記事公開日:2023.09.20
最終更新日:2023.11.08

無人搬送車(AGVとAMR)の違いと製造業への導入メリット・事例について解説

いつも当コラムをご愛読いただきありがとうございます。

製造業におけるAGVとAMRの活用事例についてお届けします。自動化技術の進化により、AGVやAMRが製造現場でどのように活躍しているか、その魅力やメリットについて詳しく解説しています。

ぜひ、このコラムを通じて、製造業における自動化の一翼を担っているAGVとAMRの可能性を探ってみてください。

それでは、本文に移ります。お楽しみください。

1.AGVとは

AGV(Automated Guided Vehicle)は、無人搬送車のことであり、製造業において物流倉庫や生産ラインで広く利用されています。AGVは予め設定されたルートを自動的に走行し、物品の運搬や搬送を行います。センサーやナビゲーションシステムによって移動を制御し、作業者の負担軽減や生産効率の向上を実現します。

AGVは無人で操作されるため、自動化された作業環境で利用されることが一般的です。事前に設定されたマップやルートに基づいて移動するため、高い精度での運搬や物品の正確な配置が可能です。AGVは様々な形状やサイズのものが存在し、荷物や製品の大きさや重量に応じて選択できます。

2.AMRとは

AMR(Autonomous Mobile Robot)は、自律型搬送ロボットのことであり、製造業でも活用されています。AMRはセンサーやカメラ、自己位置推定技術などを駆使し、環境を認識して自律的に移動します。大きな自由度を持つため、変則的な作業空間でも柔軟に活動することができます。

AMRはAGVと比べてさらに高い柔軟性を持つことが特徴です。例えば、狭い通路や複雑な作業スペースにおいても自律的に移動し、正確な位置決めや運搬を行うことができます。センサーによって周囲の状況をリアルタイムに把握し、障害物の回避や危険な状況からの避難も行えます。

続いて動作原理の違いや適用範囲の違い、それぞれのメリットや製造業における事例を解説していきます。

3.動作原理の違い

AGVとAMRの動作原理には以下のような違いが存在します。

AGVは予め設定されたルートを走行するため、センサーやナビゲーションシステムは比較的シンプルです。AGVは走行する道順を正確に把握し、事前にマップデータやルート情報を設定します。このため、環境や障害物の変化に対応することは難しいですが、安定した運搬が可能です。

一方、AMRは自己位置推定技術を活用して周囲の環境を認識し、自律的に移動します。
カメラやセンサーを使って障害物を検知し、リアルタイムで回避動作を行うことができます。
また、自己位置推定にはSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)技術なども活用されており、高い精度での自己位置特定が可能です。

4.適用範囲の違い

AGVとAMRの適用範囲には以下のような違いがあります。

AGVは決められたルートでの荷物に搬送に用いられます。一般的には作業フローが予め決まっている場合に効果的です。製造業の物流倉庫や生産ラインで利用され、様々な種類の商品や部品の運搬に活躍しています。

一方、AMRは小型の荷物や狭いスペースでの作業に適しています。その柔軟性から、変則的な作業環境や狭い通路でも活動できます。倉庫や工場内でのピッキング作業や、組み立て作業のための部品の搬送などに利用されています。近年、レストランやホテルなどで活躍する配膳ロボットもAMRに分類され、製造現場で使用されることもあります。

5.導入メリットと課題

AGVとAMRの導入には以下のようなメリットと課題が存在します。

導入メリットとしては、作業者の負担の軽減、生産性の向上、作業の正確性の向上などがあります。AGVやAMRを導入することで、人手不足による作業の煩雑さを解消し、作業の効率化を図ることができます。

また、AGVやAMRは24時間体制での運用が可能であり、生産ラインのスムーズな動作を支えることができます。センサーやナビゲーションシステムの進化により、より高度な運搬や作業を行うことができるようになっています。

一方、導入課題としては、初期投資費用や運用コストがかかることが挙げられます。AGVやAMRの導入には機材やセンサー、システムの整備が必要であり、予算や資源の確保が求められます。

また、既存の作業環境に合わせてシステムのカスタマイズや適切なセキュリティ対策を講じる必要もあります。機器やシステムの故障やトラブルへの備えも重要です。

6.製造業での事例紹介

製造業におけるAGVとAMRの事例を以下に紹介します。

AGVの事例では、自動化された物流倉庫や生産ラインでの運搬や組立工程での効率化が挙げられます。物流倉庫では、AGVによる効率的な物品の仕分けや保管が行われており、作業の効率化と品質の向上が実現されています。

また、生産ラインでは、AGVを用いた輸送によって作業の流れがスムーズになり、生産性が向上しています。AGVの連携によって、複数の作業工程やライン間の物流が円滑に行われ、全体の生産効率が向上しています。

AMRの事例では、ピッキング作業やアセンブリ工程などに活用されています。例えば、荷物のピッキングでは、AMRが自動的に商品の置かれている棚に移動し、作業者に商品のピッキングを指示することや、ロボットと組み合わせることで作業者を必要とせずに自動的にピッキングしたのちに、指定された場所に運搬することが可能です。これにより、作業時間の短縮やミスの削減が実現されています。

また、アセンブリ工程では、部品の搬送にAMRを活用することで、作業者の移動時間や負荷を軽減し、作業の効率化を図っています。AMRは自己位置推定技術によって高い精度の移動を実現し、生産ライン全体のスムーズな動作をサポートします。走行ルート上に障害物がある場合でも、回避して対処が可能な点が強みとなります。

これらの事例は、AGVとAMRが製造業においてどのように活用されているかを示しています。自動化技術の導入によって作業の効率化や生産性向上を実現することができるため、今後ますますその活用が広まると予想されます。

7.まとめ

AGVとAMRは、製造業において自動化技術の一環として幅広く活用されています。それぞれの特徴や適用範囲、導入のメリットや課題を理解することで、製造業における自動化の選択肢の一つとして検討することができます。

AGVは予め設定されたルートを走行し、物品の運搬を行うことが主な特徴です。一方、AMRは自己位置推定技術によって柔軟に移動し、さまざまな作業空間で活躍します。

導入メリットとしては、作業の負担軽減や生産性の向上、作業の正確性や品質の向上を実現することができます。また、製造業での実際の事例を通じて、AGVとAMRがどのような場面で活用されているかを理解することが重要です。

今後、更なる技術の進化により、AGVとAMRの利用範囲や機能がより広がると予測されます。製造業において自動化の重要性が高まる中、AGVやAMRを活用することで、生産性の向上や作業者の負担軽減を実現することができます。

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