記事公開日:2025.07.16
最終更新日:2025.07.16

「安くします」はもう言わない。”あなたから買いたい”を引き出す攻めの営業術

「もう少し、なんとかなりませんか?」

顧客からのこの一言に、思わず「分かりました。では…」と、電卓を叩き直してはいないでしょうか。良かれと思って応じた値引きが、かえって自社の首を絞め、顧客の”値引き期待”を助長させてしまう。そんな悪循環に陥っていませんか?

多くの機械加工業が、顧客からの要求に応える「受け身の営業」スタイルから抜け出せずにいます。しかし、安易な値下げは、短期的には受注に繋がるかもしれませんが、長期的には「あの会社は言えば安くなる」という印象を与え、健全な顧客関係を損なう原因にさえなりかねません。
「安くします」のわなから脱却せよを詳細に図解

「原価+利益=売価」ではない!顧客心理を理解する重要性

売価は「原価+利益」ではなく「価値」で決まるを詳細に図解
まず、認識を改めるべき重要な点があります。それは、「売価」は単純なコストの積み上げではない、ということです。第2回のコラムで「正確な原価把握」の重要性をお伝えしましたが、それはあくまで”最低ライン”を知るためのもの。売価を決めるのは、原価ではなく、顧客が感じる「価値」です。
 
「原価がこれだけかかったから、この値段です」という交渉は、単なるコストの転嫁であり、顧客の心には響きません。そうではなく、「この技術によって、お客様の製品寿命が延びます」「この精度が、お客様の組み立て工程の工数を削減します」といったように、自社の強みが顧客にどのようなメリット(価値)をもたらすのかを伝え、納得してもらうことが「攻めの値決め」の第一歩です。

顧客満足と利益を両立させる「提案型営業」とは?

顧客満足と利益を両立させる「提案型営業」の3ステップを詳細に図解

では、どうすれば顧客に「価値」を感じてもらえるのか。その答えは、営業プロセスそのものを見直すことにあります。

  1. 的確な仕様の整理: お客様の「こんなものが欲しい」という漠然とした要望を鵜呑みにせず、「なぜそれが必要なのか」「どのような課題を解決したいのか」を深掘りする。専用の営業フォーマットを用意し、ヒアリング項目を標準化するだけでも、聞き漏らしがなくなり、提案の質が格段に向上します。
  2. ニーズの深掘りと価値提案: 顧客の本当の課題を捉えたら、自社の技術やノウハウをどのように活かせるかを考え、「〇〇という課題を、当社のこの技術で解決できます」という「提案」を行う。これが、単なる御用聞きではない「提案型営業」の極意です。
  3. 適切な価格交渉: 価値を十分に伝えた上で、自信を持って価格を提示する。もし価格について言及された場合でも、安易に値引くのではなく、「この仕様であれば、この価格まで調整できますが、性能はこうなります」といった代替案を提示し、価格の主導権を渡さない交渉術が重要です。

こうした一連のプロセスを通じて、顧客との間には単なる発注者と受注者という関係を超えた「信頼」が生まれます。その結果、顧客は「この会社は自分たちのことをよく分かってくれている。だから、あなたから買いたい」と感じるようになるのです。

このような営業体制の構築は、一部のトップセールスマンにしかできない特別なスキルだと思われるかもしれません。しかし、実はシンプルなITツールと標準化されたフォーマットを活用することで、誰でも実践可能な仕組みを作ることができます。

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価格競争から脱却し、「選ばれる会社」へ。

もう、「安くします」という言葉でしか顧客に応えられない営業は終わりにしませんか?顧客満足度と利益を両立させ、「あなたから買いたい」と言われる営業戦略を、このセミナーで手に入れてください。
 
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