記事公開日:2024.11.29
最終更新日:2024.11.29
外観検査自動化の落とし穴!失敗例から学ぶ成功の秘訣とは?
人手不足が深刻化する中、製造現場における自動化は喫緊の課題となっています。
特に、品質管理の要である外観検査の自動化は、多くの企業が関心を寄せているのではないでしょうか?
外観検査自動化は、AI技術の進化により、近年急速に普及が進んでいます。
しかし、AI外観検査を導入したものの、期待した効果を得られなかった、あるいは、かえってコストや手間が増えてしまったというケースも少なくありません。
そこで今回は、外観検査自動化に取り組む際に注意すべき点について、失敗例とその対策をお伝えします。
ぜひ最後までお読みいただき、今後の参考としていただければ幸いです。
1.対象品種の選定ミス
「とりあえずAIを導入すれば、何でも自動化できる!」と考えていませんか?
実は、AI外観検査が得意な品種と苦手な品種があります。
例えば、複雑な形状の部品や、表面に凹凸が多い部品は、画像処理が難しく、AIによる検出精度が低下する可能性があります。
また、小ロット生産の製品の場合、AIモデルの学習に必要なデータ量が不足し、十分な精度が得られないケースも。
さらに、製品のライフサイクルが短い場合は、AIモデルの構築や調整に時間がかかり、費用対効果が低くなる可能性も考えられます。
☆対策
- 導入前に、AI外観検査に適した品種かどうかを慎重に検討しましょう。
- 複雑な形状の部品には、3Dカメラや特殊な照明を用いるなど、工夫が必要です。
- 小ロット生産品には、データ拡張技術や転移学習などを活用し、少ないデータでも高精度なAIモデルを構築する必要があります。
2.AIへの過度な期待
AIは、近年目覚ましい発展を遂げていますが、万能ではありません。
特に、外観検査においては、以下のような限界があります。
- 未知の不良に対応できない
AIは、学習データに含まれる不良しか検出できません。 例えば、学習データに「傷」のデータが含まれていない場合、AIは「傷」を不良として認識できません。 - 微妙な判断が難しい
人間であれば、経験や勘に基づいて判断できる微妙な不良も、AIには難しい場合があります。 例えば、「わずかな色の違い」や「微妙な形状の歪み」などは、AIでは判断が難しい場合があります。 - 環境変化に弱い
照明条件やカメラの位置が変わると、AIの検出精度が低下する可能性があります。 例えば、日中の自然光と夜間の人工光では、同じ製品でも画像の見え方が異なるため、AIの認識精度に影響を与える可能性があります。
☆対策
- AIの得意・不得意を理解し、過度な期待は禁物です。
- AIはあくまで人間の作業を支援するツールとして捉え、最終的な判断は人間が行うようにしましょう。
- 目視検査とAI検査を併用することで、より高い精度で不良を検出できます。
- 定期的にAIモデルの精度を評価し、必要があれば再学習や調整を行いましょう。
3.費用見積もりの甘さ
AI外観検査システムの導入には、以下のような費用がかかります。
- 初期費用
・ソフトウェアライセンス費用
・ハードウェア費用(カメラ、照明、検査装置など)
・システム構築費用(コンサルティング、設計、開発、設置など)
・AIモデル作成費用(データ収集、アノテーション、学習など) - 運用費用
・システム保守費用
・AIモデルのメンテナンス費用(再学習、調整など)
・電力料金
・人件費
これらの費用を正確に見積もらないと、導入後に予想外の出費が発生し、予算オーバーに陥る可能性があります。
☆対策
- 導入前に、複数のベンダーから見積もりを取り、費用を比較検討しましょう。
- 見積もり内容を詳細に確認し、不明な点は必ず質問しましょう。
- 運用費用についても、事前にしっかりと見積もり、長期的なコストを把握しましょう。
- 費用対効果をシミュレーションし、投資回収の期間を見積もりましょう。
4.導入後、検査機を放置してしまった
AI外観検査システムを導入したら終わりではありません。
AIモデルは、時間の経過とともに精度が低下していくため、定期的なメンテナンスや再学習が必要です。
また、製品の仕様変更や新たな不良が発生した場合にも、AIモデルを更新する必要があります。
☆対策
- AIモデルの運用担当者を決め、責任を持ってメンテナンスや再学習を行う体制を整えましょう。
- 定期的にAIモデルの精度を評価し、必要があれば再学習や調整を行いましょう。
- 製品仕様の変更や新たな不良発生時には、速やかにAIモデルを更新しましょう。
- 運用マニュアルを作成し、担当者が変更になった場合でもスムーズに引き継ぎができるようにしましょう。
5.まとめ
5-1次世代の金属加工技術
AIやIoTを駆使した次世代の金属加工技術は、加工プロセスの可視化や自動化により、さらなる生産性の向上を目指しています。特に、AIを用いた品質管理の自動化やリアルタイムデータの分析により、製品の精度を保ちながら効率的な生産が可能となりました。
- 導入目的を明確にする
- 適切な対象品種を選ぶ
- AIの特性を理解する
- 費用対効果をシミュレーションする
- 運用体制を整える
しかし、いざ導入を検討するとなると、 「具体的にどのように進めればいいのかわからない…」 「自社に合ったシステムやAIの見極め方が難しい…」 といった悩みをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか?
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