記事公開日:2024.01.29
最終更新日:2024.10.11
製造業必見!原価管理をエクセルで行う方法とそのメリット・デメリット
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1.原価管理とは
概要
原価管理は、企業としての持続可能性と競争力を高める上で欠かせない概念です。原価管理を実施することで、製品やサービスを生み出す過程における費用と効率を最適化することができるようになります。適切な原価管理を行い、リアルタイムに正確な原価情報を得ることにより、経営者は的確かつ迅速な意思決定を行うことができるようになります。
目的
原価管理を行う主な目的は、製品別の現状のコスト構造を把握し、最適化するための判断材料をデータとして取得することです。
原価管理を正確に実施することにより、以下のような効果が期待できます。
①競争力の向上
多くの中小企業では、過去に決定した価格のまま現在も取引を行っていることが多くあります。
実際工数に基づく製品別原価管理ができるようになれば、価格交渉における根拠材料をもとに説明することができるようになります。
明確な情報が開示できずに価格交渉を行うよりもずっと説得力が増し、建設的な議論ができるようになっていきます。
②収益最大化
取引先へのメリットの他に、正確な原価管理ができるようになると、工程別のボトルネックが把握できるようになります。
現場担当者の頭の中になんとなく感じていた課題が、原価管理により課題が浮き彫りになります。これにより、解決すべき喫緊の課題が会社内で共通認識で取り組むことができるようになり、結果として会社の利益を上げることができるようになります。
③改善箇所の明確化・表面化
②項にも通じますが、製品別工程別の正確な実際原価管理ができるようになると、普段なんとなく仕事だから行っていた業務を改めて数値をもって見直すことができるようになります。
数値で見えるようになると、その数値に対してピンポイントで議論ができるようになるため、現場担当者からも意見が挙がりやすくなります。
次に、Excelで原価管理表を作成する方法を解説します
2.Excelで原価管理表を作成する方法
- 原価計算に必要な以下のマスタデータを用意します。
- 材料費
- 加工費
- 労務費
- 売上金額
- 原価管理シートを用意し、下記のような計算式を設定します。
- 材料費=SUM(材料A, 材料B, …)
- 加工費=SUM(機械加工費, 人件費, …)
- 原価=材料費+加工費+その他経費
- 粗利=売上金額-原価
- 原価率=原価/売上金額
- 粗利率=粗利/売上金額
次にExcelを使った原価管理のメリット・デメリットを解説します。
3.Excelを使った原価管理のメリット・デメリット徹底解説
Excelを使った原価管理のメリット
原価管理にExcelを用いることで、開発費用を少なくすることができることがメリットになります。
また、社内で原価管理Excelを作ることができる人がいれば、その方を管理担当者にすることで社内特化の原価管理が可能となります。
Excelを使った原価管理のデメリット
基本的には、Excelを使った原価管理を行おうとすると、マクロを使ったり、複雑な関数を組んだりすることが多くあります。
そうなると、管理できる人材が限られてしまい、結果として属人化する恐れが発生します。
また、Excelを自由に扱うことができる人材は基本的にデジタル知識に明るい方であるため、単にExcel構築担当とするのではなく、社内DX促進のための取組に注力したほうが会社の成長に良い影響をもたらすことが多いです。
4.実はExcelよりもおすすめの原価管理ツール
Power BI
Excelのような使い方で簡単にデータ加工・共有・可視化ができるMicrosoftのノーコードソフトウェアになります。
ノーコードであるため、管理が属人化するリスクも少なく、Excelでは管理しきれない詳細データまで分析することができることが特徴になります。
月額利用料も1,250円であるため、コスト面でもメリットがあります。
5.まとめ
いかがでしたでしょうか?原価管理におけるメリット・Excelを使うことのメリット・デメリットを本コラムで理解していただけますと幸いです。
しかし、一番重要なのは原価管理をすることではなく、原価管理をした後の現場改善・業績アップです。
あくまで原価管理は手段であること、管理後のデータドリブンな改善体制を作ることを見据えて原価管理を行うことが大切です。
船井総研では、属人化を防いだ原価管理体制の構築から、そのデータを使った現場改善まで、多くの企業へサポートさせていただいております。
これからの会社に必要な原価管理・原価管理後の現場改善方法など、気になる点がございましたら遠慮なくご連絡ください。
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