記事公開日:2023.04.03
最終更新日:2023.04.04

製造業の「現場がついてくる」DXの進め方

いつも当コラムをご愛読いただきありがとうございます。

1.再到来したデジタル機運

コロナ禍以降、DXやデジタルを使おうという雰囲気が、社会全体を覆っています。まずはもう一度DXという言葉について、おさらいですが、DXとは「ITテクノロジー(データ)を活用して、社内外に新しい価値やサービスを提供すること」になります。
アナログ作業やブラックボックスが非常多い製造業においても、「流石に乗り遅れることは出来ない」とITテクノロジーを積極的に活用しようという企業も多くなっています。ロボット化、自動化、デジタル化様々な課題に対して施策を検討・実施行っていると思います。
コロナ禍で非接触というものが強制的に行われたので、社会的にもデジタルで非接触ということデジタル作業が進められるわけですが、実は2011年東日本大震災の時も、デジタルで保存した方が良いという動きは行われていました。しかし、残念ながら、そういった活動は長くは続かず、数年かけて下火になっていきました。要は、人間は大きな変化が来ても、喉元すぎれば・・・で、いつの間にか忘れてしまうんですね。
ただ、このコロナの状態は3年以上続いたので、社会に大きなマインドセットをもたらしました。社会全体で「デジタルを使ってアナログ作業を効率化させよう!非効率をもう一度見直そう!」という動きが広く起こっています。

2.DX以前に必要なこと

しかし、「デジタル/DXを進めよう!」と思っても、簡単には行かないのが実状です。
順調に取り組みが進んでいる企業もありますが、社長や工場長が旗振りしても、実際に効果的に動けていない企業も非常に多くあります。むしろ、進んでいない企業が非常に多いです。これはなぜでしょうか?
デジタル/DXのプロジェクトを始めると、「何のツールを入れようか?」や「ベンダー選定をどこにしようか?」と目が行きがちですが、上手くいかないのは、社長や経営層がこれらツールの話で話が終わると思っているからです。デジタル/DXというものは、「ツールやベンダーの話ではない!」ということを肝に銘じなければなりません。
では、何が必要でしょうか?
まず必須で始めなければならないのは、「現状把握」と「仕事の棚卸し」です。
この事柄を紹介する例え話で、江戸時代のものづくりにロボットを導入したら効率がよくなるか?という話があります。
答えは否です。江戸時代の作業にロボットを導入しても効率化されません。これは江戸時代のものづくりには分業という考えがなく、業務の役割が明確にされていない為、そもそもロボットが入れる余地がないのです。
これは昔話のようで、実は今にもつながる話です。「ロボット化する/システムを利用する」というのは、業務を明確にすることが大前提となります。日本の工場が得意な曖昧な作業や暗黙知はロボットやシステムは受け付けてくれません。既存のやり方を全く同じに移行することは不可能なのです。
したがって、デジタル/DXを考えるには、まず、①現状の作業を正確に把握すること②業務を棚卸することのステップが重要となってくるのです。
これらが完了して初めて「何のツール/システム/ベンダーにしようか?」フェーズに移っていくのです。

3.何が良いことがあるの?は明確に!

プロジェクトを始める時に、もう一つ重要なことがあります。
それは、「これを達成すると何が良いことがあるのか?」を社員全員に部門や社員のレベルに応じて、視線を落として、きちんと丁寧に、明確に説明することです。これはボトムアップではなくトップダウンで行わなければなりません。これも一度の説明で全員が同じ方向を向けるわけではありません。事あるごとにコミュニケーションを取り、根気強く説明と課題感を共有していき、同じ方角だけでも見られるようになるとよいですね。
とはいえ、プロジェクトを成し遂げるのは平坦な道ではありません。部門間の考え方の違いから、議論が白熱することもあるでしょう。反対意見により挫折することもあるかもしれません。その時に「何が良くなるか?」を全員で共通認識にしておかないと、頑張れる人だけ頑張るような一部の人の活動になってしまいます。そうなってしまったらプロジェクトの成功はありません。「デジタル/DXを進めよう!」ということは、一部の人の話ではないからです。
「社員全員がプロジェクトの意味を理解して同じをゴールに向かって進むこと」が成功する/しないの中では非常に重要な考え方です。

プロジェクトの明確な目的を持ち共有すること、そして、「現状把握」「仕事の棚卸し」をすることから始めることで、うまく進められる可能性は高まっていきます。

 

無料ダウンロード!!
2024年AI活用時流予測レポート ~今後の業界動向・トレンドを予測~

▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼
2024年AI活用時流予測レポート ~今後の業界動向・トレンドを予測~

目次

  • 1、製造業AI業界の現状
  • 2、2023年製造業AI業界はこうなる!
  • 3、2023年実践していただきたいこと
  • 4、どの業務・工程でもAIは活用できる「業務別・工程別のAI活用」
  • 5、国内中小製造業におけるAI導入事例

中小製造業のAI活用の最新事例と導入事例この1冊にまとめました。
AI活用術について「考え方」と「具体的な方法」を例を出して解説し、さらに導入事例を掲載することでAI活用の具体的な取り組み方が分かる資料になっております。

詳細はYoutubeにて公開しております。

https://youtu.be/H6Vq84C1Z4A

今すぐダウンロードする

https://www.funaisoken.co.jp/dl-contents/jy-ai_S045

 
■多品種少量生産機械加工業のAI活用!社長セミナー
従業員30~200名の機械加工業の為の見積もりAI・生産計画AI・原価管理AIの活用!

お申し込みはこちらから⇒
多品種少量生産機械加工業のAI活用!社長セミナー
https://www.funaisoken.co.jp/seminar/096847

■開催日程
全てオンライン開催となります

以下の日程よりご都合の良い日程をお選び下さい
※内容は全て一緒です

  • 2023/04/12 (水) 13:00~15:00
  • 2023/04/17 (月) 13:00~15:00
  • 2023/04/19 (水) 13:00~15:00

お申し込みはこちらから⇒
https://www.funaisoken.co.jp/seminar/096847

無料経営相談の際はフォームよりお気軽にお問い合わせください。お電話でのお問い合わせは 0120-958-270へ(平日9時45分~17時30分)