記事公開日:2022.09.07
最終更新日:2023.01.20

工場の収益・原価改善に直結!“工数データ把握”の重要性とは?

いつも当コラムをご愛読いただきありがとうございます。

今回は、「工場の収益・原価改善に直結!“工数データ把握“の重要性とは?」
というテーマについてお伝えさせていただきます。

1.中堅・中小製造業様に概ね共通する課題

日々全国各地の中堅・中小製造業の企業様を訪問する中で、
各企業様の生産現場に概ね共通する課題が見えてきました。

それは、「生産現場の“工数実績データ”が正確に把握できていない」という課題です。

事実、とある生産現場の一例をお伝えすると、

  • そもそも工数実績データを蓄積・管理していない
  • 蓄積した工数実績データの精度・信憑性が低い(データの正確性に欠ける)
  • 工数実績データを取得しているが、取得したデータはその後特に活用されていない

等の課題が見えてきました。

多くの製造業の企業様では作業日報の活用等を通じて、生産現場の“工数実績データ”の把握に努めているかと存じますが、
その根本的な目的や活用方針等を十分に整理・実践できている企業様は意外と少数派のようです。

2.なぜ、“工数データの正確な把握”が重要なのか?

製造業の企業様にとって、“工数実績データの正確な把握”が必要かつ重要である理由は大きく2点あります。

【理由①:原価を正確に把握するため】
製造業の企業様にとって、“工数実績データの正確な把握”が必要かつ重要である理由の1つ目は、「工数実績データが正確に把握できないと、原価が正確に把握できないため」ということです。

多くの製造業の企業様において、まずは生産対象となる各製品に紐づく各工程の「工数」×「工賃」の合計を把握することで加工原価の算出を進めるかと思いますが、その算出元となる「工数」の精度・信憑性に欠けると、加工原価の正確な算出が困難となります。

加工原価の正確な算出が困難ということは、すなわち自社工場の製品別原価・利益を正確に把握できない状態を意味します。

敢えて別な表現をするならば、自社で生産している各製品について、「どの製品が儲かっているのか?(儲かっていないのか?)」を厳密には把握することができない状態にあるということが言えます。

自社工場の製品別原価・利益の現状を正確に把握できないとなると、その後の原価改善・利益確保に向けて改善対象となる要因を正確に突き止めることができません。

改善対象となる要因が正確に掴めないため、その後の現場改善が十分に進まず、結果として各製品の儲け具合を改善することが難しくなります。

逆を言えば、
生産現場の工数実績データを正確に把握することで、

  • 既存設備のスペックに問題があるのか?
  • 工程の存在自体に問題があるのか?
  • 現場担当者の段取りのやり方に問題があるのか?

等のように、
その後の原価改善・利益確保に直結する“ボトルネック”を
正確に把握することが可能となります。

製造業の企業様にとって、
“工数実績データの正確な把握”が
必要かつ重要である理由の2つ目は、「標準時間(リードタイム)を正確に把握するため」ということです。

【理由②:標準時間(リードタイム)を正確に把握するため】
多くの製造業の企業様では各製品の「標準時間」を設定しているかと存じます。

「標準時間」とは、その製品(もしくは部品)を生産するために必要な時間のことを言いますが、その「標準時間」をもとに見積もりが作られ、その製品(もしくは部品)の売価が決定されます。

また、「標準時間」は工場の生産計画にも活用されます。

「標準時間」の設定を見誤ると、自社製品(もしくは部品)の売価の設定や生産計画の立案精度に支障をきたすことになり、結果として会社の収益にも影響を与えることになります。

したがって、「標準時間」の設定に際しては、

  • そもそも製品(もしくは部品)別の標準時間がわからない
  • 標準時間を最後に設定したのは数年前で、ここ数年間は特に見直し・更新を行っていない
  • 設定する標準時間が短すぎる(⇒標準時間より多くの工数がかかってしまい、納期遅れや赤字の原因に・・・)
  • 設定する標準時間が長すぎる(⇒本来よりも高い価格提示・長い納期提示となってしまい、失注の原因に・・・)

等の状態を避ける必要があります。

3.おわりに

以上、「工場の収益・原価改善に直結!“工数データ把握“の重要性とは?」というテーマについてお伝えさせていただきました。

本コラムの内容についてご興味のある方は、是非以下のURLからお気軽にお問い合わせください。

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