記事公開日:2025.04.28
最終更新日:2025.04.28

「現場が使える基幹生産システム」 導入成功要因を徹底解説!

1.事例企業様の概要

中でも、画像認識や映像認識のAIは成長が目覚ましく、エッジAIを活用することでデータを即時処理することができ、ハイスピードな作業もリアルタイムで検知が可能になっていました。
これらは製造業においても稼働監視や品質管理・予知保全に大きな効率化メリットがあると考えられます。

ただし、エッジAIは端末上でデータを処理するため、従来のクラウドを利用したAIよりもデータの処理能力は劣ります。
この部分は今後の進化に期待したいところです。

2.現場任せの調達/属人化/原価が見えづらい/過酷な実棚作業

 これまでF社様では、原価軽減の為の一括仕入れを実施したが、「リアルタイムでの原価実態が不明確」、「現場任せの調達により在庫が膨らむ」、「過酷な環境(冷凍庫内)での実棚作業」といった課題があり、基幹システム導入を決断されます。
そして、基幹システム導入を行う上で、最も重要である、目的/コンセプトを下記のように掲げ、基幹システム導入を進めます。

■目的
「属人化の排除と生産性向上を推進し、持続可能な事業とする」
⇒ 受発注業務、原価・在庫管理、商品トレースなどシステムで一元管理
⇒ 在庫管理、棚卸しの時間短縮等による間接コスト削減と生産性改善
⇒ 事務経理処理においての二重三重の業務を排除

■コンセプト

  • パッケージシステムに業務を合わせる。【1つのツールに統一する】
  • 経営者を交えたプロジェクトメンバーを中心に全社で推進する。【経営者が俯瞰的にプロジェクトをみることで業務の棚卸を実施できる】
  • 新業務開始にあたり時流に則ったルールを明確にしてこれを遵守する。【事務職の在り方・リモートの導入】
  •  上記コンセプトを社長に宣言していただくことによって、「標準システム以外使用しない(パッケージに業務を合わせる)」、「追加開発をしない」、「運用を変更しないということはしない」、「同じものを2度入力しない」という、プロジェクトルールの徹底化がなされました。
    つまり、『パッケージに合わせて、カスタマイズをせず、運用・ルールを柔軟に変える』、ということです。
     また、今回はMicrosoft社の『Dynamics 365 Business Central』というパッケージ基幹システムを選択し、導入を進めていきました。

    Microsoft社の『Dynamics 365 Business Central』により、原価の可視化、脱属人化、効率化を達成

     前述のような課題が顕在化していた中で、F社様では Microsoft 社の『Dynamics 365 BusinessCentral』というパッケージ基幹システムを導入し、「データの一元管理」「業務データの可視化」「実棚卸回数の削減」を実現されました。

    1)Dynamics導入後の効果
    ①日々の生産実績計上は職人による手書きメモレベルにて管理されていた
    ⇒Dynamicsにより、データが一元化され、生産現場と管理部リモート作業での連携を実現。
    作業時間=40時間→20時間へ(月)

    ②生産実績のロット管理(商品トレース)が行えていなかった
    ⇒Dynamics標準のロット管理機能により、出荷製品からの商品トレースを実現した。更に新チャネルへの販売戦略にも挑戦できるようになった。

    ③歩留り集計、棚卸作業については、エクセル、紙による手作業で行っていた
    ⇒Dynamicsにより、歩留り集計作業が自動化され、実棚卸作業も回数を減らす。
    歩留り集計=半年に1回→毎月実施(リアルタイム)
    実棚卸回数=毎月実施→2か月1回に変更
    ※今後、理論在庫の精度向上により更に減らすことも視野に

    ④会計ソフトへの入力作業完了まで時間がかかっていた
    ⇒Dynamicsにより会計データの集計出力を行い、会計ソフトへ取り込むことで、作業効率化を実現した。
    作業時間=40時間→20時間(月)へ50%削減

    2)現在進行中の取り組み
    【Dynamicsへ蓄積されるデータを分析活用】
    ・集計作業時間を削減⇒考える時間に置き換える【調達方法の改善】
    ・データを取る(エクセル汎用性)⇒有効在庫を基に販売促進への企画
    ・根拠ある値決めの実行

    【システム汎用性が高い特性を活かし、他事業部への導入を進める】
    ・現在、他事業部への導入が進行中
    ⇒今後の売上増に耐えるための管理体制を築く
    ・将来的な販売戦略拡大に繋げる

    【各種入力作業の標準化】
    ・リモート作業者へ入力作業を集約する
    ⇒既存人員での売上最大化へ
     
    3)成果に繋がったポイント
     前述のように今回の基幹システム導入において、成果に繋がった最大のポイントは、『業務をパッケージに合わせて、カスタマイズをせず、運用・ルールを柔軟に変える』を徹底されたことです。
     システムを導入するにあたって非常に大事なポイントであり、目的/目標にもあった、属人化・効率化を達成するためにも、とても重要なことです。ただし、これは宣言をすればそのように進むということではなく、常に導入のポイントポイントでキーマン(本プロジェクトでは社長)の指示が的確になされていたことを意味します。これにより現場メンバーが判断に迷うことなく、正しい導入に進むことができました。

    4)さいごに
     基幹システムの導入において、なぜ成功しないのか?というお声をよく耳にします。それは、システムをプロダクトとして導入するだけで業務整理を実施しない、カスタマイズを実施してしまっていて属人化したシステムになってしまっている、入力ルールがバラバラなので活用できるデータになってない、などが挙げられると思います。
     このような状態になってしまっていると「使えていないシステム」が日々の業務に寄り添ってしまいます。データを正しく一元管理させ、業務にシステムを合わせるのではなく、システムに業務を合わせるスタンスがいかに大事であるか、「現場が使えるシステム」こそ、本当に導入を果たしたシステムであるということを本事例にて、お伝えさせていただきました。

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