DX CONSULTING COLUMN 工場DXコンサルティングコラム

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樹脂成形加工業におけるDX化の成功ステップとそのメリット

2024.10.04

樹脂成形加工業は、製造業の中でも特に高度な技術と効率が求められる分野です。最近では、デジタルトランスフォーメーション(DX)により、製造プロセスの最適化や生産効率の向上が期待されています。 しかし、DXの具体的な導入方法や効果を把握している企業はまだ少なく、導入に対する不安も少なくありません。 本記事では、樹脂成形加工業がDXを成功させるための具体的なステップと、その実際の効果について解説します。 1.樹脂成形加工業におけるDXの意義 樹脂成型加工業の DXとは、製造業全体で進むデジタルトランスフォーメーションの中でも、特に樹脂加工に特化した技術変革を指します。樹脂成形加工業は、プラスチック製品を成形するプロセスが複雑で、多くの手作業が伴います。ここに、IoTやAI、クラウドといったデジタル技術を取り入れることで、効率化とコスト削減を実現することがDXの目的です。 【樹脂加工業でDXが必要な理由】 樹脂加工業では、複数の工程を経て製品を完成させるため、まだまだアナログな作業が残っており、工程ごとの管理が複雑化しがちです。さらに、原材料のムダ、エネルギー消費、品質管理にかかるコストが高くなるという課題もあります。DXを導入することで、これらの課題を解消し、効率的で無駄のない生産を目指せます。 また、人材不足が叫ばれる中で、労働集約型のプロセスを自動化することは、現場の作業負担を軽減し、企業全体の競争力を高めることにも繋がります。 2.樹脂成形加工業における具体的なDX導入事例 樹脂成形加工業が DXを導入することで、いくつかの大きなメリットが得られます。これらは、企業の成長に直結する要素となるため、積極的に取り組む価値があります。 ①IoTとAIを活用したスマートファクトリー IoT技術を活用して、成形機や関連設備からリアルタイムでデータを取得することで、製造工程全体の「見える化」を実現できます。さらに、AIを用いたデータ分析により、製造条件の最適化や機械の故障予測が可能となります。 【事例】 IoTを導入し、設備信号から稼働状況をデータ化した企業では、リアルタイムに設備別の稼働状況が把握できるようになるだけでなく、稼働率向上に向けたデータの統計的な分析を行うことができるようになっています。 また、製品情報や担当者情報との紐づけを実施することにより、製品別の実際原価算出や、滞留時間等を把握できるようになり、データをもとにした現場改善が実施できるようになりました。 ②クラウド技術による遠隔監視と生産管理 クラウドベースの生産管理システムを導入することで、リアルタイムで複数の工場のデータを集約・分析し、遠隔からの監視と管理が可能です。これにより、複数拠点での一貫性のある製造と、迅速な意思決定が実現します。 【事例】 複数個所に工場を持っている企業では、クラウドを活用して製造状況をリアルタイムに可視化することにより、離れている工場の様子が即時に把握することができるようになりました。 今までは顧客からの問い合わせに対して現状の進捗を把握するために都度社内問い合わせをして走り回っていましたが、クラウド活用によりすべてモニター上で把握できるため問い合わせの工数を削減することができるようになりました。 ③実際原価管理による原価低減 実際原価管理は、製造コストを正確に把握し、コスト削減の施策を講じるための重要な手法です。DX化を通じて、リアルタイムでの原価データの取得と分析が可能となります。 【事例】 バーコードで完了実績のみを登録していた企業では、各現場にIoTを導入して製品別・工程別・担当者別の作業時間を正確に取得できるようになりました。 今までは標準原価計算のみの利益把握でしたが、正確な作業時間を取得することができるようになったことにより、実際原価計算ができるようになりました。 それにより、価格交渉の根拠として提出ができるようになりました。今までは勘と経験の交渉力に依存してしまっていた部分が、根拠となるデータをもとに議論できるようになったため、建設的な交渉ができるようになったのです。 3.DX化による樹脂成形加工業へのメリット 生産効率の大幅な向上 DXにより、リアルタイムデータを活用したプロセス最適化が可能となり、成形サイクルの時間短縮や設備稼働率の向上が実現します。これにより、全体の生産効率が20~30%向上するケースも少なくありません。 品質管理の強化 DXによって品質データが自動で収集・分析されるため、不良品の発生を事前に予測・防止することが可能になります。また、リアルタイムでの品質監視が実現することで、即座に問題に対処でき、安定した品質の製品を供給できるようになります。 コスト削減 自動化やデータ活用による効率化が進むことで、人的コストやエネルギーコストが削減されます。また、試作回数の削減により、材料費や開発費の削減も期待できます。 実際原価管理の事例でも述べた通り、データを根拠に議論ができるようになるため、社外・社内問わず建設的な議論ができるようになります。 「なんとなく改善してくれ」といった感覚的で範囲が曖昧な指示から、データ活用による数値をもとにした指示ができるようになり、さらに現場の頑張りが数値として現れるようになるため、経営者としても適切な鼓舞ができるようになるのです。 これらの取組を通して、コスト削減が結果としてついてきます。 4.DX推進における成功のためのポイント 経営層のリーダーシップ DXは単なる技術・システムの導入ではなく、企業全体の文化や業務プロセスを変革するものです。そのため、経営者がビジョンを持ち、強いリーダーシップで全社的に推進することが不可欠です。 従業員のスキル向上 DXを成功させるためには、新しい技術に対応できる人材が必要です。従業員に対する適切なトレーニングやスキルアップのためのプログラムを導入し、現場の即応力を高めることが重要です。 パートナーシップの構築 外部の専門家や技術パートナーと協力し、DXに必要な技術やノウハウを取り入れることも成功のカギです。特に中小企業では、リソース不足を補うために外部との協力が欠かせません。 内製化により社内ノウハウを蓄積することももちろん重要ですが、外部の専門家を活用することにより、より加速させることができるようになります。 5.まとめ 樹脂成形加工業におけるDX化は、生産性向上、品質管理強化、コスト削減といった大きなメリットをもたらします。 特に実際原価管理を取り入れることで、企業はより透明性のあるコスト管理が可能となり、効果的な原価低減策を講じることができます。 企業が競争力を高め、未来に向けた成長を続けるためには、DX化への取り組みが不可欠です。 早期の導入と持続的な改善が、今後の成功を左右する重要な要素となるでしょう。 では、具体的にどのように進めたらよいのか?失敗しないためのポイントとは? 詳細については、下記セミナーにてお話しさせていただきます。 セミナーでは、具体的な事例・ポイントを実際の写真・画面を用いてご説明いたします。 ぜひご参加ください。 ■関連するセミナーのご案内 樹脂・ゴム成形加工業のための「自社データ学習AI」経営活用 セミナー詳細・申込はこちらから↓↓↓ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/120968 ■【社長特別インタビュー】製造業向け現場主導“完全ペーパレス化”で10人分の工数削減! ▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼ https://www.funaisoken.co.jp/dl-contents/smart-factory_smart-factory_03271_S045 樹脂成形加工業は、製造業の中でも特に高度な技術と効率が求められる分野です。最近では、デジタルトランスフォーメーション(DX)により、製造プロセスの最適化や生産効率の向上が期待されています。 しかし、DXの具体的な導入方法や効果を把握している企業はまだ少なく、導入に対する不安も少なくありません。 本記事では、樹脂成形加工業がDXを成功させるための具体的なステップと、その実際の効果について解説します。 1.樹脂成形加工業におけるDXの意義 樹脂成型加工業の DXとは、製造業全体で進むデジタルトランスフォーメーションの中でも、特に樹脂加工に特化した技術変革を指します。樹脂成形加工業は、プラスチック製品を成形するプロセスが複雑で、多くの手作業が伴います。ここに、IoTやAI、クラウドといったデジタル技術を取り入れることで、効率化とコスト削減を実現することがDXの目的です。 【樹脂加工業でDXが必要な理由】 樹脂加工業では、複数の工程を経て製品を完成させるため、まだまだアナログな作業が残っており、工程ごとの管理が複雑化しがちです。さらに、原材料のムダ、エネルギー消費、品質管理にかかるコストが高くなるという課題もあります。DXを導入することで、これらの課題を解消し、効率的で無駄のない生産を目指せます。 また、人材不足が叫ばれる中で、労働集約型のプロセスを自動化することは、現場の作業負担を軽減し、企業全体の競争力を高めることにも繋がります。 2.樹脂成形加工業における具体的なDX導入事例 樹脂成形加工業が DXを導入することで、いくつかの大きなメリットが得られます。これらは、企業の成長に直結する要素となるため、積極的に取り組む価値があります。 ①IoTとAIを活用したスマートファクトリー IoT技術を活用して、成形機や関連設備からリアルタイムでデータを取得することで、製造工程全体の「見える化」を実現できます。さらに、AIを用いたデータ分析により、製造条件の最適化や機械の故障予測が可能となります。 【事例】 IoTを導入し、設備信号から稼働状況をデータ化した企業では、リアルタイムに設備別の稼働状況が把握できるようになるだけでなく、稼働率向上に向けたデータの統計的な分析を行うことができるようになっています。 また、製品情報や担当者情報との紐づけを実施することにより、製品別の実際原価算出や、滞留時間等を把握できるようになり、データをもとにした現場改善が実施できるようになりました。 ②クラウド技術による遠隔監視と生産管理 クラウドベースの生産管理システムを導入することで、リアルタイムで複数の工場のデータを集約・分析し、遠隔からの監視と管理が可能です。これにより、複数拠点での一貫性のある製造と、迅速な意思決定が実現します。 【事例】 複数個所に工場を持っている企業では、クラウドを活用して製造状況をリアルタイムに可視化することにより、離れている工場の様子が即時に把握することができるようになりました。 今までは顧客からの問い合わせに対して現状の進捗を把握するために都度社内問い合わせをして走り回っていましたが、クラウド活用によりすべてモニター上で把握できるため問い合わせの工数を削減することができるようになりました。 ③実際原価管理による原価低減 実際原価管理は、製造コストを正確に把握し、コスト削減の施策を講じるための重要な手法です。DX化を通じて、リアルタイムでの原価データの取得と分析が可能となります。 【事例】 バーコードで完了実績のみを登録していた企業では、各現場にIoTを導入して製品別・工程別・担当者別の作業時間を正確に取得できるようになりました。 今までは標準原価計算のみの利益把握でしたが、正確な作業時間を取得することができるようになったことにより、実際原価計算ができるようになりました。 それにより、価格交渉の根拠として提出ができるようになりました。今までは勘と経験の交渉力に依存してしまっていた部分が、根拠となるデータをもとに議論できるようになったため、建設的な交渉ができるようになったのです。 3.DX化による樹脂成形加工業へのメリット 生産効率の大幅な向上 DXにより、リアルタイムデータを活用したプロセス最適化が可能となり、成形サイクルの時間短縮や設備稼働率の向上が実現します。これにより、全体の生産効率が20~30%向上するケースも少なくありません。 品質管理の強化 DXによって品質データが自動で収集・分析されるため、不良品の発生を事前に予測・防止することが可能になります。また、リアルタイムでの品質監視が実現することで、即座に問題に対処でき、安定した品質の製品を供給できるようになります。 コスト削減 自動化やデータ活用による効率化が進むことで、人的コストやエネルギーコストが削減されます。また、試作回数の削減により、材料費や開発費の削減も期待できます。 実際原価管理の事例でも述べた通り、データを根拠に議論ができるようになるため、社外・社内問わず建設的な議論ができるようになります。 「なんとなく改善してくれ」といった感覚的で範囲が曖昧な指示から、データ活用による数値をもとにした指示ができるようになり、さらに現場の頑張りが数値として現れるようになるため、経営者としても適切な鼓舞ができるようになるのです。 これらの取組を通して、コスト削減が結果としてついてきます。 4.DX推進における成功のためのポイント 経営層のリーダーシップ DXは単なる技術・システムの導入ではなく、企業全体の文化や業務プロセスを変革するものです。そのため、経営者がビジョンを持ち、強いリーダーシップで全社的に推進することが不可欠です。 従業員のスキル向上 DXを成功させるためには、新しい技術に対応できる人材が必要です。従業員に対する適切なトレーニングやスキルアップのためのプログラムを導入し、現場の即応力を高めることが重要です。 パートナーシップの構築 外部の専門家や技術パートナーと協力し、DXに必要な技術やノウハウを取り入れることも成功のカギです。特に中小企業では、リソース不足を補うために外部との協力が欠かせません。 内製化により社内ノウハウを蓄積することももちろん重要ですが、外部の専門家を活用することにより、より加速させることができるようになります。 5.まとめ 樹脂成形加工業におけるDX化は、生産性向上、品質管理強化、コスト削減といった大きなメリットをもたらします。 特に実際原価管理を取り入れることで、企業はより透明性のあるコスト管理が可能となり、効果的な原価低減策を講じることができます。 企業が競争力を高め、未来に向けた成長を続けるためには、DX化への取り組みが不可欠です。 早期の導入と持続的な改善が、今後の成功を左右する重要な要素となるでしょう。 では、具体的にどのように進めたらよいのか?失敗しないためのポイントとは? 詳細については、下記セミナーにてお話しさせていただきます。 セミナーでは、具体的な事例・ポイントを実際の写真・画面を用いてご説明いたします。 ぜひご参加ください。 ■関連するセミナーのご案内 樹脂・ゴム成形加工業のための「自社データ学習AI」経営活用 セミナー詳細・申込はこちらから↓↓↓ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/120968 ■【社長特別インタビュー】製造業向け現場主導“完全ペーパレス化”で10人分の工数削減! ▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼ https://www.funaisoken.co.jp/dl-contents/smart-factory_smart-factory_03271_S045

熊谷 俊作

生産管理システムデータ活用観点からの製品個別原価管理の課題

2024.10.03

本コラムでは、中堅・中小製造業の企業におけるDX・IoT活用について、まずはどこからどの様にDX・IoTを導入していくべきか、わかりやすく説明させていただきます。 製造を行っているほとんどの中堅・中小企業は、生産管理システムを導入し、受注・部品発注・作業指示書発行・出荷、工数管理など製造業務管理を行っていると思います。 生産管理システムには製造を行う企業の様々なデータが蓄積されています。 しかし、そのデータをうまく活用出来ていないため、労務原価(工数)を含む製品の個別原価を正確に把握できていないケースが多くみられます。 今回は、その生産管理システムが持っている・蓄積されているデータが、製品原価管理に活用されていない要因を課題として6つあげ、それぞれの課題の背景、解決策を説明いたします。 DX推進の手始めとして生産管理システムのデータを有効活用する環境を整えてみては如何でしょう? 1.製品個別原価管理を行う目的 ① 利益率の正確な把握 各製品にかかる直接費(材料費、労務費など)や間接費(工場の運営費用、設備費など)を明確にすることで、製品ごとの利益率を正確に計算できます。 これにより、低利益製品を特定し、ポイントを絞った改善を行うことが可能になります。 ② 価格戦略の最適化 原価を詳細に把握することで、適切な価格設定が可能になります。 価格競争が激しい市場では、自社のコスト構造を正確に理解し競争力のある価格設定を行うことが重要です。 ③ コスト削減の推進 製品ごとのコストを分析することで、どの工程や資源に無駄があるかを特定し、効率化やコスト削減策を実施する際の基礎データとして活用できます。 ④ 製品別の生産効率の評価 生産の各段階でどれだけ効率的に資源が使われているか、製品ごとに評価できるため、改善すべき点や優れた点が見えてきます。 2.生産管理システム観点の製品の個別原価管理を行うための課題 ① データ入力とデータの正確性 [課題] 生産管理システムにおけるデータ入力のミスや不正確なデータが、個別原価管理に直接影響します。 特に材料費、労務費、機械稼働時間、工程ごとの作業時間などのデータが正確に入力されなければ、製品ごとのコストが正しく算出できません。 [対策] データ入力の自動化(バーコードスキャナやRFIDの利用)や、生産工程でのリアルタイムデータ取得を進め、手動入力によるミスを減らす必要があります。入力不可を出来るだけ削減し、また入力担当者の教育やトレーニングも重要です。 ② システムの柔軟性とカスタマイズ性 [課題] 生産管理システムが標準化された設定では、カスタマイズ製品や個別対応の多い生産プロセスには十分に対応できない場合があります。システムが柔軟に対応できないと、実際の生産プロセスに即した正確なコスト管理が困難になります。 [対策] 生産形態や業務プロセスに合わせて生産管理システムをカスタマイズ、プラグインの追加を行うことで対応可能です。ただ、導入コストが上がってしまうため、必要に応じて生産管理システムに合わせて製造工程の業務フローを見直すことも重要です。 ③ 間接費の管理と配分の複雑さ [課題] 生産管理システムでは、直接費(材料費や労務費)に比べて間接費(設備の減価償却費、工場の光熱費など)の配分が複雑です。生産工程や設備利用の実態に応じて、正確に間接費を配分する仕組みが必要です。 [対策] 設備の稼働データや作業時間を詳細に記録し、各製品や生産ラインに応じた間接費の配分ルールを明確に設定し、生産管理システムで自動配分できるようにすることが求められます。 ④ システムの統合とデータの整合性 [課題] 生産管理システムと他の管理システム(ERP、会計システムなど)が連携していない場合、データの整合性を保つことが難しくなり、原価管理におけるデータの一貫性や正確性が損なわれます。また、システム間のデータの重複入力や転記ミスが発生する可能性もあります。 [対策] 生産管理システムと他の業務システムとの統合を進め、データの連携をシームレスに行えるようにすることが必要です。APIなどのインターフェースを活用し、自動連携を実現することが有効です。 ⑤ 標準原価と実際原価の差異管理 [課題] 生産管理システムで管理される標準原価と、実際にかかった原価(実績コスト)との間に大きな差異が発生した場合、その差異の原因を適切に追跡し、対応策を講じるのが難しい場合があります。 [対策] BIツールなどを活用し定期的に標準原価と実際原価を比較できる仕組みを整えます。また、差異の原因を特定するためのデータ分析をおこない、その結果をもとに標準原価の見直し、工程の見直しなど必要な対策を実施します。 ⑥. 従業員のスキルとシステム運用負担 [課題] 生産管理システムの運用には、従業員がシステムを適切に操作できるスキルが必要ですが、特に小規模工場ではITスキルにばらつきがあり、システムの活用が十分に行われないことがあります。また、システムの運用負担が大きくなると、生産性を逆に低下させる可能性もあります。 [対策] システム操作のトレーニングを定期的に行い、従業員がシステムを十分に活用できるよう支援することが重要です。さらに、シンプルで使いやすいインターフェースとすることも、運用負担を軽減するポイントです。 3.まとめ 生産管理システムを活用した製品の個別原価管理は、正確なデータ収集やシステムの柔軟性、他システムとの連携が重要です。これらの課題を解決することで、より精度の高いコスト管理が実現します。 中堅・中小製造業の企業におけるDX推進の手始めとして生産管理システムのデータを有効活用し 正確な製品個別原価管理に取り組んでみては如何でしょう。 ■関連するセミナーのご案内 多品種少量板金・プレス・溶接製造業のためのデータ活用経営 ~なぜ、生産管理システムが上手く機能しないのだろうか?~ このような方にオススメ 導入した生産管理システムが機能していない、うまく使えていない多品種少量板金・プレス・溶接加工業 生産管理システムへ入力しているだけで、そのデータを使った分析ができていない多品種少量板金・プレス・溶接加工業様 生産管理システムに蓄積されたデータを最大限に利用したい多品種少量板金・プレス・溶接加工業様 現場主導で改善活動が思うようにいかない多品種少量板金・プレス・溶接加工業 勘や経験による経営ではなく、データを活用したDX経営へ変えていきたい多品種少量板金・プレス・溶接加工業 セミナー詳細・申込はこちらから↓↓↓ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/119384 本コラムでは、中堅・中小製造業の企業におけるDX・IoT活用について、まずはどこからどの様にDX・IoTを導入していくべきか、わかりやすく説明させていただきます。 製造を行っているほとんどの中堅・中小企業は、生産管理システムを導入し、受注・部品発注・作業指示書発行・出荷、工数管理など製造業務管理を行っていると思います。 生産管理システムには製造を行う企業の様々なデータが蓄積されています。 しかし、そのデータをうまく活用出来ていないため、労務原価(工数)を含む製品の個別原価を正確に把握できていないケースが多くみられます。 今回は、その生産管理システムが持っている・蓄積されているデータが、製品原価管理に活用されていない要因を課題として6つあげ、それぞれの課題の背景、解決策を説明いたします。 DX推進の手始めとして生産管理システムのデータを有効活用する環境を整えてみては如何でしょう? 1.製品個別原価管理を行う目的 ① 利益率の正確な把握 各製品にかかる直接費(材料費、労務費など)や間接費(工場の運営費用、設備費など)を明確にすることで、製品ごとの利益率を正確に計算できます。 これにより、低利益製品を特定し、ポイントを絞った改善を行うことが可能になります。 ② 価格戦略の最適化 原価を詳細に把握することで、適切な価格設定が可能になります。 価格競争が激しい市場では、自社のコスト構造を正確に理解し競争力のある価格設定を行うことが重要です。 ③ コスト削減の推進 製品ごとのコストを分析することで、どの工程や資源に無駄があるかを特定し、効率化やコスト削減策を実施する際の基礎データとして活用できます。 ④ 製品別の生産効率の評価 生産の各段階でどれだけ効率的に資源が使われているか、製品ごとに評価できるため、改善すべき点や優れた点が見えてきます。 2.生産管理システム観点の製品の個別原価管理を行うための課題 ① データ入力とデータの正確性 [課題] 生産管理システムにおけるデータ入力のミスや不正確なデータが、個別原価管理に直接影響します。 特に材料費、労務費、機械稼働時間、工程ごとの作業時間などのデータが正確に入力されなければ、製品ごとのコストが正しく算出できません。 [対策] データ入力の自動化(バーコードスキャナやRFIDの利用)や、生産工程でのリアルタイムデータ取得を進め、手動入力によるミスを減らす必要があります。入力不可を出来るだけ削減し、また入力担当者の教育やトレーニングも重要です。 ② システムの柔軟性とカスタマイズ性 [課題] 生産管理システムが標準化された設定では、カスタマイズ製品や個別対応の多い生産プロセスには十分に対応できない場合があります。システムが柔軟に対応できないと、実際の生産プロセスに即した正確なコスト管理が困難になります。 [対策] 生産形態や業務プロセスに合わせて生産管理システムをカスタマイズ、プラグインの追加を行うことで対応可能です。ただ、導入コストが上がってしまうため、必要に応じて生産管理システムに合わせて製造工程の業務フローを見直すことも重要です。 ③ 間接費の管理と配分の複雑さ [課題] 生産管理システムでは、直接費(材料費や労務費)に比べて間接費(設備の減価償却費、工場の光熱費など)の配分が複雑です。生産工程や設備利用の実態に応じて、正確に間接費を配分する仕組みが必要です。 [対策] 設備の稼働データや作業時間を詳細に記録し、各製品や生産ラインに応じた間接費の配分ルールを明確に設定し、生産管理システムで自動配分できるようにすることが求められます。 ④ システムの統合とデータの整合性 [課題] 生産管理システムと他の管理システム(ERP、会計システムなど)が連携していない場合、データの整合性を保つことが難しくなり、原価管理におけるデータの一貫性や正確性が損なわれます。また、システム間のデータの重複入力や転記ミスが発生する可能性もあります。 [対策] 生産管理システムと他の業務システムとの統合を進め、データの連携をシームレスに行えるようにすることが必要です。APIなどのインターフェースを活用し、自動連携を実現することが有効です。 ⑤ 標準原価と実際原価の差異管理 [課題] 生産管理システムで管理される標準原価と、実際にかかった原価(実績コスト)との間に大きな差異が発生した場合、その差異の原因を適切に追跡し、対応策を講じるのが難しい場合があります。 [対策] BIツールなどを活用し定期的に標準原価と実際原価を比較できる仕組みを整えます。また、差異の原因を特定するためのデータ分析をおこない、その結果をもとに標準原価の見直し、工程の見直しなど必要な対策を実施します。 ⑥. 従業員のスキルとシステム運用負担 [課題] 生産管理システムの運用には、従業員がシステムを適切に操作できるスキルが必要ですが、特に小規模工場ではITスキルにばらつきがあり、システムの活用が十分に行われないことがあります。また、システムの運用負担が大きくなると、生産性を逆に低下させる可能性もあります。 [対策] システム操作のトレーニングを定期的に行い、従業員がシステムを十分に活用できるよう支援することが重要です。さらに、シンプルで使いやすいインターフェースとすることも、運用負担を軽減するポイントです。 3.まとめ 生産管理システムを活用した製品の個別原価管理は、正確なデータ収集やシステムの柔軟性、他システムとの連携が重要です。これらの課題を解決することで、より精度の高いコスト管理が実現します。 中堅・中小製造業の企業におけるDX推進の手始めとして生産管理システムのデータを有効活用し 正確な製品個別原価管理に取り組んでみては如何でしょう。 ■関連するセミナーのご案内 多品種少量板金・プレス・溶接製造業のためのデータ活用経営 ~なぜ、生産管理システムが上手く機能しないのだろうか?~ このような方にオススメ 導入した生産管理システムが機能していない、うまく使えていない多品種少量板金・プレス・溶接加工業 生産管理システムへ入力しているだけで、そのデータを使った分析ができていない多品種少量板金・プレス・溶接加工業様 生産管理システムに蓄積されたデータを最大限に利用したい多品種少量板金・プレス・溶接加工業様 現場主導で改善活動が思うようにいかない多品種少量板金・プレス・溶接加工業 勘や経験による経営ではなく、データを活用したDX経営へ変えていきたい多品種少量板金・プレス・溶接加工業 セミナー詳細・申込はこちらから↓↓↓ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/119384

岩松 将史

ロボットによる自動化とは?メリットや導入事例3選をわかりやすく解説!

2024.09.13

1.ロボットによる自動化とは? ロボットによる自動化とは、製造プロセスの一部または全体において、人手による作業を機械やロボットによって自動化する取り組みを指します。これにより、生産性の向上、品質の安定化、作業環境の改善などをおこなうことができます。 自動化の対象は、部品の搬送や組立て、溶接、塗装、検査など、製造のあらゆる工程が含まれます。また、生産の直接工程だけでなく、在庫管理や製造指示の発行といった間接工程についても自動化が可能です。ロボットを導入することで、作業の精度やスピードが向上し、24時間無休での連続稼働が実現できるため、生産性の飛躍的な向上が期待できます。 2.ロボットで自動化をおこなうメリット ロボットの自動化には大きなメリットがあります。主なものとして以下の3点が挙げられます。 工場の自動化を行うメリット①:飛躍的な生産性の向上 自動化ラインでは24時間無休の連続稼働が可能で、機械の動作スピードと精度の高さから人手を遥かに上回る生産性が見込めます。動作速度の遅い協働ロボットを使ったとしても、夜間稼働や休日稼働を行うことで、生産性を向上させることができます。 工場の自動化を行うメリット②:製品品質の均一化と不良率低減 人手作業では熟練度の差により品質のばらつきが避けられませんが、自動化ラインは完全にプログラムに基づいて動作するため、均一で高い品質を実現できます。また、検査工程の自動化も相まってさらなる不良低減も期待できます。近年ではAIの技術が進歩し、従来では自動検査が難しかった製品においても、自動化・不良率の低減を行うことが可能になっています。 工場の自動化を行うメリット③:安全性と労働環境の改善 危険度や負荷が高い作業を従業員におこなわせてしまっている…そんな企業様は一定数存在しているのではないでしょうか。 自動化をすることができれば、危険な作業や重労働から作業員を解放できるため、安全性が大きく向上します。特に、溶接や有害物質を扱う工程などでの恩恵は計り知れません。作業環境を整えることで、人材採用や人が辞めない環境づくりを行うことができます。 3.ロボットで自動化をおこなうためのプロセス 工場の自動化を実現するためには、以下のような流れが一般的です。 図工場の自動化フロー図工場の自動化フロー 特に重要なのは、「7.要求仕様書の作成」です。 要求仕様書とは、自動化のために必要な仕様をSIerに要求する仕様書のことを指します。 適切な要求仕様書を作ることができなければ、要件が曖昧になり、トラブルが発生する可能性が高まります。 作成難易度が非常に高い要求仕様書ですが、適切な要求仕様書が作成できなければ、思い描くような自動化をおこなうことはできません。 ⇒関連記事:「要件定義書」と「要求仕様書・RFP」の違いとは!?基本の流れと重要性、記載内容について解説! 4.工場自動化成功事例3選 次に、工場自動化の実際の成功事例を3つご紹介します。 工場の自動化成功事例①:A社 自動バリ取りロボットA社ではロボットを使うことによって、工数がかかっていたバリ取り作業の自動化に成功しました。業種と自動化効果、投資金額は以下のようになっています。 業種 セラミック製品製造 自動化効果 年間工数1019時間削減・生産性167%増 投資金額 1800万円+6軸ロボット費用 A社の成功事例の特徴は、画像認識によりバリ取りパスを自動で生成している点です。 自動生成されたパスに沿ってロボットが動作するため、品種ごとにティーチングプログラムを作成する必要がなく、超多品種少量生産に対応することができます。 本来ロボットを稼働させる際は、ティーチングと呼ばれるロボットのプログラムを人が作成する必要があります。 そのためロボットでさまざまな製品の加工をおこなおうとすると、その数だけティーチングをおこなう必要があります。 A社では、画像認識による自動プログラム作成を採用しているため、作業員が治具に製品を置けば、ロボットが自動でバリ取りをおこなってくれます。 工場の自動化成功事例②:S社 協働ロボットS社では、協働ロボットを使うことによって、加工機へのワーク投入作業の自動化に成功しました。 業種 樹脂切削加工品製造 自動化効果 年間工数1200時間削減 投資金額 500万円 S社の成功事例の特徴は、SIerなしでロボット導入を行った点です。 ロボット導入のネックになりがちな費用として、SIer費用があげられます。(S社でロボット導入を検討した際は、ロボット本体代金のほかにSIer費用が1000万円近く見積もられていました。) S社では、自社で内製化することで、SIer費用を押さえながらロボット活用を行うことに成功しました。 内製化の利点は、自動化品種の追加や、製造ラインの変更に比較的容易に対応できることです。 ロボット立ち上げ時に、技術的な開発部分をSIerに任せてしまうと、新たに品種追加を行う際はさらにSIerに費用を払わなくてはなりません。 内製化は時間も工数もかかりますが、中長期的に見れば経営効果は高いでしょう。 また、この会社様は従業員数10名以下の会社様のため、1日数時間だけ単純作業を自動化するだけでも、高い自動化効果を発揮することができます。 従業員数が少なくなればなるほど捻出される時間の価値が高まるため、ロボット活用は事業規模が小さい会社様ほど効果を発揮できるといえます。 ⇒関連記事:日本&海外の協働ロボットメーカー16社の特徴を紹介! ⇒関連記事:協働ロボットの特徴と導入事例 工場の自動化成功事例③:C社 溶接ロボット・研磨ロボットC社では、高い品質が求められる製品において、溶接工程と研磨工程の自動化に成功しました。 業種 鈑金溶接品製造 自動化効果 溶接・研磨の熟練技術の継承に成功 投資金額 7700万円(うち4000万円は補助金) C社の成功事例の特徴は、非常に難易度の高い薄板ステンレスのTIG溶接と鏡面研磨を最新技術を活用して自動化した点です。 さらに投資金額7700万円のうち4000万円は事業再構築補助金を活用することにより投資コストを抑えています。 薄板のTIG溶接は非常に熟練度が要求される作業であり、早い人でも製品として出荷できるレベルに達するまでには5年はかかる職人技術と言われています。 また、C社の製品における研磨工程は鏡面仕上げとなっており相当の工数がかかっている状態でした。 これら難易度の高い職人技術を6軸力覚、加速度、位置センサー、アクティブ・コンプライアンス制御技術を用いて自動化に成功しました。 さらに事例の詳細について気になる方は、1時間程度の無料相談会を活用ください。 HP上には記載しきれていない、成功事例の詳細や、自動化に関する情報を余すことなくご提供させていただきます。 5.まとめ ロボットを活用した自動化は、製造業における生産性の向上や品質の安定化、そして労働環境の改善に大きな影響を与えます。上記の事例からもわかるように、さまざまな業種において成功が確認されており、導入による効果は計り知れません。ただし、これらのような自動化を成功させるためには、適切なプロセスと細部にまでわたる計画が必要不可欠です。 船井総研では、工場におけるロボット導入・自動化コンサルティングをおこなっております。 ロボットを導入したいけど、進め方がわからない。。 ロボット導入にトライしてみたが、結局うまくいかなかった。。 自社に最適なロボット導入がしたい。。 上記のような想いをお持ちの方は、1時間程度の無料相談会を活用ください。 自動化専門のコンサルタントが、対応させていただきます。 1.ロボットによる自動化とは? ロボットによる自動化とは、製造プロセスの一部または全体において、人手による作業を機械やロボットによって自動化する取り組みを指します。これにより、生産性の向上、品質の安定化、作業環境の改善などをおこなうことができます。 自動化の対象は、部品の搬送や組立て、溶接、塗装、検査など、製造のあらゆる工程が含まれます。また、生産の直接工程だけでなく、在庫管理や製造指示の発行といった間接工程についても自動化が可能です。ロボットを導入することで、作業の精度やスピードが向上し、24時間無休での連続稼働が実現できるため、生産性の飛躍的な向上が期待できます。 2.ロボットで自動化をおこなうメリット ロボットの自動化には大きなメリットがあります。主なものとして以下の3点が挙げられます。 工場の自動化を行うメリット①:飛躍的な生産性の向上 自動化ラインでは24時間無休の連続稼働が可能で、機械の動作スピードと精度の高さから人手を遥かに上回る生産性が見込めます。動作速度の遅い協働ロボットを使ったとしても、夜間稼働や休日稼働を行うことで、生産性を向上させることができます。 工場の自動化を行うメリット②:製品品質の均一化と不良率低減 人手作業では熟練度の差により品質のばらつきが避けられませんが、自動化ラインは完全にプログラムに基づいて動作するため、均一で高い品質を実現できます。また、検査工程の自動化も相まってさらなる不良低減も期待できます。近年ではAIの技術が進歩し、従来では自動検査が難しかった製品においても、自動化・不良率の低減を行うことが可能になっています。 工場の自動化を行うメリット③:安全性と労働環境の改善 危険度や負荷が高い作業を従業員におこなわせてしまっている…そんな企業様は一定数存在しているのではないでしょうか。 自動化をすることができれば、危険な作業や重労働から作業員を解放できるため、安全性が大きく向上します。特に、溶接や有害物質を扱う工程などでの恩恵は計り知れません。作業環境を整えることで、人材採用や人が辞めない環境づくりを行うことができます。 3.ロボットで自動化をおこなうためのプロセス 工場の自動化を実現するためには、以下のような流れが一般的です。 図工場の自動化フロー図工場の自動化フロー 特に重要なのは、「7.要求仕様書の作成」です。 要求仕様書とは、自動化のために必要な仕様をSIerに要求する仕様書のことを指します。 適切な要求仕様書を作ることができなければ、要件が曖昧になり、トラブルが発生する可能性が高まります。 作成難易度が非常に高い要求仕様書ですが、適切な要求仕様書が作成できなければ、思い描くような自動化をおこなうことはできません。 ⇒関連記事:「要件定義書」と「要求仕様書・RFP」の違いとは!?基本の流れと重要性、記載内容について解説! 4.工場自動化成功事例3選 次に、工場自動化の実際の成功事例を3つご紹介します。 工場の自動化成功事例①:A社 自動バリ取りロボットA社ではロボットを使うことによって、工数がかかっていたバリ取り作業の自動化に成功しました。業種と自動化効果、投資金額は以下のようになっています。 業種 セラミック製品製造 自動化効果 年間工数1019時間削減・生産性167%増 投資金額 1800万円+6軸ロボット費用 A社の成功事例の特徴は、画像認識によりバリ取りパスを自動で生成している点です。 自動生成されたパスに沿ってロボットが動作するため、品種ごとにティーチングプログラムを作成する必要がなく、超多品種少量生産に対応することができます。 本来ロボットを稼働させる際は、ティーチングと呼ばれるロボットのプログラムを人が作成する必要があります。 そのためロボットでさまざまな製品の加工をおこなおうとすると、その数だけティーチングをおこなう必要があります。 A社では、画像認識による自動プログラム作成を採用しているため、作業員が治具に製品を置けば、ロボットが自動でバリ取りをおこなってくれます。 工場の自動化成功事例②:S社 協働ロボットS社では、協働ロボットを使うことによって、加工機へのワーク投入作業の自動化に成功しました。 業種 樹脂切削加工品製造 自動化効果 年間工数1200時間削減 投資金額 500万円 S社の成功事例の特徴は、SIerなしでロボット導入を行った点です。 ロボット導入のネックになりがちな費用として、SIer費用があげられます。(S社でロボット導入を検討した際は、ロボット本体代金のほかにSIer費用が1000万円近く見積もられていました。) S社では、自社で内製化することで、SIer費用を押さえながらロボット活用を行うことに成功しました。 内製化の利点は、自動化品種の追加や、製造ラインの変更に比較的容易に対応できることです。 ロボット立ち上げ時に、技術的な開発部分をSIerに任せてしまうと、新たに品種追加を行う際はさらにSIerに費用を払わなくてはなりません。 内製化は時間も工数もかかりますが、中長期的に見れば経営効果は高いでしょう。 また、この会社様は従業員数10名以下の会社様のため、1日数時間だけ単純作業を自動化するだけでも、高い自動化効果を発揮することができます。 従業員数が少なくなればなるほど捻出される時間の価値が高まるため、ロボット活用は事業規模が小さい会社様ほど効果を発揮できるといえます。 ⇒関連記事:日本&海外の協働ロボットメーカー16社の特徴を紹介! ⇒関連記事:協働ロボットの特徴と導入事例 工場の自動化成功事例③:C社 溶接ロボット・研磨ロボットC社では、高い品質が求められる製品において、溶接工程と研磨工程の自動化に成功しました。 業種 鈑金溶接品製造 自動化効果 溶接・研磨の熟練技術の継承に成功 投資金額 7700万円(うち4000万円は補助金) C社の成功事例の特徴は、非常に難易度の高い薄板ステンレスのTIG溶接と鏡面研磨を最新技術を活用して自動化した点です。 さらに投資金額7700万円のうち4000万円は事業再構築補助金を活用することにより投資コストを抑えています。 薄板のTIG溶接は非常に熟練度が要求される作業であり、早い人でも製品として出荷できるレベルに達するまでには5年はかかる職人技術と言われています。 また、C社の製品における研磨工程は鏡面仕上げとなっており相当の工数がかかっている状態でした。 これら難易度の高い職人技術を6軸力覚、加速度、位置センサー、アクティブ・コンプライアンス制御技術を用いて自動化に成功しました。 さらに事例の詳細について気になる方は、1時間程度の無料相談会を活用ください。 HP上には記載しきれていない、成功事例の詳細や、自動化に関する情報を余すことなくご提供させていただきます。 5.まとめ ロボットを活用した自動化は、製造業における生産性の向上や品質の安定化、そして労働環境の改善に大きな影響を与えます。上記の事例からもわかるように、さまざまな業種において成功が確認されており、導入による効果は計り知れません。ただし、これらのような自動化を成功させるためには、適切なプロセスと細部にまでわたる計画が必要不可欠です。 船井総研では、工場におけるロボット導入・自動化コンサルティングをおこなっております。 ロボットを導入したいけど、進め方がわからない。。 ロボット導入にトライしてみたが、結局うまくいかなかった。。 自社に最適なロボット導入がしたい。。 上記のような想いをお持ちの方は、1時間程度の無料相談会を活用ください。 自動化専門のコンサルタントが、対応させていただきます。

徳竹 勇兵

食品製造業で“売上10%増/営業利益率2%増”した事例:どんぶり勘定から脱却し、利益構造を解明した方法とは!

2024.10.01

いつもお世話になっております。船井総合研究所の久保です。 今回は、従業員数200名規模の食品製造業におけるどんぶり勘定脱却事例をご紹介いたします。 本コラムを読むことで、利益構造解明に踏み切った経緯や、取り組み内容、成功へのポイントを知ることができます。 貴社の情報収集の一助になれば幸いです。 1.どんぶり勘定脱却の背景・課題/目指す姿 この会社様では、以前は製造および販売管理システムが互いに連携しておらず、個別の製造原価を把握することができていませんでした。そのため、利益構造が不明瞭であり、製造工程の改善や販売価格の設定も勘と経験に頼らざるを得ない状況がありました。また、在庫情報の信頼性が低いため、過剰在庫とその処分を繰り返す悪循環に陥っていました。 上記のような課題があったため、この会社様では、以下の項目を実現したいビジョンに定め、改革をおこなっていきました。 各部門が統合化された基幹システムにリニューアルして一元管理する 各部門のモノとカネの出入り(原材料仕入から製品出荷まで)を一致させる システムへの二重三重の入力を排除してミスによる矛盾をなくす タイムリーに経営指標を算出して有効活用できる 一般社員も会社の動きを理解できる 2.取り組み内容 まずは、経営陣主導で業務改革プロジェクトを発足し、全社一丸となってプロジェクトを進めることを宣言しました。 どんぶり勘定からの脱却は、非常に労力のかかるプロジェクトです。全社に宣言をおこなう時期には、強い意志を持って、プロジェクトを進めることを決意することが重要です。 次に、DX計画(ステップアップ・プラン)を策定しました。この計画を策定する際には、経営方針(連携一元化)と業務改革案を深く理解することが求められます。具体的には以下の項目について計画を行いました。 在庫の正確な把握と適正な生産調整 個別原価の把握と適正な価格改定 カテゴリ別利益率の把握と適正な販管費配分 次に、部署間を超えて合意形成をおこない、一体感の創出をおこないました。 この合意形成は、非常に重要なステップです。通常、部署最適的になってしまいがちですが、どんぶり勘定から脱却する場合は、部署を超えた連携が不可欠です。 社内の製造、販売、管理部門が一体となって、有効なKPI(業績評価指標)とKSF(成功要因)を模索。その後、各現場に対して説明や調整を行うことで、実現可能な業務フローを構築しました。これにより、製造と販売が別々に管理されていた時代のどんぶり勘定から脱却し、連携一元化による個別原価・在庫管理で利益構造を解明することができるようになりました。 3.成果 では、どんぶり勘定脱却をおこなう前後で何が変わったのでしょうか。 以下に、どんぶり勘定脱却前と後で変化した項目について記載します。 在庫状況や製品の個別原価を取得することができ、在庫数の減少、在庫処分割合の激減に成功しました。また、適正価格における価格改定の実現、適正な販管費配分もおこなうことができ、結果として売上10%増、営業利益率2%増を実現しました。 4.まとめ 本プロジェクトの成功のポイントは、2つあります。1つは、「経営陣の強い想いと覚悟」にあります。どんぶり勘定から脱却するためには、既存の業務方法を大きく変える必要があるため、経営者にとっても、従業員にとっても、非常に負荷がかかります。労力のかかるプロジェクトにはなりますが、その推進力となるのはリーダーである経営陣の想いと覚悟です。 もう1つは、現場の理解や合意を得た、DX計画を策定することができたことです。 経営陣から従業員に対して、業務改革プロジェクト宣言を行い、また従業員が経営方針(連携一元化)と業務改革案の理解を深められる様、議論を行いました。 また実行フェイズでは、コンサルタントが製造と販売の調整役を担い、各部門の合意形成を取りまとめることで、連携一元化を実現し、個別原価と在庫管理を通じて利益構造を解明することに成功しました。 5.まとめ いかがでしたでしょうか? 今回は、従業員数200名規模の食品製造業におけるどんぶり勘定脱却事例をご紹介いたします。 10月に開催される「基幹システムリニューアル&再構築戦略」セミナーでは、本事例の解説に加え、本セミナーでしか聞けない事例を多数紹介しております。 ご興味のある方は以下のバナーよりお申込みください。 ■関連するセミナーのご案内 製造業の基幹システムリニューアル&再構築戦略! セミナー詳細・申込はこちらから↓↓↓ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/118725 製造業の基幹システムリニューアル&再構築戦略! いつもお世話になっております。船井総合研究所の久保です。 今回は、従業員数200名規模の食品製造業におけるどんぶり勘定脱却事例をご紹介いたします。 本コラムを読むことで、利益構造解明に踏み切った経緯や、取り組み内容、成功へのポイントを知ることができます。 貴社の情報収集の一助になれば幸いです。 1.どんぶり勘定脱却の背景・課題/目指す姿 この会社様では、以前は製造および販売管理システムが互いに連携しておらず、個別の製造原価を把握することができていませんでした。そのため、利益構造が不明瞭であり、製造工程の改善や販売価格の設定も勘と経験に頼らざるを得ない状況がありました。また、在庫情報の信頼性が低いため、過剰在庫とその処分を繰り返す悪循環に陥っていました。 上記のような課題があったため、この会社様では、以下の項目を実現したいビジョンに定め、改革をおこなっていきました。 各部門が統合化された基幹システムにリニューアルして一元管理する 各部門のモノとカネの出入り(原材料仕入から製品出荷まで)を一致させる システムへの二重三重の入力を排除してミスによる矛盾をなくす タイムリーに経営指標を算出して有効活用できる 一般社員も会社の動きを理解できる 2.取り組み内容 まずは、経営陣主導で業務改革プロジェクトを発足し、全社一丸となってプロジェクトを進めることを宣言しました。 どんぶり勘定からの脱却は、非常に労力のかかるプロジェクトです。全社に宣言をおこなう時期には、強い意志を持って、プロジェクトを進めることを決意することが重要です。 次に、DX計画(ステップアップ・プラン)を策定しました。この計画を策定する際には、経営方針(連携一元化)と業務改革案を深く理解することが求められます。具体的には以下の項目について計画を行いました。 在庫の正確な把握と適正な生産調整 個別原価の把握と適正な価格改定 カテゴリ別利益率の把握と適正な販管費配分 次に、部署間を超えて合意形成をおこない、一体感の創出をおこないました。 この合意形成は、非常に重要なステップです。通常、部署最適的になってしまいがちですが、どんぶり勘定から脱却する場合は、部署を超えた連携が不可欠です。 社内の製造、販売、管理部門が一体となって、有効なKPI(業績評価指標)とKSF(成功要因)を模索。その後、各現場に対して説明や調整を行うことで、実現可能な業務フローを構築しました。これにより、製造と販売が別々に管理されていた時代のどんぶり勘定から脱却し、連携一元化による個別原価・在庫管理で利益構造を解明することができるようになりました。 3.成果 では、どんぶり勘定脱却をおこなう前後で何が変わったのでしょうか。 以下に、どんぶり勘定脱却前と後で変化した項目について記載します。 在庫状況や製品の個別原価を取得することができ、在庫数の減少、在庫処分割合の激減に成功しました。また、適正価格における価格改定の実現、適正な販管費配分もおこなうことができ、結果として売上10%増、営業利益率2%増を実現しました。 4.まとめ 本プロジェクトの成功のポイントは、2つあります。1つは、「経営陣の強い想いと覚悟」にあります。どんぶり勘定から脱却するためには、既存の業務方法を大きく変える必要があるため、経営者にとっても、従業員にとっても、非常に負荷がかかります。労力のかかるプロジェクトにはなりますが、その推進力となるのはリーダーである経営陣の想いと覚悟です。 もう1つは、現場の理解や合意を得た、DX計画を策定することができたことです。 経営陣から従業員に対して、業務改革プロジェクト宣言を行い、また従業員が経営方針(連携一元化)と業務改革案の理解を深められる様、議論を行いました。 また実行フェイズでは、コンサルタントが製造と販売の調整役を担い、各部門の合意形成を取りまとめることで、連携一元化を実現し、個別原価と在庫管理を通じて利益構造を解明することに成功しました。 5.まとめ いかがでしたでしょうか? 今回は、従業員数200名規模の食品製造業におけるどんぶり勘定脱却事例をご紹介いたします。 10月に開催される「基幹システムリニューアル&再構築戦略」セミナーでは、本事例の解説に加え、本セミナーでしか聞けない事例を多数紹介しております。 ご興味のある方は以下のバナーよりお申込みください。 ■関連するセミナーのご案内 製造業の基幹システムリニューアル&再構築戦略! セミナー詳細・申込はこちらから↓↓↓ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/118725 製造業の基幹システムリニューアル&再構築戦略!

製造業における現場主導の業務改革を成功させるためには

2024.09.24

製造業における業務改善が求められる現代、現場の従業員が主体となった「現場主導」の改革が、企業の競争力を高める重要な要素として注目されています。 現場の知見を活かし、デジタルツールの導入や横展開を推進することで、業務の効率化や生産性向上が期待されています。 ここでは、現場主導の業務改革を成功させるための具体的なポイントについて解説します。 1.現場主導の重要性 製造業の現場は、製品の生産や品質管理など、企業の根幹を支える部分です。 そのため、現場で日々作業を行う従業員こそが業務改善の「主役」であるべきです。 彼らは日常の業務の中で発見した課題や改善策を直接実践することで、業務の効率を劇的に向上させる力を持っています。 しかし、そもそも業務改革のプロジェクト自体は経営陣から打ち出されるものであるため、現場からの反発を招くことが多く見受けられ、「そんなに簡単なものじゃない」と仰るでしょう。 本コラムでは現場主導の業務改革を行うために経営陣は何をすべきなのか、ご紹介します。 2.デジタル技術の活用 まず現代の製造業では、デジタルトランスフォーメーション (DX) の推進が不可欠です。 IoTやAIを活用することで、従業員が業務の中で蓄積するデータをリアルタイムで可視化し、効率的な意思決定を行うことが可能になります。 現場の作業内容や機械の稼働データを分析し、問題が発生する前に対応策を講じることができれば、ダウンタイムを最小限に抑え、生産性を向上させることができます。 特に現場データの活用は、工場内での改善活動を支援し、企業全体のパフォーマンス向上にも寄与します。 このようなデータ駆動型の改善は、IoTやAIといった技術の進展により、ますます精度が高まり、持続的な改善活動が行えるようになっています。 ただ、ツールを導入することがDXではありません。 経済産業省の「DX推進ガイドラインVer1.0」では、DXを「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズをもとに、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化、風土を変革し、競争の優位性を確立すること。」と記しているように、データやシステムを利用したうえで改革を行うことが必須です。 3.経営陣が行うべきこと 業務改革のプロジェクトを行う上で、経営陣はこれらのポイントを抑えることが重要になります。 ビジョンの提示と共有 全社員に改革の目的と具体的な目標を明確に示し、企業全体が同じ方向に向かって進めるようにする。 現場との連携 現場の意見やニーズを理解し、従業員が自発的に改革に参加できる環境を整える。 リソースの提供 必要な技術やツール、教育を提供し、現場主導の改革が効果的に実行されるようサポートする。 文化の醸成 PDCAサイクルの活用や改善文化を推進し、失敗を恐れずチャレンジできる環境を作る。 4.まとめ 本コラムでは製造業が現場主導で業務改革を行うポイントを解説いたしました。 では、具体的にどんな成功事例があるのか?どんな手法があるのか?詳細は船井総研が主催するセミナーで詳しく解説いたします。 ご興味のある方はぜひ下記セミナーにお申込みください。 ■関連するセミナーのご案内 AI活用のための「工場改革徹底解説」セミナー セミナー詳細・申込はこちらから↓↓↓ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/120453 製造業における業務改善が求められる現代、現場の従業員が主体となった「現場主導」の改革が、企業の競争力を高める重要な要素として注目されています。 現場の知見を活かし、デジタルツールの導入や横展開を推進することで、業務の効率化や生産性向上が期待されています。 ここでは、現場主導の業務改革を成功させるための具体的なポイントについて解説します。 1.現場主導の重要性 製造業の現場は、製品の生産や品質管理など、企業の根幹を支える部分です。 そのため、現場で日々作業を行う従業員こそが業務改善の「主役」であるべきです。 彼らは日常の業務の中で発見した課題や改善策を直接実践することで、業務の効率を劇的に向上させる力を持っています。 しかし、そもそも業務改革のプロジェクト自体は経営陣から打ち出されるものであるため、現場からの反発を招くことが多く見受けられ、「そんなに簡単なものじゃない」と仰るでしょう。 本コラムでは現場主導の業務改革を行うために経営陣は何をすべきなのか、ご紹介します。 2.デジタル技術の活用 まず現代の製造業では、デジタルトランスフォーメーション (DX) の推進が不可欠です。 IoTやAIを活用することで、従業員が業務の中で蓄積するデータをリアルタイムで可視化し、効率的な意思決定を行うことが可能になります。 現場の作業内容や機械の稼働データを分析し、問題が発生する前に対応策を講じることができれば、ダウンタイムを最小限に抑え、生産性を向上させることができます。 特に現場データの活用は、工場内での改善活動を支援し、企業全体のパフォーマンス向上にも寄与します。 このようなデータ駆動型の改善は、IoTやAIといった技術の進展により、ますます精度が高まり、持続的な改善活動が行えるようになっています。 ただ、ツールを導入することがDXではありません。 経済産業省の「DX推進ガイドラインVer1.0」では、DXを「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズをもとに、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化、風土を変革し、競争の優位性を確立すること。」と記しているように、データやシステムを利用したうえで改革を行うことが必須です。 3.経営陣が行うべきこと 業務改革のプロジェクトを行う上で、経営陣はこれらのポイントを抑えることが重要になります。 ビジョンの提示と共有 全社員に改革の目的と具体的な目標を明確に示し、企業全体が同じ方向に向かって進めるようにする。 現場との連携 現場の意見やニーズを理解し、従業員が自発的に改革に参加できる環境を整える。 リソースの提供 必要な技術やツール、教育を提供し、現場主導の改革が効果的に実行されるようサポートする。 文化の醸成 PDCAサイクルの活用や改善文化を推進し、失敗を恐れずチャレンジできる環境を作る。 4.まとめ 本コラムでは製造業が現場主導で業務改革を行うポイントを解説いたしました。 では、具体的にどんな成功事例があるのか?どんな手法があるのか?詳細は船井総研が主催するセミナーで詳しく解説いたします。 ご興味のある方はぜひ下記セミナーにお申込みください。 ■関連するセミナーのご案内 AI活用のための「工場改革徹底解説」セミナー セミナー詳細・申込はこちらから↓↓↓ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/120453

熊谷 俊作

デンソーウェーブ流・組立作業の自動化手法!

2024.09.11

いつもご愛読いただきありがとうございます。 今回は、デンソーウェーブでおこなっている組み立て工程の自動化事例についてご紹介いたします。 自社の組み立て工程において自動化を検討している方は、是非ご覧ください。 1.デンソーウェーブ流・自動化/ものづくりの思想 ロボット・IoTを導入すれば、どの企業でも生産性が上がって省人化ができるのでしょうか?答えは「No」です。どこまでいっても、現場を強くするのは、「人」。ロボットや設備をただ導入しても、生産性はあがりません。前後工程の流れを整え、動作や手待ちなどのあらゆるムダを省き、日々改善していく。工程全体を俯瞰した視点が、生産性向上には不可欠です。また、環境の変化や急なトラブルに柔軟に対応できる「人」こそが、 強い現場をつくるといえます。 また、近年の自動化の動向として「Lean Automation」が挙げられます。 以下に模式図を示します。 Lean Automationは、合理化・自動化・改善の3つのステップにわけることができます。 ①合理化:現場作業のムダをなくすステップ。現状をそのまま自動化するとムダも含めて自動化してしまうため、まずは自動化の前に人作業のムダを徹底排除する。 ②自動化:人手作業を自動化するステップ。 ③改善:導入効果を最大限高めるための改善をおこなうステップ。機械だけでなく人の能力も活かした改善によって、人と機械が共に成長し続ける、現場の進化に取り組みむ。 自動化といっても、その導入効果を最大化させるためには、「人」の出せる能力・価値を最大限引き出していくことが重要です。 2.デンソーウェーブ工場でも活用されている協働ロボット活用事例 今回は、10月に行われる組立工程自動化セミナーでご紹介する事例を一部抜粋してご紹介いたします。 本事例は、ICカードリーダー製造における組立・検査工程を自動化した事例です。 詳しくはセミナーにてご紹介しますが、本事例は以下のようなさまざまな工夫がこらされている事例です。 ロボットの周囲にさまざまなハンドを置き、適宜付け替えをおこなうことでロボットを“多能工化“ 動力なしで協働ロボットを移動させ、動作範囲を拡大 (可動式の台に協働ロボットを設置して実現) レゴブロックで治具を代用し、設備設計工数を大幅に削減 ロボット本体の能力ももちろん重要ですが、それ以上に“前工程からの作りこみ・工夫による設備価格の低減”で人作業を自働化する事に成功しています。 3.さいごに いかがでしたでしょうか? 組み立て工程における自動化事例がもっと知りたい! デンソーウェーブにおける自動化取り組み事例、COBOTTA活用事例がもっと知りたい! と感じた方は、以下のセミナーをご受講ください。ゲストに株式会社デンソーウェーブ 山崎氏をお招きしており、さまざまな自動化事例を短時間でインプットすることができます。 以上となります。最後までお読みいただきありがとうございました。 ■関連するセミナーのご案内 多品種少量生産製造業のための組立・組付け工程の自動化セミナー セミナー詳細・申込はこちらから↓↓↓ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/117937 いつもご愛読いただきありがとうございます。 今回は、デンソーウェーブでおこなっている組み立て工程の自動化事例についてご紹介いたします。 自社の組み立て工程において自動化を検討している方は、是非ご覧ください。 1.デンソーウェーブ流・自動化/ものづくりの思想 ロボット・IoTを導入すれば、どの企業でも生産性が上がって省人化ができるのでしょうか?答えは「No」です。どこまでいっても、現場を強くするのは、「人」。ロボットや設備をただ導入しても、生産性はあがりません。前後工程の流れを整え、動作や手待ちなどのあらゆるムダを省き、日々改善していく。工程全体を俯瞰した視点が、生産性向上には不可欠です。また、環境の変化や急なトラブルに柔軟に対応できる「人」こそが、 強い現場をつくるといえます。 また、近年の自動化の動向として「Lean Automation」が挙げられます。 以下に模式図を示します。 Lean Automationは、合理化・自動化・改善の3つのステップにわけることができます。 ①合理化:現場作業のムダをなくすステップ。現状をそのまま自動化するとムダも含めて自動化してしまうため、まずは自動化の前に人作業のムダを徹底排除する。 ②自動化:人手作業を自動化するステップ。 ③改善:導入効果を最大限高めるための改善をおこなうステップ。機械だけでなく人の能力も活かした改善によって、人と機械が共に成長し続ける、現場の進化に取り組みむ。 自動化といっても、その導入効果を最大化させるためには、「人」の出せる能力・価値を最大限引き出していくことが重要です。 2.デンソーウェーブ工場でも活用されている協働ロボット活用事例 今回は、10月に行われる組立工程自動化セミナーでご紹介する事例を一部抜粋してご紹介いたします。 本事例は、ICカードリーダー製造における組立・検査工程を自動化した事例です。 詳しくはセミナーにてご紹介しますが、本事例は以下のようなさまざまな工夫がこらされている事例です。 ロボットの周囲にさまざまなハンドを置き、適宜付け替えをおこなうことでロボットを“多能工化“ 動力なしで協働ロボットを移動させ、動作範囲を拡大 (可動式の台に協働ロボットを設置して実現) レゴブロックで治具を代用し、設備設計工数を大幅に削減 ロボット本体の能力ももちろん重要ですが、それ以上に“前工程からの作りこみ・工夫による設備価格の低減”で人作業を自働化する事に成功しています。 3.さいごに いかがでしたでしょうか? 組み立て工程における自動化事例がもっと知りたい! デンソーウェーブにおける自動化取り組み事例、COBOTTA活用事例がもっと知りたい! と感じた方は、以下のセミナーをご受講ください。ゲストに株式会社デンソーウェーブ 山崎氏をお招きしており、さまざまな自動化事例を短時間でインプットすることができます。 以上となります。最後までお読みいただきありがとうございました。 ■関連するセミナーのご案内 多品種少量生産製造業のための組立・組付け工程の自動化セミナー セミナー詳細・申込はこちらから↓↓↓ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/117937

徳竹 勇兵

【全業種向け】介護福祉、シニア系の新規事業を始めるなら“コレだ!”

2024.09.10

いつもコラムをお読みいただきありがとうございます。 本コラムのタイトルについて、急速に高齢化が進む日本において介護福祉・シニア業界が成長していくのは皆様も想像に難くないと思います。 同時に、新規事業として考えた時に、どのサービスが良いのかとお悩みになる経営者様も多いのではないでしょうか。 結論を申し上げると、”訪問看護”が介護・福祉、シニア業界の中では今一番伸び盛りな業態です。 市場規模や利用者が増えていることは勿論ですが、厚生労働省の資料によれば訪問看護は2022年から2023年の1年間で ・14,304件➡15,697 件と約1,400件増加 ※全介護サービスの中で最も増えている業態 と事業所数が急激に増加しており、今伸び盛りの業態と言えるでしょう。 なぜそのようなことが起こっているのか。 その理由として挙げられるのが、「国が、在宅での医療を推し進めている」いうことです。 社会保障費が国の財政を圧迫していることを背景に「できれば病院・老人ホームより自宅で生活する」ことが推奨されているため、その環境に1番ハマるサービスが他でもない訪問看護なのです。 そのため、訪問看護は3年に1回行われる法改正でも優遇されており報酬単価が増加傾向です。 また、訪問看護が増加している他の理由として ①1,000万円以下の低投資で始められる ➡介護施設のように、施設を新規開設する必要なし。 既存のオフィスの空き部屋でも開設可能のため投資を抑えることが出来ます。 ②1等地に事業所を構える必要性はなし ➡介護施設のように一等地に店舗を構える必要はありません。 駅から離れた住宅街に事業所を構えても集客面では決してマイナスに働きません。 ③高単価かつ、利用者層は成人~高齢者まで幅広い! ➡国の定める報酬単価が増えているだけでなく、利用者は高齢者だけに留まらず近年は30~50代といった現役世代(うつ病等の精神疾患を抱える方)の利用も拡大しております。 等、様々な特徴があります。 肝心の売上ですが、厚生労働省の調査データで以下のようなことがわかっています。 訪問看護の収入の全国平均・・・1か月あたり300万円これが毎月のストック収入の金額となります。 訪問看護の利用期間は、利用者の年齢や疾患によって異なりますが、厚労省の資料によれば ・高齢者で90日以上利用する方が、全体の55% ・成人(精神疾患患者)で90日以上利用する方が、全体の70% という状態です。 特に、成人で言えば、ご逝去で契約解除ということがほぼないので、利用期間が3年〜4年になるケースも決して目づらしくありません。 一度契約いただいたらそう簡単に解約されることはなく、毎月安定した収益が入ってくる点は、キャッシュフローの安定に繋がるのではないでしょうか。 このコラムを読み、「ちょっと気になる」訪問看護事業単体で年商1億円を達成されている方をお招きしたセミナーを開催いたしますのでぜひご参加ください。 セミナータイトルは”精神科”とついておりますが、対高齢者向けの訪問看護を検討しているという方も、保険制度をめた収益性や開設までの詳しい流れをご説明いたしますので、お申込みいただければと思います。 ■関連するセミナーのご案内 【全業種向け】訪問看護新規開設セミナーのご案内 https://www.funaisoken.co.jp/seminar/119010 【開催日時】 ※※全日程オンライン開催 2024/09/30 (月) 13:00~16:00 2024/10/01 (火) 13:00~16:00 2024/10/17 (木) 13:00~16:00 2024/10/18 (金) 13:00~16:00 お申し込みはこちらから⇒ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/119010 いつもコラムをお読みいただきありがとうございます。 本コラムのタイトルについて、急速に高齢化が進む日本において介護福祉・シニア業界が成長していくのは皆様も想像に難くないと思います。 同時に、新規事業として考えた時に、どのサービスが良いのかとお悩みになる経営者様も多いのではないでしょうか。 結論を申し上げると、”訪問看護”が介護・福祉、シニア業界の中では今一番伸び盛りな業態です。 市場規模や利用者が増えていることは勿論ですが、厚生労働省の資料によれば訪問看護は2022年から2023年の1年間で ・14,304件➡15,697 件と約1,400件増加 ※全介護サービスの中で最も増えている業態 と事業所数が急激に増加しており、今伸び盛りの業態と言えるでしょう。 なぜそのようなことが起こっているのか。 その理由として挙げられるのが、「国が、在宅での医療を推し進めている」いうことです。 社会保障費が国の財政を圧迫していることを背景に「できれば病院・老人ホームより自宅で生活する」ことが推奨されているため、その環境に1番ハマるサービスが他でもない訪問看護なのです。 そのため、訪問看護は3年に1回行われる法改正でも優遇されており報酬単価が増加傾向です。 また、訪問看護が増加している他の理由として ①1,000万円以下の低投資で始められる ➡介護施設のように、施設を新規開設する必要なし。 既存のオフィスの空き部屋でも開設可能のため投資を抑えることが出来ます。 ②1等地に事業所を構える必要性はなし ➡介護施設のように一等地に店舗を構える必要はありません。 駅から離れた住宅街に事業所を構えても集客面では決してマイナスに働きません。 ③高単価かつ、利用者層は成人~高齢者まで幅広い! ➡国の定める報酬単価が増えているだけでなく、利用者は高齢者だけに留まらず近年は30~50代といった現役世代(うつ病等の精神疾患を抱える方)の利用も拡大しております。 等、様々な特徴があります。 肝心の売上ですが、厚生労働省の調査データで以下のようなことがわかっています。 訪問看護の収入の全国平均・・・1か月あたり300万円これが毎月のストック収入の金額となります。 訪問看護の利用期間は、利用者の年齢や疾患によって異なりますが、厚労省の資料によれば ・高齢者で90日以上利用する方が、全体の55% ・成人(精神疾患患者)で90日以上利用する方が、全体の70% という状態です。 特に、成人で言えば、ご逝去で契約解除ということがほぼないので、利用期間が3年〜4年になるケースも決して目づらしくありません。 一度契約いただいたらそう簡単に解約されることはなく、毎月安定した収益が入ってくる点は、キャッシュフローの安定に繋がるのではないでしょうか。 このコラムを読み、「ちょっと気になる」訪問看護事業単体で年商1億円を達成されている方をお招きしたセミナーを開催いたしますのでぜひご参加ください。 セミナータイトルは”精神科”とついておりますが、対高齢者向けの訪問看護を検討しているという方も、保険制度をめた収益性や開設までの詳しい流れをご説明いたしますので、お申込みいただければと思います。 ■関連するセミナーのご案内 【全業種向け】訪問看護新規開設セミナーのご案内 https://www.funaisoken.co.jp/seminar/119010 【開催日時】 ※※全日程オンライン開催 2024/09/30 (月) 13:00~16:00 2024/10/01 (火) 13:00~16:00 2024/10/17 (木) 13:00~16:00 2024/10/18 (金) 13:00~16:00 お申し込みはこちらから⇒ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/119010

【全業種向け】介護福祉、シニア系の新規事業を始めるなら“コレだ!”

2024.09.10

いつもコラムをお読みいただきありがとうございます。 初めまして。 船井総合研究所の家徳です。 専門は介護・福祉事業で、本コラムの読者の皆さまの本業とは異なる事は存じておりますが、皆さまにどうしてもお読みいただきたくコラムの投稿をさせていただきます。 本日は、介護・福祉業界最大の成長市場かつ異業種からの参入事例が多い”訪問看護”について、市場性や今後の動向、事業成功のポイントをご紹介いたします。 「介護・福祉業界に参入したい」、「社会性の高い事業をやりたい」そんな思いをお持ちの方は是非ご覧いただきたい内容となっております。 1.1,000万円以下の低投資で始められる 訪問看護は、看護師がご利用者様のご自宅にお伺いして、医療処置等を実施するサービスですが、医療法人でなくてもスタートでき特別な資格や経験が不要です。 また介護施設のように一等地に店舗を構える必要がありません。 駅から離れた住宅街に事務所を構えても集客面ではマイナスに働きません。 住宅街に点在する、「居宅介護支援事業所」、「病院」、「相談支援事業所」に適切な営業アプローチをかければ、利用者が集まります。 2.高単価かつ、利用者層は成人~高齢者まで幅広い! 「社会性が高い・低投資で始められる」時流に乗ったサービスが訪問看護であると言えます。 なぜ""看護""がいいかというと売上の単価が""介護""の2倍だからです。 (高齢者の自宅に行く""訪問サービス""での比較)さらに国の方針でも、訪問看護事業所は優遇されています。 また、訪問看護と聞いて高齢者だけが利用するサービスというイメージが強いとは思いますが、近年は30~50代といった現役世代の利用も拡大しております。 現役世代についても、うつ病等の精神疾患を抱える方の生活を支えるニーズが高まっており、訪問看護ステーションの中には、現役世代に特化した訪問看護ステーションもあるほどです。 業界動向を国の社会保障費の観点からお伝えすると「できれば介護施設や病院より自宅で生活する」ことが推奨されています。 これらの環境にはまる1番のサービスが訪問看護なのです。 肝心の売上ですが、厚生労働省の調査データで以下のようなことがわかっています。 訪問看護の収入の全国平均・・・1か月あたり300万円これが毎月のストック収入の金額となります。 訪問看護の利用期間は、利用者の年齢や疾患によって異なりますが、厚労省の資料によれば ・高齢者で90日以上利用する方が、全体の55% ・成人(精神疾患患者)で90日以上利用する方が、全体の70% という状態です。 特に、成人で言えば、ご逝去で契約解除ということがほぼないので、利用期間が3年〜4年になるケースも決して目づらしくありません。 一度契約いただいたらそう簡単に解約されることはなく、毎月安定した収益が入ってくる点は、キャッシュフローの安定に繋がるのではないでしょうか。 病院と在宅の溝を埋めるサービスとして注目を集める訪問看護。 3年に1回行われる法改正でも優遇されており、この10年間、年間1,000件近いペースで増加を続け、昨年は年間1,600件増加しています。 まだまだ伸び続ける中で、参入のチャンスは今です。 今なら先行者利益を得ることができます。 このコラムを読み、「ちょっと気になる」という方はぜひ船井総合研究所主催のセミナーへご参加ください。 セミナータイトルは”精神科”とついておりますが、対高齢者向けの訪問看護を検討しているという方も、保険制度を含めた収益性や開設までの詳しい流れをご説明いたしますので、お申込みいただければと思います。 8月から10月にかけて開催しておりますのでご都合に合わせてお申込みいただければ幸いです。 ■関連するセミナーのご案内 【全業種向け】訪問看護新規開設セミナーのご案内 https://www.funaisoken.co.jp/seminar/119010 【開催日時】 ※全日程オンライン開催 2024/09/30 (月) 13:00~16:00 2024/10/01 (火) 13:00~16:00 2024/10/17 (木) 13:00~16:00 2024/10/18 (金) 13:00~16:00 お申し込みはこちらから⇒ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/119010 いつもコラムをお読みいただきありがとうございます。 初めまして。 船井総合研究所の家徳です。 専門は介護・福祉事業で、本コラムの読者の皆さまの本業とは異なる事は存じておりますが、皆さまにどうしてもお読みいただきたくコラムの投稿をさせていただきます。 本日は、介護・福祉業界最大の成長市場かつ異業種からの参入事例が多い”訪問看護”について、市場性や今後の動向、事業成功のポイントをご紹介いたします。 「介護・福祉業界に参入したい」、「社会性の高い事業をやりたい」そんな思いをお持ちの方は是非ご覧いただきたい内容となっております。 1.1,000万円以下の低投資で始められる 訪問看護は、看護師がご利用者様のご自宅にお伺いして、医療処置等を実施するサービスですが、医療法人でなくてもスタートでき特別な資格や経験が不要です。 また介護施設のように一等地に店舗を構える必要がありません。 駅から離れた住宅街に事務所を構えても集客面ではマイナスに働きません。 住宅街に点在する、「居宅介護支援事業所」、「病院」、「相談支援事業所」に適切な営業アプローチをかければ、利用者が集まります。 2.高単価かつ、利用者層は成人~高齢者まで幅広い! 「社会性が高い・低投資で始められる」時流に乗ったサービスが訪問看護であると言えます。 なぜ""看護""がいいかというと売上の単価が""介護""の2倍だからです。 (高齢者の自宅に行く""訪問サービス""での比較)さらに国の方針でも、訪問看護事業所は優遇されています。 また、訪問看護と聞いて高齢者だけが利用するサービスというイメージが強いとは思いますが、近年は30~50代といった現役世代の利用も拡大しております。 現役世代についても、うつ病等の精神疾患を抱える方の生活を支えるニーズが高まっており、訪問看護ステーションの中には、現役世代に特化した訪問看護ステーションもあるほどです。 業界動向を国の社会保障費の観点からお伝えすると「できれば介護施設や病院より自宅で生活する」ことが推奨されています。 これらの環境にはまる1番のサービスが訪問看護なのです。 肝心の売上ですが、厚生労働省の調査データで以下のようなことがわかっています。 訪問看護の収入の全国平均・・・1か月あたり300万円これが毎月のストック収入の金額となります。 訪問看護の利用期間は、利用者の年齢や疾患によって異なりますが、厚労省の資料によれば ・高齢者で90日以上利用する方が、全体の55% ・成人(精神疾患患者)で90日以上利用する方が、全体の70% という状態です。 特に、成人で言えば、ご逝去で契約解除ということがほぼないので、利用期間が3年〜4年になるケースも決して目づらしくありません。 一度契約いただいたらそう簡単に解約されることはなく、毎月安定した収益が入ってくる点は、キャッシュフローの安定に繋がるのではないでしょうか。 病院と在宅の溝を埋めるサービスとして注目を集める訪問看護。 3年に1回行われる法改正でも優遇されており、この10年間、年間1,000件近いペースで増加を続け、昨年は年間1,600件増加しています。 まだまだ伸び続ける中で、参入のチャンスは今です。 今なら先行者利益を得ることができます。 このコラムを読み、「ちょっと気になる」という方はぜひ船井総合研究所主催のセミナーへご参加ください。 セミナータイトルは”精神科”とついておりますが、対高齢者向けの訪問看護を検討しているという方も、保険制度を含めた収益性や開設までの詳しい流れをご説明いたしますので、お申込みいただければと思います。 8月から10月にかけて開催しておりますのでご都合に合わせてお申込みいただければ幸いです。 ■関連するセミナーのご案内 【全業種向け】訪問看護新規開設セミナーのご案内 https://www.funaisoken.co.jp/seminar/119010 【開催日時】 ※全日程オンライン開催 2024/09/30 (月) 13:00~16:00 2024/10/01 (火) 13:00~16:00 2024/10/17 (木) 13:00~16:00 2024/10/18 (金) 13:00~16:00 お申し込みはこちらから⇒ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/119010

脱Excelはなぜ必要か?代替方法や成功事例についてわかりやすく解説!

2024.09.10

1.脱Excelとは? 長らく多くの企業はExcelを用いてデータをまとめてきました。DXが叫ばれる昨今ではこのExcelが大量に散らばっている現状を正そうという活動が活発になってきています。 そういった活動の中で叫ばれる「脱Excel」とは、これまで多くの企業が業務管理やデータ分析に使ってきたExcelから、より効率的で安全性の高いツールやシステムに移行することを指しています。特に、大量のデータ処理や複雑な計算を必要とする業務においては、Excelの限界が顕著になります。 Excelは、複数人で同時に編集する場合、バージョン管理や編集権限の設定が煩雑になりがちです。Webベースのツールに移行することで、複数人での同時編集やリアルタイムでの情報共有が容易になり、業務効率化に繋がります。 2.企業のExcel活用状況 多くの企業がExcelを主な業務ツールとして使用しており、その多様な用途は計り知れません。以下のグラフは、企業がExcelをどの業務にどの程度活用しているかを示しています。 参考)キーマンズネット【Excelの利用状況(2022年)】 このグラフからもわかるように、Excelはデータ入力から分析、報告書作成まで幅広く利用されています。しかし、それぞれの業務で抱える問題点も多く存在しています。 3.脱Excelのメリットとは? 3-1.脱Excelのメリット①:効率化と自動化 Excelは手作業で入力されることが多く、人為的なミスが発生しやすいです。また、Excelの各テーブルに記載されている情報は基本的にファイルごとに分断されているため、手作業での転記作業などが多くの会社で起こっている現状があります。 マクロを組むことなどで効率化を進めることは可能ですが、その技術を持つ人間が退職してしまった結果“野良システム”化してしまっている会社は後を断ちません。 専用ツールやシステムに移行することで、データ入力や分析が自動化され、業務効率が向上します。 ExcelのマクロやVBAは、高度な知識が必要で、作成やメンテナンスに手間がかかります。また、Excelのバージョンが変わると、正常に動作しなくなるリスクもあります。 3-2.脱Excelのメリット②:データの一貫性と整合性 複数のExcelファイルを使うと、データの重複や不一致が発生しやすくなります。一つの入力に対して複数のExcelを抜け漏れなく更新する必要が生じます。こういった二重三重入力を排し、一元化されたデータベース利用に移行することで、データの一貫性と整合性を保つことができます。 さらに、部署やチーム間でExcelファイルが乱立すると、データの整合性が取れなくなり、情報共有の妨げになる可能性があります。 3-3.脱Excelのメリット③:セキュリティの向上 Excelファイルはパスワード保護が簡単に破られることがあります。その点、専用システムやクラウドサービスはより高度なセキュリティ対策を講じているため、セキュリティを担保したうえで業務を進めることが可能となります。また、Excelファイルは、メールに添付して送付することが多いため、外部に情報が漏洩するリスクも高くなります。 4.脱Excelした方が良い業務 では、どのような業務を脱Excelすべきなのでしょうか。まずは、Excelを活用した方が良い業務を紹介します。 4-1.Excelを活用した方が良い業務 とはいえ、Excelがダメなツールと言うわけではありません。Excelというのはあくまでツールです。得意不得意があり、その特徴に合わせて利用をする必要があります。 例えば、 小規模なデータ分析 簡単な報告書作成 一時的なデータ管理 こういった業務を行うのであればExcelでも十分な内容と言えます。Excelは、簡単な表計算やグラフ作成、データの可視化などに適しています。 4-2.脱Excelした方が良い業務 一方で、Excelに適していない業務というは主に以下のようなものを指します。 大規模なデータ処理 複雑な計算や分析 データの一元管理や共有が必要な業務 以上のように大量なデータを用いた分析や、複数のテーブル間をつなぐような複雑な連携、共有が必要となる業務に関してはExcelは適していないため、それに見合うツールの選定を行う必要があります。例えば、顧客管理、売上管理、在庫管理など、データ量が多く、複数人で共有する必要がある業務は、Excelよりもデータベース型のシステムの方が適しています。 5.Excelからの代替方法 前述の通り、Excelはそれぞれがひとつのデータベースのようなものであり、複数のExcelからデータを拾い集めたり、莫大な数のデータをまとめて分析するといったことには不向きなソフトと言えます。 ポイントとなるのはデータの保存されたテーブルがそれぞれ分断されていて、それぞれの項目が連動していないという点です。連動させるためには複数のファイルをまたいだ数式を設定する必要があり、こういった数式が多くなればなるほど動作は重くなります。 そこで、1つのデータベースに情報をまとめてしまおうという考えが浮かんできます。 5-1.ノーコード・ローコードツールを用いたデータベース化 代替方法のひとつ目としては、KINTONEなどのノーコード・ローコードツール(プログラミングの必要なく業務アプリの作成が可能なツール)を用いて1つのデータベースを作ってしまうという事です。従来Excelファイルをまたいでのデータ連携が必要だったものを、一つのアプリで全て保持させるという方法です。これによって、比較的容易にデータの一元管理が可能となります。ノーコード・ローコードツールは、直感的な操作でデータベースを構築できるため、ITの専門知識がなくても、比較的簡単にシステム化できます。 5-2.業務特化型のシステムを用いたデータ一元管理 基幹システムのようにモノとお金についてのデータを全て1つのシステムで管理してしまおうという業務システムを利用することで、Exccelを用いて別々に管理台帳を作る必要はなくなります。 全てのデータは1つのシステムに入っており、それぞれが連動した状態になりますので、従来行うべきExcelの調整業務などは必要なくなります。業務特化型のシステムは、各業務に最適化された機能を備えているため、業務効率化やコスト削減に効果的です。 5-3.BIのような作表自動化、可視化簡易化ツール 上記のようなシステムを用いた場合、Excelの連動性を欠く、大量のデータを扱うのは苦手といった欠点は解決できますが、分析の簡易化という点がまだ解決できていません。 こういった課題を解決するために有用なのがBIというツールです。BIは特定のデータをどのような形で可視化したいかを自分で設定することで、以降の作表は自動化する事が出来るようになります。 例えば月間の業績資料を作成するとなると、今までは複数のExcelから必要なデータを集めて別のExcelに集約し、グラフ作成をして分析資料を作成していました。 これは毎月同じような作業を必要とし、Excel職人と言われるような従業員が対処してきた作業の一つです。 こういった業務がBIツールを用いることによって自動化し、より早くデータを可視化出来、状況に応じた判断を行うことが出来るようになります。BIツールは、データの分析や可視化に特化しており、Excelよりも高度な分析やレポート作成が可能です。 6.製造業における脱Excel成功事例2選 6-1.成功事例①:X社「データ管理を一元化し作業時間を40%削減」 X社では、基幹システム導入によって、データの一元管理を実現し、業務効率化に成功しました。 X社では、Excel中心の業務を推進してきました。 受注情報、請求情報、出荷情報、在庫情報全てが別々のExcelを用いて管理されており、1つのデータが入力されると複数のExcelを更新しなくてはならないような、二重三重入力が多く起こっていました。 全社を調査した結果、こういったExcel更新業務は非常に多くの時間がかかっていることが判明したため、基幹システムを導入し脱Excelを目指しました。 バックヤード業務での二重三重入力の削減に加え、在庫管理の際の業務や日報業務も効率化する事で、導入後1年で年間600時間かかっていた各種業務が360時間でできるようになり、工数を40%削減することが出来ました。 6-2.成功事例②:Y社「業績資料作成時間が15日から3日に」 Y社では、BIツールを導入することで、業績資料の作成時間を大幅に短縮し、経営判断のスピードを向上させました。 Y社では、基幹システムこそ導入していましたが、様々なExcelで管理されている指標を経理部が集計し、その月の月間業績資料を作成することに非常に時間がかかっていました。 月末に締め処理を行ってから、当月の業績資料ができあがるのが15営業日くらいということで、ほぼ1月遅れくらいでないと業績を振り返ることが出来ていないという状況でした。 これは基幹システムで保持されたデータを経理システムに合う形にデータをExcel上で修正し、修正が終わったら手作業で集計するという非常に時間のかかる進め方をしていたためです。 このやり方はヒューマンエラーも非常に起こりやすく、一度出た業績資料も経理の資料と合致しないため作り直すなど、非常に煩雑な業務となっていました。 そこで、基幹システムの見直しと共にBIの導入を行う事としました。 いままでは様々なExcelから必要データを加工したうえで業績資料が作成されていましたが、BIによる作表の自動化を行ったことで速報ベースの業績資料は締め日翌日には確認できるようになり、正確な業績資料は締め日から3営業日で確認できるようになりました。 7.まとめ Excelは非常に便利なツールではありますが、活用の規模が大きくなればなるほどデメリットが大きくなる特徴のあるツールです。二重三重入力や類似した帳票の更新、データをまとめて手作業で加工しての分析資料作りなど煩雑な業務が多くの企業で生じてしまっています。 恐ろしいのはこういった課題と言うのは現場で“こういうものだ”と認識されてしまうと中々表面化しないという点です。 脱Excelは、業務効率の向上やデータの一貫性、セキュリティの強化など多くのメリットをもたらします。 今回ご紹介した具体的な代替方法や成功事例などを参考に、自社に適したプランをご検討いただけますと幸いです。 ▼レポート無料ダウンロード お申し込みはこちら▼ 1.脱Excelとは? 長らく多くの企業はExcelを用いてデータをまとめてきました。DXが叫ばれる昨今ではこのExcelが大量に散らばっている現状を正そうという活動が活発になってきています。 そういった活動の中で叫ばれる「脱Excel」とは、これまで多くの企業が業務管理やデータ分析に使ってきたExcelから、より効率的で安全性の高いツールやシステムに移行することを指しています。特に、大量のデータ処理や複雑な計算を必要とする業務においては、Excelの限界が顕著になります。 Excelは、複数人で同時に編集する場合、バージョン管理や編集権限の設定が煩雑になりがちです。Webベースのツールに移行することで、複数人での同時編集やリアルタイムでの情報共有が容易になり、業務効率化に繋がります。 2.企業のExcel活用状況 多くの企業がExcelを主な業務ツールとして使用しており、その多様な用途は計り知れません。以下のグラフは、企業がExcelをどの業務にどの程度活用しているかを示しています。 参考)キーマンズネット【Excelの利用状況(2022年)】 このグラフからもわかるように、Excelはデータ入力から分析、報告書作成まで幅広く利用されています。しかし、それぞれの業務で抱える問題点も多く存在しています。 3.脱Excelのメリットとは? 3-1.脱Excelのメリット①:効率化と自動化 Excelは手作業で入力されることが多く、人為的なミスが発生しやすいです。また、Excelの各テーブルに記載されている情報は基本的にファイルごとに分断されているため、手作業での転記作業などが多くの会社で起こっている現状があります。 マクロを組むことなどで効率化を進めることは可能ですが、その技術を持つ人間が退職してしまった結果“野良システム”化してしまっている会社は後を断ちません。 専用ツールやシステムに移行することで、データ入力や分析が自動化され、業務効率が向上します。 ExcelのマクロやVBAは、高度な知識が必要で、作成やメンテナンスに手間がかかります。また、Excelのバージョンが変わると、正常に動作しなくなるリスクもあります。 3-2.脱Excelのメリット②:データの一貫性と整合性 複数のExcelファイルを使うと、データの重複や不一致が発生しやすくなります。一つの入力に対して複数のExcelを抜け漏れなく更新する必要が生じます。こういった二重三重入力を排し、一元化されたデータベース利用に移行することで、データの一貫性と整合性を保つことができます。 さらに、部署やチーム間でExcelファイルが乱立すると、データの整合性が取れなくなり、情報共有の妨げになる可能性があります。 3-3.脱Excelのメリット③:セキュリティの向上 Excelファイルはパスワード保護が簡単に破られることがあります。その点、専用システムやクラウドサービスはより高度なセキュリティ対策を講じているため、セキュリティを担保したうえで業務を進めることが可能となります。また、Excelファイルは、メールに添付して送付することが多いため、外部に情報が漏洩するリスクも高くなります。 4.脱Excelした方が良い業務 では、どのような業務を脱Excelすべきなのでしょうか。まずは、Excelを活用した方が良い業務を紹介します。 4-1.Excelを活用した方が良い業務 とはいえ、Excelがダメなツールと言うわけではありません。Excelというのはあくまでツールです。得意不得意があり、その特徴に合わせて利用をする必要があります。 例えば、 小規模なデータ分析 簡単な報告書作成 一時的なデータ管理 こういった業務を行うのであればExcelでも十分な内容と言えます。Excelは、簡単な表計算やグラフ作成、データの可視化などに適しています。 4-2.脱Excelした方が良い業務 一方で、Excelに適していない業務というは主に以下のようなものを指します。 大規模なデータ処理 複雑な計算や分析 データの一元管理や共有が必要な業務 以上のように大量なデータを用いた分析や、複数のテーブル間をつなぐような複雑な連携、共有が必要となる業務に関してはExcelは適していないため、それに見合うツールの選定を行う必要があります。例えば、顧客管理、売上管理、在庫管理など、データ量が多く、複数人で共有する必要がある業務は、Excelよりもデータベース型のシステムの方が適しています。 5.Excelからの代替方法 前述の通り、Excelはそれぞれがひとつのデータベースのようなものであり、複数のExcelからデータを拾い集めたり、莫大な数のデータをまとめて分析するといったことには不向きなソフトと言えます。 ポイントとなるのはデータの保存されたテーブルがそれぞれ分断されていて、それぞれの項目が連動していないという点です。連動させるためには複数のファイルをまたいだ数式を設定する必要があり、こういった数式が多くなればなるほど動作は重くなります。 そこで、1つのデータベースに情報をまとめてしまおうという考えが浮かんできます。 5-1.ノーコード・ローコードツールを用いたデータベース化 代替方法のひとつ目としては、KINTONEなどのノーコード・ローコードツール(プログラミングの必要なく業務アプリの作成が可能なツール)を用いて1つのデータベースを作ってしまうという事です。従来Excelファイルをまたいでのデータ連携が必要だったものを、一つのアプリで全て保持させるという方法です。これによって、比較的容易にデータの一元管理が可能となります。ノーコード・ローコードツールは、直感的な操作でデータベースを構築できるため、ITの専門知識がなくても、比較的簡単にシステム化できます。 5-2.業務特化型のシステムを用いたデータ一元管理 基幹システムのようにモノとお金についてのデータを全て1つのシステムで管理してしまおうという業務システムを利用することで、Exccelを用いて別々に管理台帳を作る必要はなくなります。 全てのデータは1つのシステムに入っており、それぞれが連動した状態になりますので、従来行うべきExcelの調整業務などは必要なくなります。業務特化型のシステムは、各業務に最適化された機能を備えているため、業務効率化やコスト削減に効果的です。 5-3.BIのような作表自動化、可視化簡易化ツール 上記のようなシステムを用いた場合、Excelの連動性を欠く、大量のデータを扱うのは苦手といった欠点は解決できますが、分析の簡易化という点がまだ解決できていません。 こういった課題を解決するために有用なのがBIというツールです。BIは特定のデータをどのような形で可視化したいかを自分で設定することで、以降の作表は自動化する事が出来るようになります。 例えば月間の業績資料を作成するとなると、今までは複数のExcelから必要なデータを集めて別のExcelに集約し、グラフ作成をして分析資料を作成していました。 これは毎月同じような作業を必要とし、Excel職人と言われるような従業員が対処してきた作業の一つです。 こういった業務がBIツールを用いることによって自動化し、より早くデータを可視化出来、状況に応じた判断を行うことが出来るようになります。BIツールは、データの分析や可視化に特化しており、Excelよりも高度な分析やレポート作成が可能です。 6.製造業における脱Excel成功事例2選 6-1.成功事例①:X社「データ管理を一元化し作業時間を40%削減」 X社では、基幹システム導入によって、データの一元管理を実現し、業務効率化に成功しました。 X社では、Excel中心の業務を推進してきました。 受注情報、請求情報、出荷情報、在庫情報全てが別々のExcelを用いて管理されており、1つのデータが入力されると複数のExcelを更新しなくてはならないような、二重三重入力が多く起こっていました。 全社を調査した結果、こういったExcel更新業務は非常に多くの時間がかかっていることが判明したため、基幹システムを導入し脱Excelを目指しました。 バックヤード業務での二重三重入力の削減に加え、在庫管理の際の業務や日報業務も効率化する事で、導入後1年で年間600時間かかっていた各種業務が360時間でできるようになり、工数を40%削減することが出来ました。 6-2.成功事例②:Y社「業績資料作成時間が15日から3日に」 Y社では、BIツールを導入することで、業績資料の作成時間を大幅に短縮し、経営判断のスピードを向上させました。 Y社では、基幹システムこそ導入していましたが、様々なExcelで管理されている指標を経理部が集計し、その月の月間業績資料を作成することに非常に時間がかかっていました。 月末に締め処理を行ってから、当月の業績資料ができあがるのが15営業日くらいということで、ほぼ1月遅れくらいでないと業績を振り返ることが出来ていないという状況でした。 これは基幹システムで保持されたデータを経理システムに合う形にデータをExcel上で修正し、修正が終わったら手作業で集計するという非常に時間のかかる進め方をしていたためです。 このやり方はヒューマンエラーも非常に起こりやすく、一度出た業績資料も経理の資料と合致しないため作り直すなど、非常に煩雑な業務となっていました。 そこで、基幹システムの見直しと共にBIの導入を行う事としました。 いままでは様々なExcelから必要データを加工したうえで業績資料が作成されていましたが、BIによる作表の自動化を行ったことで速報ベースの業績資料は締め日翌日には確認できるようになり、正確な業績資料は締め日から3営業日で確認できるようになりました。 7.まとめ Excelは非常に便利なツールではありますが、活用の規模が大きくなればなるほどデメリットが大きくなる特徴のあるツールです。二重三重入力や類似した帳票の更新、データをまとめて手作業で加工しての分析資料作りなど煩雑な業務が多くの企業で生じてしまっています。 恐ろしいのはこういった課題と言うのは現場で“こういうものだ”と認識されてしまうと中々表面化しないという点です。 脱Excelは、業務効率の向上やデータの一貫性、セキュリティの強化など多くのメリットをもたらします。 今回ご紹介した具体的な代替方法や成功事例などを参考に、自社に適したプランをご検討いただけますと幸いです。 ▼レポート無料ダウンロード お申し込みはこちら▼

岩松 将史

第97回経営戦略セミナー 経営研究会全国大会2024 スマートファクトリー経営部会分科会を開催いたしました。

2024.09.05

2024年8月21日に船井総合研究所 五反田オフィスでスマートファクトリー経営部会分科会(以下例会)を開催いたしました。 当例会では、現場に着目したデータ活用戦略講座や最新技術を取り上げました。 1.スマートファクトリー経営部会について AIコンサルティング部が主催するスマートファクトリー経営部会は、多品種少量生産型の製造業を営む企業様を対象とした、「製造業のDX(デジタルトランスフォーメーション)」に関する経営研究会です。 国内製造業における人手不足、特に熟練者不足が今後もより進んでいく中、多品種少量生産型の製造業が工場の人手不足を解消し、生産性向上を実現するためのAI化・ロボット化等について、実際の導入・活用事例をもとに研究していきます。 AIを活用した自動化装置や産業用ロボットシステム、その他省力化装置等の研究に加えて、それらを活用した工程改善や人員配置改善、効率化等の人的仕組みの研究までを網羅する研究会です。 また、当研究会の会員様には、 現場業務”アナログ改善現場無料診断 工数データ“IoT取得”現場無料診断 “生産管理”システム刷新システム無料診断 “見積自動化”AI活用現場無料診断 “外観検査”AI活用現場お試しサービス など、数多くの特典がございます。 ご興味のある方はぜひ下記リンクよりご覧ください。 URL: https://lpsec.funaisoken.co.jp/study/smart-factory/047708/ 2.8月例会の概要 当例会は 第一講座:多品種少量生産従業員47名の現場に寄り添ったDX~現場主導の業務改革で付加価値額20%向上した事例~ 第二講座:工場DXを実現する3Dプリンティング/AM技術およびスマートファクトリーについて まとめ講座 の3部構成で開催いたしました。 第一講座では株式会社有本電器製作所の有本社長、管理担当砂山様にご登壇いただき、中小製造業がDX化を推進する際の現場の巻き込み方・付加価値額20%工場の極意についてご講話いただきました。 第二講座ではElectro Optical Systems Japan 株式会社のRegional Manager橋爪様にご登壇いただき、3Dプリンターを活用した次世代スマートファクトリーについてご講話いただきました。 第一講座は規模感が会員企業と近しいこともあり、身近な課題感を斬新な解決方法でアプローチしていたことや、DX化の取り組みに対する心構えのご講話をいただき大変満足度の高い講座となりました。 第二講座では3Dプリンターによる製造とまさに最新技術であり、中小企業にとっては「脅威」ともいえる内容でした。 ただし、3Dプリンターの強み・弱みを知ることで棲み分けがはっきりとしたことでこちらも満足度の高い講座となりました。 ※本研究会にご入会いただくと過去講座がすべて閲覧いただけます。 3.シェアタイムについて 例会では第二講座とまとめ講座の間に「シェアタイム」の時間を設けております。 シェアタイムはテーマに沿って会員様同士で情報交換会を行う場です。 ここでは普段気になってもあまり聞けない「他社のDX取り組みや成功談や失敗談・社長が考えていること」のリアルを知ることができます。 今回はシェアタイムの時間を拡大したことで満足度も大きく向上いたしました。 2024年8月21日に船井総合研究所 五反田オフィスでスマートファクトリー経営部会分科会(以下例会)を開催いたしました。 当例会では、現場に着目したデータ活用戦略講座や最新技術を取り上げました。 1.スマートファクトリー経営部会について AIコンサルティング部が主催するスマートファクトリー経営部会は、多品種少量生産型の製造業を営む企業様を対象とした、「製造業のDX(デジタルトランスフォーメーション)」に関する経営研究会です。 国内製造業における人手不足、特に熟練者不足が今後もより進んでいく中、多品種少量生産型の製造業が工場の人手不足を解消し、生産性向上を実現するためのAI化・ロボット化等について、実際の導入・活用事例をもとに研究していきます。 AIを活用した自動化装置や産業用ロボットシステム、その他省力化装置等の研究に加えて、それらを活用した工程改善や人員配置改善、効率化等の人的仕組みの研究までを網羅する研究会です。 また、当研究会の会員様には、 現場業務”アナログ改善現場無料診断 工数データ“IoT取得”現場無料診断 “生産管理”システム刷新システム無料診断 “見積自動化”AI活用現場無料診断 “外観検査”AI活用現場お試しサービス など、数多くの特典がございます。 ご興味のある方はぜひ下記リンクよりご覧ください。 URL: https://lpsec.funaisoken.co.jp/study/smart-factory/047708/ 2.8月例会の概要 当例会は 第一講座:多品種少量生産従業員47名の現場に寄り添ったDX~現場主導の業務改革で付加価値額20%向上した事例~ 第二講座:工場DXを実現する3Dプリンティング/AM技術およびスマートファクトリーについて まとめ講座 の3部構成で開催いたしました。 第一講座では株式会社有本電器製作所の有本社長、管理担当砂山様にご登壇いただき、中小製造業がDX化を推進する際の現場の巻き込み方・付加価値額20%工場の極意についてご講話いただきました。 第二講座ではElectro Optical Systems Japan 株式会社のRegional Manager橋爪様にご登壇いただき、3Dプリンターを活用した次世代スマートファクトリーについてご講話いただきました。 第一講座は規模感が会員企業と近しいこともあり、身近な課題感を斬新な解決方法でアプローチしていたことや、DX化の取り組みに対する心構えのご講話をいただき大変満足度の高い講座となりました。 第二講座では3Dプリンターによる製造とまさに最新技術であり、中小企業にとっては「脅威」ともいえる内容でした。 ただし、3Dプリンターの強み・弱みを知ることで棲み分けがはっきりとしたことでこちらも満足度の高い講座となりました。 ※本研究会にご入会いただくと過去講座がすべて閲覧いただけます。 3.シェアタイムについて 例会では第二講座とまとめ講座の間に「シェアタイム」の時間を設けております。 シェアタイムはテーマに沿って会員様同士で情報交換会を行う場です。 ここでは普段気になってもあまり聞けない「他社のDX取り組みや成功談や失敗談・社長が考えていること」のリアルを知ることができます。 今回はシェアタイムの時間を拡大したことで満足度も大きく向上いたしました。

AI類似図面検索システムとは?メリットとシステム選定基準について解説!

2024.09.10

1.AI 類似図面検索システムとは? 近年、製造業においてAI活用したサービスの一つとして「AI類似図面検索システム」が広まっています。多品種少量生産では「過去の類似品」を探して、参考にしながら見積りを検討するといったことが日常的に起こっています。 しかしながら、この「過去案件の検索業務」を効率よく出来るようになっている会社は少ないように感じます。個人PCでのExcel、サーバーによるファイル管理もしくは紙でのファイル管理・・・・ 過去案件は会社全体の知識にも関わらず、社員の誰もが簡単に閲覧できるようにはなっていないようです。 Excelや紙のままでは、作成した担当者はわかっても、他の担当者からではわかりません。 情報を知っている人を探して歩き回るということはどこでもよく耳にする話です。 情報が共有されているようで実は共有できていないです。 この課題について解決する方法は、ものづくり(案件)に関する全て情報をデータベース化することで、「いつでも」「誰でも」「簡単に」情報が閲覧できる仕組みが構築することです。 さらに、そのデータベースからAIを活用して過去の類似した図面から様々な情報を検索できるのが「AI類似図面検索システム」です。これらのサービスは見積り業務におけるサービスとして提供されていることが多くありますが、実は調達、設計、製造、品質保証など、どの部門においても「過去の図面・情報を探す」ということが起こっており、さまざまな部門にて活躍できるサービスとなっています。 2.AI類似図面検索システムのメリット5選 1.過去情報共有による業務効率アップ 「データがあるけど、取り出せない」という状況は多くあります。この状況は「データはあるけど、何が・どこにあるのか?は知っている人しか知らない」ということです。そもそも検索できるようになっていないかもしれませんし、検索できるようになっていても、検索キーワードが分からないから検索できない。ということもあるかもしれません。 AI類似図面検索システムにより「いつもで」「誰でも」「簡単に」過去情報を取得することが出来、「その情報を知っていたら、すぐに対応できたのに・・・・」という(ストレスになる)情報共有の不備から発生する無駄な時間が削減され、業務効率アップにつながります。 2.AI検索による検索の簡易化 文言だけの検索は、その案件の内容が分かっていないと検索することも出来ません。検索スキル自体、実は属人化しているのです。 AIによる類似図面検索は、経験・知識に関係なく、図面をアップロードするだけなので、「誰でも」「簡単に」過去の情報を取得することが出来ます。また、図面だけではなく、図面&顧客等様々な項目でAND検索することが出来ます。 3.見積り回答リードタイム短縮による受注率アップ 業種にもよりますが、一般的には、見積り回答期間と受注率には相関関係があります。当然、見積り回答が早いほど、受注率が高くなる傾向があります。見積り回答が遅い場合、顧客の検討テーブルから落ちる可能性は高くなります。 情報共有&検索の簡易化により、簡単に過去案件を参照して、早期に見積もり回答することで、受注率アップが期待出来ます。 4.人材教育の早期育成アップ 情報が共有されることにより、人材育成もしやすくなります。情報がバラバラのままでは、新人若手はなかなか覚えるのが大変で、「バラバラの情報を探すスキル」や「知っている人を知るスキル」を身に着けるという無駄な時間が発生します。先輩社員も教えるのが大変です。お互いに大変な思いをしているのです。情報を一元管理することで、新人若手でも業務がわかりやすくなり、早期育成にもつながります。また、早期育成は先輩社員の負担も減らすことにもなります。 5.営業は新規開拓に注力できる 見積り業務が効率化されることで、営業部門は本来すべき「新規開拓」に注力することが出来るようになります。新規開拓に注力できる=利益アップに直結します。 3.AI類似図面検索の仕組み AI類似図面検索はAIを活用して類似図面を検索する仕組みです。したがって、事前準備として、社内過去の図面データ(PDF)と、製品の見積り、営業情報・生産情報などをあらかじめ紐づけておく必要あります。これにより、AIにより見つかった類似図面と一緒に付属データを呼び出すことが出来ます。 例えば、営業マンがこれから見積りしたいXの図面について、過去の類似がないか検索する場合は、システムから、顧客から提供された図面データを読み込みます。すると、データベースから類似図面をAIが検索していきます。 類似図面が見つかれば、図面と一緒に紐づいた見積・営業情報を表示させます。 これにより、過去の類似図面と見積・営業情報などを簡単に検索できるシステムとなります。 4.図面の対象と検索方法 「AI類似図面検索システム」の対象図面はPDF,3Dなどを対象にしたサービスが多くあります。ただ、1つのサービスでPDF,3D図面両方に対応しているサービスはありません。どちらかに特化したサービスになっているものがほとんどです。 以下、検索画面の一例ですが、メイン画面で、対象図面のアップロードと検索条件の入力、検索結果が表示されます。検索条件は各サービス特徴があり、項目や検索性で検討が必要になります。どのサービスも使い方が難しいものはなく、誰でも利用しやすいUIとなっています。 5.システム選定基準 AI類似図面検索システムにおいては、近年パッケージ品のラインナップも増えてきており、各社機能も充実してきています。これらは主にPDFや3D図面から類似図面を検索するものが主流となっています。各ベンダーにてデモも相談できますので、自社の状況について相談するのも良いでしょう。また、パッケージ品の場合は、機能拡張に制限がございます。パッケージ製品で対応が難しいや自社オリジナルで開発したい場合は、スクラッチで開発することも可能です。 6.まとめ 類似図面検索システムについては、パッケージ製品、オリジナル開発様々なアプローチ方法があります。どのアプローチが貴社に合いそうなのかなど、不明点がございましたらお気軽にご相談下さい。類似図面検索システム限らず、 【製造業での悩み・困っていること・相談したい】について、何でも船井総研にご相談下さい。 1.AI 類似図面検索システムとは? 近年、製造業においてAI活用したサービスの一つとして「AI類似図面検索システム」が広まっています。多品種少量生産では「過去の類似品」を探して、参考にしながら見積りを検討するといったことが日常的に起こっています。 しかしながら、この「過去案件の検索業務」を効率よく出来るようになっている会社は少ないように感じます。個人PCでのExcel、サーバーによるファイル管理もしくは紙でのファイル管理・・・・ 過去案件は会社全体の知識にも関わらず、社員の誰もが簡単に閲覧できるようにはなっていないようです。 Excelや紙のままでは、作成した担当者はわかっても、他の担当者からではわかりません。 情報を知っている人を探して歩き回るということはどこでもよく耳にする話です。 情報が共有されているようで実は共有できていないです。 この課題について解決する方法は、ものづくり(案件)に関する全て情報をデータベース化することで、「いつでも」「誰でも」「簡単に」情報が閲覧できる仕組みが構築することです。 さらに、そのデータベースからAIを活用して過去の類似した図面から様々な情報を検索できるのが「AI類似図面検索システム」です。これらのサービスは見積り業務におけるサービスとして提供されていることが多くありますが、実は調達、設計、製造、品質保証など、どの部門においても「過去の図面・情報を探す」ということが起こっており、さまざまな部門にて活躍できるサービスとなっています。 2.AI類似図面検索システムのメリット5選 1.過去情報共有による業務効率アップ 「データがあるけど、取り出せない」という状況は多くあります。この状況は「データはあるけど、何が・どこにあるのか?は知っている人しか知らない」ということです。そもそも検索できるようになっていないかもしれませんし、検索できるようになっていても、検索キーワードが分からないから検索できない。ということもあるかもしれません。 AI類似図面検索システムにより「いつもで」「誰でも」「簡単に」過去情報を取得することが出来、「その情報を知っていたら、すぐに対応できたのに・・・・」という(ストレスになる)情報共有の不備から発生する無駄な時間が削減され、業務効率アップにつながります。 2.AI検索による検索の簡易化 文言だけの検索は、その案件の内容が分かっていないと検索することも出来ません。検索スキル自体、実は属人化しているのです。 AIによる類似図面検索は、経験・知識に関係なく、図面をアップロードするだけなので、「誰でも」「簡単に」過去の情報を取得することが出来ます。また、図面だけではなく、図面&顧客等様々な項目でAND検索することが出来ます。 3.見積り回答リードタイム短縮による受注率アップ 業種にもよりますが、一般的には、見積り回答期間と受注率には相関関係があります。当然、見積り回答が早いほど、受注率が高くなる傾向があります。見積り回答が遅い場合、顧客の検討テーブルから落ちる可能性は高くなります。 情報共有&検索の簡易化により、簡単に過去案件を参照して、早期に見積もり回答することで、受注率アップが期待出来ます。 4.人材教育の早期育成アップ 情報が共有されることにより、人材育成もしやすくなります。情報がバラバラのままでは、新人若手はなかなか覚えるのが大変で、「バラバラの情報を探すスキル」や「知っている人を知るスキル」を身に着けるという無駄な時間が発生します。先輩社員も教えるのが大変です。お互いに大変な思いをしているのです。情報を一元管理することで、新人若手でも業務がわかりやすくなり、早期育成にもつながります。また、早期育成は先輩社員の負担も減らすことにもなります。 5.営業は新規開拓に注力できる 見積り業務が効率化されることで、営業部門は本来すべき「新規開拓」に注力することが出来るようになります。新規開拓に注力できる=利益アップに直結します。 3.AI類似図面検索の仕組み AI類似図面検索はAIを活用して類似図面を検索する仕組みです。したがって、事前準備として、社内過去の図面データ(PDF)と、製品の見積り、営業情報・生産情報などをあらかじめ紐づけておく必要あります。これにより、AIにより見つかった類似図面と一緒に付属データを呼び出すことが出来ます。 例えば、営業マンがこれから見積りしたいXの図面について、過去の類似がないか検索する場合は、システムから、顧客から提供された図面データを読み込みます。すると、データベースから類似図面をAIが検索していきます。 類似図面が見つかれば、図面と一緒に紐づいた見積・営業情報を表示させます。 これにより、過去の類似図面と見積・営業情報などを簡単に検索できるシステムとなります。 4.図面の対象と検索方法 「AI類似図面検索システム」の対象図面はPDF,3Dなどを対象にしたサービスが多くあります。ただ、1つのサービスでPDF,3D図面両方に対応しているサービスはありません。どちらかに特化したサービスになっているものがほとんどです。 以下、検索画面の一例ですが、メイン画面で、対象図面のアップロードと検索条件の入力、検索結果が表示されます。検索条件は各サービス特徴があり、項目や検索性で検討が必要になります。どのサービスも使い方が難しいものはなく、誰でも利用しやすいUIとなっています。 5.システム選定基準 AI類似図面検索システムにおいては、近年パッケージ品のラインナップも増えてきており、各社機能も充実してきています。これらは主にPDFや3D図面から類似図面を検索するものが主流となっています。各ベンダーにてデモも相談できますので、自社の状況について相談するのも良いでしょう。また、パッケージ品の場合は、機能拡張に制限がございます。パッケージ製品で対応が難しいや自社オリジナルで開発したい場合は、スクラッチで開発することも可能です。 6.まとめ 類似図面検索システムについては、パッケージ製品、オリジナル開発様々なアプローチ方法があります。どのアプローチが貴社に合いそうなのかなど、不明点がございましたらお気軽にご相談下さい。類似図面検索システム限らず、 【製造業での悩み・困っていること・相談したい】について、何でも船井総研にご相談下さい。

徳竹 勇兵

中堅・中小製造業のためのデータ活用経営

2024.09.03

製造を行っている企業は生産管理システムを導入し、受注・部品発注・作業指示書発行・出荷など 製造業務の管理を行っていると思います。 生産管理システムには製造を行う企業の様々なデータが蓄積されています。 しかし、そのデータを日々の製造業務以外に有効活用出来ている企業は少ないと思います。 今回は、その生産管理システムが持っている、蓄積されているデータが有効活用されない要因を 課題として6つあげ、それぞれの課題の背景、解決策を説明いたします。 DX推進の手始めとして生産管理システムのデータを有効活用する環境を整えてみては如何でしょう? 1.課題の背景と解決策 課題1:データ入力の精度不足 [背景] 生産管理システムに正確なデータを入力することが不可欠ですが、現場では手作業によるデータ入力や、入力の省略が発生することがあります。また、入力者の理解不足や、システムの使い勝手が悪い場合、データの誤りが多発します。これにより、システムが提供する情報の信頼性が低下し、経営判断に悪影響を与えることになります。 [解決策] ①トレーニング: 入力担当者に対する定期的なトレーニングを実施し、正しい入力方法を周知徹底します。 ②UI/UXの改善: システムのユーザーインターフェースを改善し、入力ミスが発生しにくいデザインを採用します。 ③自動化: 入力作業をできるだけ自動化することで、人為的なミスを減少させます。 例えば、バーコードやRFIDタグを利用した自動データ収集システム、加工機器からの自動データ取得システムの導入が考えられます。 課題2:標準工数の精度が低い [背景] 標準工数の精度が低いと、見積もりが不正確になり、顧客との信頼関係が損なわれる可能性があります。 また、実際のコストとのギャップが生じるため、利益率の低下や不適切なリソース配分が発生します。 最悪、認識ない状態で赤字受注しているケースも発生してしまいます。 [解決策] ①実績データの活用: 実際の作業時間を正確に計測し、それに基づいて標準工数を見直すことが必要です。これにより、実際の工程に即した標準工数を確立し、見積もり精度を向上させます。 ②リアルタイムモニタリングの導入: IoTデバイスやセンサーを活用して、各工程の作業時間をリアルタイムでモニタリングし、データを自動的に収集します。これにより、データの精度とタイムリーな分析が可能になります。 ③定期的な見直しと改善: 標準工数は一度決めたら終わりではなく、定期的に見直し、改善を図ることが重要です。市場の変化や技術革新に対応できるよう、柔軟に対応する仕組みを整えます。 課題3:経営層の理解と関与不足 [背景] 経営者が生産管理システムの導入やデータ活用の重要性を十分に理解していないと、改善活動が進みにくくなります。これが、システムの導入効果を十分に引き出せない原因にもなります。 また、経営者が全社員に対し取り組みの目的や目指す効果をきちんと説明し理解してもらうことも非常に重要です。 [解決策] ①経営層への啓発活動: セミナーやワークショップを通じて、生産管理システムの効果的な活用が経営に与える影響を経営層に理解してもらう取り組みを行います。 ②データドリブン経営の推進: データを活用した意思決定の重要性を強調し、経営層が積極的にデータを活用できる環境を整えることが必要です。 簡単でわかりやすいダッシュボードの提供や定期的なデータ報告が重要となります。 ③成功事例の共有: 同業他社や業界内での成功事例を共有し、自社での活用イメージを具体的に持ってもらうことで、経営層の関心と協力を得やすくします。 課題4:データのサイロ化 [背景] 生産管理システム内のデータが他のシステムと連携していない場合、情報がサイロ化され、全体像を把握することが難しくなります。これにより、経営判断やプロセス改善が遅れることがあります。 [解決策] ①システム間の連携: ERPや会計システム、品質管理システムなどと生産管理システムを統合し、データの一元管理を実現します。 ②データ統合プラットフォームの導入: データ統合を支援するプラットフォームを導入し、異なるシステム間でデータを自動的に連携させます。 課題5:リアルタイムデータの欠如 [背景] リアルタイムでデータが収集されない場合、経営者や管理者は状況の変化に迅速に対応できません。 これにより、問題が発生してから解決に至るまでに時間がかかり、生産効率低下を招いてしまいます。 [解決策] ①IoT技術の導入: センサーやIoTデバイスを導入し、リアルタイムでのデータ収集を実現します。これにより、迅速な意思決定が可能になります。 ②リアルタイム監視システム: リアルタイムで生産状況を監視できるシステムを導入し、問題発生時に即座に対応できる体制を整えます。 課題6:データ分析能力の欠如 [背景] 蓄積されたデータが活用されない原因の一つは、データ分析能力が不足していることです。データの読み取りや分析ができないと、データに基づく改善策を講じることができません。 [解決策] ①データ分析の教育: 社内でデータ分析に関する教育を実施し、担当者のスキルを向上させます。 ②BIツールの導入: Business Intelligence (BI) ツールを導入し、誰でも簡単にデータ分析が行える環境を整えます。 これにより、経営層も含めた広範な人々がデータを活用できるようになります。 製造現場でのデータ活用にも利用できる様になります。 2.まとめ 中堅・中小製造業の企業におけるDX推進の手始めとして生産管理システムのデータを有効活用する環境を整えるための課題と解決策を解説しました。 これら生産管理システムのデータ活用に関する課題とその解決策を、それぞれの企業で具体的にどのように実現していくのか?については船井総研が主催するセミナーにてより詳細にお話しさせていただいておりますのでご参加をお願いいたします。 ■関連するセミナーのご案内 多品種少量板金・プレス・溶接製造業のためのデータ活用経営 ~なぜ、生産管理システムが上手く機能しないのだろうか?~ 特別ゲスト講座: 既存の生産管理システムを活用して作業内容・工程進捗・工数・製品原価を見える化 生産管理システムのデータをリアルタイムで可視化したことによる現場社員の変化 経営者としてのデータ可視化の重要性 多品種少量生産の製造業”だからこそ”取り組むべきデータ可視化とは スエナミ工業 株式会社 代表取締役 末次 明 氏 セミナー詳細・申込はこちらから↓↓↓ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/119384 製造を行っている企業は生産管理システムを導入し、受注・部品発注・作業指示書発行・出荷など 製造業務の管理を行っていると思います。 生産管理システムには製造を行う企業の様々なデータが蓄積されています。 しかし、そのデータを日々の製造業務以外に有効活用出来ている企業は少ないと思います。 今回は、その生産管理システムが持っている、蓄積されているデータが有効活用されない要因を 課題として6つあげ、それぞれの課題の背景、解決策を説明いたします。 DX推進の手始めとして生産管理システムのデータを有効活用する環境を整えてみては如何でしょう? 1.課題の背景と解決策 課題1:データ入力の精度不足 [背景] 生産管理システムに正確なデータを入力することが不可欠ですが、現場では手作業によるデータ入力や、入力の省略が発生することがあります。また、入力者の理解不足や、システムの使い勝手が悪い場合、データの誤りが多発します。これにより、システムが提供する情報の信頼性が低下し、経営判断に悪影響を与えることになります。 [解決策] ①トレーニング: 入力担当者に対する定期的なトレーニングを実施し、正しい入力方法を周知徹底します。 ②UI/UXの改善: システムのユーザーインターフェースを改善し、入力ミスが発生しにくいデザインを採用します。 ③自動化: 入力作業をできるだけ自動化することで、人為的なミスを減少させます。 例えば、バーコードやRFIDタグを利用した自動データ収集システム、加工機器からの自動データ取得システムの導入が考えられます。 課題2:標準工数の精度が低い [背景] 標準工数の精度が低いと、見積もりが不正確になり、顧客との信頼関係が損なわれる可能性があります。 また、実際のコストとのギャップが生じるため、利益率の低下や不適切なリソース配分が発生します。 最悪、認識ない状態で赤字受注しているケースも発生してしまいます。 [解決策] ①実績データの活用: 実際の作業時間を正確に計測し、それに基づいて標準工数を見直すことが必要です。これにより、実際の工程に即した標準工数を確立し、見積もり精度を向上させます。 ②リアルタイムモニタリングの導入: IoTデバイスやセンサーを活用して、各工程の作業時間をリアルタイムでモニタリングし、データを自動的に収集します。これにより、データの精度とタイムリーな分析が可能になります。 ③定期的な見直しと改善: 標準工数は一度決めたら終わりではなく、定期的に見直し、改善を図ることが重要です。市場の変化や技術革新に対応できるよう、柔軟に対応する仕組みを整えます。 課題3:経営層の理解と関与不足 [背景] 経営者が生産管理システムの導入やデータ活用の重要性を十分に理解していないと、改善活動が進みにくくなります。これが、システムの導入効果を十分に引き出せない原因にもなります。 また、経営者が全社員に対し取り組みの目的や目指す効果をきちんと説明し理解してもらうことも非常に重要です。 [解決策] ①経営層への啓発活動: セミナーやワークショップを通じて、生産管理システムの効果的な活用が経営に与える影響を経営層に理解してもらう取り組みを行います。 ②データドリブン経営の推進: データを活用した意思決定の重要性を強調し、経営層が積極的にデータを活用できる環境を整えることが必要です。 簡単でわかりやすいダッシュボードの提供や定期的なデータ報告が重要となります。 ③成功事例の共有: 同業他社や業界内での成功事例を共有し、自社での活用イメージを具体的に持ってもらうことで、経営層の関心と協力を得やすくします。 課題4:データのサイロ化 [背景] 生産管理システム内のデータが他のシステムと連携していない場合、情報がサイロ化され、全体像を把握することが難しくなります。これにより、経営判断やプロセス改善が遅れることがあります。 [解決策] ①システム間の連携: ERPや会計システム、品質管理システムなどと生産管理システムを統合し、データの一元管理を実現します。 ②データ統合プラットフォームの導入: データ統合を支援するプラットフォームを導入し、異なるシステム間でデータを自動的に連携させます。 課題5:リアルタイムデータの欠如 [背景] リアルタイムでデータが収集されない場合、経営者や管理者は状況の変化に迅速に対応できません。 これにより、問題が発生してから解決に至るまでに時間がかかり、生産効率低下を招いてしまいます。 [解決策] ①IoT技術の導入: センサーやIoTデバイスを導入し、リアルタイムでのデータ収集を実現します。これにより、迅速な意思決定が可能になります。 ②リアルタイム監視システム: リアルタイムで生産状況を監視できるシステムを導入し、問題発生時に即座に対応できる体制を整えます。 課題6:データ分析能力の欠如 [背景] 蓄積されたデータが活用されない原因の一つは、データ分析能力が不足していることです。データの読み取りや分析ができないと、データに基づく改善策を講じることができません。 [解決策] ①データ分析の教育: 社内でデータ分析に関する教育を実施し、担当者のスキルを向上させます。 ②BIツールの導入: Business Intelligence (BI) ツールを導入し、誰でも簡単にデータ分析が行える環境を整えます。 これにより、経営層も含めた広範な人々がデータを活用できるようになります。 製造現場でのデータ活用にも利用できる様になります。 2.まとめ 中堅・中小製造業の企業におけるDX推進の手始めとして生産管理システムのデータを有効活用する環境を整えるための課題と解決策を解説しました。 これら生産管理システムのデータ活用に関する課題とその解決策を、それぞれの企業で具体的にどのように実現していくのか?については船井総研が主催するセミナーにてより詳細にお話しさせていただいておりますのでご参加をお願いいたします。 ■関連するセミナーのご案内 多品種少量板金・プレス・溶接製造業のためのデータ活用経営 ~なぜ、生産管理システムが上手く機能しないのだろうか?~ 特別ゲスト講座: 既存の生産管理システムを活用して作業内容・工程進捗・工数・製品原価を見える化 生産管理システムのデータをリアルタイムで可視化したことによる現場社員の変化 経営者としてのデータ可視化の重要性 多品種少量生産の製造業”だからこそ”取り組むべきデータ可視化とは スエナミ工業 株式会社 代表取締役 末次 明 氏 セミナー詳細・申込はこちらから↓↓↓ https://www.funaisoken.co.jp/seminar/119384

岩松 将史