記事公開日:2024.07.01
最終更新日:2024.07.01
「Excel依存」「属人化」の放置に潜む3つのリスク
1.「Excel依存」「属人化」の放置に潜む3つのリスクとは?
いつも当コラムをご愛読いただきありがとうございます。
今回は製造業の現場で問題となっている
「Excel依存」と「属人化」に関するリスクについてご紹介いたします。
これらの問題を放置すると、
企業全体の効率や信頼性に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。
以下に、その具体的なリスクを3つに分けて解説させていただきます。
1. データの一貫性と信頼性の低下
Excelは手軽に使用できる反面、手動によるデータ入力や加工が多くなります。
そのため、入力ミスや計算ミスが発生しやすく、データの一貫性や信頼性が低下するリスクがあります。
特に製造業では、正確なデータが製品品質や生産効率に直結するため、
このようなミスは重大なトラブルを引き起こす可能性があります。
2. 業務の非効率化とブラックボックス化
属人化が進むと、特定の社員だけが業務の詳細を把握している状態が生まれます。
この状況は「業務のブラックボックス化」を招き、
その社員が休暇や退職した場合に、
業務の引き継ぎがスムーズに行えなくなります。
結果として、業務が遅延し、全体の効率が低下するリスクが高まります。
3. システムの老朽化と技術負債の累積
長期間にわたりExcelに依存したシステムを使用していると、
次第にそれが古くなり、システム自体の更新が困難になるケースが増えます。
この「技術負債」が蓄積されると、今後のシステム拡張や改善が難しくなり、
企業自体の成長を妨げる大きな障害となります。
上記のリスクを避けるためには、
はじめに「自社の業務プロセス・業務ルールの見直し」が不可欠です。
その上で、クラウドベースのERPシステムや専用の製造業向けソフトウェアを導入することで、
これらの問題を大幅に軽減できます。
また、社員間での情報共有を積極的に行い、業務の属人化を防ぐことも重要です。
ここで、「Excel依存」と「属人化」の回避に成功した企業様の概要ならびに
取り組みのBefore/Afterについて、簡単にご紹介したいと思います。
2.「Excel依存」「属人化」のリスク回避に成功した製造業の事例
<成功企業様の概要>
- 本社:岩手県花巻市
- 主な事業:電動ドライバー用「自動ネジ・ボルト・ナット保持装置」の開発と製品販売
- 従業員数(直近):10 名台
一元管理システム導入のBefore/After
【Before(システム導入前の状態と主な課題)】
①既存システムとExcelにおいて二重三重入力が発生している。
②現場担当者がそれぞれ異なるフォーマットのExcelや紙伝票を使用している。
③設計データと既存システムがバラバラに管理されている。
④発注は在庫を見て感覚で発注している。
⑤製品に紐づく材料費・労務費・経費等の「製品別原価」が十分に管理できていない。
⑥在庫の把握は毎月の棚卸で把握している。
⑦月末在庫金額の計算もExcel上で計算しており、Excelのメンテナンスが必要。
⑧社内資料は複数Excelを合算して作成している。
⑨システム運用ルールが明確でない。
【After(システム導入後の主な効果)】
①各種データを一元化&二重三重入力を排除し業務を効率化!
②ERP導入をきっかけに、既存のExcelや既存伝票の見直し・標準化・効率化を推進!
③設計データとERPを(手動)連携することで、BOMと原価が見える化!
④システムにて発注数を計算。自動発注が可能に!
⑤「製品別の個別原価管理」が可能に!
⑥システム内で理論在庫の把握が可能に!
⑦在庫金額もシステムにて自動計算が可能に!
⑧ボタン1つでデータ出力が可能に!
⑨ERP導入をきっかけに運用ルールを定めることで、誰でも同じ作業が出来るように!(標準化/属人化の排除)
上記の取り組み全体を通して、
- 元々はバラバラのExcelを駆使して販売・購買・在庫・生産・会計等を管理していたが、全社一丸となりシステムによる統合一元管理を実現した
- ERPシステム(業務の一元管理システム)の導入を通じて「脱・Excel管理」「脱・紙伝票管理」を実現した
という成果をあげることができました。
では、なぜこのような成果をあげることができたのでしょうか?
ここまでお読みいただいた皆様の中には、
・さらに詳しく話を聞いてみたい!
・自社で上手くいっていない理由を探りたい!
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という方もいらっしゃるかと思います。
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- ERP導入により、データの入力を入口から一本化!
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