記事公開日:2024.03.05
最終更新日:2024.03.05
“導入序盤のコツ伝授”基幹システム導入の際に気を付けるべきこととは
いつも当コラムをご愛読いただきありがとうございます。
今回は、基幹システム導入の流れについて改めて解説します。
全工程ですと非常に長くなるため、今回は全体の流れの中でも要件定義が完了するまでにフォーカスを当てさせていただきます。このテーマは全2回を想定しています。
細かい注意点は無数に存在しますが、その中でも特に重要なポイントをピックアップしてご紹介します。
1.基幹システムとは
まず、基幹システムについてのおさらいです。
基幹システムとは企業の経営に必要な情報を一元管理するシステムの総称です。
具体的な対応業務範囲として、販売、購買、在庫、会計、人事などが含まれますが、これはパッケージによって異なります。
基幹システムを導入することで、業務効率の向上や経営判断の支援など、様々なメリットがあります。しかし不必要に多機能な基幹システムはシステム投資額を増加させてしまいますし、機能が不足しては現場が回りません。
適切なシステムを選択する必要があるわけです。
2.プロセスとタスク
以降、各プロセスと、ユーザー側で行う必要がある活動内容を簡単にご紹介します。
2-1.導入目的の明確化、システム化計画書作成
まずは、基幹システム導入の目的と条件を明確にします。
どんな課題を解決したいのか、どんな機能や性能が必要なのか。
予算はどうか、導入期限があるのか、求めたい効果は、など具体的にしていきます。
これにより、適切なシステムを選択する基準ができるわけですが、ここで特に必要なのはシステム導入の“コンセプト”です。
過去の失敗してしまったプロジェクト事例を調べてみると、コンセプトが設定されていない、あるいは設定されているにもかかわらず現場まで浸透していない事例が多く見受けられます。
カスタマイズを前提に現状業務を維持するつもりなのか、パッケージに合わせて現状業務を変えるつもりなのか等は必ず議論するべき内容です。
特に後者は業務改革に直結する内容となりますから、ここがぶれてしまうようでは失敗する確率が格段に上がってしまいます。
2-2.システム選定と契約
次に、市場に出回っている基幹システムの中から、自社の要件に合ったものを選んでいきます。
複数のベンダーやパッケージを比較検討し、デモやトライアルを行って、最適なものを決めます。
この際に提案依頼書(RFP)が必要となります。
RFPは自社に対してどういう提案をして欲しいかをまとめた資料です。
自社がどのような会社なのか、どういう業務をしているのか、どれくらいのアカウント数を見込みたいのか、どういう機能が欲しいのかなどのベンダーが提案できる程度の情報をしっかり盛り込む必要があります。
この内容が曖昧だと見積もりが当てにならないレベルのものになったり、提案内容が希望内容と大きく乖離してしまうため選定が出来なくなってしまいます。
もしRFP作成の知見がないようであれば、最初は難易度が高いため、コンサル会社などに依頼して作成協力を仰ぐことをお勧めします。
ベンダーに依頼して作成依頼をするケースもありますが、どうしてもそのベンダーが担いでいる商品に有利なRFPになってしまうなど、公平な検討が出来なくなる可能性が出るため注意が必要です。
RFPを基に提案してもらい、ベンダーの提案内容を比べたうえで1番条件に合致するものを選択しましょう。
2-3.要件定義
パッケージとベンダーが決まりましたら、次にフィット&ギャップを行い、開発要件を明確にする作業が始まります。
フィット&ギャップでは、現状の業務がどれくらい標準のパッケージで実施可能なのかを明確にします。
そのうえでどの部分をカスタマイズ対応するのか、あるいは業務内容をシステムに合わせて変化させるのかを決めていきます。
要件定義の場には現場の担当者の方にも参加いただく必要があります。
ベンダー側から基本機能の説明を受け、実際の業務がそれで回るのか、回らないのであればどう対応していくかを議論する必要があるためです。
これが行われない要件定義は、ただひたすらに“標準で対応できないこと=カスタマイズ”となってしまい、費用がかさんでしまいます。
ここでどれだけ導入後の活用イメージが膨らませられているかが成功の秘訣と言っていいでしょう。
ユーザー側の仕事の内情に一番詳しいのはユーザー側であって、ベンダーではありません。
更に、ベンダー側が責任を持つのはユーザーの要望通りにシステムが導入されるかどうかであって、実際にそれを使いこなすところまでの責任を持たないのです。
ここでしっかりと手法を検討しておきましょう。
3.まとめ
以上、今回は要件定義を行うところまでの流れとポイントをご紹介いたしました。
基幹システムに限らず、システム導入コンセプトや活用の姿を明確にしておくというのはプロジェクトを成功させる為の大きなポイントです。
この後の導入フローでも気を付けるべき点は多数出てきます。
しかし、この最序盤にしっかり方針を定めておくことが何よりも大切だと言えます。
次回は設計、開発を行う所からご紹介していきます。
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