要 対象となるワークは、主に変圧器用の配管で、長さ200㎜~5000㎜、径20A ~300Aの幅広い寸法で多品種少量生産の配管溶接をロボット2台とスライダー、ポジショナーを活用したシステムを構築した。 ・導入に至った経緯 使用用途が特殊な配管であり、特に大きな径の配管溶接は職人技術で属人化していた ・導入による効果 職人の経験と勘をロボット技術に置き換えることで、製品の出来栄えに差があった問題を解消し、製品品質の見直しを行った。また、最新技術の活用により、製品の品質向上と生産性の向上が実現された。 ・成功のポイント こちらのロボット溶接システムでは対象ワークが一品一様でありその都度ティーチングを行うことが困難であったためティーチングレスのシステムを構築したことで多品種少量生産の溶接をロボット化することに成功した。 また、事業再構築補助金を活用することで約3000万円の補助額を獲得し低コストでの溶接ロボットシステム導入を成功させることができた。 6.さいごに 工場DX.comを運営する船井総合研究所では溶接ロボットの導入のお手伝いが可能です。 初めてで進め方が良く分からない、投資するならば投資対効果のある投資がしたい、など お気軽にご相談下さい。 ご相談はこちら https://lp.funaisoken.co.jp/mt/form01/inquiry-S045.html   多品種少量生産対応の溶接ロボットを導入したい! ▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼ 本レポートでは、「多品種少量生産対応溶接ロボット」にテーマを絞り、具体的な導入方法と成功事例をご紹介いたします。 【①】多品種少量溶接ロボット導入の進め方 ~業務分析、データ収集、作業分析、コスト効果分析、、、~ 【②】多品種少量溶接ロボット導入の具体的手法 ~溶接工程の作業分析を実施し本溶接とグラインダー仕上をロボット化~ 導入の具体的手法を徹底解説!! 【③】補助金を活用した多品種少量溶接ロボット導入成功事例 ●小ロット多品種板金加工業の溶接工程にロボット導入 7軸ロボットの導入により、人手に頼っていた溶接部門のロボット化を実現 ●車両用大型部品の溶接工程にロボット導入 大量生産にしか向かないロボットのイメージを払拭、はじめてのロボット導入に至る ●曲面や立体形状アルミ部品のスタッド溶接加工作業をロボット化 スタートボタンを押すだけの簡単操作でパート社員でも操作が可能に ●建設部品の外観部溶接工程にロボット導入 高度な技術をもった熟練作業者しかできない外観部溶接工程にロボットを導入 ●鍛造金型の硬化肉盛り工程へのロボット導入 ロボットオフラインソフトを用いて曲面ティーチング作業を数分で効率的に処理 ●特注大型門扉製造工程における溶接ロボットシステムの効率化 事前に分類した教示データの利用で、溶接スキルの有無にかかわらず誰でも操作可能に https://lp.funaisoken.co.jp/mt/smart-factory/dltext05-01-dl.html   中堅・中小製造業 経営者向け AI外観検査の導入ポイント 解説レポート 中小製造業がロボット導入で費用対効果を最大化するために最初にすべきこと ▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼ 「こうなりたい!」と思っている経営者様におすすめ 導入経験がない事業主でもロボット導入において最初にすべきことがわかる! 人手を掛けずに生産性を上げるロボット活用手法がわかる! 多品種少量生産対応の中小製造業のロボット活用手法がわかる! 製造業では必ずと言っていいほど人手のかかる作業となっている外観検査。 本レポートではその外観検査の自動化について、自動化のメリットとAIを活用した外観検査の概要、導入におけるポイント、成功事例を解説しています。 https://www.funaisoken.co.jp/dl-contents/smart-factory__02131_S045 1.溶接ロボット導入のメリット 溶接現場においては、TIGやCO2溶接などの伝統的な手作業には職人の技術や属人化が強く関わっており、熟練技術が要求されています。たとえば、TIG溶接では作業者の高度な技術や熟練した技量が求められ、その技術によって溶接の品質が左右されることがあります。同様に、CO2溶接でも作業者の熟練した技能が品質に直結します。 しかしながら、このような職人の技術や属人化による作業は、作業者間での品質のばらつきや疲労による労働者の品質低下、さらには事故リスクなどを招く可能性があります。このような課題を解決するために、溶接ロボットの導入は非常に有益です。溶接ロボットは、職人の技術や熟練した技量に依存することなく、プログラムに基づいて高速かつ正確な溶接を行うことができ、作業者間での品質のばらつきをなくし、生産性向上にもつながります。 溶接ロボットの導入により、職人の技術による属人化が低減され、作業者の負担が軽減されます。また、熟練技術に依存することなく、溶接作業の品質の向上と生産性の向上が実現されることから、中小製造業における溶接作業の効率化が期待できます。 2.人による溶接のメリットとデメリット 人による溶接のメリットとデメリットには以下のような点が挙げられます。 【メリット】 柔軟性:人による溶接は、複雑な形状や特殊な溶接部位にも対応できる柔軟性があります。作業者の技術や経験によって臨機応変な対応が可能です。 費用面:小規模な溶接作業や簡易な修理作業において、機械化よりもコストが低く済む場合があります。 開始コスト:溶接機器やロボットの導入に比べ、人による溶接のための開始コストが低い場合があります。 【デメリット】 人的要因:作業者の技能や集中力に依存するため、品質や効率に作業者個々のスキルやコンディションが影響します。 作業環境:危険物の取り扱いや有害物質の発生など、溶接には作業環境面でのリスクが伴います。 一貫性の問題:作業者の技能や疲労により、品質のばらつきや一貫性の確保が難しい場合があります。 次に溶接ロボットの特徴と選定ポイントについて解説します。 3.溶接ロボットの特徴と選定ポイント 溶接ロボットの特徴と選定ポイントは、溶接作業の自動化によって生産性向上と品質管理の確保を可能にします。溶接ロボットは高い精度と一貫性を持ち、人手による溶接と比べて作業効率が向上します。さらに、定常的な作業や大量の溶接作業においても、疲労やヒューマンエラーのリスクが低減されます。また、多くの溶接ロボットは柔軟な運用が可能であり、多様な溶接方法に対応しています。 溶接ロボットを選定する際には、溶接範囲、溶接速度、精度、および自動化の程度などの機能面だけでなく、設置スペースや作業環境などの環境面も考慮する必要があります。また、溶接ロボットシステムは他の製造設備との連携や統合が求められるため、適切なロボットシステムとの統合も重要な選定ポイントです。操作性や保守性、さらにセーフティ機能なども検討すべき要素であり、これらの選定ポイントを踏まえたうえで、最適な溶接ロボットを導入することが適切な選択となります。 4.溶接ロボット導入における補助金制度と活用方法 溶接ロボットの導入においては、補助金制度を活用することで導入コストを軽減することが可能です。補助金制度は地域や産業によって異なりますが、一般的には製造業において省人化や生産性向上を促進するための補助金が設けられています。 補助金の活用方法としては、まず溶接ロボットの導入計画を具体化し、補助金の申請資格や条件を確認することが重要です。補助金は多くの場合、導入する機器の性能や省エネ効果、労働環境の改善などに基づいて支給されるため、溶接ロボット導入による効果や効能を明確に示すことが求められます。 また、地域の助成金や補助金、国の産業支援策などの補助金制度を活用するためには、補助金の申請手続きや提出書類の準備なども正確に行う必要があります。地域の商工会や製造業支援機関などからの情報収集などを通じて、最新の補助金情報を入手し、適切な補助金を活用することが重要です。 5.溶接ロボット導入成功事例 ■大阪府A社の事例 ・概要 電気設備や空調設備向けの筐体を製造する工程に溶接ロボットを導入。 産業用ロボット2台を設置し、1台が溶接、もう1台がワークハンドリングと溶接後の研磨を行う ・導入に至った経緯 職人に頼った溶接品質であり、かつ人による品質の差が発生していた ・導入による効果 溶接職人に頼っていた溶接作業をロボット化することで若手でも同様の品質の製品を製造することが可能となった。 溶接と同時に溶接後の研磨もロボット化することで生産性が向上した。 ・成功のポイント 多品種少量生産に適した溶接ロボットを導入し、製品の形状の多様性に対応できるようにした。この溶接ロボットは、製品の形状の多様性に対応できるように設計されており、生産ライン全体の効率を向上させることができた。 成功のポイントは、製品の形状が多様である中で、作業分析を行い、ロボット化が困難な部分を見極め、その部分のみをロボット化することで、生産効率を向上させた点。このアプローチにより、製品の多様性に対応しつつ、生産ライン全体の効率を最大化することができた。 ■長野県B社 ・概要 ステンレス薄板のTIG溶接をロボット化。 さらに溶接後の鏡面研磨もロボット化に成功した事例。 ・導入に至った経緯 TIG溶接の難易度はもちろんのこと、溶接後の鏡面研磨は非常に工数がかかる工程で生産性の低下原因となっていた。 ・導入による効果 通常の手溶接では5年ほどかかる難易度の高いステンレス薄板のTIG溶接をロボット化することで職人依存体制から脱却した。 さらに、工数のかかる鏡面研磨を自動化することで生産性が大幅に向上した。 ・成功のポイント 成功のポイントは、補助金を最大限活用してコストを抑えることや、多品種対応のためのシンプルなシステムと治具構想によって、多品種少量生産の板金加工業における職人技術のTIG溶接と研磨をロボット化したことである。この取り組みにより、工数削減と脱職人依存を実現し、さらに、外観部分のバフ研磨をロボットで実現するための方法についても詳細に取り組みを行った。また、補助金の獲得額としては4000万円の補助金を獲得し、この補助金の獲得額が成功につながった要因の一つとなっている。 ■茨城県C社 ・概要 対象となるワークは、主に変圧器用の配管で、長さ200㎜~5000㎜、径20A ~300Aの幅広い寸法で多品種少量生産の配管溶接をロボット2台とスライダー、ポジショナーを活用したシステムを構築した。 ・導入に至った経緯 使用用途が特殊な配管であり、特に大きな径の配管溶接は職人技術で属人化していた ・導入による効果 職人の経験と勘をロボット技術に置き換えることで、製品の出来栄えに差があった問題を解消し、製品品質の見直しを行った。また、最新技術の活用により、製品の品質向上と生産性の向上が実現された。 ・成功のポイント こちらのロボット溶接システムでは対象ワークが一品一様でありその都度ティーチングを行うことが困難であったためティーチングレスのシステムを構築したことで多品種少量生産の溶接をロボット化することに成功した。 また、事業再構築補助金を活用することで約3000万円の補助額を獲得し低コストでの溶接ロボットシステム導入を成功させることができた。 6.さいごに 工場DX.comを運営する船井総合研究所では溶接ロボットの導入のお手伝いが可能です。 初めてで進め方が良く分からない、投資するならば投資対効果のある投資がしたい、など お気軽にご相談下さい。 ご相談はこちら https://lp.funaisoken.co.jp/mt/form01/inquiry-S045.html   多品種少量生産対応の溶接ロボットを導入したい! ▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼ 本レポートでは、「多品種少量生産対応溶接ロボット」にテーマを絞り、具体的な導入方法と成功事例をご紹介いたします。 【①】多品種少量溶接ロボット導入の進め方 ~業務分析、データ収集、作業分析、コスト効果分析、、、~ 【②】多品種少量溶接ロボット導入の具体的手法 ~溶接工程の作業分析を実施し本溶接とグラインダー仕上をロボット化~ 導入の具体的手法を徹底解説!! 【③】補助金を活用した多品種少量溶接ロボット導入成功事例 ●小ロット多品種板金加工業の溶接工程にロボット導入 7軸ロボットの導入により、人手に頼っていた溶接部門のロボット化を実現 ●車両用大型部品の溶接工程にロボット導入 大量生産にしか向かないロボットのイメージを払拭、はじめてのロボット導入に至る ●曲面や立体形状アルミ部品のスタッド溶接加工作業をロボット化 スタートボタンを押すだけの簡単操作でパート社員でも操作が可能に ●建設部品の外観部溶接工程にロボット導入 高度な技術をもった熟練作業者しかできない外観部溶接工程にロボットを導入 ●鍛造金型の硬化肉盛り工程へのロボット導入 ロボットオフラインソフトを用いて曲面ティーチング作業を数分で効率的に処理 ●特注大型門扉製造工程における溶接ロボットシステムの効率化 事前に分類した教示データの利用で、溶接スキルの有無にかかわらず誰でも操作可能に https://lp.funaisoken.co.jp/mt/smart-factory/dltext05-01-dl.html   中堅・中小製造業 経営者向け AI外観検査の導入ポイント 解説レポート 中小製造業がロボット導入で費用対効果を最大化するために最初にすべきこと ▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼ 「こうなりたい!」と思っている経営者様におすすめ 導入経験がない事業主でもロボット導入において最初にすべきことがわかる! 人手を掛けずに生産性を上げるロボット活用手法がわかる! 多品種少量生産対応の中小製造業のロボット活用手法がわかる! 製造業では必ずと言っていいほど人手のかかる作業となっている外観検査。 本レポートではその外観検査の自動化について、自動化のメリットとAIを活用した外観検査の概要、導入におけるポイント、成功事例を解説しています。 https://www.funaisoken.co.jp/dl-contents/smart-factory__02131_S045

【2024年】中小製造業のための今後のロボット活用方程式

2024.02.29

▼関連レポート 無料ダウンロードはこちらをクリック 1.中小製造業における課題とロボット活用の現状 中小製造業における課題として、超・人手不足問題が顕著です。 製造業の34歳以下の就業者数が年々減少しており、若年者の入職者数の増加が鈍い一方、高齢化が進んでいます。 特に中小企業にとっては人手不足が今後さらに深刻化する可能性があります。 このような状況下で、ロボット活用が注目されています。 ロボット活用によって単純な人手不足の解消と若手にとって魅力ある環境作りが不可欠です。 これらの情報を踏まえると、中小製造業では人手不足問題が深刻化しており、特に高齢化が進む中で若年者の入職者数が増加しづらい状況が把握されます。 そのため、ロボット活用が必要不可欠であり、単純な人手不足問題の解消だけでなく、若手にとっても働きやすい環境の整備が喫緊の課題となっています。 2.2024年中小製造業のロボット活用は協働ロボットが主流になる! 2020年、世界の産業用ロボット出荷台数全体に占める協働ロボットの割合は5%ほどでしたが、20%以上の伸び率を示し、今後の市場拡大が期待されています。 2030年には現在の2倍以上の市場規模に拡大すると予想されています。 特に中小製造業において、協働ロボットが主流となる理由について、簡単な操作や省スペースの特性が挙げられます。 多品種少量生産でロボットを取り扱う技術がなく、狭いスペースの中小製造業には従来の産業用ロボットが不向きであるため、協働ロボットが重要視されています。 この情報から、2024年には中小製造業において協働ロボットが主流になり、その需要がさらに拡大する見込みであることが示されます。 特に協働ロボットは、簡単な操作や省スペースの特性から、人手不足の解消や多品種少量生産に適した製造現場での活用が期待されています。 これらの要因により、協働ロボットは中小製造業においてますます重要な役割を果たすことが予測されます。 3.2024年中小製造業が実践すべき協働ロボット活用 中小製造業が実践すべき協働ロボット活用のポイントとして、多品種少量生産の製造業でロボットを活用する際の方法について考えてみましょう。 具体的なポイントとして、多品種のうち、どのワークを対象にするかを製品分析し、どの工程をロボット化するのかを作業分析することが重要です。 製品分析と作業分析を通じて、ロボット活用の条件を絞り込むことが肝要です。 これらのポイントを踏まえると、中小製造業が協働ロボットを実践する際には、多品種少量生産に対応するために、ロボットの活用条件を具体的に絞り込んでいく必要があります。 製品分析や作業分析を通じて、どの工程をロボット化するのかを明確に把握し、その上で活用条件を検討していくことが重要です。 これにより、効率的なロボット活用が実現し、中小製造業の生産性向上につながるでしょう。 4.ロボット導入の成功を目指す~製品分析と作業分析のポイント~ 製造業におけるロボット導入の成功に欠かせない要素とは何でしょうか? 製品分析と作業分析に注目し、ロボット導入を成功させるためのポイントについてお話しします。 まずは製品分析から始めましょう。 過去3年間の生産実績データを集め、各製品にかかる工数を算出します。 それにより、作業における工数がかかっている特定の製品を把握することができます。 仮に100品種を製造している場合でも、製品分析により上位10品種程度で半数以上の工数を占めていることがわかるかもしれません。 このような共通するポイントに着目し、ロボット導入の対象品種を含むべきです。 次に作業分析です。 作業の動画を撮影し、作業時間を割り出すことで、どの作業をロボットに代替すべきかを分析します。 また、工程ごとに作業の分析を行い、多くの時間がかかっている作業をロボットに代替させることで、投資対効果を向上させることが可能です。 製品分析と作業分析において、データを活用して具体的な取り組みを行うことが成功のカギです。 ロボット導入に際しては、一度立ち止まり、しっかりとした分析を行うことが大切です。 ぜひこのポイントを参考に、ロボット導入を成功させていきましょう。 5.協働ロボット活用成功事例 協働ロボット活用の成功事例詳細はレポートをダウンロードしてご覧ください ▼関連レポート 無料ダウンロードはこちらをクリック [sc name="cobot"][/sc] いつも当コラムをご愛読いただきありがとうございます。 ▼関連レポート 無料ダウンロードはこちらをクリック 1.中小製造業における課題とロボット活用の現状 中小製造業における課題として、超・人手不足問題が顕著です。 製造業の34歳以下の就業者数が年々減少しており、若年者の入職者数の増加が鈍い一方、高齢化が進んでいます。 特に中小企業にとっては人手不足が今後さらに深刻化する可能性があります。 このような状況下で、ロボット活用が注目されています。 ロボット活用によって単純な人手不足の解消と若手にとって魅力ある環境作りが不可欠です。 これらの情報を踏まえると、中小製造業では人手不足問題が深刻化しており、特に高齢化が進む中で若年者の入職者数が増加しづらい状況が把握されます。 そのため、ロボット活用が必要不可欠であり、単純な人手不足問題の解消だけでなく、若手にとっても働きやすい環境の整備が喫緊の課題となっています。 2.2024年中小製造業のロボット活用は協働ロボットが主流になる! 2020年、世界の産業用ロボット出荷台数全体に占める協働ロボットの割合は5%ほどでしたが、20%以上の伸び率を示し、今後の市場拡大が期待されています。 2030年には現在の2倍以上の市場規模に拡大すると予想されています。 特に中小製造業において、協働ロボットが主流となる理由について、簡単な操作や省スペースの特性が挙げられます。 多品種少量生産でロボットを取り扱う技術がなく、狭いスペースの中小製造業には従来の産業用ロボットが不向きであるため、協働ロボットが重要視されています。 この情報から、2024年には中小製造業において協働ロボットが主流になり、その需要がさらに拡大する見込みであることが示されます。 特に協働ロボットは、簡単な操作や省スペースの特性から、人手不足の解消や多品種少量生産に適した製造現場での活用が期待されています。 これらの要因により、協働ロボットは中小製造業においてますます重要な役割を果たすことが予測されます。 3.2024年中小製造業が実践すべき協働ロボット活用 中小製造業が実践すべき協働ロボット活用のポイントとして、多品種少量生産の製造業でロボットを活用する際の方法について考えてみましょう。 具体的なポイントとして、多品種のうち、どのワークを対象にするかを製品分析し、どの工程をロボット化するのかを作業分析することが重要です。 製品分析と作業分析を通じて、ロボット活用の条件を絞り込むことが肝要です。 これらのポイントを踏まえると、中小製造業が協働ロボットを実践する際には、多品種少量生産に対応するために、ロボットの活用条件を具体的に絞り込んでいく必要があります。 製品分析や作業分析を通じて、どの工程をロボット化するのかを明確に把握し、その上で活用条件を検討していくことが重要です。 これにより、効率的なロボット活用が実現し、中小製造業の生産性向上につながるでしょう。 4.ロボット導入の成功を目指す~製品分析と作業分析のポイント~ 製造業におけるロボット導入の成功に欠かせない要素とは何でしょうか? 製品分析と作業分析に注目し、ロボット導入を成功させるためのポイントについてお話しします。 まずは製品分析から始めましょう。 過去3年間の生産実績データを集め、各製品にかかる工数を算出します。 それにより、作業における工数がかかっている特定の製品を把握することができます。 仮に100品種を製造している場合でも、製品分析により上位10品種程度で半数以上の工数を占めていることがわかるかもしれません。 このような共通するポイントに着目し、ロボット導入の対象品種を含むべきです。 次に作業分析です。 作業の動画を撮影し、作業時間を割り出すことで、どの作業をロボットに代替すべきかを分析します。 また、工程ごとに作業の分析を行い、多くの時間がかかっている作業をロボットに代替させることで、投資対効果を向上させることが可能です。 製品分析と作業分析において、データを活用して具体的な取り組みを行うことが成功のカギです。 ロボット導入に際しては、一度立ち止まり、しっかりとした分析を行うことが大切です。 ぜひこのポイントを参考に、ロボット導入を成功させていきましょう。 5.協働ロボット活用成功事例 協働ロボット活用の成功事例詳細はレポートをダウンロードしてご覧ください ▼関連レポート 無料ダウンロードはこちらをクリック [sc name="cobot"][/sc]

工場内物流の自動化によるメリットと自動化を成功させる設備導入の手法とは?

2024.02.27

1.日本における製造業の現状と労働力不足への対策としての自動化の推進 はじめにロボットの需給動向についてご説明したいと思います。 日本におけるロボットの生産出荷台数は、コロナ禍で若干落ち込んでいましたが2022年には過去最高となり近年では人件費の高騰や人手不足を背景としてロボットの需要が高まっています。また協働ロボットの使い易さが向上してきており、これまでの大企業を中心としていたロボット活用の裾野が広がり、多数の分野で活用されるようになってきています。 次に労働人口の状況について共有します。 2030年には労働需要に対して供給人口は10%となる644万人が不足すると試算されています。対策として「働く女性を増やす」、「働くシニア人材を増やす」、「働く外国人を増やす」という、労働力の確保を推進することのほか「生産性を上げて、少ない人材でこれまで以上の成果を出す仕組みへ転換」をしていくということになります。生産性を上げる一つの手段として、設備導入による業務の自動化があります。 今回は工場の自動化を推進することについてのメリットについて説明します。 1つ目は人手不足の解消や生産性向上となります。こちらは皆様の想像通り、現在の人員にて行っている作業を、設備やロボットへ置き換えることで人員の代わりを補うこととなります。 2つ目は働きやすい環境作りとなります。重量物や危険物の取扱いなどの作業を自動化することで事故やけがのリスクを減らし働きやすく、魅力的な職場作りへつなげることができます。 3つ目は昨今、課題となっている特定のスキルを持った職人作業からの脱却となります。自動化だけでは解決できませんが業務方法を見直し、一部を自動化することで品質を担保しつつ 属人的な業務を減らしていくことが可能となります。 2番目と3番目が進むことで魅力的な職場となり、労働力不足が解消に向かい、さらに新しいビジネスが広がるような好循環となっている企業も多数あります。 今回のテーマである搬送工程は製造業においては付加価値が比較的低い作業となり、これまでは、改善や自動化導入が後回しになっていることが多い工程となります。しかしながら、製造業において製品の生産や品質向上、検査など欠かすことができない作業を行っている方がこれらの作業も行っていることで付加価値の高い業務の割合を減らしている可能性があります。これらの工程について人手を割いて業務を行っていれば自動化にて省人化や生産性向上を狙える可能性があります。 2.搬送工程の効果的な改善方法 搬送工程の自動化を検討する際の着眼点として 部材を探す作業・・・具体的には部品を保管庫から探す、中間仕掛品を棚から探すなどの作業となります。 運搬する作業・・・運搬についてはすべての工程間で発生していると思いますが運搬している間に前後の工程が止まっているような状態においては早急に見直すべきだと思います。 作業間の待ち・・・部材待ちや設備の完了待ち、指示待ちなど作業者が手待ちとなっている時間がないのかを確認します これらの3つのムダ作業を削減することで付加価値の高い業務へ移行し生産性を上げていくことが可能となります。 思い当たる工程はありますでしょうか? それぞれの工程についてもう少し詳細に分析する方法を説明していきたいと思います。 まずは対象となる工程・作業において現在の業務のフローチャートを作成します。 次にストップウォッチや設備のデータを用いてそれぞれの業務にどの程度の時間を要しているかを見るためにタイムチャートを作成していきます。複数人作業や平行作業などがある場合にもそれらが分かるように記載します。これらを作成することで、作業を可視化することができ、想定していた業務負荷との比較を行うとともに工程の組み換えや、業務ごとの改善点を見つけることが可能となります。その後、自動化した際の効果検討を開始します。 現状のレイアウトを再確認し、現在の作業導線を可視化し、非効率となっている配置を確認します。そのうえで、理想的なレイアウトや導入が可能と思われる設備を検討します。その際に可能であれば、改めて導線で運搬するモノの再確認やVSM(Value Stream Map)と呼ばれるモノの流れと物量を可視化するフロー図を作成します。これらを作ることで定期的な業務の見直しや改善が容易になり、理想的な業務フローの構築が可能となります。 自動化を検討するにあたり、部材のサイズや重量、梱包形態合わせた様々な自動設備あり、それらを組み合わせることで省人化や生産性向上につなげることができます。近年ではロボットや自動搬送機の性能向上が著しいため搬送工程の自動化の取り組みはしやすい環境にあります。 3.自動化設備の導入と効果検討 搬送の自動化の中でまず思いつく設備は自動搬送機(AGV)ではないかと思います。 製造業でAGVは近年、様々な使い方の方式が市場に出てきています。これまでは床面に磁気テープを張り、そのテープ上を搬送するタイプが主流でしたが、近年では自動搬送機がカメラで周囲の状況を認識して目的地までの経路を生成して運行するAMRというタイプも普及してきています。また無人のフォークリフトや大型の倉庫などで用いられるパレットや部品棚を運搬するタイプ、エレベーターとの連携など様々なAGVが発売されていますので自社にあったタイプを見つけることができると思います。 次に運搬に関するロボットについてとなります。 ロボットは主に産業用ロボットと呼ばれる、溶接や塗装、組み立てなど生産ラインを自動化する大型の工場にて利用されるロボットが主流でした。産業用ロボットは作業者との共存ができずに、安全柵などを利用して作業者とはエリアを分けて作業を行い、生産性を向上させる目的で使用します。一方で産業用ロボットの中でもセンサーや構造面、ソフト面にて安全を配慮した機構とすることで、人間と共存して同一エリアで作業ができる協働ロボットが近年増加しており、様々な業界で用いられるようになってきました。また協働ロボットは小型のものが多かったのですが、昨年には30kg可搬の協働ロボットや、AGVに協働ロボットを搭載させて移動先でも自動で部材を載せ替える構造になるなど、導入しやすいシステムが多数開発されています。 次に検討する工程は部材の保管、仕掛品の中間在庫の一時保管、製品を出荷するまでの保管、治具や工具の保管と工場内は様々な保管場所が存在することと思います。それらの保管棚に対して部材を探すことに時間を費やしていることもあるのではないでしょうか?モノを探すという作業は作業者による時間のばらつきも多く、効率が悪い業務となります。また、作業としては決まったものを探す業務となり簡単な作業なので自動化やシステム導入が後回しになっている工程でもあると思います。 完全自動化するには自動倉庫の導入などが想定されますが、そこまでの設備投資をしないまでも現在ある部品棚にデジタルピッキング表示器やプロジェクターを付けることで、作業指示書のバーコードを読み取るだけで場所をLEDで示してくれるなど簡易的なシステムを導入することで飛躍的に効率を上げることが可能です。 さらに、これらを導入することで在庫差異の減少や棚卸にかかる時間を削減できるなど効果は大きいものと思います。 最後に紹介する自動化設備としては各種検査設備や仕分け用の設備となります。 工場内では品質検査として様々な検査(外観検査、異物検査、重量検査、員数検査、ラベル検査)を実施しているものと思います。 それぞれについての検査設備が販売されており、近年ではロボットにカメラを付けての外観検査のシステムも多数導入事例があります。 4.設備の保全と管理 設備については導入して運用を始めると、あたかも大きな効果が出てくるものと期待して運用を開始してしまいます。一方で設備が想定通りに稼働しているのか?トラブルなどがどのくらいの頻度で起きているのか?トラブルの傾向はあるのか?など管理していかないと想定通りの稼働率や生産性の状況を把握することが難しい場合があります。それらの対応として、設備のデータの可視化(見える化)があります。 設備の稼働状況をDBへ取得して集計することで、稼働状態を可視化することができ生産性の向上や経営判断のツールとして活用することができますので、設備導入だけにとどまらず次のステップとして可視化についても検討を進めていくことを提案します。 次に設備の保全についてですが、車と同じように定期的な点検や消耗品の部品交換が必要です。 保全についての予算確保や対応人員の確保を行い、スケジュールを作成したうえで定期的な保全活動の実施を提案します。特に、故障については設備の初期導入時には初期故障や調整不足などで一定期間故障が増加しますが、そのあとは偶発故障期間となり安定稼働させることが可能です。その後、消耗品などが摩耗してくることで故障が多くなる期間に入りますが、定期的なグリスアップや点検を行うことで摩耗故障までの期間を延ばすことができ、結果的に高品質な製品を長期間生産することができるようになります。よって、設備導入時にはメーカーも交え保全についての計画をすることが重要なポイントと考えます。 5.まとめ 今回の内容のまとめとなります。 1番目として労働人口は2030年には10%不足します。 2番目として労働力不足への対策として自動化の推進は最良の手段となります。 3番目としては実際に導入している企業は生産性の向上、省人化、高品質を達成しています。 4番目として近年様々な種類の設備やロボットが販売されており、目的にあった自動化を推進することは可能です。 5番目として自動化を導入するポイントは現状の分析や導入後の継続的な改善・保全が重要となります ロボット産業の成長と労働力不足への対策としての自動化推進の重要性を説明しました。実際に導入する際においては、設備の選定や保全活動、生産性向上のための継続的な取り組みが必要です。しかしながら、今後もさらなる技術の進化や補助金の活用など、ロボットや設備を導入しやすい環境が整ってきています。 ロボットの活用により、労働力不足に対する課題を解決し、企業の生産性向上や競争力強化に貢献することが期待されます。船井総研では、個別固有のご相談に対してオンライン相談を提供しており、具体的な対策の一歩を踏み出すお手伝いをしています。 無料オンライン相談はこちら https://lp.funaisoken.co.jp/mt/form01/inquiry-S045.html   中堅・中小製造業の経営者向け 工場物流の自動化事例解説レポート ▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼ 「こうなりたい!」と思っている経営者様におすすめ 工場内の物流を自動化して生産性を向上したいと思っている経営者様 工場内の物流を自動化して省人化したいと思っている経営者様 工場内物流の自動化成功事例を知りたいと思っている経営者様 工場内物流の自動化を進めるための具体的な方法を知りたいと思っている経営者様 https://www.funaisoken.co.jp/dl-contents/smart-factory_smart-factory_02125_S045   ■おすすめソリューションのご案内 製造業の生産性を向上させる工場内物流自動化 ▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼ 製造業の生産性向上において工場内物流自動化ソリューションがうまくいく理由 工場内物流の自動化に向けて工場内の生産工程のムダを洗い出します。 部材を探す 運搬する 作業の待ち を削減することで作業者が付加価値の高い業務に移行していけます。 現在の製造現場の状況を分析することで、ムリ、ムダ、ムラを探すことから開始します。 その中で自動化検討を行う工程を見つけることが可能です。 製造業生産性向上の自動化ソリューションの具体的な流れ 製造工程のムダの洗い出し 物流工程の人員・時間の洗い出し 作業フロー・タイムチャート作成 自動化対象工程の選定 概要構想作成 コストメリット試算 実行 https://www.funaisoken.co.jp/solution/maker_logistics-automation いつも当コラムをご愛読いただきありがとうございます。 1.日本における製造業の現状と労働力不足への対策としての自動化の推進 はじめにロボットの需給動向についてご説明したいと思います。 日本におけるロボットの生産出荷台数は、コロナ禍で若干落ち込んでいましたが2022年には過去最高となり近年では人件費の高騰や人手不足を背景としてロボットの需要が高まっています。また協働ロボットの使い易さが向上してきており、これまでの大企業を中心としていたロボット活用の裾野が広がり、多数の分野で活用されるようになってきています。 次に労働人口の状況について共有します。 2030年には労働需要に対して供給人口は10%となる644万人が不足すると試算されています。対策として「働く女性を増やす」、「働くシニア人材を増やす」、「働く外国人を増やす」という、労働力の確保を推進することのほか「生産性を上げて、少ない人材でこれまで以上の成果を出す仕組みへ転換」をしていくということになります。生産性を上げる一つの手段として、設備導入による業務の自動化があります。 今回は工場の自動化を推進することについてのメリットについて説明します。 1つ目は人手不足の解消や生産性向上となります。こちらは皆様の想像通り、現在の人員にて行っている作業を、設備やロボットへ置き換えることで人員の代わりを補うこととなります。 2つ目は働きやすい環境作りとなります。重量物や危険物の取扱いなどの作業を自動化することで事故やけがのリスクを減らし働きやすく、魅力的な職場作りへつなげることができます。 3つ目は昨今、課題となっている特定のスキルを持った職人作業からの脱却となります。自動化だけでは解決できませんが業務方法を見直し、一部を自動化することで品質を担保しつつ 属人的な業務を減らしていくことが可能となります。 2番目と3番目が進むことで魅力的な職場となり、労働力不足が解消に向かい、さらに新しいビジネスが広がるような好循環となっている企業も多数あります。 今回のテーマである搬送工程は製造業においては付加価値が比較的低い作業となり、これまでは、改善や自動化導入が後回しになっていることが多い工程となります。しかしながら、製造業において製品の生産や品質向上、検査など欠かすことができない作業を行っている方がこれらの作業も行っていることで付加価値の高い業務の割合を減らしている可能性があります。これらの工程について人手を割いて業務を行っていれば自動化にて省人化や生産性向上を狙える可能性があります。 2.搬送工程の効果的な改善方法 搬送工程の自動化を検討する際の着眼点として 部材を探す作業・・・具体的には部品を保管庫から探す、中間仕掛品を棚から探すなどの作業となります。 運搬する作業・・・運搬についてはすべての工程間で発生していると思いますが運搬している間に前後の工程が止まっているような状態においては早急に見直すべきだと思います。 作業間の待ち・・・部材待ちや設備の完了待ち、指示待ちなど作業者が手待ちとなっている時間がないのかを確認します これらの3つのムダ作業を削減することで付加価値の高い業務へ移行し生産性を上げていくことが可能となります。 思い当たる工程はありますでしょうか? それぞれの工程についてもう少し詳細に分析する方法を説明していきたいと思います。 まずは対象となる工程・作業において現在の業務のフローチャートを作成します。 次にストップウォッチや設備のデータを用いてそれぞれの業務にどの程度の時間を要しているかを見るためにタイムチャートを作成していきます。複数人作業や平行作業などがある場合にもそれらが分かるように記載します。これらを作成することで、作業を可視化することができ、想定していた業務負荷との比較を行うとともに工程の組み換えや、業務ごとの改善点を見つけることが可能となります。その後、自動化した際の効果検討を開始します。 現状のレイアウトを再確認し、現在の作業導線を可視化し、非効率となっている配置を確認します。そのうえで、理想的なレイアウトや導入が可能と思われる設備を検討します。その際に可能であれば、改めて導線で運搬するモノの再確認やVSM(Value Stream Map)と呼ばれるモノの流れと物量を可視化するフロー図を作成します。これらを作ることで定期的な業務の見直しや改善が容易になり、理想的な業務フローの構築が可能となります。 自動化を検討するにあたり、部材のサイズや重量、梱包形態合わせた様々な自動設備あり、それらを組み合わせることで省人化や生産性向上につなげることができます。近年ではロボットや自動搬送機の性能向上が著しいため搬送工程の自動化の取り組みはしやすい環境にあります。 3.自動化設備の導入と効果検討 搬送の自動化の中でまず思いつく設備は自動搬送機(AGV)ではないかと思います。 製造業でAGVは近年、様々な使い方の方式が市場に出てきています。これまでは床面に磁気テープを張り、そのテープ上を搬送するタイプが主流でしたが、近年では自動搬送機がカメラで周囲の状況を認識して目的地までの経路を生成して運行するAMRというタイプも普及してきています。また無人のフォークリフトや大型の倉庫などで用いられるパレットや部品棚を運搬するタイプ、エレベーターとの連携など様々なAGVが発売されていますので自社にあったタイプを見つけることができると思います。 次に運搬に関するロボットについてとなります。 ロボットは主に産業用ロボットと呼ばれる、溶接や塗装、組み立てなど生産ラインを自動化する大型の工場にて利用されるロボットが主流でした。産業用ロボットは作業者との共存ができずに、安全柵などを利用して作業者とはエリアを分けて作業を行い、生産性を向上させる目的で使用します。一方で産業用ロボットの中でもセンサーや構造面、ソフト面にて安全を配慮した機構とすることで、人間と共存して同一エリアで作業ができる協働ロボットが近年増加しており、様々な業界で用いられるようになってきました。また協働ロボットは小型のものが多かったのですが、昨年には30kg可搬の協働ロボットや、AGVに協働ロボットを搭載させて移動先でも自動で部材を載せ替える構造になるなど、導入しやすいシステムが多数開発されています。 次に検討する工程は部材の保管、仕掛品の中間在庫の一時保管、製品を出荷するまでの保管、治具や工具の保管と工場内は様々な保管場所が存在することと思います。それらの保管棚に対して部材を探すことに時間を費やしていることもあるのではないでしょうか?モノを探すという作業は作業者による時間のばらつきも多く、効率が悪い業務となります。また、作業としては決まったものを探す業務となり簡単な作業なので自動化やシステム導入が後回しになっている工程でもあると思います。 完全自動化するには自動倉庫の導入などが想定されますが、そこまでの設備投資をしないまでも現在ある部品棚にデジタルピッキング表示器やプロジェクターを付けることで、作業指示書のバーコードを読み取るだけで場所をLEDで示してくれるなど簡易的なシステムを導入することで飛躍的に効率を上げることが可能です。 さらに、これらを導入することで在庫差異の減少や棚卸にかかる時間を削減できるなど効果は大きいものと思います。 最後に紹介する自動化設備としては各種検査設備や仕分け用の設備となります。 工場内では品質検査として様々な検査(外観検査、異物検査、重量検査、員数検査、ラベル検査)を実施しているものと思います。 それぞれについての検査設備が販売されており、近年ではロボットにカメラを付けての外観検査のシステムも多数導入事例があります。 4.設備の保全と管理 設備については導入して運用を始めると、あたかも大きな効果が出てくるものと期待して運用を開始してしまいます。一方で設備が想定通りに稼働しているのか?トラブルなどがどのくらいの頻度で起きているのか?トラブルの傾向はあるのか?など管理していかないと想定通りの稼働率や生産性の状況を把握することが難しい場合があります。それらの対応として、設備のデータの可視化(見える化)があります。 設備の稼働状況をDBへ取得して集計することで、稼働状態を可視化することができ生産性の向上や経営判断のツールとして活用することができますので、設備導入だけにとどまらず次のステップとして可視化についても検討を進めていくことを提案します。 次に設備の保全についてですが、車と同じように定期的な点検や消耗品の部品交換が必要です。 保全についての予算確保や対応人員の確保を行い、スケジュールを作成したうえで定期的な保全活動の実施を提案します。特に、故障については設備の初期導入時には初期故障や調整不足などで一定期間故障が増加しますが、そのあとは偶発故障期間となり安定稼働させることが可能です。その後、消耗品などが摩耗してくることで故障が多くなる期間に入りますが、定期的なグリスアップや点検を行うことで摩耗故障までの期間を延ばすことができ、結果的に高品質な製品を長期間生産することができるようになります。よって、設備導入時にはメーカーも交え保全についての計画をすることが重要なポイントと考えます。 5.まとめ 今回の内容のまとめとなります。 1番目として労働人口は2030年には10%不足します。 2番目として労働力不足への対策として自動化の推進は最良の手段となります。 3番目としては実際に導入している企業は生産性の向上、省人化、高品質を達成しています。 4番目として近年様々な種類の設備やロボットが販売されており、目的にあった自動化を推進することは可能です。 5番目として自動化を導入するポイントは現状の分析や導入後の継続的な改善・保全が重要となります ロボット産業の成長と労働力不足への対策としての自動化推進の重要性を説明しました。実際に導入する際においては、設備の選定や保全活動、生産性向上のための継続的な取り組みが必要です。しかしながら、今後もさらなる技術の進化や補助金の活用など、ロボットや設備を導入しやすい環境が整ってきています。 ロボットの活用により、労働力不足に対する課題を解決し、企業の生産性向上や競争力強化に貢献することが期待されます。船井総研では、個別固有のご相談に対してオンライン相談を提供しており、具体的な対策の一歩を踏み出すお手伝いをしています。 無料オンライン相談はこちら https://lp.funaisoken.co.jp/mt/form01/inquiry-S045.html   中堅・中小製造業の経営者向け 工場物流の自動化事例解説レポート ▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼ 「こうなりたい!」と思っている経営者様におすすめ 工場内の物流を自動化して生産性を向上したいと思っている経営者様 工場内の物流を自動化して省人化したいと思っている経営者様 工場内物流の自動化成功事例を知りたいと思っている経営者様 工場内物流の自動化を進めるための具体的な方法を知りたいと思っている経営者様 https://www.funaisoken.co.jp/dl-contents/smart-factory_smart-factory_02125_S045   ■おすすめソリューションのご案内 製造業の生産性を向上させる工場内物流自動化 ▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼ 製造業の生産性向上において工場内物流自動化ソリューションがうまくいく理由 工場内物流の自動化に向けて工場内の生産工程のムダを洗い出します。 部材を探す 運搬する 作業の待ち を削減することで作業者が付加価値の高い業務に移行していけます。 現在の製造現場の状況を分析することで、ムリ、ムダ、ムラを探すことから開始します。 その中で自動化検討を行う工程を見つけることが可能です。 製造業生産性向上の自動化ソリューションの具体的な流れ 製造工程のムダの洗い出し 物流工程の人員・時間の洗い出し 作業フロー・タイムチャート作成 自動化対象工程の選定 概要構想作成 コストメリット試算 実行 https://www.funaisoken.co.jp/solution/maker_logistics-automation

【先行公開!】AI外観検査セミナーの事例と概要

2024.02.16

近年、生成AIなどで注目を浴びる「AI」。本コラムではそんな「AI」を外見検査に取り入れた事例やそもそも何ができるのか?といった内容を紹介いたします。 1.そもそも「AI」外観検査とは? 既存の外観検査方法(ルールベース)とAIを用いた場合とでは何が違うのか、以下にまとめてみました。 もうすこし実例に落とし込んでみた際のAIの強みは 良品の品質にばらつきがある場合でも不良の検出が可能 照明等の光の映り込みやワークのセット時の位置ズレにも対応可能 学習することで微細な不良を検出することができる ということになります。 画像検査装置の導入を検討する際はAIソフト購入等の追加コストが発生する為、「ルールベース⇒AI」の順番で検討することが一般的です。 また、ルールベースでの不良の検出率が98%程度であった場合、99.5%以上の精度を求める為にAIを導入するケースもあります。 目的に合わせて画像検査装置の要件設定が必要です。 次に実際のAI外観検査装置の導入成功事例をご紹介いたします。 2.【先行公開】曖昧さに強いAI外観検査の成功事例 ここでは4月に行われる弊社セミナーでご紹介する実際の成功事例を先行してご覧いただこうと思います。 透明・乳白色の樹脂成形品のAI画像検査成功事例 樹脂成形品を対象としたAI画像検査装置の事例を紹介いたします。 同一の装置で異なる条件の製品・不良を検出することは難しく、特に透明であったりする場合は反射や透けることで検査をさらに困難にします。 今回の事例では上記の理由の他、ルールベースだとほこりや照明の光などの“ノイズ”に対して判断がつかないのでAIの導入を行いました。 人の目で見ればわかるまさに「曖昧」な色の違いやキズ等の不良の検出や照明の反射等の環境要因をAIは学習し、対応して見せました。 さらに今回はPoC(AIで検出可能かというテスト)を実施し、撮影条件等の調整を行いました。それによりいざ装置を作って使い物にならないということを防ぐ効果を得ることができました。 3.【初リアル開催!】AI外観検査セミナー 上記では実際の事例を1つご紹介いたしましたが、4月に行われるセミナーではより多くの事例をご紹介いたします。 内容も「省人効果」や「費用回収」、「苦戦したこと」等より具体的な内容をお話しさせていただきますので情報収集を行っている方や検査工程の自動化についてご検討されている方は是非ご活用いただければと存じます。   ■関連するセミナーのご案内 AI外観検査 社長セミナー 外観検査を自動化して工数削減!省人化!標準化!品質向上!不良流出削減! セミナー詳細・申込はこちらから https://www.funaisoken.co.jp/seminar/109999 本セミナーで学べるポイント 外観検査を自動化してパート従業員や職人に依存している目視検査から脱却する手法を学べる! 外観検査を自動化して属人化している検査工程を標準化するためのポイントを学べる! 外観検査を自動化して不良流出を削減する方法を学べる! 外観検査にAIを活用して検査工程を自動化するための具体的な手法が学べる! 過去に外観検査の自動化に失敗していても成功させるための具体的な手法が学べる! ■開催日程 以下の日程よりご都合の良い日程をお選び下さい ※内容は全て一緒です 大阪会場 2024/04/09 (火) 10:00~12:30 東京会場 2024/04/16 (火) 10:00~12:30 お申し込みはこちらから⇒ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/109999   中堅・中小製造業 経営者向け AI外観検査の導入ポイント 解説レポート ▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼ 製造業では必ずと言っていいほど人手のかかる作業となっている外観検査。 本レポートではその外観検査の自動化について、自動化のメリットとAIを活用した外観検査の概要、導入におけるポイント、成功事例を解説しています。 https://www.funaisoken.co.jp/dl-contents/smart-factory__02131_S045 いつも当コラムをご愛読いただきありがとうございます。 近年、生成AIなどで注目を浴びる「AI」。本コラムではそんな「AI」を外見検査に取り入れた事例やそもそも何ができるのか?といった内容を紹介いたします。 1.そもそも「AI」外観検査とは? 既存の外観検査方法(ルールベース)とAIを用いた場合とでは何が違うのか、以下にまとめてみました。 もうすこし実例に落とし込んでみた際のAIの強みは 良品の品質にばらつきがある場合でも不良の検出が可能 照明等の光の映り込みやワークのセット時の位置ズレにも対応可能 学習することで微細な不良を検出することができる ということになります。 画像検査装置の導入を検討する際はAIソフト購入等の追加コストが発生する為、「ルールベース⇒AI」の順番で検討することが一般的です。 また、ルールベースでの不良の検出率が98%程度であった場合、99.5%以上の精度を求める為にAIを導入するケースもあります。 目的に合わせて画像検査装置の要件設定が必要です。 次に実際のAI外観検査装置の導入成功事例をご紹介いたします。 2.【先行公開】曖昧さに強いAI外観検査の成功事例 ここでは4月に行われる弊社セミナーでご紹介する実際の成功事例を先行してご覧いただこうと思います。 透明・乳白色の樹脂成形品のAI画像検査成功事例 樹脂成形品を対象としたAI画像検査装置の事例を紹介いたします。 同一の装置で異なる条件の製品・不良を検出することは難しく、特に透明であったりする場合は反射や透けることで検査をさらに困難にします。 今回の事例では上記の理由の他、ルールベースだとほこりや照明の光などの“ノイズ”に対して判断がつかないのでAIの導入を行いました。 人の目で見ればわかるまさに「曖昧」な色の違いやキズ等の不良の検出や照明の反射等の環境要因をAIは学習し、対応して見せました。 さらに今回はPoC(AIで検出可能かというテスト)を実施し、撮影条件等の調整を行いました。それによりいざ装置を作って使い物にならないということを防ぐ効果を得ることができました。 3.【初リアル開催!】AI外観検査セミナー 上記では実際の事例を1つご紹介いたしましたが、4月に行われるセミナーではより多くの事例をご紹介いたします。 内容も「省人効果」や「費用回収」、「苦戦したこと」等より具体的な内容をお話しさせていただきますので情報収集を行っている方や検査工程の自動化についてご検討されている方は是非ご活用いただければと存じます。   ■関連するセミナーのご案内 AI外観検査 社長セミナー 外観検査を自動化して工数削減!省人化!標準化!品質向上!不良流出削減! セミナー詳細・申込はこちらから https://www.funaisoken.co.jp/seminar/109999 本セミナーで学べるポイント 外観検査を自動化してパート従業員や職人に依存している目視検査から脱却する手法を学べる! 外観検査を自動化して属人化している検査工程を標準化するためのポイントを学べる! 外観検査を自動化して不良流出を削減する方法を学べる! 外観検査にAIを活用して検査工程を自動化するための具体的な手法が学べる! 過去に外観検査の自動化に失敗していても成功させるための具体的な手法が学べる! ■開催日程 以下の日程よりご都合の良い日程をお選び下さい ※内容は全て一緒です 大阪会場 2024/04/09 (火) 10:00~12:30 東京会場 2024/04/16 (火) 10:00~12:30 お申し込みはこちらから⇒ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/109999   中堅・中小製造業 経営者向け AI外観検査の導入ポイント 解説レポート ▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼ 製造業では必ずと言っていいほど人手のかかる作業となっている外観検査。 本レポートではその外観検査の自動化について、自動化のメリットとAIを活用した外観検査の概要、導入におけるポイント、成功事例を解説しています。 https://www.funaisoken.co.jp/dl-contents/smart-factory__02131_S045

外観検査の自動化とは?導入までの流れや、成功させるポイントを解説!

2024.02.05

1.外観検査の自動化とは 外観検査は、製品や原材料の品質確保を重視する製造業において不可欠な工程です。 具体的には、製品や部品の表面に付着した汚れ、異物、傷、変形といった欠陥を検出し、品質の向上を図る工程です。 従来、外観検査は主に人の目による目視検査が行われてきました。 しかし、目視検査では、人によって異なる検査精度のばらつきや、検査員の見落としによってどうしても不良を流出してしまう、という課題がありました。 昨今の工場では、その解決策として、検査装置を活用した検査工程の自動化が進められています。 外観検査の自動化は製造業全般に適用されており、自動車、半導体、食品・飲料、製薬など多岐にわたる産業で導入されています。 近年では、機械学習や画像処理技術を駆使した高精度な外観検査も可能となっており、従来では困難だった検査についても、自動化を行うことが可能になっています。 2.外観検査自動化を行う4つのメリット 2―1.高精度な検査が実現可能 外観検査自動化において検査機は、事前に設定された基準やアルゴリズムに基づいて作業を遂行します。 このプログラムによる検査は、人間の目で見逃す可能性がある微細な欠陥や変形を確実に検知します。 また、深層学習などの技術を用いることで、新たな異常パターンも検出できるようになります。 2-2.検査工程の人手不足を解消 外観検査の自動化によって、検査工程における作業員の不足を解消することができ、人手不足による製造ラインの遅延や作業者のストレスを軽減することができます。 また、自動化によって不要となった人員には、他の重要な業務を行ってもらうことで、工場全体の生産性を向上させることができます。 2-3.検査員の育成コスト削減 外観検査の自動化により、検査員の育成にかかる時間とコストを大幅に削減できます。 検査員のスキル向上には経験が必要であり、これを得るためには時間と手間がかかります。 検査機を使用する際は、(装置を適切に構築することさえできれば、)即座に検査を開始することができます。 また、ヒューマンエラーが減少することで、不良品の再検査や製品リコールにかかるコストも低減します。 2-4.検査時間の短縮 外観検査の自動化を行うことで、作業時間を短縮、ひいては生産ラインの効率を向上させることができます。 人の稼働時間には限界がありますが、検査機は24時間365日の稼働が可能です。 これにより、従来の目視検査に比べて生産サイクルタイムが短縮され、製品の早期出荷が可能となります。 次に外観検査自動化導入の流れを解説します。 3.外観検査自動化 導入の流れ 外観検査自動化の導入の流れは以下の図のようになっています。 3-1.要件定義 要件定義とは、自動化をする際の目的を明確化することです。 自社にどのような課題があって、何のために外観検査の自動化を行っていくのかを明確にする必要があります。 たとえば、代表的な目的感でいえば、「外観検査を自動化して省人化しコストを下げたい」「外観検査を自動化して不良率を下げたい」「外観検査を自動化してより速いタクトタイムで検査を行いたい」などが挙げられます。 “自社がどの課題の改善に重きをおいているのか“は導入前に明確にしておかないと、ゴールが不明瞭となってしまうため、導入に失敗する可能性が高くなってしまいます。 3-2.検査システムの構築/テスト 次に、要件定義に沿う様な検査システムを構築していきます。 まず、要件定義の際に決定した検査項目について、目論見通り検査が行えるか検証を行い、その後検証結果に沿う機器や方法の選定を行います。 次に、選定した機器や方法で、期待通りの検査を行うことができるかテストを行います。 機器や方法の選定とテストを繰り返し、目的を果たすことができる検査機構を構築していきます。 検討項目としては、カメラ、照明、検査ラインなどの機器の選定や撮像した画像処理方法の選定などが存在します。 検査システムの構築においては検討すべきことが非常に多岐に渡っています。 例えば、下記の様な項目が挙げられます。 これらの事項は、選定する際に考えるべきことの内、ほんの一部です。 実際に検査の自動化を行う際は、様々な項目について検討を行う必要があります。 3-3.本導入 テスト結果に問題がなければ、本導入に映ります。 テスト時に検査できていたとしても、本導入でも同様に検査できるとは限らず、また運用後に検査システムで検知できない様な不良品が出ることもあります。 本導入がうまくいくかどうかは、要件定義の巧拙によるところが大きいですが、万一うまく検査の自動化を行うことができない場合でも、どうすれば目的を達成できるか、PDCAを回していきましょう。 4.外観検査自動化の失敗例 続いて、外観検査の自動化における失敗例を2つ紹介します。 4-1.費用対効果が出ない 1つ目は、「費用対効果が出ない」です。 こちらは、要件定義が適切に行えていないときに起こる可能性が高いです。 当たり前ですが、全ての検査製品・検査作業を一気に自動化していくことは不可能です。 自動化を行う際は、必ず特定の品種・作業に絞ることが重要です。 費用対効果を出していくためには、儲かっている製品や工数のかかっている作業を重点的に自動化していく必要があります。 4-2.検査したい製品を適切に撮像できない 2つ目は、「検査したい製品を適切に撮像できない」です。 こちらも非常に多い失敗例です。 検査の自動化を成功させるために重要ことは、”どれだけその検査方法に対してノウハウを持っているか”です。 先述の通り、外観検査を自動化させるためには、多くの事柄について検討する必要があり、非常に幅広い知識と経験が必要となります。 同じカメラを使っていても、異なる照明を使っていれば見え方は全く異なりますし、また画像処理の方法によっても精度・タクトタイムが大きく異なります。 自動化したい検査方法に対して、様々な手法で検討を行うことで、より精度が高く、より速く、より安い外観検査システムを構築することが可能です。 5.外観検査の自動化を成功させるために重要な2つのこと 外観検査を自動化する際に押さえるべきポイントは下記の2つです。 5-1.明確な要件定義 自動化を行うことで何を実現したいのか?この一点がブレてしまうと、全てがうまくいきません。 何を目的とするのかを決定することで、適切な検査の方法も、機器も、自社に最適なものを選定・導入することができます。 要件定義は、しっかり時間をかけて行いましょう。 5-2.適切な費用感 自動化を行う際、どれだけの費用をかけるべきなのか。 難しいと思われる方も多いかもしれません。 自動化を行う際の適切な費用感は、簡易的に以下の公式で求めることが可能です。 投資効果は、例えば自動化によって削減される人工数によって削減される人件費などで測ることができます。 また、投資回収の年数は、一般的に3~5年で考えることが多いです。 自動化をすればどれだけの投資効果が期待できるのか?どのくらいの年数での償却を目標としているのか?を鑑み、投資額を決定しましょう。 6.まとめ 今回は、外観検査の自動化について紹介致しました。 貴社の外観検査自動化の一助となれば幸いです。 船井総研では、中堅・中小製造業向けに、コンサルティングを行っており、外観検査自動化システムの導入に限らず、AI導入・ロボット導入・ERP導入支援なども行っております。 お困りの際は、無料オンライン相談会をご活用ください。   ■関連するセミナーのご案内 AI外観検査 社長セミナー 外観検査を自動化して工数削減!省人化!標準化!品質向上!不良流出削減! セミナー詳細・申込はこちらから https://www.funaisoken.co.jp/seminar/109999 本セミナーで学べるポイント 外観検査を自動化してパート従業員や職人に依存している目視検査から脱却する手法を学べる! 外観検査を自動化して属人化している検査工程を標準化するためのポイントを学べる! 外観検査を自動化して不良流出を削減する方法を学べる! 外観検査にAIを活用して検査工程を自動化するための具体的な手法が学べる! 過去に外観検査の自動化に失敗していても成功させるための具体的な手法が学べる! ■開催日程 以下の日程よりご都合の良い日程をお選び下さい ※内容は全て一緒です 大阪会場 2024/04/09 (火) 10:00~12:30 東京会場 2024/04/16 (火) 10:00~12:30 お申し込みはこちらから⇒ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/109999   中堅・中小製造業 経営者向け AI外観検査の導入ポイント 解説レポート ▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼ 製造業では必ずと言っていいほど人手のかかる作業となっている外観検査。 本レポートではその外観検査の自動化について、自動化のメリットとAIを活用した外観検査の概要、導入におけるポイント、成功事例を解説しています。 https://www.funaisoken.co.jp/dl-contents/smart-factory__02131_S045 いつも当コラムをご愛読いただきありがとうございます。 1.外観検査の自動化とは 外観検査は、製品や原材料の品質確保を重視する製造業において不可欠な工程です。 具体的には、製品や部品の表面に付着した汚れ、異物、傷、変形といった欠陥を検出し、品質の向上を図る工程です。 従来、外観検査は主に人の目による目視検査が行われてきました。 しかし、目視検査では、人によって異なる検査精度のばらつきや、検査員の見落としによってどうしても不良を流出してしまう、という課題がありました。 昨今の工場では、その解決策として、検査装置を活用した検査工程の自動化が進められています。 外観検査の自動化は製造業全般に適用されており、自動車、半導体、食品・飲料、製薬など多岐にわたる産業で導入されています。 近年では、機械学習や画像処理技術を駆使した高精度な外観検査も可能となっており、従来では困難だった検査についても、自動化を行うことが可能になっています。 2.外観検査自動化を行う4つのメリット 2―1.高精度な検査が実現可能 外観検査自動化において検査機は、事前に設定された基準やアルゴリズムに基づいて作業を遂行します。 このプログラムによる検査は、人間の目で見逃す可能性がある微細な欠陥や変形を確実に検知します。 また、深層学習などの技術を用いることで、新たな異常パターンも検出できるようになります。 2-2.検査工程の人手不足を解消 外観検査の自動化によって、検査工程における作業員の不足を解消することができ、人手不足による製造ラインの遅延や作業者のストレスを軽減することができます。 また、自動化によって不要となった人員には、他の重要な業務を行ってもらうことで、工場全体の生産性を向上させることができます。 2-3.検査員の育成コスト削減 外観検査の自動化により、検査員の育成にかかる時間とコストを大幅に削減できます。 検査員のスキル向上には経験が必要であり、これを得るためには時間と手間がかかります。 検査機を使用する際は、(装置を適切に構築することさえできれば、)即座に検査を開始することができます。 また、ヒューマンエラーが減少することで、不良品の再検査や製品リコールにかかるコストも低減します。 2-4.検査時間の短縮 外観検査の自動化を行うことで、作業時間を短縮、ひいては生産ラインの効率を向上させることができます。 人の稼働時間には限界がありますが、検査機は24時間365日の稼働が可能です。 これにより、従来の目視検査に比べて生産サイクルタイムが短縮され、製品の早期出荷が可能となります。 次に外観検査自動化導入の流れを解説します。 3.外観検査自動化 導入の流れ 外観検査自動化の導入の流れは以下の図のようになっています。 3-1.要件定義 要件定義とは、自動化をする際の目的を明確化することです。 自社にどのような課題があって、何のために外観検査の自動化を行っていくのかを明確にする必要があります。 たとえば、代表的な目的感でいえば、「外観検査を自動化して省人化しコストを下げたい」「外観検査を自動化して不良率を下げたい」「外観検査を自動化してより速いタクトタイムで検査を行いたい」などが挙げられます。 “自社がどの課題の改善に重きをおいているのか“は導入前に明確にしておかないと、ゴールが不明瞭となってしまうため、導入に失敗する可能性が高くなってしまいます。 3-2.検査システムの構築/テスト 次に、要件定義に沿う様な検査システムを構築していきます。 まず、要件定義の際に決定した検査項目について、目論見通り検査が行えるか検証を行い、その後検証結果に沿う機器や方法の選定を行います。 次に、選定した機器や方法で、期待通りの検査を行うことができるかテストを行います。 機器や方法の選定とテストを繰り返し、目的を果たすことができる検査機構を構築していきます。 検討項目としては、カメラ、照明、検査ラインなどの機器の選定や撮像した画像処理方法の選定などが存在します。 検査システムの構築においては検討すべきことが非常に多岐に渡っています。 例えば、下記の様な項目が挙げられます。 これらの事項は、選定する際に考えるべきことの内、ほんの一部です。 実際に検査の自動化を行う際は、様々な項目について検討を行う必要があります。 3-3.本導入 テスト結果に問題がなければ、本導入に映ります。 テスト時に検査できていたとしても、本導入でも同様に検査できるとは限らず、また運用後に検査システムで検知できない様な不良品が出ることもあります。 本導入がうまくいくかどうかは、要件定義の巧拙によるところが大きいですが、万一うまく検査の自動化を行うことができない場合でも、どうすれば目的を達成できるか、PDCAを回していきましょう。 4.外観検査自動化の失敗例 続いて、外観検査の自動化における失敗例を2つ紹介します。 4-1.費用対効果が出ない 1つ目は、「費用対効果が出ない」です。 こちらは、要件定義が適切に行えていないときに起こる可能性が高いです。 当たり前ですが、全ての検査製品・検査作業を一気に自動化していくことは不可能です。 自動化を行う際は、必ず特定の品種・作業に絞ることが重要です。 費用対効果を出していくためには、儲かっている製品や工数のかかっている作業を重点的に自動化していく必要があります。 4-2.検査したい製品を適切に撮像できない 2つ目は、「検査したい製品を適切に撮像できない」です。 こちらも非常に多い失敗例です。 検査の自動化を成功させるために重要ことは、”どれだけその検査方法に対してノウハウを持っているか”です。 先述の通り、外観検査を自動化させるためには、多くの事柄について検討する必要があり、非常に幅広い知識と経験が必要となります。 同じカメラを使っていても、異なる照明を使っていれば見え方は全く異なりますし、また画像処理の方法によっても精度・タクトタイムが大きく異なります。 自動化したい検査方法に対して、様々な手法で検討を行うことで、より精度が高く、より速く、より安い外観検査システムを構築することが可能です。 5.外観検査の自動化を成功させるために重要な2つのこと 外観検査を自動化する際に押さえるべきポイントは下記の2つです。 5-1.明確な要件定義 自動化を行うことで何を実現したいのか?この一点がブレてしまうと、全てがうまくいきません。 何を目的とするのかを決定することで、適切な検査の方法も、機器も、自社に最適なものを選定・導入することができます。 要件定義は、しっかり時間をかけて行いましょう。 5-2.適切な費用感 自動化を行う際、どれだけの費用をかけるべきなのか。 難しいと思われる方も多いかもしれません。 自動化を行う際の適切な費用感は、簡易的に以下の公式で求めることが可能です。 投資効果は、例えば自動化によって削減される人工数によって削減される人件費などで測ることができます。 また、投資回収の年数は、一般的に3~5年で考えることが多いです。 自動化をすればどれだけの投資効果が期待できるのか?どのくらいの年数での償却を目標としているのか?を鑑み、投資額を決定しましょう。 6.まとめ 今回は、外観検査の自動化について紹介致しました。 貴社の外観検査自動化の一助となれば幸いです。 船井総研では、中堅・中小製造業向けに、コンサルティングを行っており、外観検査自動化システムの導入に限らず、AI導入・ロボット導入・ERP導入支援なども行っております。 お困りの際は、無料オンライン相談会をご活用ください。   ■関連するセミナーのご案内 AI外観検査 社長セミナー 外観検査を自動化して工数削減!省人化!標準化!品質向上!不良流出削減! セミナー詳細・申込はこちらから https://www.funaisoken.co.jp/seminar/109999 本セミナーで学べるポイント 外観検査を自動化してパート従業員や職人に依存している目視検査から脱却する手法を学べる! 外観検査を自動化して属人化している検査工程を標準化するためのポイントを学べる! 外観検査を自動化して不良流出を削減する方法を学べる! 外観検査にAIを活用して検査工程を自動化するための具体的な手法が学べる! 過去に外観検査の自動化に失敗していても成功させるための具体的な手法が学べる! ■開催日程 以下の日程よりご都合の良い日程をお選び下さい ※内容は全て一緒です 大阪会場 2024/04/09 (火) 10:00~12:30 東京会場 2024/04/16 (火) 10:00~12:30 お申し込みはこちらから⇒ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/109999   中堅・中小製造業 経営者向け AI外観検査の導入ポイント 解説レポート ▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼ 製造業では必ずと言っていいほど人手のかかる作業となっている外観検査。 本レポートではその外観検査の自動化について、自動化のメリットとAIを活用した外観検査の概要、導入におけるポイント、成功事例を解説しています。 https://www.funaisoken.co.jp/dl-contents/smart-factory__02131_S045

日本&海外の協働ロボットメーカー16社の特徴を紹介!

2024.02.01

▼『【製造業】経営者向け!!工場の協働ロボット活用成功事例集』 無料ダウンロードはこちら 近年、協働ロボットは、企業規模・業種・作業を問わず、導入が進んでいます。 現在では、様々な協働ロボットメーカーが乱立しているため、 各協働ロボットメーカーの特徴・違いがわからない! 結局自社に最適な協働ロボットメーカーがわからない! と感じる方も多いのではないでしょうか。 本記事では、協働ロボットについて比較・検討されている方に向けて、計16つ(日本企業:8社/海外企業8社)の協働ロボットメーカーの特徴を紹介します。情報収集のお役に立てば幸いです。 1.日本の協働ロボットメーカー8選! 1-1.ファナック「CRX シリーズ」 (引用:https://www.fanuc.co.jp/ja/product/robot/f_r_collabo.html) ファナックは、基本技術であるNCとサーボ、レーザからなるFA事業と、その基本技術を応用したロボット事業および ロボマシン事業を展開しています。 協働ロボット以外にもアーク溶接ロボット、塗装ロボット、パレタイジングロボットのような産業用ロボットも取り扱っています。 FANUCは国内大手メーカーであり、様々な国内メーカーとのプラグイン周辺機器が揃っているため、現場のニーズに合わせた自動化の構築が可能となっています。 また、国内メーカーであるためアフターサポートも充実しており、協働ロボット導入後も安心して使用することが可能です。 最近ではアーク溶接と協働ロボットをパッケージ化したシステムを開発し協働ロボット溶接も可能になっています。 専用のアプリケーションとなっており協働ロボットの特徴であるダイレクトティーチングにプラスして溶接条件を簡単に設定できるようになっています。 機械加工におけるワーク供給においてもファナックのロボドリル等との相性が良くLANケーブル一つでインターフェースが取れるため複雑な信号のやり取りなどが不要となっています。 1-2.テックマン「TM シリーズ」 (引用:https://ssi-robot.co.jp/tm-robot/) Techman Robotは2016年に設立され、台湾を拠点とする協働ロボットメーカーです。 テックマンの一番の特徴はロボットビジョン(カメラ)を標準搭載していることです。 従来、ロボットとビジョンの連携には複雑なキャリブレーションのような作業が必要で、素人には到底使いこなせないシステムとなっていました。 テックマンは標準でロボットビジョンを搭載しており、上記のような複雑な連携が不要となっています。 ロボットビジョンを搭載しているため、ランダムに置かれたワークのピッキングのような作業が得意です。 また、ロボットビジョンを活用したランドマーク機能を活用することで3次元での位置補正が可能となっているため、ロボットを移動・再度設置、した際の複雑な補正や修正が不要となっており、よりフレキシブルな協働ロボット活用が可能となっています。 操作性については、協働ロボットの特徴であるダイレクトティーチングは勿論のこと、フローチャートプログラムを採用することで、より直感的にロボットティーチングをすることが可能となっています。 1-2.安川電機「MOTOMAN HCシリーズ」 株式会社安川電機は1915年に設立された、日本のロボットメーカーです。 その特徴は、幅広いラインナップを揃えていることです。まず、可搬重量が10kg以下用のロボットから、可搬重量21kg~30kg用のロボットを取り揃えており、様々な重量のワークに対応しています。さらに、防塵・防滴仕様のロボットから食品仕様のものまで、様々な用途に合わせた協働ロボットを製造しています。 また、近年では、自律ロボットと呼ばれる「MOTOMAN NEXTシリーズ」を発売しています。このロボットは、“自律ロボット“の名の通り、ロボットが周囲の状況に合わせて自律的に判断し、駆動することができます。 (引用:https://www.e-mechatronics.com/product/robot/special/motoman-next/) 「MOTOMAN NEXT」は、ロボットにとって障害物となる様な環境情報を入力すれば、ティーチングレスで動作の指示を行うことができます。 さらに、ビジョンカメラや力覚センサなどを用いることで、周辺環境との衝突回避や、動作位置の微調整など、状況に合わせた判断を行うことが可能になります。究極的には、使用するツールや、具体的な作業の指示を行うことで、ティーチレスでロボットへ動作の指示を行うことができます。 1-4.川崎重工業「duAro シリーズ」 (引用:https://kawasakirobotics.com/jp/products-robots/duaro1/) duAroシリーズは、双腕型の協働ロボットです。 その特徴は、「人が両手を使って行う作業をそのまま自動化できること」です。他社の単腕ロボットと違い、アームが2つあるため、より自由度の高い作業を行うことができます。 例えば、位置決めが必要な作業を単腕ロボットで自動化しようとすると、治具か、もう1台単腕ロボットを用意する必要があります。duAroであれば、片方のロボットアームでワークの位置決めを行い、もう片方のロボットアームで作業をすることが可能です。このように、難易度が比較的高い、作業の自動化に向いています。ただし、可搬重量が最大4~6kgとなっており、他社の協働ロボットと比較しても軽いものしか扱うことができません。重量物が扱えない、という点については注意が必要です。 1-5.カワダロボティクス「NEXTAGEシリーズ」 (引用:https://nextage.kawadarobot.co.jp/product) 「NEXTAGEシリーズ」の特徴は、他のどの協働ロボットよりも人に近い動きができることです。2本のロボットアームと、2つのカメラ、回る腰部。一般的な双腕ロボットの様な、人の腕を模したロボットとは異なり、人の上半身を模したロボットです。軸数はなんと15軸。(両腕にそれぞれ6軸、頭部カメラに2軸、腰部に1軸。)この圧倒的な軸数からも、非常に自由度の高い動きが可能なことがわかるかと思います。他社の協働ロボットを用いて自動化する場合、複数台ロボットが必要な場合でも、「NEXTAGEシリーズ」なら1台で自動化をすることが可能になるでしょう。 1-6.デンソーウェーブ「COBOTTA シリーズ」 (引用:https://www.denso-wave.com/ja/robot/product/collabo/cobotta.html) COBOTTAの特徴は、「徹底的に追及された安全性」です。鋭利な部分が存在しないアーム構造、指が挟みこまない様に配慮された可動範囲。さらに、速度やトルクを監視するセンサを6つも内蔵しています。このことから、ロボットの外見も、中身も安全性が追及されていることがわかると思います。もちろん、他社の協働ロボットも安全性に問題はありません。が、デンソーウェーブのHPを見れば、安全性に対するこだわりを感じることができます。 1-7.不二越「CMZ シリーズ」 (引用:https://www.nachi-fujikoshi.co.jp/rob/hand/cz10a.htm) CMZシリーズの特徴は、「トップクラスの高速・高精度を有していること」です。最高速度は協働時毎秒1000 mm、非協働時毎秒2500 mm、位置繰り返し精度は±0.02 mmとなっています。この数字は業界の中でも非常に高い数字で、技術力の高さが伺えます。もちろん、安全停止機能はついていますので、ご安心ください。 1-8.三菱電機「MELFA ASSISTA シリーズ」 (引用:https://www.mitsubishielectric.co.jp/fa/products/rbt/assista/items/assista/index.html) MELFA ASSISTAの特徴は、「圧倒的な使いやすさ」です。まず、MELFA ASSISTAは、ダイレクトティーチングで教示を行うことができます。ここまでは他社の協働ロボットと何ら変わりません。次に、MELFA ASSISTAは、専用のティーチングツール「RT VisualBox」 を使うことで、仮想の3次元空間内において直感的にティーチング作業を行うこともできます。こちらは、今後デジタルネイティブ世代が増えることを見越して開発を行ったそうです。(引用:https://monoist.itmedia.co.jp/mn/articles/2006/11/news069.html) さらに、MELFA ASSISTAには、協働ロボットには珍しくLEDが搭載されています。このLEDはロボットの稼働状態を示しており、周辺の作業者にロボットの稼働状態を伝えることができます。 (引用:https://www.mitsubishielectric.co.jp/fa/topics/2020/04_robot/factory/index.html?ref=pr_assista_1) 以上の特徴から、MELFA ASSISTAには、他社にはない”使いやすさ”を実現しています。また、三菱電機はPLCをはじめとした、様々な機器も製造しています。これらの三菱電機製の機器との接続も、この協働ロボットなら容易に行うことができます。 2.海外の協働ロボットメーカー8選! 2-1.Universal Robots「UR シリーズ」 (引用:https://www.universal-robots.com/ja/) 協働ロボットの生みの親である、デンマークの協働ロボットメーカー。URシリーズの特徴は「圧倒的な実績」です。2024年1月現在、市場シェアは50%を占め、75,000を超える企業で導入されています。HPには、“120以上の事例”が掲載されており、マテハンや組み立て、検査、加工などで使われた様々な導入事例を知ることができます。最近では、2023年に可搬重量30kgに対応した協働ロボット「UR30」が登場。有名どころで言えば、ファナックや安川電機に続いて、3番目となる可搬重量30kgに対応した協働ロボットの発売です。 このUR30の特筆すべき点はその本体重量の軽さです。 同じ30 kg可搬のFANACの協働ロボット(CRX-25iA)と安川電機の協働ロボット(MOTOMAN-HC30PL)の本体質量がそれぞれ135kg,140kgであるのに対し、UR30は本体質量が65kgと大幅に軽量仕様となっています。 これにより、扱いやすさが向上し、さらには壁や天井などにも設置して利用することも可能です。 (引用:https://www.mapion.co.jp/news/column/cobs2693821-1-all/) 2-2.AUBO robotics「i シリーズ」 (引用:https://www.aubo-cobot.com/public/) 中国発の協働ロボットメーカー。 iシリーズの特徴は、「価格が比較的安価であること」です。 一般的な他社の協働ロボットの協働ロボットと比較して、2~3割ほど安くできるそうです。 一般的な協働ロボットの本体価格は、300~500万円であると言われています。 単純計算でいえば、240~400万円程度で購入することが可能です。 “中国製”で“安い”と聞くと、品質が悪いのではないか、と感じる方もいるのではないでしょうか。 その点、AUBO roboticsは安心できます。 ロボットの動きの核と言えるモーターやブレーキ、エンコーダなどのコア部品は全て自社で内製していることから、品質の担保、改善を行っていることが伺えるでしょう。 (引用:https://www.robot-digest.com/contents/?id=1558505650-884330) (引用:https://robotstart.info/2023/11/13/moriyama_mikata-no186.html) 2-3.JAKA「Zu シリーズ/All-In-One シリーズ/Pro シリーズ」 (引用:https://www.jakarobotics.com/ja/) ドイツの協働ロボットメーカー。 この協働ロボットの強みは、「プログラミングがしやすいこと」と「低コストで導入できること」です。 協働ロボットの動作プログラムの作成の際は「Scratch」と呼ばれるプログラム言語をベースとしたソフトウェアを使うことができます。 ローコードでプログラミングをすることができるので、コードに馴染みのない人でも、プログラムを作成することができます。 また、最大可搬重量10kg&6軸タイプの一般的な協働ロボットに比べると、市場価格は2/3程度に抑えられるという。 一般的な協働ロボットの本体価格を300~500万円であるとすると、JAKAの協働ロボットは200~333万円で購入できるという計算になります。 ロボットへの教示のしやすさや、低コストで導入できることから、中小企業での導入が向いていると考えられます。 (引用:https://www.robot-digest.com/contents/?id=1583369070-577142&dp=1) 2-4.igus「ReBeLシリーズ」 (引用:https://www.igus.co.jp/robolink/cobots) ドイツの協働ロボットメーカー。 その特徴は「安さと軽さ」です。 内臓コントローラと、ロボット制御のソフトウェアがついて、メーカー希望小売価格は1,197,273円(税込)。 可搬重量は最大2kgとなっており、同可搬重量の一般的な協働ロボットと比較すると、非常に安価であることがわかります。 低い導入ハードルと、短期で投資回収を行うことができることが強みです。 また、もう一点特筆すべきはその軽さです。 一般的な金属製の協働ロボットとは異なり、ReBeLシリーズは高機能ポリマー製のボディでできています。 これによって重さはわずか8.2 kgと非常に扱いやすい仕様になっています。 壁付け、天吊りも可能です。 2-5.FAIRinovation「FRシリーズ」 (引用元:https://www.frtech.fr/) 中国の新興協働ロボットメーカー。 その特徴は「圧倒的な価格の安さ」です。 一般的な協働ロボットの価格帯が300万円~500万円であるのに対し、FAIRINOロボットは1台50万円で購入することができます。 圧倒的低コストの理由を担当者の方に確認したところ、「減速機を含め部品を全て自社製造しているから」とのことでした。 中国メーカーで且つ破格に安価な価格であることから一抹の不安感がありますが、他社の協働ロボット同様、一般的な溶接、パレタイズ、ピッキングなど用途で活用することができます。 過去の展示会で実際に溶接作業のティーチングのデモを拝見しましたが、見た目は他社製の協働ロボットとそん色ない動きをしていました。(しかも、オプションのカメラで撮像した画像からティーチング箇所を判断し、ティーチングを自動生成していました。) 手軽に協働ロボットを導入をしたい方にオススメです。 2-6.Kassow Robots 「KR シリーズ」 (引用元:https://ksw-robots.co.jp/) デンマークの協働ロボットメーカー。 「KRシリーズ」の特徴は、「7軸の協働ロボットであること」です。(FANACや安川電機など、現行の協働ロボットは6軸であることがほとんどです。) 軸が7つあることのメリットは、ロボットの可動域が広くなることです。 軸数が一つ増えることでそんなに可動域が変わるのか?とお思いの方は、添付の動画を是非ご覧になってください。 アーム本体に近いところや、入り組んだ場所にもアームが届いていることが理解できるはずです。 (引用:https://www.robot-digest.com/contents/?id=1539936027-885058&dp=2) 2-7.KUKA「LBR iiwa シリーズ」 (引用:https://www.kuka.com/ja-jp) ドイツの協働ロボットメーカー。 LBR iiwa シリーズの特徴は、「比較的器用な作業ができること」です。 その秘密は、”軸数”にあります。 一般的な協働ロボットの軸数が6つであるのに対し、この協働ロボットは7つの軸で構成されています。 これによって、より広い可動範囲を実現し、また狭いポイントに潜ったり、入りこんだりする動きを可能にしています。 さらに、7軸全てにトルクセンサが埋め込んであるので、繊細な力制御を実現しています。 今でこそ、7軸の協働ロボットは増えてきましたが、KUKAは2013年にLBR iiwaを発売しています。 7軸協働ロボットの先駆けと言えるでしょう。 (引用:https://www.kyodo-robot.com/frontline/kuka_1) 2-8.BECKHOFF「ATRO シリーズ」 (引用元:https://www.beckhoff.com/ja-jp/products/motion/atro-automation-technology-for-robotics/) ドイツの協働ロボットメーカー。BECKOFFの協働ロボット「ATRO」の特徴は、「ロボットアームが軸毎に独立した部品で構成されていること」です。 つまり、ロボットアームを軸毎に分解&組立することができます。 この特徴を擁する「ATRO」の強みは2つです。 1つ目はハード面での汎用性が高いことです。 軸毎に独立した部品で構成されているため、生産方法に合わせてロボットアームを構築することができます。 例えば、4軸で組み立ててピッキングに使用することができる一方で、1軸のみ使用しターンテーブルの様に使用することもできます。 (引用記事に記載の動画をみていただくと非常にわかりやすいかと思います。) https://monoist.itmedia.co.jp/mn/articles/2304/19/news076.html つまり、ユーザーの発想次第で使い方を無限大に広げることができます。 2つ目はメンテナンスが容易であることです。 協働ロボットが故障した場合、従来であれば故障したロボットを修理する必要がありました。 修理するためには、メーカーからエンジニアを呼ぶ必要があるため、長い期間生産が止まってしまう可能性があります。 その点、「ATRO」は故障した部品を交換するだけで、正常状態に戻すことができます。 現場の作業者が簡単に分解&組立できるので、メーカーからエンジニアを呼ぶ必要もありません。 下記のページを見ていただければ、組付けが簡単に行えることがわかるでしょう。 https://www.beckhoff.com/ja-jp/products/motion/atro-automation-technology-for-robotics/ いかがでしたでしょうか?ここまで、計16社が提供する協働ロボットの特徴を紹介致しました。貴社の情報収集のお役に立てば幸いです。 最後に、船井総研がお客様にロボット導入をする際、必ず行っていることを紹介致します。 3.中堅・中小企業がメーカー選定の前に必ずやるべきたった一つのこと メーカー選定の前に必ずやるべきたった一つのこと。 それは、「製品・作業分析」です。 この分析なくして、特に多品種少量生産の製造業における費用対効果の最大化は難しいです。 製品・作業分析を行う必要がある理由は、自動化効果の大きい作業・製品を絞るためです。品種の多い工場でロボットによる自動化をしようとしても、一度にたくさんの製品群を自動化することは不可能です。 より短期的に自動化の効果を出すには、自動化効果の大きい作業、製品を絞り、順々にロボットによる自動化を進めていく必要があります。 そのため、船井総研ではお客様にロボット導入を行う際は必ず「製品・作業分析」を行っています。 では、「製品・作業分析」は具体的にどのように進めていけば良いのでしょうか。 分析のフローを下記に示します。 製品・作業分析を行う上で、なぜ年間工数を算出するのか、なぜわざわざ作業をしている動画を撮影するのでしょうか。 その理由は...... 続きは下記の資料ダウンロードで解説します! [sc name="cobot"][/sc] ▼『【製造業】経営者向け!!工場の協働ロボット活用成功事例集』 無料ダウンロードはこちら 近年、協働ロボットは、企業規模・業種・作業を問わず、導入が進んでいます。 現在では、様々な協働ロボットメーカーが乱立しているため、 各協働ロボットメーカーの特徴・違いがわからない! 結局自社に最適な協働ロボットメーカーがわからない! と感じる方も多いのではないでしょうか。 本記事では、協働ロボットについて比較・検討されている方に向けて、計16つ(日本企業:8社/海外企業8社)の協働ロボットメーカーの特徴を紹介します。情報収集のお役に立てば幸いです。 1.日本の協働ロボットメーカー8選! 1-1.ファナック「CRX シリーズ」 (引用:https://www.fanuc.co.jp/ja/product/robot/f_r_collabo.html) ファナックは、基本技術であるNCとサーボ、レーザからなるFA事業と、その基本技術を応用したロボット事業および ロボマシン事業を展開しています。 協働ロボット以外にもアーク溶接ロボット、塗装ロボット、パレタイジングロボットのような産業用ロボットも取り扱っています。 FANUCは国内大手メーカーであり、様々な国内メーカーとのプラグイン周辺機器が揃っているため、現場のニーズに合わせた自動化の構築が可能となっています。 また、国内メーカーであるためアフターサポートも充実しており、協働ロボット導入後も安心して使用することが可能です。 最近ではアーク溶接と協働ロボットをパッケージ化したシステムを開発し協働ロボット溶接も可能になっています。 専用のアプリケーションとなっており協働ロボットの特徴であるダイレクトティーチングにプラスして溶接条件を簡単に設定できるようになっています。 機械加工におけるワーク供給においてもファナックのロボドリル等との相性が良くLANケーブル一つでインターフェースが取れるため複雑な信号のやり取りなどが不要となっています。 1-2.テックマン「TM シリーズ」 (引用:https://ssi-robot.co.jp/tm-robot/) Techman Robotは2016年に設立され、台湾を拠点とする協働ロボットメーカーです。 テックマンの一番の特徴はロボットビジョン(カメラ)を標準搭載していることです。 従来、ロボットとビジョンの連携には複雑なキャリブレーションのような作業が必要で、素人には到底使いこなせないシステムとなっていました。 テックマンは標準でロボットビジョンを搭載しており、上記のような複雑な連携が不要となっています。 ロボットビジョンを搭載しているため、ランダムに置かれたワークのピッキングのような作業が得意です。 また、ロボットビジョンを活用したランドマーク機能を活用することで3次元での位置補正が可能となっているため、ロボットを移動・再度設置、した際の複雑な補正や修正が不要となっており、よりフレキシブルな協働ロボット活用が可能となっています。 操作性については、協働ロボットの特徴であるダイレクトティーチングは勿論のこと、フローチャートプログラムを採用することで、より直感的にロボットティーチングをすることが可能となっています。 1-2.安川電機「MOTOMAN HCシリーズ」 株式会社安川電機は1915年に設立された、日本のロボットメーカーです。 その特徴は、幅広いラインナップを揃えていることです。まず、可搬重量が10kg以下用のロボットから、可搬重量21kg~30kg用のロボットを取り揃えており、様々な重量のワークに対応しています。さらに、防塵・防滴仕様のロボットから食品仕様のものまで、様々な用途に合わせた協働ロボットを製造しています。 また、近年では、自律ロボットと呼ばれる「MOTOMAN NEXTシリーズ」を発売しています。このロボットは、“自律ロボット“の名の通り、ロボットが周囲の状況に合わせて自律的に判断し、駆動することができます。 (引用:https://www.e-mechatronics.com/product/robot/special/motoman-next/) 「MOTOMAN NEXT」は、ロボットにとって障害物となる様な環境情報を入力すれば、ティーチングレスで動作の指示を行うことができます。 さらに、ビジョンカメラや力覚センサなどを用いることで、周辺環境との衝突回避や、動作位置の微調整など、状況に合わせた判断を行うことが可能になります。究極的には、使用するツールや、具体的な作業の指示を行うことで、ティーチレスでロボットへ動作の指示を行うことができます。 1-4.川崎重工業「duAro シリーズ」 (引用:https://kawasakirobotics.com/jp/products-robots/duaro1/) duAroシリーズは、双腕型の協働ロボットです。 その特徴は、「人が両手を使って行う作業をそのまま自動化できること」です。他社の単腕ロボットと違い、アームが2つあるため、より自由度の高い作業を行うことができます。 例えば、位置決めが必要な作業を単腕ロボットで自動化しようとすると、治具か、もう1台単腕ロボットを用意する必要があります。duAroであれば、片方のロボットアームでワークの位置決めを行い、もう片方のロボットアームで作業をすることが可能です。このように、難易度が比較的高い、作業の自動化に向いています。ただし、可搬重量が最大4~6kgとなっており、他社の協働ロボットと比較しても軽いものしか扱うことができません。重量物が扱えない、という点については注意が必要です。 1-5.カワダロボティクス「NEXTAGEシリーズ」 (引用:https://nextage.kawadarobot.co.jp/product) 「NEXTAGEシリーズ」の特徴は、他のどの協働ロボットよりも人に近い動きができることです。2本のロボットアームと、2つのカメラ、回る腰部。一般的な双腕ロボットの様な、人の腕を模したロボットとは異なり、人の上半身を模したロボットです。軸数はなんと15軸。(両腕にそれぞれ6軸、頭部カメラに2軸、腰部に1軸。)この圧倒的な軸数からも、非常に自由度の高い動きが可能なことがわかるかと思います。他社の協働ロボットを用いて自動化する場合、複数台ロボットが必要な場合でも、「NEXTAGEシリーズ」なら1台で自動化をすることが可能になるでしょう。 1-6.デンソーウェーブ「COBOTTA シリーズ」 (引用:https://www.denso-wave.com/ja/robot/product/collabo/cobotta.html) COBOTTAの特徴は、「徹底的に追及された安全性」です。鋭利な部分が存在しないアーム構造、指が挟みこまない様に配慮された可動範囲。さらに、速度やトルクを監視するセンサを6つも内蔵しています。このことから、ロボットの外見も、中身も安全性が追及されていることがわかると思います。もちろん、他社の協働ロボットも安全性に問題はありません。が、デンソーウェーブのHPを見れば、安全性に対するこだわりを感じることができます。 1-7.不二越「CMZ シリーズ」 (引用:https://www.nachi-fujikoshi.co.jp/rob/hand/cz10a.htm) CMZシリーズの特徴は、「トップクラスの高速・高精度を有していること」です。最高速度は協働時毎秒1000 mm、非協働時毎秒2500 mm、位置繰り返し精度は±0.02 mmとなっています。この数字は業界の中でも非常に高い数字で、技術力の高さが伺えます。もちろん、安全停止機能はついていますので、ご安心ください。 1-8.三菱電機「MELFA ASSISTA シリーズ」 (引用:https://www.mitsubishielectric.co.jp/fa/products/rbt/assista/items/assista/index.html) MELFA ASSISTAの特徴は、「圧倒的な使いやすさ」です。まず、MELFA ASSISTAは、ダイレクトティーチングで教示を行うことができます。ここまでは他社の協働ロボットと何ら変わりません。次に、MELFA ASSISTAは、専用のティーチングツール「RT VisualBox」 を使うことで、仮想の3次元空間内において直感的にティーチング作業を行うこともできます。こちらは、今後デジタルネイティブ世代が増えることを見越して開発を行ったそうです。(引用:https://monoist.itmedia.co.jp/mn/articles/2006/11/news069.html) さらに、MELFA ASSISTAには、協働ロボットには珍しくLEDが搭載されています。このLEDはロボットの稼働状態を示しており、周辺の作業者にロボットの稼働状態を伝えることができます。 (引用:https://www.mitsubishielectric.co.jp/fa/topics/2020/04_robot/factory/index.html?ref=pr_assista_1) 以上の特徴から、MELFA ASSISTAには、他社にはない”使いやすさ”を実現しています。また、三菱電機はPLCをはじめとした、様々な機器も製造しています。これらの三菱電機製の機器との接続も、この協働ロボットなら容易に行うことができます。 2.海外の協働ロボットメーカー8選! 2-1.Universal Robots「UR シリーズ」 (引用:https://www.universal-robots.com/ja/) 協働ロボットの生みの親である、デンマークの協働ロボットメーカー。URシリーズの特徴は「圧倒的な実績」です。2024年1月現在、市場シェアは50%を占め、75,000を超える企業で導入されています。HPには、“120以上の事例”が掲載されており、マテハンや組み立て、検査、加工などで使われた様々な導入事例を知ることができます。最近では、2023年に可搬重量30kgに対応した協働ロボット「UR30」が登場。有名どころで言えば、ファナックや安川電機に続いて、3番目となる可搬重量30kgに対応した協働ロボットの発売です。 このUR30の特筆すべき点はその本体重量の軽さです。 同じ30 kg可搬のFANACの協働ロボット(CRX-25iA)と安川電機の協働ロボット(MOTOMAN-HC30PL)の本体質量がそれぞれ135kg,140kgであるのに対し、UR30は本体質量が65kgと大幅に軽量仕様となっています。 これにより、扱いやすさが向上し、さらには壁や天井などにも設置して利用することも可能です。 (引用:https://www.mapion.co.jp/news/column/cobs2693821-1-all/) 2-2.AUBO robotics「i シリーズ」 (引用:https://www.aubo-cobot.com/public/) 中国発の協働ロボットメーカー。 iシリーズの特徴は、「価格が比較的安価であること」です。 一般的な他社の協働ロボットの協働ロボットと比較して、2~3割ほど安くできるそうです。 一般的な協働ロボットの本体価格は、300~500万円であると言われています。 単純計算でいえば、240~400万円程度で購入することが可能です。 “中国製”で“安い”と聞くと、品質が悪いのではないか、と感じる方もいるのではないでしょうか。 その点、AUBO roboticsは安心できます。 ロボットの動きの核と言えるモーターやブレーキ、エンコーダなどのコア部品は全て自社で内製していることから、品質の担保、改善を行っていることが伺えるでしょう。 (引用:https://www.robot-digest.com/contents/?id=1558505650-884330) (引用:https://robotstart.info/2023/11/13/moriyama_mikata-no186.html) 2-3.JAKA「Zu シリーズ/All-In-One シリーズ/Pro シリーズ」 (引用:https://www.jakarobotics.com/ja/) ドイツの協働ロボットメーカー。 この協働ロボットの強みは、「プログラミングがしやすいこと」と「低コストで導入できること」です。 協働ロボットの動作プログラムの作成の際は「Scratch」と呼ばれるプログラム言語をベースとしたソフトウェアを使うことができます。 ローコードでプログラミングをすることができるので、コードに馴染みのない人でも、プログラムを作成することができます。 また、最大可搬重量10kg&6軸タイプの一般的な協働ロボットに比べると、市場価格は2/3程度に抑えられるという。 一般的な協働ロボットの本体価格を300~500万円であるとすると、JAKAの協働ロボットは200~333万円で購入できるという計算になります。 ロボットへの教示のしやすさや、低コストで導入できることから、中小企業での導入が向いていると考えられます。 (引用:https://www.robot-digest.com/contents/?id=1583369070-577142&dp=1) 2-4.igus「ReBeLシリーズ」 (引用:https://www.igus.co.jp/robolink/cobots) ドイツの協働ロボットメーカー。 その特徴は「安さと軽さ」です。 内臓コントローラと、ロボット制御のソフトウェアがついて、メーカー希望小売価格は1,197,273円(税込)。 可搬重量は最大2kgとなっており、同可搬重量の一般的な協働ロボットと比較すると、非常に安価であることがわかります。 低い導入ハードルと、短期で投資回収を行うことができることが強みです。 また、もう一点特筆すべきはその軽さです。 一般的な金属製の協働ロボットとは異なり、ReBeLシリーズは高機能ポリマー製のボディでできています。 これによって重さはわずか8.2 kgと非常に扱いやすい仕様になっています。 壁付け、天吊りも可能です。 2-5.FAIRinovation「FRシリーズ」 (引用元:https://www.frtech.fr/) 中国の新興協働ロボットメーカー。 その特徴は「圧倒的な価格の安さ」です。 一般的な協働ロボットの価格帯が300万円~500万円であるのに対し、FAIRINOロボットは1台50万円で購入することができます。 圧倒的低コストの理由を担当者の方に確認したところ、「減速機を含め部品を全て自社製造しているから」とのことでした。 中国メーカーで且つ破格に安価な価格であることから一抹の不安感がありますが、他社の協働ロボット同様、一般的な溶接、パレタイズ、ピッキングなど用途で活用することができます。 過去の展示会で実際に溶接作業のティーチングのデモを拝見しましたが、見た目は他社製の協働ロボットとそん色ない動きをしていました。(しかも、オプションのカメラで撮像した画像からティーチング箇所を判断し、ティーチングを自動生成していました。) 手軽に協働ロボットを導入をしたい方にオススメです。 2-6.Kassow Robots 「KR シリーズ」 (引用元:https://ksw-robots.co.jp/) デンマークの協働ロボットメーカー。 「KRシリーズ」の特徴は、「7軸の協働ロボットであること」です。(FANACや安川電機など、現行の協働ロボットは6軸であることがほとんどです。) 軸が7つあることのメリットは、ロボットの可動域が広くなることです。 軸数が一つ増えることでそんなに可動域が変わるのか?とお思いの方は、添付の動画を是非ご覧になってください。 アーム本体に近いところや、入り組んだ場所にもアームが届いていることが理解できるはずです。 (引用:https://www.robot-digest.com/contents/?id=1539936027-885058&dp=2) 2-7.KUKA「LBR iiwa シリーズ」 (引用:https://www.kuka.com/ja-jp) ドイツの協働ロボットメーカー。 LBR iiwa シリーズの特徴は、「比較的器用な作業ができること」です。 その秘密は、”軸数”にあります。 一般的な協働ロボットの軸数が6つであるのに対し、この協働ロボットは7つの軸で構成されています。 これによって、より広い可動範囲を実現し、また狭いポイントに潜ったり、入りこんだりする動きを可能にしています。 さらに、7軸全てにトルクセンサが埋め込んであるので、繊細な力制御を実現しています。 今でこそ、7軸の協働ロボットは増えてきましたが、KUKAは2013年にLBR iiwaを発売しています。 7軸協働ロボットの先駆けと言えるでしょう。 (引用:https://www.kyodo-robot.com/frontline/kuka_1) 2-8.BECKHOFF「ATRO シリーズ」 (引用元:https://www.beckhoff.com/ja-jp/products/motion/atro-automation-technology-for-robotics/) ドイツの協働ロボットメーカー。BECKOFFの協働ロボット「ATRO」の特徴は、「ロボットアームが軸毎に独立した部品で構成されていること」です。 つまり、ロボットアームを軸毎に分解&組立することができます。 この特徴を擁する「ATRO」の強みは2つです。 1つ目はハード面での汎用性が高いことです。 軸毎に独立した部品で構成されているため、生産方法に合わせてロボットアームを構築することができます。 例えば、4軸で組み立ててピッキングに使用することができる一方で、1軸のみ使用しターンテーブルの様に使用することもできます。 (引用記事に記載の動画をみていただくと非常にわかりやすいかと思います。) https://monoist.itmedia.co.jp/mn/articles/2304/19/news076.html つまり、ユーザーの発想次第で使い方を無限大に広げることができます。 2つ目はメンテナンスが容易であることです。 協働ロボットが故障した場合、従来であれば故障したロボットを修理する必要がありました。 修理するためには、メーカーからエンジニアを呼ぶ必要があるため、長い期間生産が止まってしまう可能性があります。 その点、「ATRO」は故障した部品を交換するだけで、正常状態に戻すことができます。 現場の作業者が簡単に分解&組立できるので、メーカーからエンジニアを呼ぶ必要もありません。 下記のページを見ていただければ、組付けが簡単に行えることがわかるでしょう。 https://www.beckhoff.com/ja-jp/products/motion/atro-automation-technology-for-robotics/ いかがでしたでしょうか?ここまで、計16社が提供する協働ロボットの特徴を紹介致しました。貴社の情報収集のお役に立てば幸いです。 最後に、船井総研がお客様にロボット導入をする際、必ず行っていることを紹介致します。 3.中堅・中小企業がメーカー選定の前に必ずやるべきたった一つのこと メーカー選定の前に必ずやるべきたった一つのこと。 それは、「製品・作業分析」です。 この分析なくして、特に多品種少量生産の製造業における費用対効果の最大化は難しいです。 製品・作業分析を行う必要がある理由は、自動化効果の大きい作業・製品を絞るためです。品種の多い工場でロボットによる自動化をしようとしても、一度にたくさんの製品群を自動化することは不可能です。 より短期的に自動化の効果を出すには、自動化効果の大きい作業、製品を絞り、順々にロボットによる自動化を進めていく必要があります。 そのため、船井総研ではお客様にロボット導入を行う際は必ず「製品・作業分析」を行っています。 では、「製品・作業分析」は具体的にどのように進めていけば良いのでしょうか。 分析のフローを下記に示します。 製品・作業分析を行う上で、なぜ年間工数を算出するのか、なぜわざわざ作業をしている動画を撮影するのでしょうか。 その理由は...... 続きは下記の資料ダウンロードで解説します! [sc name="cobot"][/sc]

製造業における構内物流の自動化

2024.01.23

1.ロボット産業の成長と需要の拡大 2022年の日本では、ロボットの生産・出荷台数が過去最高となり、出荷総額も1兆円を超えました。 これまでの電気・半導体・自動車産業だけでなく、幅広い産業にてロボットが使用されるようになっています。 特に近年の人件費高騰や人手不足を背景としてロボットの需要が高まり、協働ロボットの使いやすさなど活用領域の裾野は広がりをみせています。 これまでの大企業を中心としたロボットの導入が中小企業でも導入しやすい環境となっており、ロボットの活用を通じて生産性を向上する取り組みが求められています。 2.労働力不足への対策としてのロボット活用 2030年には労働需要に対して供給人口が10%不足すると試算されています。 労働力不足はそれぞれの企業が直面する課題となります。 対策としては、働く女性を増やす、働くシニア人材を増やす、働く外国人を増やすという、労働力の確保を推進することのほか、生産性を上げて、少ない人材でこれまで以上の成果を出す仕組みへ転換をしていくことが重要です。 設備導入による業務の自動化が生産性を上げる一つの手段として注目されています。 3.工場内の生産工程のムダ削減の重要性 工場内の生産工程においては、部材の探索や運搬、作業の待ち時間など、ムダな作業が存在します。 これらのムダを削減することで、作業者はより付加価値の高い業務に移行することができます。 また、労働人口の減少も企業にとって深刻な課題であり、工場内の生産工程のムダ削減は労働人口不足への対策としても重要です。 4.自動化技術の活用 工場内の生産工程のムダ削減には、無人搬送機やロボットなどの自動化技術が活用されています。 例えば、配膳ロボットの導入により、作業者の負担が軽減され、作業時間が削減されました。 また、物流倉庫ではピッキングや搬送作業を自動化するためにロボットが導入され、人員削減や労働時間の短縮が実現されました。 さらに、部品のハンドリングや重量検査作業もロボットによって自動化され、労働生産性の向上と品質の安定化が図られました。 自動化技術の活用により、工場内の生産工程のムダ削減と労働人口不足への対策が同時に実現されます。 5.設備導入フローと保全活動の重要性 自動化技術の導入には、設備導入フローと保全活動が重要です。 設備の選定やレイアウトの見直し、生産シミュレーションの活用など、効果的な設備導入フローを構築することが必要です。 また、定期保全によって稼働率の向上や品質の維持、安全の確保などが実現されます。 設備導入フローと保全活動の取り組みにより、自動化技術の効果を最大限に引き出すことができます。 6.まとめと展望 工場内物流の自動化は、生産工程のムダ削減や労働人口不足への対策において重要な要素です。 無人搬送機やロボットなどの自動化技術の活用により、作業者はより付加価値の高い業務に注力することができます。 また、設備導入フローと保全活動の取り組みも重要であり、定期保全によって効率的な生産が実現されます。 工場内物流の自動化は、労働力不足への対策としても有効であり、生産性の向上や省人化、高品質などの効果が期待できます。 ロボット産業の成長と労働力不足への対策としてのロボット活用の重要性を説明しました。 実際に導入する際においては、設備の選定や保全活動、生産性向上のための継続的な取り組みが必要です。 しかしながら、今後もさらなる技術の進化や補助金の活用など、ロボットや設備を導入しやすい環境が整ってきています。 ロボットの活用により、労働力不足に対する課題を解決し、企業の生産性向上や競争力強化に貢献することが期待されます。 船井総研では、個別固有のご相談に対してオンライン相談を提供しており、具体的な対策の一歩を踏み出すお手伝いをしています。   ■関連するセミナーのご案内 従業員50~500名製造業 工場内物流・工程間搬送の自動化 AGV・AMR・自動搬送システム・パレタイズロボット・ハンドリングロボットの活用 セミナー詳細・申込はこちらから https://www.funaisoken.co.jp/seminar/108174 ■開催日程 全てオンライン開催となります 以下の日程よりご都合の良い日程をお選び下さい ※内容は全て一緒です 2024/02/13 (火) 13:00~15:00 2024/02/15 (木) 13:00~15:00 2024/02/19 (月) 13:00~15:00 お申し込みはこちらから⇒ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/108174   中堅・中小製造業の経営者向け 工場物流の自動化事例解説レポート ▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼ 「こうなりたい!」と思っている経営者様におすすめ 工場内の物流を自動化して生産性を向上したいと思っている経営者様 工場内の物流を自動化して省人化したいと思っている経営者様 工場内物流の自動化成功事例を知りたいと思っている経営者様 工場内物流の自動化を進めるための具体的な方法を知りたいと思っている経営者様 https://www.funaisoken.co.jp/dl-contents/smart-factory_smart-factory_02125_S045 いつも当コラムをご愛読いただきありがとうございます。 1.ロボット産業の成長と需要の拡大 2022年の日本では、ロボットの生産・出荷台数が過去最高となり、出荷総額も1兆円を超えました。 これまでの電気・半導体・自動車産業だけでなく、幅広い産業にてロボットが使用されるようになっています。 特に近年の人件費高騰や人手不足を背景としてロボットの需要が高まり、協働ロボットの使いやすさなど活用領域の裾野は広がりをみせています。 これまでの大企業を中心としたロボットの導入が中小企業でも導入しやすい環境となっており、ロボットの活用を通じて生産性を向上する取り組みが求められています。 2.労働力不足への対策としてのロボット活用 2030年には労働需要に対して供給人口が10%不足すると試算されています。 労働力不足はそれぞれの企業が直面する課題となります。 対策としては、働く女性を増やす、働くシニア人材を増やす、働く外国人を増やすという、労働力の確保を推進することのほか、生産性を上げて、少ない人材でこれまで以上の成果を出す仕組みへ転換をしていくことが重要です。 設備導入による業務の自動化が生産性を上げる一つの手段として注目されています。 3.工場内の生産工程のムダ削減の重要性 工場内の生産工程においては、部材の探索や運搬、作業の待ち時間など、ムダな作業が存在します。 これらのムダを削減することで、作業者はより付加価値の高い業務に移行することができます。 また、労働人口の減少も企業にとって深刻な課題であり、工場内の生産工程のムダ削減は労働人口不足への対策としても重要です。 4.自動化技術の活用 工場内の生産工程のムダ削減には、無人搬送機やロボットなどの自動化技術が活用されています。 例えば、配膳ロボットの導入により、作業者の負担が軽減され、作業時間が削減されました。 また、物流倉庫ではピッキングや搬送作業を自動化するためにロボットが導入され、人員削減や労働時間の短縮が実現されました。 さらに、部品のハンドリングや重量検査作業もロボットによって自動化され、労働生産性の向上と品質の安定化が図られました。 自動化技術の活用により、工場内の生産工程のムダ削減と労働人口不足への対策が同時に実現されます。 5.設備導入フローと保全活動の重要性 自動化技術の導入には、設備導入フローと保全活動が重要です。 設備の選定やレイアウトの見直し、生産シミュレーションの活用など、効果的な設備導入フローを構築することが必要です。 また、定期保全によって稼働率の向上や品質の維持、安全の確保などが実現されます。 設備導入フローと保全活動の取り組みにより、自動化技術の効果を最大限に引き出すことができます。 6.まとめと展望 工場内物流の自動化は、生産工程のムダ削減や労働人口不足への対策において重要な要素です。 無人搬送機やロボットなどの自動化技術の活用により、作業者はより付加価値の高い業務に注力することができます。 また、設備導入フローと保全活動の取り組みも重要であり、定期保全によって効率的な生産が実現されます。 工場内物流の自動化は、労働力不足への対策としても有効であり、生産性の向上や省人化、高品質などの効果が期待できます。 ロボット産業の成長と労働力不足への対策としてのロボット活用の重要性を説明しました。 実際に導入する際においては、設備の選定や保全活動、生産性向上のための継続的な取り組みが必要です。 しかしながら、今後もさらなる技術の進化や補助金の活用など、ロボットや設備を導入しやすい環境が整ってきています。 ロボットの活用により、労働力不足に対する課題を解決し、企業の生産性向上や競争力強化に貢献することが期待されます。 船井総研では、個別固有のご相談に対してオンライン相談を提供しており、具体的な対策の一歩を踏み出すお手伝いをしています。   ■関連するセミナーのご案内 従業員50~500名製造業 工場内物流・工程間搬送の自動化 AGV・AMR・自動搬送システム・パレタイズロボット・ハンドリングロボットの活用 セミナー詳細・申込はこちらから https://www.funaisoken.co.jp/seminar/108174 ■開催日程 全てオンライン開催となります 以下の日程よりご都合の良い日程をお選び下さい ※内容は全て一緒です 2024/02/13 (火) 13:00~15:00 2024/02/15 (木) 13:00~15:00 2024/02/19 (月) 13:00~15:00 お申し込みはこちらから⇒ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/108174   中堅・中小製造業の経営者向け 工場物流の自動化事例解説レポート ▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼ 「こうなりたい!」と思っている経営者様におすすめ 工場内の物流を自動化して生産性を向上したいと思っている経営者様 工場内の物流を自動化して省人化したいと思っている経営者様 工場内物流の自動化成功事例を知りたいと思っている経営者様 工場内物流の自動化を進めるための具体的な方法を知りたいと思っている経営者様 https://www.funaisoken.co.jp/dl-contents/smart-factory_smart-factory_02125_S045

改定ものづくり補助金 省力化(オーダーメイド)枠を説明&活用案を紹介

2024.01.11

既に多くの注目を集めている「第17次ものづくり補助金(正式名称「ものづくり・商業・サービス補助金」)のなかでも、特に注目されているのが「省力化(オーダーメイド)枠」です。本コラムでは「省力化(オーダーメイド)枠」について紹介しています。 「省力化(オーダーメイド)枠」の要件はまだすべて公開されてはいません。今わかっている情報で、補助金申請書にどのようなポイントを盛り込む必要があるのかを解説させていただきます。また、どのような活用案が考えられるのか、仮説を含みますが、いくつか記載してみましたので、是非、一読していただき、自社の事業計画の参考にしていただければ幸いです。また、不明点や質問などがあれば、お気軽に私たちにご連絡ください。貴社の事業背景をお聞きした上で、アドバイスをさせていただきます。 1.省力化(オーダーメイド)枠について (1)補助対象経費 補助対象経費の項目については、以下に様に記載されています。 「機械装置・システム構築費(必須)、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、原材料費、外注費、知的財産権等関連経費」 機械装置・システム構築費は必須と併記されていることから、この費目は必須です (2)補助上限額・補助率について 補助率は、中小企業で1/2以内、小規模・再生事業者は2/3以内 補助上限額は、従業員数によって異なります。 ・従業員数5人以下    750万円 ・従業員数6~20人   1,500万円 ・従業員数21~50人  3,000万円 ・従業員数51~99人  5,000万円 ・従業員数100人以上  8,000万円 上記に加えて、「大幅賃上げに係る補助額上限引き上げの特例」を行う場合、補助上限額を250万円~2,000万円を上乗せされます。 ・従業員数5人以下    1,000万円 ・従業員数6~20人   2,000万円 ・従業員数21~50人  4,000万円 ・従業員数51~99人  6,500万円 ・従業員数100人以上  1億円 「大幅賃上げに係る補助額上限引き上げの特例」の要件:  補助業終了後、3~5年で大幅な賃上げに取り組む事業者は以下の要件を満たす必要があります。また、賃上げに係る計画書を提出することが必須です。 1)付加価値額  年平均成長率+3%以上(基本要件と同じ) 2)給与支給総額 年平均成長率+6%以上(基本要件と異なる) 3)最低賃金   事業場内最低賃金を地域別最低賃金+50円以上の水準にしたうえで、毎年、事業場内最低を+50円以上増額(基本要件と異なる) 【参考】基本要件 1)付加価値額  年平均成長率+3%以上 2)給与支給総額 年平均成長率+1.5%以上増加 3)最低賃金   地域別最低賃金+30円以上の水準とする (3)要件未達の場合の補助金返還義務について 基本要件等が未達の場合、補助金返還義務があります。こちらもよく認識しておく必要があります。 詳細はもの補助事務局から追って公表される予定です。 1)基本要件が未達の場合  ・事業計画終了時点において、基本要件2)給与支給総額が未達の場合、補助金の一部を返還  ・事業計画期間中の毎年3月末時点において基本要件3)が未達の場合、補助金の一部を返還 2)大幅な賃上げに係る補助上限額引き上げの特例(以下、賃上げ特例)の要件が未達の場合  ・事業計画終了時点において、賃上げ特例の要件2)給与支給総額が未達の場合、補助金上乗せ分を返還  ・事業計画期間中の毎年3月末時点において賃上げ特例の要件3)が未達の場合、補助金上乗せ分を返還 (4)対象事業・活用イメージについて 対象事業の要件は以下のように定められています。 人手不足の解消に向けて、デジタル技術※1 等を活用した専用設備(オーダーメイド設備)※2 の導入等により、革新的な生産プロセス・サービス提供方法の効率化・高度化を図る取り組みに必要な設備・システム投資等を支援※3 ※1:デジタル技術とは AI 、ロボット、センサー等をいう。 ※2:ロボット単体の導入ではなく、外部のシステムインテグレータ( Sier )との連携などによりロボットシステム等を構築したものをいう。 ※3:基本要件に加えた追加要件あり(詳細は追ってもの補助事務局から公表予定) 活用イメージの例として、下記が挙げられています。 熟練技術者が手作業で行っていた組立工程に、システムインテグレータ(SIer)と共同で開発した AI や画像判別技術を用いた自動組立ロボットを導入し、完全自動化・ 24 時間操業を実現。組立工程における生産性が向上するとともに、熟練技術者は付加価値の高い業務に従事することが可能となった。 以上の情報から、下記のポイントが計画に盛り込まれている必要があることが読み取れます。 ・技術的な課題に対する、革新的な開発が必要 ・自社に合わせた開発かつ外部業者との協力が必要 ・省人化ではなく、省力化であること ・既存業務の置き換えではなく、改善効果(生産性向上、生産量増加⇒売上増加)があること 補助金を申請する際には、上記のポイントと審査項目をわかりすく記載した事業計画書を提出する必要があります。私たちにご連絡いただければ、貴社の業務・設備投資計画を詳細にお聞きして、申請要件を満たすようにストーリー作りを支援させていただきます。 2.独自の活用イメージについて 以下にもの補助金 省力化(オーダーメイド)枠の筆者独自の活用イメージをあげさせていただきます。 (1)精密加工を行っている伝統的な手動切削加工工程に、切削加工機メーカーと共同開発した最新5軸マシニングセンターとロボットアームを導入。材料搬出入の自動化および複数軸の連続自動加工が可能になったことで、生産効率の大幅向上と品質安定化を達成。従来の作業者は、より価格単価の高い試作品の製造に従事することが可能となった。 (2)自社のプラスチック射出成型ラインは生産効率と計画柔軟性に問題があったため、SIerと共同で開発した高性能3Dプリンターとリアルタイム監視システム、自動搬送ラインを複数導入することで、複雑な形状の部品も迅速に生産可能になり、生産効率の向上と24時間操業を可能にした。一人の作業者で複数台を担当することが可能になり、作業者ひとり当たりの付加価値額も増加した。 (3)金属の曲げ・溶接加工の属人化解消と生産量増加を目的に、ロボットアームと自動材料搬送システム、3D画像検査システム、生産管理システムを導入。24時間の生産対応と品質安定化、安全性向上が実現した。生産管理システムで進捗状況が見えることから、従来の作業者は、新たな顧客ニーズに対応するために加工技術開発に従事することが可能となった。 以上のように今後、この補助金を活用し、大胆な設備投資に取り組むことで自社の競争力強化を実現することが可能です。今回の募集枠では、間に合わない可能性もありますが、今後、補助金事業が継続していくことは見込めますので、今から検討をして来年、再来年の準備をしておくことは、大変重要で必要なことです。 3.まとめ 2024年度ものづくり補助金の省力化(オーダーメイド)枠について説明させていただきました。他の枠として、製品・サービス高付加価値枠(通常類型・成長分野進出類型(DX/GX))、グローバル枠がありますのでそちらも必要に応じて確認していただければと思います。 2024年度ものづくり補助金を活用して、省力化のための設備投資や、製品・サービス高付加価値化やDX,GX、海外事業の拡大を行う予定があれば、補助事業の実績報告が2024年12月10日であるということを念頭に、発注・納品等のスケジュールを組んでいただく必要があるでしょう。 本コラムを読んでいただき、質問・不明点・相談したいことなどあればお気軽にご連絡ください。また、補助金活用に関して支援が必要な場合もご相談ください。 私どもは、企業の中に入り込み、企業に寄り添い、計画を立案実行し定着・継続的な改善まで支援させて頂き、経営指標を改善することがゴールですので、最後まで伴走させていただきます。 最後までお読みいただきありがとうございました。   ものづくり補助金最新動向レポート ▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼ ものづくり補助金(正式名称:「ものづくり・商業・サービス補助金」)の活用を検討している経営者様、次回申請の準備をしている経営者様にまず読んでいただきたいレポートです。 2023年12月に中小企業庁から次回以降のものづくり補助金の要件情報が一部公開されました。その内容からものつくり補助金に変更があることが明らかになりました。このレポートでは新たな要件を公開情報を基に整理しています。 ものづくり補助金の仕様を考えている経営者様は必ず押さえておくべき内容を記載したレポートです。 https://www.funaisoken.co.jp/dl-contents/smart-factory__02292_S045   ■関連するセミナーのご案内 ■東京&大阪 2拠点にて開催!! 【目指すは投資回収3年!協働ロボット活用事例特集!社長セミナー】 ~中小製造業で40台以上の協働ロボットの稼働に成功した社長から学ぶ! セミナー詳細・申込はこちらから https://www.funaisoken.co.jp/seminar/105866 協働ロボットの活用事例特集! 中小製造業の皆様、このセミナーを見逃すわけにはいきません! ロボット活用成功事例がここに集結します! 低コストでの導入方法、自動化生産の具体的な手法、人手不足を解消する秘策、生産性を引き上げるノウハウ...全てがここで明かされます! 船井総合研究所と愛同工業の著名な社長が登壇し、現場目線からの貴重な情報を提供します! 東京会場・大阪会場での開催となります! このセミナーが御社の製造現場を変えるきっかけになるかもしれません! 空きは限られていますので、今すぐウェブサイトからお申し込みください。 協働ロボットの力を最大限に引き出し、成果を最短3年で得るチャンスです! ■開催日程 以下の日程よりご都合の良い日程をお選び下さい ※内容は全て一緒です 東京会場 2024/01/23 (火) 13:00~16:00 大阪会場 2024/01/29 (月) 13:00~16:00 お申し込みはこちらから⇒ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/107400 いつも当コラムをご愛読いただきありがとうございます。 既に多くの注目を集めている「第17次ものづくり補助金(正式名称「ものづくり・商業・サービス補助金」)のなかでも、特に注目されているのが「省力化(オーダーメイド)枠」です。本コラムでは「省力化(オーダーメイド)枠」について紹介しています。 「省力化(オーダーメイド)枠」の要件はまだすべて公開されてはいません。今わかっている情報で、補助金申請書にどのようなポイントを盛り込む必要があるのかを解説させていただきます。また、どのような活用案が考えられるのか、仮説を含みますが、いくつか記載してみましたので、是非、一読していただき、自社の事業計画の参考にしていただければ幸いです。また、不明点や質問などがあれば、お気軽に私たちにご連絡ください。貴社の事業背景をお聞きした上で、アドバイスをさせていただきます。 1.省力化(オーダーメイド)枠について (1)補助対象経費 補助対象経費の項目については、以下に様に記載されています。 「機械装置・システム構築費(必須)、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、原材料費、外注費、知的財産権等関連経費」 機械装置・システム構築費は必須と併記されていることから、この費目は必須です (2)補助上限額・補助率について 補助率は、中小企業で1/2以内、小規模・再生事業者は2/3以内 補助上限額は、従業員数によって異なります。 ・従業員数5人以下    750万円 ・従業員数6~20人   1,500万円 ・従業員数21~50人  3,000万円 ・従業員数51~99人  5,000万円 ・従業員数100人以上  8,000万円 上記に加えて、「大幅賃上げに係る補助額上限引き上げの特例」を行う場合、補助上限額を250万円~2,000万円を上乗せされます。 ・従業員数5人以下    1,000万円 ・従業員数6~20人   2,000万円 ・従業員数21~50人  4,000万円 ・従業員数51~99人  6,500万円 ・従業員数100人以上  1億円 「大幅賃上げに係る補助額上限引き上げの特例」の要件:  補助業終了後、3~5年で大幅な賃上げに取り組む事業者は以下の要件を満たす必要があります。また、賃上げに係る計画書を提出することが必須です。 1)付加価値額  年平均成長率+3%以上(基本要件と同じ) 2)給与支給総額 年平均成長率+6%以上(基本要件と異なる) 3)最低賃金   事業場内最低賃金を地域別最低賃金+50円以上の水準にしたうえで、毎年、事業場内最低を+50円以上増額(基本要件と異なる) 【参考】基本要件 1)付加価値額  年平均成長率+3%以上 2)給与支給総額 年平均成長率+1.5%以上増加 3)最低賃金   地域別最低賃金+30円以上の水準とする (3)要件未達の場合の補助金返還義務について 基本要件等が未達の場合、補助金返還義務があります。こちらもよく認識しておく必要があります。 詳細はもの補助事務局から追って公表される予定です。 1)基本要件が未達の場合  ・事業計画終了時点において、基本要件2)給与支給総額が未達の場合、補助金の一部を返還  ・事業計画期間中の毎年3月末時点において基本要件3)が未達の場合、補助金の一部を返還 2)大幅な賃上げに係る補助上限額引き上げの特例(以下、賃上げ特例)の要件が未達の場合  ・事業計画終了時点において、賃上げ特例の要件2)給与支給総額が未達の場合、補助金上乗せ分を返還  ・事業計画期間中の毎年3月末時点において賃上げ特例の要件3)が未達の場合、補助金上乗せ分を返還 (4)対象事業・活用イメージについて 対象事業の要件は以下のように定められています。 人手不足の解消に向けて、デジタル技術※1 等を活用した専用設備(オーダーメイド設備)※2 の導入等により、革新的な生産プロセス・サービス提供方法の効率化・高度化を図る取り組みに必要な設備・システム投資等を支援※3 ※1:デジタル技術とは AI 、ロボット、センサー等をいう。 ※2:ロボット単体の導入ではなく、外部のシステムインテグレータ( Sier )との連携などによりロボットシステム等を構築したものをいう。 ※3:基本要件に加えた追加要件あり(詳細は追ってもの補助事務局から公表予定) 活用イメージの例として、下記が挙げられています。 熟練技術者が手作業で行っていた組立工程に、システムインテグレータ(SIer)と共同で開発した AI や画像判別技術を用いた自動組立ロボットを導入し、完全自動化・ 24 時間操業を実現。組立工程における生産性が向上するとともに、熟練技術者は付加価値の高い業務に従事することが可能となった。 以上の情報から、下記のポイントが計画に盛り込まれている必要があることが読み取れます。 ・技術的な課題に対する、革新的な開発が必要 ・自社に合わせた開発かつ外部業者との協力が必要 ・省人化ではなく、省力化であること ・既存業務の置き換えではなく、改善効果(生産性向上、生産量増加⇒売上増加)があること 補助金を申請する際には、上記のポイントと審査項目をわかりすく記載した事業計画書を提出する必要があります。私たちにご連絡いただければ、貴社の業務・設備投資計画を詳細にお聞きして、申請要件を満たすようにストーリー作りを支援させていただきます。 2.独自の活用イメージについて 以下にもの補助金 省力化(オーダーメイド)枠の筆者独自の活用イメージをあげさせていただきます。 (1)精密加工を行っている伝統的な手動切削加工工程に、切削加工機メーカーと共同開発した最新5軸マシニングセンターとロボットアームを導入。材料搬出入の自動化および複数軸の連続自動加工が可能になったことで、生産効率の大幅向上と品質安定化を達成。従来の作業者は、より価格単価の高い試作品の製造に従事することが可能となった。 (2)自社のプラスチック射出成型ラインは生産効率と計画柔軟性に問題があったため、SIerと共同で開発した高性能3Dプリンターとリアルタイム監視システム、自動搬送ラインを複数導入することで、複雑な形状の部品も迅速に生産可能になり、生産効率の向上と24時間操業を可能にした。一人の作業者で複数台を担当することが可能になり、作業者ひとり当たりの付加価値額も増加した。 (3)金属の曲げ・溶接加工の属人化解消と生産量増加を目的に、ロボットアームと自動材料搬送システム、3D画像検査システム、生産管理システムを導入。24時間の生産対応と品質安定化、安全性向上が実現した。生産管理システムで進捗状況が見えることから、従来の作業者は、新たな顧客ニーズに対応するために加工技術開発に従事することが可能となった。 以上のように今後、この補助金を活用し、大胆な設備投資に取り組むことで自社の競争力強化を実現することが可能です。今回の募集枠では、間に合わない可能性もありますが、今後、補助金事業が継続していくことは見込めますので、今から検討をして来年、再来年の準備をしておくことは、大変重要で必要なことです。 3.まとめ 2024年度ものづくり補助金の省力化(オーダーメイド)枠について説明させていただきました。他の枠として、製品・サービス高付加価値枠(通常類型・成長分野進出類型(DX/GX))、グローバル枠がありますのでそちらも必要に応じて確認していただければと思います。 2024年度ものづくり補助金を活用して、省力化のための設備投資や、製品・サービス高付加価値化やDX,GX、海外事業の拡大を行う予定があれば、補助事業の実績報告が2024年12月10日であるということを念頭に、発注・納品等のスケジュールを組んでいただく必要があるでしょう。 本コラムを読んでいただき、質問・不明点・相談したいことなどあればお気軽にご連絡ください。また、補助金活用に関して支援が必要な場合もご相談ください。 私どもは、企業の中に入り込み、企業に寄り添い、計画を立案実行し定着・継続的な改善まで支援させて頂き、経営指標を改善することがゴールですので、最後まで伴走させていただきます。 最後までお読みいただきありがとうございました。   ものづくり補助金最新動向レポート ▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼ ものづくり補助金(正式名称:「ものづくり・商業・サービス補助金」)の活用を検討している経営者様、次回申請の準備をしている経営者様にまず読んでいただきたいレポートです。 2023年12月に中小企業庁から次回以降のものづくり補助金の要件情報が一部公開されました。その内容からものつくり補助金に変更があることが明らかになりました。このレポートでは新たな要件を公開情報を基に整理しています。 ものづくり補助金の仕様を考えている経営者様は必ず押さえておくべき内容を記載したレポートです。 https://www.funaisoken.co.jp/dl-contents/smart-factory__02292_S045   ■関連するセミナーのご案内 ■東京&大阪 2拠点にて開催!! 【目指すは投資回収3年!協働ロボット活用事例特集!社長セミナー】 ~中小製造業で40台以上の協働ロボットの稼働に成功した社長から学ぶ! セミナー詳細・申込はこちらから https://www.funaisoken.co.jp/seminar/105866 協働ロボットの活用事例特集! 中小製造業の皆様、このセミナーを見逃すわけにはいきません! ロボット活用成功事例がここに集結します! 低コストでの導入方法、自動化生産の具体的な手法、人手不足を解消する秘策、生産性を引き上げるノウハウ...全てがここで明かされます! 船井総合研究所と愛同工業の著名な社長が登壇し、現場目線からの貴重な情報を提供します! 東京会場・大阪会場での開催となります! このセミナーが御社の製造現場を変えるきっかけになるかもしれません! 空きは限られていますので、今すぐウェブサイトからお申し込みください。 協働ロボットの力を最大限に引き出し、成果を最短3年で得るチャンスです! ■開催日程 以下の日程よりご都合の良い日程をお選び下さい ※内容は全て一緒です 東京会場 2024/01/23 (火) 13:00~16:00 大阪会場 2024/01/29 (月) 13:00~16:00 お申し込みはこちらから⇒ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/107400

工場の省人化 最新技術!完全無人化工場から協働ロボット搭載AMRまで!

2023.12.21

11/29~12/2に行われた世界最大規模のロボット展示会、「国際ロボット展 (iREX2023)」。ロボット専門コンサルタントの筆者も参戦し、最新情報を収集してきました。 今回のコラムでは、「完全無人化工場を支える技術」、「協働ロボット搭載AMR」に焦点を当てて、出展社数615から厳選した4社の最新技術事例を紹介致します。貴社のお役に立てば幸いです。 1.完全無人化工場を支える技術 今回の展示では、完全無人工場のデモが行われていました。完全に無人なので、製造工程の最初から最後まで、ロボットが全自動で作業を行います。 では、次世代型の完全無人工場実現のために、どのような技術が使われているのでしょうか?今回は、安川電機社とOmron社が提供する完全自動化サービスと、それを支える技術をご紹介致します。 1.1. 安川電機社: i³-Mechatronics i³-Mechatronicsはスマート工場化に向けたソリューションコンセプトです。平たく言えば、i³-Mechatronicsとは設備稼働状況や生産方法などのデータを管理し、分析し、活用するための考え方を指します。このソリューションの実現には様々な技術が使われていますが、今回は中でも「AIピッキング」と、「機器の故障予知診断」をご紹介いたします。 AIピッキング 安川電機社が独自開発したAI技術「Alliom(アリオム)」は、シミュレータ上でより現実環境に近い学習データを作成し剛体物だけでなく軟体物も同一ハンドでピッキングすることを可能にしています。Alliomの特徴は、「シミュレータ上でAI生成プロセス(学習データ生成+学習+AI生成)が完結できること」にあります。従来のAIは、学習させるための画像を大量に用意する必要がありましたが、Alliomは自前で生成した学習データを使って学習するため、AI開発含めて実運用までの導入時間が圧倒的に短くなり、実機投入精度の向上も期待されています。 例えば、バラ積み部品のピッキング作業においては、まず対象の部品をシミュレータに取り込み、仮想空間上に部品の摩擦感や光源の角度などを含めた、作業環境を構築します。その後、AIでバーチャル上に大量の部品データとバラバラの積み方を生成することで、ロボットハンドがどの軌道でどのポイントであれば安定して把持できるのか学習していき、これが繰り返されることで精度が上がっていきます。 (引用:https://www.yaskawa.co.jp/product/i3-mechatronics/ai_picking) これによって、これまで実機で生成していた学習用のデータが不要になったため、3-4時間ほどで実機検証して適用できるようになり、導入にかかる時間やコストの大幅な削減をすることが可能になります。 機器の故障予知診断 製造に使用する機械やロボットの故障を予知する技術です。これらは、機械にセンサーを取り付け、モニタリングすることで実現されます。 例えば産業用ロボットに組み込まれている減速機は、状況に応じて交換が必要な部品です。ロボットの稼働データから減速機に内蔵しているギヤの摩耗状態を予測し、減速機ごとの故障時期を推測することで、計画的に部品の交換を行うことができます。 またインバータやサーボモータも同様に、正常時と異常時の機器の状態を比較することで、事前にメンテナンスを行うことができます。具体的には、モータが駆動しているときの周波数・回転速度・消費電力・トルク値・温度・電圧など様々なデータを収集・分析することで、予知保全をすることが可能になります。 1.2. Omron社: Sysmac Sysmacは、Omron社が提供するスマート工場化に向けたソリューションコンセプトです。内容は先述の安川電機社のコンセプトとほぼ変わらず、データを収集し、分析し、活用していくことを推奨しています。今回は、Omron社草津工場でのビッグデータ活用事例を紹介します。Omron社草津工場では、IoTを活用した現場改善を行い、改善点の抽出時間を1/6以下に減少させることに成功しました。では、草津工場ではどのように改善点の抽出時間を減らしていったのでしょうか。 生産性向上の取り組み Omron社草津工場では、工程ごとの稼働時間や炉の酸素濃度をリアルタイムで把握し、改善点の抽出を行いました。 下記の画像は、Omron社草津工場の表面実装工程における、機械ごとにかかった作業時間を示しています。 図 Omron社草津工場の表面実装工程における、機械ごとにかかった作業時間 (引用:https://www.fa.omron.co.jp/product/special/sysmac/technology/kusatsu-report-1.html) この図の見方と図からわかることを下記に示します。 下図プロット画面左側のチャートがタイムライン。 上から下へ時間が流れており、横軸は4つの機械に入った時間、出た時間などがプロットされている。 一本一本の線がプリント基板を現しており、線をたどると、何時何分に第1工程に基板が入って、何分後に第2工程、第3工程に移っていくのが分かる。 線が浅い角度で密になっているほど加工時間が短いということ。逆に角度が大きいものは加工時間が長くかかったことを意味し、チャートの白いところは無駄な部分と言える。 線の途中のバブル・チャートは高速機のワーニング(警告)のデータ。青いバブルは機械が止まらなかったワーニング。赤いバブルは止まったワーニング。バブルの大きさはワーニングの回数を示している。 また、チャートの右側に示している数字は、実装工程に用いるリフロー炉の酸素濃度の変化を表しています。草津工場では、はんだがうまくつくように、炉内は窒素を充満させて酸素濃度を下げていますが、このデータから一部酸素濃度が高くなっている時間帯が存在することがわかります。検査工程ではんだ不良が出たときに、この個体が流れたときの酸素濃度が少し高くなっていたこと、機械トラブルではんだ塗布後に5分も止まっていたことがわかります。 このように、取得した稼働データからその稼働状況を図式化することで、ネック工程を論理的に解析することができます。 2.協働ロボット搭載AMR 近年、自律走行ロボット(AMR)と、協働ロボットを組み合わせる新たな運用方法が検討されています。AMRは人間でいうところの “足”、協働ロボットは人間でいうところの”手”に当たるので、協働ロボットを搭載したAMRはある程度疑似的に人間の動きを再現することができます。 今回は、国際ロボット展で紹介されていた2社の協働ロボット搭載AMRを紹介致します。 2.1. Dobot社:「Dobot AMR」 中国の協働ロボットメーカーDobot社が提供しているAMRと協働ロボットを組み合わせたロボット。 このロボットの特徴は、「充電時間の長さ」です。 後ほど紹介するロボットの充電時間が4~5時間程度であるのに対し、このロボットはリチウムイオンバッテリーを搭載しており、1回の充電で8時間稼働することができます。 AMRを安定的に稼働させるには、充電切れを未然に防ぐことが不可欠です。 Dobot社のロボットを使えば、昼勤時に充電なしでフル稼働させることも可能です。 こまめに充電を行えば、稼働時間はさらに伸びるでしょう。 2.2. Ci Robotics社:「MoMaシリーズ」 Ci Robotics社が提供するAMRと協働ロボットを組み合わせたロボット。 加工工場でのワーク搬送や、半導体製造工程の搬送・ハンドリング工程において導入実績があります。 MoMaの特徴の一つは、「ワイヤレス充電が行えること」です。 先述しましたが、AMRを安定的に稼働させるには、充電切れを未然に防ぐことが不可欠です。 しかし、プラグなどを用いた従来の接触式の充電では、スパークによる火災のリスクが懸念されていました。MoMaはワイヤレス充電に対応しているため、安全且つ安定的に運用することが可能です。 一回の充電で稼働できる時間は4~5時間と比較的少ないものの、急速充電に対応しておりいるため、24時間稼働をすることも可能です。 3.さいごに 今回は、「完全無人化工場を支える技術」、「協働ロボット搭載AMR」に焦点を当てて、紹介させていただきました。貴社の情報収集の一助となれば幸いでございます。 ※上記の記事を読んで「工場内物流・搬送の自動化」に興味が湧いた方に朗報です。 船井総研では、2024年2月13日/15日/19日に「従業員50~500名製造業 工場内物流・工程間搬送の自動化」セミナーを開催致します! 当日は、ECの物流倉庫立ち上げの経験を持つコンサルタントが成功する物流・搬送自動化手法を余すことなくご紹介します! さらに!!今回のゲスト講師は、低コストで搬送ロボットを導入し、年間工数600時間削減に成功した大野精工株式会社 代表取締役社長 大野龍太郎氏です!! 成功する物流・搬送自動化手法から、搬送ロボットの最新活用事例、搬送ロボット導入時の大野社長のリアルなお話まで、工場内物流・搬送工程自動化の“イマ”がわかるセミナーとなっております。   ■関連するセミナーのご案内 従業員50~500名製造業 工場内物流・工程間搬送の自動化 AGV・AMR・自動搬送システム・パレタイズロボット・ハンドリングロボットの活用 セミナー詳細・申込はこちらから https://www.funaisoken.co.jp/seminar/108174 ■開催日程 全てオンライン開催となります 以下の日程よりご都合の良い日程をお選び下さい ※内容は全て一緒です 2024/02/13 (火) 13:00~15:00 2024/02/15 (木) 13:00~15:00 2024/02/19 (月) 13:00~15:00 お申し込みはこちらから⇒ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/108174   中堅・中小製造業の経営者向け 工場物流の自動化事例解説レポート ▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼ 「こうなりたい!」と思っている経営者様におすすめ 工場内の物流を自動化して生産性を向上したいと思っている経営者様 工場内の物流を自動化して省人化したいと思っている経営者様 工場内物流の自動化成功事例を知りたいと思っている経営者様 工場内物流の自動化を進めるための具体的な方法を知りたいと思っている経営者様 https://www.funaisoken.co.jp/dl-contents/smart-factory_smart-factory_02125_S045 11/29~12/2に行われた世界最大規模のロボット展示会、「国際ロボット展 (iREX2023)」。ロボット専門コンサルタントの筆者も参戦し、最新情報を収集してきました。 今回のコラムでは、「完全無人化工場を支える技術」、「協働ロボット搭載AMR」に焦点を当てて、出展社数615から厳選した4社の最新技術事例を紹介致します。貴社のお役に立てば幸いです。 1.完全無人化工場を支える技術 今回の展示では、完全無人工場のデモが行われていました。完全に無人なので、製造工程の最初から最後まで、ロボットが全自動で作業を行います。 では、次世代型の完全無人工場実現のために、どのような技術が使われているのでしょうか?今回は、安川電機社とOmron社が提供する完全自動化サービスと、それを支える技術をご紹介致します。 1.1. 安川電機社: i³-Mechatronics i³-Mechatronicsはスマート工場化に向けたソリューションコンセプトです。平たく言えば、i³-Mechatronicsとは設備稼働状況や生産方法などのデータを管理し、分析し、活用するための考え方を指します。このソリューションの実現には様々な技術が使われていますが、今回は中でも「AIピッキング」と、「機器の故障予知診断」をご紹介いたします。 AIピッキング 安川電機社が独自開発したAI技術「Alliom(アリオム)」は、シミュレータ上でより現実環境に近い学習データを作成し剛体物だけでなく軟体物も同一ハンドでピッキングすることを可能にしています。Alliomの特徴は、「シミュレータ上でAI生成プロセス(学習データ生成+学習+AI生成)が完結できること」にあります。従来のAIは、学習させるための画像を大量に用意する必要がありましたが、Alliomは自前で生成した学習データを使って学習するため、AI開発含めて実運用までの導入時間が圧倒的に短くなり、実機投入精度の向上も期待されています。 例えば、バラ積み部品のピッキング作業においては、まず対象の部品をシミュレータに取り込み、仮想空間上に部品の摩擦感や光源の角度などを含めた、作業環境を構築します。その後、AIでバーチャル上に大量の部品データとバラバラの積み方を生成することで、ロボットハンドがどの軌道でどのポイントであれば安定して把持できるのか学習していき、これが繰り返されることで精度が上がっていきます。 (引用:https://www.yaskawa.co.jp/product/i3-mechatronics/ai_picking) これによって、これまで実機で生成していた学習用のデータが不要になったため、3-4時間ほどで実機検証して適用できるようになり、導入にかかる時間やコストの大幅な削減をすることが可能になります。 機器の故障予知診断 製造に使用する機械やロボットの故障を予知する技術です。これらは、機械にセンサーを取り付け、モニタリングすることで実現されます。 例えば産業用ロボットに組み込まれている減速機は、状況に応じて交換が必要な部品です。ロボットの稼働データから減速機に内蔵しているギヤの摩耗状態を予測し、減速機ごとの故障時期を推測することで、計画的に部品の交換を行うことができます。 またインバータやサーボモータも同様に、正常時と異常時の機器の状態を比較することで、事前にメンテナンスを行うことができます。具体的には、モータが駆動しているときの周波数・回転速度・消費電力・トルク値・温度・電圧など様々なデータを収集・分析することで、予知保全をすることが可能になります。 1.2. Omron社: Sysmac Sysmacは、Omron社が提供するスマート工場化に向けたソリューションコンセプトです。内容は先述の安川電機社のコンセプトとほぼ変わらず、データを収集し、分析し、活用していくことを推奨しています。今回は、Omron社草津工場でのビッグデータ活用事例を紹介します。Omron社草津工場では、IoTを活用した現場改善を行い、改善点の抽出時間を1/6以下に減少させることに成功しました。では、草津工場ではどのように改善点の抽出時間を減らしていったのでしょうか。 生産性向上の取り組み Omron社草津工場では、工程ごとの稼働時間や炉の酸素濃度をリアルタイムで把握し、改善点の抽出を行いました。 下記の画像は、Omron社草津工場の表面実装工程における、機械ごとにかかった作業時間を示しています。 図 Omron社草津工場の表面実装工程における、機械ごとにかかった作業時間 (引用:https://www.fa.omron.co.jp/product/special/sysmac/technology/kusatsu-report-1.html) この図の見方と図からわかることを下記に示します。 下図プロット画面左側のチャートがタイムライン。 上から下へ時間が流れており、横軸は4つの機械に入った時間、出た時間などがプロットされている。 一本一本の線がプリント基板を現しており、線をたどると、何時何分に第1工程に基板が入って、何分後に第2工程、第3工程に移っていくのが分かる。 線が浅い角度で密になっているほど加工時間が短いということ。逆に角度が大きいものは加工時間が長くかかったことを意味し、チャートの白いところは無駄な部分と言える。 線の途中のバブル・チャートは高速機のワーニング(警告)のデータ。青いバブルは機械が止まらなかったワーニング。赤いバブルは止まったワーニング。バブルの大きさはワーニングの回数を示している。 また、チャートの右側に示している数字は、実装工程に用いるリフロー炉の酸素濃度の変化を表しています。草津工場では、はんだがうまくつくように、炉内は窒素を充満させて酸素濃度を下げていますが、このデータから一部酸素濃度が高くなっている時間帯が存在することがわかります。検査工程ではんだ不良が出たときに、この個体が流れたときの酸素濃度が少し高くなっていたこと、機械トラブルではんだ塗布後に5分も止まっていたことがわかります。 このように、取得した稼働データからその稼働状況を図式化することで、ネック工程を論理的に解析することができます。 2.協働ロボット搭載AMR 近年、自律走行ロボット(AMR)と、協働ロボットを組み合わせる新たな運用方法が検討されています。AMRは人間でいうところの “足”、協働ロボットは人間でいうところの”手”に当たるので、協働ロボットを搭載したAMRはある程度疑似的に人間の動きを再現することができます。 今回は、国際ロボット展で紹介されていた2社の協働ロボット搭載AMRを紹介致します。 2.1. Dobot社:「Dobot AMR」 中国の協働ロボットメーカーDobot社が提供しているAMRと協働ロボットを組み合わせたロボット。 このロボットの特徴は、「充電時間の長さ」です。 後ほど紹介するロボットの充電時間が4~5時間程度であるのに対し、このロボットはリチウムイオンバッテリーを搭載しており、1回の充電で8時間稼働することができます。 AMRを安定的に稼働させるには、充電切れを未然に防ぐことが不可欠です。 Dobot社のロボットを使えば、昼勤時に充電なしでフル稼働させることも可能です。 こまめに充電を行えば、稼働時間はさらに伸びるでしょう。 2.2. Ci Robotics社:「MoMaシリーズ」 Ci Robotics社が提供するAMRと協働ロボットを組み合わせたロボット。 加工工場でのワーク搬送や、半導体製造工程の搬送・ハンドリング工程において導入実績があります。 MoMaの特徴の一つは、「ワイヤレス充電が行えること」です。 先述しましたが、AMRを安定的に稼働させるには、充電切れを未然に防ぐことが不可欠です。 しかし、プラグなどを用いた従来の接触式の充電では、スパークによる火災のリスクが懸念されていました。MoMaはワイヤレス充電に対応しているため、安全且つ安定的に運用することが可能です。 一回の充電で稼働できる時間は4~5時間と比較的少ないものの、急速充電に対応しておりいるため、24時間稼働をすることも可能です。 3.さいごに 今回は、「完全無人化工場を支える技術」、「協働ロボット搭載AMR」に焦点を当てて、紹介させていただきました。貴社の情報収集の一助となれば幸いでございます。 ※上記の記事を読んで「工場内物流・搬送の自動化」に興味が湧いた方に朗報です。 船井総研では、2024年2月13日/15日/19日に「従業員50~500名製造業 工場内物流・工程間搬送の自動化」セミナーを開催致します! 当日は、ECの物流倉庫立ち上げの経験を持つコンサルタントが成功する物流・搬送自動化手法を余すことなくご紹介します! さらに!!今回のゲスト講師は、低コストで搬送ロボットを導入し、年間工数600時間削減に成功した大野精工株式会社 代表取締役社長 大野龍太郎氏です!! 成功する物流・搬送自動化手法から、搬送ロボットの最新活用事例、搬送ロボット導入時の大野社長のリアルなお話まで、工場内物流・搬送工程自動化の“イマ”がわかるセミナーとなっております。   ■関連するセミナーのご案内 従業員50~500名製造業 工場内物流・工程間搬送の自動化 AGV・AMR・自動搬送システム・パレタイズロボット・ハンドリングロボットの活用 セミナー詳細・申込はこちらから https://www.funaisoken.co.jp/seminar/108174 ■開催日程 全てオンライン開催となります 以下の日程よりご都合の良い日程をお選び下さい ※内容は全て一緒です 2024/02/13 (火) 13:00~15:00 2024/02/15 (木) 13:00~15:00 2024/02/19 (月) 13:00~15:00 お申し込みはこちらから⇒ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/108174   中堅・中小製造業の経営者向け 工場物流の自動化事例解説レポート ▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼ 「こうなりたい!」と思っている経営者様におすすめ 工場内の物流を自動化して生産性を向上したいと思っている経営者様 工場内の物流を自動化して省人化したいと思っている経営者様 工場内物流の自動化成功事例を知りたいと思っている経営者様 工場内物流の自動化を進めるための具体的な方法を知りたいと思っている経営者様 https://www.funaisoken.co.jp/dl-contents/smart-factory_smart-factory_02125_S045