記事公開日:2025.10.15
最終更新日:2025.10.15

「ウチの経営陣はITに疎くて…」と諦める前に。失敗しないシステム導入計画の進め方

あなたのその悩み、担当者の8割が経験しています。

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「全社的なDXを推進せよ」
経営陣からの号令で、あなたが会社のシステム導入担当者に任命された。
しかし、いざ計画を進めようとすると、こんな壁にぶつかっていませんか?

  • IT用語で説明しても、経営会議では「で、儲かるの?」の一言で終わってしまう。
  • 現場にヒアリングすれば「今のままで困ってない」「忙しい」と非協
  • 力的。

  • 結局、あなた一人で業者を探し、機能比較表を作るも、社内の誰からも「自分ごと」として捉えられていない…。

もし一つでも当てはまるなら、ご安心ください。それはあなたの能力の問題ではありません。
多くの企業が陥る、システム導入計画の「進め方」の典型的な失敗パターンです。

1.その計画、「システム導入」が目的になっていませんか?

経営や現場を巻き込めない根本原因は、実はコミュニケーションの問題以前にあります。それは、多くの導入計画が、知らず知らずのうちに「システムを導入すること」そのものをゴールに設定してしまっている、という構造的な欠陥です。
本来、システムは企業の目的を達成するための「手段」のはず。しかし、プロジェクトが始動した途端、担当者は「どの製品が良いか」「機能は足りるか」「予算内に収まるか」といった「手段の最適化」に思考を奪われてしまいます。
その結果、推進担当者であるあなたは、本来あるべき「事業を変革するチェンジマネージャー」ではなく、単なる「IT製品の評価担当者」になってしまうのです。
「評価担当者」が語る機能の優位性やコストの妥当性は、経営層にとっては「コストセンター(IT部門)の言い分」、現場にとっては「よく分からないツールの押し付け」としか映りません。これでは、計画が「他人事」にされてしまうのも当然の結果と言えるでしょう。
問題の根源は、表面的なコミュニケーションの齟齬ではありません。プロジェクトの目的設定の誤りと、推進者に求められる役割認識の欠如―――これこそが、あなたの計画を停滞させる、より高次の課題なのです。

成功する計画は、2つのロードマップ作成アプローチから生まれる

では、どうすれば良いのか?
答えは、システムの機能比較や業者選定の前に、自社の状況に合わせて「計画の描き方」そのものを戦略的に選択することです。成功する導入計画は、主に以下の2つのアプローチ、またはその組み合わせから生まれます。

パターンA:経営計画連動型ロードマップ(トップダウン・アプローチ)
これは、「会社の未来」を起点に、そこから逆算して「今、導入すべきシステムは何か」を考えるアプローチです。

  • 進め方:
    まずは、社長や経営幹部が策定した中期経営計画や事業戦略(例:「5年後に海外売上比率を50%にする」「新製品の市場投入サイクルを半分にする」など)を深く理解することから始めます。その上で、「この未来を実現するためには、どのような業務プロセスや情報基盤が必要か?」を定義し、システム導入計画に落とし込んでいきます。
  • 担当者の役割:
    このアプローチでのあなたの重要な役割は、壮大な経営ビジョンを「現場の言葉に翻訳」することです。経営層の言葉をそのまま現場に伝えても、「自分たちには関係ない遠い未来の話」と捉えられがちです。未来のビジョンが、現場一人ひとりの業務とどう繋がり、どんなメリットがあるのかを具体的に示す「通訳者」となることが求められます。
    パターンB:課題解決型ロードマップ(ボトムアップ・アプローチ)
    これは、「現場の今の痛み」を起点に、それを解消するための打ち手を積み上げて計画を立てるアプローチです。
  • 進め方:
    各部署のキーマンと共に、「在庫確認に半日かかっている」「Excelへの二重入力でミスが頻発している」といった、現場で起きている具体的な課題や無駄を徹底的に洗い出します。そして、それらの課題を解決するために「最も効果的なシステムは何か?」をボトムアップで考え、導入計画を構築していきます。
  • 担当者の役割:
    このアプローチでのあなたの重要な役割は、現場から出てきた個別の課題を「経営の言葉に翻訳」することです。現場の細かな課題は、そのまま経営層に伝えても「それは現場で工夫すれば?」と一蹴されかねません。個別の課題が、会社全体でどれほどの損失(コスト、時間、機会損失)に繋がっているのかを定量的に示し、経営課題として認識させることが求められます。
    重要なのは、この両アプローチの「橋渡し」です。 多くの企業では、トップダウンの理想とボトムアップの現実が断絶し、計画が頓挫します。推進担当者であるあなたが、この両者を繋ぐ「翻訳者」となり、全社的な合意を形成することが、成功への唯一の道筋なのです。

3.その計画を「成功の確信」に変える

ここまで、システム導入計画における2つのアプローチと、推進担当者に求められる「翻訳者」としての役割をご紹介しました。
しかし、特に多くの部門が複雑に絡み合う製造業においては、これらを実践する上で特有の難しさが伴います。

  • 「未来の経営計画と、現場の複雑な生産管理要件を、どうやって矛盾なく一つの計画にまとめ上げるのか?」
  • 「Fit To Standard手法やマイクロリリースといった専門的なアプローチは、トップダウンとボトムアップ、どちらの計画と相性が良いのか?」
  • 「そもそも、この2つのアプローチを繋ぐための、具体的なプロジェクト体制や会議体をどう設計すればいいのか?」

こうした専門的かつ実践的な問いへの答えが、プロジェクトの成否を分けます。
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