記事公開日:2025.11.12
最終更新日:2025.11.12
DXの成否は「社長の覚悟」で9割決まる。現場を“巻き込む”ために、経営者が今すぐやるべき3つのこと

「よし、我が社もDXを推進するぞ!」
経営者であるあなたが、高らかに宣言したとします。
最新のタブレットを導入し、ITベンダーを呼んで、新しいシステムの導入を決めた。
しかし、現場の反応は、驚くほど冷ややかです。
「また社長が、何か思いつきで始めたよ…」
「ただでさえ忙しいのに、新しいことを覚えるなんて面倒だ」
「今のやり方で回っているんだから、変える必要ないだろう」
経営者の熱い思いとは裏腹に、現場は「抵抗勢力」と化し、せっかく導入したシステムは誰にも使われず、ホコリをかぶっていく…。DXに取り組もうとした中小企業の、あまりにも多くが、この「現場の壁」に跳ね返されて、夢破れています。
なぜ、こんな悲劇が起きてしまうのでしょうか。
それは、DXを「ITツールの導入」だと勘違いし、「現場の仕事を変える」という、最も重要な視点が抜け落ちているからです。
DXは、情報システム部門や、ITに詳しい若手に「丸投げ」して成功するほど、甘いものではありません。
それは、会社の業務プロセス、働き方、そして文化そのものを変える「経営改革」です。だからこそ、その成否は、経営者であるあなたの「覚悟」と「リーダーシップ」で9割決まると言っても過言ではありません。
現場を「抵抗勢力」ではなく、改革を推進する「最強のパートナー」へと変えるために、経営者が今すぐやるべきこと。それは、以下の3つに集約されます。
1. 「なぜやるのか?」という“大義名分”を、自分の言葉で語り続ける
現場が一番知りたいのは、「新しいシステムの使い方」ではありません。
「なぜ、今、この面倒くさい変化を受け入れなければならないのか?」という、根本的な理由です。
「このままアナログなやり方を続けていけば、5年後、ライバルに仕事は奪われ、ウチは立ち行かなくなるかもしれない」
「ベテランのAさんの技術を、このまま失わせてはいけない。会社の財産として残したいんだ」
「みんなを、見積もり探しや日報作成といった不毛な作業から解放して、もっと創造的で、儲かる仕事に時間を使ってほしいんだ」
こうした危機感や、未来へのビジョン、そして従業員への思いを、経営者自身の「本気の言葉」で、繰り返し、繰り返し、語り続ける。この「大義名分」の共有なくして、現場が自ら動くことは絶対にありません。
2. 「現場の不満」を、誰よりも真剣に聞く
新しいことを始めれば、必ず現場からは不満や不安の声が上がります。
「このタブレット、入力しづらい」
「この機能、現場の実態と合っていない」
この時、経営者が「決まったことだから、つべこべ言わずにやれ!」と、上から押さえつけてしまったら、その瞬間に改革は失敗します。
むしろ、これらの「不満」は、改革を成功させるための「宝のヒント」です。
経営者自らが現場に足を運び、「どこが使いづらい?」「どうすれば、もっと楽になると思う?」と、謙虚に耳を傾ける。そして、吸い上げた声を基に、ツールやルールを即座に改善していく。
「社長が、俺たちの声をちゃんと聞いて、変えてくれた」
この小さな信頼関係の積み重ねが、現場を「やらされ感」から「当事者意識」へと変えていきます。
3. 「小さな成功」を、全力で賞賛し、共有する
DXは、いきなり大きな成果が出るものではありません。
「日報の集計時間が、1日30分短縮された」
「図面を探す時間がなくなり、顧客への回答が早くなった」
「データを見たら、意外なムダに気づけた」
こうした、現場レベルの「小さな成功(スモールウィン)」を見逃さず、経営者が全力で賞賛し、全社で共有すること。
「〇〇さんの提案のおかげで、こんなに良くなったぞ!ありがとう!」
このポジティブなフィードバックが、現場の達成感を刺激し、「やれば、本当に仕事が楽になるんだ」「次もやってみよう」という、前向きな「改善の文化」を醸成していきます。
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これは、単なるDXのロードマップではなく、経営者がいかにして現場を巻き込み、組織を変革していくかという、「リーダーシップ論」そのものです。
「ツールは導入したが、現場が使ってくれない…」
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- 日報を「記録すること」が目的化していると感じている方
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