記事公開日:2023.08.18
最終更新日:2023.08.18

製造業品質管理の改善活動とDX化事例

いつも当コラムをご愛読いただきありがとうございます。
今回は、製造業における品質管理の重要性とDX化による品質改善活動というテーマについてお伝えさせていただきます。

1.製造業における品質管理の重要性

まず品質の定義として、社内で設計された製品を設計通りに製造しお客様に提供される製品の品質のことで、要求品質を満足する必要があります。
つまりは「設計品質」=「製造品質」と定義できます。

この品質においては不適合の製品を万が一流出してしまった場合、単なる不良品として再製作だけにとどまらず、不具合内容によっては事故や訴訟問題に発展してしまう可能性があります。
そうなった場合、会社にとって大きな信頼と売上と顧客を失うことになり得る可能性があります。
こうした事態を回避し顧客満足度を高めるには、商品・サービスの品質向上に勤めることが非常に大切です。
そのための品質の改善ポイントを列記します。
(ポイント1)5Sの運用・活動維持 ⇒整理・整頓・清掃・清潔・しつけ
(ポイント2)4Mの管理・メンテナンス ⇒人(Man)、機械(Machine)、材料(Material)、方法(Method)
(ポイント3)DX化(デジタルトランスフォーメーション)による実績収集・分析・活動記録
(ポイント4)手順書の整備・業務標準化 ⇒作業標準、教育、社内会議による情報共有

今回はポイントの3つ目品質管理における「DX化」について詳しくお伝えいたします。

2.品質管理における改善活動

品質管理においてDX化を進めるのにあたり、まずは社内の仕組みや体制つくりが重要となります。
いきなりDX化で改善とはなりませんので、まずは基礎を固めてからスタートすることが良いでしょう。
そのポイントを列記します。
①品質マネジメントシステム(QMS)の構築
QMSを導入し、品質保証体制を整備することが重要です。
社内の品質方針や手順、KPIを策定し、品質管理の方向性を明確にして全社に周知させます。

②プロセス改善
改善活動におけるプロセスを見直し、改善を行うことが必要です。
例えば不良率が多い工程を特定し、原因を分析して改善方針を策定します。

③品質情報の収集と分析
生産現場や顧客からの不適合品発生情報やクレーム情報を収集し、品質データを解析します。
各種品質データを分析し、課題を特定し、実行計画を策定します。

④トレーニング・教育の実施
生産ラインでの品質管理の観点を徹底し、従業員の教育を実施します。
また、社内教育の記録を取り、訓練後に評価することで、意識の向上を図ります。

⑤顧客満足度の向上
顧客満足度を向上させるための再発防止策の徹底に努めます。
発生した不適合品の原因には様々な改善ヒントがありますので、顧客とのコミュニケーションを密にし、
クレーム対応から製品の特性や設備や作業等の見直しを行い顧客ニーズの理解に繋げます。

⑥PDCAサイクルの徹底
PDCAサイクルを活用し、改善計画を実施します。
目標の設定、プランニング、実行、評価の順序で改善計画を進め、定期的な改善を行います。

まとめとして、製造業において品質管理は、顧客からの信頼性を高めるために重要なポイントになりますので
以上の点を考慮し地道な品質活動を維持継続していくことが大切です。
ここからは、品質管理のDX化における事例を見ていきましょう。

3.品質管理のDX化事例

①工場IoTの導入
生産ラインの設備にセンサーを設置し、生産データをリアルタイムで可視化することで、機器トラブルや生産ラインの停止を事前に予測することができます。

②AIの活用
製造プロセスにAI技術を導入することで、不良品の自動検査や品質管理の徹底など、品質レベルの向上が可能になります。

③ビッグデータの活用
多種多様な品質情報を収集し、データを分析することで、プロセスや機器の改善点を特定することができ
ます。

④プロセスの可視化
製造プロセスを可視化することで、製品の品質管理、在庫管理、納期管理、販売管理など、様々なビジネスプロセスの改善につなげることができます。

4.品質管理のデータ分析とプロセス

前述の様々な手法がある中で、品質管理におけるデータ分析は、生産プロセスや製品の品質に関する情報を数値化、分析し、品質レベルの向上に繋げるための取り組みで最も重要な施策になります。
以下に、データ分析を活用した品質管理の事例をいくつか紹介します。

①品質改善に役立つデータの収集と解析
生産ラインのスピード、不良数、不良原因などのデータを収集し、何らかのパターンを発見し、その原因を追究することができます。
このデータを分析するとどの生産過程やどの機械がどの程度の不良を生産しているかを把握し、品質改善計画を策定することができます。
一般的にはExcel等で台帳管理を行っている企業も見受けられますが、各種パッケージによるシステム化も有効な手段と言えます。

②ビッグデータ分析による予測と改善
複数の製造バッチや機器のデータを使用して、不良品の要因を特定すると同時に、将来の製品欠陥の予測ができます。
予測された品質欠陥に対処するため、製造プロセスを改善することができます。

③AIによる検査とデータ分析
非破壊検査やビジョンセンサーを使用して、データを収集し、AIによって不良品を検出することができます。
不良品の原因を特定し、各生産プロセスを改善することで、品質の向上に繋げます。

④SPC(統計的工程管理)による品質管理の追跡
SPCでは、生産前及び生産後のサンプリングを行い、データを抽出、統計解析することで品質改善を追跡することができます。また、プロセスの制御限界を把握し、品質レベルを維持・改善するために必要な製造プロセスを革新することができます。

以上のように、データ分析を組み合わせた品質管理では、生産ラインの品質を確保するための正確かつ迅速な試験を行い、不良品の発生を防止することが可能となります。

5.まとめ

最後に、まとめとして品質改善活動は、企業の売上や信頼と言った重要な要素の他に、品質管理を実施することで、不良数を削減し、生産コストを削減することができます。
昨今は様々なDX化による改善活動ができますので、ぜひ取り組んでみてはいかがでしょうか。
このコラムが皆様の工場にお役に立てれば幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

製造業経営者向け“基幹システム再構築戦略”解説レポート

▼事例レポート無料ダウンロードお申し込みはこちら▼
製造業経営者向け“基幹システム再構築戦略”解説レポート

多くの製造業は、全体としての原価・利益は見えているが、個別の実際原価は、属人化している業務で運用されている事で見えにくくなっています。製品別個別、取引先個別、工程別個別の実際原価を把握することで実際の利益が見えてきます。

見える化、DX化により、適切なアクションを取ることが重要です。

本レポートでは見える化とDX化のポイントを解説します!

今すぐダウンロードする

https://www.funaisoken.co.jp/dl-contents/smart-factory__02003_S045

 
■関連するセミナーのご案内
製造業の為のAI・IoT活用戦略!経営者セミナー

製造業の為のAI・IoT活用戦略!経営者セミナー
https://www.funaisoken.co.jp/seminar/102603

職人技術に依存している製造現場でAI化・IoT化・ロボット化・デジタル化できる取組事例が学べる!

■開催日程
全てオンライン開催となります

以下の日程よりご都合の良い日程をお選び下さい
※内容は全て一緒です

  • 2023/09/07 (木) 13:00~15:00
  • 2023/09/12 (火) 13:00~15:00
  • 2023/09/14 (木) 13:00~15:00

■講座内容
ゲスト講師講座「協働ロボット成功事例講座!ロボドリル工程の工数を年間1,200時間削減!」

  • AI・IoT取組事例講座編 「全国各地で見られる製造業でのAI・IoT取組事例」
  • AI・IoT活用戦略講座編 「製造業経営者が取り組むべきAI・IoT活用戦略」

セミナー詳細・申込はこちらから⇒
https://www.funaisoken.co.jp/seminar/102603

無料経営相談の際はフォームよりお気軽にお問い合わせください。お電話でのお問い合わせは 0120-958-270へ(平日9時45分~17時30分)