記事公開日:2024.01.18
最終更新日:2024.01.18
業務の標準化の重要性とメリット、成功するポイントについて解説
1.製造業の求人に応募が少ない理由
以下は、図1製造業における就業者数の推移、図2若手就業者数(34歳以下)の推移、図3高齢者就業者(65歳以上)の推移のグラフです。
随分と前から言われて通りですが、年々製造業の就業者において、「若手が減り・高齢者が増加」し、製造業は慢性的な人材不足となっているのです。
特に中小製造業は、担当者に依存した属人化した作業が多く、さらにブラックボックスになっています。
これにより継続的に作業品質や技術的な品質の維持が難しくなっています。
現時点では問題になっていなくても、将来的に不安を抱えている企業は多いのではないでしょうか。
それは回避する為に、属人化→標準化をしなければならない。
ということが出てきていると思います。
2.なぜ「業務の標準化」はうまくいないのか?
一方で、「業務の標準化」がやりきれない=頓挫してしまったという話をよく聞きます。
皆さんが必要性と感じてやり始めているのに、なぜうまく出来ないのでしょうか。
以下はよく言われる標準化のメリットです。
- 業務のムダがなくなり効率化される
- 業務の品質が向上する
- 多能工化につながる
- 部署間が連携しやすくなる
標準化する為には以下に作業が必要になります。
- 業務内容の洗い出し (作業の文言化)
- 標準化する対象の選定
- 標準化後の業務フロー(あるべき姿)の作成
- 標準化の施策実施
- マニュアル作成
- ブラッシュアップによる最適化
一方で、頓挫してしまう理由は主に以下です。
- 業務が忙しくてメンバーの時間がさけない。メンバーがそろわない。閑散期は可。
- 利害関係が対立して、コントロール出来ない。コントロールする人材がいない。
- 標準化をする過程で業務が増える。通常の仕事+α αまで行き着かない。
このようなことが、複合的に絡み合い、議論していく中でメンバーは目的を見失い「ここまで苦労するほど、現状は困っていない=標準化しなくても業務は回る」という気持ちになり、プロジェクトはいつの間にか頓挫してしまうのです。
「メリット(重要性)はわかっているが、そこまで重要ではなく、やりきれない」というわけです。
3.頓挫しない秘訣とは?
まず、抑えていかなければならないのは「作業の標準化」をするのはとても大変で、労力がかかるという点です。
暗黙知や文書になっていない業務を言語化して、フローにして、運用まで持っていく(仕事の仕方を変える)ということは容易な作業ではなく、製造業にありがちの属人化している作業でればあるほど、必ずゴールに行き着くというわけではなりません。
標準化までの道中で、メンバーが目的を見失うということはよくあることです。
上記に記載したような「一般的な標準化のメリットを享受したい」くらいでは、現場のモチベーションは維持できず、大変なプロジェクトをやりきることはできません。
「作業を標準化しなければならない動機」は以下に該当するものを考えます。
- システムやロボットを導入する=標準化したものしかコンピュータシステムには載せられない
- 事業を拡大する(仕事が増える)=人を増やす=同じスキルを持った人材が大量に必要
- 新規事業を行う=既存事業の人を増やす=同じスキルを持った人材が大量に必要
- 後継者がもういない 現職が退職=ノウハウ残しておかないと・・・
このように「作業の標準化」は現場に対して、「明確な目的」がなければやりきれません。
トップの中途半端な動機は逆に現場の混乱招きと結果として仕事だけ増えて、リターンがない(諦める)ということになりやすいので、上記のように現場に明確な目的を与えられるようにしましょう。
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