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経費削減だけじゃない!営業実績UP・人財成長を伴うDXのために行うべき事

2025.06.11

いつもお世話になっております。船井総合研究所の高階でございます。 今回のコラムでは、多くの企業が取り組む「改革」や「DX」について、単なるコストカットで終わらせず、企業の未来を創る「営業実績の向上」と「人材の成長」に繋げるための本質的なアプローチをご紹介したいと思います。 1.はじめに 「会社の改革」や「DX推進」と聞くと、多くのビジネスパーソンがまず「経費削減」や「業務効率化によるコストカット」を思い浮かべるのではないでしょうか。 もちろん、それらも重要な成果の一つです。しかし、守りの改革だけでは、企業の未来を切り拓く力は生まれません。 よく言われているのは、取り組みで削減できた時間をより付加価値高い活動に費やそう、という話です。 この“付加価値高い活動”というのは抽象度も高く便利な言葉ではありますが、つまるところ何なのかというのをよく考える必要があります。 私は、“付加価値高い活動”というのは、自社で働く「人」が成長し、その結果として「収益」という形で事業が成長する、攻めの姿勢を生むことなのではないか、と考えています。 本稿では、コスト削減という目先の効果に留まらず、営業チームを強くし、一人ひとりの成長を促し、持続的な事業成長を実現するために「本当にやるべきこと」は何か、その核心に迫りたいと思います。 2.成長企業で起きていること 事業が順調に成長し、組織が拡大していくフェーズは、喜ばしい反面、多くの企業が「成長の壁」に直面する時期でもあります。かつての少数精鋭時代には問題にならなかったことが、組織の至る所で静かに、しかし確実に問題を引き起こし始めます。 ・疲弊する営業現場と「見えないコスト」の増大 売上目標は右肩上がりに伸びていく一方で、営業の「やり方」は昔のまま。結果として、個々の営業担当者への負担が雪だるま式に増えていきます。顧客と向き合う時間よりも、社内向けの報告書作成や会議のための資料準備に追われ、本来最も価値を生むべき活動が圧迫されていくのです。 この「見えないコスト」は、残業時間の増加やエンゲージメントの低下に繋がり、最悪の場合、将来を期待された優秀な人材の離職という、企業にとって最も手痛い損失を引き起こす原因ともなり得ます。 ・機能不全に陥る営業マネジメント メンバーが増えるにつれ、マネージャーはプレイング業務とマネジメント業務の板挟みになります。私もマネジメント経験者ですが、部下一人ひとりの活動状況を詳細に把握することは困難になり、指導やアドバイスは、どうしても自身の「勘」や「経験」に頼らざるを得なくなった経験があります。 部下の活動がブラックボックス化することで、案件がなぜ失注したのか、誰が何に困っているのかを正確に把握できず、適切なタイミングでのフォローができません。 果たして自分のアドバイスはピントが合っているのか。それすらも分からない苦しい時間を過ごすことになります。 これでは、チーム全体のパフォーマンスを底上げすることは難しく、マネージャー自身も成果を出せない焦りから疲弊していくという悪循環に陥ります。 ・属人化し、失われていく「勝つためのノウハウ」 どんな組織にも、突出した成果を上げるエース級の人材が存在します。しかし、その成功の秘訣が言語化・共有化されず、個人の「暗黙知」のままであれば、それは組織の資産にはなり得ません。 新入社員や若手は、その背中を見て学ぶしかなく、成長には非常に時間がかかります。 さらに深刻なのは、ベテラン社員やエースの退職です。彼らが去ると同時に、長年かけて培われた貴重な営業ノウハウや、顧客との深い関係性といった無形資産がごっそりと失われてしまうのです。 これまでに挙げた課題の根底に共通して横たわっている問題、それは 3.統合情報管理の重要性 前章で挙げた課題の根底に共通して横たわっている問題、それは「情報の分断」です。 顧客情報、担当者情報、商談履歴、成功事例、クレーム情報といった、企業の生命線とも言える情報が、個人のPCや手帳、メールボックス、そして頭の中に散在している状態。 この「サイロ化」こそが、組織の成長を阻害する最大の要因と言えます。 この問題を解決する鍵が「統合情報管理」です。 これは、単にデータを一箇所に集めることではありません。バラバラに存在していた情報を有機的に繋ぎ、組織全体で活用できる「知のプラットフォーム」を構築することを意味します。 統合情報管理が実現すると、企業には3つの大きな変化がもたらされると考えています。 第一に、「顧客理解の劇的な深化」が挙げられます。 マーケティング部門がいつ顧客と接点を持ち、営業担当者が過去にどんな提案をし、カスタマーサポートがどのような問い合わせに対応したのか。 こういった情報が統合されることで、初めて顧客を360度、立体的に理解することができます。 この深い理解こそが、顧客の心に響く最適なアプローチを可能にし、長期的な信頼関係(LTVの向上)の礎となるわけです。 第二に、「データドリブンな文化の醸成」です。 情報が整備され、誰もが必要なデータにアクセスできる環境は、データに基づいた客観的な意思決定を促します。 例えば、失注案件のデータを分析すれば、価格が問題だったのか、機能が足りなかったのか、あるいは提案のタイミングが悪かったのか、といった敗因を特定し、次の戦略に活かすことができます。 勘や経験に頼るギャンブル的な営業管理ではなく、データという事実に基づいた科学的な営業管理へと進化できるのです。 そして最後に、「組織学習能力の向上」です。 成功した提案書や、顧客に響いたトークスクリプトが共有されれば、それはチーム全体の教科書となりえます。 この活動を通して、組織全体で学習・成長していくサイクルが生まれていきます。データをまとめること自体に意味はなく、それを活用することにこそ価値があるのです。 4.営業部門が取り組むべきデジタル化とは 前述した「統合情報管理」を実現するための具体的な手段として紹介したいのが、「営業部門のデジタル化」です。 しかし、ここで注意すべきは、高価なシステム(SFAやCRMなど)を導入すれば全てが解決するわけではない、ということです。SFAやCRMは導入すればすぐ売り上げが2倍になる、というような魔法のツールではありません。 重要なのは、ツールを導入すること自体ではなく、それを使って「業務を変革し、人の成長を促す」という明確な目的意識です。 営業部門が取り組むべきデジタル化には、3つの段階があると考えています。 ステップ1:顧客接点情報の資産化(データ化) まずは、日々の営業活動の記録を「未来のための投資」と位置づける意識改革が必要です。日報や週報は、上司に報告するためだけの義務作業ではありません。入力された一件一件の活動履歴が、未来の営業戦略を立てるための貴重なデータ資産となるのです。 ただし、注意していただきたいポイントとして、スマートフォンなどからでも簡単に入力できる仕組みを整えるなど、営業担当者の負担を限りなくゼロに近づける工夫が不可欠です。 ステップ2:ナレッジ共有の仕組み化 次に、個人が持つノウハウを組織の力に変える仕組みを構築しましょう。 例えば、大型案件を受注した際の提案書や、難易度の高い質問への切り返しトーク、序盤のヒアリング項目などを、誰もが簡単に検索・閲覧できるプラットフォームを用意しましょう。 これにより、新人はトップセールスの知恵を借りながら成長できますし、チーム全体で成功パターンを再現できるようになります。 これは、形骸化しがちなOJTを補完し、人材育成のスピードを飛躍的に高めることに繋がります。 ステップ3:情報連携のシームレス化 最終的には、マーケティングから営業、そしてカスタマーサポートまで、顧客に関わる全部門の情報をデジタルプラットフォーム上で連携させます。 Webサイトから問い合わせをしてくださった見込み顧客の情報が、即座に担当営業に通知される。さらに、過去の閲覧履歴や興味関心を踏まえた上で、個別に最適化したアプローチを開始する。このように、部門の壁を越えて一貫した“質の高い”顧客体験を提供することで、対応のスピードと質が向上し、顧客満足度は大きく高まっていきます。 おわりに 本稿でお伝えしたかったのは、真のDXは「経費削減」といった守りの発想だけではなく、「どうすればもっと売上を伸ばせるか」「どうすれば社員がもっと成長できるか」という攻めの発想が非常に重要である、ということです。 情報の分断が組織の成長を阻害し、情報の統合が組織を強くする。このシンプルな原則を理解し、デジタル技術を賢く活用して「情報を組織の力に変える」こと。それこそが、これからの時代に持続的な成長を遂げる企業が行うべき、本質的な改革と言えるでしょう。 最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。 船井総合研究所では、営業経験豊富なコンサルタントが多数在籍しています。もし、ご興味があればお気軽にお声がけください。 また、以下に同様のテーマについてご紹介するセミナーのご案内を添付させていただきました。 こちらもご興味があれば、是非ご確認いただければと思います。     複数拠点を展開する製造業・商社が取り組むべき”成功しやすい”DXのポイントとは? https://www.funaisoken.co.jp/seminar/129678 【このような方にオススメ】 ・営業マン20人以上、異なる3事業部以上、営業所3拠点以上を展開する製造業・商社の経営陣の方 ・複数事業部、複数営業拠点が存在し、営業マネジメントが上手くできていないと感じる製造業・商社の経営陣の方 ・営業会議のために複数のシステムからデータを集めてなければならず、工数がかかっている製造業・商社の経営陣の方 ・システムを入れてはいるが形骸化しており、思うように定着しない、効果が出ていないと感じる製造業・商社の経営陣の方 ・顧客情報(注文情報、新規案件、コンタクト履歴、納品物、クレーム情報、見積情報等)が属人化している製造業・商社の経営陣の方 ・提出した見積もりと実際原価との差異が把握できておらず、しっかり利益の出る見積作成手法を取り入れたい製造業・商社の経営陣の方 ・営業活動の多くが属人化していてアナログに依存している製造業・商社の経営陣の方 いつもお世話になっております。船井総合研究所の高階でございます。 今回のコラムでは、多くの企業が取り組む「改革」や「DX」について、単なるコストカットで終わらせず、企業の未来を創る「営業実績の向上」と「人材の成長」に繋げるための本質的なアプローチをご紹介したいと思います。 1.はじめに 「会社の改革」や「DX推進」と聞くと、多くのビジネスパーソンがまず「経費削減」や「業務効率化によるコストカット」を思い浮かべるのではないでしょうか。 もちろん、それらも重要な成果の一つです。しかし、守りの改革だけでは、企業の未来を切り拓く力は生まれません。 よく言われているのは、取り組みで削減できた時間をより付加価値高い活動に費やそう、という話です。 この“付加価値高い活動”というのは抽象度も高く便利な言葉ではありますが、つまるところ何なのかというのをよく考える必要があります。 私は、“付加価値高い活動”というのは、自社で働く「人」が成長し、その結果として「収益」という形で事業が成長する、攻めの姿勢を生むことなのではないか、と考えています。 本稿では、コスト削減という目先の効果に留まらず、営業チームを強くし、一人ひとりの成長を促し、持続的な事業成長を実現するために「本当にやるべきこと」は何か、その核心に迫りたいと思います。 2.成長企業で起きていること 事業が順調に成長し、組織が拡大していくフェーズは、喜ばしい反面、多くの企業が「成長の壁」に直面する時期でもあります。かつての少数精鋭時代には問題にならなかったことが、組織の至る所で静かに、しかし確実に問題を引き起こし始めます。 ・疲弊する営業現場と「見えないコスト」の増大 売上目標は右肩上がりに伸びていく一方で、営業の「やり方」は昔のまま。結果として、個々の営業担当者への負担が雪だるま式に増えていきます。顧客と向き合う時間よりも、社内向けの報告書作成や会議のための資料準備に追われ、本来最も価値を生むべき活動が圧迫されていくのです。 この「見えないコスト」は、残業時間の増加やエンゲージメントの低下に繋がり、最悪の場合、将来を期待された優秀な人材の離職という、企業にとって最も手痛い損失を引き起こす原因ともなり得ます。 ・機能不全に陥る営業マネジメント メンバーが増えるにつれ、マネージャーはプレイング業務とマネジメント業務の板挟みになります。私もマネジメント経験者ですが、部下一人ひとりの活動状況を詳細に把握することは困難になり、指導やアドバイスは、どうしても自身の「勘」や「経験」に頼らざるを得なくなった経験があります。 部下の活動がブラックボックス化することで、案件がなぜ失注したのか、誰が何に困っているのかを正確に把握できず、適切なタイミングでのフォローができません。 果たして自分のアドバイスはピントが合っているのか。それすらも分からない苦しい時間を過ごすことになります。 これでは、チーム全体のパフォーマンスを底上げすることは難しく、マネージャー自身も成果を出せない焦りから疲弊していくという悪循環に陥ります。 ・属人化し、失われていく「勝つためのノウハウ」 どんな組織にも、突出した成果を上げるエース級の人材が存在します。しかし、その成功の秘訣が言語化・共有化されず、個人の「暗黙知」のままであれば、それは組織の資産にはなり得ません。 新入社員や若手は、その背中を見て学ぶしかなく、成長には非常に時間がかかります。 さらに深刻なのは、ベテラン社員やエースの退職です。彼らが去ると同時に、長年かけて培われた貴重な営業ノウハウや、顧客との深い関係性といった無形資産がごっそりと失われてしまうのです。 これまでに挙げた課題の根底に共通して横たわっている問題、それは 3.統合情報管理の重要性 前章で挙げた課題の根底に共通して横たわっている問題、それは「情報の分断」です。 顧客情報、担当者情報、商談履歴、成功事例、クレーム情報といった、企業の生命線とも言える情報が、個人のPCや手帳、メールボックス、そして頭の中に散在している状態。 この「サイロ化」こそが、組織の成長を阻害する最大の要因と言えます。 この問題を解決する鍵が「統合情報管理」です。 これは、単にデータを一箇所に集めることではありません。バラバラに存在していた情報を有機的に繋ぎ、組織全体で活用できる「知のプラットフォーム」を構築することを意味します。 統合情報管理が実現すると、企業には3つの大きな変化がもたらされると考えています。 第一に、「顧客理解の劇的な深化」が挙げられます。 マーケティング部門がいつ顧客と接点を持ち、営業担当者が過去にどんな提案をし、カスタマーサポートがどのような問い合わせに対応したのか。 こういった情報が統合されることで、初めて顧客を360度、立体的に理解することができます。 この深い理解こそが、顧客の心に響く最適なアプローチを可能にし、長期的な信頼関係(LTVの向上)の礎となるわけです。 第二に、「データドリブンな文化の醸成」です。 情報が整備され、誰もが必要なデータにアクセスできる環境は、データに基づいた客観的な意思決定を促します。 例えば、失注案件のデータを分析すれば、価格が問題だったのか、機能が足りなかったのか、あるいは提案のタイミングが悪かったのか、といった敗因を特定し、次の戦略に活かすことができます。 勘や経験に頼るギャンブル的な営業管理ではなく、データという事実に基づいた科学的な営業管理へと進化できるのです。 そして最後に、「組織学習能力の向上」です。 成功した提案書や、顧客に響いたトークスクリプトが共有されれば、それはチーム全体の教科書となりえます。 この活動を通して、組織全体で学習・成長していくサイクルが生まれていきます。データをまとめること自体に意味はなく、それを活用することにこそ価値があるのです。 4.営業部門が取り組むべきデジタル化とは 前述した「統合情報管理」を実現するための具体的な手段として紹介したいのが、「営業部門のデジタル化」です。 しかし、ここで注意すべきは、高価なシステム(SFAやCRMなど)を導入すれば全てが解決するわけではない、ということです。SFAやCRMは導入すればすぐ売り上げが2倍になる、というような魔法のツールではありません。 重要なのは、ツールを導入すること自体ではなく、それを使って「業務を変革し、人の成長を促す」という明確な目的意識です。 営業部門が取り組むべきデジタル化には、3つの段階があると考えています。 ステップ1:顧客接点情報の資産化(データ化) まずは、日々の営業活動の記録を「未来のための投資」と位置づける意識改革が必要です。日報や週報は、上司に報告するためだけの義務作業ではありません。入力された一件一件の活動履歴が、未来の営業戦略を立てるための貴重なデータ資産となるのです。 ただし、注意していただきたいポイントとして、スマートフォンなどからでも簡単に入力できる仕組みを整えるなど、営業担当者の負担を限りなくゼロに近づける工夫が不可欠です。 ステップ2:ナレッジ共有の仕組み化 次に、個人が持つノウハウを組織の力に変える仕組みを構築しましょう。 例えば、大型案件を受注した際の提案書や、難易度の高い質問への切り返しトーク、序盤のヒアリング項目などを、誰もが簡単に検索・閲覧できるプラットフォームを用意しましょう。 これにより、新人はトップセールスの知恵を借りながら成長できますし、チーム全体で成功パターンを再現できるようになります。 これは、形骸化しがちなOJTを補完し、人材育成のスピードを飛躍的に高めることに繋がります。 ステップ3:情報連携のシームレス化 最終的には、マーケティングから営業、そしてカスタマーサポートまで、顧客に関わる全部門の情報をデジタルプラットフォーム上で連携させます。 Webサイトから問い合わせをしてくださった見込み顧客の情報が、即座に担当営業に通知される。さらに、過去の閲覧履歴や興味関心を踏まえた上で、個別に最適化したアプローチを開始する。このように、部門の壁を越えて一貫した“質の高い”顧客体験を提供することで、対応のスピードと質が向上し、顧客満足度は大きく高まっていきます。 おわりに 本稿でお伝えしたかったのは、真のDXは「経費削減」といった守りの発想だけではなく、「どうすればもっと売上を伸ばせるか」「どうすれば社員がもっと成長できるか」という攻めの発想が非常に重要である、ということです。 情報の分断が組織の成長を阻害し、情報の統合が組織を強くする。このシンプルな原則を理解し、デジタル技術を賢く活用して「情報を組織の力に変える」こと。それこそが、これからの時代に持続的な成長を遂げる企業が行うべき、本質的な改革と言えるでしょう。 最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。 船井総合研究所では、営業経験豊富なコンサルタントが多数在籍しています。もし、ご興味があればお気軽にお声がけください。 また、以下に同様のテーマについてご紹介するセミナーのご案内を添付させていただきました。 こちらもご興味があれば、是非ご確認いただければと思います。     複数拠点を展開する製造業・商社が取り組むべき”成功しやすい”DXのポイントとは? https://www.funaisoken.co.jp/seminar/129678 【このような方にオススメ】 ・営業マン20人以上、異なる3事業部以上、営業所3拠点以上を展開する製造業・商社の経営陣の方 ・複数事業部、複数営業拠点が存在し、営業マネジメントが上手くできていないと感じる製造業・商社の経営陣の方 ・営業会議のために複数のシステムからデータを集めてなければならず、工数がかかっている製造業・商社の経営陣の方 ・システムを入れてはいるが形骸化しており、思うように定着しない、効果が出ていないと感じる製造業・商社の経営陣の方 ・顧客情報(注文情報、新規案件、コンタクト履歴、納品物、クレーム情報、見積情報等)が属人化している製造業・商社の経営陣の方 ・提出した見積もりと実際原価との差異が把握できておらず、しっかり利益の出る見積作成手法を取り入れたい製造業・商社の経営陣の方 ・営業活動の多くが属人化していてアナログに依存している製造業・商社の経営陣の方

なぜ、あなたの会社の営業部門は「人手不足」と「非効率」から抜け出せないのか?

2025.06.11

いつもお世話になっております。船井総合研究所の高階でございます。 今回のコラムでは、多くの成長企業が直面する「事業規模の拡大と営業効率の低下」というジレンマについて、その原因と対策のヒントをお届けします。 1.はじめに 企業の成長、組織の拡大というのは、経営者にとって何よりの喜びであると言えます。 しかし、その輝かしい成長の裏側で、このような声が聞こえてくることはないでしょうか? 「社員は増えているのに、会社全体の売上目標達成が年々厳しくなっている」 「かつての少数精鋭時代の方が、むしろ収益性は高かったかもしれない」 「規模が大きくなったことで、情報の風通しが悪くなったように思う」 もし、こうした課題に心当たりがあるとしたら、それは個々の社員の能力や意欲の問題ではなく、組織の「成長痛」のサインかもしれません。 2.規模拡大に潜む営業マネジメントの落とし穴 なぜ、組織が大きくなるほど、一人当たりの生産性は下がってしまうのでしょうか。 そこには、規模拡大期特有の「落とし穴」が存在します。 今回は私がお話を伺ってきた中で、最もよく声の上がっていたポイントを3つ紹介したいと思います。 落とし穴1:情報のブラックボックス化 個々の営業担当者が、自身のPCや手帳の中だけで顧客情報や商談履歴を管理している状態をイメージしてみてください。 担当者以外は誰も状況を把握できず、急な休みや退職が発生した際に、大切なビジネスチャンスや顧客との関係性まで失ってしまうリスクを抱えています。特定の誰かがいないと業務が回らない、そういった状態はどんどん深刻化していきます。 取引先、商談数が増えれば増えるほどこういった情報の属人的な管理は深刻化していくわけです。 落とし穴2:勘と経験頼りのマネジメント メンバーが少なければ、マネージャーの経験則やきめ細やかな声がけ(マイクロマネジメント)で組織は回ります。しかし、人数が増えるとその手法は通用しなくなります。 各担当者が「今、何に困っているのか」「どの案件が停滞しているのか」を正確に把握できず、適切なアドバイスやリソース配分ができなくなります。 そもそも、現状何件の商談を抱えているのかすら分からない状況と言うのも、実は珍しくはないのです。 落とし穴3:部門間の断絶 「インサイドセールス部門が獲得した見込み客に、営業がアプローチしていない」 「インサイドセールス部門が獲得する商談は、商談するようなレベルの状況じゃない。パスが悪い」 「営業現場で得た顧客の生の声が、商品開発に活かされない」 …etc. このように部門間の連携が取れていない状態では、会社としての一貫した顧客体験を提供できず、機会損失を生み続けます。 皆様の会社では起きていないでしょうか? 前述した根深い課題は、精神論や個人の努力だけで解決することは極めて困難です。 今、成長企業に求められているのは、営業部門のDX(デジタルトランスフォーメーション)に他なりません。 DXと聞くと、難しく聞こえるかもしれませんが、本質はシンプルです。 3.営業部門こそDXを DXと聞くと、難しく聞こえるかもしれませんが、本質はシンプルです。 「データとデジタル技術を活用して、旧来の業務プロセスや組織のあり方を、顧客価値の向上と競争力の強化につながる形に変革すること」 です。 顧客との最前線に立つ営業部門のDXは、企業全体の生産性を左右する、まさに経営戦略の核となる一手と言えるでしょう。 4.営業業務のDX化のポイント では、具体的に何から始めればよいのでしょうか。 営業DXを成功に導くための3つの重要なポイントをご紹介します。 ポイント1:情報の一元管理と可視化 点在する顧客情報や案件の進捗、活動履歴を、誰もがリアルタイムで確認できる一つの場所に集約します。これにより、情報の属人化を防ぎ、組織全体で最適なアクションを取れるようになります。 データの一元管理だけでなく、営業会議資料を作るために、複数のエクセルをつなぎ合わせて1日を終える、といった非効率業務の撲滅も同時に意識すると良いでしょう。 ポイント2:業務プロセスの標準化と自動化 トップセールスの行動やノウハウを「型」として標準化し、チーム全体で共有します。 また、報告書作成のような定型業務は可能な限り自動化し、営業担当者が「本来やるべき、付加価値高い創造的な活動」に集中できる環境を整えます。 営業活動の標準化の際に、育成スピードアップは必ず意識した方が良いポイントです。 ポイント3:データに基づく戦略的な意思決定 蓄積されたデータを分析し、「なぜ売れたのか」「なぜ失注したのか」を客観的に把握します。勘や経験だけに頼るのではなく、データという羅針盤を手にすることで、営業戦略の精度は飛躍的に向上していきます。 感覚的なマネジメントも悪いわけではないですが、定量的な指標と言う羅針盤は皆様の営業活動の成長を大きく押し上げる要素となりえます。 おわりに 事業の成長に伴う営業効率の低下は、多くの企業が通る道です。 しかし、それを「仕方のないこと」で済ませるか、それとも「変革のチャンス」と捉えるかで、企業の未来は大きく変わります。 営業DXは、単なるツール導入ではありません。それは、企業の成長をさらに加速させるための「新しい営業の仕組み」を構築するプロジェクトです。 まずは、自社の営業部門がどのような課題を抱えているのか、現状を正しく見つめ直すことから始めてみてはいかがでしょうか。 船井総合研究所では、営業経験豊富なコンサルタントが多数在籍しています。もし、ご興味があればお気軽にお声がけください。 また、以下に同様のテーマについてご紹介するセミナーのご案内を添付させていただきました。 こちらもご興味があれば、是非ご確認いただければと思います。     複数拠点を展開する製造業・商社が取り組むべき”成功しやすい”DXのポイントとは? https://www.funaisoken.co.jp/seminar/129678 【このような方にオススメ】 ・営業マン20人以上、異なる3事業部以上、営業所3拠点以上を展開する製造業・商社の経営陣の方 ・複数事業部、複数営業拠点が存在し、営業マネジメントが上手くできていないと感じる製造業・商社の経営陣の方 ・営業会議のために複数のシステムからデータを集めてなければならず、工数がかかっている製造業・商社の経営陣の方 ・システムを入れてはいるが形骸化しており、思うように定着しない、効果が出ていないと感じる製造業・商社の経営陣の方 ・顧客情報(注文情報、新規案件、コンタクト履歴、納品物、クレーム情報、見積情報等)が属人化している製造業・商社の経営陣の方 ・提出した見積もりと実際原価との差異が把握できておらず、しっかり利益の出る見積作成手法を取り入れたい製造業・商社の経営陣の方 ・営業活動の多くが属人化していてアナログに依存している製造業・商社の経営陣の方 いつもお世話になっております。船井総合研究所の高階でございます。 今回のコラムでは、多くの成長企業が直面する「事業規模の拡大と営業効率の低下」というジレンマについて、その原因と対策のヒントをお届けします。 1.はじめに 企業の成長、組織の拡大というのは、経営者にとって何よりの喜びであると言えます。 しかし、その輝かしい成長の裏側で、このような声が聞こえてくることはないでしょうか? 「社員は増えているのに、会社全体の売上目標達成が年々厳しくなっている」 「かつての少数精鋭時代の方が、むしろ収益性は高かったかもしれない」 「規模が大きくなったことで、情報の風通しが悪くなったように思う」 もし、こうした課題に心当たりがあるとしたら、それは個々の社員の能力や意欲の問題ではなく、組織の「成長痛」のサインかもしれません。 2.規模拡大に潜む営業マネジメントの落とし穴 なぜ、組織が大きくなるほど、一人当たりの生産性は下がってしまうのでしょうか。 そこには、規模拡大期特有の「落とし穴」が存在します。 今回は私がお話を伺ってきた中で、最もよく声の上がっていたポイントを3つ紹介したいと思います。 落とし穴1:情報のブラックボックス化 個々の営業担当者が、自身のPCや手帳の中だけで顧客情報や商談履歴を管理している状態をイメージしてみてください。 担当者以外は誰も状況を把握できず、急な休みや退職が発生した際に、大切なビジネスチャンスや顧客との関係性まで失ってしまうリスクを抱えています。特定の誰かがいないと業務が回らない、そういった状態はどんどん深刻化していきます。 取引先、商談数が増えれば増えるほどこういった情報の属人的な管理は深刻化していくわけです。 落とし穴2:勘と経験頼りのマネジメント メンバーが少なければ、マネージャーの経験則やきめ細やかな声がけ(マイクロマネジメント)で組織は回ります。しかし、人数が増えるとその手法は通用しなくなります。 各担当者が「今、何に困っているのか」「どの案件が停滞しているのか」を正確に把握できず、適切なアドバイスやリソース配分ができなくなります。 そもそも、現状何件の商談を抱えているのかすら分からない状況と言うのも、実は珍しくはないのです。 落とし穴3:部門間の断絶 「インサイドセールス部門が獲得した見込み客に、営業がアプローチしていない」 「インサイドセールス部門が獲得する商談は、商談するようなレベルの状況じゃない。パスが悪い」 「営業現場で得た顧客の生の声が、商品開発に活かされない」 …etc. このように部門間の連携が取れていない状態では、会社としての一貫した顧客体験を提供できず、機会損失を生み続けます。 皆様の会社では起きていないでしょうか? 前述した根深い課題は、精神論や個人の努力だけで解決することは極めて困難です。 今、成長企業に求められているのは、営業部門のDX(デジタルトランスフォーメーション)に他なりません。 DXと聞くと、難しく聞こえるかもしれませんが、本質はシンプルです。 3.営業部門こそDXを DXと聞くと、難しく聞こえるかもしれませんが、本質はシンプルです。 「データとデジタル技術を活用して、旧来の業務プロセスや組織のあり方を、顧客価値の向上と競争力の強化につながる形に変革すること」 です。 顧客との最前線に立つ営業部門のDXは、企業全体の生産性を左右する、まさに経営戦略の核となる一手と言えるでしょう。 4.営業業務のDX化のポイント では、具体的に何から始めればよいのでしょうか。 営業DXを成功に導くための3つの重要なポイントをご紹介します。 ポイント1:情報の一元管理と可視化 点在する顧客情報や案件の進捗、活動履歴を、誰もがリアルタイムで確認できる一つの場所に集約します。これにより、情報の属人化を防ぎ、組織全体で最適なアクションを取れるようになります。 データの一元管理だけでなく、営業会議資料を作るために、複数のエクセルをつなぎ合わせて1日を終える、といった非効率業務の撲滅も同時に意識すると良いでしょう。 ポイント2:業務プロセスの標準化と自動化 トップセールスの行動やノウハウを「型」として標準化し、チーム全体で共有します。 また、報告書作成のような定型業務は可能な限り自動化し、営業担当者が「本来やるべき、付加価値高い創造的な活動」に集中できる環境を整えます。 営業活動の標準化の際に、育成スピードアップは必ず意識した方が良いポイントです。 ポイント3:データに基づく戦略的な意思決定 蓄積されたデータを分析し、「なぜ売れたのか」「なぜ失注したのか」を客観的に把握します。勘や経験だけに頼るのではなく、データという羅針盤を手にすることで、営業戦略の精度は飛躍的に向上していきます。 感覚的なマネジメントも悪いわけではないですが、定量的な指標と言う羅針盤は皆様の営業活動の成長を大きく押し上げる要素となりえます。 おわりに 事業の成長に伴う営業効率の低下は、多くの企業が通る道です。 しかし、それを「仕方のないこと」で済ませるか、それとも「変革のチャンス」と捉えるかで、企業の未来は大きく変わります。 営業DXは、単なるツール導入ではありません。それは、企業の成長をさらに加速させるための「新しい営業の仕組み」を構築するプロジェクトです。 まずは、自社の営業部門がどのような課題を抱えているのか、現状を正しく見つめ直すことから始めてみてはいかがでしょうか。 船井総合研究所では、営業経験豊富なコンサルタントが多数在籍しています。もし、ご興味があればお気軽にお声がけください。 また、以下に同様のテーマについてご紹介するセミナーのご案内を添付させていただきました。 こちらもご興味があれば、是非ご確認いただければと思います。     複数拠点を展開する製造業・商社が取り組むべき”成功しやすい”DXのポイントとは? https://www.funaisoken.co.jp/seminar/129678 【このような方にオススメ】 ・営業マン20人以上、異なる3事業部以上、営業所3拠点以上を展開する製造業・商社の経営陣の方 ・複数事業部、複数営業拠点が存在し、営業マネジメントが上手くできていないと感じる製造業・商社の経営陣の方 ・営業会議のために複数のシステムからデータを集めてなければならず、工数がかかっている製造業・商社の経営陣の方 ・システムを入れてはいるが形骸化しており、思うように定着しない、効果が出ていないと感じる製造業・商社の経営陣の方 ・顧客情報(注文情報、新規案件、コンタクト履歴、納品物、クレーム情報、見積情報等)が属人化している製造業・商社の経営陣の方 ・提出した見積もりと実際原価との差異が把握できておらず、しっかり利益の出る見積作成手法を取り入れたい製造業・商社の経営陣の方 ・営業活動の多くが属人化していてアナログに依存している製造業・商社の経営陣の方

中小製造業の生産管理DX:ZOHOで作る、利益を生む最適システム

2025.06.09

高額なパッケージ依存から脱却!Zoho CRM、Projects、Booksで実現する、本当に使える生産管理システム。変化に強く、低コストで業務最適化へ。 【このコラムをお勧めしたい経営者のイメージ】 既存の生産管理システムに限界を感じ、業務効率と利益率の向上を真剣に目指している中小製造業の経営者様 DXを推進したいが、高額なシステム投資やIT専門人材の不足に悩んでいる経営者様 多品種少量生産や急な仕様変更に柔軟に対応できる、自社に最適な生産管理体制を構築したい経営者様 部門間の情報分断を解消し、データに基づいた迅速な経営判断を実現したい経営者様 将来の事業成長を見据え、拡張性と柔軟性を備えたシステム基盤を求めている経営者様   【このコラムの内容の要約】 本コラムは、中小製造業の経営者様が抱える生産管理システムの課題に対し、最適な解決策を提示するものです。高額で柔軟性に乏しい従来のパッケージシステムや、カスタマイズに制約のあるSaaS型クラウドサービス、そして開発・運用に高度な専門性を要するIaaS/PaaSでのカスタム開発。これらの選択肢が持つ特性と限界を詳細に比較分析します。その上で、ローコードプラットフォーム「Zoho CRM、Projects、Books」を核としたZOHOによる生産管理システム構築が、なぜ中小製造業にとって最良の選択となり得るのかを、柔軟性、拡張性、コスト効率の観点から具体的に解説します。本稿を通じて、貴社のDX推進と持続的成長に貢献するシステム構築のヒントを提供いたします。 【このコラムを読むメリット】 このコラムをお読みいただくことで、中小製造業の経営者様は、自社の生産管理システムが抱える潜在的な課題や、既存システム選定の落とし穴について深く理解できます。パッケージシステム、各種クラウドサービス、そしてローコード開発といった多様な選択肢のメリット・デメリットを客観的に把握し、それぞれの特性が自社の経営戦略や業務実態にどう影響するかを具体的にイメージできるようになります。特に、ZOHOおよびZoho CRM、Projects、Booksが提供する、柔軟かつ低コストで自社仕様のシステムを構築できるという新たな可能性について、具体的な機能や導入のポイントを知ることができます。結果として、システム投資における失敗リスクを低減し、真に企業の競争力強化と利益向上に貢献するDX戦略を描くための一助となるでしょう。 1. はじめに:中小製造業を覆う生産管理システムの「霧」とは 多くの経営者様が日々実感されているように、現代の製造業を取り巻く環境は、かつてない速さで変化しています。顧客ニーズの多様化、グローバル競争の激化、そして「2025年の崖」とも称されるレガシーシステムの限界。このような状況下で、企業の心臓部とも言える生産管理のあり方が、事業の持続的成長を左右する重要な経営課題となっていることは論を俟ちません。しかしながら、いざ生産管理システムの刷新や新規導入を検討しようとすると、選択肢の多さ、専門用語の複雑さ、そして投資対効果の不透明さから、まるで深い霧の中を手探りで進むような感覚に陥ることはないでしょうか。本稿は、そのような「霧」を晴らし、特に中小製造業の皆様が自社にとって真に価値ある一歩を踏み出すための一助となることを目指しています。 「ウチの会社はまだExcelで何とかなっている」「高価なシステムは大手企業のものだ」――。このようなお考えをお持ちの経営者様もいらっしゃるかもしれません。確かに、長年慣れ親しんだ方法や、限られた予算の中での経営判断は重要です。しかし、手作業やExcelベースの管理は、情報の散逸、入力ミス、リアルタイム性の欠如といった問題を引き起こしやすく、これらが知らず知らずのうちに過剰在庫や欠品、生産計画の遅延、そして見えないコスト増といった形で経営を圧迫しているケースが少なくありません。 特に、多くの中小製造業が強みとする多品種少量生産や、顧客の個別要求への柔軟な対応は、旧来の管理手法や硬直的なシステムでは限界に達しつつあります。生産現場では、熟練技術者の経験と勘に頼る部分が大きく、その技術やノウハウの継承も大きな課題です。さらに、原材料費の変動やサプライチェーンの複雑化は、正確な原価把握を一層困難にしています。 これらの課題は、単なる現場レベルの問題ではなく、企業全体の競争力、収益性、そして将来の成長可能性に直結するものです。変化への対応が遅れれば、市場での生き残りが困難になることも覚悟しなければならない時代です。生産管理システムの選定・導入は、もはや「IT投資」という狭い枠組みではなく、企業変革を伴う「経営戦略」そのものであると我々船井総合研究所は考えています。この認識のもと、本コラムでは、中小製造業の皆様が直面するであろう生産管理システムの選択肢を多角的に検証し、最適な解を見出すための道筋を照らしてまいります。 2. パッケージ型生産管理システム:その価値と中小企業の選択基準 生産管理システムの導入を検討する上で、長年にわたり多くの企業で採用されてきたのが「パッケージシステム」です。SAP S/4HANA、Oracle NetSuite、Microsoft Dynamics 365、あるいは国産の電脳工場といった製品群は、製造業の基幹業務を支えるために開発され、豊富な機能と業界のベストプラクティスが凝縮されている点が最大の特長です。これらのシステムを導入することで、企業は確立された業務プロセスを手に入れ、データの一元管理や経営の可視化といった恩恵を享受できます。特に、グローバル展開や複雑なサプライチェーン管理、高度な財務・原価管理を必要とする企業にとっては、その包括的な機能性が大きな力となるでしょう。 パッケージシステムの主なメリット 網羅的な機能: 生産計画、資材所要量計画(MRP)、在庫管理、購買管理、品質管理、原価計算など、製造業に必要な広範な業務領域をカバーしています。 業界標準・ベストプラクティスの導入: 長年の導入実績を通じて蓄積された業界標準の業務プロセスや管理手法が組み込まれており、業務改革の指針となることがあります。 拡張性と信頼性: 大手ベンダーの製品は、企業の成長に合わせた拡張性や、システムの安定稼働に関する信頼性が高い傾向にあります。 豊富な導入支援: 認定パートナーやコンサルタントが多数存在し、導入から運用に至るまで専門的な支援を受けやすい環境があります。 近年では、中小企業向けに導入のハードルを下げたクラウドベースのパッケージモデルも登場しています。例えば、SAPの「GROW with SAP」 やMicrosoft Dynamics 365 Business Centralは、より迅速かつ予測可能な導入を目指し、月額ライセンスでの提供や業種別テンプレートの活用といった工夫がなされています。これにより、従来は高嶺の花であった高機能システムも、中小企業にとって検討の視野に入るようになってきました。 中小企業が考慮すべきデメリットと課題 一方で、これらのパッケージシステムが全ての中小企業にとって最適とは限りません。導入を検討する際には、以下の点を慎重に評価する必要があります。 導入・運用コスト:高機能である反面、ライセンス費用、導入コンサルティング費用、そして自社の業務プロセスに合わせるためのカスタマイズ費用が高額になる傾向があります。中小企業向けのクラウドモデルであっても、初期設定や導入支援には相応のコストが発生します。 システムの複雑性とオーバースペック:多機能であるがゆえにシステム全体が複雑になり、操作習熟に時間を要したり、自社にとっては不要な機能が多く含まれてオーバースペックとなったりする可能性があります。 カスタマイズの制約とコスト:中小企業特有のニッチな業務プロセスや、独自の強みとなっている製造ノウハウをシステムに反映させようとすると、大規模なカスタマイズが必要となることがあります。これは高額な追加費用と開発期間を要するだけでなく、システムのバージョンアップ時の互換性問題や、特定ベンダーへの依存(ベンダーロックイン)のリスクも伴います。 導入期間と社内リソース:要件定義から設計、カスタマイズ、テスト、従業員トレーニングといった導入プロセスには、数ヶ月から1年以上を要することも珍しくありません。この間、社内の主要メンバーがプロジェクトに時間を割かれることになり、日常業務への影響も考慮しなければなりません。 パッケージシステムを選定する際は、単に機能の豊富さだけでなく、自社の事業規模、業務プロセスの複雑度、IT予算、社内体制、そして将来の成長戦略と照らし合わせ、真に必要な機能を見極めることが肝要です。また、初期費用だけでなく、カスタマイズ、保守、人材育成を含めた総所有コスト(TCO)を長期的な視点で評価し、費用対効果を慎重に検討することが、後悔のないシステム導入の鍵となります。 3. クラウド生産管理の潮流:SaaSとIaaS/PaaS、それぞれの可能性と留意点 パッケージシステムの代替または補完として、クラウド技術を活用した生産管理システムが急速に普及しています。これらは主に、サービスとしてソフトウェアを利用する「SaaS型」と、クラウドインフラ上で独自にシステムを構築・運用する「IaaS/PaaS型」に大別でき、それぞれに中小企業にとっての魅力と検討すべき点があります。 SaaS(Software as a Service)型生産管理サービス SaaS型は、インターネット経経由で提供される生産管理システムで、月額または年額の利用料を支払うことで利用できます。エムネットクラウド、スマートF、UM SaaS Cloudといった多様なサービスが存在し、特にIT専門の担当者が少ない中小企業にとって、導入・運用の手軽さが大きなメリットです。 SaaS型の主なメリット 導入の迅速性と低初期コスト: ソフトウェアのインストールやサーバー構築が不要なため、契約後すぐに利用を開始でき、初期投資を大幅に抑えることが可能です。 ITインフラ管理の負担軽減: システムの運用、保守、アップデートは基本的にベンダー側が行うため、企業はITインフラの管理業務から解放されます。 場所を選ばないアクセス: インターネット環境があればどこからでもシステムにアクセスできるため、テレワークや複数拠点での利用に適しています。 最新機能の利用: ベンダーが定期的に機能をアップデートするため、常に最新の技術や機能を利用できる可能性があります。   SaaS型の主なデメリットと留意点 カスタマイズの限界:提供される機能や画面構成は標準化されている場合が多く、自社特有の複雑な業務プロセスや細かい要望に合わせた大幅なカスタマイズは難しいのが一般的です。システムに業務を合わせる必要が生じることもあります。 データセキュリティとベンダー依存:企業の重要な生産データを外部ベンダーのサーバーに保存することになるため、セキュリティポリシーやデータの取り扱いについて十分な確認が必要です。また、ベンダーのサービス継続性や仕様変更に自社の業務が左右されるリスクも考慮すべきです。 機能の過不足: 特定の業種や業務に特化したSaaSは適合性が高い一方、汎用的なSaaSでは機能が不足したり、逆に不要な機能が多かったりする場合があります。 連携の制約: 既存の会計システムや他の社内システムとのデータ連携がスムーズに行えない、あるいは追加コストが発生する場合があります。   IaaS/PaaS(Infrastructure/Platform as a Service)を利用したカスタム開発 AWS(Amazon Web Services)やMicrosoft AzureのようなIaaS/PaaSプラットフォームを利用し、生産管理システムを独自に設計・開発するアプローチです。これは、既存のパッケージやSaaSでは対応できない、極めて特有な要件や競争優位性を生む独自機能をシステム化したい場合に選択肢となります。 IaaS/PaaSカスタム開発の主なメリット 最大限の柔軟性と独自性: 業務プロセスに100%合致した、完全にオーダーメイドのシステムを構築できます。 競争優位性の確立: 他社にはない独自の機能をシステムに組み込むことで、差別化を図り、競争上の強みとすることができます。 スケーラビリティ: クラウドの特性を活かし、事業の成長に合わせてリソースを柔軟に拡張できます。   IaaS/PaaSカスタム開発の主なデメリットと留意点 高額な開発コストと長期間: システム設計から開発、テスト、導入までに多大な費用と時間(数ヶ月~数年単位)が必要です。 高度なIT専門知識の必要性: クラウドアーキテクチャの設計、プログラミング、データベース管理、セキュリティ対策など、広範かつ高度な専門知識を持つ人材が社内外に不可欠です。 運用・保守の負担: 完成したシステムの運用、障害対応、セキュリティアップデート、将来的な改修などは全て自社の責任範囲となり、継続的なリソース投入が求められます。 予算管理の難しさ: クラウドサービスの多くは従量課金制のため、利用状況によって運用コストが変動し、正確な予算策定が難しい場合があります。 クラウドを活用した生産管理は、中小企業にとって多くの可能性を秘めていますが、SaaSの手軽さと機能の標準化、IaaS/PaaSの自由度とそれに伴う負担を正しく理解し、自社の目的、リソース、そして許容できるリスクの範囲内で最適なアプローチを選択することが求められます。多くの中小企業にとっては、SaaSの標準機能で業務の大部分がカバーできるか、あるいはより柔軟なカスタマイズを低リスクで行える他の選択肢を検討することが現実的かもしれません。 4. ZOHOという選択:中小製造業の生産管理システム最適化への道 従来のパッケージシステムの硬直性や高コスト、SaaS型の手軽さと裏腹のカスタマイズ性の限界、そしてIaaS/PaaSでのフルカスタム開発の現実的な困難さ。これらを踏まえたとき、多くの中小製造業の皆様は、自社に本当にフィットする生産管理システムを見つけることの難しさを痛感されているのではないでしょうか。しかし、諦めるのはまだ早いかもしれません。ここに、「第3の道」とも呼べる、柔軟性とコスト効率、そして開発の迅速性を高次元でバランスさせるアプローチが存在します。それが、ZOHOプラットフォーム、特にローコード開発ツール「Zoho CRM、Projects、Books」を活用した生産管理システムの構築です。 ZOHOは、CRM(顧客関係管理)で広く知られていますが、その実態は、販売、マーケティング、会計、人事、そしてもちろん生産管理に関連する業務まで、企業のあらゆる活動を網羅する45以上のアプリケーション群から成る統合ビジネスプラットフォーム「Zoho One」 を提供しています。このエコシステムの中核を成すのが、ローコードプラットフォームであるZoho CRM、Projects、Booksです。ローコード開発とは、専門的なプログラミングの知識が最小限であっても、ドラッグ&ドロップ操作や視覚的なインターフェース、事前に用意された部品(コンポーネント)などを活用して、迅速にカスタムアプリケーションを開発できる手法を指します。 では、なぜZOHO(Zoho CRM、Projects、Books)が中小製造業の生産管理システムにおける「最適解」となり得るのでしょうか。その優位性を、従来の選択肢と比較しながら具体的にご説明します。 パッケージシステムを超える「柔軟性」と「コスト効率」: パッケージシステムは、カスタマイズが高額で期間も要する点が中小企業の負担でした。一方、Zoho CRM、Projects、Booksを用いれば、自社のユニークな業務プロセス、例えば特殊な工程管理、独自の品質基準、多品種少量生産特有の細かな進捗管理などを、まさに「自社仕様」でシステムに反映させることが可能です。しかも、開発期間は従来の数分の一に短縮され、開発コストも大幅に抑制できます。使わない機能に費用を払うこともありません。必要な機能を、必要なタイミングで追加・修正していくアジャイルな開発が実現できるのです。 SaaS型サービスを超える「主体性」と「拡張性」: SaaS型サービスは手軽ですが、機能やデータ管理がベンダーに依存し、自社の業務をシステムに合わせる必要が生じがちでした。ZOHOでシステムを「構築」する場合、業務プロセスの主導権は常に自社にあります。Zoho CRM、Projects、Booksで開発したアプリケーションは、Zoho CRMやZoho Books(会計)、Zoho Projects(プロジェクト管理)といった他のZohoアプリケーションとシームレスに連携可能です。これにより、販売情報から生産計画、実績、原価、そして会計処理まで、企業全体の情報を一元的に繋げ、真の業務最適化とデータドリブン経営の基盤を段階的に構築していくことができます。事業の成長や変化に合わせてシステムを柔軟に拡張していける点も大きな魅力です。 IaaS/PaaSカスタム開発を超える「迅速性」と「アクセシビリティ」: IaaS/PaaSでのフルカスタム開発は理想を追求できますが、莫大な時間と費用、高度なIT専門人材が不可欠でした。Zoho CRM、Projects、Booksのローコードアプローチは、このハードルを劇的に下げます。IT専門の担当者が限られる中小企業でも、現場の業務を熟知した担当者が「市民開発者」として、ある程度のアプリケーション開発や改修に主体的に関与できるようになるのです。もちろん、複雑なシステムや高度な連携には専門家の支援が有効ですが、それでも開発の主導権を自社で持ちやすく、外部ベンダーへの依存度を低減できます。 中小製造業が抱える「自社の業務にぴったり合うシステムが欲しいが、コストも時間もかけられない」という根源的なジレンマに対し、ZOHOとZoho CRM、Projects、Booksは、「必要なものを、必要なだけ、迅速かつ低コストで、自社の手で作り上げる」という、まさに痒い所に手が届くソリューションを提供します。これは、単なるシステム導入ではなく、企業が自律的にDXを推進し、変化に強い経営体質を構築するための強力な武器となり得るのです。 5. ZOHO導入を成功に導くために:戦略と実践のポイント これまで見てきたように、ZOHOプラットフォーム、特にZoho CRM、Projects、Booksを活用した生産管理システムの構築は、多くの中小製造業にとって、従来のパッケージシステムやSaaS、フルカスタム開発の抱える課題を克服し、自社に最適化された柔軟かつコスト効率の高いシステムを実現する有力な選択肢です。固定化された高額なシステムに業務を合わせるのではなく、自社の強みや業務プロセスに合わせてシステムを「仕立てる」。この発想の転換こそが、DX時代の生産管理に求められる姿と言えるでしょう。 しかしながら、ZOHOといえども万能ではなく、その導入を成功に導くためにはいくつかの重要なポイントがあります。まず、ローコード開発は「魔法の杖」ではありません。Zoho CRM、Projects、Booksは非常に強力なツールですが、極めて複雑なロジックや大規模すぎるデータ処理、特殊なセキュリティ要件などが求められる場合、プラットフォームの制約に直面したり、やはり専門的な開発スキルが必要になったりするケースもあります。また、市民開発者が中心となる場合でも、設計の品質やセキュリティ、将来の保守性などを考慮した開発ガバナンスが不可欠です。 導入成功の秘訣として、我々船井総合研究所が特に強調したいのは、以下の三点です。 明確な目的設定とスモールスタート: 何のためにシステムを導入するのか、それによってどのような経営課題を解決したいのかという目的を明確にすることが全ての出発点です。そして、最初から完璧な大規模システムを目指すのではなく、最も課題の大きい業務や、効果の見えやすい範囲から「スモールスタート」し、段階的に機能を拡張・改善していくアプローチが、特にリソースの限られる中小企業には有効です。Zoho CRM、Projects、Booksのアジャイルな開発特性は、このスモールスタートと非常に相性が良いのです。 現場の巻き込みと継続的な改善: 新しいシステムが現場で使われなければ、どんなに優れたシステムも価値を生みません。開発の初期段階から現場の意見を吸い上げ、使いやすさを追求するとともに、導入後もフィードバックを元に継続的にシステムを改善していく姿勢が重要です。Zoho CRM、Projects、Booksであれば、現場からの小さな改善要望にも迅速に対応しやすいという利点があります。 専門家(コンサルタント)の戦略的活用: 「餅は餅屋」という言葉があるように、ツールの選定やシステム設計、プロジェクトマネジメントにおいては、やはり専門的な知見が成功の確度を高めます。特に、自社の業務プロセスを深く理解した上で、それを最適な形でシステムに落とし込み、導入から定着、そして効果創出までを導くには、製造業の業務とITシステムの両面に精通したコンサルタントの伴走が極めて有効です。私たち船井総合研究所のコンサルタントは、まさにこの領域で多くの製造業様のDXをご支援してまいりました。ZOHOという強力なツールを、貴社の競争力強化に真に結びつけるための戦略立案から実行まで、責任を持ってお手伝いさせていただきます。   貴社に最適なDX推進のために: 本コラムをお読みいただき、ZOHOによる生産管理システム構築にご関心をお持ちいただけましたでしょうか。もし、 「自社の具体的な課題に対し、ZOHOがどのように貢献できるか詳細に知りたい」 「他のシステム選択肢との比較を、自社の状況を踏まえてさらに深めたい」 「Zoho CRM、Projects、Booksを用いたシステム構築の具体的な進め方や費用感について、個別に相談したい」 といったご要望や疑問点がございましたら、ぜひ一度、私たち船井総合研究所の専門コンサルタントにご相談ください。 貴社の現状の課題、目指すべき姿、そして利用可能なリソースなどを丁寧にヒアリングさせていただき、ZOHOプラットフォームを活用した最適な生産管理システム構築・改善に向けた具体的なアドバイスや、導入計画のご提案をさせていただきます。 この個別相談が、貴社の生産管理DXを加速させ、より強靭な経営体質を確立するための一助となれば幸いです。まずは、貴社のお悩みやご要望を、どうぞお気軽にお聞かせください。   【このコラムを読んだ後に取るべき行動】 自社の生産管理における現在の課題(非効率な点、コストがかかっている点、情報共有の問題点など)を具体的にリストアップしてみる。 現在利用している、あるいは検討している生産管理システムが、本コラムで比較したどのタイプに該当し、どのようなメリット・デメリットが自社に当てはまるかを再評価する。 ZOHOおよびZoho CRM、Projects、Booksについて、公式ウェブサイトなどでさらに情報を収集し、自社の課題解決に繋がりそうな具体的な機能や活用イメージを深める。 本コラムで提示された「ZOHO導入成功の秘訣」を踏まえ、自社でシステム導入を進める場合の目的、範囲、体制について初期的な検討を行う。 より具体的な情報やアドバイス、自社に合わせたZOHO活用の提案を求める場合は、直接、船井総合研究所のコンサルタントへ個別相談を申し込むことをご検討ください。 お問い合わせはこちら https://formslp.funaisoken.co.jp/form01/lp/post/inquiry-S045.html?siteno=S045 高額なパッケージ依存から脱却!Zoho CRM、Projects、Booksで実現する、本当に使える生産管理システム。変化に強く、低コストで業務最適化へ。 【このコラムをお勧めしたい経営者のイメージ】 既存の生産管理システムに限界を感じ、業務効率と利益率の向上を真剣に目指している中小製造業の経営者様 DXを推進したいが、高額なシステム投資やIT専門人材の不足に悩んでいる経営者様 多品種少量生産や急な仕様変更に柔軟に対応できる、自社に最適な生産管理体制を構築したい経営者様 部門間の情報分断を解消し、データに基づいた迅速な経営判断を実現したい経営者様 将来の事業成長を見据え、拡張性と柔軟性を備えたシステム基盤を求めている経営者様   【このコラムの内容の要約】 本コラムは、中小製造業の経営者様が抱える生産管理システムの課題に対し、最適な解決策を提示するものです。高額で柔軟性に乏しい従来のパッケージシステムや、カスタマイズに制約のあるSaaS型クラウドサービス、そして開発・運用に高度な専門性を要するIaaS/PaaSでのカスタム開発。これらの選択肢が持つ特性と限界を詳細に比較分析します。その上で、ローコードプラットフォーム「Zoho CRM、Projects、Books」を核としたZOHOによる生産管理システム構築が、なぜ中小製造業にとって最良の選択となり得るのかを、柔軟性、拡張性、コスト効率の観点から具体的に解説します。本稿を通じて、貴社のDX推進と持続的成長に貢献するシステム構築のヒントを提供いたします。 【このコラムを読むメリット】 このコラムをお読みいただくことで、中小製造業の経営者様は、自社の生産管理システムが抱える潜在的な課題や、既存システム選定の落とし穴について深く理解できます。パッケージシステム、各種クラウドサービス、そしてローコード開発といった多様な選択肢のメリット・デメリットを客観的に把握し、それぞれの特性が自社の経営戦略や業務実態にどう影響するかを具体的にイメージできるようになります。特に、ZOHOおよびZoho CRM、Projects、Booksが提供する、柔軟かつ低コストで自社仕様のシステムを構築できるという新たな可能性について、具体的な機能や導入のポイントを知ることができます。結果として、システム投資における失敗リスクを低減し、真に企業の競争力強化と利益向上に貢献するDX戦略を描くための一助となるでしょう。 1. はじめに:中小製造業を覆う生産管理システムの「霧」とは 多くの経営者様が日々実感されているように、現代の製造業を取り巻く環境は、かつてない速さで変化しています。顧客ニーズの多様化、グローバル競争の激化、そして「2025年の崖」とも称されるレガシーシステムの限界。このような状況下で、企業の心臓部とも言える生産管理のあり方が、事業の持続的成長を左右する重要な経営課題となっていることは論を俟ちません。しかしながら、いざ生産管理システムの刷新や新規導入を検討しようとすると、選択肢の多さ、専門用語の複雑さ、そして投資対効果の不透明さから、まるで深い霧の中を手探りで進むような感覚に陥ることはないでしょうか。本稿は、そのような「霧」を晴らし、特に中小製造業の皆様が自社にとって真に価値ある一歩を踏み出すための一助となることを目指しています。 「ウチの会社はまだExcelで何とかなっている」「高価なシステムは大手企業のものだ」――。このようなお考えをお持ちの経営者様もいらっしゃるかもしれません。確かに、長年慣れ親しんだ方法や、限られた予算の中での経営判断は重要です。しかし、手作業やExcelベースの管理は、情報の散逸、入力ミス、リアルタイム性の欠如といった問題を引き起こしやすく、これらが知らず知らずのうちに過剰在庫や欠品、生産計画の遅延、そして見えないコスト増といった形で経営を圧迫しているケースが少なくありません。 特に、多くの中小製造業が強みとする多品種少量生産や、顧客の個別要求への柔軟な対応は、旧来の管理手法や硬直的なシステムでは限界に達しつつあります。生産現場では、熟練技術者の経験と勘に頼る部分が大きく、その技術やノウハウの継承も大きな課題です。さらに、原材料費の変動やサプライチェーンの複雑化は、正確な原価把握を一層困難にしています。 これらの課題は、単なる現場レベルの問題ではなく、企業全体の競争力、収益性、そして将来の成長可能性に直結するものです。変化への対応が遅れれば、市場での生き残りが困難になることも覚悟しなければならない時代です。生産管理システムの選定・導入は、もはや「IT投資」という狭い枠組みではなく、企業変革を伴う「経営戦略」そのものであると我々船井総合研究所は考えています。この認識のもと、本コラムでは、中小製造業の皆様が直面するであろう生産管理システムの選択肢を多角的に検証し、最適な解を見出すための道筋を照らしてまいります。 2. パッケージ型生産管理システム:その価値と中小企業の選択基準 生産管理システムの導入を検討する上で、長年にわたり多くの企業で採用されてきたのが「パッケージシステム」です。SAP S/4HANA、Oracle NetSuite、Microsoft Dynamics 365、あるいは国産の電脳工場といった製品群は、製造業の基幹業務を支えるために開発され、豊富な機能と業界のベストプラクティスが凝縮されている点が最大の特長です。これらのシステムを導入することで、企業は確立された業務プロセスを手に入れ、データの一元管理や経営の可視化といった恩恵を享受できます。特に、グローバル展開や複雑なサプライチェーン管理、高度な財務・原価管理を必要とする企業にとっては、その包括的な機能性が大きな力となるでしょう。 パッケージシステムの主なメリット 網羅的な機能: 生産計画、資材所要量計画(MRP)、在庫管理、購買管理、品質管理、原価計算など、製造業に必要な広範な業務領域をカバーしています。 業界標準・ベストプラクティスの導入: 長年の導入実績を通じて蓄積された業界標準の業務プロセスや管理手法が組み込まれており、業務改革の指針となることがあります。 拡張性と信頼性: 大手ベンダーの製品は、企業の成長に合わせた拡張性や、システムの安定稼働に関する信頼性が高い傾向にあります。 豊富な導入支援: 認定パートナーやコンサルタントが多数存在し、導入から運用に至るまで専門的な支援を受けやすい環境があります。 近年では、中小企業向けに導入のハードルを下げたクラウドベースのパッケージモデルも登場しています。例えば、SAPの「GROW with SAP」 やMicrosoft Dynamics 365 Business Centralは、より迅速かつ予測可能な導入を目指し、月額ライセンスでの提供や業種別テンプレートの活用といった工夫がなされています。これにより、従来は高嶺の花であった高機能システムも、中小企業にとって検討の視野に入るようになってきました。 中小企業が考慮すべきデメリットと課題 一方で、これらのパッケージシステムが全ての中小企業にとって最適とは限りません。導入を検討する際には、以下の点を慎重に評価する必要があります。 導入・運用コスト:高機能である反面、ライセンス費用、導入コンサルティング費用、そして自社の業務プロセスに合わせるためのカスタマイズ費用が高額になる傾向があります。中小企業向けのクラウドモデルであっても、初期設定や導入支援には相応のコストが発生します。 システムの複雑性とオーバースペック:多機能であるがゆえにシステム全体が複雑になり、操作習熟に時間を要したり、自社にとっては不要な機能が多く含まれてオーバースペックとなったりする可能性があります。 カスタマイズの制約とコスト:中小企業特有のニッチな業務プロセスや、独自の強みとなっている製造ノウハウをシステムに反映させようとすると、大規模なカスタマイズが必要となることがあります。これは高額な追加費用と開発期間を要するだけでなく、システムのバージョンアップ時の互換性問題や、特定ベンダーへの依存(ベンダーロックイン)のリスクも伴います。 導入期間と社内リソース:要件定義から設計、カスタマイズ、テスト、従業員トレーニングといった導入プロセスには、数ヶ月から1年以上を要することも珍しくありません。この間、社内の主要メンバーがプロジェクトに時間を割かれることになり、日常業務への影響も考慮しなければなりません。 パッケージシステムを選定する際は、単に機能の豊富さだけでなく、自社の事業規模、業務プロセスの複雑度、IT予算、社内体制、そして将来の成長戦略と照らし合わせ、真に必要な機能を見極めることが肝要です。また、初期費用だけでなく、カスタマイズ、保守、人材育成を含めた総所有コスト(TCO)を長期的な視点で評価し、費用対効果を慎重に検討することが、後悔のないシステム導入の鍵となります。 3. クラウド生産管理の潮流:SaaSとIaaS/PaaS、それぞれの可能性と留意点 パッケージシステムの代替または補完として、クラウド技術を活用した生産管理システムが急速に普及しています。これらは主に、サービスとしてソフトウェアを利用する「SaaS型」と、クラウドインフラ上で独自にシステムを構築・運用する「IaaS/PaaS型」に大別でき、それぞれに中小企業にとっての魅力と検討すべき点があります。 SaaS(Software as a Service)型生産管理サービス SaaS型は、インターネット経経由で提供される生産管理システムで、月額または年額の利用料を支払うことで利用できます。エムネットクラウド、スマートF、UM SaaS Cloudといった多様なサービスが存在し、特にIT専門の担当者が少ない中小企業にとって、導入・運用の手軽さが大きなメリットです。 SaaS型の主なメリット 導入の迅速性と低初期コスト: ソフトウェアのインストールやサーバー構築が不要なため、契約後すぐに利用を開始でき、初期投資を大幅に抑えることが可能です。 ITインフラ管理の負担軽減: システムの運用、保守、アップデートは基本的にベンダー側が行うため、企業はITインフラの管理業務から解放されます。 場所を選ばないアクセス: インターネット環境があればどこからでもシステムにアクセスできるため、テレワークや複数拠点での利用に適しています。 最新機能の利用: ベンダーが定期的に機能をアップデートするため、常に最新の技術や機能を利用できる可能性があります。   SaaS型の主なデメリットと留意点 カスタマイズの限界:提供される機能や画面構成は標準化されている場合が多く、自社特有の複雑な業務プロセスや細かい要望に合わせた大幅なカスタマイズは難しいのが一般的です。システムに業務を合わせる必要が生じることもあります。 データセキュリティとベンダー依存:企業の重要な生産データを外部ベンダーのサーバーに保存することになるため、セキュリティポリシーやデータの取り扱いについて十分な確認が必要です。また、ベンダーのサービス継続性や仕様変更に自社の業務が左右されるリスクも考慮すべきです。 機能の過不足: 特定の業種や業務に特化したSaaSは適合性が高い一方、汎用的なSaaSでは機能が不足したり、逆に不要な機能が多かったりする場合があります。 連携の制約: 既存の会計システムや他の社内システムとのデータ連携がスムーズに行えない、あるいは追加コストが発生する場合があります。   IaaS/PaaS(Infrastructure/Platform as a Service)を利用したカスタム開発 AWS(Amazon Web Services)やMicrosoft AzureのようなIaaS/PaaSプラットフォームを利用し、生産管理システムを独自に設計・開発するアプローチです。これは、既存のパッケージやSaaSでは対応できない、極めて特有な要件や競争優位性を生む独自機能をシステム化したい場合に選択肢となります。 IaaS/PaaSカスタム開発の主なメリット 最大限の柔軟性と独自性: 業務プロセスに100%合致した、完全にオーダーメイドのシステムを構築できます。 競争優位性の確立: 他社にはない独自の機能をシステムに組み込むことで、差別化を図り、競争上の強みとすることができます。 スケーラビリティ: クラウドの特性を活かし、事業の成長に合わせてリソースを柔軟に拡張できます。   IaaS/PaaSカスタム開発の主なデメリットと留意点 高額な開発コストと長期間: システム設計から開発、テスト、導入までに多大な費用と時間(数ヶ月~数年単位)が必要です。 高度なIT専門知識の必要性: クラウドアーキテクチャの設計、プログラミング、データベース管理、セキュリティ対策など、広範かつ高度な専門知識を持つ人材が社内外に不可欠です。 運用・保守の負担: 完成したシステムの運用、障害対応、セキュリティアップデート、将来的な改修などは全て自社の責任範囲となり、継続的なリソース投入が求められます。 予算管理の難しさ: クラウドサービスの多くは従量課金制のため、利用状況によって運用コストが変動し、正確な予算策定が難しい場合があります。 クラウドを活用した生産管理は、中小企業にとって多くの可能性を秘めていますが、SaaSの手軽さと機能の標準化、IaaS/PaaSの自由度とそれに伴う負担を正しく理解し、自社の目的、リソース、そして許容できるリスクの範囲内で最適なアプローチを選択することが求められます。多くの中小企業にとっては、SaaSの標準機能で業務の大部分がカバーできるか、あるいはより柔軟なカスタマイズを低リスクで行える他の選択肢を検討することが現実的かもしれません。 4. ZOHOという選択:中小製造業の生産管理システム最適化への道 従来のパッケージシステムの硬直性や高コスト、SaaS型の手軽さと裏腹のカスタマイズ性の限界、そしてIaaS/PaaSでのフルカスタム開発の現実的な困難さ。これらを踏まえたとき、多くの中小製造業の皆様は、自社に本当にフィットする生産管理システムを見つけることの難しさを痛感されているのではないでしょうか。しかし、諦めるのはまだ早いかもしれません。ここに、「第3の道」とも呼べる、柔軟性とコスト効率、そして開発の迅速性を高次元でバランスさせるアプローチが存在します。それが、ZOHOプラットフォーム、特にローコード開発ツール「Zoho CRM、Projects、Books」を活用した生産管理システムの構築です。 ZOHOは、CRM(顧客関係管理)で広く知られていますが、その実態は、販売、マーケティング、会計、人事、そしてもちろん生産管理に関連する業務まで、企業のあらゆる活動を網羅する45以上のアプリケーション群から成る統合ビジネスプラットフォーム「Zoho One」 を提供しています。このエコシステムの中核を成すのが、ローコードプラットフォームであるZoho CRM、Projects、Booksです。ローコード開発とは、専門的なプログラミングの知識が最小限であっても、ドラッグ&ドロップ操作や視覚的なインターフェース、事前に用意された部品(コンポーネント)などを活用して、迅速にカスタムアプリケーションを開発できる手法を指します。 では、なぜZOHO(Zoho CRM、Projects、Books)が中小製造業の生産管理システムにおける「最適解」となり得るのでしょうか。その優位性を、従来の選択肢と比較しながら具体的にご説明します。 パッケージシステムを超える「柔軟性」と「コスト効率」: パッケージシステムは、カスタマイズが高額で期間も要する点が中小企業の負担でした。一方、Zoho CRM、Projects、Booksを用いれば、自社のユニークな業務プロセス、例えば特殊な工程管理、独自の品質基準、多品種少量生産特有の細かな進捗管理などを、まさに「自社仕様」でシステムに反映させることが可能です。しかも、開発期間は従来の数分の一に短縮され、開発コストも大幅に抑制できます。使わない機能に費用を払うこともありません。必要な機能を、必要なタイミングで追加・修正していくアジャイルな開発が実現できるのです。 SaaS型サービスを超える「主体性」と「拡張性」: SaaS型サービスは手軽ですが、機能やデータ管理がベンダーに依存し、自社の業務をシステムに合わせる必要が生じがちでした。ZOHOでシステムを「構築」する場合、業務プロセスの主導権は常に自社にあります。Zoho CRM、Projects、Booksで開発したアプリケーションは、Zoho CRMやZoho Books(会計)、Zoho Projects(プロジェクト管理)といった他のZohoアプリケーションとシームレスに連携可能です。これにより、販売情報から生産計画、実績、原価、そして会計処理まで、企業全体の情報を一元的に繋げ、真の業務最適化とデータドリブン経営の基盤を段階的に構築していくことができます。事業の成長や変化に合わせてシステムを柔軟に拡張していける点も大きな魅力です。 IaaS/PaaSカスタム開発を超える「迅速性」と「アクセシビリティ」: IaaS/PaaSでのフルカスタム開発は理想を追求できますが、莫大な時間と費用、高度なIT専門人材が不可欠でした。Zoho CRM、Projects、Booksのローコードアプローチは、このハードルを劇的に下げます。IT専門の担当者が限られる中小企業でも、現場の業務を熟知した担当者が「市民開発者」として、ある程度のアプリケーション開発や改修に主体的に関与できるようになるのです。もちろん、複雑なシステムや高度な連携には専門家の支援が有効ですが、それでも開発の主導権を自社で持ちやすく、外部ベンダーへの依存度を低減できます。 中小製造業が抱える「自社の業務にぴったり合うシステムが欲しいが、コストも時間もかけられない」という根源的なジレンマに対し、ZOHOとZoho CRM、Projects、Booksは、「必要なものを、必要なだけ、迅速かつ低コストで、自社の手で作り上げる」という、まさに痒い所に手が届くソリューションを提供します。これは、単なるシステム導入ではなく、企業が自律的にDXを推進し、変化に強い経営体質を構築するための強力な武器となり得るのです。 5. ZOHO導入を成功に導くために:戦略と実践のポイント これまで見てきたように、ZOHOプラットフォーム、特にZoho CRM、Projects、Booksを活用した生産管理システムの構築は、多くの中小製造業にとって、従来のパッケージシステムやSaaS、フルカスタム開発の抱える課題を克服し、自社に最適化された柔軟かつコスト効率の高いシステムを実現する有力な選択肢です。固定化された高額なシステムに業務を合わせるのではなく、自社の強みや業務プロセスに合わせてシステムを「仕立てる」。この発想の転換こそが、DX時代の生産管理に求められる姿と言えるでしょう。 しかしながら、ZOHOといえども万能ではなく、その導入を成功に導くためにはいくつかの重要なポイントがあります。まず、ローコード開発は「魔法の杖」ではありません。Zoho CRM、Projects、Booksは非常に強力なツールですが、極めて複雑なロジックや大規模すぎるデータ処理、特殊なセキュリティ要件などが求められる場合、プラットフォームの制約に直面したり、やはり専門的な開発スキルが必要になったりするケースもあります。また、市民開発者が中心となる場合でも、設計の品質やセキュリティ、将来の保守性などを考慮した開発ガバナンスが不可欠です。 導入成功の秘訣として、我々船井総合研究所が特に強調したいのは、以下の三点です。 明確な目的設定とスモールスタート: 何のためにシステムを導入するのか、それによってどのような経営課題を解決したいのかという目的を明確にすることが全ての出発点です。そして、最初から完璧な大規模システムを目指すのではなく、最も課題の大きい業務や、効果の見えやすい範囲から「スモールスタート」し、段階的に機能を拡張・改善していくアプローチが、特にリソースの限られる中小企業には有効です。Zoho CRM、Projects、Booksのアジャイルな開発特性は、このスモールスタートと非常に相性が良いのです。 現場の巻き込みと継続的な改善: 新しいシステムが現場で使われなければ、どんなに優れたシステムも価値を生みません。開発の初期段階から現場の意見を吸い上げ、使いやすさを追求するとともに、導入後もフィードバックを元に継続的にシステムを改善していく姿勢が重要です。Zoho CRM、Projects、Booksであれば、現場からの小さな改善要望にも迅速に対応しやすいという利点があります。 専門家(コンサルタント)の戦略的活用: 「餅は餅屋」という言葉があるように、ツールの選定やシステム設計、プロジェクトマネジメントにおいては、やはり専門的な知見が成功の確度を高めます。特に、自社の業務プロセスを深く理解した上で、それを最適な形でシステムに落とし込み、導入から定着、そして効果創出までを導くには、製造業の業務とITシステムの両面に精通したコンサルタントの伴走が極めて有効です。私たち船井総合研究所のコンサルタントは、まさにこの領域で多くの製造業様のDXをご支援してまいりました。ZOHOという強力なツールを、貴社の競争力強化に真に結びつけるための戦略立案から実行まで、責任を持ってお手伝いさせていただきます。   貴社に最適なDX推進のために: 本コラムをお読みいただき、ZOHOによる生産管理システム構築にご関心をお持ちいただけましたでしょうか。もし、 「自社の具体的な課題に対し、ZOHOがどのように貢献できるか詳細に知りたい」 「他のシステム選択肢との比較を、自社の状況を踏まえてさらに深めたい」 「Zoho CRM、Projects、Booksを用いたシステム構築の具体的な進め方や費用感について、個別に相談したい」 といったご要望や疑問点がございましたら、ぜひ一度、私たち船井総合研究所の専門コンサルタントにご相談ください。 貴社の現状の課題、目指すべき姿、そして利用可能なリソースなどを丁寧にヒアリングさせていただき、ZOHOプラットフォームを活用した最適な生産管理システム構築・改善に向けた具体的なアドバイスや、導入計画のご提案をさせていただきます。 この個別相談が、貴社の生産管理DXを加速させ、より強靭な経営体質を確立するための一助となれば幸いです。まずは、貴社のお悩みやご要望を、どうぞお気軽にお聞かせください。   【このコラムを読んだ後に取るべき行動】 自社の生産管理における現在の課題(非効率な点、コストがかかっている点、情報共有の問題点など)を具体的にリストアップしてみる。 現在利用している、あるいは検討している生産管理システムが、本コラムで比較したどのタイプに該当し、どのようなメリット・デメリットが自社に当てはまるかを再評価する。 ZOHOおよびZoho CRM、Projects、Booksについて、公式ウェブサイトなどでさらに情報を収集し、自社の課題解決に繋がりそうな具体的な機能や活用イメージを深める。 本コラムで提示された「ZOHO導入成功の秘訣」を踏まえ、自社でシステム導入を進める場合の目的、範囲、体制について初期的な検討を行う。 より具体的な情報やアドバイス、自社に合わせたZOHO活用の提案を求める場合は、直接、船井総合研究所のコンサルタントへ個別相談を申し込むことをご検討ください。 お問い合わせはこちら https://formslp.funaisoken.co.jp/form01/lp/post/inquiry-S045.html?siteno=S045

自社に最適な一台を導入する。失敗しない協働ロボットメーカーの選び方

2025.06.09

人手不足は協働ロボットで解決。中小企業こそ知るべき、メーカー選定の5つの重要ポイントを徹底解説します。 【このコラムをお勧めしたい経営者のイメージ】 慢性的な人手不足の解消と、生産性の向上を両立させたい経営者様 初めてロボットを導入するにあたり、何から検討すべきか分からない経営者様 多品種少量生産や変種変量生産に対応できる、柔軟な生産ラインを構築したい経営者様 従来の産業用ロボットの導入を、コストや設置スペースの面で断念した経験のある経営者様 従業員の身体的負担を軽減し、より安全で付加価値の高い職場環境を実現したい経営者様   【このコラムの内容の要約】 本コラムは、協働ロボットの導入を検討されている経営者様に向けて、自社に最適なメーカーを選定するための具体的な方法を解説します。まず、協働ロボット市場の現状と、従来の産業用ロボットとの本質的な違いを明らかにします。その上で、選定において最も重要となる「基本性能」「操作性」「安全性」「拡張性」「サポート体制」という5つの比較検討ポイントを詳説。さらに、Universal Robots、ファナック、安川電機といった主要メーカー8社の特徴と強みを比較し、どのような企業にどのメーカーが適しているのかを具体的に示します。本稿が、貴社の自動化推進の一助となれば幸いです。 【このコラムを読むメリット】 このコラムをお読みいただくことで、協働ロボット導入に関する漠然としたお悩みを、具体的な選定アクションへと転換できます。まず、協働ロボットがなぜ今、中小企業にとって有効な解決策となり得るのか、その市場背景と可能性を理解できます。次に、数多く存在するメーカーの中から、何を基準に比較検討すればよいのか、5つの明確な判断基準が手に入ります。さらに、主要メーカーそれぞれの強みと弱みを把握することで、自社の課題や目的に合致したメーカーを客観的に絞り込むことが可能になります。これにより、導入後の「こんなはずではなかった」という失敗を未然に防ぎ、投資対効果を最大化する、戦略的なメーカー選定が実現できるでしょう。 1. はじめに:なぜ今、協働ロボットが注目されるのか 昨今、製造業や物流業をはじめとする多くの現場で、協働ロボット(コボット)への注目が急速に高まっています。その背景には、避けては通れない深刻な「人手不足」と、絶え間ない「生産性向上」への要求という、日本企業が直面する大きな課題があります。 協働ロボット市場は、2024年から2033年にかけて年平均成長率35.8%という驚異的なスピードで成長し、2033年末には126億米ドル規模に達すると予測されています。この成長を牽引しているのは、これまで自動化の導入が困難とされてきた中小企業(SME)です。従来の産業用ロボットは、高い導入コストや専門的な知識、安全柵の設置に必要な広大なスペースが障壁となり、導入できる企業が限られていました。しかし、協働ロボットは比較的低コストかつ省スペースで導入でき、プログラミングも容易であるため、まさに「自動化の民主化」とも言える動きを加速させているのです。 特に、市場の約7割を占めるアジア地域の中でも、日本市場は2033年には地域別シェアで最大になると予測されており、その需要の高さがうかがえます。使いやすさの追求、AI機能の搭載、可搬重量の多様化といった技術トレンドも市場の成長を後押ししており、協働ロボットはもはや一部の大企業だけのものではありません。本稿では、この大きな変化の波に乗り、自社の競争力を高めるための「協働ロボットメーカーの選び方」について、専門家の視点から解説していきます。 2. 協働ロボットとは?~従来の産業用ロボットとの決定的違い~ 協働ロボットを正しく選定するためには、まずその本質を理解し、従来の産業用ロボットとの違いを明確に認識することが不可欠です。 協働ロボットとは、その名の通り「人間と共同で作業を行う」ことを前提に設計されたロボットです。最大の特徴は、原則として安全柵を設置することなく、人間と同じ作業スペースで稼働できる点にあります。これは、アームに接触を検知すると安全に停止する衝突検知機能や、挟み込みを防止する力制限機能といった、高度な安全機能によって実現されています。 一方、従来の産業用ロボットは、高速・高精度・高可搬を追求して設計されており、その能力を最大限に発揮させるため、安全柵で隔離された環境での運用が基本です。 この設計思想の違いから、協働ロボットには主に4つの利点が生まれます。 柔軟性と省スペース性: 安全柵が不要なため、設置スペースを大幅に削減でき、既存の生産ラインにも容易に組み込めます。レイアウト変更や他工程への移動も比較的簡単です。 プログラミングの容易さ: 専門知識がなくとも、ロボットアームを直接手で動かして動作を教える「ダイレクトティーチング」や、タブレット等で直感的に操作できるビジュアルプログラミングに対応した機種が多数存在します。 高い安全性: 国際安全規格(ISO 10218-1, ISO/TS 15066など)に準拠したモデルが多く、人間との協調作業における安全性が担保されています。 優れた投資対効果 (ROI): 産業用ロボットと比較して、本体価格やシステムインテグレーション費用を抑えられる傾向にあり、中小企業にとっても導入のハードルが低いと言えます。 単純な繰り返し作業や重量物の搬送は協働ロボットに任せ、人間はより付加価値の高い判断業務や段取り替えに集中する。このような「人とロボットの協業」こそが、生産性を飛躍させる鍵となるのです。 3. 【最重要】メーカー選定を成功させる5つの比較検討ポイント 協働ロボットの性能は日々進化しており、国内外のメーカーから多様な製品が市場に投入されています。その中から自社に最適な一台を選び抜くためには、以下の5つのポイントを総合的に比較検討することが極めて重要です。 基本性能(可搬重量・リーチ)は作業内容と合致しているか まず確認すべきは、ロボットが「何を」「どこまで」運べるかという基本性能です。可搬重量(ペイロード)は、ロボットが持ち上げられる最大の重さを示します。実際に扱うワークだけでなく、先端に取り付けるハンド(エンドエフェクタ)の重量も考慮する必要があります。リーチは、ロボットの根元からアームが最も伸びる先端までの距離です。作業範囲を十分にカバーできるか、周辺の設備と干渉しないかを確認します。各メーカーは、数kgの軽可搬から30kgを超える高可搬モデルまで、多様なラインナップを用意しているため、自社の作業内容を明確化し、最適なスペックを見極めることが第一歩です。 操作性とプログラミングの容易さは十分か 特に専任のロボット技術者がいない現場では、操作性の良し悪しが導入後の活用度を大きく左右します。アームを手で直接動かして直感的に動作を教えられる「ダイレクトティーチング」機能の有無や、タブレットのアイコンを並べるだけでプログラムが組める「ビジュアルプログラミング」の使いやすさは必ず確認しましょう。Universal Robots社の「PolyScope」や、FANUC社のCRXシリーズが採用するタブレットTP、Techman Robot社の「TMflow」など、メーカー各社が工夫を凝らしたインターフェースを提供しています。 安全性は国際規格に準拠しているか 人と隣り合って作業する協働ロボットにとって、安全性は最も重要な要素です。衝突を検知して安全に停止する機能はもちろんのこと、その性能が国際安全規格である「ISO 10218-1」や「ISO/TS 15066」に準拠しているかを確認することが不可欠です。第三者認証機関(TÜVなど)から認証を取得しているモデルは、客観的に高い安全性が証明されていると言えます。 得意な用途と拡張性(エコシステム)は自社の未来に合うか 協働ロボットには、精密な組立が得意なモデル、高速な搬送が得意なモデルなど、それぞれに得意分野があります。メーカーがどのような用途や業界での導入実績を多く持つかを確認し、自社の課題と照らし合わせましょう。また、将来的な用途拡大を見据え、拡張性も重視すべきです。特に、ロボットの先端に取り付けるハンドやカメラ、センサーなどの周辺機器が容易に接続・設定できる「エコシステム」が充実しているかは重要なポイントです。Universal Robots社の「UR+」や安川電機社の「YASKAWA PLUG & PLAY KIT」などは、認証された多くの周辺機器を提供しており、システム構築の手間と時間を大幅に削減できます。 価格と導入後のサポート体制は信頼できるか 本体価格だけでなく、周辺機器やシステム構築費用(インテグレーション費用)を含めた総額で費用を評価することが大切です。また、導入後にトラブルが発生した際、迅速に対応してくれるサポート体制が国内に整備されているかは、安定稼働の生命線です。国内に拠点を持つメーカーや、実績豊富な認定代理店・システムインテグレータ(SIer)のネットワークが充実しているメーカーを選ぶと安心です。 4. 主要協働ロボットメーカー8社の特徴と強みを徹底比較 ここでは、国内外の主要な協働ロボットメーカー8社について、その特徴と強みを解説します。どのメーカーが自社のニーズに合致しそうか、見当をつけるためにお役立てください。 Universal Robots (デンマーク) 協働ロボットのパイオニアであり、世界シェアNo.1を誇ります。直感的なプログラミングとセットアップの容易さが特徴で、中小企業にも広く導入されています。400種類以上の周辺機器が揃う「UR+」エコシステムも大きな強みです。初めてのロボット導入で、使いやすさと汎用性を重視する企業に適しています。 FANUC (日本) 産業用ロボットで世界トップクラスの実績を持つFAの巨人です。その技術力を背景とした高い信頼性と耐久性が魅力。「8年間メンテナンスフリー」を謳う使いやすい「CRXシリーズ」と、高可搬重量に対応する「CRシリーズ」の2本柱で、幅広いニーズに応えます。既存設備との連携や堅牢性を求めるなら第一候補となるでしょう。 安川電機 (日本) 同じく産業用ロボット「MOTOMAN」で世界的に知られるメーカーです。豊富な導入実績に裏打ちされた信頼性と、幅広いアプリケーションへの対応力が強み。周辺機器との接続を容易にする「PLUG & PLAY KIT」により、システム構築の工数を削減できます。 ABB (スイス) 産業用ロボット世界シェアNo.1の実績を持つグローバル企業です。双腕型の「YuMi」、汎用性の高い「GoFa」、高速作業向けの「SWIFTI」など、用途に応じた多彩なファミリーを展開。専門知識がなくても使えるプログラミングソフト「Wizard easy programming」も特徴です。 KUKA (ドイツ) 産業用ロボット「4強」の一角。各軸に搭載された高感度センサーによる、繊細な力制御と高い安全性が強みです。7軸で人間の腕に近い動きが可能な「LBR iiwa」と、使いやすさとコストを両立した「LBR iisy」シリーズがあります。精密な組立作業などに適しています。 Techman Robot (台湾) 「内蔵AIビジョンシステム」を標準搭載している点が最大の特徴です。追加のカメラや複雑な設定なしで、位置決めや外観検査が可能です。高いコストパフォーマンスと、フローチャートベースの簡単なプログラミング「TMflow」も魅力です。検査工程の自動化などを検討する企業に最適です。 JAKA Robotics (中国) 「高いコストパフォーマンス」を武器に急速に成長しているメーカーです。タブレットやスマートフォンアプリによるワイヤレスでの操作が可能で、軽量・コンパクトな設計も特徴。とにかく初期導入コストを抑えたい、シンプルな作業から自動化を始めたい企業にとって有力な選択肢です。 DOBOT (中国) 教育用から産業用まで非常に幅広い製品群を持つメーカーです。JAKAと同様に高いコストパフォーマンスを特徴とし、2023年の出荷台数で世界2位とされています。迅速な導入(20分での設置)を謳っており、手軽さと価格を重視する場合に検討すべきメーカーです。 FAIRINO(中国) 本体価格60万円台からという画期的な低価格を実現した協働ロボットです 。従来の協働ロボットと比較して安価なため、これまでコスト面で導入を断念していた中小企業でも自動化の検討が可能です 。低価格ながら、安全柵なしで運用できる高い安全性や、専門知識が不要な直感的な操作性も備えており、導入から保守まで一貫したサポートも受けられます 。 5. 仕様書だけでは見えない、導入成功のための最終チェックリスト カタログスペックの比較だけでメーカーを決定するのは危険です。導入を成功させるためには、仕様書だけでは見えない、より実践的な視点での最終チェックが欠かせません。 システムインテグレータ(SIer)の実績と相性はどうか 協働ロボットの導入は、ロボット本体を購入して終わりではありません。ハンドや架台の選定、周辺機器との連携、安全対策の構築など、システム全体を設計・構築する「システムインテグレーション」が成功の鍵を握ります。自社で全てを完結させるのが難しい場合は、信頼できるSIerとの連携が必須です。検討しているメーカーのロボットの取り扱い実績が豊富で、自社の業界や課題に精通したSIerを見つけられるか、という視点は非常に重要です。メーカーの公式サイトで紹介されている認定SIerなどを参考に、複数の候補と面談することをお勧めします。 実機による操作性の検証(デモ)は可能か プログラミングの「容易さ」は、個人のスキルや感覚によっても評価が分かれます。カタログ上の謳い文句を鵜呑みにせず、必ず実機に触れて操作性を検証しましょう。メーカーのショールームや展示会、あるいはSIerに依頼して、デモンストレーションを行ってもらうべきです。実際に自社の作業者を交えて操作を試し、「これなら自分たちでも使えそうだ」という手応えを得られるかを確認してください。 リスクアセスメントへの対応と考え方は 協働ロボットは安全柵なしで運用可能ですが、それは「無条件で安全」という意味ではありません。導入する企業には、ロボットと人が接触した場合のリスクを評価し、適切な安全対策を講じる「リスクアセスメント」の実施が義務付けられています。メーカーやSIerが、このリスクアセスメントの考え方を正しく理解し、導入企業を適切にサポートしてくれるか、その姿勢や知見を見極めることも重要です。安全に関する質問に対して、明確かつ具体的な回答をくれるメーカー・SIerを選びましょう。 導入後のサポートとメンテナンス体制は万全か ロボットも機械である以上、故障やトラブルの可能性はゼロではありません。万が一の際に、電話やオンラインでのサポート、あるいは現地での修理対応を、どれだけ迅速に行ってくれるかは、生産ラインを止めないために極めて重要です。国内のサービス拠点の有無、部品の供給体制、メンテナンス契約の内容などを事前に詳しく確認し、長期的に安心して運用できる体制が整っているメーカーを選定してください。 これらの最終チェックリストを活用し、多角的な視点から検討を重ねることで、自社にとって真に価値あるパートナーとなる協働ロボットメーカーを選び抜くことができるでしょう。 このコラムを読んだ後に取るべき行動:成功への最短ルートとは 本コラムを通じて、協働ロボット選定のポイントをご理解いただけたかと存じます。しかし、知識を得た後にどのようなステップを踏むかが、導入の成否を大きく左右します。ここでは、よくある失敗例と、成功への最短ルートを解説します。 ありがちな失敗①:メーカーへの直接問い合わせ 協働ロボットの導入を考えた際、多くの方がまずロボットメーカーのウェブサイトを訪れ、直接問い合わせをしようとします。しかし、これは避けるべき第一のステップです。なぜなら、多くのメーカーは直販を行っておらず、信頼できる販売代理店を通じて購入するのが一般的だからです。 さらに重要なのは、メーカーはあくまでロボット本体の専門家であり、貴社の生産ライン全体を考慮したシステム(ハンド、架台、安全対策など)の要件を定義し、システム全体を設計する立場にはない、という点です。メーカーに相談しても、「では、どのようなシステムにしますか?」と聞き返されてしまい、話が進まないケースが少なくありません。 ありがちな失敗②:準備なしでのSIerへの相談 では、システムを構築してくれるシステムインテグレータ(SIer)にすぐ相談すれば良いのでしょうか。これも、準備なしでは得策とは言えません。SIerに的確な提案をしてもらうためには、まず自社で**「ロボットに何をやらせたいのか」「どのような効果を期待するのか」を具体的に整理した『要求仕様書』や『提案依頼書』を作成することが不可欠**です。 実は、この『要求仕様』をいかに的確に作成できるかが、ロボット導入の成否を分ける最も重要なポイントと言っても過言ではありません。ここが曖昧なまま進んでしまうと、完成したシステムが「思っていたものと違う」という最悪の結果を招きかねません。 成功への最短ルート:まずは『専門家』に相談する では、どうすれば良いのでしょうか。私たちが推奨する最初のステップは、メーカーやSIerに個別に接触する前に、まずはロボット活用や自動化に関する第三者の『専門家』に相談することです。 実際にロボット導入を成功させている多くの中小企業様は、こうした外部の専門家というリソースをうまく活用しています。専門家は、特定のメーカーや製品に縛られることなく、貴社の状況を客観的に分析し、課題の整理や、的確な『要求仕様』の作成を支援してくれます。これにより、その後のSIer選定やメーカー選定を、有利かつスムーズに進めることができるのです。 私たち船井総合研究所では、まさにその『専門家』に直接相談し、具体的な成功事例や最新のロボット情報に触れることができる機会をご用意しております。 ■無料相談 専門コンサルタントによる無料相談 無料オンライン相談とは、弊社の専門コンサルタントがオンラインで貴社のロボット活用について無料でご相談を お受けすることです。 無料オンライン相談は専門コンサルタントが担当させていただきますので、どのようなテーマでもご相談いただけます。 通常、コンサルティングには費用がかかりますが、無料オンライン相談ではその前に無料で体験していただくことができますので、 ぜひご活用いただければ幸いでございます。 詳細はこちら:https://formslp.funaisoken.co.jp/form01/lp/post/inquiry-S045.html?siteno=S045&_gl=1*ealeia*_gcl_au*MTQxOTg2OTc5LjE3NDg0MDQ4OTA.*_ga*MTQwMzYyNzIxNC4xNzAxMTQ4MzQz*_ga_D8HCS71KCM*czE3NDk0MzQ5NDEkbzQwOSRnMSR0MTc0OTQzNjUxNiRqNTkkbDAkaDA. ■実機体験 実機体験型講座 2025年オススメの60万円~購入できるロボットとは 低価格協働ロボット活用事例のご紹介 最新のロボット実機を実際に体験!ロボットの動作、操作性、安全性を体感! 実際に手に取って操作することで導入への不安や疑問を徹底的に解消! 自社への導入イメージをその場で構想!自動化構想ワークショップ! 詳細はこちら:https://www.funaisoken.co.jp/seminar/129957 人手不足は協働ロボットで解決。中小企業こそ知るべき、メーカー選定の5つの重要ポイントを徹底解説します。 【このコラムをお勧めしたい経営者のイメージ】 慢性的な人手不足の解消と、生産性の向上を両立させたい経営者様 初めてロボットを導入するにあたり、何から検討すべきか分からない経営者様 多品種少量生産や変種変量生産に対応できる、柔軟な生産ラインを構築したい経営者様 従来の産業用ロボットの導入を、コストや設置スペースの面で断念した経験のある経営者様 従業員の身体的負担を軽減し、より安全で付加価値の高い職場環境を実現したい経営者様   【このコラムの内容の要約】 本コラムは、協働ロボットの導入を検討されている経営者様に向けて、自社に最適なメーカーを選定するための具体的な方法を解説します。まず、協働ロボット市場の現状と、従来の産業用ロボットとの本質的な違いを明らかにします。その上で、選定において最も重要となる「基本性能」「操作性」「安全性」「拡張性」「サポート体制」という5つの比較検討ポイントを詳説。さらに、Universal Robots、ファナック、安川電機といった主要メーカー8社の特徴と強みを比較し、どのような企業にどのメーカーが適しているのかを具体的に示します。本稿が、貴社の自動化推進の一助となれば幸いです。 【このコラムを読むメリット】 このコラムをお読みいただくことで、協働ロボット導入に関する漠然としたお悩みを、具体的な選定アクションへと転換できます。まず、協働ロボットがなぜ今、中小企業にとって有効な解決策となり得るのか、その市場背景と可能性を理解できます。次に、数多く存在するメーカーの中から、何を基準に比較検討すればよいのか、5つの明確な判断基準が手に入ります。さらに、主要メーカーそれぞれの強みと弱みを把握することで、自社の課題や目的に合致したメーカーを客観的に絞り込むことが可能になります。これにより、導入後の「こんなはずではなかった」という失敗を未然に防ぎ、投資対効果を最大化する、戦略的なメーカー選定が実現できるでしょう。 1. はじめに:なぜ今、協働ロボットが注目されるのか 昨今、製造業や物流業をはじめとする多くの現場で、協働ロボット(コボット)への注目が急速に高まっています。その背景には、避けては通れない深刻な「人手不足」と、絶え間ない「生産性向上」への要求という、日本企業が直面する大きな課題があります。 協働ロボット市場は、2024年から2033年にかけて年平均成長率35.8%という驚異的なスピードで成長し、2033年末には126億米ドル規模に達すると予測されています。この成長を牽引しているのは、これまで自動化の導入が困難とされてきた中小企業(SME)です。従来の産業用ロボットは、高い導入コストや専門的な知識、安全柵の設置に必要な広大なスペースが障壁となり、導入できる企業が限られていました。しかし、協働ロボットは比較的低コストかつ省スペースで導入でき、プログラミングも容易であるため、まさに「自動化の民主化」とも言える動きを加速させているのです。 特に、市場の約7割を占めるアジア地域の中でも、日本市場は2033年には地域別シェアで最大になると予測されており、その需要の高さがうかがえます。使いやすさの追求、AI機能の搭載、可搬重量の多様化といった技術トレンドも市場の成長を後押ししており、協働ロボットはもはや一部の大企業だけのものではありません。本稿では、この大きな変化の波に乗り、自社の競争力を高めるための「協働ロボットメーカーの選び方」について、専門家の視点から解説していきます。 2. 協働ロボットとは?~従来の産業用ロボットとの決定的違い~ 協働ロボットを正しく選定するためには、まずその本質を理解し、従来の産業用ロボットとの違いを明確に認識することが不可欠です。 協働ロボットとは、その名の通り「人間と共同で作業を行う」ことを前提に設計されたロボットです。最大の特徴は、原則として安全柵を設置することなく、人間と同じ作業スペースで稼働できる点にあります。これは、アームに接触を検知すると安全に停止する衝突検知機能や、挟み込みを防止する力制限機能といった、高度な安全機能によって実現されています。 一方、従来の産業用ロボットは、高速・高精度・高可搬を追求して設計されており、その能力を最大限に発揮させるため、安全柵で隔離された環境での運用が基本です。 この設計思想の違いから、協働ロボットには主に4つの利点が生まれます。 柔軟性と省スペース性: 安全柵が不要なため、設置スペースを大幅に削減でき、既存の生産ラインにも容易に組み込めます。レイアウト変更や他工程への移動も比較的簡単です。 プログラミングの容易さ: 専門知識がなくとも、ロボットアームを直接手で動かして動作を教える「ダイレクトティーチング」や、タブレット等で直感的に操作できるビジュアルプログラミングに対応した機種が多数存在します。 高い安全性: 国際安全規格(ISO 10218-1, ISO/TS 15066など)に準拠したモデルが多く、人間との協調作業における安全性が担保されています。 優れた投資対効果 (ROI): 産業用ロボットと比較して、本体価格やシステムインテグレーション費用を抑えられる傾向にあり、中小企業にとっても導入のハードルが低いと言えます。 単純な繰り返し作業や重量物の搬送は協働ロボットに任せ、人間はより付加価値の高い判断業務や段取り替えに集中する。このような「人とロボットの協業」こそが、生産性を飛躍させる鍵となるのです。 3. 【最重要】メーカー選定を成功させる5つの比較検討ポイント 協働ロボットの性能は日々進化しており、国内外のメーカーから多様な製品が市場に投入されています。その中から自社に最適な一台を選び抜くためには、以下の5つのポイントを総合的に比較検討することが極めて重要です。 基本性能(可搬重量・リーチ)は作業内容と合致しているか まず確認すべきは、ロボットが「何を」「どこまで」運べるかという基本性能です。可搬重量(ペイロード)は、ロボットが持ち上げられる最大の重さを示します。実際に扱うワークだけでなく、先端に取り付けるハンド(エンドエフェクタ)の重量も考慮する必要があります。リーチは、ロボットの根元からアームが最も伸びる先端までの距離です。作業範囲を十分にカバーできるか、周辺の設備と干渉しないかを確認します。各メーカーは、数kgの軽可搬から30kgを超える高可搬モデルまで、多様なラインナップを用意しているため、自社の作業内容を明確化し、最適なスペックを見極めることが第一歩です。 操作性とプログラミングの容易さは十分か 特に専任のロボット技術者がいない現場では、操作性の良し悪しが導入後の活用度を大きく左右します。アームを手で直接動かして直感的に動作を教えられる「ダイレクトティーチング」機能の有無や、タブレットのアイコンを並べるだけでプログラムが組める「ビジュアルプログラミング」の使いやすさは必ず確認しましょう。Universal Robots社の「PolyScope」や、FANUC社のCRXシリーズが採用するタブレットTP、Techman Robot社の「TMflow」など、メーカー各社が工夫を凝らしたインターフェースを提供しています。 安全性は国際規格に準拠しているか 人と隣り合って作業する協働ロボットにとって、安全性は最も重要な要素です。衝突を検知して安全に停止する機能はもちろんのこと、その性能が国際安全規格である「ISO 10218-1」や「ISO/TS 15066」に準拠しているかを確認することが不可欠です。第三者認証機関(TÜVなど)から認証を取得しているモデルは、客観的に高い安全性が証明されていると言えます。 得意な用途と拡張性(エコシステム)は自社の未来に合うか 協働ロボットには、精密な組立が得意なモデル、高速な搬送が得意なモデルなど、それぞれに得意分野があります。メーカーがどのような用途や業界での導入実績を多く持つかを確認し、自社の課題と照らし合わせましょう。また、将来的な用途拡大を見据え、拡張性も重視すべきです。特に、ロボットの先端に取り付けるハンドやカメラ、センサーなどの周辺機器が容易に接続・設定できる「エコシステム」が充実しているかは重要なポイントです。Universal Robots社の「UR+」や安川電機社の「YASKAWA PLUG & PLAY KIT」などは、認証された多くの周辺機器を提供しており、システム構築の手間と時間を大幅に削減できます。 価格と導入後のサポート体制は信頼できるか 本体価格だけでなく、周辺機器やシステム構築費用(インテグレーション費用)を含めた総額で費用を評価することが大切です。また、導入後にトラブルが発生した際、迅速に対応してくれるサポート体制が国内に整備されているかは、安定稼働の生命線です。国内に拠点を持つメーカーや、実績豊富な認定代理店・システムインテグレータ(SIer)のネットワークが充実しているメーカーを選ぶと安心です。 4. 主要協働ロボットメーカー8社の特徴と強みを徹底比較 ここでは、国内外の主要な協働ロボットメーカー8社について、その特徴と強みを解説します。どのメーカーが自社のニーズに合致しそうか、見当をつけるためにお役立てください。 Universal Robots (デンマーク) 協働ロボットのパイオニアであり、世界シェアNo.1を誇ります。直感的なプログラミングとセットアップの容易さが特徴で、中小企業にも広く導入されています。400種類以上の周辺機器が揃う「UR+」エコシステムも大きな強みです。初めてのロボット導入で、使いやすさと汎用性を重視する企業に適しています。 FANUC (日本) 産業用ロボットで世界トップクラスの実績を持つFAの巨人です。その技術力を背景とした高い信頼性と耐久性が魅力。「8年間メンテナンスフリー」を謳う使いやすい「CRXシリーズ」と、高可搬重量に対応する「CRシリーズ」の2本柱で、幅広いニーズに応えます。既存設備との連携や堅牢性を求めるなら第一候補となるでしょう。 安川電機 (日本) 同じく産業用ロボット「MOTOMAN」で世界的に知られるメーカーです。豊富な導入実績に裏打ちされた信頼性と、幅広いアプリケーションへの対応力が強み。周辺機器との接続を容易にする「PLUG & PLAY KIT」により、システム構築の工数を削減できます。 ABB (スイス) 産業用ロボット世界シェアNo.1の実績を持つグローバル企業です。双腕型の「YuMi」、汎用性の高い「GoFa」、高速作業向けの「SWIFTI」など、用途に応じた多彩なファミリーを展開。専門知識がなくても使えるプログラミングソフト「Wizard easy programming」も特徴です。 KUKA (ドイツ) 産業用ロボット「4強」の一角。各軸に搭載された高感度センサーによる、繊細な力制御と高い安全性が強みです。7軸で人間の腕に近い動きが可能な「LBR iiwa」と、使いやすさとコストを両立した「LBR iisy」シリーズがあります。精密な組立作業などに適しています。 Techman Robot (台湾) 「内蔵AIビジョンシステム」を標準搭載している点が最大の特徴です。追加のカメラや複雑な設定なしで、位置決めや外観検査が可能です。高いコストパフォーマンスと、フローチャートベースの簡単なプログラミング「TMflow」も魅力です。検査工程の自動化などを検討する企業に最適です。 JAKA Robotics (中国) 「高いコストパフォーマンス」を武器に急速に成長しているメーカーです。タブレットやスマートフォンアプリによるワイヤレスでの操作が可能で、軽量・コンパクトな設計も特徴。とにかく初期導入コストを抑えたい、シンプルな作業から自動化を始めたい企業にとって有力な選択肢です。 DOBOT (中国) 教育用から産業用まで非常に幅広い製品群を持つメーカーです。JAKAと同様に高いコストパフォーマンスを特徴とし、2023年の出荷台数で世界2位とされています。迅速な導入(20分での設置)を謳っており、手軽さと価格を重視する場合に検討すべきメーカーです。 FAIRINO(中国) 本体価格60万円台からという画期的な低価格を実現した協働ロボットです 。従来の協働ロボットと比較して安価なため、これまでコスト面で導入を断念していた中小企業でも自動化の検討が可能です 。低価格ながら、安全柵なしで運用できる高い安全性や、専門知識が不要な直感的な操作性も備えており、導入から保守まで一貫したサポートも受けられます 。 5. 仕様書だけでは見えない、導入成功のための最終チェックリスト カタログスペックの比較だけでメーカーを決定するのは危険です。導入を成功させるためには、仕様書だけでは見えない、より実践的な視点での最終チェックが欠かせません。 システムインテグレータ(SIer)の実績と相性はどうか 協働ロボットの導入は、ロボット本体を購入して終わりではありません。ハンドや架台の選定、周辺機器との連携、安全対策の構築など、システム全体を設計・構築する「システムインテグレーション」が成功の鍵を握ります。自社で全てを完結させるのが難しい場合は、信頼できるSIerとの連携が必須です。検討しているメーカーのロボットの取り扱い実績が豊富で、自社の業界や課題に精通したSIerを見つけられるか、という視点は非常に重要です。メーカーの公式サイトで紹介されている認定SIerなどを参考に、複数の候補と面談することをお勧めします。 実機による操作性の検証(デモ)は可能か プログラミングの「容易さ」は、個人のスキルや感覚によっても評価が分かれます。カタログ上の謳い文句を鵜呑みにせず、必ず実機に触れて操作性を検証しましょう。メーカーのショールームや展示会、あるいはSIerに依頼して、デモンストレーションを行ってもらうべきです。実際に自社の作業者を交えて操作を試し、「これなら自分たちでも使えそうだ」という手応えを得られるかを確認してください。 リスクアセスメントへの対応と考え方は 協働ロボットは安全柵なしで運用可能ですが、それは「無条件で安全」という意味ではありません。導入する企業には、ロボットと人が接触した場合のリスクを評価し、適切な安全対策を講じる「リスクアセスメント」の実施が義務付けられています。メーカーやSIerが、このリスクアセスメントの考え方を正しく理解し、導入企業を適切にサポートしてくれるか、その姿勢や知見を見極めることも重要です。安全に関する質問に対して、明確かつ具体的な回答をくれるメーカー・SIerを選びましょう。 導入後のサポートとメンテナンス体制は万全か ロボットも機械である以上、故障やトラブルの可能性はゼロではありません。万が一の際に、電話やオンラインでのサポート、あるいは現地での修理対応を、どれだけ迅速に行ってくれるかは、生産ラインを止めないために極めて重要です。国内のサービス拠点の有無、部品の供給体制、メンテナンス契約の内容などを事前に詳しく確認し、長期的に安心して運用できる体制が整っているメーカーを選定してください。 これらの最終チェックリストを活用し、多角的な視点から検討を重ねることで、自社にとって真に価値あるパートナーとなる協働ロボットメーカーを選び抜くことができるでしょう。 このコラムを読んだ後に取るべき行動:成功への最短ルートとは 本コラムを通じて、協働ロボット選定のポイントをご理解いただけたかと存じます。しかし、知識を得た後にどのようなステップを踏むかが、導入の成否を大きく左右します。ここでは、よくある失敗例と、成功への最短ルートを解説します。 ありがちな失敗①:メーカーへの直接問い合わせ 協働ロボットの導入を考えた際、多くの方がまずロボットメーカーのウェブサイトを訪れ、直接問い合わせをしようとします。しかし、これは避けるべき第一のステップです。なぜなら、多くのメーカーは直販を行っておらず、信頼できる販売代理店を通じて購入するのが一般的だからです。 さらに重要なのは、メーカーはあくまでロボット本体の専門家であり、貴社の生産ライン全体を考慮したシステム(ハンド、架台、安全対策など)の要件を定義し、システム全体を設計する立場にはない、という点です。メーカーに相談しても、「では、どのようなシステムにしますか?」と聞き返されてしまい、話が進まないケースが少なくありません。 ありがちな失敗②:準備なしでのSIerへの相談 では、システムを構築してくれるシステムインテグレータ(SIer)にすぐ相談すれば良いのでしょうか。これも、準備なしでは得策とは言えません。SIerに的確な提案をしてもらうためには、まず自社で**「ロボットに何をやらせたいのか」「どのような効果を期待するのか」を具体的に整理した『要求仕様書』や『提案依頼書』を作成することが不可欠**です。 実は、この『要求仕様』をいかに的確に作成できるかが、ロボット導入の成否を分ける最も重要なポイントと言っても過言ではありません。ここが曖昧なまま進んでしまうと、完成したシステムが「思っていたものと違う」という最悪の結果を招きかねません。 成功への最短ルート:まずは『専門家』に相談する では、どうすれば良いのでしょうか。私たちが推奨する最初のステップは、メーカーやSIerに個別に接触する前に、まずはロボット活用や自動化に関する第三者の『専門家』に相談することです。 実際にロボット導入を成功させている多くの中小企業様は、こうした外部の専門家というリソースをうまく活用しています。専門家は、特定のメーカーや製品に縛られることなく、貴社の状況を客観的に分析し、課題の整理や、的確な『要求仕様』の作成を支援してくれます。これにより、その後のSIer選定やメーカー選定を、有利かつスムーズに進めることができるのです。 私たち船井総合研究所では、まさにその『専門家』に直接相談し、具体的な成功事例や最新のロボット情報に触れることができる機会をご用意しております。 ■無料相談 専門コンサルタントによる無料相談 無料オンライン相談とは、弊社の専門コンサルタントがオンラインで貴社のロボット活用について無料でご相談を お受けすることです。 無料オンライン相談は専門コンサルタントが担当させていただきますので、どのようなテーマでもご相談いただけます。 通常、コンサルティングには費用がかかりますが、無料オンライン相談ではその前に無料で体験していただくことができますので、 ぜひご活用いただければ幸いでございます。 詳細はこちら:https://formslp.funaisoken.co.jp/form01/lp/post/inquiry-S045.html?siteno=S045&_gl=1*ealeia*_gcl_au*MTQxOTg2OTc5LjE3NDg0MDQ4OTA.*_ga*MTQwMzYyNzIxNC4xNzAxMTQ4MzQz*_ga_D8HCS71KCM*czE3NDk0MzQ5NDEkbzQwOSRnMSR0MTc0OTQzNjUxNiRqNTkkbDAkaDA. ■実機体験 実機体験型講座 2025年オススメの60万円~購入できるロボットとは 低価格協働ロボット活用事例のご紹介 最新のロボット実機を実際に体験!ロボットの動作、操作性、安全性を体感! 実際に手に取って操作することで導入への不安や疑問を徹底的に解消! 自社への導入イメージをその場で構想!自動化構想ワークショップ! 詳細はこちら:https://www.funaisoken.co.jp/seminar/129957
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