記事公開日:2024.10.24
最終更新日:2024.10.25
脱炭素経営EXPO・三井物産様の「LCA Plus」ブースにてプチセミナーに登壇いたしました。
目次
1.製造業におけるカーボンニュートラルの必須課題とは?
●製造業が脱炭素に取り組む理由と重要性
製造業は、世界中で多くのエネルギーを消費し、大量の炭素排出を行う主要産業のひとつです。カーボンニュートラルへの移行は、気候変動を抑えるために不可欠であり、特に製造業はその影響力が大きいことから、早急な対応が求められています。炭素排出削減は、企業が持続可能な未来を目指す上で避けて通れない道であり、環境保護だけでなく、競争力を維持・向上させるためにも必須の取り組みです。
実際にはIoTやロボット、AI、ビックデータを活用しながら取組みを行っていきます。
DXの取組みにより、ニーズの多様化・人材不足・原料高などなど悩み事が多い製造業において以下のことが期待されます。
●2024年以降、企業経営に求められる新たなステップ
2024年以降、各国政府や国際機関が設定するカーボンニュートラル目標に向けた規制が厳格化されることが予想されます。これに伴い、製造業は自社の炭素排出量を積極的に削減し、再生可能エネルギーの導入や製造プロセスの見直しに取り組むことが重要です。企業経営においても、エネルギー効率を向上させる技術投資が経営戦略の一環として不可欠になりつつあり、持続可能な経営を実現するための新たなステップが求められます。
2.製造業の脱炭素化に向けた取り組みのメリットと課題
●炭素排出量削減のメリットとは?
炭素排出量の削減には多くのメリットがあります。第一に、環境への貢献が評価され、企業の社会的責任(CSR)やブランドイメージの向上につながります。さらに、省エネルギー対策を講じることで、エネルギーコストの削減が可能です。加えて、政府や自治体からの補助金や税制優遇措置も受けやすくなり、長期的な経済的利益を得ることができます。
●中小企業が直面する課題と対策
一方で、特に中小企業においては、脱炭素化の取り組みに多くの課題が存在します。技術や設備への初期投資コストが大きな負担となり、対応が遅れるケースも少なくありません。これに対して、政府や業界団体が提供する支援策を活用することで、資金調達や技術導入のハードルを下げることができます。中小企業は、大企業との連携やサプライチェーン全体の見直しを通じて、より効率的に脱炭素化を進めることが可能です。
3.カーボンニュートラル実現に向けた技術の焦点
●AIやIoTを活用した工場での取り組み
多くの製造業がカーボンニュートラルに取り組む際、高いハードルとなるのが下記4つの課題です。
- コスト負担の高さ
- 技術・ノウハウの不足
- データの収集と活用の難しさ
- サプライチェーン全体での連携不足
製造業企業の多くは、”コスト、設備、人員など限られた条件の中で、脱炭素化に取り組んでいく必要“があります。
そこで、脱炭素化だけ、としての取り組みではなく
- 製造の見える化
- 製品原価管理(製造工数管理)など、本来の製造業務としてのDXの取り組みと合わせて、
そこで得られたデータを活用することで、脱炭素化にも取り組んでいくのが良いと思われます。
さらに、データ解析にAIを活用することでより早くより最適な生産性向上と脱炭素化を実現出来る様になります。
●スコープ1・2・3とは?企業が取り組むべき視点を解説
脱炭素化に向けた企業の取り組みは、スコープ1・2・3という概念で分類されます。スコープ1は企業の直接的な炭素排出、スコープ2はエネルギーの間接的な使用による排出、スコープ3はサプライチェーン全体での排出を指します。
大手完成品メーカーはScope3のGHG(温室効果ガス)排出量削減を取り組み始めており、今後は製品LCA(ライフサイクルアセスメント)管理へ移行していきます。
GHG(温室効果ガス)排出量の算定範囲を自社からサプライチェーン全体へ、製品サイクル全体へ拡大していくことになります。
このサプライチェーンを担う、大手完成品メーカーに部品を供給している製造業企業も、これまで積極的に取り組んでいなかった脱炭素化に対応する必要が生じてきます。
これは非上場企業であっても最低限、Scope1/Scope2に該当する自社のCO2排出量の測定・公開・削減の取り組みが、最終的には協力会社の排出量の把握も含め、自社のサプライチェーン全体であるScope3への取り組みが必須となってきます。
4.製造業が脱炭素化を加速させるためのステップ解説
●簡単に始められる3ステップで実現する炭素削減
脱炭素化への取り組みは、段階的に進めることが可能です。まず、1ステップ目としてエネルギーの使用量を可視化し、無駄な消費を抑えることが重要です。2ステップ目として、再生可能エネルギーへの切り替えを進め、3ステップ目で長期的な製造プロセスの見直しを図ることで、継続的な炭素削減が実現できます。
●クリーンエネルギー使用や製造プロセスの見直し
クリーンエネルギーの導入は、脱炭素化における大きな鍵となります。太陽光発電や風力発電といった再生可能エネルギーの活用により、エネルギーの供給元からの炭素排出を削減することができます。さらに、製造プロセスの効率化や設備の更新によって、エネルギー消費そのものを削減することも大切です。
5.サプライチェーンと製品の脱炭素化
●製品を運ぶ、送る際の脱炭素化が重要な理由
製品の運搬や配送も、カーボンニュートラルの観点では重要な要素です。輸送過程での燃料使用量が増加することで、炭素排出量が増加します。したがって、エコロジーな輸送手段を採用することや、物流の効率化を進めることが求められます。また、サプライチェーン全体での炭素排出量削減を図るためには、製造過程だけでなく、輸送過程までの見直しが必要です。
●大企業から中小企業まで、サプライチェーン全体の見直し
カーボンニュートラルを実現するためには、大企業から中小企業まで、サプライチェーン全体での協力が不可欠です。各企業が独立して脱炭素化に取り組むだけでなく、全体として協調しながら持続可能なプロセスを構築することが、効果的な炭素排出削減に繋がります。
6.カーボンニュートラルの実現に向けた未来の展望
●2024年以降、製造業が目指すべき持続可能な経営
2024年以降、製造業が目指すべきは、持続可能な経営モデルの確立です。脱炭素化の取り組みは、企業の成長を支えるだけでなく、地球規模での環境保護にも貢献します。再生可能エネルギーの導入、技術革新、プロセスの効率化を通じて、製造業はより持続可能な方向へと進化するでしょう。
●変わる製品づくりとその影響
製品づくりのプロセスも大きく変わりつつあります。エネルギー効率や資源の利用効率を高めた新しい製品設計が求められており、これにより消費者の需要も変化しています。持続可能な製品を提供することで、企業は市場での競争力を維持・向上させ、同時に環境負荷を軽減することが可能です。
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