記事公開日:2025.12.19
最終更新日:2025.12.19
As-Is から To-Be への挑戦!新業務フローの構築方法とは

1.まずは「As-Is」の深掘りから
「As-Is(現状)」の業務フローを使って「To-Be(あるべき姿)」の新業務フローを構築するためには何からどう着手すればよいでしょうか。
漠然と「As-Is」の業務フローを眺めていても”はじめの一歩”は踏み出せません。
まずはその「As-Is」の業務フローの各工程を、次のような視点で確認していきます。
- 何番目の工程か
- 誰が行っているか
- 何をみて何をしているのか
- 他のシステム連携があるか
- 品質基準は(間違えるとどうなるか)
- 注意事項は何か
- 作業タイミングはいつか
- 作業量はどのくらいか
- イレギュラーの発生はどのくらいか
- その作業にどんな知識が必要か
- 手順書は存在しているか(更新もされているか)
こんなに確認するのは大変だ!と思われるかも知れませんが、
実際に作業に携わっている方からお話を伺うと、概ねこのような内容で説明していただけます。
不足情報を補てんするスタイルで把握していくと良いでしょう。
2.必要プロセスを見極める判断基準とは
「As-Is」の業務フローの確認を進めながら、”これは本当に必要か?” の観点をもってください。
例えば、先ほどの「⑤品質基準は(間違えるとどうなるか)」で、間違えても問題がない作業であれば、その工程は不必要です。
「⑨イレギュラーの発生はどのくらいか」で、発生頻度が低ければ、その部分のシステム対応は過剰要件です。
「⑩その作業にどんな知識が必要か」で、何の知識も必要としない作業であれば、その作業はヒトが行う必要がありません。
不要となる工程にバツ印を付けていきましょう。残った工程が「To-Be」の新業務フローの鍵を握っています。
【3M】ムリ・ムラ・ムダ を、1つずつ洗い出していくことで、新業務フローの素案が浮き彫りになってゆきます。
3.不要工程の再確認とリスク対策
ここまで来たら、バツ印を付けた工程を再度確認しましょう。
やっぱり必要と判断した場合は、他の工程との繋がりを辿りながら工程を追加、不必要と判断した場合は、無くすことによってどんなリスクが生じるかを確認します。
次に、不要となった工程を一旦省いた状態でフロー全体を俯瞰してみましょう。
ここから「To-Be」として代替可能な工程を探していきます。
【4M】Material “原材料”・Machine “機器”・Man “人”・Method “手法” の観点から検討することをおすすめします。
特に「Method “手法”」として、汎用的なシステムを代替案とすることで業務改善効果が出易くなります。
また、システム活用により「Man “人”」のコストやレベルを調整することも効果アップに繋がり易くなります。
更に「Machine “機器”」や「Material “原材料”」は即効性のある効果を見出し易くなります。
4.新業務フローの完成に向けて
代替案が出揃ったら、業務フローの「システム」を可能な限り前方に寄せてみましょう。
複数の工程を包括管理可能なシステムへ代替出来れば、更に「To-Be」効果は大きなものになるでしょう。
この時点で新業務フロー案となり「As-Is」と「To-Be」の費用対効果の検証が可能となります。
工程の必要性確認の際にリスクとしてあげた内容や、業務フローの切替え時の一時的な費用も忘れずに考慮してください。
ここで作り上げた「As-Is」と「To-Be」のドキュメントが経営判断の材料となり、社内で合意が得られれば「新業務フロー」が完成したことになります。
まずは小さな範囲の業務改善から着手し、この手法を体得して、どんどん業務改善を行っていきましょう。
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