記事公開日:2019.09.19
最終更新日:2022.12.14

高温環境でロボット導入!重労働から作業員を解放!

Introducing robots in a high temperature environment to free workers from heavy labor

この事例におけるロボット化によるメリット

過酷作業のロボットによる代替

課題

鋳造業においては、高温環境下で重たいものを扱う上、粉塵環境でもあり、とにかく重労働作業が多いです。
このことに起因する慢性的な人材不足は悩みの種で、人を雇えても厳しくて直ぐに辞めてしまうというリスクを抱えています。
この会社では扱う製品は20kgを超え、工程によっては750℃から450℃位の温度の製品を扱う必要があります。
作業は2名体制ですが、熟練技を必要とする工程が多く作業者が限定されてしまいます。
また、疲労など人的要因で発生する品質不良や生産のバラつきが発生していました。
安全性の向上と製造現場の人が介在することによる不安定要因を取り除き、品質、納期、コスト削減と省力化、自動化をめざしロボット導入を決定されました。

ロボットを導入した工程

注湯、製品取り出し

ポイント

連続溶解炉、金型鋳造機、切断機など新規設備を投入して専用ラインを構築されました。
金型へのアルミニウム溶湯の注湯、製品の取り出し・搬送工程にロボットを活用を導入し、熟練作業者を必要としない工程にしました。
結果、2人で行っていた作業は1名に省力化され、製造現場のモチベーションが高まりました。

コンサルタントの視点

鍛造現場、鋳造現場の自動化に携わったことがありますが、案件初期の工場見学の際に
「毎度のごとく作業者はきつそうだなぁ」
と思います。
立上で現場に入った日には鼻水が黒くなっているという過酷な思い出ばかりです。

ロボットの自動化をしたくとも色々な条件が邪魔してきます。その内容は人と違います。

高温環境下にいおいてはロボットも“防護服”を着ます。
粉塵ももちろんIP54なので大丈夫です。

一番の問題は熟練工だからこそ、感覚でやっていることです。
鍛圧機の金型からの取り出しでは、実をいうと作業員が力の下限を変えて取り出していたりする場合があります。
くいっと手首をひねっている、と言われても最初は見落とし、初期のロボット導入ではよく設備を止めてしまう事になります。

今回は注湯と製品取り出しですが、恐らく何かしらの技があったと推察します。
経験があるロボットシステムインテグレーターはそこで苦しんだ経験があるからこそ、最初のヒアリング段階でいろいろと抑えに行きます。
ロボットシステムインテグレーターのノウハウは苦労で成り立っている場合が多いです。

といっても、経験があるからと言ってトラブルがゼロになることは非常に至難の業です。
システムを作る前に、如何に色々な要素を抑えるか。
作業員からのヒアリングは多岐にわたる重要なものであると考えます。

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