記事公開日:2023.03.17
最終更新日:2024.05.31
製造業が基幹システム導入・刷新で失敗しないためには
いつも当コラムをご愛読いただきありがとうございます。
今回は、製造業で基幹システム導入・刷新を成功に導くポイントについてお伝えします。
1.製造業で基幹システム導入・活用が上手くいかない理由
.製造業で基幹システム導入・活用が上手くいかない理由
経済産業省が「DXレポート」で提唱した「2025年の崖」まであと1 年を切りました。
「2025年の崖」では、長年にわたって各企業で使われてきたシステムをメンテナンスできるエンジニアの多くが定年を迎え、システム人材不足が深刻化し、古いシステムを使っている企業はそれにより多大なリスクを抱えてしまう..といったことも懸念されています。
そのため、販売管理システムや生産管理システム、在庫管理システム、人事・財務・給与システムなどのさまざまな基幹システムを活用してきた企業は、現行のシステムの見直しを迫られています。
(基幹システムとは、会社全体のデータを連携させ一元管理することができるようになるツールです。これによりリアルタイムで業務データを可視化・加工できる環境を構築ことができ、正確な経営判断に活用できるなどのメリットがあります。近年ではクラウド型の基幹システムが多く採用されています。)
しかしながら、製造業においても基幹システムの導入・刷新はなかなかハードルが高く、以下のような理由で上手くいかないようです。
- 既に慣れているシステムを変えたくない
- 現場では紙の方が使いやすい
- システムの機能ではやりたいことが出来ない(Excelや手作業の方が効率が良い)
- 導入・刷新を進める時間もなく、人材もいない(リソース不足)
- 業務が属人化していて、システム化が難しい
etc..
特に、現システムへの不満がありながらも、それを前提とした業務の流れに慣れてしまっており、なかなか新規導入・刷新に至らないケースが多いようです。
2.製造業の基幹システム導入・刷新の取り組み手順
では、どのような手順で基幹システム導入・刷新に取り組めば良いのでしょうか。
▼製造業における基幹システム導入・刷新取り組み手順
①現状業務の見える化
現状の業務の流れや、業務における問題、課題を見える化する
②基幹システム導入・刷新の目的・目標を明確にする
現状の問題・課題の解決はもちろん、経営計画・事業計画を加味した目的・目標を設定する
③基幹システム導入・刷新のロードマップを作る
一気に全てを導入・刷新しようとするのではなく、優先順位を決め、段階的に取り組む
④基幹システム導入・刷新後の構想・計画策定
問題・課題の解消に繋がる新しい業務の流れを策定し、その新しい業務の流れを実現する基幹システム導入・刷新の構想・計画を作る
⑤基幹システム導入・刷新シミュレーション
前の手順で策定した構想・計画に基づき、新しい業務の流れのシミュレーションを行い、期待する効果が得られそうか、検証を行う
⑥基幹システム導入・刷新の推進
計画に基き、システム導入・刷新を進める
※ほとんどの場合、システムの構築はシステムベンダーに委託すると思われますが、全てをシステムベンダーに丸投げするのではく、経営層以下、メンバーが目的含めた計画を理解した上で取り組む必要があります
⑦試験運用
システムが完成したら、本運用前に試験的な運用を行い、業務に支障が無いか確認を行う
⑧効果検証
目的・目標を達成できているか、定期的に検証を行い、問題があれば、対策を講じる。
まずは、現状業務の流れや、そこで発生している問題の把握から取り組まれることをお勧めします。
3.製造業が基幹システム導入・刷新に取り組む上でのポイント
製造業が基幹システム導入・刷新を行う上で特に注意いただきたいポイントは以下の通りです。
- 現状業務の見える化(業務における問題・課題の抽出)
- 目的・目標の明確化(定量目標を設定し、経営層以下メンバーで認識を合わせる)
- ロードマップの作成(優先順位を決めて段階的に取り組む)
- 効果検証(基幹システム導入・刷新による効果について、検証、改善を繰り返す)
現在、基幹システムの導入・刷新を検討されている方、既に取り組んでいるが上手くいっていない方は、今回ご紹介した手順に沿って進められているか、今一度、確認してみてください。
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