記事公開日:2025.11.10
最終更新日:2025.11.10

あなたの会社の「見える化」、ただの“自己満足”で終わっていませんか?本当に見るべき指標とは

「工場の“見える化”に取り組んでいます」

そう言って、事務所に設置された大型モニターを誇らしげに見せてくれる経営者様がいらっしゃいます。

モニターには、工場のレイアウト図が映し出され、各機械の稼働状況が「緑(稼働)」や「赤(停止)」でカラフルに表示されている。確かに、見た目は非常に先進的です。

しかし、私はあえてこう質問します。

「社長、そのモニターを見て、次に何をすべきか、具体的なアクションが分かりますか?」

多くの場合、答えは詰まってしまいます。

「いや、動いているか止まっているかが分かるだけで、なぜ止まっているかまでは…」

「なんとなく、稼働率が上がったような気はするのだが…」

これこそが、DXの初期段階で陥りがちな「見える化の罠」です。

データを集めてグラフにし、「見える」状態にしただけで満足してしまう。そのデータが、一体何を示しており、それを見て、現場や経営者がどう「行動(Action)」を変えるべきなのか、そこまでがセットで設計されていない。これでは、高価なデジタルサイネージ(電子看板)を設置したのと、何ら変わりません。

「見える化」の先にある、本当の目的

データ活用、すなわち「見える化」の目的は、グラフを眺めて悦に入ることではありません。

その目的は、「これまで見えなかった問題点や、改善のヒントを発見し、具体的なアクションに繋げ、最終的に会社の利益を増やすこと」であるはずです。

「機械が止まっている(赤)」という情報だけでは、何のアクションも生まれません。

しかし、そのデータが、

「A機械は、毎朝10時台に、必ず15分間停止している」

「停止理由は、『材料待ち』が8割を占めている」

ここまで“見える化”されていれば、話は別です。

「なぜ、毎朝10時に材料がなくなるんだ?」「前工程の生産計画か、あるいは材料の運搬方法に問題があるんじゃないか?」と、具体的な改善のアクションに直結します。

あなたが見るべきは「稼働率」ではなく、「儲け」である

多くの工場が「稼働率」を重要な指標として追いかけています。しかし、第16回のコラムでも述べた通り、「高稼働率=高収益」とは限りません。赤字の製品をフル稼働で作っていれば、動かすだけ損害が拡大します。

私たちが本当に「見える化」すべき指標は、もっと経営の根幹に近いものです。

例えば、「製品ごと、工程ごとの“実際原価”」です。

愛知県の従業員100名の自動車部品加工会社は、生産管理システムとIoTを活用し、この「リアルタイム原価管理」を実現しました。

これにより、彼らは「今、作っているこの製品は、儲かっているのか、損しているのか」を、即座に把握できるようになったのです。

  • 「この案件、今のペースだと労務費がかかりすぎて赤字になるぞ!」
  •  

  • 「B製品より、A製品の方が、時間あたりの利益率が圧倒的に高いな」
    こうした、経営判断に直結する「生きた情報」が、リアルタイムで見えるようになった。これこそが、本当に価値のある「見える化」です。

「高額なシステム導入は避けたいが、データ分析・業務改善をしたい」

そうお考えの経営者様は、まさに、この「何を見える化すべきか」という本質的な問いと向き合う必要があります。

「紙管理脱却のための中小製造業データドリブン経営入門セミナー」の第三講座では、船井総合研究所の熊谷 俊作 氏が、「稼働率向上や原価低減といった『新たな指標』獲得に向けたステップ」を解説します。

これは、単なる「見える化」のテクニックではありません。損益計算書と現場のデータをどう結びつけ、会社の利益構造を変革していくかという、「経営戦略」そのものの話です。

あなたの会社のモニターに映し出すべきは、単なる機械のON/OFF情報ではありません。会社の「利益」を生み出すための、具体的な「次の一手」を示してくれる、本物のデータであるべきです。

脱!紙・Excel日報・紙図面!中小製造業が「高収益工場」に変わるデータ活用術
紙管理脱却のための中小製造業データドリブン経営入門セミナー

工場の「見える化」、ただの自己満足で終わらせないために。本当に経営に役立つデータとは何か、稼働率の先にある「儲け」の指標とは何かを徹底解説します。

⚫ どのような方におすすめか?

  • 高額なシステム導入は避けたいが、データ分析・業務改善をしたいと感じている方
  • 日報データを集計しているが、どう分析・改善に繋げればよいか分からない方
  • 従業員100名以下の製造業の方
  • 勘や経験に頼る経営から脱却し、データに基づいた判断をしたい方

 
⚫ 本セミナーで学べるポイント

  • 今ある「日報データ」で何が見えるのかがわかります!
  • 稼働率向上や原価低減といった**「新たな指標」獲得に向けたステップ**がわかります。
  • DX化のために何から始めたらよいか、ロードマップがわかります!

 
開催日時(オンライン)

  • 2025/11/28 (金) 13:00~15:00
  • 2025/12/02 (火) 13:00~15:00
  • 025/12/03 (水) 13:00~15:00

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