記事公開日:2023.04.04
最終更新日:2023.04.04
中堅・中小製造業の画像検査装置導入のコツ ~画像検査はここまで来ている。最新情報~
いつも当コラムをご愛読いただきありがとうございます。
本コラムでは、中堅・中小製造業の企業における画像検査の最新情報について、何がどの様に画像検査が進化しているかを分かりやすく説明をさせていただきます。
1.画像検査の最新情報
- AIを活用した高速・高精度の画像解析技術が発展しています。画像処理検査装置は、AIによる画像解析技術を取り入れることで、より高速かつ高精度な検査を実現できるようになっています。
- 3D画像処理技術の進化により、より精密な形状・寸法検査が可能になっています。これにより、従来の2D画像処理技術では検査が困難だった微細な形状や、曲面部分の検査も可能になりました。
- 検査対象物に対する非接触・非破壊検査技術の進化により、より広範な検査対象物に対応できるようになっています。これにより、例えば、製造ライン上での自動車部品の検査や、医療現場での非接触検査が可能になっています。
- IoT技術との連携により、リアルタイムのデータ収集・分析が可能になっています。これにより、製造現場や物流現場などでの、品質管理やトラブル予知・予防が容易になりました。
- クラウド技術の活用により、画像処理検査装置の遠隔監視・遠隔操作が可能になっています。これにより、専門知識を持つ技術者が少ない現場でも、遠隔でサポートを受けながら検査作業を行うことができます。
上記の5つの列挙項目から分かる様に様々な新技術と融合して画像検査が新しく進んでいる事が分かります。本コラムでは製造業から見た視点でこれらの新しい画像検査の活用方法を説明させて頂きます。
2.製造業目線で見る、画像検査
2.1 AI画像解析技術で高速かつ高精度な検査を実現:
最新のAI画像処理技術では複数カメラの画像をAIで総合的に判断出来ます。以前の個々のカメラ画像ではAIでも判断しにくかった様な判定でも、複数の撮影方向から撮影したカメラ画像を総合的に判断出来たり、カメラ以外のセンサー情報と組み合わせて早期に不良品が生産されることを予見したりといった事です。
2.2 3D画像処理技術進化による精密な形状・寸法検査が可能:
高度な3Dセンサー、時間軸を考慮した3D画像処理、点群データの高速処理化により、より精密な3次元形状の計測が出来ます。また、製品の時間変化や動的な物体の形状や寸法の検査が行える様になっています。それにより製品に外部から力を加えた場合の変形や破損などもシミュレーション出来ます。
2.3 広範な検査対象物に対応:
大きな製品(船舶や航空機、車両など)の外観検査や計測がAIを使って総合的に処理する事が出来る様になりました。
自動で位置補正やデータ補正する事が出来る様になり、他のセンサー(レーザー距離計や3Dセンサー)などの情報も組み合わせて、検査、計測する事が出来るようになりました。
2.4 IoT技術との連携により、リアルタイムのデータ収集・分析が可能:
画像処理検査で判定された結果はリアルタイムで生産管理システムと連携する事が出来るようになりました。これにより製造状況がリアルタイムで出荷情報と連携する事になり、製造製品の過不足を自動で見極め、自動的に次の生産・製造数を調整する事が出来る様になりました。
2.5 クラウド技術の活用により、画像処理検査装置の遠隔監視・遠隔操作が可能:
以前は工場外から工場内の機器にアクセスする事は、セキュリティ面などを考慮しアクセス出来ませんでした。クラウド技術を使用することで、複数の装置を遠隔で管理することができます。たとえば、画像処理検査装置から撮影されたデータをクラウドにアップロードし、オペレーターが遠隔でそのデータを確認することができます。また、クラウド上に遠隔操作用のインターフェースを設置し、オペレーターが遠隔で画像処理検査装置を操作することもできます。このようなクラウド技術を使用することで、装置の稼働状況や検査結果のデータなどをリアルタイムで把握することができ、運用効率の向上や問題の早期発見・解決などが可能となります。
これらのお話からお客様のご自身の工場が最新に近いと感じされたお客様もあれば、
既に画像検査装置を複数台導入済であっても、最新情報とまでに至っていないと感じられたお客様もあると思います。次は既存の画像処理装置を変えずに、AI(ディープラーニング)を導入するご提案をお話したいと思います。
3.画像処理装置のAI活用
3.1 既存の画像処理検査装置?
AIを使用していない昔ながらのルールベース(画像処理命令を組み合わせる)画像処理検査装置の事を言います。
3.2 既存の画像処理検査装置を置き換えない?
既にカメラや照明が製造ラインや製造装置に組み込まれている、固定されている状態でそれらを外す事に現場の作業者もご不安に思われると思います。そこで既存のカメラ、照明、画像処理検査装置をそのままでAIを付加出来れば、性能UPとして考えられると思います。先ずは現場担当者の不安を取り去る事が大切です。
3.3 既存の画像検査装置とどうやって連携するか?
大きく2パターンあります。
一つは既存の画像処理検査装置から撮影画像データをAIへ転送し既存の画像処理検査装置とAIで2重判定させる方法です。導入初期段階ではまだ既存の画像処理検査装置の判定率が高いと思いますが、徐々にAIの方が判定率が高くなります。そうなった時点で既存の画像処理検査装置を撤去しAIのみ入れ替える事が出来ます。
もう一つは既存の画像処理検査装置から出力されるNG信号情報を学習させる事です。ただ単純なOK/NG信号ではなく、各検査命令種別で出た結果信号や処理条件をAIに学習させます。例えば、ブロブ判定処理で2値化閾値と判定結果の面積をAI学習させます。この学習データから不良品が出そうなタイミングをAIが予見する事が出来たりします。それらの学習結果を製造ラインにフィードバックし、不良率を下げる事に繋げる事が可能となります。
最後に、そもそも有効な判定画像が撮れている事が大前提です。カメラやレンズ、画像処理コントローラ、PCベースの画像処理ソフトなどの選定など、撮影角度、撮影に適した搬送など非常に多くの画像検査装置に関連する要素は様々ありますが、高級なカメラ、高級なレンズ、高級な画像処理、高額なAIソフトを使っても、基本となる有効な撮影が出来ていなければ、画像検査としては成り立ちません。
4.まとめ
今回のコラムでは、画像検査装置の導入のコツ=画像検査はここまで来ている。最新情報 について簡単ではありますが説明させていただきました。今回の紹介した内容をご検討頂き、自社での画像検査装置の導入検討や、過去に断念された画像検査装置の導入を再度進めていただければ幸いです。また、上記内容について、より具体的に詳細をお知りになりたい場合や導入支援が必要といった場合は、お気軽に弊社にご相談いただければ幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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収録内容
「人手に頼った目視検査で工数がかかっているので検査を自動化して工数を削減したい!」
「画像検査装置を導入したことが無いがやってみたい!」
「小さな不良なので画像検査が可能なのか分からないからテストしてみたい!」
「人による目視検査で不良品が流出しているので検査精度を上げて不良流出を防ぎたい!」
「検査業務が属人化しているので標準化して誰でも検査が行えるようにしたい!」
本レポートでは、「AI画像検査」にテーマを絞り、具体的な導入方法と成功事例をご紹介いたします。
- 【①】AI画像検査導入の進め方
- ~業務分析、データ収集、作業分析、コスト効果分析、、、~
- 【②】AI画像検査導入の具体的手法
- ~透明な樹脂成型品の傷、異物を画像検査装置で検出~
導入の具体的手法を徹底解説!! - 【③】補助金を活用した画像検査装置導入成功事例
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●自動車用部品の最終検査工程に検査装置を導入
カメラ・力覚・レーザー変位センサーをロボットハンドに取り付け、検査の自動化を実現
●ボールペン部品射出成形の検査及び箱詰め工程に検査装置を導入
目視での外観検査工程を、カメラで撮影した画像から検査を行うことで、判定を行う
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