記事公開日:2025.11.25
最終更新日:2025.11.25

経営層・工場長のための国際ロボット展2025「視察」ガイド|見どころ5選と効率的な歩き方

目次

1. はじめに:なぜ今、経営層が「国際ロボット展」に自ら足を運ぶべきなのか

世界最大級のロボット・トレードショー「国際ロボット展(iREX)」が今年も開催されます。広大な会場に数千の最新技術が並ぶこの展示会は、単なる技術の祭典ではありません。製造業の経営者・工場長にとっては、向こう数年の自社の競争力を左右する「投資判断の場」でもあります。
現場の担当者に視察を一任するケースも見られますが、今こそ決裁権を持つ皆様ご自身が足を運び、肌で変化を感じ取るべき理由があります。それは、ロボット技術のフェーズが大きく変わったからです。

1-1. 2025年の重要テーマは「単なる自動化」から「AI×自律化」へ

これまでのロボット導入は「決まった動作を高速で繰り返す」ことが主眼でした。しかし、2025年のトレンドは明らかに変化しています。生成AIや高度なセンシング技術との融合により、ロボットは「自分で考えて動く(自律化)」フェーズへと進化しました。
これは、これまでの「多品種少量生産にはロボットは向かない」という常識が覆されつつあることを意味します。このパラダイムシフトを経営視点で理解できるかどうかが、今後の設備投資の成否を分けます。

1-2. 現場任せにしない「投資対効果(ROI)」を見極める視察

「すごい技術だった」という感想だけで終わらせてはいけません。経営層が見るべきは、そのロボットを導入することで「どれだけの人件費が削減できるか」「生産リードタイムがどれだけ短縮されるか」というROI(投資対効果)です。現場の視点はどうしても「使いやすさ」に寄りがちですが、経営層は「ビジネスインパクト」の視点で展示を見極める必要があります。

2. 迷子にならない事前準備:目的を「自社の経営課題」から逆算する

東京ビッグサイトの全館を使用する広大な会場を、漫然と歩くのは時間の浪費です。効率的な視察のためには、出発前の「課題の言語化」が不可欠です。

2-1. 「人手不足の解消」か「生産能力の増強」か、狙いを定める

「何かいいものがあれば」というスタンスでは、何も見つかりません。
人手不足の解消: 特定の工程(例:箱詰め、搬送)を省人化したいのか?
品質の安定化: 熟練工の検査精度を自動化したいのか?
生産能力の増強: 24時間稼働を実現したいのか?
目的によって、見るべきブースは180度変わります。まずは自社の最重要課題を1つだけ決めて、そこに関連するソリューションに集中しましょう。

2-2. 会場マップは「製品ジャンル」ではなく「工程(活用シーン)」で塗る

主催者が用意するマップは「メーカー別」や「団体別」になっていることが多いですが、ご自身のマップには「工程」で印をつけてください。「溶接ゾーン」「組立ゾーン」「搬送ゾーン」といった具合です。有名メーカーの巨大ブースだけでなく、自社の課題解決に直結する中小規模の専門メーカーを見落とさないための工夫です。

続いて、国際ロボット展2025で見るべき「5つの注目トレンド」をお伝えします。

3. 【プロ厳選】国際ロボット展2025で見るべき「5つの注目トレンド」

数ある展示の中から、特にROIが出やすく、製造業の現場変革に直結する5つのトレンドを厳選しました。これらは「未来の技術」ではなく、すでに「実用段階にある技術」です。

【2025年 国際ロボット展 注目トレンド比較】

3-1. 【協働ロボット】柵なし・ティーチングレスによる「柔軟な生産体制」

かつては「遅い」「力が弱い」と言われた協働ロボットですが、可搬重量の増加と動作速度の向上(※リスクアセスメント必須)により、本格的な生産ラインへの投入が可能になりました。特に注目は「ティーチング(動作教示)の簡易化」です。プログラミング知識がなくても、スマホ感覚で設定できるモデルが増えています。「専任の技術者がいない」という中小企業こそ、見るべき分野です。

3-2. 【物流・搬送(AMR/AGV)】工場内物流の「搬送レス」への挑戦

「作ること」よりも「運ぶこと」に多くの工数を割いていませんか? ガイドテープ不要で自律走行するAMR(自律走行搬送ロボット)は、レイアウト変更にも柔軟に対応できます。ロボットアームと台車が一体化した「モバイルマニピュレーター」の実演があれば、ぜひ足を止めてください。加工から搬送までをシームレスに繋ぐ未来が見えます。

3-3. 【AI・画像認識】熟練工の目を代替する「外観検査・ピッキング」

これまでは照明環境やワークの向きを厳密に管理する必要がありましたが、AIの進化により「多少ラフな環境」でも認識できるようになりました。熟練工が「勘と経験」で行っていた微細なキズの判定や、バラバラに置かれた部品のピッキングが可能になっています。

3-4. 【デジタルツイン】導入失敗リスクをゼロにする「事前検証シミュレーション」

実機を見る前に、モニター上のシミュレーション画面に注目してください。PC上でラインを再現し、タクトタイムや干渉を事前に検証する「デジタルツイン」技術です。これにより、「導入してみたが、思ったより生産性が上がらなかった」という最大のリスクを回避できます。

3-5. 【ロボットハンド・周辺機器】「掴めない」を解決する把持技術の進化

ロボット本体(アーム)の性能差は縮まっています。現在の差別化要因は「手(エンドエフェクタ)」にあります。柔らかい食品を潰さずに掴む、油まみれの金属部品を滑らずに掴むなど、ハンド技術の進化が自動化の適用範囲を広げています。

4. 効率的な会場の歩き方:1日で成果を最大化する視察ルート

限られた時間で成果を最大化するための、プロ視点の「歩き方」を伝授します。

4-1. 派手なデモ機よりも「システムインテグレータ(SIer)ゾーン」に注目せよ

大手ロボットメーカーのブースで、ダンスをするロボットを見るのは楽しいですが、それはビジネスではありません。
本当に見るべきは、ロボットメーカーの奥や、SIer(エスアイアー)が集まるゾーンです。彼らはメーカーの枠を超え、ハンド、カメラ、架台を組み合わせた「実際に使えるシステム」を展示しています。具体的な導入イメージは、SIerのブースにこそ転がっています。

4-2. 質問リストを用意する:「御社のロボットは、我が社のこのワークを扱えますか?」

ブース担当者との会話を有意義にするためのフローです。
【ブースでの対話とアクションのフロー】

Step 1:ブース訪問・デモ確認

まずはデモ機を見て、自社の課題解決に繋がりそうか直感的に判断します。
関係ない(自社の課題とかけ離れている)と感じたら、時間を浪費せずスルーして次へ進みます。

Step 2:担当者へのヒアリング(重要3項目)

自社の課題に近いと感じたら、担当者に以下の質問を投げかけます。

Q1. 適合性:「このロボットシステムで『自社の工程』自動化できそうですか?」

Q2. 費用対効果:「導入コストの目安は?」

Q3. 運用体制:「設置後のサポート体制はどうなっていますか?」

Step 3:情報の記録

回答に納得できたら、名刺交換・資料請求を行います。
★最重要:忘れないうちに、その場でスマホに「どの工程に使えそうか」等のメモを残します。

カタログスペックを聞くのではなく、「自社のワーク(製品)」の写真や図面をスマホで見せながら、「こういう課題を解決できるか?」と聞くのが最も手っ取り早い方法です。

5. 視察を「ただの見学」で終わらせないために

5-1. 持ち帰るべきはパンフレットではなく「具体的な導入イメージ」と「課題感」

帰社後、デスクに山積みになったパンフレットを見返しても、熱量は蘇りません。大切なのは、会場で感じた「これなら自社のあの工程に使えるかもしれない」という直感と、ブース担当者の生の声です。
気になったブースでは必ず写真を撮り、その場で「どの工程に適用できそうか」を一言メモに残してください。それが後日の検討会議で最強の資料となります。

5-2. 複雑化する選択肢の中で「自社に最適な解」を見つける難しさ

しかし、いざ導入を検討し始めると、壁にぶつかるはずです。「A社のロボットとB社のロボット、どちらがウチに合うのか?」「SIerはどこに頼めばいいのか?」「補助金は使えるのか?」
選択肢が増えたことは喜ばしい反面、選定の難易度も格段に上がっています。メーカーの営業担当者は、当然ながら自社製品を推奨するため、フラットな比較検討は困難です。

6. まとめ:工場DXドットコムの「無料個別相談」で最適な自動化プランを策定

国際ロボット展は、工場の未来を変える大きなきっかけです。しかし、視察はあくまで「スタートライン」。重要なのは、持ち帰った情報をどう自社の現場に落とし込むかです。
「自社の工程に合うロボットがわからない」
「視察で見つけた技術を導入したいが、どのSIerに頼めばいいかわからない」
「失敗しない投資計画を立てたい」
そうお考えの経営者様、工場長様は、ぜひ「工場DXドットコム」の無料個別相談をご利用ください。
私たちは特定のメーカーに縛られない中立的な立場で、貴社の課題に最適な自動化ソリューションと、信頼できるパートナー企業を選定・ご紹介します。

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