記事公開日:2025.06.27
最終更新日:2025.06.30
【利益が出ている今だからこそ】次世代のものづくりへ。

【このコラムをお勧めしたい社長様のイメージ:】
・業績は好調だが、自社のものづくりのやり方が旧態依然としていることに課題を感じている社長様
・「このままではいけない」という漠然とした危機感や、変革への意志をお持ちの社長様
・目先の業績だけでなく、5年後、10年後も勝ち残るための、会社の新しい“型”を模索している社長様
・ベテランの技術やノウハウを、どう次世代に継承していくか、具体的な方法を探している社長様
・DXやIT化に興味はあるが、どこから、何のために手をつければ良いのか、最初のとっかかりが掴めずにいる社長様
本コラムは、日々の業績は安定しているものの、「自社のものづくりの未来」に漠然とした課題意識をお持ちの社長様に向けて執筆しています。今のやり方を変える必要性を感じながらも、「何から手をつけるべきか」という具体的な一歩が踏み出せずにいらっしゃるのではないでしょうか。本稿が、社長様のその大切な「気づき」を、確かな「行動」へと変えるきっかけとなれば幸いです。
目次
1. 「業績好調」の裏に潜む、見えざる経営課題
いつも経営の最前線でご尽力されていることと存じます。お陰様で、今年も受注は堅調、利益もしっかりと確保できている。長年のお客様との信頼関係もあり、現場も日々の仕事に追われながらも活気がある。まずは、これまでのご経営に心から敬意を表します。
しかし、その一方で、ふとした瞬間にこうお感じになることはないでしょうか。「うちは、昔ながらのやり方で、なんとか上手くいっているだけではないか」「今のやり方が、5年後、10年後も通用するのだろうか」と。
日々の業務に追われていると、なかなか正面から向き合えない、この漠然とした、しかし無視できない課題意識。それは、多くの堅実な経営をされている社長様ほど、強くお持ちになる感覚かもしれません。
業績が良い「今」は、ともすれば変化を避けたくなるのが人情です。しかし、本当に会社の未来を想うリーダーだからこそ、その安定の裏に潜む「見えざる課題」に気づき、「何かしなければ」と感じていらっしゃるのではないでしょうか。このコラムは、まさにそのような、先見の明をお持ちの社長様のために、筆を執らせていただきました。会社の未来を創るための、次の一手について、ご一緒に考えていければ幸いです。
2. なぜ、「このままではダメだ」と感じるのか?~安定がもたらす停滞のリスク~
では、なぜ業績が安定しているにもかかわらず、「このままではダメだ」と感じるのでしょうか。その感覚の源泉は、いくつかの静かに迫りくるリスクにあります。
一つ目は、「技術継承の断絶」です。今、現場を支えているベテラン社員の方々の「勘」や「コツ」。それは、図面や言葉だけでは伝えきれない、貴社の競争力の源泉そのものです。しかし、あと何年、彼らが現役でいられるでしょうか。彼らが退職した時、その貴重なノウハウが会社から失われてしまうリスクに、どう備えるべきか。これは、多くの製造業が抱える時限爆弾のような課題です。
二つ目は、「働き手の価値観の変化」です。若い世代は、給与や待遇だけでなく、「働きやすさ」や「成長できる環境」を重視します。紙の書類でのやり取り、二重入力、探し物に時間がかかるといった、昔ながらの非効率な業務は、彼らにとって魅力的には映りません。今のやり方を続けていては、優秀な若い人材から選ばれない会社になってしまう恐れがあります。
三つ目は、「“ゆでガエル”のリスク」です。今は安定した取引先でも、その会社が代替わりしたり、より安く、より早く対応できる競合が現れたりすれば、状況は一変します。知らず知らずのうちに、世の中のスピードやコスト感から取り残されてしまう。気づいた時には手遅れ、というのが最も恐ろしいシナリオです。
好調な今だからこそ、これらのリスクは見えにくいものです。しかし、社長が感じていらっしゃる「何かしなければ」という直感は、これらの未来のリスクを無意識に捉えているからに他なりません。
「変革しなければ」と考えた時、つい「何か新しい機械を入れよう」「ITシステムを導入しよう」といった、「手段」の話になりがちです。しかし、本当に大切なのはそこではありません。変革の真の目的は、会社の「新しい型」を創ることだと、私たちは考えています。
「新しい型」とは何でしょうか。それは、例えば、
3. 変革の目的はIT化ではない。会社の「新しい型」を創ること
「変革しなければ」と考えた時、つい「何か新しい機械を入れよう」「ITシステムを導入しよう」といった、「手段」の話になりがちです。しかし、本当に大切なのはそこではありません。変革の真の目的は、会社の「新しい型」を創ることだと、私たちは考えています。
「新しい型」とは何でしょうか。それは、例えば、
①ベテランの経験を、若手でも活用できる仕組み
②無駄な作業を徹底的に無くし、社員が考える仕事に集中できる環境
③お客様の急な要望にも、柔軟に応えられる生産体制
といった、会社の新しい「勝ちパターン」のことです。デジタル技術やITは、この新しい型を創るための、強力な道具の一つに過ぎません。
例えば、これまでベテランの目で判断していた製品検査を、画像認識の技術でサポートできないか。毎日手書きしていた生産日報を、簡単な入力でデータ化し、誰もが進捗を把握できるようにできないか。こうした小さな変化の積み重ねが、会社の体質を少しずつ変え、新しい型を創り上げていくのです。
難しいIT用語を知っている必要はありません。社長に考えていただきたいのは、「もし、会社の無駄な作業が半分になったら、社員にどんな仕事をさせたいか」「もし、お客様のどんな要望にも応えられるようになったら、会社はどう成長できるか」といった、未来の理想像です。その理想像を描くことこそ、変革の最も重要な第一歩なのです。
4. 技術ではなく、自社の未来を描く「設計図」
では、その「未来の設計図」を、どう描けば良いのでしょうか。それをご支援するのが、私たちの「実践!製造業幹部社員向けDX推進研修」です。
誤解を恐れずに申し上げれば、この研修は「ITの勉強会」ではありません。社長や幹部の皆様に集まっていただき、自社の未来を描き、その実現に向けた具体的な計画を立てる、「経営戦略ワークショップ*です。
この研修で皆様に得ていただきたいのは、大きく3つです。
一つ目は、「自社の課題の明確化」です。他の参加企業の事例を聞き、客観的な視点を得ることで、「うちの本当の課題はここだったのか」という気づきを得ていただけます。
二つ目は、「課題解決の具体的な手法」です。例えば、「技術継承」という課題に対し、動画マニュアルやデータ活用でどうアプローチできるか、具体的な事例を多数ご紹介します。難しい技術ではなく、すぐに真似できるヒントが満載です。
三つ目は、そしてこれが最も重要なのですが、「自社だけの変革ロードマップ(実行計画書)」です。研修の最後には、自社に戻って「まず、何から始めるか」を明確な計画書に落とし込んでいただきます。「何かしなければ」という漠然とした思いを、具体的な「ToDoリスト」に変えてお持ち帰りいただくことが、この研修のゴールです。
5. 「何かしなければ」を、「まず、これをしよう」に変えるために
本コラムでは、業績好調な中でこそ考えるべき、未来に向けた変革についてお話ししてきました。社長が抱いていらっしゃる「このままではいけない」という感覚は、会社を想うからこその、非常に尊い危機感です。
その大切な感覚を、ただの“気”の迷いで終わらせては、あまりにもったいない。その思いを、会社の未来を創るための、確かなエネルギーに変えるべきです。
変革は、大きなことから始める必要はありません。まずは、社長自身が「自社の未来の設計図」を描き、それを実現するための「最初のステップ」を決めること。そして、「なぜ変革が必要なのか」を、ご自身の言葉で社員に語りかけること。そこからすべてが始まります。
社長のその熱意とリーダーシップがあれば、会社は必ず変われます。私たちは、そのための具体的な手法と、伴走者としてのサポートをご提供します。
このコラムを読んだ後に取るべき行動
https://www.funaisoken.co.jp/seminar/129681
【このコラムを読んだ後に取るべき行動:】
もし、本コラムの内容に少しでも共感するところがございましたら、次に取るべき行動は一つです。
それは、「実践!製造業幹部社員向けDX推進研修2025」へのご参加です。
この場所は、社長の「何かしなければ」という思いを、具体的な「まず、これをしよう」という行動計画に落とし込むための、最適な機会です。同じような課題意識を持つ、志の高い他の経営者様との交流も、きっと大きな刺激となるでしょう。
まずは一度、セミナーの詳細ページをご覧ください。貴社の輝かしい未来に向けた、意味のある一日となることを、私たちがお約束します。ご連絡を心よりお待ちしております。
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