記事公開日:2024.04.16
最終更新日:2024.04.16

ERP(基幹システム)導入・刷新に際して知っておきたいパッケージの基本

“ERP(基幹システム)導入・刷新に際して知っておきたいパッケージの基本”についてご紹介します。
ERP(基幹システム)の導入や刷新を考える上で、ERP(基幹システム)の成り立ちや特徴のような基本情報の獲得と、自社にはどんな形が合うのかといった検討は必須と言えます。
インターネットでERP(基幹システム)を検索すると様々な製品や開発会社がヒットすると思います。今回はERP(基幹システム)の基本情報と、分類を踏まえた上で自社に合うシステム検討をしていただければ幸いです。

1.ERP(基幹システム)とは

ERPシステムは、基幹システムとも呼ばれ、組織の様々な業務プロセスを統合し、情報の流れを最適化するためのソフトウェアプラットフォームです。
このシステムは、財務管理、人事、製造、供給チェーン管理など、企業運営の核となる機能を一元化します。
広範囲のシステム導入となるため、比較的高額なIT投資となる一方で、活用できた際の効果が大きいことがポイントです。
ERPには主に以下の2つのタイプがあります。

① パッケージ型(Commercial Off-The-Shelf, COTS)ERP:
既存のソフトウェア製品をベースにして、企業のニーズに合わせてカスタマイズする形式です。一般的には導入が迅速であり、多くの業界で利用されています。

② スクラッチ型(Custom ERP)ERP:
企業独自の要件に合わせてカスタム開発されたERPシステムです。導入には時間とリソースがかかりますが、業務プロセスに完全に適合させることができます。
現在のトレンドはどうかと言えば、そもそも基幹業務のフロー(販売や会計など)というのはそこまで会社によって変わらないことからも、共通している業務はパッケージで標準化されているメニューを使った方が安く、早く導入が出来るということで、パッケージ型を選ぶ企業が多いようです。

2.ERPパッケージ導入で出来ることとそのメリット

ERPパッケージ導入でできることとそのメリットは以下が挙げられます。

①業務プロセスの統合と効率化
ERPパッケージは、部門をまたぐ情報の流通や業務の連携を容易にします。経営層はシステム活用を通した全体最適化を促進することが出来、もたらされる情報を用いて意思決定の精度向上を期待できます。

②リアルタイムでの情報共有
ERPシステムでは情報を一元管理することでリアルタイムでのデータ共有を実現します。これによって、例えば月次業績資料作成のために、様々なシステムのデータをつなぎ合わせて資料を作成する必要はありません。主要なデータが一つのデータベースに格納されることによって、迅速な意思決定をサポートします。

③業務プロセスの標準化
ERPパッケージを利用するコンセプトであれば、パッケージの仕様に合わせて業務プロセスやデータ形式を標準化する必要があります。(スクラッチ型ではこの限りではありません)
なるべくカスタマイズ費用を抑えようと思うのであれば、システムに合わせて業務フローや業務ルールを変更する必要があります。
これにより、組織全体で一貫性のある業務を実現できます。

3.ERPパッケージ導入のデメリットとできないこと

ERPパッケージ導入のデメリットとしては以下のことが挙げられます。

①過度なカスタマイズのリスク
ERPパッケージは標準的な機能を提供しますが、過度なカスタマイズはメリットを損なう可能性があります。システムに合わせるのではなく、業務に合わせてパッケージを利用しようとすると、間違いなくアドオン・カスタマイズの量は増える傾向にあり、すなわち高額のIT投資となりがちです。

②導入コストと時間
ERPパッケージの導入には、コストや時間が他のシステムと比較してかかってしまう傾向があります。
対象範囲がどうしても広い為、単一業務に関するシステムと比べれば、導入には時間がかかり、また、費用もかさんでしまいます。
IT投資額には注意して導入していく必要があります。

4.ERPパッケージ選定のポイント

ERPパッケージを選ぶ際には、企業のニーズに合った機能、拡張性、サポート体制などを考慮する必要があります。
ERPパッケージと一口に言っても、大企業向けで多機能が標準として搭載されているものや、中小企業向けの最低限の機能が搭載されているもの、特定の製造部門に特化しているものなど多種多様なラインナップが市場にリリースされています。
高いIT投資に見合う、ベストなパッケージ選定を行いたいのであれば、システム化したい範囲や、必要な機能は当然として、オンプレかクラウドかといった内容も踏まえて選定を進める必要があります。
基本的には提案依頼書を作成して、複数のパッケージから最も自社に合うパッケージを選択する手法がおすすめです。

5.おすすめのパッケージ紹介

今回は数あるERPパッケージの中から、MicrosoftのパッケージであるDynamics365 Business Centralをご紹介します。

Microsoftといえば、皆様も良く使われるであろうExcelやWordといったOfficeソフトが有名です。このDynamicsもそのMicrosoftの製品群の一つであり、2007年に発売されてからグローバルに130か国以上、約17,000社に導入されています。
PowerBI等のPowerプラットフォームとの親和性が高い点が特徴で、受注~生産計画(MPS)~MRP~生産~組立~検査~出荷~会計連携までをデジタル化できる統合ERPパッケージです。
Excelとの互換性も高く、近年日本国内でも着実に採用事例が増えてきています。
基本機能は豊富で、データ活用にも強く、既に様々な製造業界で導入されています。その割に比較的安価に導入できることも今回ご紹介した理由です。

もし、ご興味がおありでしたら是非弊社にお問い合わせください。

6.ERPパッケージ導入までのステップ

ERPパッケージ導入に向けたステップは以下の通りです。

  1. システム計画書策定
  2. 現状ヒアリング・課題抽出
  3. RFP作成
  4. ベンダー選定
  5. 要件定義、Fit&Gap
  6. 基本設計
  7. 詳細設計
  8. 各種テスト
  9. データ移行
  10. 並行稼働準備
  11. 移行テスト、承認
  12. 本導入

この通り、少なくないステップが存在します。前述したように、導入したいシステム像をある程度明確にしたうえで選定に向かいましょう。

その上で各プロセスの中でベンダーが主体でやる内容、自社が主体性を持たなくてはいけない内容をしっかり把握することが円滑にパッケージ導入するためには大切と言えるでしょう。

ERPシステムは、基幹システムとも呼ばれ、組織の様々な業務プロセスを統合し、情報の流れを最適化するためのソフトウェアプラットフォームです。
このシステムは、財務管理、人事、製造、供給チェーン管理など、企業運営の核となる機能を一元化します。
広範囲のシステム導入となるため、比較的高額なIT投資となる一方で、活用できた際の効果が大きいことがポイントです。
ERPシステムには様々なパッケージが存在し、船井総研ではERPの活用を通しての業績改善・業務改革PJを数多く担当しています。
自社に合ったERP導入方法にお迷いの際や、投資対効果に不安が強い、DX方針が定まらない、というようなご不安がおありでしたら、ぜひお声がけください。

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