記事公開日:2025.10.17
最終更新日:2025.10.17

「ERP=高コストで無縁」は本当か?中堅・中小製造業が持つべき未来への視点

いつも当コラムをご愛読いただきありがとうございます。

今回のコラムでは、皆様が「重要だが緊急ではない」として、最も後回しにしがちなテーマ、IT投資、特にERPについて、考えてみたいと思います。

1.「ERP=高コストで無縁」と諦める前に、その本質を問う

「ERPをはじめとしたITツールは高額で、すぐに売上に直結しないから後回し」

この考えは、本当に正しいでしょうか?

中堅・中小企業の経営者の皆様が「ITツールは高コストで自社には無縁だ」と諦めてしまう気持ちはよく理解できます。しかし、その「諦め」が、実は貴社の成長を妨げている最大の要因かもしれません。

目を向けていただきたいのは、「隠れたコスト」です。

もし、非効率な業務が原因で、毎月数百万、数千万円の人件費と残業代を無駄に払い続けているとしたら?

  • 月末の締め作業や棚卸しに費やす、毎年繰り返される膨大な人件費と残業代。
  • ベテラン社員に依存した業務が原因で、人材が流出した際の業務停止リスクと、新しい人材を育成するコスト。
  • 情報がバラバラで、経営判断が遅れたことによる機会損失(在庫切れ、不要な発注など)。

これらの「隠れたコスト」の総額は、ITツールの導入費用を遥かに上回る可能性があります。「すぐに売上に直結しない」システムの話だからこそ、「無駄な出費を永続的に払い続ける」というリスクを回避するために、今、真剣に考える必要があるのです。

 

2.数字が「過去」を語るとき、経営は立ち止まる

高コストの壁を取り払った上で、次に考えるべきは「経営の透明性」です。

売上、利益、在庫状況といった数字は羅針盤ですが、貴社の羅針盤は、一体どれくらいの頻度で更新されているでしょうか?

月末の締め作業を経て、翌月の中旬に確定した月次データ。その数字は、すでに「過去の事実」を語っているに過ぎません。リアルタイムな数字が見えない環境では、在庫切れや、特定の製品の利益率低下といった「今、起きている変化」に気づくのが遅れます。

この「時間差」こそが、外部環境が目まぐるしく変わる現代において、中堅・中小製造業の機動力を鈍らせる最大の要因なのです。経営層が常に過去の数字で判断を下すことは、例えるなら、曇りガラス越しの羅針盤で船を操縦するようなものです。

3.「見える化」は現場を楽にする、という真実

そして、この「透明性の欠如」は、現場で働く社員の皆様の「見えない疲弊」につながっています。

経営層から「急な在庫の最新状況」や「特定の顧客の取引履歴」を求められたとき、現場では、紙の台帳や部門ごとのExcelファイルをかき集め、手動でデータを突合し、調整する手間が発生します。

真の「見える化」は、現場の手間をなくすことにあります。

ERPは、受発注、在庫、生産、会計などの情報をすべて連動させ、誰でも必要な情報にすぐにアクセスできる環境を作ります。これにより、社員の皆様は重複作業や手作業から解放され、本来集中すべき「顧客へのサービス向上」や「業務改善」に時間を割けるようになります。

これは、従業員の定着率や生産性を高めるための、最も効果的な「未来への投資」なのです。

4.さいごに

「ERP」とは、単なるシステム導入ではなく、貴社の業務全体を「経営判断のための情報基盤」として再構築することです。

「ITツールの話は後回し」と決めつける前に、この隠れたコストと機会損失を断ち切り、企業の成長と現場の幸福を両立させるための、最初の一歩を踏み出してみませんか。

下記のセミナーは、ERPという概念を知らない、基礎知識ゼロの皆様を対象に、なぜ今、貴社の情報基盤を整備する必要があるのか、そして、具体的な導入の第一歩をどこから踏み出すべきかを、専門用語を避け、分かりやすく解説いたします。

会社の「透明性」を高め、未来の成長に備えたいと考えるすべての経営者・経営幹部の皆様のご参加をお待ちしております。

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