記事公開日:2023.03.17
最終更新日:2023.03.17
製造業のスマートファクトリー
いつも当コラムをご愛読頂きましてありがとうございます。
今回は生産技術職を経験した立場から、
ものづくり企業のスマートファクトリーの進め方を述べさせて頂きます。
インターネット等でスマートファクトリーと調べると、大手企業や先進企業の取り組みや事例が
紹介されていることが多いです。
展示会に行っても、最新情報に溢れ、何から始めればよいか分からない場合が多いです。
私が感じているのは、下記のような方がまだまだ多いのではないでしょうか。
そもそも、そこまでスマートファクトリーの必要性を感じていないし、どの様なメリット・デメリットが
あるか分からない。
自社の現状を考えると、スマートファクトリー化の前にやるべき課題が山積みになっている。
例えば、
①業務・工程改善に向けて各種データの収集は行っているが、データ収集の目的が明確になっていない。
目的が伝わっていると思っているのは経営者・経営層のみ。
②データを集めてはみたが活用されていない。
データをどの様に活用すればよいか分からない。
③属人化された工程が多く、多能工化を目指し始めたばかりである。
④最近やっと3DCADを導入したばかり。
まずは、スマートファクトリーとは何か、どのようなメリット・デメリットがあるのか、どのような手順で進めるか
を理解することが大切であると思います。
簡単ではございますが、説明をさせて頂きます。
1.スマートファクトリーとは
ものづくり企業のスマートファクトリーに関しては、2017年に経済産業省から‘スマートファクトリーロードマップ(第4次産業革命に対応したものづくりの実現に向けて)’が発行されています。
スマートファクトリーの基となっているのは、2011年にドイツ政府が発表した‘インダストリー4.0’という概念です。
スマートファクトリーとは、AI(Artificial Intelligence)やIoT(Internet of Things)などのデジタル技術を活用し、生産性が高く効率的な工場のことです。
デジタル技術の活用により、高品質・高付加価値な製品を低コストかつ短期間で効率的に製造することが可能になると言われています。
人間・機械などの企業資源が互いに通信し、自動化・効率化を目指すことです。
2.スマートファクトリーのメリット
①工場の見える化や自動化
生産性の高い工程・低い工程を把握し改善を行う、人手作業を自動作業へ改善することができます。
②収集したデータを活用し生産性向上、品質改善
ただデータを収集するのではなく、データを様々なことに活用することができます。
③AIやIoTによる最適なオペレーションの実現とコスト削減
機械・設備・人の最適化が実現することで、様々なコスト削減にもつながります。
④人手不足の解消
労働人口が減っているなかで、人手不足の解消にもつながります。
上記の通り、様々なメリットがあります。
しかし、スマートファクトリー化における課題があることも事実です。
ではスマートファクトリー化における課題とはどのようなことがあるでしょうか?
3.スマートファクトリーにおける課題
①デジタル人材の確保、育成。
デジタル人材はどの業界でも不足しています。また人材育成には時間がかかります。
②初期費用の確保
初期投資に莫大な費用がかかる場合がございます。
③雇用機会の消失
メリットとにもデメリットにもなり得ます。
デジタル人材以外は雇用機会の消失につながる恐れがあります。
4.手順
①自社の現状把握
自社の現状を直視し、現状をしっかりと把握する必要があります。
②自社工程の中でも何を最も改善したいのか
数ある工程の中で、どこが一番の問題なのか、どの工程を改善したいのかを明確にします。
③あるべき姿を明確に
自社のあるべき姿を明確にして、全社で意思統一をし同じ方向に進んでいく必要があります。
④強い意志とリーダーシップの発揮
強い意志を持った方がリーダーとなり、リーダーシップを発揮して推進する必要があります。
5.まとめ
簡単ではありますが、スマートファクトリーに関して述べさせて頂きました。
色々と述べてきましたが、見える化の推進・業務改善・工程改善をデジタル技術を活用し進めることがスマートファクトリーです。
ただ注意しなければならないのは、ただ単にシステム導入や自動化を進めることに注力しすぎると、手段が目的となってしまい、上手く進まなくなってしまいます。
スマートファクトリーを実現するのは簡単なことではありません。
一気に進めるのではなく、改善したい工程を抽出し、少しずつ改善を進めていって下さい。
推進するためには、全社で同じ方向を向き、強い意志を持って進めていくことが大切であると思います。
具体的に詳細をお知りになりたい場合や導入支援が必要といった場合は、お気軽に弊社にご相談いただければ幸いです。
最後までお読み頂きましてありがとうございました。
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