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AIのいろは「機械学習とディープラーニング」を学ぼう

今回のコラムは現在のAIを語る上では欠かせない「機械学習とディープラーニング」について説明していきたいと思います。何となく聞いたことがある2つの言葉ですが、きちんと違いがわかりますか?

以前のAIの歴史を振り返るコラムでは第三次ブームの火付け役という紹介をしました。この2つキーワードがなぜ、AI再ブームの火付け役となったのか、ここでは一歩踏み込んだ話をしていきましょう。

1.AIとは「赤ちゃん」です

AIの良いところはあらゆる過去の膨大なデータを学習して、忖度なく最適な解を示してくれるということです。AIはよく「赤ちゃん」に例えられます。赤ちゃんは親から動きや言葉を学ぶことで、やがて自分で判断できるようになります。生まれたばかりの赤ちゃんが一人では何も出来ないように、AIも何も教えなければ何もできません。AIも赤ちゃんも経験を積めば積むほど、最適な(精度の高い)言葉や動きが出来るようになります。どちらも最適な解(言葉や動き)を出す為には、たくさんたくさん学習していく必要があるのです。

2.機械学習とディープラーニング

では、AIではどのように学習していくのでしょうか。AIの場合、学習の方法(目の付け所)を教えてあげる必要があります。目の付け所を教える=「特徴量を定義する」という言い方をします。例えば、りんごが赤りんごか青りんごを画像処理にて判断させる際には、まず①赤りんごと青りんごの2種類のいろいろな写真(学習データ)をAIに覚えさせます。赤りんごと言ってもたくさんの種類がありますよね。次に②「色に着目しなさい」と指示します。するとAIは自ら色を見て、初めて見る写真でも学習データと照らし合わせて赤りんごか青りんごかを判断することが出来ます。

では誰が「色に着目しなさい」と指示するのでしょうか。2つの言葉の違いは「目の付け所(特徴量の定義)を誰が指示するか?」ここがポイントになっていきます。

【機械学習とは】
機械学習は「人が特徴を定義する」技術です。人が目の付け所(特徴量を定義)を教えておくことで、既存の大量のデータをAI自ら解析してルールを見つけ出します。データはより多くあればあるほど精度は高くなっていきます。

つまり、トレーニングによって「特定のタスク」を実行できるようになる技術です。上記においては「りんごの色を見て赤りんごか青りんごか判断する特定のタスク」ということになります。

この手法は、自動で返答するチャットボットや、店舗来客予測など、出力の予測や傾向の発見を伴うプロジェクトで力を発揮します。

【ディープラーニングとは】
一方で、ディープラーニングは「人工知能が学習データから特徴を自動で抽出する」技術です。

機械学習が進化したとも言えるディープラーニングは、たくさんのデータを解析する際、どこに注目すればよいかを「自分で判断」し、人からの指示ではなく自動で学習して賢くなっていきます。機械学習では人が特徴量を定義していた為、人が特徴を判断できない場合(間違えて判断している場合)、AIは上手く判断が出来ません。

ディープラーニングは、そのような特徴を定義するのが難しい時に高い効果を発揮します。

特にディープラーニングは特徴を定義するのが難しい「言葉」を得意としており、主な適用領域は「音声認識」「画像認識」「言語処理」の3点と言われています。

GoogleHomeやiPhoneに搭載されているSiriなどでは、人間の音声を聞き取り、さらにテキストAIで意味を理解する音声認識技術が活用されています。また、画像認識領域では、商品検索や商品の検査工程など物体認識率が向上し、商用利用が拡大しています。言語処理領域では、機械翻訳などへの適応が始まっています。

機械学習とディープラーニングの違いは、分析の対象を区別する際に「特徴量という目の付け所を自動的に見つけ出せるか」という点になります。

3.Googleの猫(ディープラーニング始まりの話)

2012年にGoogle社の研究チームは、YouTubeに投稿された動画(静止画)の中から無作為に1000万枚の画像を取り出してAIに学習させ、人が教えることなくAIが自発的に猫を認識することに成功したことを発表しました。

この研究の最大のポイントは「人がAIに猫という【概念】を教えたわけではない」という点です。これは当時としてはかなり衝撃的なニュースとして取り上げられました。AI自身がYouTube上にある画像のパターンを自ら特徴をづけ、「猫」という言葉を紐づけていき、「猫」というものを自ら覚えていったのです。これまで必要とされた学習データを使うことなく。これは、人間がものを覚える過程とよく似ています。「猫」いうものは、誰から教わったという事でもなく、周りの人が「猫」と呼んでいるものを何度も聞いて特徴を見て、人は「猫」を認識するようになります。

AI領域では、人がAIに学習させた場合を「教師あり学習(学習データあり)」、人が何も教えていない学習を「教師なし学習(学習データなし)」と言います。

Googleの発表は、1000万枚の画像を学習・パターン分析しているうちにAIが画像内の特長を認識し、特定のものについて自動的に認知が出来るようになった初めての「教師なし学習」の実例として世界で注目され、ディープラーニングの可能性が証明された新しい時代の幕開けの瞬間となりました。

4.ディープラーニングにより可能になること

例えば、米国のSentient Technologies社では、商品検索にディープラーニングを使用しています。靴や服の好みなど、言葉では言い表すことが難しい「感覚」について、消費者がどの商品を検索しクリックしたかなどの情報を基に、次の商品を提案してくれるシステムです。

また、車の自動運転技術は、ディープラーニングを利用して作られた技術で最も期待されているものの1つと言えます。GPSによる位置情報や車に搭載されたカメラの情報などから、AIが学習し道路状況や渋滞状況を分析します。さらに、それらの情報によりAIが自動的に空間を把握することで、交差点の一時停止や右折・左折などもできるようになります。

ロボット工学の分野もディープラーニングとともに大きく進化しています。前述のように、特定の画像を自動的に認識できるようになった技術は検査工程にも応用されています。

AIによる外観検査について、詳しくはこちらをご参照ください。
https://smart-factory.funaisoken.co.jp/glossary/200925/

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