記事公開日:2021.10.20
最終更新日:2023.11.01

板金加工向け産業用ロボットを活用したロボット研磨・仕上げ加工の自動化解説(属人的で3Kかつ加工時間が膨大な研磨作業を自動化するメリット)

研磨作業の加工方法

一括りに研磨と言っても様々な種類があります。鋳造品・機械加工品のバリ取りのような粗取り研磨から光沢面を作るミクロン単位の微細研磨まで幅広く研磨は存在しますが、加工方法については、どの研磨も基本的には砥石を回転させて被加工物に接触させ、その砥石を押し付ける力加減や砥石の番手(粗さ)を人が被加工物の表面状態を常時判断しながら職人技にて加工しているのがいまだに主流です。(摩擦研磨の場合)

もちろん人の感覚でなければ仕上げ出来ない物があるのも事実ですが、実際には品質要求が高くない研磨作業でも、全て人手で作業をしている製造企業が圧倒的に多いです。

手研磨作業が人に与える負荷

板金加工業等で手研摩を行う際に良く使用する手工具の代表例として手持ち用のディスクグラインダーやサンダー等がありますが、これらの工具は非常に重く、かつ振動が発生します。
研磨作業を経験した事がある方は分かるでしょうが、このハンド式の研磨機を取り扱っている時、作業者は非常に緊張します。
重たくて高速回転している刃物をちゃんと持っていないと、ケガなどの災害を発生してしまったり、加工物に傷をつけてしまったりするので細心の注意を払って作業をしているので非常に緊張状態になります。
そして、加工中は削った金属や砥石のカスが周囲に飛散します。
飛び散った金属カスは高温になっている場合もあり、保護メガネや保護マスクの着用をしていないと失明等の災害が発生するリスクもあります。
バフのような柔らかい砥石と使う時や樹脂製品の研磨の場合には、研磨をする事で大量の粉塵が中に舞いますので、毎日作業される作業者の方は健康面を考慮して防塵マスクを着用して作業されています。まさにキツイ・キタナイ・キケンの3K作業です。

手研磨作業が企業に与える負荷

同時にある程度の表面状態を作りこむような場合には、非常に長時間の加工時間を有します。
例えば製函物で外観品質要求の高い製品には、溶接後にビードが見えない状態まで表面を研磨する且つ、全体が一定水準の表面状態に加工する必要があるので、砥石を数種類変更しながら研磨、更にバフと研磨材を用いて磨いていきます。
この様な研磨作業ではその商品を作る生産工程の中で最も研磨に時間が掛かっているような場合が多く見かけます。
製函物を製造する場合には、基本的にタレパンや複合機、ブレーキプレス、溶接、研磨の工程順で加工が進みますが、その一連の工程で最も時間が掛かるのが研磨工程の場合、生産原価でもある職人の工数がかさみ、利益率が極度に低くなってしまう事もあります。
特定の人しか作業出来ないので、欠員や退職等を理由に加工品質を維持出来なくなるというリスクもあります。

ロボット研磨システムの概況

上述したように手研摩作業には3K作業・ノウハウが必要・工数負担などの特長があり、このような作業こそ自動化を検討するべき必要があると思います。
直近では6軸垂直多関節ロボット用のグラインダやベルトサンダー・バフ等様々なハンドエフェクタが開発され販売されています。
研磨の自動化は中国や欧州が日本より進んでいる印象ですが、日本のロボットメーカーも研磨装置の開発と販売をしていますし、海外のロボット研磨ツールを取り扱う代理店も着々と増えてきており、ロボットを用いた研磨のテスト・評価をしてくれる代理店やロボットによる研磨システムを構築してくれるシステムインテグレータも増えてきております。

ロボット用研磨ツールの特長

ロボット用ハンドエフェクタとして販売されているロボット用研磨ツールですが、直近のツールはトルクセンサーが内蔵しており、倣い制御が可能です。
砥石は使用していると小さくなってきますので、ロボットできめられた軌道を往復するだけでは、研磨出来なくなってしまいますが、倣い機能がついている場合、いつも同じちから加減で加工をする事が可能です。砥石の種類も粗いディスクタイプ、ペーパーディスク、バフ等のラインナップがあり、ATC(オートツールチェンジャー)を活用して砥石自動交換する事も出来ます。
被加工物を固定してロボットをフルに動かして複雑な形状に対応する事も可能ですが、ポジショナ等外部回転軸を活用して被加工物を回転させながら研磨する事も可能です。

研磨についての要求品質は企業毎、製品毎によって大きく違う為、その品質を作り上げる為のノウハウや工具も企業毎に違いますが、全ての加工を人手でやるのではなく、自動化出来る所は自動で、自動化出来ない所だけ(本当に付加価値の高い工程)は人手で作業するという方法にシフトしていく必要があるのではないでしょうか?

ロボット研磨システム導入と投資対効果

ロボット研磨システムを構築しようと思うと数千万円単位での投資が必要となります。
大ロット小品種の生産体制ならば、ロボット研磨システムも構築しやすいでしょうが、多品種小ロット生産の場合は、システムを構築する際に入念にデータを分析してシステムへの要件定義をしないといけません。

  • どの品種にどのくらい工数が掛かっているのか?
  • どの品種の加工が最も難しいのか?
  • 既存の作業はどのような作業をしているのか?
  • どのサイズ範囲のワークを自動化対象とするのか?
  • どのくらいの人的工数を削減していきたいのか?
  • 一連の研磨の中でどの範囲を自動化させるのか?
  • どのようなオペレーションでシステムを動かすのか?
  • 段取り変えはどのようにするのか?

上記はあくまで例ですが、この様な分析をしつつ、システムの費用と得られる効果を算定していく事が、多品種対応型のシステム構築には非常に重要です。
しっかりとシステムに求める要件定義をして、効果を見通した中で自動化を進めていけば、必ず良いモノが出来あがると思います。

今後更に加速していく予測の労働人口の減少に伴い、3K作業の自動化、属人的作業の自動化などは人員採用に対しても必要不可欠と言えます。
20年先、30年先を見据えてひとつひとつ自動化を進めていきましょう。

 
おわりに
今回は、研磨ロボットによる研磨の自動化についてお伝えしましたが如何でしたか?
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■このような方におすすめ

  • 多品種少量生産でロボット化が進まない
  • TIG、MIG、レーザー溶接等、ロボット化できるか分からない
  • 溶接工が不足しており3K業務で採用が難しい
  • 職人、熟練作業に依存していて属人化している
  • 溶接ロボット・自動化を相談できる所が見つからない

目次

  1. 多品種少量溶接ロボット導入の進め方
  2. 多品種少量溶接ロボットにおける具体的事例
  3. 補助金を活用した溶接ロボット導入成功事例

収録内容

  • 「多品種少量生産対応の溶接ロボットを導入したい!」
  • 「様々な種類の溶接をしているがロボットが活用できるのか知りたい」
  • 「溶接工が不足しており若手も採用できず人手不足となっている」
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