中堅・中小製造業の画像検査装置導入のコツ
~製造業におけるAI画像処理検査の活用事例と成功要因~
2023.07.11
本コラムでは、中堅・中小製造業の企業様にご活用頂きたい製造業におけるAI画像処理検査の活用事例と成功要因について、分かりやすく説明をさせて頂きます。
1.製造業におけるAI画像処理検査の活用事例
品質管理: AI画像処理検査は製品の外観や仕上がりに対して高速かつ正確な検査を行うことができます。例えば、製品の表面の傷や欠陥、色の一貫性などを検出することができます。
組立検査: 製品の組み立て工程において、AI画像処理検査は部品の位置、方向、正確さなどを検査することができます。これにより、組み立ての正確性と一貫性を確保することができます。
パッケージング検査: 製品の包装やラベルの正確性、完全性、位置などを検査するためにAI画像処理を活用することができます。
欠陥検出: 製品や部品の表面における欠陥や異常なパターンを検出するために、AI画像処理検査を使用することができます。例えば、溶接部や金型表面のクラック、ひずみ、欠けなどを検出することができます。
これらは一部の事例であり、AI画像処理検査は製造業において品質向上や効率化に大きな貢献をすることができます。具体的な用途は業界や製品によって異なります。
今までの目視検査に近く、昔ながらのAIが入っていない画像検査装置(ルールベース)には難しかった判定要素や感覚に近い要素をAI画像処理検査は学習する事によって、実際の検査に活かしていきます。
難しく考える必要は全くありません。御社で今まで培ってきた技術的要素、経験要素、長年の熟練技術こそ、AIに学ばせて活用する事です。我々はお客様に最善の活用方法をご提案いたします。
上記の4つの列挙項目から分かる様にAI画像処理検査は主に4つの活用事例がある事が分かります。本コラムでは4つ活用事例からAI画像処理検査の成功要因を説明させて頂きます。
2.実際の活用事例
2.1 品質管理:AI画像処理検査は製品の外観や仕上がりに対して高速かつ正確な検査を行うことができます。例えば、製品の表面の傷や欠陥、色の一貫性などを検出することができます。
(活用事例)
2.1.1 成形品不良品の再検査:大手K社画像検査装置ではNGと判定されてしまう、不良品をK社画像検査装置で撮影した画像をAI画像処理で再検査し、不良品と判定された成形品から良品を検出する。
2.1.2 漢方薬の材料不良品検査:漢方薬の材料は様々な乾燥物が使われている事が多く、同じ材料でも形やサイズ、色も若干異なっていたりします。そのため今までは目視でも検査でしか難しかったですが、AIに形やサイズ、色を学習させて、不良品や異物を検出出来る事ができます。
2.2 組立検査: 製品の組み立て工程において、AI画像処理検査は部品の位置、方向、正確さなどを検査することができます。これにより、組み立ての正確性と一貫性を確保することができます。
(活用事例)
2.2.1 ボルト締結検査: 自動車の各部品やボディパネルの組み立てにおいて、AI画像処理検査はボルトの位置、締結の正確さ、欠陥などを検査します。正確な位置や締結力の確保は、車体の強度や安全性に直結する重要な要素です。
2.2.2 部品の位置検査: 自動車の部品の位置や方向が正しいかどうかを検査するために、AI画像処理検査が使用されます。例えば、ドアやパネルの位置や隙間の一貫性を確認することができます。
2.2.3 ワイヤーハーネス検査: 自動車の配線やワイヤーハーネスの組み立てにおいて、AI画像処理検査は配線の接続や絶縁状態を検査します。異常や接触不良を早期に検出し、トラブルや故障を未然に防ぐことができます。
2.3 パッケージング検査: 製品の包装やラベルの正確性、完全性、位置などを検査するためにAI画像処理を活用することができます。
(活用事例)
2.3.1 ゼリー容器 胴部の製品フィルム検査:製品フィルにあるゼリー内容物の柄などが邪魔になり、フィルムの皺や汚れ、ズレなどが今までの検査装置では困難でした。AIに柄を学習させる事で、柄と皺や傷、汚れなどの区別が出来る様になり、ズレなども今まで以上に精度よく判定する事が出来るようになりました。
2.3.2 お惣菜の具材配置検査:食品工場(お惣菜)において、盛り付けられた具材を今までは目視検査で量や盛り付け位置、盛り付け方、異物などを検査していました。そこでAIに盛り付け方の正解画像を複数パターン覚えさせる事で、今までの検査装置では困難だった目視検査に近い検査が可能となりました。
2.4 欠陥検出: 製品や部品の表面における欠陥や異常なパターンを検出するために、AI画像処理検査を使用することができます。例えば、溶接部や金型表面のクラック、ひずみ、欠けなどを検出することができます。
(活用事例)
2.4.1 溶接不良検査:AIに溶接不良画像と正常な溶接画像を学習させる事により、目視検査でも非常に難しい「スパッタ付着」、「溶接忘れ」、「溶接の長さ不良」、「溶接位置不良」、「焼け跡一部処理忘れ」、「溶接サイズはみ出し」、「溶接かじり」、「溶接穴有」などカメラを使った画像検査で自動検出する事が出来るようになりました。
2.4.2 メッキ不良検査:「メッキ色」、「傷」「打痕」、「異物付着」、「肌荒れ」、「ゆず肌」、「メッキ無し」などの不良画像と良品画像をAIに学習する事で、これらの不良が自動検出する事が可能になりました。
上記を正しく理解した上で、先の4つの項目のうち「品質管理」、「組立検査」、「パッケージング検査」、「欠陥検出」について、どの様な事が重要かを簡単にご説明いたします。
3.重要なポイント
3.1 品質管理:
製品の外観や仕上がりに対して、AI画像処理検査を使用して欠陥や異常を検出することができます。例えば、製品の表面における傷や汚れ、色の一貫性、パターンの正確性などを検査することができます。
傷や汚れのサイズや程度から良品としても大丈夫な場合や不良品と判別すべき物を人間の感覚に近い判別で検査する事が可能です。
重要なるのは、正しい良品、不良品画像をAIに学習させる事です。では、正しい良品画像とは何か?正しい不良品画像とは何か?という事ですが、良品においても若干のばらつきがあるという事を考慮し、ばらつきも含めて良品画像としてAIに学習させる事です。また、不良品画像においては、色々な種類の不良品があると思います。それらの不良品画像を出来る限り集めて頂き、AIに学習させる事が必要です。
3.2 組立検査:
組立検査におけるAI画像検査の重要事項は、組立品の良品と不良品が分かりやすい画像が撮影出来ている事です。つまり、不良品と判別が難しい撮影画像を幾らAIに学習させても判定する事は人間同様に難しいという事です。AI画像検査は万能ではなく、あくまでも目視検査員を教育する様に、どこを見て、不良を判別するか?をAIに対しても同じようにどの撮影画像で何をどの様な判定とするかを学習させる必要があります。
3.3 パッケージング検査:
パッケージ検査におけるAI画像検査の重要事項は、不良品を検出する際に背景が邪魔になったり、良品要素が様々であったりと昔ながらの画像検査装置では出来なかった検査をどうやってAIに学習させて不良品を判別させていくかを検討する事です。
例えば、ゼリーにフィルム検査ではフィルムに印刷されている内容が不良品判別の邪魔になったり、中の具材が映り込んで邪魔になったりして、従来の画像検査装置では検査が難しかったのですが、不良画像の不良を教える(教示有)学習方法でAIに学習させる事で、不良個所の特徴を学習し判定できるようになります。
もう1例、簡単な事例で猫と犬を判別するAI画像処理でAI画像処理の得意とする事をお伝えします。犬や猫は個々様々です。この時、犬の特徴、猫の特徴をAIは画像から抽出し、犬の特徴の重みづけ(数値化)を行います。猫も同様に行います。学習後、犬の画像をAIに読み込ませて犬か猫か?を判別させてみると、例えば犬の確立が8割、猫の確立が2割と数値として算出され、犬である。と判定結果が出ます。つまり、犬、猫の特徴を数値化して、どちらの特徴量が多く持ち合わせているか?を導き出します。
このパッケージ検査においては、このような教示有のAI学習方法が有効的に使われます。
3.4 欠陥検出:
欠陥検出検査におけるAI画像検査の重要事項は、AI画像検査に学習させる前に、撮影した画像を人が見て、不良個所や欠陥部分を判別、検出出来るかどうかです。
そもそも人が撮影画像を見ても不良個所、欠陥画像が分からない物をAIに学習させるのは非常に難しいです。
人が見ても分からない画像を使用する方法もある事はあります。正常画像を多数AIに学習させて、正常画像以外は全てNGとする手法です。
しかし、この場合は判定後にNG判定された画像を人が確認し、本当に不良か、欠陥があるか?を確認する必要があります。
よって、検出精度を上げたいなら、AI画像検査に学習させる前に、撮影した画像を人が見て、不良個所や欠陥部分を判別、検出出来るという事が重要になります。
4.まとめ
今回のコラムでは、コラムでは、中堅・中小製造業の企業様にご活用頂きたい製造業におけるAI画像処理検査の活用事例と成功要因について、分かりやすく説明をさせて頂きました。今回の紹介した内容をご検討頂き、自社での画像検査装置の導入検討や、過去に断念された画像検査装置の導入を再度進めていただければ幸いです。また、上記内容について、より具体的に詳細をお知りになりたい場合や導入支援が必要といった場合は、お気軽に弊社にご相談いただければ幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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ロボットで画像センサと照明を操作し、取得した画像をAI技術で判別し、外観検査を自動化 本コラムでは、中堅・中小製造業の企業様にご活用頂きたい製造業におけるAI画像処理検査の活用事例と成功要因について、分かりやすく説明をさせて頂きます。
1.製造業におけるAI画像処理検査の活用事例
品質管理: AI画像処理検査は製品の外観や仕上がりに対して高速かつ正確な検査を行うことができます。例えば、製品の表面の傷や欠陥、色の一貫性などを検出することができます。
組立検査: 製品の組み立て工程において、AI画像処理検査は部品の位置、方向、正確さなどを検査することができます。これにより、組み立ての正確性と一貫性を確保することができます。
パッケージング検査: 製品の包装やラベルの正確性、完全性、位置などを検査するためにAI画像処理を活用することができます。
欠陥検出: 製品や部品の表面における欠陥や異常なパターンを検出するために、AI画像処理検査を使用することができます。例えば、溶接部や金型表面のクラック、ひずみ、欠けなどを検出することができます。
これらは一部の事例であり、AI画像処理検査は製造業において品質向上や効率化に大きな貢献をすることができます。具体的な用途は業界や製品によって異なります。
今までの目視検査に近く、昔ながらのAIが入っていない画像検査装置(ルールベース)には難しかった判定要素や感覚に近い要素をAI画像処理検査は学習する事によって、実際の検査に活かしていきます。
難しく考える必要は全くありません。御社で今まで培ってきた技術的要素、経験要素、長年の熟練技術こそ、AIに学ばせて活用する事です。我々はお客様に最善の活用方法をご提案いたします。
上記の4つの列挙項目から分かる様にAI画像処理検査は主に4つの活用事例がある事が分かります。本コラムでは4つ活用事例からAI画像処理検査の成功要因を説明させて頂きます。
2.実際の活用事例
2.1 品質管理:AI画像処理検査は製品の外観や仕上がりに対して高速かつ正確な検査を行うことができます。例えば、製品の表面の傷や欠陥、色の一貫性などを検出することができます。
(活用事例)
2.1.1 成形品不良品の再検査:大手K社画像検査装置ではNGと判定されてしまう、不良品をK社画像検査装置で撮影した画像をAI画像処理で再検査し、不良品と判定された成形品から良品を検出する。
2.1.2 漢方薬の材料不良品検査:漢方薬の材料は様々な乾燥物が使われている事が多く、同じ材料でも形やサイズ、色も若干異なっていたりします。そのため今までは目視でも検査でしか難しかったですが、AIに形やサイズ、色を学習させて、不良品や異物を検出出来る事ができます。
2.2 組立検査: 製品の組み立て工程において、AI画像処理検査は部品の位置、方向、正確さなどを検査することができます。これにより、組み立ての正確性と一貫性を確保することができます。
(活用事例)
2.2.1 ボルト締結検査: 自動車の各部品やボディパネルの組み立てにおいて、AI画像処理検査はボルトの位置、締結の正確さ、欠陥などを検査します。正確な位置や締結力の確保は、車体の強度や安全性に直結する重要な要素です。
2.2.2 部品の位置検査: 自動車の部品の位置や方向が正しいかどうかを検査するために、AI画像処理検査が使用されます。例えば、ドアやパネルの位置や隙間の一貫性を確認することができます。
2.2.3 ワイヤーハーネス検査: 自動車の配線やワイヤーハーネスの組み立てにおいて、AI画像処理検査は配線の接続や絶縁状態を検査します。異常や接触不良を早期に検出し、トラブルや故障を未然に防ぐことができます。
2.3 パッケージング検査: 製品の包装やラベルの正確性、完全性、位置などを検査するためにAI画像処理を活用することができます。
(活用事例)
2.3.1 ゼリー容器 胴部の製品フィルム検査:製品フィルにあるゼリー内容物の柄などが邪魔になり、フィルムの皺や汚れ、ズレなどが今までの検査装置では困難でした。AIに柄を学習させる事で、柄と皺や傷、汚れなどの区別が出来る様になり、ズレなども今まで以上に精度よく判定する事が出来るようになりました。
2.3.2 お惣菜の具材配置検査:食品工場(お惣菜)において、盛り付けられた具材を今までは目視検査で量や盛り付け位置、盛り付け方、異物などを検査していました。そこでAIに盛り付け方の正解画像を複数パターン覚えさせる事で、今までの検査装置では困難だった目視検査に近い検査が可能となりました。
2.4 欠陥検出: 製品や部品の表面における欠陥や異常なパターンを検出するために、AI画像処理検査を使用することができます。例えば、溶接部や金型表面のクラック、ひずみ、欠けなどを検出することができます。
(活用事例)
2.4.1 溶接不良検査:AIに溶接不良画像と正常な溶接画像を学習させる事により、目視検査でも非常に難しい「スパッタ付着」、「溶接忘れ」、「溶接の長さ不良」、「溶接位置不良」、「焼け跡一部処理忘れ」、「溶接サイズはみ出し」、「溶接かじり」、「溶接穴有」などカメラを使った画像検査で自動検出する事が出来るようになりました。
2.4.2 メッキ不良検査:「メッキ色」、「傷」「打痕」、「異物付着」、「肌荒れ」、「ゆず肌」、「メッキ無し」などの不良画像と良品画像をAIに学習する事で、これらの不良が自動検出する事が可能になりました。
上記を正しく理解した上で、先の4つの項目のうち「品質管理」、「組立検査」、「パッケージング検査」、「欠陥検出」について、どの様な事が重要かを簡単にご説明いたします。
3.重要なポイント
3.1 品質管理:
製品の外観や仕上がりに対して、AI画像処理検査を使用して欠陥や異常を検出することができます。例えば、製品の表面における傷や汚れ、色の一貫性、パターンの正確性などを検査することができます。
傷や汚れのサイズや程度から良品としても大丈夫な場合や不良品と判別すべき物を人間の感覚に近い判別で検査する事が可能です。
重要なるのは、正しい良品、不良品画像をAIに学習させる事です。では、正しい良品画像とは何か?正しい不良品画像とは何か?という事ですが、良品においても若干のばらつきがあるという事を考慮し、ばらつきも含めて良品画像としてAIに学習させる事です。また、不良品画像においては、色々な種類の不良品があると思います。それらの不良品画像を出来る限り集めて頂き、AIに学習させる事が必要です。
3.2 組立検査:
組立検査におけるAI画像検査の重要事項は、組立品の良品と不良品が分かりやすい画像が撮影出来ている事です。つまり、不良品と判別が難しい撮影画像を幾らAIに学習させても判定する事は人間同様に難しいという事です。AI画像検査は万能ではなく、あくまでも目視検査員を教育する様に、どこを見て、不良を判別するか?をAIに対しても同じようにどの撮影画像で何をどの様な判定とするかを学習させる必要があります。
3.3 パッケージング検査:
パッケージ検査におけるAI画像検査の重要事項は、不良品を検出する際に背景が邪魔になったり、良品要素が様々であったりと昔ながらの画像検査装置では出来なかった検査をどうやってAIに学習させて不良品を判別させていくかを検討する事です。
例えば、ゼリーにフィルム検査ではフィルムに印刷されている内容が不良品判別の邪魔になったり、中の具材が映り込んで邪魔になったりして、従来の画像検査装置では検査が難しかったのですが、不良画像の不良を教える(教示有)学習方法でAIに学習させる事で、不良個所の特徴を学習し判定できるようになります。
もう1例、簡単な事例で猫と犬を判別するAI画像処理でAI画像処理の得意とする事をお伝えします。犬や猫は個々様々です。この時、犬の特徴、猫の特徴をAIは画像から抽出し、犬の特徴の重みづけ(数値化)を行います。猫も同様に行います。学習後、犬の画像をAIに読み込ませて犬か猫か?を判別させてみると、例えば犬の確立が8割、猫の確立が2割と数値として算出され、犬である。と判定結果が出ます。つまり、犬、猫の特徴を数値化して、どちらの特徴量が多く持ち合わせているか?を導き出します。
このパッケージ検査においては、このような教示有のAI学習方法が有効的に使われます。
3.4 欠陥検出:
欠陥検出検査におけるAI画像検査の重要事項は、AI画像検査に学習させる前に、撮影した画像を人が見て、不良個所や欠陥部分を判別、検出出来るかどうかです。
そもそも人が撮影画像を見ても不良個所、欠陥画像が分からない物をAIに学習させるのは非常に難しいです。
人が見ても分からない画像を使用する方法もある事はあります。正常画像を多数AIに学習させて、正常画像以外は全てNGとする手法です。
しかし、この場合は判定後にNG判定された画像を人が確認し、本当に不良か、欠陥があるか?を確認する必要があります。
よって、検出精度を上げたいなら、AI画像検査に学習させる前に、撮影した画像を人が見て、不良個所や欠陥部分を判別、検出出来るという事が重要になります。
4.まとめ
今回のコラムでは、コラムでは、中堅・中小製造業の企業様にご活用頂きたい製造業におけるAI画像処理検査の活用事例と成功要因について、分かりやすく説明をさせて頂きました。今回の紹介した内容をご検討頂き、自社での画像検査装置の導入検討や、過去に断念された画像検査装置の導入を再度進めていただければ幸いです。また、上記内容について、より具体的に詳細をお知りになりたい場合や導入支援が必要といった場合は、お気軽に弊社にご相談いただければ幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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【①】AI画像検査導入の進め方
~業務分析、データ収集、作業分析、コスト効果分析、、、~
【②】AI画像検査導入の具体的手法
~透明な樹脂成型品の傷、異物を画像検査装置で検出~
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【③】補助金を活用した画像検査装置導入成功事例
●自動車用部品の最終検査工程に検査装置を導入
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●ボールペン部品射出成形の検査及び箱詰め工程に検査装置を導入
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ロボットで画像センサと照明を操作し、取得した画像をAI技術で判別し、外観検査を自動化
川端 信貴