記事公開日:2021.03.26
最終更新日:2023.01.20
専門コンサルタント厳選!機械加工工程ロボット導入成功事例3選
今回は、忙しくてロボット導入事例を調べる時間が取れない経営者の方のために、ロボット導入実証事業(経済産業省)の補助金制度を活用した中小企業のロボット導入事例を厳選して解説します。
※ロボット導入実証事業事例紹介ハンドブックはこちらから
http://robo-navi.com/webroot/document/2018RobotHandBook.pdf
目次
1.超精密金属加工工程にロボットストッカーセルを導入!
概要
- 工作機械への材料投入・取出しと治具セット作業にロボットを導入。
- ロボット・工作機械・ロボットストッカーの組み合わせで自動化を実現。
自動車部品の超精密金属加工工程において、切削加工の高速化を目指すには搬送をロボットにより自動化することは必須である。しかし、①工作機械内部での位置決めが非常にシビアである、②自動投入での加工による大量不良の可能性がある、③要求されるコストが厳しい等の課題が多くあった。
これらの課題をクリアするため、ハンドの動かし方の工夫、工作機械内での全数寸法検査、小スペース・低コストのロボットストッカーを開発し、自動化を実現した。
導入効果としては、人手作業で発生する機械停止時間を削減し、稼働率・生産数をアップすることができた。休日でも無人稼動を行うことが出来るストッカーの導入により、約3.2倍の労働生産性の向上を実現した。さらに、限られた工場内スペースを有効活用し、生産個数/単位面積の向上も図ることが可能となった。
〇労働生産性 | 3.2倍 |
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人数 | 0.7人 → 0.4人 |
労働時間 | 11時間 → 8時間 |
生産量 | 206個 → 285個 |
〇その他の効果 | 流出不良が減った |
〇事業規模 | 13.6百万円 |
2.歯車の加工前の洗浄と加工後の油切り・洗浄をロボット化!
概要
- 歯車加工における、歯切から焼入前のシェービング工程にロボットを導入。
- 人手に頼っていた洗浄作業のロボット化を実現。
歯車の品質を担保するのに欠かせないシェービング(歯面の表面仕上げのひとつ)前の洗浄を、これまでは人手に頼っていたが、人手による作業時間を短縮し、併せて打痕といったヒューマンエラーの防止、作業環境の改善を図る目的で導入。
同作業の代替に加え、シェービング後の油切り・洗浄もロボットによって実現。
これにより、洗浄作業を2人から1人へ省人化。作業時間も半分となった。さらに、直近の不良品発生率はゼロであり、作業者の健康衛生上の問題も発生していない。
ロボット導入に伴い、改めて作業工程の見直しを行うことができ、更なる効率化、作業環境の改善に取り組むきっかけとなった。
〇労働生産性 | 1.3倍 |
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人数 | 2人 → 1.5人 |
労働時間 | 2時間 → 1時間 |
生産量 | 個 → 個 |
〇その他の効果 | 衛生環境の向上 |
〇事業規模 | 5.6百万円 |
3.NC工作機械(マシニングセンタ)の製品着脱工程にロボット導入!
概要
- NC工作機械(マシニングセンタ)の切削加工における、製品の着脱工程に協働ロボットを導入。
- 人手に頼っていた多品種少ロット品の着脱作業のロボット化を実現。
NC工作機械(マシニングセンタ)はプログラム自動運転だが、多品種生産においては段取替え作業とともに着脱作業も人手で行うことが一般的であり、その稼働率は低い。当社は従来3交代勤務で24時間生産しても、マシニングセンタの稼働率は55%であった。そこで、多品種対応することを制約条件にしたロボット導入を決定し、生産性向上を図ることとした。
マシニングセンタ7台に対して5台の多関節ロボットを配置し、着脱工程のハンドリングを自動化した。多品種生産ではラインにいつでも人が接近できる自由度が重要であるため、リスクアセスメントを行った上で安全柵設置しない協働ロボットを採用した。
結果、マシニングセンタの稼働率は55%から77%に高まり、6人で24時間管理していたラインは3人に省人化された。「多品種」とは何品種で、「少ロット」とは年間何個なのかを明らかにして層別し、ロボット化対象を重点化したことが、成功ポイントであった。
〇労働生産性 | 2.8倍 |
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人数 | 6人 → 3人 |
労働時間 | 24時間 → 24時間 |
生産量 | 100個 → 140個 |
〇その他の効果 | 流出不良が減った |
〇事業規模 | 56.4百万円 |
4.多品種少量機械加工向けロボット導入の具体的手法とは?
多品種少量生産におけるロボット活用は製品分析、現状作業分析、ロボット運用の適切な構想等様々な分析と検討が必要となってきます。
具体的な手法は「導入解説レポート」をご覧ください!!
レポートには多品種少量機械加工向けロボット導入の進め方、具体的導入事例、導入成功事例を掲載しております!
5.おわりに
今回は多品種少量生産ロボット導入成功事例(機械加工編)をお送りしました。
機械加工に特化したスマートロボットシステムの詳細は以下の解説レポートをチェック!!
スマートロボットシステムはロボットや自動化の知識が無くとも、導入後すぐに多品種少量生産に対応したロボットシステムを構築することが可能です。
例えば、午前中は旋盤1号機でA品種をロボットで加工し午後は旋盤2号機でB品種とC品種をロボットで加工、夜勤では旋盤3号機でD品種をロボットで加工、といったように設置場所や加工設備に囚われることなくロボットを活用することが可能となります。
既存の量産ライン対応型のロボットシステムでは成し得なかった「多品種少量生」が可能です。
日々の生産工程の見直し、人員配置の見直しによっては、ユーザーのアイディア次第で劇的な生産性向上が見込めるでしょう。
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