ROBOT CONSULTING COLUMN 自動化・ロボットコンサルティングコラム

専門コンサルタントが執筆するAI・ロボットコラム
最新のAI・ロボット技術に精通したコンサルタントによる定期コラム

2025年の製造業トレンド予測!JIMTOFで見えた自動化・DXの未来とは?

2024.11.07

皆様、こんにちは! 先日開催されたJIMTOF 2024、ご覧になりましたか? 私は会場をくまなく見て回りましたが、2022年と比べて来場者数が多く、特に海外、特にアジアからの来場者が目立ったように感じました。活気のある展示会でしたね! 今回は、JIMTOF 2024の展示内容から、2025年の製造業におけるDX、ロボット活用、自動化の時流を予測し、皆様にお伝えしたいと思います。 ■3Dプリンターの進化が目覚ましい! まず、南棟では3Dプリンターの展示が目立ちました。金属3Dプリンターで造形された自動車のエンジンブロックやホイールなど、 impressive な展示が目白押しでした。キーエンスも高精細な商品開発のための3Dプリンターを展示しており、3Dプリンターの進化を肌で感じることができました。金属3Dプリンターが一般的になれば、従来の機械加工による金属製品の製造も大きく変わる可能性を秘めていると言えるでしょう。 ■ファナックは協働ロボットを前面に! ファナックのブースでは、やはり協働ロボットが前面に押し出されていましたね。世界一の可搬重量を誇る50キロの協働ロボットや、ミツトヨの計測装置とCRXを組み合わせたロボットセルなど、見どころ満載でした。内蔵センサーによる力制御で高精度の組み立て工程を実現するデモや、世界初の防爆協働ロボットは、多くの来場者の注目を集めていたのではないでしょうか? AIを活用したバラ積みピッキングも進化しており、ワークの姿勢を変えることで、従来取り残していた壁際のワークもピッキングできるようになっていました。 ■三菱電機は機械加工ラインのDXソリューションを提案 三菱電機のブースでは、ロボットの展示はなく、機械加工ラインのDXソリューションが前面に打ち出されていました。緻密な積層造形を実現する金属3Dプリンターは、三菱電機独自の技術力の高さを示すものでした。 ■自動化・省人化の流れは止まらない! チタ製作所のブースでは、協働ロボットを活用した全自動の測定器が展示されていました。加工ラインにおいて必要不可欠な測定を自動化することで、省人化、24時間稼働、品質の向上、不良品の流出削減など、様々な効果が期待できます。 西棟では、工作機械に必要不可欠な切削工具のメーカーが多く出展していました。自動化の面で注目したのは、SMWオートブロック社のオートジョーチェンジ機能を搭載したチャックです。旋盤のチャックにおける爪を自動で交換できるため、多品種少量生産の機械加工においても、段取り替えの自動化が可能になります。 ■AIやロボットを活用した革新的な技術が登場! 東棟では、NAGASEのAI研削盤が目を引きました。スピンドルから得られるデータを活用し、誰もが同じ基準で加工できるシステムは、熟練工の技術を可視化し、若手にも共有することを可能にします。 アルムコードのNCプログラムを自動生成するAIも注目を集めていました。3DCADデータを読み込むことで、AIが職人たちの熟練のNCプログラミング作業を自動化するアプリケーションは、まさに革新的な技術と言えるでしょう。 株式会社オプトンのロボットを活用したパイプベンダーも印象的でした。ワーク投入から曲げ、加工、排出、検査までを自動化するだけでなく、測定データと3D CADデータの比較による加工差分抽出、自動補正機能など、パイプの曲げ加工における自動化を大きく前進させる技術です。 ■段取り替えの自動化が進む! シュンクジャパンは、「ワークピースオートメーション」と題して、段取り不要のバイス自動化システムを展示していました。多品種少量生産の機械加工において、段取り替えの工数削減は重要な課題です。多くのメーカーが段取り替えの自動化に力を入れていることから、今後の自動化において、段取り替えの自動化がますます重要になってくるでしょう。 ■計測の自動化も進化! ミツトヨは、計測省力化パッケージとして、3次元測定器とロボットワークストッカーをパッケージ化し、ジグレスの計測、自動化を実現していました。ロボットがワークをつかんだまま測定することで、無駄な段取り替えが不要になります。 ■町工場のための簡単生産管理システム エムネットくらうどは、町工場向けの簡単生産管理システムです。複雑な管理が不要な町工場でも、導入しやすいクラウド型のシステムで、注残と工程進捗の可視化を実現します。 ■自動化はツールであり、目的ではない JIMTOF 2024では、各メーカーから自動化に関わる展示が多く見られました。しかし、忘れてはならないのは、自動化はあくまでもツールであり、目的ではないということです。自動化を推進するためには、まず自社の課題を把握し、自動化すべき製品・工程を抽出することが重要です。 投資対効果をしっかりと見極め、本当に効果のある自動化を進めていきましょう。 もし、工場の自動化、ロボット活用、生産性向上、DX化についてお悩みであれば、ぜひ一度お問い合わせください。御社の課題に合わせて、最適な自動化をご提案させていただきます。 専門コンサルタントによる無料オンライン相談 無料オンライン相談とは、弊社の専門コンサルタントがオンラインで貴社のDX活用(ロボット・AI・ERP活用)について無料でご相談を お受けすることです。 無料オンライン相談は専門コンサルタントが担当させていただきますので、どのようなテーマでもご相談いただけます。 通常、コンサルティングには費用がかかりますが、無料オンライン相談ではその前に無料で体験していただくことができますので、ぜひご活用いただければ幸いでございます。 皆様、こんにちは! 先日開催されたJIMTOF 2024、ご覧になりましたか? 私は会場をくまなく見て回りましたが、2022年と比べて来場者数が多く、特に海外、特にアジアからの来場者が目立ったように感じました。活気のある展示会でしたね! 今回は、JIMTOF 2024の展示内容から、2025年の製造業におけるDX、ロボット活用、自動化の時流を予測し、皆様にお伝えしたいと思います。 ■3Dプリンターの進化が目覚ましい! まず、南棟では3Dプリンターの展示が目立ちました。金属3Dプリンターで造形された自動車のエンジンブロックやホイールなど、 impressive な展示が目白押しでした。キーエンスも高精細な商品開発のための3Dプリンターを展示しており、3Dプリンターの進化を肌で感じることができました。金属3Dプリンターが一般的になれば、従来の機械加工による金属製品の製造も大きく変わる可能性を秘めていると言えるでしょう。 ■ファナックは協働ロボットを前面に! ファナックのブースでは、やはり協働ロボットが前面に押し出されていましたね。世界一の可搬重量を誇る50キロの協働ロボットや、ミツトヨの計測装置とCRXを組み合わせたロボットセルなど、見どころ満載でした。内蔵センサーによる力制御で高精度の組み立て工程を実現するデモや、世界初の防爆協働ロボットは、多くの来場者の注目を集めていたのではないでしょうか? AIを活用したバラ積みピッキングも進化しており、ワークの姿勢を変えることで、従来取り残していた壁際のワークもピッキングできるようになっていました。 ■三菱電機は機械加工ラインのDXソリューションを提案 三菱電機のブースでは、ロボットの展示はなく、機械加工ラインのDXソリューションが前面に打ち出されていました。緻密な積層造形を実現する金属3Dプリンターは、三菱電機独自の技術力の高さを示すものでした。 ■自動化・省人化の流れは止まらない! チタ製作所のブースでは、協働ロボットを活用した全自動の測定器が展示されていました。加工ラインにおいて必要不可欠な測定を自動化することで、省人化、24時間稼働、品質の向上、不良品の流出削減など、様々な効果が期待できます。 西棟では、工作機械に必要不可欠な切削工具のメーカーが多く出展していました。自動化の面で注目したのは、SMWオートブロック社のオートジョーチェンジ機能を搭載したチャックです。旋盤のチャックにおける爪を自動で交換できるため、多品種少量生産の機械加工においても、段取り替えの自動化が可能になります。 ■AIやロボットを活用した革新的な技術が登場! 東棟では、NAGASEのAI研削盤が目を引きました。スピンドルから得られるデータを活用し、誰もが同じ基準で加工できるシステムは、熟練工の技術を可視化し、若手にも共有することを可能にします。 アルムコードのNCプログラムを自動生成するAIも注目を集めていました。3DCADデータを読み込むことで、AIが職人たちの熟練のNCプログラミング作業を自動化するアプリケーションは、まさに革新的な技術と言えるでしょう。 株式会社オプトンのロボットを活用したパイプベンダーも印象的でした。ワーク投入から曲げ、加工、排出、検査までを自動化するだけでなく、測定データと3D CADデータの比較による加工差分抽出、自動補正機能など、パイプの曲げ加工における自動化を大きく前進させる技術です。 ■段取り替えの自動化が進む! シュンクジャパンは、「ワークピースオートメーション」と題して、段取り不要のバイス自動化システムを展示していました。多品種少量生産の機械加工において、段取り替えの工数削減は重要な課題です。多くのメーカーが段取り替えの自動化に力を入れていることから、今後の自動化において、段取り替えの自動化がますます重要になってくるでしょう。 ■計測の自動化も進化! ミツトヨは、計測省力化パッケージとして、3次元測定器とロボットワークストッカーをパッケージ化し、ジグレスの計測、自動化を実現していました。ロボットがワークをつかんだまま測定することで、無駄な段取り替えが不要になります。 ■町工場のための簡単生産管理システム エムネットくらうどは、町工場向けの簡単生産管理システムです。複雑な管理が不要な町工場でも、導入しやすいクラウド型のシステムで、注残と工程進捗の可視化を実現します。 ■自動化はツールであり、目的ではない JIMTOF 2024では、各メーカーから自動化に関わる展示が多く見られました。しかし、忘れてはならないのは、自動化はあくまでもツールであり、目的ではないということです。自動化を推進するためには、まず自社の課題を把握し、自動化すべき製品・工程を抽出することが重要です。 投資対効果をしっかりと見極め、本当に効果のある自動化を進めていきましょう。 もし、工場の自動化、ロボット活用、生産性向上、DX化についてお悩みであれば、ぜひ一度お問い合わせください。御社の課題に合わせて、最適な自動化をご提案させていただきます。 専門コンサルタントによる無料オンライン相談 無料オンライン相談とは、弊社の専門コンサルタントがオンラインで貴社のDX活用(ロボット・AI・ERP活用)について無料でご相談を お受けすることです。 無料オンライン相談は専門コンサルタントが担当させていただきますので、どのようなテーマでもご相談いただけます。 通常、コンサルティングには費用がかかりますが、無料オンライン相談ではその前に無料で体験していただくことができますので、ぜひご活用いただければ幸いでございます。

今アツい、工場新設

2024.11.07

今回は、東京都大田区の好立地に工場を新設した、木田工業株式会社・木田翔太室長へのインタビューを紹介いたします! どのようにして新たな工場の設立を決断し、具体的なコンセプトを立てたのか、また工場新設に失敗しないためのポイントについて伺いました。 1.今、工場新設がアツい 先日、中堅・中小成長投資補助金の2次公募にて計85社の案件が採択されました。 採択された案件のうち、約30件が工場新設・増設に関連した案件でした。 引用:https://seichotoushi-hojo.jp/information/index.html?date=info-20241029 その計画の中身を見ると、 日本初!自動塗装・自動搬送を導入したスマート建機工場新設による生産性向上と賃上げの実現 GX・イノベーション工場~環境配慮と生産性向上による社員満足・地域共生・社会貢献~ 木材業界に風穴を開ける!省リフト製造ラインによる新・短尺多品種工場への大規模投資 のようになっており、今までにないような、次世代の工場を新設する案件が多いようです。 採択された案件のうち35%が工場新設関連となっており、工場を新設し企業規模を拡大する潮流があると言えます。 なお、中堅・中小大規模成長投資補助金は2025年も公募されることが予想されています。工場新設プロジェクトは平均で3年以上の時間がかかるものとなっていますので、事業拡大への強い想いがある方は、来年の公募に向けて準備を進めましょう。 2.工場新設時にまずおこなうべき“ゴール設定” では、工場新設をおこなう際に、検討すべきことはなんでしょうか? 工場の新設/増設の効果を最大化し、投資を成功させるためには、まずそのゴールとコンセプトを決めることが非常に重要です。 工場を新しく建てること、増やすことそれ自体は工場新設/増設プロジェクトのゴールにはなりえません。 「工場を建てることで、売り上げ1.5倍を達成する」と言うような、新設/増設によって達成したいことがゴールになりえます。 設定すべきゴールは、企業の状態や意向によって異なります。例えば、以下のような例が挙げられます。 「作業環境の改善、離職率の低下。重量物を扱っており、作業員の負担が大きいため、作業員が楽に作業できる環境を作る」 「今後の需要を見越して、A製品を1日5000個作れるような生産能力を確保する」 プロジェクトの初期段階で上記の様な適切なゴール設定について議論・策定ができれば、後工程で比較的容易に意思決定をすることができます。 例えば、工場を新しく建てる際に頻発するケースの一つに、「理想が膨らみ見積もりが予算をはるかに超えてしまう」というケースがあります。 当然、投資先の取捨選択をする必要があるのですが、事前にプロジェクトのゴールを策定しておけば、その投資がゴール達成に寄与するのか?という尺度において比較的容易に議論・決定をすることができます。 (反対に、プロジェクトメンバー全員が納得するゴール設定を行っていないと、立場によって判断基準が異なってしまい、議論を収集することが困難になってしまいます。経営層は経営層の判断基準、現場作業者は現場作業者の判断基準・情報システムは情報システムの判断基準で発言してしまうので、部分最適的な議論になってしまいます。) 自社の現場の状況や、目指したい理想から鑑みて、適切なゴールを策定しましょう。 3.工場新設に成功した木田工業株式会社 11月に開催するセミナーに登壇予定の木田工業株式会社は、“売上125%増”をゴールに見据え、東京都大田区に工場を新設しました。新設成功の鍵は、以下の2つのポイントにあります。 ①明確なコンセプトに基づいた空間設計 限られた土地を最大限に活用するために、「工場の垂直方向への拡張」という斬新な発想を採用。地上6階建ての工場を建設し、屋上へのホイスト設置、外部階段の活用など、空間を立体的に利用することで、限られた面積を有効活用しました。 ②責任体制を明確化し、迅速な意思決定を実現 工場新設プロジェクトを成功させるために、「現場をよく理解している専任責任者」を配置。 責任と権限を明確化することで、迅速な意思決定を可能にし、プロジェクトをスムーズに進めました。 セミナーでは、実際に工場新設に携わった木田工業株式会社 室長 木田翔大氏にご登壇いただき、工場新設成功のポイントについてお話いただきます。 4.まとめ いかがでしたでしょうか。 今回は、工場新設の潮流と、新設を成功させるためのポイント、そして木田工業株式会社の成功事例を紹介しました。 工場新設は、企業の成長を加速させるための重要な戦略です。しかし、成功させるためには、事前の綿密な計画と準備が不可欠です。 11月に開催されるセミナーでは、木田工業株式会社 室長 木田翔大氏を講師にお迎えし、工場新設の成功事例や、工場新設の進め方を詳しく解説いたします。工場新設をご検討中の企業様は、ぜひこの機会にご参加ください。 ■関連するセミナーのご案内 工場新設・増設で売り上げUP!自動化・DX化で利益率向上! セミナー詳細・申込はこちらから↓↓↓ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/119823 今回は、東京都大田区の好立地に工場を新設した、木田工業株式会社・木田翔太室長へのインタビューを紹介いたします! どのようにして新たな工場の設立を決断し、具体的なコンセプトを立てたのか、また工場新設に失敗しないためのポイントについて伺いました。 1.今、工場新設がアツい 先日、中堅・中小成長投資補助金の2次公募にて計85社の案件が採択されました。 採択された案件のうち、約30件が工場新設・増設に関連した案件でした。 引用:https://seichotoushi-hojo.jp/information/index.html?date=info-20241029 その計画の中身を見ると、 日本初!自動塗装・自動搬送を導入したスマート建機工場新設による生産性向上と賃上げの実現 GX・イノベーション工場~環境配慮と生産性向上による社員満足・地域共生・社会貢献~ 木材業界に風穴を開ける!省リフト製造ラインによる新・短尺多品種工場への大規模投資 のようになっており、今までにないような、次世代の工場を新設する案件が多いようです。 採択された案件のうち35%が工場新設関連となっており、工場を新設し企業規模を拡大する潮流があると言えます。 なお、中堅・中小大規模成長投資補助金は2025年も公募されることが予想されています。工場新設プロジェクトは平均で3年以上の時間がかかるものとなっていますので、事業拡大への強い想いがある方は、来年の公募に向けて準備を進めましょう。 2.工場新設時にまずおこなうべき“ゴール設定” では、工場新設をおこなう際に、検討すべきことはなんでしょうか? 工場の新設/増設の効果を最大化し、投資を成功させるためには、まずそのゴールとコンセプトを決めることが非常に重要です。 工場を新しく建てること、増やすことそれ自体は工場新設/増設プロジェクトのゴールにはなりえません。 「工場を建てることで、売り上げ1.5倍を達成する」と言うような、新設/増設によって達成したいことがゴールになりえます。 設定すべきゴールは、企業の状態や意向によって異なります。例えば、以下のような例が挙げられます。 「作業環境の改善、離職率の低下。重量物を扱っており、作業員の負担が大きいため、作業員が楽に作業できる環境を作る」 「今後の需要を見越して、A製品を1日5000個作れるような生産能力を確保する」 プロジェクトの初期段階で上記の様な適切なゴール設定について議論・策定ができれば、後工程で比較的容易に意思決定をすることができます。 例えば、工場を新しく建てる際に頻発するケースの一つに、「理想が膨らみ見積もりが予算をはるかに超えてしまう」というケースがあります。 当然、投資先の取捨選択をする必要があるのですが、事前にプロジェクトのゴールを策定しておけば、その投資がゴール達成に寄与するのか?という尺度において比較的容易に議論・決定をすることができます。 (反対に、プロジェクトメンバー全員が納得するゴール設定を行っていないと、立場によって判断基準が異なってしまい、議論を収集することが困難になってしまいます。経営層は経営層の判断基準、現場作業者は現場作業者の判断基準・情報システムは情報システムの判断基準で発言してしまうので、部分最適的な議論になってしまいます。) 自社の現場の状況や、目指したい理想から鑑みて、適切なゴールを策定しましょう。 3.工場新設に成功した木田工業株式会社 11月に開催するセミナーに登壇予定の木田工業株式会社は、“売上125%増”をゴールに見据え、東京都大田区に工場を新設しました。新設成功の鍵は、以下の2つのポイントにあります。 ①明確なコンセプトに基づいた空間設計 限られた土地を最大限に活用するために、「工場の垂直方向への拡張」という斬新な発想を採用。地上6階建ての工場を建設し、屋上へのホイスト設置、外部階段の活用など、空間を立体的に利用することで、限られた面積を有効活用しました。 ②責任体制を明確化し、迅速な意思決定を実現 工場新設プロジェクトを成功させるために、「現場をよく理解している専任責任者」を配置。 責任と権限を明確化することで、迅速な意思決定を可能にし、プロジェクトをスムーズに進めました。 セミナーでは、実際に工場新設に携わった木田工業株式会社 室長 木田翔大氏にご登壇いただき、工場新設成功のポイントについてお話いただきます。 4.まとめ いかがでしたでしょうか。 今回は、工場新設の潮流と、新設を成功させるためのポイント、そして木田工業株式会社の成功事例を紹介しました。 工場新設は、企業の成長を加速させるための重要な戦略です。しかし、成功させるためには、事前の綿密な計画と準備が不可欠です。 11月に開催されるセミナーでは、木田工業株式会社 室長 木田翔大氏を講師にお迎えし、工場新設の成功事例や、工場新設の進め方を詳しく解説いたします。工場新設をご検討中の企業様は、ぜひこの機会にご参加ください。 ■関連するセミナーのご案内 工場新設・増設で売り上げUP!自動化・DX化で利益率向上! セミナー詳細・申込はこちらから↓↓↓ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/119823

工場新設に失敗しないための、2つのポイントとは?工場新設成功企業へインタビュー!

2024.10.21

今回は、東京都大田区の好立地に工場を新設した、木田工業株式会社・木田翔太室長へのインタビューを紹介いたします! どのようにして新たな工場の設立を決断し、具体的なコンセプトを立てたのか、また工場新設に失敗しないためのポイントについて伺いました。 1. 木田工業株式会社の紹介と工場増設の経緯 船井総研 塩田:今回は、東京都大田区の好立地に新設した工場のコンセプトと、売上25%増を目指す取り組みについて、木田工業株式会社 室長、木田翔大氏にお話を伺います。どうぞよろしくお願いいたします! 木田工業 木田氏:よろしくお願いいたします。 船井総研 塩田:まずは、木田工業株式会社のご紹介をお願いできますでしょうか。 木田工業 木田氏:はい。木田工業株式会社は、東京都大田区に位置する、樹脂の切削加工を行っている会社です。現在、95名の従業員が在籍しており、またエンジニアリングプラスチックやフッ素樹脂製品の精密加工において業界でもトップクラスの設備を持っています。私たちは、機械部品からモデル試作品の製作まで、多品種少量生産を行い、約1500種の製品を自社内で一貫生産しています。 船井総研 塩田:ありがとうございます!それでは、新工場の増設に至った経緯について教えていただけますか? 木田工業 木田氏:承知しました。新工場を建設する決断に至ったのは、コロナの影響で主要顧客の売上が急増したことが大きな要因です。主要顧客の売上増加に伴い外注量が増加し、既存工場だけでは内製が難しくなりました。そのため、もともと駐車場として活用していた土地に新しい工場を建設することを決めました。この決断は、今後のビジネスチャンスを逃さないための大規模な投資と位置付けて、スタートさせました。 船井総研 塩田:事前に土地を取得していたことが、スムーズに工場建設に踏み切る助けになったのですね。 木田工業 木田氏:はい。主要顧客の売上が増加したタイミングで新工場の建設を始められたことは非常にラッキーでした。 2. 新工場のコンセプト 船井総研 塩田:続いて、新工場の具体的なコンセプトについてお伺いできますか? 木田工業 木田氏:新工場のコンセプトは、限られた土地を最大限に活用し、どのように機械を配置するかという点に大きく重点を置きました。正直に申し上げますと、土地はあまり広くなかったため、投資回収を行うためには、売上の基盤となる機械を導入する必要がありました。そこで、建築会社と密に協議を重ね、最終的に地上6階建ての工場を建設することにしました。 船井総研 塩田:地上6階建ての工場とは非常にユニークですね! 木田工業 木田氏:そうですね。高さのある建物を作ることで、屋上にホイスト(クレーン)を設置し、上層階にも機械を配置できるようにしました。また、内部に階段を設置せず、外部階段と大型エレベーターを利用することで、限られた土地の有効活用を図っています。このような工夫により、工場の効率的な運営が実現できたと考えています。 また、 “工場の運用管理のしやすさ”も新工場の重要なコンセプトの一つです。私たちは人材と設備の両方が重要だと考えており、その両方が掛け算のように作用して売上や利益を生むと考えています。郊外に大規模な工場を建設する選択肢もありましたが、近場に新工場を建てることで、会社としての一体感やコミュニケーションの機会を増やすことができると考えました。 船井総研 塩田:コミュニケーションの機会を増やすことが、企業文化にも良い影響を与えるでしょうね。 木田工業 木田氏:そうですね。弊社の従業員は、大田区近辺から通っている方も多いため、地元の方々に支えられているという意識を強く持っています。社員が働きやすく、ここで働きたいと思える環境を提供することは非常に重要だと考えています。 3. 工場増設に失敗しないための2つのポイント 船井総研 塩田:工場増設に失敗しないためのポイントは何でしょうか? 木田工業 木田氏:新工場の増設にあたって、抑えておくべきポイントは2つあります。1つ目は資金調達です。大きな投資が必要になるため、多くの企業が銀行とのコミュニケーションを取ることになると思います。 銀行と聞くと、着実に仕事を進めてくれるイメージがあります。しかし、銀行の方々も人間ですから、忙しさや案件の難しさから途中で進捗が滞ることもあります。そのため、こちらから進捗を確認し、決済の状況を逐一把握することが重要です。 船井総研 塩田:確かに、資金調達は重要な要素ですね。 木田工業 木田氏:もう一つは、現場から専任のプロジェクト責任者をたてることです。なぜなら… 4.まとめ いかがでしたでしょうか。 今回は、工場新設に成功した木田工業株式会社へのインタビューを紹介させていただきました。 以下に記載のセミナーでは、上記の内容に加え、木田工業株式会社でおこなったプロジェクト管理手法や、売上アップを加速させるDX取り組み事例についても紹介させていただきます。 参加をご希望の方は、以下のバナーをご確認ください。 最後までお読みいただき、ありがとうございました! ■関連するセミナーのご案内 工場新設・増設で売り上げUP!自動化・DX化で利益率向上! セミナー詳細・申込はこちらから↓↓↓ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/119823 今回は、東京都大田区の好立地に工場を新設した、木田工業株式会社・木田翔太室長へのインタビューを紹介いたします! どのようにして新たな工場の設立を決断し、具体的なコンセプトを立てたのか、また工場新設に失敗しないためのポイントについて伺いました。 1. 木田工業株式会社の紹介と工場増設の経緯 船井総研 塩田:今回は、東京都大田区の好立地に新設した工場のコンセプトと、売上25%増を目指す取り組みについて、木田工業株式会社 室長、木田翔大氏にお話を伺います。どうぞよろしくお願いいたします! 木田工業 木田氏:よろしくお願いいたします。 船井総研 塩田:まずは、木田工業株式会社のご紹介をお願いできますでしょうか。 木田工業 木田氏:はい。木田工業株式会社は、東京都大田区に位置する、樹脂の切削加工を行っている会社です。現在、95名の従業員が在籍しており、またエンジニアリングプラスチックやフッ素樹脂製品の精密加工において業界でもトップクラスの設備を持っています。私たちは、機械部品からモデル試作品の製作まで、多品種少量生産を行い、約1500種の製品を自社内で一貫生産しています。 船井総研 塩田:ありがとうございます!それでは、新工場の増設に至った経緯について教えていただけますか? 木田工業 木田氏:承知しました。新工場を建設する決断に至ったのは、コロナの影響で主要顧客の売上が急増したことが大きな要因です。主要顧客の売上増加に伴い外注量が増加し、既存工場だけでは内製が難しくなりました。そのため、もともと駐車場として活用していた土地に新しい工場を建設することを決めました。この決断は、今後のビジネスチャンスを逃さないための大規模な投資と位置付けて、スタートさせました。 船井総研 塩田:事前に土地を取得していたことが、スムーズに工場建設に踏み切る助けになったのですね。 木田工業 木田氏:はい。主要顧客の売上が増加したタイミングで新工場の建設を始められたことは非常にラッキーでした。 2. 新工場のコンセプト 船井総研 塩田:続いて、新工場の具体的なコンセプトについてお伺いできますか? 木田工業 木田氏:新工場のコンセプトは、限られた土地を最大限に活用し、どのように機械を配置するかという点に大きく重点を置きました。正直に申し上げますと、土地はあまり広くなかったため、投資回収を行うためには、売上の基盤となる機械を導入する必要がありました。そこで、建築会社と密に協議を重ね、最終的に地上6階建ての工場を建設することにしました。 船井総研 塩田:地上6階建ての工場とは非常にユニークですね! 木田工業 木田氏:そうですね。高さのある建物を作ることで、屋上にホイスト(クレーン)を設置し、上層階にも機械を配置できるようにしました。また、内部に階段を設置せず、外部階段と大型エレベーターを利用することで、限られた土地の有効活用を図っています。このような工夫により、工場の効率的な運営が実現できたと考えています。 また、 “工場の運用管理のしやすさ”も新工場の重要なコンセプトの一つです。私たちは人材と設備の両方が重要だと考えており、その両方が掛け算のように作用して売上や利益を生むと考えています。郊外に大規模な工場を建設する選択肢もありましたが、近場に新工場を建てることで、会社としての一体感やコミュニケーションの機会を増やすことができると考えました。 船井総研 塩田:コミュニケーションの機会を増やすことが、企業文化にも良い影響を与えるでしょうね。 木田工業 木田氏:そうですね。弊社の従業員は、大田区近辺から通っている方も多いため、地元の方々に支えられているという意識を強く持っています。社員が働きやすく、ここで働きたいと思える環境を提供することは非常に重要だと考えています。 3. 工場増設に失敗しないための2つのポイント 船井総研 塩田:工場増設に失敗しないためのポイントは何でしょうか? 木田工業 木田氏:新工場の増設にあたって、抑えておくべきポイントは2つあります。1つ目は資金調達です。大きな投資が必要になるため、多くの企業が銀行とのコミュニケーションを取ることになると思います。 銀行と聞くと、着実に仕事を進めてくれるイメージがあります。しかし、銀行の方々も人間ですから、忙しさや案件の難しさから途中で進捗が滞ることもあります。そのため、こちらから進捗を確認し、決済の状況を逐一把握することが重要です。 船井総研 塩田:確かに、資金調達は重要な要素ですね。 木田工業 木田氏:もう一つは、現場から専任のプロジェクト責任者をたてることです。なぜなら… 4.まとめ いかがでしたでしょうか。 今回は、工場新設に成功した木田工業株式会社へのインタビューを紹介させていただきました。 以下に記載のセミナーでは、上記の内容に加え、木田工業株式会社でおこなったプロジェクト管理手法や、売上アップを加速させるDX取り組み事例についても紹介させていただきます。 参加をご希望の方は、以下のバナーをご確認ください。 最後までお読みいただき、ありがとうございました! ■関連するセミナーのご案内 工場新設・増設で売り上げUP!自動化・DX化で利益率向上! セミナー詳細・申込はこちらから↓↓↓ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/119823

ロボットによる自動化とは?メリットや導入事例3選をわかりやすく解説!

2024.09.13

1.ロボットによる自動化とは? ロボットによる自動化とは、製造プロセスの一部または全体において、人手による作業を機械やロボットによって自動化する取り組みを指します。これにより、生産性の向上、品質の安定化、作業環境の改善などをおこなうことができます。 自動化の対象は、部品の搬送や組立て、溶接、塗装、検査など、製造のあらゆる工程が含まれます。また、生産の直接工程だけでなく、在庫管理や製造指示の発行といった間接工程についても自動化が可能です。ロボットを導入することで、作業の精度やスピードが向上し、24時間無休での連続稼働が実現できるため、生産性の飛躍的な向上が期待できます。 2.ロボットで自動化をおこなうメリット ロボットの自動化には大きなメリットがあります。主なものとして以下の3点が挙げられます。 工場の自動化を行うメリット①:飛躍的な生産性の向上 自動化ラインでは24時間無休の連続稼働が可能で、機械の動作スピードと精度の高さから人手を遥かに上回る生産性が見込めます。動作速度の遅い協働ロボットを使ったとしても、夜間稼働や休日稼働を行うことで、生産性を向上させることができます。 工場の自動化を行うメリット②:製品品質の均一化と不良率低減 人手作業では熟練度の差により品質のばらつきが避けられませんが、自動化ラインは完全にプログラムに基づいて動作するため、均一で高い品質を実現できます。また、検査工程の自動化も相まってさらなる不良低減も期待できます。近年ではAIの技術が進歩し、従来では自動検査が難しかった製品においても、自動化・不良率の低減を行うことが可能になっています。 工場の自動化を行うメリット③:安全性と労働環境の改善 危険度や負荷が高い作業を従業員におこなわせてしまっている…そんな企業様は一定数存在しているのではないでしょうか。 自動化をすることができれば、危険な作業や重労働から作業員を解放できるため、安全性が大きく向上します。特に、溶接や有害物質を扱う工程などでの恩恵は計り知れません。作業環境を整えることで、人材採用や人が辞めない環境づくりを行うことができます。 3.ロボットで自動化をおこなうためのプロセス 工場の自動化を実現するためには、以下のような流れが一般的です。 図工場の自動化フロー図工場の自動化フロー 特に重要なのは、「7.要求仕様書の作成」です。 要求仕様書とは、自動化のために必要な仕様をSIerに要求する仕様書のことを指します。 適切な要求仕様書を作ることができなければ、要件が曖昧になり、トラブルが発生する可能性が高まります。 作成難易度が非常に高い要求仕様書ですが、適切な要求仕様書が作成できなければ、思い描くような自動化をおこなうことはできません。 ⇒関連記事:「要件定義書」と「要求仕様書・RFP」の違いとは!?基本の流れと重要性、記載内容について解説! 4.工場自動化成功事例3選 次に、工場自動化の実際の成功事例を3つご紹介します。 工場の自動化成功事例①:A社 自動バリ取りロボットA社ではロボットを使うことによって、工数がかかっていたバリ取り作業の自動化に成功しました。業種と自動化効果、投資金額は以下のようになっています。 業種 セラミック製品製造 自動化効果 年間工数1019時間削減・生産性167%増 投資金額 1800万円+6軸ロボット費用 A社の成功事例の特徴は、画像認識によりバリ取りパスを自動で生成している点です。 自動生成されたパスに沿ってロボットが動作するため、品種ごとにティーチングプログラムを作成する必要がなく、超多品種少量生産に対応することができます。 本来ロボットを稼働させる際は、ティーチングと呼ばれるロボットのプログラムを人が作成する必要があります。 そのためロボットでさまざまな製品の加工をおこなおうとすると、その数だけティーチングをおこなう必要があります。 A社では、画像認識による自動プログラム作成を採用しているため、作業員が治具に製品を置けば、ロボットが自動でバリ取りをおこなってくれます。 工場の自動化成功事例②:S社 協働ロボットS社では、協働ロボットを使うことによって、加工機へのワーク投入作業の自動化に成功しました。 業種 樹脂切削加工品製造 自動化効果 年間工数1200時間削減 投資金額 500万円 S社の成功事例の特徴は、SIerなしでロボット導入を行った点です。 ロボット導入のネックになりがちな費用として、SIer費用があげられます。(S社でロボット導入を検討した際は、ロボット本体代金のほかにSIer費用が1000万円近く見積もられていました。) S社では、自社で内製化することで、SIer費用を押さえながらロボット活用を行うことに成功しました。 内製化の利点は、自動化品種の追加や、製造ラインの変更に比較的容易に対応できることです。 ロボット立ち上げ時に、技術的な開発部分をSIerに任せてしまうと、新たに品種追加を行う際はさらにSIerに費用を払わなくてはなりません。 内製化は時間も工数もかかりますが、中長期的に見れば経営効果は高いでしょう。 また、この会社様は従業員数10名以下の会社様のため、1日数時間だけ単純作業を自動化するだけでも、高い自動化効果を発揮することができます。 従業員数が少なくなればなるほど捻出される時間の価値が高まるため、ロボット活用は事業規模が小さい会社様ほど効果を発揮できるといえます。 ⇒関連記事:日本&海外の協働ロボットメーカー16社の特徴を紹介! ⇒関連記事:協働ロボットの特徴と導入事例 工場の自動化成功事例③:C社 溶接ロボット・研磨ロボットC社では、高い品質が求められる製品において、溶接工程と研磨工程の自動化に成功しました。 業種 鈑金溶接品製造 自動化効果 溶接・研磨の熟練技術の継承に成功 投資金額 7700万円(うち4000万円は補助金) C社の成功事例の特徴は、非常に難易度の高い薄板ステンレスのTIG溶接と鏡面研磨を最新技術を活用して自動化した点です。 さらに投資金額7700万円のうち4000万円は事業再構築補助金を活用することにより投資コストを抑えています。 薄板のTIG溶接は非常に熟練度が要求される作業であり、早い人でも製品として出荷できるレベルに達するまでには5年はかかる職人技術と言われています。 また、C社の製品における研磨工程は鏡面仕上げとなっており相当の工数がかかっている状態でした。 これら難易度の高い職人技術を6軸力覚、加速度、位置センサー、アクティブ・コンプライアンス制御技術を用いて自動化に成功しました。 さらに事例の詳細について気になる方は、1時間程度の無料相談会を活用ください。 HP上には記載しきれていない、成功事例の詳細や、自動化に関する情報を余すことなくご提供させていただきます。 5.まとめ ロボットを活用した自動化は、製造業における生産性の向上や品質の安定化、そして労働環境の改善に大きな影響を与えます。上記の事例からもわかるように、さまざまな業種において成功が確認されており、導入による効果は計り知れません。ただし、これらのような自動化を成功させるためには、適切なプロセスと細部にまでわたる計画が必要不可欠です。 船井総研では、工場におけるロボット導入・自動化コンサルティングをおこなっております。 ロボットを導入したいけど、進め方がわからない。。 ロボット導入にトライしてみたが、結局うまくいかなかった。。 自社に最適なロボット導入がしたい。。 上記のような想いをお持ちの方は、1時間程度の無料相談会を活用ください。 自動化専門のコンサルタントが、対応させていただきます。 1.ロボットによる自動化とは? ロボットによる自動化とは、製造プロセスの一部または全体において、人手による作業を機械やロボットによって自動化する取り組みを指します。これにより、生産性の向上、品質の安定化、作業環境の改善などをおこなうことができます。 自動化の対象は、部品の搬送や組立て、溶接、塗装、検査など、製造のあらゆる工程が含まれます。また、生産の直接工程だけでなく、在庫管理や製造指示の発行といった間接工程についても自動化が可能です。ロボットを導入することで、作業の精度やスピードが向上し、24時間無休での連続稼働が実現できるため、生産性の飛躍的な向上が期待できます。 2.ロボットで自動化をおこなうメリット ロボットの自動化には大きなメリットがあります。主なものとして以下の3点が挙げられます。 工場の自動化を行うメリット①:飛躍的な生産性の向上 自動化ラインでは24時間無休の連続稼働が可能で、機械の動作スピードと精度の高さから人手を遥かに上回る生産性が見込めます。動作速度の遅い協働ロボットを使ったとしても、夜間稼働や休日稼働を行うことで、生産性を向上させることができます。 工場の自動化を行うメリット②:製品品質の均一化と不良率低減 人手作業では熟練度の差により品質のばらつきが避けられませんが、自動化ラインは完全にプログラムに基づいて動作するため、均一で高い品質を実現できます。また、検査工程の自動化も相まってさらなる不良低減も期待できます。近年ではAIの技術が進歩し、従来では自動検査が難しかった製品においても、自動化・不良率の低減を行うことが可能になっています。 工場の自動化を行うメリット③:安全性と労働環境の改善 危険度や負荷が高い作業を従業員におこなわせてしまっている…そんな企業様は一定数存在しているのではないでしょうか。 自動化をすることができれば、危険な作業や重労働から作業員を解放できるため、安全性が大きく向上します。特に、溶接や有害物質を扱う工程などでの恩恵は計り知れません。作業環境を整えることで、人材採用や人が辞めない環境づくりを行うことができます。 3.ロボットで自動化をおこなうためのプロセス 工場の自動化を実現するためには、以下のような流れが一般的です。 図工場の自動化フロー図工場の自動化フロー 特に重要なのは、「7.要求仕様書の作成」です。 要求仕様書とは、自動化のために必要な仕様をSIerに要求する仕様書のことを指します。 適切な要求仕様書を作ることができなければ、要件が曖昧になり、トラブルが発生する可能性が高まります。 作成難易度が非常に高い要求仕様書ですが、適切な要求仕様書が作成できなければ、思い描くような自動化をおこなうことはできません。 ⇒関連記事:「要件定義書」と「要求仕様書・RFP」の違いとは!?基本の流れと重要性、記載内容について解説! 4.工場自動化成功事例3選 次に、工場自動化の実際の成功事例を3つご紹介します。 工場の自動化成功事例①:A社 自動バリ取りロボットA社ではロボットを使うことによって、工数がかかっていたバリ取り作業の自動化に成功しました。業種と自動化効果、投資金額は以下のようになっています。 業種 セラミック製品製造 自動化効果 年間工数1019時間削減・生産性167%増 投資金額 1800万円+6軸ロボット費用 A社の成功事例の特徴は、画像認識によりバリ取りパスを自動で生成している点です。 自動生成されたパスに沿ってロボットが動作するため、品種ごとにティーチングプログラムを作成する必要がなく、超多品種少量生産に対応することができます。 本来ロボットを稼働させる際は、ティーチングと呼ばれるロボットのプログラムを人が作成する必要があります。 そのためロボットでさまざまな製品の加工をおこなおうとすると、その数だけティーチングをおこなう必要があります。 A社では、画像認識による自動プログラム作成を採用しているため、作業員が治具に製品を置けば、ロボットが自動でバリ取りをおこなってくれます。 工場の自動化成功事例②:S社 協働ロボットS社では、協働ロボットを使うことによって、加工機へのワーク投入作業の自動化に成功しました。 業種 樹脂切削加工品製造 自動化効果 年間工数1200時間削減 投資金額 500万円 S社の成功事例の特徴は、SIerなしでロボット導入を行った点です。 ロボット導入のネックになりがちな費用として、SIer費用があげられます。(S社でロボット導入を検討した際は、ロボット本体代金のほかにSIer費用が1000万円近く見積もられていました。) S社では、自社で内製化することで、SIer費用を押さえながらロボット活用を行うことに成功しました。 内製化の利点は、自動化品種の追加や、製造ラインの変更に比較的容易に対応できることです。 ロボット立ち上げ時に、技術的な開発部分をSIerに任せてしまうと、新たに品種追加を行う際はさらにSIerに費用を払わなくてはなりません。 内製化は時間も工数もかかりますが、中長期的に見れば経営効果は高いでしょう。 また、この会社様は従業員数10名以下の会社様のため、1日数時間だけ単純作業を自動化するだけでも、高い自動化効果を発揮することができます。 従業員数が少なくなればなるほど捻出される時間の価値が高まるため、ロボット活用は事業規模が小さい会社様ほど効果を発揮できるといえます。 ⇒関連記事:日本&海外の協働ロボットメーカー16社の特徴を紹介! ⇒関連記事:協働ロボットの特徴と導入事例 工場の自動化成功事例③:C社 溶接ロボット・研磨ロボットC社では、高い品質が求められる製品において、溶接工程と研磨工程の自動化に成功しました。 業種 鈑金溶接品製造 自動化効果 溶接・研磨の熟練技術の継承に成功 投資金額 7700万円(うち4000万円は補助金) C社の成功事例の特徴は、非常に難易度の高い薄板ステンレスのTIG溶接と鏡面研磨を最新技術を活用して自動化した点です。 さらに投資金額7700万円のうち4000万円は事業再構築補助金を活用することにより投資コストを抑えています。 薄板のTIG溶接は非常に熟練度が要求される作業であり、早い人でも製品として出荷できるレベルに達するまでには5年はかかる職人技術と言われています。 また、C社の製品における研磨工程は鏡面仕上げとなっており相当の工数がかかっている状態でした。 これら難易度の高い職人技術を6軸力覚、加速度、位置センサー、アクティブ・コンプライアンス制御技術を用いて自動化に成功しました。 さらに事例の詳細について気になる方は、1時間程度の無料相談会を活用ください。 HP上には記載しきれていない、成功事例の詳細や、自動化に関する情報を余すことなくご提供させていただきます。 5.まとめ ロボットを活用した自動化は、製造業における生産性の向上や品質の安定化、そして労働環境の改善に大きな影響を与えます。上記の事例からもわかるように、さまざまな業種において成功が確認されており、導入による効果は計り知れません。ただし、これらのような自動化を成功させるためには、適切なプロセスと細部にまでわたる計画が必要不可欠です。 船井総研では、工場におけるロボット導入・自動化コンサルティングをおこなっております。 ロボットを導入したいけど、進め方がわからない。。 ロボット導入にトライしてみたが、結局うまくいかなかった。。 自社に最適なロボット導入がしたい。。 上記のような想いをお持ちの方は、1時間程度の無料相談会を活用ください。 自動化専門のコンサルタントが、対応させていただきます。

デンソーウェーブ流・組立作業の自動化手法!

2024.09.11

いつもご愛読いただきありがとうございます。 今回は、デンソーウェーブでおこなっている組み立て工程の自動化事例についてご紹介いたします。 自社の組み立て工程において自動化を検討している方は、是非ご覧ください。 1.デンソーウェーブ流・自動化/ものづくりの思想 ロボット・IoTを導入すれば、どの企業でも生産性が上がって省人化ができるのでしょうか?答えは「No」です。どこまでいっても、現場を強くするのは、「人」。ロボットや設備をただ導入しても、生産性はあがりません。前後工程の流れを整え、動作や手待ちなどのあらゆるムダを省き、日々改善していく。工程全体を俯瞰した視点が、生産性向上には不可欠です。また、環境の変化や急なトラブルに柔軟に対応できる「人」こそが、 強い現場をつくるといえます。 また、近年の自動化の動向として「Lean Automation」が挙げられます。 以下に模式図を示します。 Lean Automationは、合理化・自動化・改善の3つのステップにわけることができます。 ①合理化:現場作業のムダをなくすステップ。現状をそのまま自動化するとムダも含めて自動化してしまうため、まずは自動化の前に人作業のムダを徹底排除する。 ②自動化:人手作業を自動化するステップ。 ③改善:導入効果を最大限高めるための改善をおこなうステップ。機械だけでなく人の能力も活かした改善によって、人と機械が共に成長し続ける、現場の進化に取り組みむ。 自動化といっても、その導入効果を最大化させるためには、「人」の出せる能力・価値を最大限引き出していくことが重要です。 2.デンソーウェーブ工場でも活用されている協働ロボット活用事例 今回は、10月に行われる組立工程自動化セミナーでご紹介する事例を一部抜粋してご紹介いたします。 本事例は、ICカードリーダー製造における組立・検査工程を自動化した事例です。 詳しくはセミナーにてご紹介しますが、本事例は以下のようなさまざまな工夫がこらされている事例です。 ロボットの周囲にさまざまなハンドを置き、適宜付け替えをおこなうことでロボットを“多能工化“ 動力なしで協働ロボットを移動させ、動作範囲を拡大 (可動式の台に協働ロボットを設置して実現) レゴブロックで治具を代用し、設備設計工数を大幅に削減 ロボット本体の能力ももちろん重要ですが、それ以上に“前工程からの作りこみ・工夫による設備価格の低減”で人作業を自働化する事に成功しています。 3.さいごに いかがでしたでしょうか? 組み立て工程における自動化事例がもっと知りたい! デンソーウェーブにおける自動化取り組み事例、COBOTTA活用事例がもっと知りたい! と感じた方は、以下のセミナーをご受講ください。ゲストに株式会社デンソーウェーブ 山崎氏をお招きしており、さまざまな自動化事例を短時間でインプットすることができます。 以上となります。最後までお読みいただきありがとうございました。 ■関連するセミナーのご案内 多品種少量生産製造業のための組立・組付け工程の自動化セミナー セミナー詳細・申込はこちらから↓↓↓ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/117937 いつもご愛読いただきありがとうございます。 今回は、デンソーウェーブでおこなっている組み立て工程の自動化事例についてご紹介いたします。 自社の組み立て工程において自動化を検討している方は、是非ご覧ください。 1.デンソーウェーブ流・自動化/ものづくりの思想 ロボット・IoTを導入すれば、どの企業でも生産性が上がって省人化ができるのでしょうか?答えは「No」です。どこまでいっても、現場を強くするのは、「人」。ロボットや設備をただ導入しても、生産性はあがりません。前後工程の流れを整え、動作や手待ちなどのあらゆるムダを省き、日々改善していく。工程全体を俯瞰した視点が、生産性向上には不可欠です。また、環境の変化や急なトラブルに柔軟に対応できる「人」こそが、 強い現場をつくるといえます。 また、近年の自動化の動向として「Lean Automation」が挙げられます。 以下に模式図を示します。 Lean Automationは、合理化・自動化・改善の3つのステップにわけることができます。 ①合理化:現場作業のムダをなくすステップ。現状をそのまま自動化するとムダも含めて自動化してしまうため、まずは自動化の前に人作業のムダを徹底排除する。 ②自動化:人手作業を自動化するステップ。 ③改善:導入効果を最大限高めるための改善をおこなうステップ。機械だけでなく人の能力も活かした改善によって、人と機械が共に成長し続ける、現場の進化に取り組みむ。 自動化といっても、その導入効果を最大化させるためには、「人」の出せる能力・価値を最大限引き出していくことが重要です。 2.デンソーウェーブ工場でも活用されている協働ロボット活用事例 今回は、10月に行われる組立工程自動化セミナーでご紹介する事例を一部抜粋してご紹介いたします。 本事例は、ICカードリーダー製造における組立・検査工程を自動化した事例です。 詳しくはセミナーにてご紹介しますが、本事例は以下のようなさまざまな工夫がこらされている事例です。 ロボットの周囲にさまざまなハンドを置き、適宜付け替えをおこなうことでロボットを“多能工化“ 動力なしで協働ロボットを移動させ、動作範囲を拡大 (可動式の台に協働ロボットを設置して実現) レゴブロックで治具を代用し、設備設計工数を大幅に削減 ロボット本体の能力ももちろん重要ですが、それ以上に“前工程からの作りこみ・工夫による設備価格の低減”で人作業を自働化する事に成功しています。 3.さいごに いかがでしたでしょうか? 組み立て工程における自動化事例がもっと知りたい! デンソーウェーブにおける自動化取り組み事例、COBOTTA活用事例がもっと知りたい! と感じた方は、以下のセミナーをご受講ください。ゲストに株式会社デンソーウェーブ 山崎氏をお招きしており、さまざまな自動化事例を短時間でインプットすることができます。 以上となります。最後までお読みいただきありがとうございました。 ■関連するセミナーのご案内 多品種少量生産製造業のための組立・組付け工程の自動化セミナー セミナー詳細・申込はこちらから↓↓↓ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/117937

AI類似図面検索システムとは?メリットとシステム選定基準について解説!

2024.09.10

1.AI 類似図面検索システムとは? 近年、製造業においてAI活用したサービスの一つとして「AI類似図面検索システム」が広まっています。多品種少量生産では「過去の類似品」を探して、参考にしながら見積りを検討するといったことが日常的に起こっています。 しかしながら、この「過去案件の検索業務」を効率よく出来るようになっている会社は少ないように感じます。個人PCでのExcel、サーバーによるファイル管理もしくは紙でのファイル管理・・・・ 過去案件は会社全体の知識にも関わらず、社員の誰もが簡単に閲覧できるようにはなっていないようです。 Excelや紙のままでは、作成した担当者はわかっても、他の担当者からではわかりません。 情報を知っている人を探して歩き回るということはどこでもよく耳にする話です。 情報が共有されているようで実は共有できていないです。 この課題について解決する方法は、ものづくり(案件)に関する全て情報をデータベース化することで、「いつでも」「誰でも」「簡単に」情報が閲覧できる仕組みが構築することです。 さらに、そのデータベースからAIを活用して過去の類似した図面から様々な情報を検索できるのが「AI類似図面検索システム」です。これらのサービスは見積り業務におけるサービスとして提供されていることが多くありますが、実は調達、設計、製造、品質保証など、どの部門においても「過去の図面・情報を探す」ということが起こっており、さまざまな部門にて活躍できるサービスとなっています。 2.AI類似図面検索システムのメリット5選 1.過去情報共有による業務効率アップ 「データがあるけど、取り出せない」という状況は多くあります。この状況は「データはあるけど、何が・どこにあるのか?は知っている人しか知らない」ということです。そもそも検索できるようになっていないかもしれませんし、検索できるようになっていても、検索キーワードが分からないから検索できない。ということもあるかもしれません。 AI類似図面検索システムにより「いつもで」「誰でも」「簡単に」過去情報を取得することが出来、「その情報を知っていたら、すぐに対応できたのに・・・・」という(ストレスになる)情報共有の不備から発生する無駄な時間が削減され、業務効率アップにつながります。 2.AI検索による検索の簡易化 文言だけの検索は、その案件の内容が分かっていないと検索することも出来ません。検索スキル自体、実は属人化しているのです。 AIによる類似図面検索は、経験・知識に関係なく、図面をアップロードするだけなので、「誰でも」「簡単に」過去の情報を取得することが出来ます。また、図面だけではなく、図面&顧客等様々な項目でAND検索することが出来ます。 3.見積り回答リードタイム短縮による受注率アップ 業種にもよりますが、一般的には、見積り回答期間と受注率には相関関係があります。当然、見積り回答が早いほど、受注率が高くなる傾向があります。見積り回答が遅い場合、顧客の検討テーブルから落ちる可能性は高くなります。 情報共有&検索の簡易化により、簡単に過去案件を参照して、早期に見積もり回答することで、受注率アップが期待出来ます。 4.人材教育の早期育成アップ 情報が共有されることにより、人材育成もしやすくなります。情報がバラバラのままでは、新人若手はなかなか覚えるのが大変で、「バラバラの情報を探すスキル」や「知っている人を知るスキル」を身に着けるという無駄な時間が発生します。先輩社員も教えるのが大変です。お互いに大変な思いをしているのです。情報を一元管理することで、新人若手でも業務がわかりやすくなり、早期育成にもつながります。また、早期育成は先輩社員の負担も減らすことにもなります。 5.営業は新規開拓に注力できる 見積り業務が効率化されることで、営業部門は本来すべき「新規開拓」に注力することが出来るようになります。新規開拓に注力できる=利益アップに直結します。 3.AI類似図面検索の仕組み AI類似図面検索はAIを活用して類似図面を検索する仕組みです。したがって、事前準備として、社内過去の図面データ(PDF)と、製品の見積り、営業情報・生産情報などをあらかじめ紐づけておく必要あります。これにより、AIにより見つかった類似図面と一緒に付属データを呼び出すことが出来ます。 例えば、営業マンがこれから見積りしたいXの図面について、過去の類似がないか検索する場合は、システムから、顧客から提供された図面データを読み込みます。すると、データベースから類似図面をAIが検索していきます。 類似図面が見つかれば、図面と一緒に紐づいた見積・営業情報を表示させます。 これにより、過去の類似図面と見積・営業情報などを簡単に検索できるシステムとなります。 4.図面の対象と検索方法 「AI類似図面検索システム」の対象図面はPDF,3Dなどを対象にしたサービスが多くあります。ただ、1つのサービスでPDF,3D図面両方に対応しているサービスはありません。どちらかに特化したサービスになっているものがほとんどです。 以下、検索画面の一例ですが、メイン画面で、対象図面のアップロードと検索条件の入力、検索結果が表示されます。検索条件は各サービス特徴があり、項目や検索性で検討が必要になります。どのサービスも使い方が難しいものはなく、誰でも利用しやすいUIとなっています。 5.システム選定基準 AI類似図面検索システムにおいては、近年パッケージ品のラインナップも増えてきており、各社機能も充実してきています。これらは主にPDFや3D図面から類似図面を検索するものが主流となっています。各ベンダーにてデモも相談できますので、自社の状況について相談するのも良いでしょう。また、パッケージ品の場合は、機能拡張に制限がございます。パッケージ製品で対応が難しいや自社オリジナルで開発したい場合は、スクラッチで開発することも可能です。 6.まとめ 類似図面検索システムについては、パッケージ製品、オリジナル開発様々なアプローチ方法があります。どのアプローチが貴社に合いそうなのかなど、不明点がございましたらお気軽にご相談下さい。類似図面検索システム限らず、 【製造業での悩み・困っていること・相談したい】について、何でも船井総研にご相談下さい。 1.AI 類似図面検索システムとは? 近年、製造業においてAI活用したサービスの一つとして「AI類似図面検索システム」が広まっています。多品種少量生産では「過去の類似品」を探して、参考にしながら見積りを検討するといったことが日常的に起こっています。 しかしながら、この「過去案件の検索業務」を効率よく出来るようになっている会社は少ないように感じます。個人PCでのExcel、サーバーによるファイル管理もしくは紙でのファイル管理・・・・ 過去案件は会社全体の知識にも関わらず、社員の誰もが簡単に閲覧できるようにはなっていないようです。 Excelや紙のままでは、作成した担当者はわかっても、他の担当者からではわかりません。 情報を知っている人を探して歩き回るということはどこでもよく耳にする話です。 情報が共有されているようで実は共有できていないです。 この課題について解決する方法は、ものづくり(案件)に関する全て情報をデータベース化することで、「いつでも」「誰でも」「簡単に」情報が閲覧できる仕組みが構築することです。 さらに、そのデータベースからAIを活用して過去の類似した図面から様々な情報を検索できるのが「AI類似図面検索システム」です。これらのサービスは見積り業務におけるサービスとして提供されていることが多くありますが、実は調達、設計、製造、品質保証など、どの部門においても「過去の図面・情報を探す」ということが起こっており、さまざまな部門にて活躍できるサービスとなっています。 2.AI類似図面検索システムのメリット5選 1.過去情報共有による業務効率アップ 「データがあるけど、取り出せない」という状況は多くあります。この状況は「データはあるけど、何が・どこにあるのか?は知っている人しか知らない」ということです。そもそも検索できるようになっていないかもしれませんし、検索できるようになっていても、検索キーワードが分からないから検索できない。ということもあるかもしれません。 AI類似図面検索システムにより「いつもで」「誰でも」「簡単に」過去情報を取得することが出来、「その情報を知っていたら、すぐに対応できたのに・・・・」という(ストレスになる)情報共有の不備から発生する無駄な時間が削減され、業務効率アップにつながります。 2.AI検索による検索の簡易化 文言だけの検索は、その案件の内容が分かっていないと検索することも出来ません。検索スキル自体、実は属人化しているのです。 AIによる類似図面検索は、経験・知識に関係なく、図面をアップロードするだけなので、「誰でも」「簡単に」過去の情報を取得することが出来ます。また、図面だけではなく、図面&顧客等様々な項目でAND検索することが出来ます。 3.見積り回答リードタイム短縮による受注率アップ 業種にもよりますが、一般的には、見積り回答期間と受注率には相関関係があります。当然、見積り回答が早いほど、受注率が高くなる傾向があります。見積り回答が遅い場合、顧客の検討テーブルから落ちる可能性は高くなります。 情報共有&検索の簡易化により、簡単に過去案件を参照して、早期に見積もり回答することで、受注率アップが期待出来ます。 4.人材教育の早期育成アップ 情報が共有されることにより、人材育成もしやすくなります。情報がバラバラのままでは、新人若手はなかなか覚えるのが大変で、「バラバラの情報を探すスキル」や「知っている人を知るスキル」を身に着けるという無駄な時間が発生します。先輩社員も教えるのが大変です。お互いに大変な思いをしているのです。情報を一元管理することで、新人若手でも業務がわかりやすくなり、早期育成にもつながります。また、早期育成は先輩社員の負担も減らすことにもなります。 5.営業は新規開拓に注力できる 見積り業務が効率化されることで、営業部門は本来すべき「新規開拓」に注力することが出来るようになります。新規開拓に注力できる=利益アップに直結します。 3.AI類似図面検索の仕組み AI類似図面検索はAIを活用して類似図面を検索する仕組みです。したがって、事前準備として、社内過去の図面データ(PDF)と、製品の見積り、営業情報・生産情報などをあらかじめ紐づけておく必要あります。これにより、AIにより見つかった類似図面と一緒に付属データを呼び出すことが出来ます。 例えば、営業マンがこれから見積りしたいXの図面について、過去の類似がないか検索する場合は、システムから、顧客から提供された図面データを読み込みます。すると、データベースから類似図面をAIが検索していきます。 類似図面が見つかれば、図面と一緒に紐づいた見積・営業情報を表示させます。 これにより、過去の類似図面と見積・営業情報などを簡単に検索できるシステムとなります。 4.図面の対象と検索方法 「AI類似図面検索システム」の対象図面はPDF,3Dなどを対象にしたサービスが多くあります。ただ、1つのサービスでPDF,3D図面両方に対応しているサービスはありません。どちらかに特化したサービスになっているものがほとんどです。 以下、検索画面の一例ですが、メイン画面で、対象図面のアップロードと検索条件の入力、検索結果が表示されます。検索条件は各サービス特徴があり、項目や検索性で検討が必要になります。どのサービスも使い方が難しいものはなく、誰でも利用しやすいUIとなっています。 5.システム選定基準 AI類似図面検索システムにおいては、近年パッケージ品のラインナップも増えてきており、各社機能も充実してきています。これらは主にPDFや3D図面から類似図面を検索するものが主流となっています。各ベンダーにてデモも相談できますので、自社の状況について相談するのも良いでしょう。また、パッケージ品の場合は、機能拡張に制限がございます。パッケージ製品で対応が難しいや自社オリジナルで開発したい場合は、スクラッチで開発することも可能です。 6.まとめ 類似図面検索システムについては、パッケージ製品、オリジナル開発様々なアプローチ方法があります。どのアプローチが貴社に合いそうなのかなど、不明点がございましたらお気軽にご相談下さい。類似図面検索システム限らず、 【製造業での悩み・困っていること・相談したい】について、何でも船井総研にご相談下さい。

組み立てロボットとは?メリットや3つの成功事例を解説!

2024.07.26

製造業においては、労働生産性の向上やコスト削減、品質の一貫性確保といった課題に直面している企業様も多いのではないでしょうか。 本記事では、組み立てロボットの基本概念、導入のメリット、そして成功事例について解説します。貴社の情報収取の一助になれば幸いでございます。 1.組み立てロボットとは 組み立て工程におけるロボットは、製造分野で使用される自動化機械の一種です。 このロボットは、精密な作業を迅速かつ正確に行う能力があり、製造業における作業効率と生産性の向上に大きく貢献しています。主に自動車、電子機器、家電製品の製造など、複雑な組み立て作業が求められる産業で活用されており、人間の作業員が行うには時間がかかる作業や危険を伴う作業を代行することで、安全性の向上とコスト削減を実現しています。 2.組み立てロボット導入のメリットとは 組み立てロボットの導入による主なメリットは、以下の3つに集約されます。 2-1.組み立てロボット導入のメリット①:ヒューマンエラーの防止 組み立てロボットは教示された命令に従って作業をおこないます。 これにより、人間の操作による間違いや誤動作の発生頻度を極めて少なくすることができます。 人間がおこなう作業は、疲労や注意散漫、経験の不足によるミスが発生しやすいですが、ロボットはこれらの要因に影響されることなく、一定品質の作業を実行することができます。 よって、ロボット導入をおこなうことで製造過程でのヒューマンエラーを大幅に削減することが可能となり、さらには製品の不良率減少、包括的な品質保証、顧客満足度の向上を見込むことができます。 2-2.組み立てロボット導入のメリット②:生産性の向上 自動化効果の出る構想設計をおこなうことを前提にすれば、組み立てロボットは効率的且つ正確に作業をおこなう能力を持っています。 これにより、製造ラインのスループットが大幅に向上し、より多くの製品を短時間で生産することが可能になります。 また、ロボットは人間と異なり、疲労や休憩の必要がないため、24時間体制での連続運転を実現することも可能です。 需要の高い業種や大量生産が求められる業種において、企業の収益性を大きく向上させる要因となります。 2-3.組み立てロボット導入のメリット③:人的コストの削減 ロボット導入をおこなうことで、人件費の大幅な削減を見込むことができます。 さらに、ロボットによる自動化が進むと、人間はより専門的で創造的な業務に集中することができます。 特に単調で繰り返しの多い作業や物理的に負担の大きい作業をロボットが担うことができれば、労働力を効率的に配分し、企業全体の生産性の向上を図ることができます。 また、労働災害のリスクが減少することで、関連する保険料や健康管理コストの削減にも繋がります。 これらのメリットにより、組み立てロボットは製造業のコスト効率の向上、生産性の向上、そして製品品質の一貫性と信頼性の強化に大きく寄与します。 これにより、企業は競争力を維持し、市場での優位性を確保するための重要な手段を得ることができます。 3.組み立てロボット導入成功事例3選 続いて、組み立てロボットの導入に成功した3社の事例についてご紹介します。 3-1.組み立てロボット導入成功事例①:グローリー株式会社 グローリー株式会社では、レジ釣銭機用部品の組立・検査工程にロボット導入し、自動化に成功しました。 従来は人手による柔軟な作業方式で生産をおこなっていましたが、労働力不足・競争力の確保を背景として、ロボット導入に踏み切りました。 結果として5名の省人化に成功し、労働生産性を2倍に引き上げました。 自動化効果は以下のようになっています。 (引用 ロボット活用ナビ レジ釣銭機用部品の組立・検査工程にロボット導入) 3-2.組み立てロボット導入成功事例②:コーセーエンジニアリング株式会社 コーセーエンジニアリング株式会社では、ワイヤーハーネスの製造工程において自動化に成功しました。 具体的には、電線へのリング取付―マークチューブ取付―被覆を剥ぐ―端子取付―圧着までを全て人手作業からロボットによる作業に置き換えました。 結果的に、3名の省人化に成功しています。 さらに、属人性を排除することが可能となったため、品質不良の削減もおこおなうことができました。 自動化効果は以下のようになっています。 (引用 ロボット活用ナビ ワイヤーハーネスの製造工程にロボット導入) 3-3.組み立てロボット導入成功事例③:株式会社山本電機製作所 山本電機製作所株式会社では、MEMSセンサ基盤のアッセンブリ工程において、ロボット導入に成功しました。具体的には、人手でおこなっていたワークの供給・排出作業や、接着材塗布のスイッチ操作を自動化しました。 自動化効果は以下のようになっています。 (引用 ロボット活用ナビ MEMSセンサ基板のアッセンブリ工程のロボット化による量産化実現) 4.まとめ いかがでしたでしょうか?ここまで組み立てロボットの概要とメリット、そして成功事例を紹介いたしました。組み立てロボットをうまく活用することができれば、その導入は労働生産性の向上、品質の安定化、そして人的コストの削減といった複数の面で顕著な効果をもたらします。 組み立てロボットの導入は、単に作業を自動化すること以上の価値を持っています。 それは、企業が市場での競争力を維持し、経済的な持続可能性を実現するための戦略的な選択と言えるでしょう。 さらに組み立てロボットについて情報収集をご希望の方は以下のセミナーページ、レポートページをご参照ください。 最後までお読みいただきありがとうございました。 ■関連するセミナーのご案内 多品種少量生産製造業のための組立・組付け工程の自動化セミナー セミナー詳細・申込はこちらから↓↓↓ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/117937 ■組立工程のロボット活用成功事例解説レポート ▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼ https://www.funaisoken.co.jp/dl-contents/smart-factory__00794 目次 1、多品種な複数部品の組み合わせによるパネル生産の自動化! 2、形状も材質も違う複数材料を一つのロボットでハンドリング! 3、部品形状に合わせた接着材を塗工し自動で貼り付け! レポートの内容 従来では特定の人員が手作業で行っていたパネルの組立作業の自動化に成功。 多品種かつ部品点数多い・更に接着材の塗布と正確な位置への部品貼り付け等、様々な難題をクリアして構築したシステム。 本レポートではこれらの一部をご紹介致します。 製造業においては、労働生産性の向上やコスト削減、品質の一貫性確保といった課題に直面している企業様も多いのではないでしょうか。 本記事では、組み立てロボットの基本概念、導入のメリット、そして成功事例について解説します。貴社の情報収取の一助になれば幸いでございます。 1.組み立てロボットとは 組み立て工程におけるロボットは、製造分野で使用される自動化機械の一種です。 このロボットは、精密な作業を迅速かつ正確に行う能力があり、製造業における作業効率と生産性の向上に大きく貢献しています。主に自動車、電子機器、家電製品の製造など、複雑な組み立て作業が求められる産業で活用されており、人間の作業員が行うには時間がかかる作業や危険を伴う作業を代行することで、安全性の向上とコスト削減を実現しています。 2.組み立てロボット導入のメリットとは 組み立てロボットの導入による主なメリットは、以下の3つに集約されます。 2-1.組み立てロボット導入のメリット①:ヒューマンエラーの防止 組み立てロボットは教示された命令に従って作業をおこないます。 これにより、人間の操作による間違いや誤動作の発生頻度を極めて少なくすることができます。 人間がおこなう作業は、疲労や注意散漫、経験の不足によるミスが発生しやすいですが、ロボットはこれらの要因に影響されることなく、一定品質の作業を実行することができます。 よって、ロボット導入をおこなうことで製造過程でのヒューマンエラーを大幅に削減することが可能となり、さらには製品の不良率減少、包括的な品質保証、顧客満足度の向上を見込むことができます。 2-2.組み立てロボット導入のメリット②:生産性の向上 自動化効果の出る構想設計をおこなうことを前提にすれば、組み立てロボットは効率的且つ正確に作業をおこなう能力を持っています。 これにより、製造ラインのスループットが大幅に向上し、より多くの製品を短時間で生産することが可能になります。 また、ロボットは人間と異なり、疲労や休憩の必要がないため、24時間体制での連続運転を実現することも可能です。 需要の高い業種や大量生産が求められる業種において、企業の収益性を大きく向上させる要因となります。 2-3.組み立てロボット導入のメリット③:人的コストの削減 ロボット導入をおこなうことで、人件費の大幅な削減を見込むことができます。 さらに、ロボットによる自動化が進むと、人間はより専門的で創造的な業務に集中することができます。 特に単調で繰り返しの多い作業や物理的に負担の大きい作業をロボットが担うことができれば、労働力を効率的に配分し、企業全体の生産性の向上を図ることができます。 また、労働災害のリスクが減少することで、関連する保険料や健康管理コストの削減にも繋がります。 これらのメリットにより、組み立てロボットは製造業のコスト効率の向上、生産性の向上、そして製品品質の一貫性と信頼性の強化に大きく寄与します。 これにより、企業は競争力を維持し、市場での優位性を確保するための重要な手段を得ることができます。 3.組み立てロボット導入成功事例3選 続いて、組み立てロボットの導入に成功した3社の事例についてご紹介します。 3-1.組み立てロボット導入成功事例①:グローリー株式会社 グローリー株式会社では、レジ釣銭機用部品の組立・検査工程にロボット導入し、自動化に成功しました。 従来は人手による柔軟な作業方式で生産をおこなっていましたが、労働力不足・競争力の確保を背景として、ロボット導入に踏み切りました。 結果として5名の省人化に成功し、労働生産性を2倍に引き上げました。 自動化効果は以下のようになっています。 (引用 ロボット活用ナビ レジ釣銭機用部品の組立・検査工程にロボット導入) 3-2.組み立てロボット導入成功事例②:コーセーエンジニアリング株式会社 コーセーエンジニアリング株式会社では、ワイヤーハーネスの製造工程において自動化に成功しました。 具体的には、電線へのリング取付―マークチューブ取付―被覆を剥ぐ―端子取付―圧着までを全て人手作業からロボットによる作業に置き換えました。 結果的に、3名の省人化に成功しています。 さらに、属人性を排除することが可能となったため、品質不良の削減もおこおなうことができました。 自動化効果は以下のようになっています。 (引用 ロボット活用ナビ ワイヤーハーネスの製造工程にロボット導入) 3-3.組み立てロボット導入成功事例③:株式会社山本電機製作所 山本電機製作所株式会社では、MEMSセンサ基盤のアッセンブリ工程において、ロボット導入に成功しました。具体的には、人手でおこなっていたワークの供給・排出作業や、接着材塗布のスイッチ操作を自動化しました。 自動化効果は以下のようになっています。 (引用 ロボット活用ナビ MEMSセンサ基板のアッセンブリ工程のロボット化による量産化実現) 4.まとめ いかがでしたでしょうか?ここまで組み立てロボットの概要とメリット、そして成功事例を紹介いたしました。組み立てロボットをうまく活用することができれば、その導入は労働生産性の向上、品質の安定化、そして人的コストの削減といった複数の面で顕著な効果をもたらします。 組み立てロボットの導入は、単に作業を自動化すること以上の価値を持っています。 それは、企業が市場での競争力を維持し、経済的な持続可能性を実現するための戦略的な選択と言えるでしょう。 さらに組み立てロボットについて情報収集をご希望の方は以下のセミナーページ、レポートページをご参照ください。 最後までお読みいただきありがとうございました。 ■関連するセミナーのご案内 多品種少量生産製造業のための組立・組付け工程の自動化セミナー セミナー詳細・申込はこちらから↓↓↓ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/117937 ■組立工程のロボット活用成功事例解説レポート ▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼ https://www.funaisoken.co.jp/dl-contents/smart-factory__00794 目次 1、多品種な複数部品の組み合わせによるパネル生産の自動化! 2、形状も材質も違う複数材料を一つのロボットでハンドリング! 3、部品形状に合わせた接着材を塗工し自動で貼り付け! レポートの内容 従来では特定の人員が手作業で行っていたパネルの組立作業の自動化に成功。 多品種かつ部品点数多い・更に接着材の塗布と正確な位置への部品貼り付け等、様々な難題をクリアして構築したシステム。 本レポートではこれらの一部をご紹介致します。

AI外観検査とは?従来の画像検査との違い、導入のメリットや注意点とは?

2024.07.04

いつもご愛読いただきありがとうございます。 製造業における、製品の品質管理は企業の信頼性を担保する重要な要素ですが、従来の手作業による検査は効率面や品質の均一性において課題が残されているケースが多くあります。 本記事では、AIを活用した外観検査の自動化について、その効果を最大限に引き出す方法をご紹介いたします。 AI外観検査の基本的な概要から導入メリット、よくある誤解、導入プロセスやよくあるFAQまで詳しく解説いたします。 本記事をお読みいただくことで、AI外観検査の基礎から導入方法までを包括的に理解することができます。外観検査の効率化を検討中の企業様は、ぜひ最後までご一読ください。 1.AI外観検査とは? 外観検査は、製品が仕様通りの外観を保っているかを確認する工程です。品質管理において、外観検査は非常に重要です。まずは、AIを活用した外観検査について解説していきます。 1-1.AIとは AI(人工知能)とは、人間の知能を模倣し、データ解析や学習を行うシステムです。AIはディープラーニングなどの技術を活用して、大量のデータを解析し、人間と同等、あるいはそれ以上の精度で判断を行います。AI技術は医療、金融、製造業などさまざまな分野で利用されており、特に画像認識や異常検知の分野で高い精度を誇ります。 AIは、膨大なデータを分析し、そこから特徴を抽出することで、人間の感覚に近い判断を下せるように教育されています。 AIの歴史は1950年代にさかのぼります。当初は理論的な研究が主でしたが、現在では実用的な応用が進んでいます。2022年11月30日にはChatGPTがリリースされ、AIの実用性は加速的に高まっています。画像認識、音声認識、自然言語処理などの分野で大きな成果を上げており、製造業でもその適用範囲が広がっています。 例えば、お客様とのコミュニケーションを自動化するAIチャットボットや、製造工程の最適化に貢献するAIソリューションなど、様々な分野でAIが活躍しています。 1-2.AI外観検査とは AI外観検査は、製品の外観をAI技術を用いて自動的に検査する方法です。具体的には、カメラで撮影された画像をAIが解析し、不良箇所や不良を検出します。AIの学習方法にもよりますが、従来の目視検査やルールベースの画像検査と異なり、AI自体に不良データを学習させ、製品の良否判定をおこなわせることもできます。 AI外観検査は、特に大量生産をおこなっている工場で非常に有効です。例えば、自動車部品の製造ラインでは、毎分数百個の部品が生産されますが、このすべてを人間が目視で検査することは現実的ではありません。AI外観検査を導入することで、即時に大量の部品を検査することができ、生産性が大幅に向上します。 AI外観検査は、異物の混入や、製品のキズ、欠け、打痕、バリ、ムラなどを検出することができます。 1-3.AI外観検査と従来の外観検査⼿法との違い 従来の目視検査は、人間の経験や勘に頼る部分が大きく、検査をおこなう人や、その人の状態などによって検査結果にばらつきが生じやすいという欠点があります。特に検査員が疲労している場合や、スキルにばらつきがある場合、不良品を見逃すリスクが高まります。これに対し、AI外観検査は一定の基準に従って一貫した検査を行うため、信頼性が高いと言えます。 また、従来の画像検査システムでは、あらかじめ決められたルールに基づいて不良を検知します。しかし、作業員の経験に頼るような、難易度の高い外観検査を自動化する場合は、不良のモデル化が困難であるという欠点がありました。AI外観検査は、機械学習アルゴリズムを使用してデータから学習をおこなうため、不良のモデル化が難しい、曖昧な不良パターンの自動化にも対応することができます。 AI外観検査では、正常な製品画像と異常な製品画像をAIに学習させることで、異常個所を自動的に検出する仕組みになっています。 AI外観検査の導入には初期コストがかかりますが、長期的に見れば検査の効率が向上し、不良品の減少によるコスト削減効果が期待できます。AI外観検査を導入することで、品質管理のレベルが向上し、製品の信頼性を高めることができます。 AI外観検査導入の際には、対象製品において不良の検出が可能かどうか、事前に検証をおこなう必要があります。 2.AI外観検査の2つのメリット AI外観検査には、以下の2つのメリットがあります。 省人化によるコスト削減と生産性向上 検査品質の向上と均一化 それぞれ詳しく見ていきましょう。 2-1.AI外観検査のメリット①:省人化によるコスト削減と生産性向上 AI外観検査を導入することで、人手による検査が不要となり、人件費の大幅な削減が可能です。時間や人手のかかっている作業を選定し、自動化することができれば、浮かせた工数分、人件費を削減することができます。また、製造ラインを24時間稼働させることもできるようになるため、さらなる生産性向上が期待できます。 さらに検査を自動化することで、検査員をより付加価値の高い業務に配置することが可能になります。例えば、生産ラインの監視や機械の保守、オペレーションの最適化など、より付加価値の高い業務に集中することができます。これにより、工場全体の生産性向上と業務効率化を図ることができます。 AI外観検査は、繰り返し作業の自動化に役立ち、従業員がより創造的な業務に集中することを可能にします。 2-2.AI外観検査のメリット②:検査品質の向上と均一化 AI外観検査は、設定された基準に基づいて検査をおこないます。人間の疲労や主観によるばらつきを防ぎ、精度高く検査をおこなうことができます。 検査の精度向上は、製品の品質安定化に繋がり、お客様の満足度向上に大きく貢献します。 AI外観検査では、微細なキズや目に見えない欠陥を検出することができます。例えば、プリント基板の微細なクラックや汚れ、半導体チップの微細な不良など、人間の目では見逃しがちな不良を検出することができます。 AIは、人間の目では見逃してしまうような微細な傷や異物を、高い精度で検出することができます。 3.AI外観検査の2つのデメリット AI外観検査には既存の検査方法にはないメリットがありますが、いくつかのデメリットや課題も存在します。 高コストの初期導入費用 データの質と量に依存 それぞれ詳しく見ていきましょう。 3-1.AI外観検査のデメリット①:高コストの初期導入費用 AI外観検査システムの導入に際しては、ハードウェア、ソフトウェア、AIモデルの開発費用などの初期投資が必要になります。特に、高度なAIモデルを構築するためには、大量のデータや専門的な知識が必要であり、その開発のためのリソースが求められます。中小企業にとっては、この初期投資が高額であり、導入をためらう要因になるケースがあります。 AI外観検査システムの導入には、もちろん初期費用がかかりますが、長期的な観点から見ると、人件費削減や品質向上による効果が期待できます。 3-2.AI外観検査のデメリット②:データの質と量に依存 AI外観検査の精度は、学習に使用するデータの質と量に大きく依存します。適切なデータを収集し、正確にラベル付することが求められます。例えば、不良対象が上手く撮像できていない場合や、撮像データが数十データしかない場合、AIモデルの検査精度は低下し、誤検出や見逃しが発生するリスクが高まります。どんなに質の高いAIを活用しても、適切なデータを収集できていなければ、理想的な外観検査の自動化を実現することは難しいです。 AIモデルの学習には、良品と不良品の画像データが必要となります。 4.「AIによる外観検査」でよくある誤解 AI外観検査の導入提案をしていく中で、残念ながらAIに対する誤解が見られることがあります。よくある例として、「AIは完全無欠であり、人間の介入なしで検査を自動化できる」と考えがちですが、これは誤りです。先ほど記載した通り、AIの精度は学習データに依存しているため、データの質や量が検査結果に影響します。また、環境の変化や新たな不良パターンに対応するための継続的な学習が必要です。さらに、重要な判断には人間の確認が求められることもあります。 例えば、ある自動車メーカーにおいて、学習データが偏っていたり、学習事項を適切に更新していなかったことから、AIが誤った不良検出を多発させた事例があります。AI外観検査システムは常に最新のデータに更新しながら、運用していくことが求められます。また、すべての不良をAIで検出できるわけではないため、特に複雑な検査結果には人間による最終確認が必要です。 AIはあくまでもツールであり、人間の判断を完全に代替できるわけではありません。AIの特性を理解し、適切に使っていくことが重要です。 5.よくある質問 次に、外観検査AIを導入する際によくある質問についてご紹介いたします。 5-1.AI外観検査の導入にはどのくらいのコストがかかりますか? 初期投資としては数百万円から数千万円が一般的です。具体的な費用は、検査対象の規模や求める精度、必要な機能、自動化によって削減できる人件費によっても異なります。費用対効果を考慮し、適切なシステムを選定することが重要です。 AI外観検査システムの価格は、会社や提供するソリューションによって大きく異なります。 5-2.AI外観検査はどのような業界で導入されていますか? AI外観検査は製造業、自動車産業、食品産業、医薬品産業など、多岐にわたる業界で導入されています。特に製造業では、部品の表面検査や組み立て製品の最終検査などで使用され、高精度な検査結果と効率化が期待されています。 AI外観検査は、金属、電子部品、プラスチック、食品、医薬品など、様々な商品の検査に使われています。 6.AIで外観検査をおこなうかどうか?以外の検討事項 6-1.AI以外の検討事項 検査工程を自動化する際は、AIで外観検査をおこなうかどうか?以外にもさまざまな検討事項があります。 例えば、 照明:製品に赤/青/緑/白い光を当てるのか?紫外線を当てるのか? 装置の位置:どの角度から光を照射するのか?どの位置から製品を撮像するのか? 画像ソフト:機械学習をさせるのか?ルールベースで画像認識をさせるのか?AIを使うのか? カメラのスペック:どの程度の解像度のカメラが必要なのか タクトタイム:どのような仕様にすれば理想のタクトタイムが実現できるのか。カメラの台数を増やすのか?より高速処理できる画像ソフトを使うのか?etc… 示した通り、画像検査を自動化する手法は非常に多岐に渡ります。一つ一つを精査し、自社に合った適切な手法を検討することが重要です。 検査対象の特性、要求される精度、速度、そして予算などを考慮して、最適なシステムを選択する必要があります。 6-2.費用対効果の検討 技術的な部分と合わせて検討すべきは、費用対効果の検討です。 自動化といっても、うちは多品種過ぎて費用対効果が出ないのではないか…と考えている企業様もいらっしゃるかと思います。 これらは、自動化品種や検査ラインの組み方、画像処理の方法を工夫することで、多品種でも費用対効果の出る自動化を実現できる可能性があります。 ロボットなどでワーク投入などを自動化させる際は、原則一つのティーチングにおいて一つの製品のみを自動化させることができます。 一つ一つの品種に対してそれぞれティーチングを行う必要があるので、品種追加をしようとすると非常に工数がかかってしまいます。 しかし、外観検査においては、厳密には異なる品種でも、同じ製造ラインにて自動化をおこなうことができます。 これは、外観検査の際に製品に対しておこなう動作が“撮像”であることに起因しています。 製品がカメラの画角に収まっていれば、さまざまな不良データを学習させたり、照射する光の角度や種類を変えることで、同一ラインにて多品種製品の自動化をおこなうことができます。 AI外観検査システムは、柔軟な設定が可能なため、多品種少量生産にも対応することができます。 品種選定、検査ラインの組み方、画像処理方法などをしっかりと精査することで、費用対効果の出る自動化を実現しましょう。 導入事例を参考にしたり、専門家の意見を聞くことも役立ちます。 7.まとめ AI外観検査は、外観検査の自動化と品質向上に大きく寄与する技術です。 省人化によるコスト削減、検査品質の向上など、多くのメリットがあります。 一方で、導入前には詳細な検討をおこない、実際に費用対効果が出る形で導入を進めていく必要があります。 船井総研では、AI外観検査の自動化コンサルティングをおこなっております。要件定義から機器選定、補助金活用~導入後の運用支援まで、一貫して導入のお手伝いをさせていただいております。 株式会社船井総合研究所は、AI外観検査導入をトータルでサポートする会社です。 ご興味のある方は以下の無料経営相談をご活用ください。画像検査専門のコンサルタントが対応させていただきます。 気軽にご相談ください。 ⇒経営相談はこちら いつもご愛読いただきありがとうございます。 製造業における、製品の品質管理は企業の信頼性を担保する重要な要素ですが、従来の手作業による検査は効率面や品質の均一性において課題が残されているケースが多くあります。 本記事では、AIを活用した外観検査の自動化について、その効果を最大限に引き出す方法をご紹介いたします。 AI外観検査の基本的な概要から導入メリット、よくある誤解、導入プロセスやよくあるFAQまで詳しく解説いたします。 本記事をお読みいただくことで、AI外観検査の基礎から導入方法までを包括的に理解することができます。外観検査の効率化を検討中の企業様は、ぜひ最後までご一読ください。 1.AI外観検査とは? 外観検査は、製品が仕様通りの外観を保っているかを確認する工程です。品質管理において、外観検査は非常に重要です。まずは、AIを活用した外観検査について解説していきます。 1-1.AIとは AI(人工知能)とは、人間の知能を模倣し、データ解析や学習を行うシステムです。AIはディープラーニングなどの技術を活用して、大量のデータを解析し、人間と同等、あるいはそれ以上の精度で判断を行います。AI技術は医療、金融、製造業などさまざまな分野で利用されており、特に画像認識や異常検知の分野で高い精度を誇ります。 AIは、膨大なデータを分析し、そこから特徴を抽出することで、人間の感覚に近い判断を下せるように教育されています。 AIの歴史は1950年代にさかのぼります。当初は理論的な研究が主でしたが、現在では実用的な応用が進んでいます。2022年11月30日にはChatGPTがリリースされ、AIの実用性は加速的に高まっています。画像認識、音声認識、自然言語処理などの分野で大きな成果を上げており、製造業でもその適用範囲が広がっています。 例えば、お客様とのコミュニケーションを自動化するAIチャットボットや、製造工程の最適化に貢献するAIソリューションなど、様々な分野でAIが活躍しています。 1-2.AI外観検査とは AI外観検査は、製品の外観をAI技術を用いて自動的に検査する方法です。具体的には、カメラで撮影された画像をAIが解析し、不良箇所や不良を検出します。AIの学習方法にもよりますが、従来の目視検査やルールベースの画像検査と異なり、AI自体に不良データを学習させ、製品の良否判定をおこなわせることもできます。 AI外観検査は、特に大量生産をおこなっている工場で非常に有効です。例えば、自動車部品の製造ラインでは、毎分数百個の部品が生産されますが、このすべてを人間が目視で検査することは現実的ではありません。AI外観検査を導入することで、即時に大量の部品を検査することができ、生産性が大幅に向上します。 AI外観検査は、異物の混入や、製品のキズ、欠け、打痕、バリ、ムラなどを検出することができます。 1-3.AI外観検査と従来の外観検査⼿法との違い 従来の目視検査は、人間の経験や勘に頼る部分が大きく、検査をおこなう人や、その人の状態などによって検査結果にばらつきが生じやすいという欠点があります。特に検査員が疲労している場合や、スキルにばらつきがある場合、不良品を見逃すリスクが高まります。これに対し、AI外観検査は一定の基準に従って一貫した検査を行うため、信頼性が高いと言えます。 また、従来の画像検査システムでは、あらかじめ決められたルールに基づいて不良を検知します。しかし、作業員の経験に頼るような、難易度の高い外観検査を自動化する場合は、不良のモデル化が困難であるという欠点がありました。AI外観検査は、機械学習アルゴリズムを使用してデータから学習をおこなうため、不良のモデル化が難しい、曖昧な不良パターンの自動化にも対応することができます。 AI外観検査では、正常な製品画像と異常な製品画像をAIに学習させることで、異常個所を自動的に検出する仕組みになっています。 AI外観検査の導入には初期コストがかかりますが、長期的に見れば検査の効率が向上し、不良品の減少によるコスト削減効果が期待できます。AI外観検査を導入することで、品質管理のレベルが向上し、製品の信頼性を高めることができます。 AI外観検査導入の際には、対象製品において不良の検出が可能かどうか、事前に検証をおこなう必要があります。 2.AI外観検査の2つのメリット AI外観検査には、以下の2つのメリットがあります。 省人化によるコスト削減と生産性向上 検査品質の向上と均一化 それぞれ詳しく見ていきましょう。 2-1.AI外観検査のメリット①:省人化によるコスト削減と生産性向上 AI外観検査を導入することで、人手による検査が不要となり、人件費の大幅な削減が可能です。時間や人手のかかっている作業を選定し、自動化することができれば、浮かせた工数分、人件費を削減することができます。また、製造ラインを24時間稼働させることもできるようになるため、さらなる生産性向上が期待できます。 さらに検査を自動化することで、検査員をより付加価値の高い業務に配置することが可能になります。例えば、生産ラインの監視や機械の保守、オペレーションの最適化など、より付加価値の高い業務に集中することができます。これにより、工場全体の生産性向上と業務効率化を図ることができます。 AI外観検査は、繰り返し作業の自動化に役立ち、従業員がより創造的な業務に集中することを可能にします。 2-2.AI外観検査のメリット②:検査品質の向上と均一化 AI外観検査は、設定された基準に基づいて検査をおこないます。人間の疲労や主観によるばらつきを防ぎ、精度高く検査をおこなうことができます。 検査の精度向上は、製品の品質安定化に繋がり、お客様の満足度向上に大きく貢献します。 AI外観検査では、微細なキズや目に見えない欠陥を検出することができます。例えば、プリント基板の微細なクラックや汚れ、半導体チップの微細な不良など、人間の目では見逃しがちな不良を検出することができます。 AIは、人間の目では見逃してしまうような微細な傷や異物を、高い精度で検出することができます。 3.AI外観検査の2つのデメリット AI外観検査には既存の検査方法にはないメリットがありますが、いくつかのデメリットや課題も存在します。 高コストの初期導入費用 データの質と量に依存 それぞれ詳しく見ていきましょう。 3-1.AI外観検査のデメリット①:高コストの初期導入費用 AI外観検査システムの導入に際しては、ハードウェア、ソフトウェア、AIモデルの開発費用などの初期投資が必要になります。特に、高度なAIモデルを構築するためには、大量のデータや専門的な知識が必要であり、その開発のためのリソースが求められます。中小企業にとっては、この初期投資が高額であり、導入をためらう要因になるケースがあります。 AI外観検査システムの導入には、もちろん初期費用がかかりますが、長期的な観点から見ると、人件費削減や品質向上による効果が期待できます。 3-2.AI外観検査のデメリット②:データの質と量に依存 AI外観検査の精度は、学習に使用するデータの質と量に大きく依存します。適切なデータを収集し、正確にラベル付することが求められます。例えば、不良対象が上手く撮像できていない場合や、撮像データが数十データしかない場合、AIモデルの検査精度は低下し、誤検出や見逃しが発生するリスクが高まります。どんなに質の高いAIを活用しても、適切なデータを収集できていなければ、理想的な外観検査の自動化を実現することは難しいです。 AIモデルの学習には、良品と不良品の画像データが必要となります。 4.「AIによる外観検査」でよくある誤解 AI外観検査の導入提案をしていく中で、残念ながらAIに対する誤解が見られることがあります。よくある例として、「AIは完全無欠であり、人間の介入なしで検査を自動化できる」と考えがちですが、これは誤りです。先ほど記載した通り、AIの精度は学習データに依存しているため、データの質や量が検査結果に影響します。また、環境の変化や新たな不良パターンに対応するための継続的な学習が必要です。さらに、重要な判断には人間の確認が求められることもあります。 例えば、ある自動車メーカーにおいて、学習データが偏っていたり、学習事項を適切に更新していなかったことから、AIが誤った不良検出を多発させた事例があります。AI外観検査システムは常に最新のデータに更新しながら、運用していくことが求められます。また、すべての不良をAIで検出できるわけではないため、特に複雑な検査結果には人間による最終確認が必要です。 AIはあくまでもツールであり、人間の判断を完全に代替できるわけではありません。AIの特性を理解し、適切に使っていくことが重要です。 5.よくある質問 次に、外観検査AIを導入する際によくある質問についてご紹介いたします。 5-1.AI外観検査の導入にはどのくらいのコストがかかりますか? 初期投資としては数百万円から数千万円が一般的です。具体的な費用は、検査対象の規模や求める精度、必要な機能、自動化によって削減できる人件費によっても異なります。費用対効果を考慮し、適切なシステムを選定することが重要です。 AI外観検査システムの価格は、会社や提供するソリューションによって大きく異なります。 5-2.AI外観検査はどのような業界で導入されていますか? AI外観検査は製造業、自動車産業、食品産業、医薬品産業など、多岐にわたる業界で導入されています。特に製造業では、部品の表面検査や組み立て製品の最終検査などで使用され、高精度な検査結果と効率化が期待されています。 AI外観検査は、金属、電子部品、プラスチック、食品、医薬品など、様々な商品の検査に使われています。 6.AIで外観検査をおこなうかどうか?以外の検討事項 6-1.AI以外の検討事項 検査工程を自動化する際は、AIで外観検査をおこなうかどうか?以外にもさまざまな検討事項があります。 例えば、 照明:製品に赤/青/緑/白い光を当てるのか?紫外線を当てるのか? 装置の位置:どの角度から光を照射するのか?どの位置から製品を撮像するのか? 画像ソフト:機械学習をさせるのか?ルールベースで画像認識をさせるのか?AIを使うのか? カメラのスペック:どの程度の解像度のカメラが必要なのか タクトタイム:どのような仕様にすれば理想のタクトタイムが実現できるのか。カメラの台数を増やすのか?より高速処理できる画像ソフトを使うのか?etc… 示した通り、画像検査を自動化する手法は非常に多岐に渡ります。一つ一つを精査し、自社に合った適切な手法を検討することが重要です。 検査対象の特性、要求される精度、速度、そして予算などを考慮して、最適なシステムを選択する必要があります。 6-2.費用対効果の検討 技術的な部分と合わせて検討すべきは、費用対効果の検討です。 自動化といっても、うちは多品種過ぎて費用対効果が出ないのではないか…と考えている企業様もいらっしゃるかと思います。 これらは、自動化品種や検査ラインの組み方、画像処理の方法を工夫することで、多品種でも費用対効果の出る自動化を実現できる可能性があります。 ロボットなどでワーク投入などを自動化させる際は、原則一つのティーチングにおいて一つの製品のみを自動化させることができます。 一つ一つの品種に対してそれぞれティーチングを行う必要があるので、品種追加をしようとすると非常に工数がかかってしまいます。 しかし、外観検査においては、厳密には異なる品種でも、同じ製造ラインにて自動化をおこなうことができます。 これは、外観検査の際に製品に対しておこなう動作が“撮像”であることに起因しています。 製品がカメラの画角に収まっていれば、さまざまな不良データを学習させたり、照射する光の角度や種類を変えることで、同一ラインにて多品種製品の自動化をおこなうことができます。 AI外観検査システムは、柔軟な設定が可能なため、多品種少量生産にも対応することができます。 品種選定、検査ラインの組み方、画像処理方法などをしっかりと精査することで、費用対効果の出る自動化を実現しましょう。 導入事例を参考にしたり、専門家の意見を聞くことも役立ちます。 7.まとめ AI外観検査は、外観検査の自動化と品質向上に大きく寄与する技術です。 省人化によるコスト削減、検査品質の向上など、多くのメリットがあります。 一方で、導入前には詳細な検討をおこない、実際に費用対効果が出る形で導入を進めていく必要があります。 船井総研では、AI外観検査の自動化コンサルティングをおこなっております。要件定義から機器選定、補助金活用~導入後の運用支援まで、一貫して導入のお手伝いをさせていただいております。 株式会社船井総合研究所は、AI外観検査導入をトータルでサポートする会社です。 ご興味のある方は以下の無料経営相談をご活用ください。画像検査専門のコンサルタントが対応させていただきます。 気軽にご相談ください。 ⇒経営相談はこちら

工場の自動化 (ファクトリーオートメーション) とは?成功事例7選やメリット、実現の流れを一挙解説!

2024.06.05

いつもご愛読いただきありがとうございます。 人件費高騰や人手不足、さらには生産性向上の必要性から、製造業における自動化の重要性が年々高まっています。 本記事では、工場の自動化とは何か、自動化を行う意義や具体的な事例、メリット・課題、そして自動化を実現するための適切な進め方を詳しく解説します。 工場の生産現場で働く方、自動化を検討されている経営者の皆様は、ぜひ最後までお読みください。 工場の自動化とは何か? 工場の自動化とは、製造工程の一部または全工程において、人手に頼る作業を機械化・システム化することで、生産性の向上と品質の安定化を実現する取り組みのことを指します。 自動化の対象は、部品の搬送や組立て、溶接、塗装、検査など、あらゆる工程が含まれます。 また、生産の直接工程だけでなく、在庫管理や製造指示の発行などの間接工程についても、自動化をおこなうことが可能です。 工場自動化の必要性 工場における自動化のメリットは大きく、そのニーズは年々高まっています。主な理由は以下の通りです。 まず人件費の高騰です。製造業の人件費は上昇を続けており、自動化による省人化が、人件費削減のカギとなります。 例えば 2024 年の春闘における、組合員数 300 名以下の中小企業 (2123 社)の賃上げ率は、4.75%と、過去最高の賃上げ率を記録しています。(2024 年 4 月 18 日時点) 引用:https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/QCKCLLTJ6ZNWZOSLFMNJ5VP7FE-2024-04-18/ また、日系企業の海外拠点においても、平均賃金の上昇傾向が見られます。 図 A は、2020 年 1 月~2022 年 11 月における、在アメリカ日系製造業の平均時給の推移を示しています。 図 B では 2013 年~2023 年における、アジア各国の製造業の基本月給を比較しています。 図 A:2020 年 1 月~2022 年 11 月における、在米日系製造業の平均時給の推移 引用:https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/2023/ab437b35a1ad87e0.html 図 B:2013 年~2023 年における、アジア各国の製造業の基本月給の比較 引用:https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/2024/37977922f57e157a.html これらの内容を鑑みると、海外拠点においても人件費の高騰が見られることがわかります。 次に労働人口の減少と人手不足の課題があります。生産年齢人口の減少が深刻化する中、作業員の確保が困難になっており、足りない人手を自動化で補う必要があります。 日本の人口は、2005 年をピークに減少傾向にあります。総務省が出しているデータによると、2005 年~2050 年の間で、総人口は 3,300 万人減少、若年人口 (15 歳未満の者の人口)は約 900 万人減少、生産年齢人口は約 3,500 万人減少、高齢人口(65 歳以上の者の人口)は約 1,200 万人増加すると見込まれています。 図 日本における総人口の推移と予測 引用:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_21481.html 製造業においても、同様に人口減少の影響を受けています。総務省の労働力調査によると、2000 年~2019 年間において、若年層の就業者数割合が減少し、高齢者層の就業者数割合が増加しています。 現状でも人手不足を感じている企業様は多いかと思いますが、これからさらに人手不足が加速していくことが懸念されています。 図 就業者に占める若年者・高齢者の割合の推移 引用:総務省「労働力調査」 このように、工場の自動化は企業の根幹を左右する重要な経営課題となっているため、自動化を計画的に進めていく必要があります。 工場の自動化成功事例 7 選 次に、工場自動化の実際の成功事例をいくつかご紹介します。 工場の自動化成功事例①:株式会社アスザック 自動バリ取りロボット アスザック株式会社ではロボットを使うことによって、工数がかかっていたバリ取り作業の自動化に成功しました。業種と自動化効果、投資金額は以下のようになっています。 業種 セラミック製品製造 自動化効果 年間工数 1019 時間削減・生産性 167%増 投資金額 1800 万円+6 軸ロボット費用 アスザック株式会社の成功事例の特徴は、画像認識によりバリ取りパスを自動で生成している点です。自動生成されたパスに沿ってロボットが動作するため、品種ごとにティーチングプログラムを作成する必要がなく、超多品種少量生産に対応することができます。 本来ロボットを稼働させる際は、ティーチングと呼ばれるロボットのプログラムを人が作成する必要があります。そのためロボットでさまざまな製品の加工をおこなおうとすると、その数だけティーチングをおこなう必要があります。 アスザック株式会社では、画像認識による自動プログラム作成を採用しているため、作業員が治具に製品を置けば、ロボットが自動でバリ取りをおこなってくれます。 ⇒関連記事:お客様の声-アスザック株式会社様_自社の業務に合わせた自動化で、少ない人員でも生産増に対応することができました 工場の自動化成功事例②:株式会社ウエノ 世界初の自動化 株式会社ウエノは、コイル製造の自動化に世界で初めて成功しました。特筆すべきは、既存作業の自動化に留まらず、自動化に最適化された製品「ウエノコイル」を独自に開発した点です。この戦略により、コイル一個あたりの製造時間を従来の1/50に短縮し、累計2億個を超えるヒット商品を生み出すという驚異的な成果を達成しました。 業種 コイル製造 自動化効果 生産性2000%増 投資金額 - 自動化以前は、手作業によるコイル巻きが品質のばらつきや生産性の低さ、対応種類の制約といった課題を抱えていました。これに対し、株式会社ウエノは世界初のトロイダルコイル自動巻線機を開発し、一部工程の自動化を実現しました。 そこからさらに、自動化に適した新製品「ウエノコイル」の開発によってもたらされました。コア形状と巻線材を見直し、性能向上と自動化の容易さを両立させたのです。同時に、この新製品専用の自動巻線機も開発。この独自の製品開発と自動化技術の組み合わせにより、製造時間を大幅に短縮し、生産性を飛躍的に向上させました。 その成功の秘訣は、自動機開発とともに、自動化対象(製品)を開発したことです。 ロボット導入において、自動機を開発するのは当たり前です。株式会社ウエノの特筆すべき点は、自動化対象(製品)も同時に開発したことです。ここで、株式会社ウエノでおこなった自動化施策を振り返りたいと思います。 株式会社ウエノでおこなった自動化施策をまとめると、大きく以下の3つに集約することができます。 Step1では、既存業務をベースに自動化をおこない、人がコイルを手巻きする作業をそのままロボットで再現しました。 Step2では、自動化に適した、全く新しい形状のコイル製品の開発をおこないました。 Step3では、開発したウエノコイルを自動で製造するためのウエノコイル巻き線機を開発しました。 非常に重要なポイントは、Step2の“ウエノコイル開発”です。株式会社ウエノではStep1の後、さらに生産性向上を見込むために次代の自動機開発をすぐにおこなうのではなく、自動化に適した製品の開発をおこないました。 ウエノコイルは従来の丸線ではなく平角線を活用し、ばね製造の方法をオマージュして設計された製品です。ばね製造の着想をコイルに落とし込み、さらに性能を上げることにも成功しました。この自動化に適した“ウエノコイル”の製造を自動化することで、強力な自動化インパクトを出すことに成功しました。 ⇒関連記事:世界で初めての自動化に成功し、生産性20倍を実現した事例に学ぶ-株式会社ウエノが自動化に成功した秘訣- 工場の自動化成功事例③:株式会社有川製作所 自動化により6名の若手を新規採用 株式会社有川製作所は、小ロット多品種生産体制において、長年手作業によるコスト・納期、品質管理の課題に直面していました。ダイキャスト・切削工程でのコスト高と納期遅延、手仕上げであるバフ加工の品質ばらつき、ルーティン作業への人員集中、そして深刻な人員不足が、増加する受注への対応を大きく懸念させる状況でした。さらに、検査工程における検査員の負担増加も、生産停滞を招く要因となっていました。 業種 金属プレス金型設計製作、金属プレス加工製品製造 自動化効果 プレス加工生産能力9%向上/検査能力22%向上 投資金額 - これらの課題に対し、有川製作所では「小人の靴屋プロジェクト」と銘打った自動化を積極的に推進しました。その取り組みとして、まず機械加工からプレス加工への工法転換を行い、コストと納期の大幅な改善を実現しました。また、単純作業の機械化には協働ロボットを導入し、テックマンロボットとTMランドマークを活用することで、段取り毎に異なる金型やロボットの位置においても、クリアランスの狭い金型内に毎回正確にワークをセットすることを可能にし、位置決め精度を向上させました。自動化システムの導入においては内製化を重視。技術的なスキル不足に対しては、山崎電機やオムロンからの技術支援を受けながら克服しました。これらの自動化施策の結果、プレス加工の生産能力は9%向上し、検査工程においても協働ロボットによる自動化により検査能力が22%向上、検査員の負担軽減と停滞品の削減に大きく貢献しました。 この自動化の成功の背景には、自動化推進の専任者を指名し、組織全体で自動化への意識を高めたこと、SE育成のための環境づくり(外部強制力としての補助金活用、上司と技術商社との連携によるサポート体制、試行錯誤推奨、経営層からの明確なメッセージ)を重視したこと、完璧を目指さず妥協点を見つけて無駄のない動きを創るという柔軟な発想、そして単なる省力化ではなく企業価値向上を目指す経営戦略がありました。自社の取り組みを公開する展示場を開設したことも、社内外との連携強化と社員のモチベーション向上に繋がりました。 この「小人の靴屋プロジェクト」は、単なる省力化に留まらず、会社全体を大きく変革する力となり、自動化スキルの獲得とSEの育成は、若手人材の成長を促し、新しい職種の創出やスキル取得範囲の拡大を通じて働きがいを向上させました。その結果、技術部の増員や新事業の開始といった高付加価値工程への配置転換も実現しています。顧客からは新しい取り組みに対する高い評価とビジョン経営への共感が得られ、採用活動においても応募者が増加し、若手6名、キャリア採用2名の計8名の優秀な人材獲得に成功しました。受注量の増加にも柔軟に対応できる対応力の強化、そして売上増と2年連続の残業ゼロという目覚ましい成果を達成しました。 ⇒関連記事:中小製造業の未来モデル!有川製作所の自動化による企業変革コラム 工場の自動化成功事例④:S社 協働ロボット S 社では、協働ロボットを使うことによって、加工機へのワーク投入作業の自動化に成功しました。 業種 樹脂切削加工品製造 自動化効果 年間工数 1200 時間削減 投資金額 500 万円 S社の成功事例の特徴は、SIer なしでロボット導入を行った点です。ロボット導入のネックになりがちな費用として、SIer 費用があげられます。 (S社でロボット導入を検討した際は、ロボット本体代金のほかに SIer 費用が 1000 万円近く見積もられていました。) S社では、自社で内製化することで、SIer 費用を押さえながらロボット活用を行うことに成功しました。 内製化の利点は、自動化品種の追加や、製造ラインの変更に比較的容易に対応できることです。ロボット立ち上げ時に、技術的な開発部分を SIer に任せてしまうと、新たに品種追加を行う際はさらに SIer に費用を払わなくてはなりません。内製化は時間も工数もかかりますが、中長期的に見れば経営効果は高いでしょう。 また、この会社様は従業員数 10 名以下の会社様のため、1 日数時間だけ単純作業を自動化するだけでも、高い自動化効果を発揮することができます。従業員数が少なくなればなるほど捻出される時間の価値が高まるため、ロボット活用は事業規模が小さい会社様ほど効果を発揮できるといえます。 ⇒関連記事:日本&海外の協働ロボットメーカー16社の特徴を紹介! ⇒関連記事:協働ロボットの特徴と導入事例 工場の自動化成功事例⑤:C 社溶接ロボット・研磨ロボット C社では、高い品質が求められる製品において、溶接工程と研磨工程の自動化に成功しました。 業種 鈑金溶接品製造 自動化効果 溶接・研磨の熟練技術の継承に成功 投資金額 7700 万円 (うち 4000 万円は補助金) C社の成功事例の特徴は、非常に難易度の高い薄板ステンレスの TIG 溶接と鏡面研磨を最新技術を活用して自動化した点です。さらに投資金額 7700 万円のうち 4000 万円は事業再構築補助金を活用することにより投資コストを抑えています。 薄板の TIG 溶接は非常に熟練度が要求される作業であり、早い人でも製品として出荷できるレベルに達するまでには 5 年はかかる職人技術と言われています。また、C社の製品における研磨工程は鏡面仕上げとなっており相当の工数がかかっている状態でした。 これら難易度の高い職人技術を 6 軸力覚、加速度、位置センサー、アクティブ・コンプライアンス制御技術を用いて自動化に成功しました。 工場の自動化成功事例⑥:S社 AI 外観検査 S社では、樹脂成形製品の目視検査をAI外観検査で自動化に成功しました。 業種 樹脂成型品製造 自動化効果 検査人員 2 名削減・1400 万円/年のコスト削減 投資金額 2400 万円 S社の成功事例の特徴は、製品自体を回転させながら撮像をおこない、AIに不良品判定を行わせている点です。 S社では、通常では検査が難しい透明の円筒形製品検査の自動化に取り組みました。製品自体を回転させ、且つ撮像した製品画像をAIで処理することで、不良品判定の自動化を成功させました。 明確な金額は記載しませんが、S社も補助金を活用することで投資費用を抑えています。 ⇒関連記事:AI外観検査とは?従来の画像検査との違い、導入のメリットや注意点とは? 工場の自動化成功事例⑦:A社 協働ロボット A社では、100 台の協働ロボットを導入し、ワーク投入やエアブロー、検査などの自動化に成功しました。 業種 金属部品加工 自動化効果 人員 60名削減・2.5億/年のコスト削減 投資金額 協働ロボット 100台分 A社の成功事例の特徴は、S社と同様SIerレスで自動化に成功した点です。PLCが扱える人材を採用し、徹底してロボット活用の社内教育を行うことで、コストを抑えた圧倒的な自動化を実現しました。 総額では大きい投資となっていますが、それに見合うだけの費用対効果を実現しています。 さらに事例の詳細について気になる方は、1時間程度の無料相談会を活用ください。 HP 上には記載しきれていない、成功事例の詳細や、自動化に関する情報を余すことなくご提供させていただきます。 工場自動化のメリット 工場の自動化には大きなメリットがあります。主なものとして以下の3点が挙げられます。 工場の自動化を行うメリット①: 飛躍的な生産性の向上 自動化ラインでは 24 時間無休の連続稼働が可能で、機械の動作スピードと精度の高さから人手を遥かに上回る生産性が見込めます。動作速度の遅い協働ロボットを使ったとしても、夜間稼働や休日稼働を行うことで、生産性を向上させることができます。 工場の自動化を行うメリット②: 製品品質の均一化と不良率低減 人手作業では熟練度の差により品質のばらつきが避けられませんが、自動化ラインは完全にプログラムに基づいて動作するため、均一で高い品質を実現できます。また、検査工程の自動化も相まってさらなる不良低減も期待できます。近年では AI の技術が進歩し、従来では自動検査が難しかった製品においても、自動化・不良率の低減を行うことが可能になっています。 工場の自動化を行うメリット③: 安全性と労働環境の改善 危険度や負荷が高い作業を従業員におこなわせてしまっている…そんな企業様は一定数存在しているのではないでしょうか。 自動化をすることができれば、危険な作業や重労働から作業員を解放できるため、安全性が大きく向上します。特に、溶接や有害物質を扱う工程などでの恩恵は計り知れません。作業環境を整えることで、人材採用や人が辞めない環境づくりを行うことができます。 工場の自動化における課題 工場の自動化にはたくさんの良い面がありますが、同時に課題も存在します。自動化における課題は、以下の3つに集約されます。 工場の自動化における課題①:初期投資コストの高さ 先述の事例紹介をご覧になるとおわかりかと思いますが、工場の自動化に必要な設備やシステムの導入には多額の初期投資が必要となります。 ロボットや制御システムの購入費用に加え、既存設備との統合や作業環境の改修費用も発生します。正直なところ、中小企業にとっては負担が大きく、自動化を見送らざるを得ないケースも一定数存在します。ただ、近年では“補助金バブル”と呼ばれるほど、国の補助金制度が充実しています。補助金を活用することで、通常よりも安価に自動化をおこなうことができます。 ⇒2024 年補助金動向予測はこちら 工場の自動化における課題②:熟練した技術者の確保の難しさ 自動化された設備を正しく運用し、メンテナンスできる専門技術者の確保が課題となります。特にロボット制御やシステムインテグレーションに精通した人材は不足しており、また技術者の育成には時間と費用がかかります。 工場の自動化における課題③:柔軟性の欠如 自動化された工程は非常に効率的ですが、製品の仕様変更や異種製品の生産には不向きです。 設備をカスタマイズするための工事が必要になるなど、柔軟性に欠ける傾向にあります。失敗しないためには、上流工程における自社に即した要件定義が非常に重要です。また、協働ロボットであれば、ロボット自体を移動させることが可能なため、比較的柔軟に品種追加や仕様変更に対応することができます。 ⇒協働ロボットの特徴と導入事例 工場自動化の流れ 工場の自動化を実現するためには、以下のような流れが一般的です。 図 工場の自動化フロー 特に重要なのは、「7.要求仕様書の作成」です。要求仕様書とは、自動化のために必要な仕様をSIerに要求する仕様書のことを指します。 適切な要求仕様書を作ることができなければ、要件が曖昧になり、トラブルが発生する可能性が高まります。 作成難易度が非常に高い要求仕様書ですが、適切な要求仕様書が作成できなければ、思い描くような自動化をおこなうことはできません。 ⇒関連記事:「要件定義書」と「要求仕様書・RFP」の違いとは!?基本の流れと重要性、記載内容について解説! 自動化実現のポイント 最後に、工場の自動化を成功させる際におさえておくべき3つのポイントについて紹介します。 工場の自動化を実現する際のポイント①:全社を挙げて自動化に取り組む 工場の自動化は、時間・工数・お金などのさまざまな労力をかけることで達成されます。生産現場だけ、経営層だけでプロジェクトを推進しても、思い描く自動化を実現することは非常に難しいです。“経営層の強力なリーダーシップ”、“現場スタッフの理解と協力”この両輪があって初めて、自動化プロジェクトは成しえます。自動化への意識改革を促し、スムーズな移行を図るためにも全社一丸となった体制作りが重要です。 工場の自動化を実現する際のポイント②:段階的なアプローチ “自動化したい“という思いや構想が先行し、一気に自動化を進めてしまうと、失敗する可能性が高まります。寧ろ急激に自動化を進めてしまうと、現場の作業員が変化を許容することができなくなり、自動化に対して苦手意識をもってしまう懸念があります。 そのため、最初は一部の工程から自動化を始め、その効果を確認しながら、徐々に自動化範囲を広げていくアプローチが望ましいでしょう。トライ&エラーを重ねながら自動化ノウハウを蓄積し、リスクを最小限に抑えることができます。また、現場の作業員の方の成功体験を少しずつ積んでいくことで、社内の自動化推進をさらに進めることができます。 工場の自動化を実現する際のポイント③:外部企業の利用 自社内に自動化に関する知見を持っている社員がいれば、その社員を主導にしてプロジェクトを推進していくのが良いでしょう。しかし、そんな知見を持っている社員が在籍していない企業様もいらっしゃるかと思います。そんな企業様は、外部企業を頼ることを強くおすすめします。 コンサルを利用する 工場の自動化をおこなう際は、コンサルティング会社を利用することを強くおすすめします。 さまざまある課題のうち、どこから自動化をおこなえば良いのか? どんどん新しい技術が出てきているが、どんなサービスが自社に合っているのか? 目の前の仕事もおこないながら、自動化プロジェクトを完遂することができるのか? など、自動化に関するお悩みは多岐に渡ります。 コンサルティング会社を活用することで、自社内のみで取り組むよりも速く、かつ精度高くプロジェクトを成功させることができます。 船井総研では、以下を強みとしながらコンサルティングをおこなっております。 製造業専門×自動化専門のコンサルタントがおこなう要件定義 作成難易度が高い、要求仕様書の作成代行 SIer 選定/設備の価格交渉 設備導入後の運用面もサポート ご相談をご希望の方は以下のフォームよりお問い合わせください。 まとめ 工場の自動化は生産性向上や人手不足対策、品質向上など、さまざまなメリットが期待できる一方で、初期コストの高さや技術者の確保、柔軟性の欠如といった課題もあります。 しかし、適切な手順と対策を講じることで、これらの課題を乗り越え、自動化を着実に実現できるはずです。 経営層の強力なリーダーシップと、全社員の理解と協力の下、段階的な取り組みと人材育成を行うことが成功の鍵となります。 船井総研では、工場における自動化コンサルティングをおこなっております。 ご興味をお持ちの方は 1 時間程度の、無料相談会を活用ください。 自動化専門のコンサルタントが、対応させていただきます。 いつもご愛読いただきありがとうございます。 人件費高騰や人手不足、さらには生産性向上の必要性から、製造業における自動化の重要性が年々高まっています。 本記事では、工場の自動化とは何か、自動化を行う意義や具体的な事例、メリット・課題、そして自動化を実現するための適切な進め方を詳しく解説します。 工場の生産現場で働く方、自動化を検討されている経営者の皆様は、ぜひ最後までお読みください。 工場の自動化とは何か? 工場の自動化とは、製造工程の一部または全工程において、人手に頼る作業を機械化・システム化することで、生産性の向上と品質の安定化を実現する取り組みのことを指します。 自動化の対象は、部品の搬送や組立て、溶接、塗装、検査など、あらゆる工程が含まれます。 また、生産の直接工程だけでなく、在庫管理や製造指示の発行などの間接工程についても、自動化をおこなうことが可能です。 工場自動化の必要性 工場における自動化のメリットは大きく、そのニーズは年々高まっています。主な理由は以下の通りです。 まず人件費の高騰です。製造業の人件費は上昇を続けており、自動化による省人化が、人件費削減のカギとなります。 例えば 2024 年の春闘における、組合員数 300 名以下の中小企業 (2123 社)の賃上げ率は、4.75%と、過去最高の賃上げ率を記録しています。(2024 年 4 月 18 日時点) 引用:https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/QCKCLLTJ6ZNWZOSLFMNJ5VP7FE-2024-04-18/ また、日系企業の海外拠点においても、平均賃金の上昇傾向が見られます。 図 A は、2020 年 1 月~2022 年 11 月における、在アメリカ日系製造業の平均時給の推移を示しています。 図 B では 2013 年~2023 年における、アジア各国の製造業の基本月給を比較しています。 図 A:2020 年 1 月~2022 年 11 月における、在米日系製造業の平均時給の推移 引用:https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/2023/ab437b35a1ad87e0.html 図 B:2013 年~2023 年における、アジア各国の製造業の基本月給の比較 引用:https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/2024/37977922f57e157a.html これらの内容を鑑みると、海外拠点においても人件費の高騰が見られることがわかります。 次に労働人口の減少と人手不足の課題があります。生産年齢人口の減少が深刻化する中、作業員の確保が困難になっており、足りない人手を自動化で補う必要があります。 日本の人口は、2005 年をピークに減少傾向にあります。総務省が出しているデータによると、2005 年~2050 年の間で、総人口は 3,300 万人減少、若年人口 (15 歳未満の者の人口)は約 900 万人減少、生産年齢人口は約 3,500 万人減少、高齢人口(65 歳以上の者の人口)は約 1,200 万人増加すると見込まれています。 図 日本における総人口の推移と予測 引用:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_21481.html 製造業においても、同様に人口減少の影響を受けています。総務省の労働力調査によると、2000 年~2019 年間において、若年層の就業者数割合が減少し、高齢者層の就業者数割合が増加しています。 現状でも人手不足を感じている企業様は多いかと思いますが、これからさらに人手不足が加速していくことが懸念されています。 図 就業者に占める若年者・高齢者の割合の推移 引用:総務省「労働力調査」 このように、工場の自動化は企業の根幹を左右する重要な経営課題となっているため、自動化を計画的に進めていく必要があります。 工場の自動化成功事例 7 選 次に、工場自動化の実際の成功事例をいくつかご紹介します。 工場の自動化成功事例①:株式会社アスザック 自動バリ取りロボット アスザック株式会社ではロボットを使うことによって、工数がかかっていたバリ取り作業の自動化に成功しました。業種と自動化効果、投資金額は以下のようになっています。 業種 セラミック製品製造 自動化効果 年間工数 1019 時間削減・生産性 167%増 投資金額 1800 万円+6 軸ロボット費用 アスザック株式会社の成功事例の特徴は、画像認識によりバリ取りパスを自動で生成している点です。自動生成されたパスに沿ってロボットが動作するため、品種ごとにティーチングプログラムを作成する必要がなく、超多品種少量生産に対応することができます。 本来ロボットを稼働させる際は、ティーチングと呼ばれるロボットのプログラムを人が作成する必要があります。そのためロボットでさまざまな製品の加工をおこなおうとすると、その数だけティーチングをおこなう必要があります。 アスザック株式会社では、画像認識による自動プログラム作成を採用しているため、作業員が治具に製品を置けば、ロボットが自動でバリ取りをおこなってくれます。 ⇒関連記事:お客様の声-アスザック株式会社様_自社の業務に合わせた自動化で、少ない人員でも生産増に対応することができました 工場の自動化成功事例②:株式会社ウエノ 世界初の自動化 株式会社ウエノは、コイル製造の自動化に世界で初めて成功しました。特筆すべきは、既存作業の自動化に留まらず、自動化に最適化された製品「ウエノコイル」を独自に開発した点です。この戦略により、コイル一個あたりの製造時間を従来の1/50に短縮し、累計2億個を超えるヒット商品を生み出すという驚異的な成果を達成しました。 業種 コイル製造 自動化効果 生産性2000%増 投資金額 - 自動化以前は、手作業によるコイル巻きが品質のばらつきや生産性の低さ、対応種類の制約といった課題を抱えていました。これに対し、株式会社ウエノは世界初のトロイダルコイル自動巻線機を開発し、一部工程の自動化を実現しました。 そこからさらに、自動化に適した新製品「ウエノコイル」の開発によってもたらされました。コア形状と巻線材を見直し、性能向上と自動化の容易さを両立させたのです。同時に、この新製品専用の自動巻線機も開発。この独自の製品開発と自動化技術の組み合わせにより、製造時間を大幅に短縮し、生産性を飛躍的に向上させました。 その成功の秘訣は、自動機開発とともに、自動化対象(製品)を開発したことです。 ロボット導入において、自動機を開発するのは当たり前です。株式会社ウエノの特筆すべき点は、自動化対象(製品)も同時に開発したことです。ここで、株式会社ウエノでおこなった自動化施策を振り返りたいと思います。 株式会社ウエノでおこなった自動化施策をまとめると、大きく以下の3つに集約することができます。 Step1では、既存業務をベースに自動化をおこない、人がコイルを手巻きする作業をそのままロボットで再現しました。 Step2では、自動化に適した、全く新しい形状のコイル製品の開発をおこないました。 Step3では、開発したウエノコイルを自動で製造するためのウエノコイル巻き線機を開発しました。 非常に重要なポイントは、Step2の“ウエノコイル開発”です。株式会社ウエノではStep1の後、さらに生産性向上を見込むために次代の自動機開発をすぐにおこなうのではなく、自動化に適した製品の開発をおこないました。 ウエノコイルは従来の丸線ではなく平角線を活用し、ばね製造の方法をオマージュして設計された製品です。ばね製造の着想をコイルに落とし込み、さらに性能を上げることにも成功しました。この自動化に適した“ウエノコイル”の製造を自動化することで、強力な自動化インパクトを出すことに成功しました。 ⇒関連記事:世界で初めての自動化に成功し、生産性20倍を実現した事例に学ぶ-株式会社ウエノが自動化に成功した秘訣- 工場の自動化成功事例③:株式会社有川製作所 自動化により6名の若手を新規採用 株式会社有川製作所は、小ロット多品種生産体制において、長年手作業によるコスト・納期、品質管理の課題に直面していました。ダイキャスト・切削工程でのコスト高と納期遅延、手仕上げであるバフ加工の品質ばらつき、ルーティン作業への人員集中、そして深刻な人員不足が、増加する受注への対応を大きく懸念させる状況でした。さらに、検査工程における検査員の負担増加も、生産停滞を招く要因となっていました。 業種 金属プレス金型設計製作、金属プレス加工製品製造 自動化効果 プレス加工生産能力9%向上/検査能力22%向上 投資金額 - これらの課題に対し、有川製作所では「小人の靴屋プロジェクト」と銘打った自動化を積極的に推進しました。その取り組みとして、まず機械加工からプレス加工への工法転換を行い、コストと納期の大幅な改善を実現しました。また、単純作業の機械化には協働ロボットを導入し、テックマンロボットとTMランドマークを活用することで、段取り毎に異なる金型やロボットの位置においても、クリアランスの狭い金型内に毎回正確にワークをセットすることを可能にし、位置決め精度を向上させました。自動化システムの導入においては内製化を重視。技術的なスキル不足に対しては、山崎電機やオムロンからの技術支援を受けながら克服しました。これらの自動化施策の結果、プレス加工の生産能力は9%向上し、検査工程においても協働ロボットによる自動化により検査能力が22%向上、検査員の負担軽減と停滞品の削減に大きく貢献しました。 この自動化の成功の背景には、自動化推進の専任者を指名し、組織全体で自動化への意識を高めたこと、SE育成のための環境づくり(外部強制力としての補助金活用、上司と技術商社との連携によるサポート体制、試行錯誤推奨、経営層からの明確なメッセージ)を重視したこと、完璧を目指さず妥協点を見つけて無駄のない動きを創るという柔軟な発想、そして単なる省力化ではなく企業価値向上を目指す経営戦略がありました。自社の取り組みを公開する展示場を開設したことも、社内外との連携強化と社員のモチベーション向上に繋がりました。 この「小人の靴屋プロジェクト」は、単なる省力化に留まらず、会社全体を大きく変革する力となり、自動化スキルの獲得とSEの育成は、若手人材の成長を促し、新しい職種の創出やスキル取得範囲の拡大を通じて働きがいを向上させました。その結果、技術部の増員や新事業の開始といった高付加価値工程への配置転換も実現しています。顧客からは新しい取り組みに対する高い評価とビジョン経営への共感が得られ、採用活動においても応募者が増加し、若手6名、キャリア採用2名の計8名の優秀な人材獲得に成功しました。受注量の増加にも柔軟に対応できる対応力の強化、そして売上増と2年連続の残業ゼロという目覚ましい成果を達成しました。 ⇒関連記事:中小製造業の未来モデル!有川製作所の自動化による企業変革コラム 工場の自動化成功事例④:S社 協働ロボット S 社では、協働ロボットを使うことによって、加工機へのワーク投入作業の自動化に成功しました。 業種 樹脂切削加工品製造 自動化効果 年間工数 1200 時間削減 投資金額 500 万円 S社の成功事例の特徴は、SIer なしでロボット導入を行った点です。ロボット導入のネックになりがちな費用として、SIer 費用があげられます。 (S社でロボット導入を検討した際は、ロボット本体代金のほかに SIer 費用が 1000 万円近く見積もられていました。) S社では、自社で内製化することで、SIer 費用を押さえながらロボット活用を行うことに成功しました。 内製化の利点は、自動化品種の追加や、製造ラインの変更に比較的容易に対応できることです。ロボット立ち上げ時に、技術的な開発部分を SIer に任せてしまうと、新たに品種追加を行う際はさらに SIer に費用を払わなくてはなりません。内製化は時間も工数もかかりますが、中長期的に見れば経営効果は高いでしょう。 また、この会社様は従業員数 10 名以下の会社様のため、1 日数時間だけ単純作業を自動化するだけでも、高い自動化効果を発揮することができます。従業員数が少なくなればなるほど捻出される時間の価値が高まるため、ロボット活用は事業規模が小さい会社様ほど効果を発揮できるといえます。 ⇒関連記事:日本&海外の協働ロボットメーカー16社の特徴を紹介! ⇒関連記事:協働ロボットの特徴と導入事例 工場の自動化成功事例⑤:C 社溶接ロボット・研磨ロボット C社では、高い品質が求められる製品において、溶接工程と研磨工程の自動化に成功しました。 業種 鈑金溶接品製造 自動化効果 溶接・研磨の熟練技術の継承に成功 投資金額 7700 万円 (うち 4000 万円は補助金) C社の成功事例の特徴は、非常に難易度の高い薄板ステンレスの TIG 溶接と鏡面研磨を最新技術を活用して自動化した点です。さらに投資金額 7700 万円のうち 4000 万円は事業再構築補助金を活用することにより投資コストを抑えています。 薄板の TIG 溶接は非常に熟練度が要求される作業であり、早い人でも製品として出荷できるレベルに達するまでには 5 年はかかる職人技術と言われています。また、C社の製品における研磨工程は鏡面仕上げとなっており相当の工数がかかっている状態でした。 これら難易度の高い職人技術を 6 軸力覚、加速度、位置センサー、アクティブ・コンプライアンス制御技術を用いて自動化に成功しました。 工場の自動化成功事例⑥:S社 AI 外観検査 S社では、樹脂成形製品の目視検査をAI外観検査で自動化に成功しました。 業種 樹脂成型品製造 自動化効果 検査人員 2 名削減・1400 万円/年のコスト削減 投資金額 2400 万円 S社の成功事例の特徴は、製品自体を回転させながら撮像をおこない、AIに不良品判定を行わせている点です。 S社では、通常では検査が難しい透明の円筒形製品検査の自動化に取り組みました。製品自体を回転させ、且つ撮像した製品画像をAIで処理することで、不良品判定の自動化を成功させました。 明確な金額は記載しませんが、S社も補助金を活用することで投資費用を抑えています。 ⇒関連記事:AI外観検査とは?従来の画像検査との違い、導入のメリットや注意点とは? 工場の自動化成功事例⑦:A社 協働ロボット A社では、100 台の協働ロボットを導入し、ワーク投入やエアブロー、検査などの自動化に成功しました。 業種 金属部品加工 自動化効果 人員 60名削減・2.5億/年のコスト削減 投資金額 協働ロボット 100台分 A社の成功事例の特徴は、S社と同様SIerレスで自動化に成功した点です。PLCが扱える人材を採用し、徹底してロボット活用の社内教育を行うことで、コストを抑えた圧倒的な自動化を実現しました。 総額では大きい投資となっていますが、それに見合うだけの費用対効果を実現しています。 さらに事例の詳細について気になる方は、1時間程度の無料相談会を活用ください。 HP 上には記載しきれていない、成功事例の詳細や、自動化に関する情報を余すことなくご提供させていただきます。 工場自動化のメリット 工場の自動化には大きなメリットがあります。主なものとして以下の3点が挙げられます。 工場の自動化を行うメリット①: 飛躍的な生産性の向上 自動化ラインでは 24 時間無休の連続稼働が可能で、機械の動作スピードと精度の高さから人手を遥かに上回る生産性が見込めます。動作速度の遅い協働ロボットを使ったとしても、夜間稼働や休日稼働を行うことで、生産性を向上させることができます。 工場の自動化を行うメリット②: 製品品質の均一化と不良率低減 人手作業では熟練度の差により品質のばらつきが避けられませんが、自動化ラインは完全にプログラムに基づいて動作するため、均一で高い品質を実現できます。また、検査工程の自動化も相まってさらなる不良低減も期待できます。近年では AI の技術が進歩し、従来では自動検査が難しかった製品においても、自動化・不良率の低減を行うことが可能になっています。 工場の自動化を行うメリット③: 安全性と労働環境の改善 危険度や負荷が高い作業を従業員におこなわせてしまっている…そんな企業様は一定数存在しているのではないでしょうか。 自動化をすることができれば、危険な作業や重労働から作業員を解放できるため、安全性が大きく向上します。特に、溶接や有害物質を扱う工程などでの恩恵は計り知れません。作業環境を整えることで、人材採用や人が辞めない環境づくりを行うことができます。 工場の自動化における課題 工場の自動化にはたくさんの良い面がありますが、同時に課題も存在します。自動化における課題は、以下の3つに集約されます。 工場の自動化における課題①:初期投資コストの高さ 先述の事例紹介をご覧になるとおわかりかと思いますが、工場の自動化に必要な設備やシステムの導入には多額の初期投資が必要となります。 ロボットや制御システムの購入費用に加え、既存設備との統合や作業環境の改修費用も発生します。正直なところ、中小企業にとっては負担が大きく、自動化を見送らざるを得ないケースも一定数存在します。ただ、近年では“補助金バブル”と呼ばれるほど、国の補助金制度が充実しています。補助金を活用することで、通常よりも安価に自動化をおこなうことができます。 ⇒2024 年補助金動向予測はこちら 工場の自動化における課題②:熟練した技術者の確保の難しさ 自動化された設備を正しく運用し、メンテナンスできる専門技術者の確保が課題となります。特にロボット制御やシステムインテグレーションに精通した人材は不足しており、また技術者の育成には時間と費用がかかります。 工場の自動化における課題③:柔軟性の欠如 自動化された工程は非常に効率的ですが、製品の仕様変更や異種製品の生産には不向きです。 設備をカスタマイズするための工事が必要になるなど、柔軟性に欠ける傾向にあります。失敗しないためには、上流工程における自社に即した要件定義が非常に重要です。また、協働ロボットであれば、ロボット自体を移動させることが可能なため、比較的柔軟に品種追加や仕様変更に対応することができます。 ⇒協働ロボットの特徴と導入事例 工場自動化の流れ 工場の自動化を実現するためには、以下のような流れが一般的です。 図 工場の自動化フロー 特に重要なのは、「7.要求仕様書の作成」です。要求仕様書とは、自動化のために必要な仕様をSIerに要求する仕様書のことを指します。 適切な要求仕様書を作ることができなければ、要件が曖昧になり、トラブルが発生する可能性が高まります。 作成難易度が非常に高い要求仕様書ですが、適切な要求仕様書が作成できなければ、思い描くような自動化をおこなうことはできません。 ⇒関連記事:「要件定義書」と「要求仕様書・RFP」の違いとは!?基本の流れと重要性、記載内容について解説! 自動化実現のポイント 最後に、工場の自動化を成功させる際におさえておくべき3つのポイントについて紹介します。 工場の自動化を実現する際のポイント①:全社を挙げて自動化に取り組む 工場の自動化は、時間・工数・お金などのさまざまな労力をかけることで達成されます。生産現場だけ、経営層だけでプロジェクトを推進しても、思い描く自動化を実現することは非常に難しいです。“経営層の強力なリーダーシップ”、“現場スタッフの理解と協力”この両輪があって初めて、自動化プロジェクトは成しえます。自動化への意識改革を促し、スムーズな移行を図るためにも全社一丸となった体制作りが重要です。 工場の自動化を実現する際のポイント②:段階的なアプローチ “自動化したい“という思いや構想が先行し、一気に自動化を進めてしまうと、失敗する可能性が高まります。寧ろ急激に自動化を進めてしまうと、現場の作業員が変化を許容することができなくなり、自動化に対して苦手意識をもってしまう懸念があります。 そのため、最初は一部の工程から自動化を始め、その効果を確認しながら、徐々に自動化範囲を広げていくアプローチが望ましいでしょう。トライ&エラーを重ねながら自動化ノウハウを蓄積し、リスクを最小限に抑えることができます。また、現場の作業員の方の成功体験を少しずつ積んでいくことで、社内の自動化推進をさらに進めることができます。 工場の自動化を実現する際のポイント③:外部企業の利用 自社内に自動化に関する知見を持っている社員がいれば、その社員を主導にしてプロジェクトを推進していくのが良いでしょう。しかし、そんな知見を持っている社員が在籍していない企業様もいらっしゃるかと思います。そんな企業様は、外部企業を頼ることを強くおすすめします。 コンサルを利用する 工場の自動化をおこなう際は、コンサルティング会社を利用することを強くおすすめします。 さまざまある課題のうち、どこから自動化をおこなえば良いのか? どんどん新しい技術が出てきているが、どんなサービスが自社に合っているのか? 目の前の仕事もおこないながら、自動化プロジェクトを完遂することができるのか? など、自動化に関するお悩みは多岐に渡ります。 コンサルティング会社を活用することで、自社内のみで取り組むよりも速く、かつ精度高くプロジェクトを成功させることができます。 船井総研では、以下を強みとしながらコンサルティングをおこなっております。 製造業専門×自動化専門のコンサルタントがおこなう要件定義 作成難易度が高い、要求仕様書の作成代行 SIer 選定/設備の価格交渉 設備導入後の運用面もサポート ご相談をご希望の方は以下のフォームよりお問い合わせください。 まとめ 工場の自動化は生産性向上や人手不足対策、品質向上など、さまざまなメリットが期待できる一方で、初期コストの高さや技術者の確保、柔軟性の欠如といった課題もあります。 しかし、適切な手順と対策を講じることで、これらの課題を乗り越え、自動化を着実に実現できるはずです。 経営層の強力なリーダーシップと、全社員の理解と協力の下、段階的な取り組みと人材育成を行うことが成功の鍵となります。 船井総研では、工場における自動化コンサルティングをおこなっております。 ご興味をお持ちの方は 1 時間程度の、無料相談会を活用ください。 自動化専門のコンサルタントが、対応させていただきます。

溶接ロボットの特徴とメリット、溶接ロボット導入成功事例

2024.04.03

1.溶接ロボット導入のメリット 溶接現場においては、TIGやCO2溶接などの伝統的な手作業には職人の技術や属人化が強く関わっており、熟練技術が要求されています。たとえば、TIG溶接では作業者の高度な技術や熟練した技量が求められ、その技術によって溶接の品質が左右されることがあります。同様に、CO2溶接でも作業者の熟練した技能が品質に直結します。 しかしながら、このような職人の技術や属人化による作業は、作業者間での品質のばらつきや疲労による労働者の品質低下、さらには事故リスクなどを招く可能性があります。このような課題を解決するために、溶接ロボットの導入は非常に有益です。溶接ロボットは、職人の技術や熟練した技量に依存することなく、プログラムに基づいて高速かつ正確な溶接を行うことができ、作業者間での品質のばらつきをなくし、生産性向上にもつながります。 溶接ロボットの導入により、職人の技術による属人化が低減され、作業者の負担が軽減されます。また、熟練技術に依存することなく、溶接作業の品質の向上と生産性の向上が実現されることから、中小製造業における溶接作業の効率化が期待できます。 2.人による溶接のメリットとデメリット 人による溶接のメリットとデメリットには以下のような点が挙げられます。 【メリット】 柔軟性:人による溶接は、複雑な形状や特殊な溶接部位にも対応できる柔軟性があります。作業者の技術や経験によって臨機応変な対応が可能です。 費用面:小規模な溶接作業や簡易な修理作業において、機械化よりもコストが低く済む場合があります。 開始コスト:溶接機器やロボットの導入に比べ、人による溶接のための開始コストが低い場合があります。 【デメリット】 人的要因:作業者の技能や集中力に依存するため、品質や効率に作業者個々のスキルやコンディションが影響します。 作業環境:危険物の取り扱いや有害物質の発生など、溶接には作業環境面でのリスクが伴います。 一貫性の問題:作業者の技能や疲労により、品質のばらつきや一貫性の確保が難しい場合があります。 次に溶接ロボットの特徴と選定ポイントについて解説します。 3.溶接ロボットの特徴と選定ポイント 溶接ロボットの特徴と選定ポイントは、溶接作業の自動化によって生産性向上と品質管理の確保を可能にします。溶接ロボットは高い精度と一貫性を持ち、人手による溶接と比べて作業効率が向上します。さらに、定常的な作業や大量の溶接作業においても、疲労やヒューマンエラーのリスクが低減されます。また、多くの溶接ロボットは柔軟な運用が可能であり、多様な溶接方法に対応しています。 溶接ロボットを選定する際には、溶接範囲、溶接速度、精度、および自動化の程度などの機能面だけでなく、設置スペースや作業環境などの環境面も考慮する必要があります。また、溶接ロボットシステムは他の製造設備との連携や統合が求められるため、適切なロボットシステムとの統合も重要な選定ポイントです。操作性や保守性、さらにセーフティ機能なども検討すべき要素であり、これらの選定ポイントを踏まえたうえで、最適な溶接ロボットを導入することが適切な選択となります。 4.溶接ロボット導入における補助金制度と活用方法 溶接ロボットの導入においては、補助金制度を活用することで導入コストを軽減することが可能です。補助金制度は地域や産業によって異なりますが、一般的には製造業において省人化や生産性向上を促進するための補助金が設けられています。 補助金の活用方法としては、まず溶接ロボットの導入計画を具体化し、補助金の申請資格や条件を確認することが重要です。補助金は多くの場合、導入する機器の性能や省エネ効果、労働環境の改善などに基づいて支給されるため、溶接ロボット導入による効果や効能を明確に示すことが求められます。 また、地域の助成金や補助金、国の産業支援策などの補助金制度を活用するためには、補助金の申請手続きや提出書類の準備なども正確に行う必要があります。地域の商工会や製造業支援機関などからの情報収集などを通じて、最新の補助金情報を入手し、適切な補助金を活用することが重要です。 5.溶接ロボット導入成功事例 ■大阪府A社の事例 ・概要 電気設備や空調設備向けの筐体を製造する工程に溶接ロボットを導入。 産業用ロボット2台を設置し、1台が溶接、もう1台がワークハンドリングと溶接後の研磨を行う ・導入に至った経緯 職人に頼った溶接品質であり、かつ人による品質の差が発生していた ・導入による効果 溶接職人に頼っていた溶接作業をロボット化することで若手でも同様の品質の製品を製造することが可能となった。 溶接と同時に溶接後の研磨もロボット化することで生産性が向上した。 ・成功のポイント 多品種少量生産に適した溶接ロボットを導入し、製品の形状の多様性に対応できるようにした。この溶接ロボットは、製品の形状の多様性に対応できるように設計されており、生産ライン全体の効率を向上させることができた。 成功のポイントは、製品の形状が多様である中で、作業分析を行い、ロボット化が困難な部分を見極め、その部分のみをロボット化することで、生産効率を向上させた点。このアプローチにより、製品の多様性に対応しつつ、生産ライン全体の効率を最大化することができた。 ■長野県B社 ・概要 ステンレス薄板のTIG溶接をロボット化。 さらに溶接後の鏡面研磨もロボット化に成功した事例。 ・導入に至った経緯 TIG溶接の難易度はもちろんのこと、溶接後の鏡面研磨は非常に工数がかかる工程で生産性の低下原因となっていた。 ・導入による効果 通常の手溶接では5年ほどかかる難易度の高いステンレス薄板のTIG溶接をロボット化することで職人依存体制から脱却した。 さらに、工数のかかる鏡面研磨を自動化することで生産性が大幅に向上した。 ・成功のポイント 成功のポイントは、補助金を最大限活用してコストを抑えることや、多品種対応のためのシンプルなシステムと治具構想によって、多品種少量生産の板金加工業における職人技術のTIG溶接と研磨をロボット化したことである。この取り組みにより、工数削減と脱職人依存を実現し、さらに、外観部分のバフ研磨をロボットで実現するための方法についても詳細に取り組みを行った。また、補助金の獲得額としては4000万円の補助金を獲得し、この補助金の獲得額が成功につながった要因の一つとなっている。 ■茨城県C社 ・概要 対象となるワークは、主に変圧器用の配管で、長さ200㎜~5000㎜、径20A ~300Aの幅広い寸法で多品種少量生産の配管溶接をロボット2台とスライダー、ポジショナーを活用したシステムを構築した。 ・導入に至った経緯 使用用途が特殊な配管であり、特に大きな径の配管溶接は職人技術で属人化していた ・導入による効果 職人の経験と勘をロボット技術に置き換えることで、製品の出来栄えに差があった問題を解消し、製品品質の見直しを行った。また、最新技術の活用により、製品の品質向上と生産性の向上が実現された。 ・成功のポイント こちらのロボット溶接システムでは対象ワークが一品一様でありその都度ティーチングを行うことが困難であったためティーチングレスのシステムを構築したことで多品種少量生産の溶接をロボット化することに成功した。 また、事業再構築補助金を活用することで約3000万円の補助額を獲得し低コストでの溶接ロボットシステム導入を成功させることができた。 6.さいごに 工場DX.comを運営する船井総合研究所では溶接ロボットの導入のお手伝いが可能です。 初めてで進め方が良く分からない、投資するならば投資対効果のある投資がしたい、など お気軽にご相談下さい。 ご相談はこちら https://lp.funaisoken.co.jp/mt/form01/inquiry-S045.html 多品種少量生産対応の溶接ロボットを導入したい! ▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼ 本レポートでは、「多品種少量生産対応溶接ロボット」にテーマを絞り、具体的な導入方法と成功事例をご紹介いたします。 【①】多品種少量溶接ロボット導入の進め方 ~業務分析、データ収集、作業分析、コスト効果分析、、、~ 【②】多品種少量溶接ロボット導入の具体的手法 ~溶接工程の作業分析を実施し本溶接とグラインダー仕上をロボット化~ 導入の具体的手法を徹底解説!! 【③】補助金を活用した多品種少量溶接ロボット導入成功事例 ●小ロット多品種板金加工業の溶接工程にロボット導入 7軸ロボットの導入により、人手に頼っていた溶接部門のロボット化を実現 ●車両用大型部品の溶接工程にロボット導入 大量生産にしか向かないロボットのイメージを払拭、はじめてのロボット導入に至る ●曲面や立体形状アルミ部品のスタッド溶接加工作業をロボット化 スタートボタンを押すだけの簡単操作でパート社員でも操作が可能に ●建設部品の外観部溶接工程にロボット導入 高度な技術をもった熟練作業者しかできない外観部溶接工程にロボットを導入 ●鍛造金型の硬化肉盛り工程へのロボット導入 ロボットオフラインソフトを用いて曲面ティーチング作業を数分で効率的に処理 ●特注大型門扉製造工程における溶接ロボットシステムの効率化 事前に分類した教示データの利用で、溶接スキルの有無にかかわらず誰でも操作可能に https://lp.funaisoken.co.jp/mt/smart-factory/dltext05-01-dl.html 中堅・中小製造業 経営者向け AI外観検査の導入ポイント 解説レポート 中小製造業がロボット導入で費用対効果を最大化するために最初にすべきこと ▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼ 「こうなりたい!」と思っている経営者様におすすめ 導入経験がない事業主でもロボット導入において最初にすべきことがわかる! 人手を掛けずに生産性を上げるロボット活用手法がわかる! 多品種少量生産対応の中小製造業のロボット活用手法がわかる! 製造業では必ずと言っていいほど人手のかかる作業となっている外観検査。 本レポートではその外観検査の自動化について、自動化のメリットとAIを活用した外観検査の概要、導入におけるポイント、成功事例を解説しています。 https://www.funaisoken.co.jp/dl-contents/smart-factory__02131_S045 1.溶接ロボット導入のメリット 溶接現場においては、TIGやCO2溶接などの伝統的な手作業には職人の技術や属人化が強く関わっており、熟練技術が要求されています。たとえば、TIG溶接では作業者の高度な技術や熟練した技量が求められ、その技術によって溶接の品質が左右されることがあります。同様に、CO2溶接でも作業者の熟練した技能が品質に直結します。 しかしながら、このような職人の技術や属人化による作業は、作業者間での品質のばらつきや疲労による労働者の品質低下、さらには事故リスクなどを招く可能性があります。このような課題を解決するために、溶接ロボットの導入は非常に有益です。溶接ロボットは、職人の技術や熟練した技量に依存することなく、プログラムに基づいて高速かつ正確な溶接を行うことができ、作業者間での品質のばらつきをなくし、生産性向上にもつながります。 溶接ロボットの導入により、職人の技術による属人化が低減され、作業者の負担が軽減されます。また、熟練技術に依存することなく、溶接作業の品質の向上と生産性の向上が実現されることから、中小製造業における溶接作業の効率化が期待できます。 2.人による溶接のメリットとデメリット 人による溶接のメリットとデメリットには以下のような点が挙げられます。 【メリット】 柔軟性:人による溶接は、複雑な形状や特殊な溶接部位にも対応できる柔軟性があります。作業者の技術や経験によって臨機応変な対応が可能です。 費用面:小規模な溶接作業や簡易な修理作業において、機械化よりもコストが低く済む場合があります。 開始コスト:溶接機器やロボットの導入に比べ、人による溶接のための開始コストが低い場合があります。 【デメリット】 人的要因:作業者の技能や集中力に依存するため、品質や効率に作業者個々のスキルやコンディションが影響します。 作業環境:危険物の取り扱いや有害物質の発生など、溶接には作業環境面でのリスクが伴います。 一貫性の問題:作業者の技能や疲労により、品質のばらつきや一貫性の確保が難しい場合があります。 次に溶接ロボットの特徴と選定ポイントについて解説します。 3.溶接ロボットの特徴と選定ポイント 溶接ロボットの特徴と選定ポイントは、溶接作業の自動化によって生産性向上と品質管理の確保を可能にします。溶接ロボットは高い精度と一貫性を持ち、人手による溶接と比べて作業効率が向上します。さらに、定常的な作業や大量の溶接作業においても、疲労やヒューマンエラーのリスクが低減されます。また、多くの溶接ロボットは柔軟な運用が可能であり、多様な溶接方法に対応しています。 溶接ロボットを選定する際には、溶接範囲、溶接速度、精度、および自動化の程度などの機能面だけでなく、設置スペースや作業環境などの環境面も考慮する必要があります。また、溶接ロボットシステムは他の製造設備との連携や統合が求められるため、適切なロボットシステムとの統合も重要な選定ポイントです。操作性や保守性、さらにセーフティ機能なども検討すべき要素であり、これらの選定ポイントを踏まえたうえで、最適な溶接ロボットを導入することが適切な選択となります。 4.溶接ロボット導入における補助金制度と活用方法 溶接ロボットの導入においては、補助金制度を活用することで導入コストを軽減することが可能です。補助金制度は地域や産業によって異なりますが、一般的には製造業において省人化や生産性向上を促進するための補助金が設けられています。 補助金の活用方法としては、まず溶接ロボットの導入計画を具体化し、補助金の申請資格や条件を確認することが重要です。補助金は多くの場合、導入する機器の性能や省エネ効果、労働環境の改善などに基づいて支給されるため、溶接ロボット導入による効果や効能を明確に示すことが求められます。 また、地域の助成金や補助金、国の産業支援策などの補助金制度を活用するためには、補助金の申請手続きや提出書類の準備なども正確に行う必要があります。地域の商工会や製造業支援機関などからの情報収集などを通じて、最新の補助金情報を入手し、適切な補助金を活用することが重要です。 5.溶接ロボット導入成功事例 ■大阪府A社の事例 ・概要 電気設備や空調設備向けの筐体を製造する工程に溶接ロボットを導入。 産業用ロボット2台を設置し、1台が溶接、もう1台がワークハンドリングと溶接後の研磨を行う ・導入に至った経緯 職人に頼った溶接品質であり、かつ人による品質の差が発生していた ・導入による効果 溶接職人に頼っていた溶接作業をロボット化することで若手でも同様の品質の製品を製造することが可能となった。 溶接と同時に溶接後の研磨もロボット化することで生産性が向上した。 ・成功のポイント 多品種少量生産に適した溶接ロボットを導入し、製品の形状の多様性に対応できるようにした。この溶接ロボットは、製品の形状の多様性に対応できるように設計されており、生産ライン全体の効率を向上させることができた。 成功のポイントは、製品の形状が多様である中で、作業分析を行い、ロボット化が困難な部分を見極め、その部分のみをロボット化することで、生産効率を向上させた点。このアプローチにより、製品の多様性に対応しつつ、生産ライン全体の効率を最大化することができた。 ■長野県B社 ・概要 ステンレス薄板のTIG溶接をロボット化。 さらに溶接後の鏡面研磨もロボット化に成功した事例。 ・導入に至った経緯 TIG溶接の難易度はもちろんのこと、溶接後の鏡面研磨は非常に工数がかかる工程で生産性の低下原因となっていた。 ・導入による効果 通常の手溶接では5年ほどかかる難易度の高いステンレス薄板のTIG溶接をロボット化することで職人依存体制から脱却した。 さらに、工数のかかる鏡面研磨を自動化することで生産性が大幅に向上した。 ・成功のポイント 成功のポイントは、補助金を最大限活用してコストを抑えることや、多品種対応のためのシンプルなシステムと治具構想によって、多品種少量生産の板金加工業における職人技術のTIG溶接と研磨をロボット化したことである。この取り組みにより、工数削減と脱職人依存を実現し、さらに、外観部分のバフ研磨をロボットで実現するための方法についても詳細に取り組みを行った。また、補助金の獲得額としては4000万円の補助金を獲得し、この補助金の獲得額が成功につながった要因の一つとなっている。 ■茨城県C社 ・概要 対象となるワークは、主に変圧器用の配管で、長さ200㎜~5000㎜、径20A ~300Aの幅広い寸法で多品種少量生産の配管溶接をロボット2台とスライダー、ポジショナーを活用したシステムを構築した。 ・導入に至った経緯 使用用途が特殊な配管であり、特に大きな径の配管溶接は職人技術で属人化していた ・導入による効果 職人の経験と勘をロボット技術に置き換えることで、製品の出来栄えに差があった問題を解消し、製品品質の見直しを行った。また、最新技術の活用により、製品の品質向上と生産性の向上が実現された。 ・成功のポイント こちらのロボット溶接システムでは対象ワークが一品一様でありその都度ティーチングを行うことが困難であったためティーチングレスのシステムを構築したことで多品種少量生産の溶接をロボット化することに成功した。 また、事業再構築補助金を活用することで約3000万円の補助額を獲得し低コストでの溶接ロボットシステム導入を成功させることができた。 6.さいごに 工場DX.comを運営する船井総合研究所では溶接ロボットの導入のお手伝いが可能です。 初めてで進め方が良く分からない、投資するならば投資対効果のある投資がしたい、など お気軽にご相談下さい。 ご相談はこちら https://lp.funaisoken.co.jp/mt/form01/inquiry-S045.html 多品種少量生産対応の溶接ロボットを導入したい! ▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼ 本レポートでは、「多品種少量生産対応溶接ロボット」にテーマを絞り、具体的な導入方法と成功事例をご紹介いたします。 【①】多品種少量溶接ロボット導入の進め方 ~業務分析、データ収集、作業分析、コスト効果分析、、、~ 【②】多品種少量溶接ロボット導入の具体的手法 ~溶接工程の作業分析を実施し本溶接とグラインダー仕上をロボット化~ 導入の具体的手法を徹底解説!! 【③】補助金を活用した多品種少量溶接ロボット導入成功事例 ●小ロット多品種板金加工業の溶接工程にロボット導入 7軸ロボットの導入により、人手に頼っていた溶接部門のロボット化を実現 ●車両用大型部品の溶接工程にロボット導入 大量生産にしか向かないロボットのイメージを払拭、はじめてのロボット導入に至る ●曲面や立体形状アルミ部品のスタッド溶接加工作業をロボット化 スタートボタンを押すだけの簡単操作でパート社員でも操作が可能に ●建設部品の外観部溶接工程にロボット導入 高度な技術をもった熟練作業者しかできない外観部溶接工程にロボットを導入 ●鍛造金型の硬化肉盛り工程へのロボット導入 ロボットオフラインソフトを用いて曲面ティーチング作業を数分で効率的に処理 ●特注大型門扉製造工程における溶接ロボットシステムの効率化 事前に分類した教示データの利用で、溶接スキルの有無にかかわらず誰でも操作可能に https://lp.funaisoken.co.jp/mt/smart-factory/dltext05-01-dl.html 中堅・中小製造業 経営者向け AI外観検査の導入ポイント 解説レポート 中小製造業がロボット導入で費用対効果を最大化するために最初にすべきこと ▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼ 「こうなりたい!」と思っている経営者様におすすめ 導入経験がない事業主でもロボット導入において最初にすべきことがわかる! 人手を掛けずに生産性を上げるロボット活用手法がわかる! 多品種少量生産対応の中小製造業のロボット活用手法がわかる! 製造業では必ずと言っていいほど人手のかかる作業となっている外観検査。 本レポートではその外観検査の自動化について、自動化のメリットとAIを活用した外観検査の概要、導入におけるポイント、成功事例を解説しています。 https://www.funaisoken.co.jp/dl-contents/smart-factory__02131_S045

【2024年】中小製造業のための今後のロボット活用方程式

2024.02.29

▼関連レポート 無料ダウンロードはこちらをクリック 1.中小製造業における課題とロボット活用の現状 中小製造業における課題として、超・人手不足問題が顕著です。 製造業の34歳以下の就業者数が年々減少しており、若年者の入職者数の増加が鈍い一方、高齢化が進んでいます。 特に中小企業にとっては人手不足が今後さらに深刻化する可能性があります。 このような状況下で、ロボット活用が注目されています。 ロボット活用によって単純な人手不足の解消と若手にとって魅力ある環境作りが不可欠です。 これらの情報を踏まえると、中小製造業では人手不足問題が深刻化しており、特に高齢化が進む中で若年者の入職者数が増加しづらい状況が把握されます。 そのため、ロボット活用が必要不可欠であり、単純な人手不足問題の解消だけでなく、若手にとっても働きやすい環境の整備が喫緊の課題となっています。 2.2024年中小製造業のロボット活用は協働ロボットが主流になる! 2020年、世界の産業用ロボット出荷台数全体に占める協働ロボットの割合は5%ほどでしたが、20%以上の伸び率を示し、今後の市場拡大が期待されています。 2030年には現在の2倍以上の市場規模に拡大すると予想されています。 特に中小製造業において、協働ロボットが主流となる理由について、簡単な操作や省スペースの特性が挙げられます。 多品種少量生産でロボットを取り扱う技術がなく、狭いスペースの中小製造業には従来の産業用ロボットが不向きであるため、協働ロボットが重要視されています。 この情報から、2024年には中小製造業において協働ロボットが主流になり、その需要がさらに拡大する見込みであることが示されます。 特に協働ロボットは、簡単な操作や省スペースの特性から、人手不足の解消や多品種少量生産に適した製造現場での活用が期待されています。 これらの要因により、協働ロボットは中小製造業においてますます重要な役割を果たすことが予測されます。 3.2024年中小製造業が実践すべき協働ロボット活用 中小製造業が実践すべき協働ロボット活用のポイントとして、多品種少量生産の製造業でロボットを活用する際の方法について考えてみましょう。 具体的なポイントとして、多品種のうち、どのワークを対象にするかを製品分析し、どの工程をロボット化するのかを作業分析することが重要です。 製品分析と作業分析を通じて、ロボット活用の条件を絞り込むことが肝要です。 これらのポイントを踏まえると、中小製造業が協働ロボットを実践する際には、多品種少量生産に対応するために、ロボットの活用条件を具体的に絞り込んでいく必要があります。 製品分析や作業分析を通じて、どの工程をロボット化するのかを明確に把握し、その上で活用条件を検討していくことが重要です。 これにより、効率的なロボット活用が実現し、中小製造業の生産性向上につながるでしょう。 4.ロボット導入の成功を目指す~製品分析と作業分析のポイント~ 製造業におけるロボット導入の成功に欠かせない要素とは何でしょうか? 製品分析と作業分析に注目し、ロボット導入を成功させるためのポイントについてお話しします。 まずは製品分析から始めましょう。 過去3年間の生産実績データを集め、各製品にかかる工数を算出します。 それにより、作業における工数がかかっている特定の製品を把握することができます。 仮に100品種を製造している場合でも、製品分析により上位10品種程度で半数以上の工数を占めていることがわかるかもしれません。 このような共通するポイントに着目し、ロボット導入の対象品種を含むべきです。 次に作業分析です。 作業の動画を撮影し、作業時間を割り出すことで、どの作業をロボットに代替すべきかを分析します。 また、工程ごとに作業の分析を行い、多くの時間がかかっている作業をロボットに代替させることで、投資対効果を向上させることが可能です。 製品分析と作業分析において、データを活用して具体的な取り組みを行うことが成功のカギです。 ロボット導入に際しては、一度立ち止まり、しっかりとした分析を行うことが大切です。 ぜひこのポイントを参考に、ロボット導入を成功させていきましょう。 5.協働ロボット活用成功事例 協働ロボット活用の成功事例詳細はレポートをダウンロードしてご覧ください ▼関連レポート 無料ダウンロードはこちらをクリック [sc name="cobot"][/sc] いつも当コラムをご愛読いただきありがとうございます。 ▼関連レポート 無料ダウンロードはこちらをクリック 1.中小製造業における課題とロボット活用の現状 中小製造業における課題として、超・人手不足問題が顕著です。 製造業の34歳以下の就業者数が年々減少しており、若年者の入職者数の増加が鈍い一方、高齢化が進んでいます。 特に中小企業にとっては人手不足が今後さらに深刻化する可能性があります。 このような状況下で、ロボット活用が注目されています。 ロボット活用によって単純な人手不足の解消と若手にとって魅力ある環境作りが不可欠です。 これらの情報を踏まえると、中小製造業では人手不足問題が深刻化しており、特に高齢化が進む中で若年者の入職者数が増加しづらい状況が把握されます。 そのため、ロボット活用が必要不可欠であり、単純な人手不足問題の解消だけでなく、若手にとっても働きやすい環境の整備が喫緊の課題となっています。 2.2024年中小製造業のロボット活用は協働ロボットが主流になる! 2020年、世界の産業用ロボット出荷台数全体に占める協働ロボットの割合は5%ほどでしたが、20%以上の伸び率を示し、今後の市場拡大が期待されています。 2030年には現在の2倍以上の市場規模に拡大すると予想されています。 特に中小製造業において、協働ロボットが主流となる理由について、簡単な操作や省スペースの特性が挙げられます。 多品種少量生産でロボットを取り扱う技術がなく、狭いスペースの中小製造業には従来の産業用ロボットが不向きであるため、協働ロボットが重要視されています。 この情報から、2024年には中小製造業において協働ロボットが主流になり、その需要がさらに拡大する見込みであることが示されます。 特に協働ロボットは、簡単な操作や省スペースの特性から、人手不足の解消や多品種少量生産に適した製造現場での活用が期待されています。 これらの要因により、協働ロボットは中小製造業においてますます重要な役割を果たすことが予測されます。 3.2024年中小製造業が実践すべき協働ロボット活用 中小製造業が実践すべき協働ロボット活用のポイントとして、多品種少量生産の製造業でロボットを活用する際の方法について考えてみましょう。 具体的なポイントとして、多品種のうち、どのワークを対象にするかを製品分析し、どの工程をロボット化するのかを作業分析することが重要です。 製品分析と作業分析を通じて、ロボット活用の条件を絞り込むことが肝要です。 これらのポイントを踏まえると、中小製造業が協働ロボットを実践する際には、多品種少量生産に対応するために、ロボットの活用条件を具体的に絞り込んでいく必要があります。 製品分析や作業分析を通じて、どの工程をロボット化するのかを明確に把握し、その上で活用条件を検討していくことが重要です。 これにより、効率的なロボット活用が実現し、中小製造業の生産性向上につながるでしょう。 4.ロボット導入の成功を目指す~製品分析と作業分析のポイント~ 製造業におけるロボット導入の成功に欠かせない要素とは何でしょうか? 製品分析と作業分析に注目し、ロボット導入を成功させるためのポイントについてお話しします。 まずは製品分析から始めましょう。 過去3年間の生産実績データを集め、各製品にかかる工数を算出します。 それにより、作業における工数がかかっている特定の製品を把握することができます。 仮に100品種を製造している場合でも、製品分析により上位10品種程度で半数以上の工数を占めていることがわかるかもしれません。 このような共通するポイントに着目し、ロボット導入の対象品種を含むべきです。 次に作業分析です。 作業の動画を撮影し、作業時間を割り出すことで、どの作業をロボットに代替すべきかを分析します。 また、工程ごとに作業の分析を行い、多くの時間がかかっている作業をロボットに代替させることで、投資対効果を向上させることが可能です。 製品分析と作業分析において、データを活用して具体的な取り組みを行うことが成功のカギです。 ロボット導入に際しては、一度立ち止まり、しっかりとした分析を行うことが大切です。 ぜひこのポイントを参考に、ロボット導入を成功させていきましょう。 5.協働ロボット活用成功事例 協働ロボット活用の成功事例詳細はレポートをダウンロードしてご覧ください ▼関連レポート 無料ダウンロードはこちらをクリック [sc name="cobot"][/sc]

工場内物流の自動化によるメリットと自動化を成功させる設備導入の手法とは?

2024.02.27

1.日本における製造業の現状と労働力不足への対策としての自動化の推進 はじめにロボットの需給動向についてご説明したいと思います。 日本におけるロボットの生産出荷台数は、コロナ禍で若干落ち込んでいましたが2022年には過去最高となり近年では人件費の高騰や人手不足を背景としてロボットの需要が高まっています。また協働ロボットの使い易さが向上してきており、これまでの大企業を中心としていたロボット活用の裾野が広がり、多数の分野で活用されるようになってきています。 次に労働人口の状況について共有します。 2030年には労働需要に対して供給人口は10%となる644万人が不足すると試算されています。対策として「働く女性を増やす」、「働くシニア人材を増やす」、「働く外国人を増やす」という、労働力の確保を推進することのほか「生産性を上げて、少ない人材でこれまで以上の成果を出す仕組みへ転換」をしていくということになります。生産性を上げる一つの手段として、設備導入による業務の自動化があります。 今回は工場の自動化を推進することについてのメリットについて説明します。 1つ目は人手不足の解消や生産性向上となります。こちらは皆様の想像通り、現在の人員にて行っている作業を、設備やロボットへ置き換えることで人員の代わりを補うこととなります。 2つ目は働きやすい環境作りとなります。重量物や危険物の取扱いなどの作業を自動化することで事故やけがのリスクを減らし働きやすく、魅力的な職場作りへつなげることができます。 3つ目は昨今、課題となっている特定のスキルを持った職人作業からの脱却となります。自動化だけでは解決できませんが業務方法を見直し、一部を自動化することで品質を担保しつつ 属人的な業務を減らしていくことが可能となります。 2番目と3番目が進むことで魅力的な職場となり、労働力不足が解消に向かい、さらに新しいビジネスが広がるような好循環となっている企業も多数あります。 今回のテーマである搬送工程は製造業においては付加価値が比較的低い作業となり、これまでは、改善や自動化導入が後回しになっていることが多い工程となります。しかしながら、製造業において製品の生産や品質向上、検査など欠かすことができない作業を行っている方がこれらの作業も行っていることで付加価値の高い業務の割合を減らしている可能性があります。これらの工程について人手を割いて業務を行っていれば自動化にて省人化や生産性向上を狙える可能性があります。 2.搬送工程の効果的な改善方法 搬送工程の自動化を検討する際の着眼点として 部材を探す作業・・・具体的には部品を保管庫から探す、中間仕掛品を棚から探すなどの作業となります。 運搬する作業・・・運搬についてはすべての工程間で発生していると思いますが運搬している間に前後の工程が止まっているような状態においては早急に見直すべきだと思います。 作業間の待ち・・・部材待ちや設備の完了待ち、指示待ちなど作業者が手待ちとなっている時間がないのかを確認します これらの3つのムダ作業を削減することで付加価値の高い業務へ移行し生産性を上げていくことが可能となります。 思い当たる工程はありますでしょうか? それぞれの工程についてもう少し詳細に分析する方法を説明していきたいと思います。 まずは対象となる工程・作業において現在の業務のフローチャートを作成します。 次にストップウォッチや設備のデータを用いてそれぞれの業務にどの程度の時間を要しているかを見るためにタイムチャートを作成していきます。複数人作業や平行作業などがある場合にもそれらが分かるように記載します。これらを作成することで、作業を可視化することができ、想定していた業務負荷との比較を行うとともに工程の組み換えや、業務ごとの改善点を見つけることが可能となります。その後、自動化した際の効果検討を開始します。 現状のレイアウトを再確認し、現在の作業導線を可視化し、非効率となっている配置を確認します。そのうえで、理想的なレイアウトや導入が可能と思われる設備を検討します。その際に可能であれば、改めて導線で運搬するモノの再確認やVSM(Value Stream Map)と呼ばれるモノの流れと物量を可視化するフロー図を作成します。これらを作ることで定期的な業務の見直しや改善が容易になり、理想的な業務フローの構築が可能となります。 自動化を検討するにあたり、部材のサイズや重量、梱包形態合わせた様々な自動設備あり、それらを組み合わせることで省人化や生産性向上につなげることができます。近年ではロボットや自動搬送機の性能向上が著しいため搬送工程の自動化の取り組みはしやすい環境にあります。 3.自動化設備の導入と効果検討 搬送の自動化の中でまず思いつく設備は自動搬送機(AGV)ではないかと思います。 製造業でAGVは近年、様々な使い方の方式が市場に出てきています。これまでは床面に磁気テープを張り、そのテープ上を搬送するタイプが主流でしたが、近年では自動搬送機がカメラで周囲の状況を認識して目的地までの経路を生成して運行するAMRというタイプも普及してきています。また無人のフォークリフトや大型の倉庫などで用いられるパレットや部品棚を運搬するタイプ、エレベーターとの連携など様々なAGVが発売されていますので自社にあったタイプを見つけることができると思います。 次に運搬に関するロボットについてとなります。 ロボットは主に産業用ロボットと呼ばれる、溶接や塗装、組み立てなど生産ラインを自動化する大型の工場にて利用されるロボットが主流でした。産業用ロボットは作業者との共存ができずに、安全柵などを利用して作業者とはエリアを分けて作業を行い、生産性を向上させる目的で使用します。一方で産業用ロボットの中でもセンサーや構造面、ソフト面にて安全を配慮した機構とすることで、人間と共存して同一エリアで作業ができる協働ロボットが近年増加しており、様々な業界で用いられるようになってきました。また協働ロボットは小型のものが多かったのですが、昨年には30kg可搬の協働ロボットや、AGVに協働ロボットを搭載させて移動先でも自動で部材を載せ替える構造になるなど、導入しやすいシステムが多数開発されています。 次に検討する工程は部材の保管、仕掛品の中間在庫の一時保管、製品を出荷するまでの保管、治具や工具の保管と工場内は様々な保管場所が存在することと思います。それらの保管棚に対して部材を探すことに時間を費やしていることもあるのではないでしょうか?モノを探すという作業は作業者による時間のばらつきも多く、効率が悪い業務となります。また、作業としては決まったものを探す業務となり簡単な作業なので自動化やシステム導入が後回しになっている工程でもあると思います。 完全自動化するには自動倉庫の導入などが想定されますが、そこまでの設備投資をしないまでも現在ある部品棚にデジタルピッキング表示器やプロジェクターを付けることで、作業指示書のバーコードを読み取るだけで場所をLEDで示してくれるなど簡易的なシステムを導入することで飛躍的に効率を上げることが可能です。 さらに、これらを導入することで在庫差異の減少や棚卸にかかる時間を削減できるなど効果は大きいものと思います。 最後に紹介する自動化設備としては各種検査設備や仕分け用の設備となります。 工場内では品質検査として様々な検査(外観検査、異物検査、重量検査、員数検査、ラベル検査)を実施しているものと思います。 それぞれについての検査設備が販売されており、近年ではロボットにカメラを付けての外観検査のシステムも多数導入事例があります。 4.設備の保全と管理 設備については導入して運用を始めると、あたかも大きな効果が出てくるものと期待して運用を開始してしまいます。一方で設備が想定通りに稼働しているのか?トラブルなどがどのくらいの頻度で起きているのか?トラブルの傾向はあるのか?など管理していかないと想定通りの稼働率や生産性の状況を把握することが難しい場合があります。それらの対応として、設備のデータの可視化(見える化)があります。 設備の稼働状況をDBへ取得して集計することで、稼働状態を可視化することができ生産性の向上や経営判断のツールとして活用することができますので、設備導入だけにとどまらず次のステップとして可視化についても検討を進めていくことを提案します。 次に設備の保全についてですが、車と同じように定期的な点検や消耗品の部品交換が必要です。 保全についての予算確保や対応人員の確保を行い、スケジュールを作成したうえで定期的な保全活動の実施を提案します。特に、故障については設備の初期導入時には初期故障や調整不足などで一定期間故障が増加しますが、そのあとは偶発故障期間となり安定稼働させることが可能です。その後、消耗品などが摩耗してくることで故障が多くなる期間に入りますが、定期的なグリスアップや点検を行うことで摩耗故障までの期間を延ばすことができ、結果的に高品質な製品を長期間生産することができるようになります。よって、設備導入時にはメーカーも交え保全についての計画をすることが重要なポイントと考えます。 5.まとめ 今回の内容のまとめとなります。 1番目として労働人口は2030年には10%不足します。 2番目として労働力不足への対策として自動化の推進は最良の手段となります。 3番目としては実際に導入している企業は生産性の向上、省人化、高品質を達成しています。 4番目として近年様々な種類の設備やロボットが販売されており、目的にあった自動化を推進することは可能です。 5番目として自動化を導入するポイントは現状の分析や導入後の継続的な改善・保全が重要となります ロボット産業の成長と労働力不足への対策としての自動化推進の重要性を説明しました。実際に導入する際においては、設備の選定や保全活動、生産性向上のための継続的な取り組みが必要です。しかしながら、今後もさらなる技術の進化や補助金の活用など、ロボットや設備を導入しやすい環境が整ってきています。 ロボットの活用により、労働力不足に対する課題を解決し、企業の生産性向上や競争力強化に貢献することが期待されます。船井総研では、個別固有のご相談に対してオンライン相談を提供しており、具体的な対策の一歩を踏み出すお手伝いをしています。 無料オンライン相談はこちら https://lp.funaisoken.co.jp/mt/form01/inquiry-S045.html 中堅・中小製造業の経営者向け 工場物流の自動化事例解説レポート ▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼ 「こうなりたい!」と思っている経営者様におすすめ 工場内の物流を自動化して生産性を向上したいと思っている経営者様 工場内の物流を自動化して省人化したいと思っている経営者様 工場内物流の自動化成功事例を知りたいと思っている経営者様 工場内物流の自動化を進めるための具体的な方法を知りたいと思っている経営者様 https://www.funaisoken.co.jp/dl-contents/smart-factory_smart-factory_02125_S045 ■おすすめソリューションのご案内 製造業の生産性を向上させる工場内物流自動化 ▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼ 製造業の生産性向上において工場内物流自動化ソリューションがうまくいく理由 工場内物流の自動化に向けて工場内の生産工程のムダを洗い出します。 部材を探す 運搬する 作業の待ち を削減することで作業者が付加価値の高い業務に移行していけます。 現在の製造現場の状況を分析することで、ムリ、ムダ、ムラを探すことから開始します。 その中で自動化検討を行う工程を見つけることが可能です。 製造業生産性向上の自動化ソリューションの具体的な流れ 製造工程のムダの洗い出し 物流工程の人員・時間の洗い出し 作業フロー・タイムチャート作成 自動化対象工程の選定 概要構想作成 コストメリット試算 実行 https://www.funaisoken.co.jp/solution/maker_logistics-automation いつも当コラムをご愛読いただきありがとうございます。 1.日本における製造業の現状と労働力不足への対策としての自動化の推進 はじめにロボットの需給動向についてご説明したいと思います。 日本におけるロボットの生産出荷台数は、コロナ禍で若干落ち込んでいましたが2022年には過去最高となり近年では人件費の高騰や人手不足を背景としてロボットの需要が高まっています。また協働ロボットの使い易さが向上してきており、これまでの大企業を中心としていたロボット活用の裾野が広がり、多数の分野で活用されるようになってきています。 次に労働人口の状況について共有します。 2030年には労働需要に対して供給人口は10%となる644万人が不足すると試算されています。対策として「働く女性を増やす」、「働くシニア人材を増やす」、「働く外国人を増やす」という、労働力の確保を推進することのほか「生産性を上げて、少ない人材でこれまで以上の成果を出す仕組みへ転換」をしていくということになります。生産性を上げる一つの手段として、設備導入による業務の自動化があります。 今回は工場の自動化を推進することについてのメリットについて説明します。 1つ目は人手不足の解消や生産性向上となります。こちらは皆様の想像通り、現在の人員にて行っている作業を、設備やロボットへ置き換えることで人員の代わりを補うこととなります。 2つ目は働きやすい環境作りとなります。重量物や危険物の取扱いなどの作業を自動化することで事故やけがのリスクを減らし働きやすく、魅力的な職場作りへつなげることができます。 3つ目は昨今、課題となっている特定のスキルを持った職人作業からの脱却となります。自動化だけでは解決できませんが業務方法を見直し、一部を自動化することで品質を担保しつつ 属人的な業務を減らしていくことが可能となります。 2番目と3番目が進むことで魅力的な職場となり、労働力不足が解消に向かい、さらに新しいビジネスが広がるような好循環となっている企業も多数あります。 今回のテーマである搬送工程は製造業においては付加価値が比較的低い作業となり、これまでは、改善や自動化導入が後回しになっていることが多い工程となります。しかしながら、製造業において製品の生産や品質向上、検査など欠かすことができない作業を行っている方がこれらの作業も行っていることで付加価値の高い業務の割合を減らしている可能性があります。これらの工程について人手を割いて業務を行っていれば自動化にて省人化や生産性向上を狙える可能性があります。 2.搬送工程の効果的な改善方法 搬送工程の自動化を検討する際の着眼点として 部材を探す作業・・・具体的には部品を保管庫から探す、中間仕掛品を棚から探すなどの作業となります。 運搬する作業・・・運搬についてはすべての工程間で発生していると思いますが運搬している間に前後の工程が止まっているような状態においては早急に見直すべきだと思います。 作業間の待ち・・・部材待ちや設備の完了待ち、指示待ちなど作業者が手待ちとなっている時間がないのかを確認します これらの3つのムダ作業を削減することで付加価値の高い業務へ移行し生産性を上げていくことが可能となります。 思い当たる工程はありますでしょうか? それぞれの工程についてもう少し詳細に分析する方法を説明していきたいと思います。 まずは対象となる工程・作業において現在の業務のフローチャートを作成します。 次にストップウォッチや設備のデータを用いてそれぞれの業務にどの程度の時間を要しているかを見るためにタイムチャートを作成していきます。複数人作業や平行作業などがある場合にもそれらが分かるように記載します。これらを作成することで、作業を可視化することができ、想定していた業務負荷との比較を行うとともに工程の組み換えや、業務ごとの改善点を見つけることが可能となります。その後、自動化した際の効果検討を開始します。 現状のレイアウトを再確認し、現在の作業導線を可視化し、非効率となっている配置を確認します。そのうえで、理想的なレイアウトや導入が可能と思われる設備を検討します。その際に可能であれば、改めて導線で運搬するモノの再確認やVSM(Value Stream Map)と呼ばれるモノの流れと物量を可視化するフロー図を作成します。これらを作ることで定期的な業務の見直しや改善が容易になり、理想的な業務フローの構築が可能となります。 自動化を検討するにあたり、部材のサイズや重量、梱包形態合わせた様々な自動設備あり、それらを組み合わせることで省人化や生産性向上につなげることができます。近年ではロボットや自動搬送機の性能向上が著しいため搬送工程の自動化の取り組みはしやすい環境にあります。 3.自動化設備の導入と効果検討 搬送の自動化の中でまず思いつく設備は自動搬送機(AGV)ではないかと思います。 製造業でAGVは近年、様々な使い方の方式が市場に出てきています。これまでは床面に磁気テープを張り、そのテープ上を搬送するタイプが主流でしたが、近年では自動搬送機がカメラで周囲の状況を認識して目的地までの経路を生成して運行するAMRというタイプも普及してきています。また無人のフォークリフトや大型の倉庫などで用いられるパレットや部品棚を運搬するタイプ、エレベーターとの連携など様々なAGVが発売されていますので自社にあったタイプを見つけることができると思います。 次に運搬に関するロボットについてとなります。 ロボットは主に産業用ロボットと呼ばれる、溶接や塗装、組み立てなど生産ラインを自動化する大型の工場にて利用されるロボットが主流でした。産業用ロボットは作業者との共存ができずに、安全柵などを利用して作業者とはエリアを分けて作業を行い、生産性を向上させる目的で使用します。一方で産業用ロボットの中でもセンサーや構造面、ソフト面にて安全を配慮した機構とすることで、人間と共存して同一エリアで作業ができる協働ロボットが近年増加しており、様々な業界で用いられるようになってきました。また協働ロボットは小型のものが多かったのですが、昨年には30kg可搬の協働ロボットや、AGVに協働ロボットを搭載させて移動先でも自動で部材を載せ替える構造になるなど、導入しやすいシステムが多数開発されています。 次に検討する工程は部材の保管、仕掛品の中間在庫の一時保管、製品を出荷するまでの保管、治具や工具の保管と工場内は様々な保管場所が存在することと思います。それらの保管棚に対して部材を探すことに時間を費やしていることもあるのではないでしょうか?モノを探すという作業は作業者による時間のばらつきも多く、効率が悪い業務となります。また、作業としては決まったものを探す業務となり簡単な作業なので自動化やシステム導入が後回しになっている工程でもあると思います。 完全自動化するには自動倉庫の導入などが想定されますが、そこまでの設備投資をしないまでも現在ある部品棚にデジタルピッキング表示器やプロジェクターを付けることで、作業指示書のバーコードを読み取るだけで場所をLEDで示してくれるなど簡易的なシステムを導入することで飛躍的に効率を上げることが可能です。 さらに、これらを導入することで在庫差異の減少や棚卸にかかる時間を削減できるなど効果は大きいものと思います。 最後に紹介する自動化設備としては各種検査設備や仕分け用の設備となります。 工場内では品質検査として様々な検査(外観検査、異物検査、重量検査、員数検査、ラベル検査)を実施しているものと思います。 それぞれについての検査設備が販売されており、近年ではロボットにカメラを付けての外観検査のシステムも多数導入事例があります。 4.設備の保全と管理 設備については導入して運用を始めると、あたかも大きな効果が出てくるものと期待して運用を開始してしまいます。一方で設備が想定通りに稼働しているのか?トラブルなどがどのくらいの頻度で起きているのか?トラブルの傾向はあるのか?など管理していかないと想定通りの稼働率や生産性の状況を把握することが難しい場合があります。それらの対応として、設備のデータの可視化(見える化)があります。 設備の稼働状況をDBへ取得して集計することで、稼働状態を可視化することができ生産性の向上や経営判断のツールとして活用することができますので、設備導入だけにとどまらず次のステップとして可視化についても検討を進めていくことを提案します。 次に設備の保全についてですが、車と同じように定期的な点検や消耗品の部品交換が必要です。 保全についての予算確保や対応人員の確保を行い、スケジュールを作成したうえで定期的な保全活動の実施を提案します。特に、故障については設備の初期導入時には初期故障や調整不足などで一定期間故障が増加しますが、そのあとは偶発故障期間となり安定稼働させることが可能です。その後、消耗品などが摩耗してくることで故障が多くなる期間に入りますが、定期的なグリスアップや点検を行うことで摩耗故障までの期間を延ばすことができ、結果的に高品質な製品を長期間生産することができるようになります。よって、設備導入時にはメーカーも交え保全についての計画をすることが重要なポイントと考えます。 5.まとめ 今回の内容のまとめとなります。 1番目として労働人口は2030年には10%不足します。 2番目として労働力不足への対策として自動化の推進は最良の手段となります。 3番目としては実際に導入している企業は生産性の向上、省人化、高品質を達成しています。 4番目として近年様々な種類の設備やロボットが販売されており、目的にあった自動化を推進することは可能です。 5番目として自動化を導入するポイントは現状の分析や導入後の継続的な改善・保全が重要となります ロボット産業の成長と労働力不足への対策としての自動化推進の重要性を説明しました。実際に導入する際においては、設備の選定や保全活動、生産性向上のための継続的な取り組みが必要です。しかしながら、今後もさらなる技術の進化や補助金の活用など、ロボットや設備を導入しやすい環境が整ってきています。 ロボットの活用により、労働力不足に対する課題を解決し、企業の生産性向上や競争力強化に貢献することが期待されます。船井総研では、個別固有のご相談に対してオンライン相談を提供しており、具体的な対策の一歩を踏み出すお手伝いをしています。 無料オンライン相談はこちら https://lp.funaisoken.co.jp/mt/form01/inquiry-S045.html 中堅・中小製造業の経営者向け 工場物流の自動化事例解説レポート ▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼ 「こうなりたい!」と思っている経営者様におすすめ 工場内の物流を自動化して生産性を向上したいと思っている経営者様 工場内の物流を自動化して省人化したいと思っている経営者様 工場内物流の自動化成功事例を知りたいと思っている経営者様 工場内物流の自動化を進めるための具体的な方法を知りたいと思っている経営者様 https://www.funaisoken.co.jp/dl-contents/smart-factory_smart-factory_02125_S045 ■おすすめソリューションのご案内 製造業の生産性を向上させる工場内物流自動化 ▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼ 製造業の生産性向上において工場内物流自動化ソリューションがうまくいく理由 工場内物流の自動化に向けて工場内の生産工程のムダを洗い出します。 部材を探す 運搬する 作業の待ち を削減することで作業者が付加価値の高い業務に移行していけます。 現在の製造現場の状況を分析することで、ムリ、ムダ、ムラを探すことから開始します。 その中で自動化検討を行う工程を見つけることが可能です。 製造業生産性向上の自動化ソリューションの具体的な流れ 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