記事公開日:2025.04.17
最終更新日:2025.04.17
バラバラな社内システムの統合統一管理を実現!製造業×基幹システム(ERP)導入成功事例とは?

いつもコラムをご愛読いただきありがとうございます。
船井総合研究所の岩松です。
今回は基幹システム(ERP)を導入し、
- バラバラな社内システムの統合統一管理
- 基幹システムにおける経営指標や業務データの一元化・見える化
などに成功された企業様の事例をご紹介いたします。
目次
1.事例企業様の概要
【包装・荷造機械製造業 S社様】
■所在地:大阪府
■従業員数:約30名
■事業内容:包装機器の設計・製造・販売およびサービス
S社様では近年、新たな全社共通基幹システムを導入されましたが、元々さまざまな種類の業務ソフトをバラバラに導入して使っておりました。
例えば、見積もり業務の場合では「kintone(キントーン)」を使い、見積もり情報を入力・作成する。それとは別に、売上伝票に関しては、売上伝票用のソフトを使って売上回収まで進める。また、製造部は製造部で製作指図書の作成を「kintone」を使って実施する…。その他の点も含めて、S社様では次のような課題が顕在化していました。
2.異なるシステムが部門ごとにバラバラに導入されており、部門間の情報連携が非効率に…データの二重三重入力も発生し、業務の属人化が生まれやすい環境だった
S社様では主に次のような業務課題が顕在化していました。
①各業務システムがバラバラに導入されており、各業務が一元管理されていない
②kintone以外にも商奉行やSansan等の管理システムが散在しており、二重三重入力が発生している
③以前に導入したシステムで見積や受注等に関する分析を試みているが、機能を十分に使いこなせていない
④見積と受注の連携を手作業でアナログに実施している
⑤現場担当者がそれぞれ異なるフォーマットのExcelや紙伝票を使用している
⑥製品に紐づく材料費・労務費・経費等の「製品別原価」が十分に管理できていない
⑦発注業務が属人的なExcel管理となっており、発注履歴の管理体制が不十分
⑧生産予定や出荷予定が一部の部門からしか見えず、他の部門担当者にとっては情報を把握するのに一苦労
⑨製品の故障履歴&修理履歴データが蓄積されていない
⑩顧客側の修理発生タイミングがわからない
このように、各部門がバラバラにそれぞれの業務を実施していました。いわば、業務・システム・組織が「縦割り」になっており、各部門間の業務情報が分断されているがゆえに、「業務の非効率」や「業務の属人化」が多数起こっていたということです。各業務や部門ごとに足並みを揃えず、バラバラにシステムやツールを導入していった結果、「部分最適」な状況に陥ってしまう…。加えて、バラバラに導入しているシステムやツールごとにランニングコストが発生してしまっている…というケースは少なくないかもしれません。
前述のような課題が顕在化していた中で、S社様ではMicrosoft社の『Dynamics 365 Business Central』というパッケージ基幹システムを導入し、「システムの統合一元管理」「業務データの可視化」「従業員の一体化」を実現されました。
3.Microsoft社の『Dynamics 365 Business Central』を導入し、「システムの統合一元管理」「業務データの可視化」「従業員の一体化」を実現
S社様の場合は「営業部」「製造部」「業務部」と大きく3つの部門がありますが、今回新たに導入した全社共通基幹システム(Microsoft社の『Dynamics 365 Business Central』)を使うことによって、部門間の壁を超えて、会社全体が一体となり、効率的に生産性高く業務を進めることができるようになりました。
以前は単体の部門に業務情報が閉ざされた状態で仕事を進めていく必要がありましたが、その後の社内における業務改革を通じて、すべての業務を部門横断的に1つになって進めていくことができるようになりました。
4.成功のポイントは「社長のリーダーシップ」と「従業員の巻き込み」
今回のDXに関する取り組みのポイントの1つとして、一部の従業員だけに閉ざされた形で進めるのではなく、「社長+工場長+各部門メンバー」も参加して共同で進めていったことが挙げられます。社長を筆頭に、ベテラン・若手を問わず、その他の関係者を巻き込んで一体となって進めていったことで、各メンバーの当事者意識を醸成することができました。
そのおかげで「システムを導入した後に、そのシステムを誰も使わない」というよくある事態には陥りませんでした。現在も各メンバーが「自分事として」「意欲的に」導入したシステムの活用に取り組むことができています。
また、各種業務データを全社共通基幹システム内で一元管理し、よりリアルタイムに業務情報の確認・分析ができるようになったことも大きなメリットとして捉えていらっしゃるようで、社長曰く、何よりも、今回の一連の取り組みを通じて、「従業員の一体感」がすごく深まったと感じられており、その点が最も大きく成果が出たことであると考えていらっしゃるようです。
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