記事公開日:2025.03.24
最終更新日:2025.03.25

【2025年最新版】中小企業向けERPシステム比較15選!選び方・導入メリット・注意点まで徹底解説

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中小企業向けERPシステム比較15選!選び方、導入メリット・デメリット、注意点まで徹底解説。業務効率化、コスト削減、生産性向上を実現する最適なERPシステム選びをサポートします。最新のクラウドERPや人気システムを紹介!

1.はじめに:中小企業におけるERPの重要性

多品種少量生産を特徴とする中小製造業にとって、ERP(Enterprise Resource Planning)は、もはや「大企業だけのもの」ではありません。市場のグローバル化、顧客ニーズの多様化、そして人材不足といった課題に直面する中で、ERPは中小企業の生き残りをかけた重要な経営戦略ツールへと進化を遂げています。

ERPとは、企業のあらゆる資源(ヒト・モノ・カネ・情報)を統合的に管理し、経営の効率化と最適化を支援するシステムです。中小企業においては、特に以下のような課題解決に役立ちます。

  • 属人的な業務の標準化・可視化:個人のスキルや経験に頼っていた業務をシステム化することで、業務プロセスを標準化し、誰でも同じレベルで業務を遂行できるようにします。また、業務の進捗状況や課題を可視化することで、問題発生時の迅速な対応を可能にします。
  • 部門間連携の強化:営業、生産、在庫、会計など、各部門の情報を一元管理することで、部門間での情報共有をスムーズにし、連携を強化します。
  • リアルタイムなデータに基づく迅速な意思決定:常に最新のデータにアクセスできる環境を構築することで、経営状況をリアルタイムに把握し、迅速かつ的確な意思決定を支援します。
  • 人材不足への対応:業務の自動化・効率化により、限られた人員でより多くの業務を処理できるようになり、人材不足の解消に貢献します。
  • 本記事では、多品種少量生産を行う中小製造業のマーケティング担当として、ERPの基本知識から導入メリット・デメリット、選び方、そして最新のおすすめシステムまでを網羅的に解説します。本記事を読むことで、ERP導入を検討する際に必要な情報を得ることができ、最適なシステム選びの参考になるでしょう。

2.ERPとは?

ERPとは、企業内のあらゆる経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)を統合的に管理し、経営の効率化と最適化を支援するシステムです。具体的には、以下のような機能を備えています。

  • 販売管理:受注管理、売上管理、顧客管理など
  • 生産管理::生産計画、工程管理、品質管理など
  • 在庫管理:在庫状況の把握、入出庫管理、発注管理など
  • 購買管理:仕入先管理、発注管理、検収管理など
  • 会計管理:仕訳入力、決算処理、財務諸表作成など
  • 人事管理:給与計算、勤怠管理、人事評価など。
  • 中小企業向けのERPは、大企業向けのものと比べて、以下のような特徴があります。

  • 導入コストが低い:機能を絞り込んだり、クラウド型を採用することで、導入コストを抑えています。
  • 操作が簡単:直感的な操作画面を採用し、ITスキルが低い従業員でも容易に操作できるように設計されています。
  • 柔軟性が高い:中小企業の多様なニーズに対応するため、カスタマイズやアドオン機能が充実しています。ERPには、大きく分けてクラウド型とオンプレミス型の2つの導入形態があります。
  • ERPには、大きく分けてクラウド型オンプレミス型の2つの導入形態があります。

  • クラウド型ERP:インターネット経由でERPシステムを利用する形態です。初期費用が安く、導入期間も短いというメリットがあります。また、サーバーやソフトウェアの管理が不要で、メンテナンスの手間もかかりません。
  • オンプレミス型ERP:自社でサーバーやソフトウェアを導入し、システムを構築する形態です。初期費用は高額になりますが、自社のニーズに合わせて自由にカスタマイズできるというメリットがあります。

3.中小企業がERPを導入するメリット・デメリット

ERPを導入することで、中小企業は以下のようなメリットを享受できます。

  • 業務効率化:ERPは、これまで手作業で行っていた業務を自動化することで、業務効率を大幅に向上させます。例えば、受注管理、在庫管理、請求処理などを自動化することで、担当者の負担を軽減し、業務のスピードアップを実現します。
  • コスト削減:在庫管理の効率化による在庫削減、購買管理の効率化による仕入れコスト削減、人材不足の解消による人件費削減など、様々なコスト削減効果が期待できます。
  • 経営の可視化:ERPは、企業全体のデータを一元管理することで、経営状況をリアルタイムに可視化します。売上、利益、在庫状況、顧客情報などをいつでも確認できるため、迅速かつ的確な経営判断が可能になります。
  • 内部統制の強化:ERPは、業務プロセスを標準化し、データへのアクセス権限を適切に設定することで、不正アクセスやデータ改ざんのリスクを抑制し、内部統制を強化します。
  • 顧客満足度の向上:受注から納品までのプロセスを効率化し、正確な情報を顧客に提供することで、顧客満足度向上に貢献します。

一方、ERP導入には以下のようなデメリットも存在します。

  • 導入コスト:ERPの導入には、システムの購入費用、導入費用、カスタマイズ費用、運用費用など、多額のコストが発生します。特に、オンプレミス型ERPの場合、初期費用が高額になる傾向があります。
  • 運用負荷:ERPを導入すると、システムの運用・保守、データのバックアップ、セキュリティ対策など、新たな運用負荷が発生します。
  • 社員の抵抗感:新しいシステムの導入は、従来の業務プロセスや仕事のやり方を変えることになります。そのため、社員の中には抵抗感を持つ人もいるかもしれません。導入前に十分な説明と研修を行い、理解と協力を得ることが重要です。

4.中小企業向けERPシステムの選び方

中小企業がERPシステムを選ぶ際には、以下のポイントを考慮することが重要です。

4-1) 自社の業務に適した機能性

ERPシステムの選定において最も重要なのは、自社の業務プロセスに適合した機能を持つシステムを選ぶことです。例えば、製造業であれば生産管理機能を含めたものが良いでしょう。また、業界特有のニーズに対応できるカスタマイズ性も重要です。
しっかりと現在の業務に必要なプロセスを抑え、かつ、改善したい要望をまとめておきましょう。

4-2) 導入・運用コスト

ERPシステムの導入には初期費用やライセンス料がかかるため、総コストを慎重に評価する必要があります。導入後の運用コストやサポート費用も考慮し、自社にとって最適な形を選択する必要があります。
現在はクラウド型ERPも発表されており、かなり初期費用が抑えられ、運用コストも予測しやすい点で中小企業には適していると言えるでしょう。

4-3) 使いやすさとサポート体制

ERPシステムは日常業務で頻繁に使用するため、使いやすさも選定の重要なポイントです。ユーザーフレンドリーなインターフェースや、操作性の高さを重視しましょう。また、システム導入後のサポート体制が充実しているベンダーを選ぶことで、トラブル発生時にも迅速に対応できるようになります。

5.2025年最新版!中小製造業向けおすすめERPシステム15選

多品種少量生産の中小製造業にとって、ERP選びは特に慎重に進める必要があります。以下に、多品種少量生産に対応した機能を備え、日本の中小製造業で広く導入されているおすすめのERPシステムを15個紹介します。

1.Microsoft Dynamics 365 Business Central:マイクロソフトが提供するクラウド型ERPです。財務管理、サプライチェーン管理、プロジェクト管理など、幅広い業務に対応しており、多品種少量生産に必要な柔軟性と拡張性を備えています。中小製造業にとって導入しやすい価格帯と操作性の良さも魅力です。

特徴:

  • マイクロソフト製品との連携に優れている。
  • Microsoft製品の為、MicrosoftのPowerPlatformとの連携が容易に可能となります。
    (分析ツールであるPowerBIとの連携、RPAツールであるPowerAutomateとの連携、

    ノンコーディング画面帳票作成ツールであるPowerAppsとの連携)

    導入稼働後も利用者がご自身で機能追加が可能となります。

  • カスタマイズ性が高く、Microsoft社が年2回、利用者の声を集計してアプリケーションの更新を行う為、パッケージがレベルアップされます。

   
2.マネーフォワード クラウドERP:会計ソフトで有名なマネーフォワードが提供するクラウド型ERPです。会計管理機能に強みがあり、バックオフィス業務の効率化に貢献します。製造業向けの機能も充実しており、多品種少量生産にも対応可能です。

特徴:

  • 会計業務の効率化に特化している。
  • クラウド型で導入・運用が容易。
  • 中小企業向けのシンプルな機能構成。

   
3.freee:こちらも会計ソフトで有名なfreeeが提供するクラウド型ERPです。会計管理、販売管理、人事労務管理など、幅広い機能を備えています。製造業向けのアドオン機能も用意されており、多品種少量生産にも対応できます。

特徴:

  • 会計、人事労務管理との連携に優れている。
  • クラウド型で導入・運用が容易。
  • スタートアップや小規模企業に適している。

   
4.GRANDIT:中堅・中小企業向けのERPパッケージです。会計管理、販売管理、生産管理など、豊富な機能を備えています。多品種少量生産に対応した生産管理モジュールも用意されています。

特徴:

  • 中堅企業向けの豊富な機能。
  • 導入実績が豊富で、信頼性が高い。
  • カスタマイズ性が高く、柔軟な対応が可能。

   
5.奉行VERP:OBCが提供する老舗のERPパッケージです。会計管理、販売管理、人事労務管理など、幅広い業務に対応しています。

特徴:

  • 会計、人事労務管理の機能が充実。
  • 長年の実績とノウハウがある。
  • 中小企業向けの導入しやすいラインナップ。

   
6.クラウドERP ZAC:建設業に特化したクラウド型ERPですが、製造業でも利用可能です。原価管理、請求管理、工程管理など、多品種少量生産にも役立つ機能を備えています。

特徴:

  • プロジェクト管理機能が充実。
  • 建設業向けの機能が豊富。
  • クラウド型で導入・運用が容易。

   
7.Clovernet ERPクラウド:NECネクサソリューションズが提供するクラウド型ERPです。会計管理、販売管理、生産管理など、幅広い業務に対応しています。

特徴:

  • NECグループの信頼性とサポート体制。
  • 業種別のテンプレートが用意されている。
  • クラウド型で導入・運用が容易。

   
8.GEN:GEN株式会社が提供するクラウド型ERPです。製造業に特化しており、生産管理、在庫管理、原価管理など、製造業の業務効率化に貢献します。

特徴:

  • 製造業向けの機能が充実。
  • 生産管理、在庫管理、原価管理に強み。
  • クラウド型で導入・運用が容易。

   
9.Oracle NetSuite:世界で19,000社以上が導入しているグローバルERPです。多言語、多通貨に対応しており、海外拠点を持つ企業にも最適です。

特徴:

  • グローバル対応に優れている。
  • 拡張性が高く、大規模企業にも対応可能。
  • クラウドベースで常に最新の機能を利用できる。

   
10.RobotERPツバイソ:ツバイソ株式会社が提供するクラウド型ERPです。AIを搭載し、業務の自動化を支援します。

特徴:

  • AIによる業務自動化機能。
  • クラウド型で導入・運用が容易。
  • 中小企業向けの導入しやすい価格帯。

   
11.MA-EYES:株式会社ビーブレイクシステムズが提供するERPパッケージです。製造業に特化しており、多品種少量生産に対応した生産管理機能を備えています。

特徴:

  • 製造業向けの機能が充実。
  • 多品種少量生産に特化した機能。
  • 生産管理に強み。

   
12.SAP Business ByDesign:SAPが提供する中堅企業向けクラウドERPです。会計管理、販売管理、生産管理など、幅広い業務に対応しています。

特徴:

  • SAPの信頼性と実績。
  • クラウドベースで常に最新の機能を利用できる。
  • 中堅企業向けの豊富な機能。

   
13.SMILE V Air:株式会社大塚商会が提供するクラウド型ERPです。販売管理、在庫管理、顧客管理など、中小企業に必要な機能を備えています。

特徴:

  • 大塚商会のサポート体制。
  • 中小企業向けのシンプルな機能構成。
  • クラウド型で導入・運用が容易。

   
14.Biz∫:株式会社NTTデータ・ビズインテグラルが提供するERPパッケージです。中堅・中小企業向けに、会計管理、販売管理、人事労務管理など、幅広い業務に対応しています。

特徴:

  • NTTデータグループの信頼性と実績。
  • 中堅企業向けの豊富な機能。
  • カスタマイズ性が高く、柔軟な対応が可能。

   
15.ProActive C4:SCSK株式会社が提供するERPパッケージです。製造業、流通業、サービス業など、様々な業種に対応しています。

特徴:

  • SCSKのサポート体制。
  • 幅広い業種に対応。
  • 中堅企業向けの豊富な機能。

特に、マイクロソフトが提供する Microsoft Dynamics 365 Business Central は、多品種少量生産に対応した柔軟性と拡張性を備えながら、中小製造業にとって導入しやすい価格帯と操作性を実現しており、近年注目を集めています。

上記のリストを参考に、自社の課題やニーズに合ったERPシステムを選定し、多品種少量生産における業務効率化、コスト削減、そして企業の成長を目指しましょう。

6.ERP導入を成功させるためのポイント

ERP導入はツールやベンダーを選択することも大切ですが、特に大切なポイントというのはその前段階にあります。ここでは前段階の重要なポイントを4つご紹介します。

1つ目のプロセスは、ERPを導入する目的を明確にすることです。ERPを導入することでどのような課題を解決したいのか、最初に明らかにしておきましょう。それによって必要な機能が把握でき、導入するERPパッケージが選びやすくなります。また、社員にERPの導入目的を説明するうえでも役に立ちます。

2つ目のプロセスは、プロジェクトの責任者を選定し、各部署の担当者を巻き込むことです。ERPに関するプロジェクトは社内の業務全般に関わるため、広い範囲をカバーできるように必ず2人以上の推進者を選ぶようにしてください。推進者に適している人材としては、部署間をまたいで発言できる経営層に近い役職者が挙げられます。推進者の次に、各部署でプロジェクトの責任を負う担当者を選び、打ち合わせを進めていきます。

3つ目のプロセスは、ERP導入に関わる業務プロセスなどについて棚卸ししておくことです。今後ERPで管理することになる業務について、今はどのようなツールで管理しているのかを確かめておきましょう。業務プロセスは各企業に固有のものなので、基本的には自社で棚卸しを進める必要があります。

4つ目のプロセスは、ERPでカバーできる範囲に合わせて新しい業務フローを構築することです。棚卸しした業務内容を基に、ERPでどの範囲までをカバーするのかということを決めていきましょう。これを準備しないと、現状の業務を焼き直すようなシステム実装となってしまうため、改善効果が薄くなってしまうため注意が必要です。

7.まとめ:ERPで中小企業の未来を拓く

ERPは、多品種少量生産を行う中小製造業にとって、業務効率化、コスト削減、経営の可視化など、様々なメリットをもたらす強力なツールです。しかし、導入にはコストや運用負荷といった課題も伴います。

ERP導入を成功させるためには、自社の課題やニーズを明確化し、適切なシステムを選び、導入プロセスをしっかりと管理することが重要です。本記事で紹介した情報が、ERP導入を検討する中小企業の皆様のお役に立てれば幸いです。

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